JPH09250247A - 複合材補強コンクリート構造体 - Google Patents
複合材補強コンクリート構造体Info
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- JPH09250247A JPH09250247A JP6088296A JP6088296A JPH09250247A JP H09250247 A JPH09250247 A JP H09250247A JP 6088296 A JP6088296 A JP 6088296A JP 6088296 A JP6088296 A JP 6088296A JP H09250247 A JPH09250247 A JP H09250247A
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- composite material
- concrete structure
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 補強すべきコンクリート構造体の設置場所で
の施工が容易で、しかも繊維強化熱硬化樹脂複合材の特
性を十分に生かして補強効果の大きい、繊維強化熱硬化
樹脂複合材製シート材で補強した複合材強化コンクリー
ト構造体を提供すること。 【解決手段】 コンクリート構造体の表面にシート状補
強材を張り付けて補強したコンクリート構造体であっ
て、予めコンクリート構造体の形状に合わせて着脱可能
に成形加工した繊維強化熱硬化樹脂複合材製シート材を
コンクリート構造体の表面に張り付けてなることを特徴
とする複合材補強コンクリート構造体。
の施工が容易で、しかも繊維強化熱硬化樹脂複合材の特
性を十分に生かして補強効果の大きい、繊維強化熱硬化
樹脂複合材製シート材で補強した複合材強化コンクリー
ト構造体を提供すること。 【解決手段】 コンクリート構造体の表面にシート状補
強材を張り付けて補強したコンクリート構造体であっ
て、予めコンクリート構造体の形状に合わせて着脱可能
に成形加工した繊維強化熱硬化樹脂複合材製シート材を
コンクリート構造体の表面に張り付けてなることを特徴
とする複合材補強コンクリート構造体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架線電柱や建築構造
物におけるコンクリート製支柱などのコンクリート構造
体を繊維強化熱硬化樹脂複合材製シート材で補強した複
合材補強コンクリート構造体に関する。
物におけるコンクリート製支柱などのコンクリート構造
体を繊維強化熱硬化樹脂複合材製シート材で補強した複
合材補強コンクリート構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、既存のコンクリート支柱などのコ
ンクリート構造体の耐震補強の方法として複合材による
補強が行われている。この種の複合材による補強の例と
しては強化用の炭素繊維あるいはガラス繊維等の長繊維
ストランドに熱硬化性樹脂を含浸させながらコンクリー
ト支柱の外周に捲回させた後に樹脂を硬化させた補強構
造体(特願昭61−86757号)、強化繊維シートに
樹脂を含浸させた素材を張り付けた後に樹脂を硬化して
なる補強構造体(特願平2−19928号)などが提案
されている。
ンクリート構造体の耐震補強の方法として複合材による
補強が行われている。この種の複合材による補強の例と
しては強化用の炭素繊維あるいはガラス繊維等の長繊維
ストランドに熱硬化性樹脂を含浸させながらコンクリー
ト支柱の外周に捲回させた後に樹脂を硬化させた補強構
造体(特願昭61−86757号)、強化繊維シートに
樹脂を含浸させた素材を張り付けた後に樹脂を硬化して
なる補強構造体(特願平2−19928号)などが提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の技
術のうち、コンクリート構造体に樹脂を含浸させた強化
繊維を巻き付けた後に硬化させて複合材強化を行う方法
では、大がかりな捲回装置が必要で装置セットに時間を
要するし、特に冬期の場合は樹脂を硬化するための加熱
装置が必要となる。また、複合材の硬化に際して均一で
十分な加圧が困難なため、複合材が本来有している強度
を十分引き出すことができず、硬化後の複合材部の品質
に問題がある。さらに、1本の支柱に費やす処理時間が
長いなどの課題があった。
術のうち、コンクリート構造体に樹脂を含浸させた強化
繊維を巻き付けた後に硬化させて複合材強化を行う方法
では、大がかりな捲回装置が必要で装置セットに時間を
要するし、特に冬期の場合は樹脂を硬化するための加熱
装置が必要となる。また、複合材の硬化に際して均一で
十分な加圧が困難なため、複合材が本来有している強度
を十分引き出すことができず、硬化後の複合材部の品質
に問題がある。さらに、1本の支柱に費やす処理時間が
長いなどの課題があった。
【0004】本発明はこのような従来技術の実状に鑑
み、補強すべきコンクリート構造体の設置場所での施工
が容易で、しかも繊維強化熱硬化樹脂複合材の特性を十
分に生かして補強効果の大きい、繊維強化熱硬化樹脂複
合材製シート材で補強した複合材強化コンクリート構造
体を提供することを目的とする。
み、補強すべきコンクリート構造体の設置場所での施工
が容易で、しかも繊維強化熱硬化樹脂複合材の特性を十
分に生かして補強効果の大きい、繊維強化熱硬化樹脂複
合材製シート材で補強した複合材強化コンクリート構造
体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はコンクリート構
造体の表面にシート状補強材を張り付けて補強したコン
クリート構造体であって、予めコンクリート構造体の形
状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬化樹
脂複合材製シート材をコンクリート構造体の表面に張り
付けてなることを特徴とする複合材補強コンクリート構
造体及びコンクリート構造体の表面にシート状補強材を
張り付けて補強したコンクリート構造体であって、シー
ト状補強材を複数層張り付けるようにし、複数層のシー
ト状補強材のうち、少なくとも1層が予めコンクリート
構造体の形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強
化熱硬化樹脂複合材製シート材であることを特徴とする
複合材補強コンクリート構造体である。
造体の表面にシート状補強材を張り付けて補強したコン
クリート構造体であって、予めコンクリート構造体の形
状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬化樹
脂複合材製シート材をコンクリート構造体の表面に張り
付けてなることを特徴とする複合材補強コンクリート構
造体及びコンクリート構造体の表面にシート状補強材を
張り付けて補強したコンクリート構造体であって、シー
ト状補強材を複数層張り付けるようにし、複数層のシー
ト状補強材のうち、少なくとも1層が予めコンクリート
構造体の形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強
化熱硬化樹脂複合材製シート材であることを特徴とする
複合材補強コンクリート構造体である。
【0006】
【発明の実施の形態】繊維強化樹脂複合材は、繊維材と
してガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維
又はそれらを混成させたハイブリッド繊維等を使用し、
これを樹脂材料をマトリックスとして複合材化させたも
ので、同じ厚み、あるいは重量の金属材料に比し優れた
特性を発揮し、例えば鉄構造材に比し、圧倒的な引張り
及び弾性特性を発揮する。したがって、例えば鉄と同一
強度特性値となるようにすれば、圧倒的な軽量構造とす
ることができ、且つ、繊維の配向方向により強度が大き
く異なる異方性の特長を活かし、強度が求められる方向
に必要な量の繊維を配向させる最適構造に自在に設計・
製造することができる優位性を備えており、これにより
軽量化を理想に近く追求でき、コストも更に有利に展開
できるポテンシャルを備えている。更にこれらの繊維強
化樹脂複合材は耐腐食性機能をも有している。
してガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維
又はそれらを混成させたハイブリッド繊維等を使用し、
これを樹脂材料をマトリックスとして複合材化させたも
ので、同じ厚み、あるいは重量の金属材料に比し優れた
特性を発揮し、例えば鉄構造材に比し、圧倒的な引張り
及び弾性特性を発揮する。したがって、例えば鉄と同一
強度特性値となるようにすれば、圧倒的な軽量構造とす
ることができ、且つ、繊維の配向方向により強度が大き
く異なる異方性の特長を活かし、強度が求められる方向
に必要な量の繊維を配向させる最適構造に自在に設計・
製造することができる優位性を備えており、これにより
軽量化を理想に近く追求でき、コストも更に有利に展開
できるポテンシャルを備えている。更にこれらの繊維強
化樹脂複合材は耐腐食性機能をも有している。
【0007】本発明はこれらの繊維強化樹脂複合材の中
でも補強材として優れた性能を有する繊維強化熱硬化樹
脂複合材製シート材を、既存のコンクリート構造体の補
強材として使用するものである。本発明を適用するコン
クリート構造体としては、既存のコンクリート構造物に
おける柱、支柱、梁などが例示でき、特に円柱状、角柱
状の長尺構造体に有利に適用できるが、その外、予めそ
の形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬
化樹脂複合材製シート材を作製でき、それを接着できる
構造のものであれば適用可能である。
でも補強材として優れた性能を有する繊維強化熱硬化樹
脂複合材製シート材を、既存のコンクリート構造体の補
強材として使用するものである。本発明を適用するコン
クリート構造体としては、既存のコンクリート構造物に
おける柱、支柱、梁などが例示でき、特に円柱状、角柱
状の長尺構造体に有利に適用できるが、その外、予めそ
の形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬
化樹脂複合材製シート材を作製でき、それを接着できる
構造のものであれば適用可能である。
【0008】本発明で使用する強化用シート材を構成す
る繊維強化熱硬化樹脂複合材は、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、ホウ素繊維又はそれらを混成させた
ハイブリッド繊維等を強化繊維とし、マトリックス樹脂
として不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱
硬化樹脂を使用したものである。繊維の形態としては長
繊維が好ましいが、使用形態によっては短繊維を使用す
ることもできる。
る繊維強化熱硬化樹脂複合材は、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、ホウ素繊維又はそれらを混成させた
ハイブリッド繊維等を強化繊維とし、マトリックス樹脂
として不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱
硬化樹脂を使用したものである。繊維の形態としては長
繊維が好ましいが、使用形態によっては短繊維を使用す
ることもできる。
【0009】本発明においては、前記の繊維強化熱硬化
樹脂複合材製のシートを、予め補強対象のコンクリート
構造体の形状に合わせて着脱可能に成形加工したシート
材を使用することを特徴とする。ここで着脱可能に成形
加工するということは、補強対象のコンクリート構造体
の外形に合わせた形状の芯材(成形型)の表面に、未硬
化又は半硬化状態の樹脂を含むシート状成形素材の層を
積層し、最適条件で形状付与加工を行い、硬化終了後の
概ねコンクリート構造体の表面形状に近い形状のシート
材を芯材から取り外し、その形状を保持したままコンク
リート構造体に装着できるようにすることである。この
ようにすることにより、複合材強化コンクリート構造体
にかかる軸方向荷重、撓み及び曲げ荷重に対応した複合
材の設計、製造が可能になる。
樹脂複合材製のシートを、予め補強対象のコンクリート
構造体の形状に合わせて着脱可能に成形加工したシート
材を使用することを特徴とする。ここで着脱可能に成形
加工するということは、補強対象のコンクリート構造体
の外形に合わせた形状の芯材(成形型)の表面に、未硬
化又は半硬化状態の樹脂を含むシート状成形素材の層を
積層し、最適条件で形状付与加工を行い、硬化終了後の
概ねコンクリート構造体の表面形状に近い形状のシート
材を芯材から取り外し、その形状を保持したままコンク
リート構造体に装着できるようにすることである。この
ようにすることにより、複合材強化コンクリート構造体
にかかる軸方向荷重、撓み及び曲げ荷重に対応した複合
材の設計、製造が可能になる。
【0010】ここで成形加工の方法としては、例えば繊
維を一方向に引き揃えたシート若しくは複数方向に配向
させた織物材に、樹脂を半硬化状態で含浸させた素材
(一般的にプリプレグと称する)を積層したものを、補
強対象のコンクリート構造体の外形に合わせた形状の芯
材に、硬化後に取り外しが可能な状態で密着させ、加熱
・加圧して硬化させる。
維を一方向に引き揃えたシート若しくは複数方向に配向
させた織物材に、樹脂を半硬化状態で含浸させた素材
(一般的にプリプレグと称する)を積層したものを、補
強対象のコンクリート構造体の外形に合わせた形状の芯
材に、硬化後に取り外しが可能な状態で密着させ、加熱
・加圧して硬化させる。
【0011】このようにして予めコンクリート構造体の
形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬化
樹脂複合材製シート材は、通常0.1〜1mm程度の厚
みを有し、樹脂が硬化したものであるが、ある程度の弾
性を有しているので芯材から取り外し、コンクリート構
造体の表面に装着することができ、接着剤等を用いてコ
ンクリート構造体の表面に張り付けることによって、容
易に複合材強化コンクリート構造体を形成させることが
できる。補強材を張り付ける接着剤としては接着強度に
優れる常温硬化型エポキシ樹脂系接着剤が好適である。
形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬化
樹脂複合材製シート材は、通常0.1〜1mm程度の厚
みを有し、樹脂が硬化したものであるが、ある程度の弾
性を有しているので芯材から取り外し、コンクリート構
造体の表面に装着することができ、接着剤等を用いてコ
ンクリート構造体の表面に張り付けることによって、容
易に複合材強化コンクリート構造体を形成させることが
できる。補強材を張り付ける接着剤としては接着強度に
優れる常温硬化型エポキシ樹脂系接着剤が好適である。
【0012】この場合、予めコンクリート構造体の形状
に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬化樹脂
複合材製シート材を複数層組み合わせて使用することに
より、一層補強効果を高めることができる。例えば、補
強対象のコンクリート構造体が円柱状の場合、第1層に
たて方向(円柱の軸に平行な方向)に繊維を配列させた
複合材シートを使用し、第2層に円柱の円周方向に近い
方向に繊維を配列させた複合材シートを用いることによ
り、たて及び横方向に対し優れた補強効果を得ることが
できる。
に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬化樹脂
複合材製シート材を複数層組み合わせて使用することに
より、一層補強効果を高めることができる。例えば、補
強対象のコンクリート構造体が円柱状の場合、第1層に
たて方向(円柱の軸に平行な方向)に繊維を配列させた
複合材シートを使用し、第2層に円柱の円周方向に近い
方向に繊維を配列させた複合材シートを用いることによ
り、たて及び横方向に対し優れた補強効果を得ることが
できる。
【0013】また、少なくとも1層の予めコンクリート
構造体の形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強
化熱硬化樹脂複合材製シート材と炭素繊維シートなどの
他のシート状補強材とを併用することもできる。
構造体の形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊維強
化熱硬化樹脂複合材製シート材と炭素繊維シートなどの
他のシート状補強材とを併用することもできる。
【0014】
【実施例】以下添付図面に基づいて本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の実施例である複合材強化コンク
リート構造体の構成を示す説明図で、図1(a)は斜視
図、図1(b)はそのA−A断面図である。この複合材
強化コンクリート構造体は、円柱状のコンクリート支柱
1を予めその形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊
維強化熱効果樹脂複合材製のシート材、例えば、炭素繊
維強化樹脂シート2及び3で被覆、補強したものであ
る。この例では、予め成形加工したスパイラル形状を有
する炭素繊維強化樹脂シート2及び軸方向の形状に合わ
せて成形加工した半円筒形状を有する炭素繊維強化樹脂
シート3を、液状接着剤4を用いてコンクリート支柱1
に接着補強している。
明する。図1は本発明の実施例である複合材強化コンク
リート構造体の構成を示す説明図で、図1(a)は斜視
図、図1(b)はそのA−A断面図である。この複合材
強化コンクリート構造体は、円柱状のコンクリート支柱
1を予めその形状に合わせて着脱可能に成形加工した繊
維強化熱効果樹脂複合材製のシート材、例えば、炭素繊
維強化樹脂シート2及び3で被覆、補強したものであ
る。この例では、予め成形加工したスパイラル形状を有
する炭素繊維強化樹脂シート2及び軸方向の形状に合わ
せて成形加工した半円筒形状を有する炭素繊維強化樹脂
シート3を、液状接着剤4を用いてコンクリート支柱1
に接着補強している。
【0015】ここで予めコンクリート構造体の形状に合
わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬化樹脂複合
材製シート材である、半円筒形状を有する炭素繊維強化
樹脂シート及びスパイラル形状を有する炭素繊維強化樹
脂シートの製造方法は次のとおりである。先ず、半円筒
形状を有する炭素繊維強化樹脂シート2は、強化繊維
(炭素繊維)が約150g/m2 の密度で一方向に引き
揃えられた厚さ約0.15mmのプリプレグ5を4枚重
ねて、コンクリート支柱の外形に合わせた形状の成形型
(芯材:外径200mm、長さ700mm)に2分割で
きるように張付け、バッグ掛けしてオートクレーブ中で
圧力3.5±0.3kg/cm3 、温度185±5℃で
2時間保持して硬化させ、直径200mm、長さ700
mmの半円筒状のシート材を得た。
わせて着脱可能に成形加工した繊維強化熱硬化樹脂複合
材製シート材である、半円筒形状を有する炭素繊維強化
樹脂シート及びスパイラル形状を有する炭素繊維強化樹
脂シートの製造方法は次のとおりである。先ず、半円筒
形状を有する炭素繊維強化樹脂シート2は、強化繊維
(炭素繊維)が約150g/m2 の密度で一方向に引き
揃えられた厚さ約0.15mmのプリプレグ5を4枚重
ねて、コンクリート支柱の外形に合わせた形状の成形型
(芯材:外径200mm、長さ700mm)に2分割で
きるように張付け、バッグ掛けしてオートクレーブ中で
圧力3.5±0.3kg/cm3 、温度185±5℃で
2時間保持して硬化させ、直径200mm、長さ700
mmの半円筒状のシート材を得た。
【0016】図2はスパイラル形状を有する炭素繊維強
化樹脂シート2の製造方法の説明図であり、図2(a)
は斜視図、図2(b)はそのA−A断面図である。図2
に示すように、成形素材として半円筒形状のシート材に
使用したのと同じ厚さ約0.15mmのプリプレグ5を
4枚重ねて、半円筒形状を有する炭素繊維強化樹脂シー
ト3の板厚を含めた支柱寸度に合わせて製作した円筒状
の成形型6(芯材:外径201.2mm、長さ700m
m)にスパイラル状に巻き付け、バッグ掛けしてオート
クレーブ中で圧力3.5±0.3kg/cm3 、温度1
85±5℃で2時間保持して硬化させ幅100mmのシ
ートがスパイラル状となった直径約200mm、長さ7
00mmのシート材を得た。なお、成形型には巻付けた
成形素材どうしが樹脂で接着してしまわないように境界
用の凸部7を設けた。得られたスパイラル状のシート材
は弾力性のあるコイルバネ状のもので、形状を維持した
まま容易に成形型からの取り外し、コンクリート構造体
への装着を行うことができる。
化樹脂シート2の製造方法の説明図であり、図2(a)
は斜視図、図2(b)はそのA−A断面図である。図2
に示すように、成形素材として半円筒形状のシート材に
使用したのと同じ厚さ約0.15mmのプリプレグ5を
4枚重ねて、半円筒形状を有する炭素繊維強化樹脂シー
ト3の板厚を含めた支柱寸度に合わせて製作した円筒状
の成形型6(芯材:外径201.2mm、長さ700m
m)にスパイラル状に巻き付け、バッグ掛けしてオート
クレーブ中で圧力3.5±0.3kg/cm3 、温度1
85±5℃で2時間保持して硬化させ幅100mmのシ
ートがスパイラル状となった直径約200mm、長さ7
00mmのシート材を得た。なお、成形型には巻付けた
成形素材どうしが樹脂で接着してしまわないように境界
用の凸部7を設けた。得られたスパイラル状のシート材
は弾力性のあるコイルバネ状のもので、形状を維持した
まま容易に成形型からの取り外し、コンクリート構造体
への装着を行うことができる。
【0017】上記方法により予め支柱形状に成形加工さ
れた炭素繊維強化樹脂シート2及び3を次の手順により
コンクリート支柱1に張付ける。すなわち、補強される
コンクリート支柱1の表面をサンディング等によって前
処理したのち、先ず半円筒形状を有する炭素繊維強化樹
脂シート3をサンディングし、その面に液状接着剤4を
塗布して張付け、更にその上にスパイラル形状を有する
炭素繊維繊維強化樹脂シート2を同様にして液状接着剤
4を塗布して張付けた。この手順において、スパイラル
形状を有する炭素繊維繊維強化樹脂シート2の張付け
は、半円筒形状を有する炭素繊維繊維強化樹脂シート3
を張りつけた状態で液状接着剤4を硬化させてからでも
よいし硬化させずに直ぐに行ってもよい。
れた炭素繊維強化樹脂シート2及び3を次の手順により
コンクリート支柱1に張付ける。すなわち、補強される
コンクリート支柱1の表面をサンディング等によって前
処理したのち、先ず半円筒形状を有する炭素繊維強化樹
脂シート3をサンディングし、その面に液状接着剤4を
塗布して張付け、更にその上にスパイラル形状を有する
炭素繊維繊維強化樹脂シート2を同様にして液状接着剤
4を塗布して張付けた。この手順において、スパイラル
形状を有する炭素繊維繊維強化樹脂シート2の張付け
は、半円筒形状を有する炭素繊維繊維強化樹脂シート3
を張りつけた状態で液状接着剤4を硬化させてからでも
よいし硬化させずに直ぐに行ってもよい。
【0018】以上、本発明にかかる実施例を述べたが、
本発明は上記構造に限定されるものではなく、コンクリ
ート支柱に要求される耐荷重、例えばコンクリート支柱
が受ける曲げ荷重、軸方向荷重や撓み荷重等に対応し
て、繊維強化樹脂シートの積層枚数を変えることがで
き、また予め成形加工した繊維強化熱硬化樹脂複合材を
単層あるいは、3層以上の複層構造として補強被覆する
こともできる。また、浸食等によりコンクリート表面に
凹凸が生じているような場合には、実施例において内側
の層を成す半円筒形状を有する繊維強化複合材料強化樹
脂シート3は予め硬化せず、例えばプリプレグでない炭
素繊維シートにエポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂など
の液状樹脂を塗布、含浸させながら張りつけ、その上に
予め硬化したスパイラル形状を有する繊維強化樹脂シー
ト2を張付けることもできる。こうすることにより、コ
ンクリート表面の凹凸に繊維強化樹脂シートが十分なじ
み、密着性良好な複合材補強ができる。
本発明は上記構造に限定されるものではなく、コンクリ
ート支柱に要求される耐荷重、例えばコンクリート支柱
が受ける曲げ荷重、軸方向荷重や撓み荷重等に対応し
て、繊維強化樹脂シートの積層枚数を変えることがで
き、また予め成形加工した繊維強化熱硬化樹脂複合材を
単層あるいは、3層以上の複層構造として補強被覆する
こともできる。また、浸食等によりコンクリート表面に
凹凸が生じているような場合には、実施例において内側
の層を成す半円筒形状を有する繊維強化複合材料強化樹
脂シート3は予め硬化せず、例えばプリプレグでない炭
素繊維シートにエポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂など
の液状樹脂を塗布、含浸させながら張りつけ、その上に
予め硬化したスパイラル形状を有する繊維強化樹脂シー
ト2を張付けることもできる。こうすることにより、コ
ンクリート表面の凹凸に繊維強化樹脂シートが十分なじ
み、密着性良好な複合材補強ができる。
【0019】
【発明の効果】本発明に係る複合材強化コンクリート構
造体は、コンクリート構造体の補強材として繊維強化熱
硬化樹脂複合材を該構造体の外形形状に適合する形状
で、シート又はパネル形態等に予め成形加工し、構造体
に貼着・嵌着接合するものであり、繊維強化熱硬化樹脂
複合材が従来の鉄筋と同様の働きを呈し、引張・圧縮等
に対し、コンクリート構造体を補強し保護するものであ
る。
造体は、コンクリート構造体の補強材として繊維強化熱
硬化樹脂複合材を該構造体の外形形状に適合する形状
で、シート又はパネル形態等に予め成形加工し、構造体
に貼着・嵌着接合するものであり、繊維強化熱硬化樹脂
複合材が従来の鉄筋と同様の働きを呈し、引張・圧縮等
に対し、コンクリート構造体を補強し保護するものであ
る。
【0020】また、本発明に係る繊維強化熱硬化樹脂複
合材は、耐腐食性、耐酸性があるなどコンクリート表面
を確実に保護することができる。特に、本発明方式では
繊維強化熱硬化樹脂複合材を予め所定の形状に成形加工
しておくことを特徴としており、製造工場等で成形、硬
化させることができるので、複合材料の特性を最大に引
き出す最適設計と最適製造条件を採用することができ
る。そのため、信頼性の高い、高性能補強構造が実現で
き、軽量化による材料コスト節減及び現地施工の容易化
による加工コストの大幅な削減が可能となり、併せて工
期を飛躍的に短縮できるので、特に露放された屋外での
施工には、そのメリットが大きい。また、予め成形加工
した部材を供給する方式は、多量のニーズに低価にて対
応でき、現地施工熱練者の省力、省人化を可能とするな
ど、低コスト、省人化が達成できるメリットも生まれ
る。
合材は、耐腐食性、耐酸性があるなどコンクリート表面
を確実に保護することができる。特に、本発明方式では
繊維強化熱硬化樹脂複合材を予め所定の形状に成形加工
しておくことを特徴としており、製造工場等で成形、硬
化させることができるので、複合材料の特性を最大に引
き出す最適設計と最適製造条件を採用することができ
る。そのため、信頼性の高い、高性能補強構造が実現で
き、軽量化による材料コスト節減及び現地施工の容易化
による加工コストの大幅な削減が可能となり、併せて工
期を飛躍的に短縮できるので、特に露放された屋外での
施工には、そのメリットが大きい。また、予め成形加工
した部材を供給する方式は、多量のニーズに低価にて対
応でき、現地施工熱練者の省力、省人化を可能とするな
ど、低コスト、省人化が達成できるメリットも生まれ
る。
【図1】本発明の実施例である複合材強化コンクリート
構造体の構成を示す説明図。
構造体の構成を示す説明図。
【図2】スパイラル形状を有する炭素繊維強化樹脂シー
トの製造方法の説明図。
トの製造方法の説明図。
Claims (2)
- 【請求項1】 コンクリート構造体の表面にシート状補
強材を張り付けて補強したコンクリート構造体であっ
て、予めコンクリート構造体の形状に合わせて着脱可能
に成形加工した繊維強化熱硬化樹脂複合材製シート材を
コンクリート構造体の表面に張り付けてなることを特徴
とする複合材補強コンクリート構造体。 - 【請求項2】 コンクリート構造体の表面にシート状補
強材を張り付けて補強したコンクリート構造体であっ
て、シート状補強材を複数層張り付けるようにし、複数
層のシート状補強材のうち、少なくとも1層が予めコン
クリート構造体の形状に合わせて着脱可能に成形加工し
た繊維強化熱硬化樹脂複合材製シート材であることを特
徴とする複合材補強コンクリート構造体。
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JP6088296A JPH09250247A (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 複合材補強コンクリート構造体 |
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JP6088296A JPH09250247A (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 複合材補強コンクリート構造体 |
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JPH09250247A true JPH09250247A (ja) | 1997-09-22 |
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