JP2022158565A - コンクリート柱の補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間の作業が可能で、狭隘な場所での作業に対応可能であるとともに、確実に補強効果を得られるコンクリート柱の補強方法を提供する。【解決手段】半円筒形状に硬化成形された軸方向補強シート5を、コンクリート柱1の劣化部位1aに、その劣化部位1aの内部に配置された補強材3の引張強度に相当する引張強度を得られる幅および枚数を積み重ねて接着する。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート柱の劣化部位を補強するコンクリート柱の補強方法に関する。
従来、例えば電力線や電話線を支持する既設のコンクリート柱の補強技術としては、特許文献1ないし特許文献3等のように、コンクリート柱の外側に繊維強化プラスチックを貼り付けたり、巻き付けたりする方法が知られている。
その他にも、特許文献4のように、コンクリート柱の外側に鋼板を巻き立てする方法、あるいは、特許文献5および特許文献6のようにコンクリート柱の中空部に補強線材および流動性がある充填材を入れる方法が知られている。
特開平5-332032号公報 特開2012-62746号公報 特開平9-250247号公報 特開2011-184985号公報 特開2006-2544号公報 特開2012-127134号公報
電力線および電話線などを支持する鉄筋コンクリート柱は、一般的に、道路または歩道の端に設置され、市街地では建物や壁などに近接している場合が多い。そのため、これらの補強および補修作業を行う場合、交通の障害を最小限にするため短時間で行う必要や、狭隘な場所での作業に対応する必要がある。
また、鉄筋コンクリート柱は、40m~50mの間隔を空けて設置されているため、補強および補修作業を連続して行うことが困難である。
特許文献1および特許文献2の補強方法は、コンクリート柱の補強個所に設置した繊維補強材に、樹脂系接着剤を塗布含浸させなければならないので手間がかかる。また、樹脂系接着剤が熱硬化性樹脂の場合は、加熱するための装置が必要である。
また、特許文献3の補強方法は、予めコンクリート構造体の形状に合わせて成形加工した繊維強化熱硬化樹脂複合材製シート材を表面に貼り付けるため、作業性は向上するものの、必要な強度に合わせて複合材製シート材を重ね合わせるため、複合材製シート材がコンクリート面から剥離した場合に補強効果は失われる。
さらに、特許文献4の補強方法は、コンクリート柱の外側に鋼板を巻き立てるため、重く少人数で行うことは難しい。また、コンクリート柱と鋼板とが一体化される構造ではないため、補強効果は曖昧である。
また、特許文献5および特許文献6等の補強方法は、コンクリート柱の中空部に補強線材および充填材を入れるための孔を、コンクリート柱本体に設けなければならない。また、補強線材を挿入し、充填材を注入するための機材が必要であるため、大掛かりな作業になり、時間も要する。
このように、コンクリート柱の補強および補修作業を行う場合、簡便に短時間で作業でき、狭隘な場所での作業に対応可能であることに加えて、確実に補強効果を得られることが求められている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、短時間の作業が可能で、狭隘な場所での作業に対応可能であるとともに、確実に補強効果を得られるコンクリート柱の補強方法を提供することを目的とする。
請求項1記載のコンクリート柱の補強方法は、半円筒形状に硬化成形された軸方向補強シートを、コンクリート柱の劣化部位に、その劣化部位の内部に配置された補強材の引張強度に相当する引張強度を得られる幅および枚数を積み重ねて接着するものである。
請求項2記載のコンクリート柱の補強方法は、請求項1記載のコンクリート柱の補強方法において、軸方向補強シートが複数枚の場合には、前記軸方向補強シートの長さを、外側に重なるものほど長く設定するものである。
請求項3記載のコンクリート柱の補強方法は、請求項1または2記載のコンクリート柱の補強方法において、軸方向補強シートを、予め必要な枚数の未硬化の補強シートを積層して硬化成形するものである。
請求項4記載のコンクリート柱の補強方法は、請求項1ないし3いずれか一記載のコンクリート柱の補強方法において、軸方向補強シートを硬化成形し、コンクリート柱に必要な枚数積み重ねながら接着するものである。
請求項5記載のコンクリート柱の補強方法は、請求項1ないし4いずれか一記載のコンクリート柱の補強方法において、少なくとも最も外側に位置する軸方向補強シートの両端部に、コンクリート柱の周方向に合わせて硬化成形されたオーバーラップ補強シートを重ね合わせた状態で接着するものである。
請求項6記載のコンクリート柱の補強方法は、請求項1ないし4いずれか一記載のコンクリート柱の補強方法において、少なくとも最も外側に位置する軸方向補強シートの全長に、コンクリート柱の周方向に合わせて硬化成形されたオーバーラップ補強シートを重ね合わせた状態で接着するものである。
請求項7記載のコンクリート柱の補強方法は、請求項1ないし6いずれか一記載のコンクリート柱の補強方法において、軸方向補強シートとして、補強繊維からなるシート本体に熱硬化性樹脂を含浸させた未硬化の補強シートを加熱して硬化成形したものを用いるものである。
本発明によれば、短時間の作業が可能で、狭隘な場所での作業に対応可能であるとともに、確実に補強効果を得られる。
本発明の第1の実施の形態のコンクリート柱の補強方法により補強されたコンクリート柱の一部を示す斜視図である。 (a)は未硬化の補強シートを示す斜視図、(b)は硬化後の軸方向補強シートを示す斜視図である。 同上コンクリート柱の補強方法の工程の一部を示し、(a)はその側面図、(b)はその横断面図である。 同上コンクリート柱の補強方法の図3の工程に続く工程を示し、(a)はその側面図、(b)はその横断面図である。 同上コンクリート柱の補強方法の図4の工程に続く工程を示し、(a)はその側面図、(b)はその横断面図である。 同上コンクリート柱の補強方法の図5の工程に続く工程を示し、(a)はその側面図、(b)はその横断面図である。 本発明の第2の実施の形態のコンクリート柱の補強方法により補強されたコンクリート柱の一部を示す斜視図である。 一実施例のコンクリート柱の強度試験を模式的に示す説明図である。 同上荷重に対する頂部変位を示すグラフである。
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1において、1はコンクリート柱である。コンクリート柱1は、例えば電力線および電話線などを支持する鉄筋コンクリート電柱である。コンクリート柱1は、コンクリートからなる柱本体2と、柱本体2に埋設された鉄筋などの補強材3と、を有する。柱本体2は、上下方向に長尺に形成されている。補強材3は、少なくとも柱本体2の長手方向または軸方向に沿って埋設される。補強材3は、円環状をなす柱本体2の断面内部の円周上に配置されている。補強材3は、周方向に埋設されるものを有していてもよい。
コンクリート柱1は、道路または歩道の端などに設置され、あるいは建物や壁に近接して設置される既設のコンクリート柱である。また、コンクリート柱1は、所定の間隔、例えば40m~50mの間隔をあけて設置される。
本実施の形態では、劣化部位1aを有するコンクリート柱1に対し、劣化部位1aを補強するための補強部4が施されている。劣化部位1aは、コンクリート柱1の柱本体2の側部などに形成される。
補強部4は、複数の軸方向補強シート5を有する。軸方向補強シート5は、図2(a)に示される未硬化の補強シート6を硬化成形した半円筒状のものである。本実施の形態において、補強シート6は、プリプレグなどとも呼ばれ、補強繊維からなるシート本体7に熱硬化性樹脂8を含浸させた半製品が好適に用いられる。補強繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、バサルト繊維、ガラス繊維のいずれか、あるいはこれらの少なくともいずれかの任意の組み合わせが好適に用いられる。シート本体7としては、織物材が好適に用いられる。
この補強シート6を、図1に示されるコンクリート柱1の柱本体2の外形形状に相似した円筒または半円筒状の内型枠に重ねて貼っていき、外側から円筒または半円筒の内型枠の直径と同じかやや大きな内直径を有する外型枠を被せて拘束固定し、加熱して硬化させることで、軸方向補強シート5がコンクリート柱1の外形形状に相似した半円筒形状に成形される。
軸方向補強シート5の長さは、好ましくは劣化部位1aから上下方向に少なくとも所定長さ、例えば10cmずつ延出する長さとする。したがって、軸方向補強シート5は、少なくとも20cmの長さを有する。また、軸方向補強シート5は、劣化部位1aの内部に配置された補強材3の引張強度に応じて、補強シート6の目付量(m当たりの繊維質量)、幅および重ね合わせる枚数が設定される。つまり、軸方向補強シート5は、劣化部位1aの内部に配置された補強材3の引張強度に相当する引張強度が得られるように幅および枚数が設定される。なお、「引張強度に相当する引張強度」とは、好ましくは「引張強度以上の引張強度」であるが、後述するオーバーラップ補強シート9をさらに用いることで十分な引張強度を得ることができれば、「引張強度より僅かに小さい引張強度」でも構わない。
ここで、fsを補強材3の引張強度、Asを補強材3の断面積、Nsを劣化部位1aの補強材3の本数としたとき、劣化部位1aの内部の補強材3による強度Fsは、Fs=fs×As×Nsで求められる。そして、補強シート6(軸方向補強シート5)の幅をB、単位繊維本数をNy、繊維の断面積をAy、繊維の引張強度をfpとしたとき、軸方向補強繊維シートの枚数Npは、Np=(B×Ny×Ay)×fp/Fsで求められる。求められた枚数Npは、小数点を切り上げることで、軸方向補強シート5によって、劣化部位1aにおける補強材3の引張強度以上の引張強度を得ることができる。
例えば、コンクリート柱1の劣化部位1aに、直径7mmの補強材3(引張強度1325N/mm)が3本配置されている場合、合計した引張強度は153kNとなる。これを、軸方向の目付量300g/m(繊維の引張強度1900N/mm、繊維本数375本/m、繊維断面積0.304mm/本)の補強シート6で補強する場合、幅0.4mでは引張強度87kNになるため、2枚の軸方向補強シート5、または、2枚の補強シート6を重ねた軸方向補強シート5(合計引張強度174kN)を用いる。
好ましくは、軸方向補強シート5は、複数枚用いる場合、外側に重なるものほど長さが長くなるように設定される。これにより、複数枚の軸方向補強シート5のそれぞれの少なくとも一部をコンクリート柱1の柱本体2の外周面に直接接着可能となる。より好ましくは、内側の軸方向補強シート5に対し、その外側に重ねられる軸方向補強シート5は、上下に所定長さ、例えば10cmずつ延出する長さとする。また、複数枚の軸方向補強シート5の幅寸法は、略同等、または、外側に重なるものほど大きく設定されている。
図5(a)および図5(b)においては、軸方向補強シート5として、第一の軸方向補強シート5aと、第二の軸方向補強シート5bと、第三の軸方向補強シート5cと、が設定された例を示す。つまり、本実施の形態では、補強部4に、三枚の軸方向補強シート5が互いに重ねられて使用される例を示す。
第一の軸方向補強シート5aが柱本体2の外周面に重ねられ、第二の軸方向補強シート5bが第一の軸方向補強シート5aに重ねられ、第二の軸方向補強シート5cが第二の軸方向補強シート5bに重ねられる。つまり、第一の軸方向補強シート5aが最も内側に位置し、第三の軸方向補強シート5cが最も外側に位置して、それらの間に第二の軸方向補強シート5bが挟み込まれる。
第一の軸方向補強シート5aの長さをL1、第二の軸方向補強シート5bの長さをL2、第三の軸方向補強シート5cの長さをL3とすると、これらはL1<L2<L3の関係を満たす。好ましくは、L2はL1よりも上下に10cmずつ長く(L2>L1+20cm)、L3はL2よりも上下に10cmずつ長い(L3>L2+20cm)。
第一ないし第三の軸方向補強シート5a~5cの幅寸法は、互いに略等しく設定されている。
また、図1に示されるように、補強部4は、必要に応じて、オーバーラップ補強シート9を有する。オーバーラップ補強シート9は、未硬化の補強シート6をコンクリート柱1の柱本体2の周方向に合わせて円環状に成形したものである。つまり、オーバーラップ補強シート9は、コンクリート柱1の外形形状に相似した円環状となっている。オーバーラップ補強シート9は、少なくとも最も外側に位置する軸方向補強シート5の両端部に重ねられて接着される。オーバーラップ補強シート9は、好ましくは所定幅以上、例えば10cm以上の幅を有する。
次に、第1の実施の形態のコンクリート柱1の補強方法について説明する。
劣化部位1aを有するコンクリート柱1に対し、軸方向補強シート5の中央を劣化部位1aに位置合わせして接着する。
本実施の形態では、軸方向補強シート5は、必要な枚数をコンクリート柱1に重ねながら接着する方法を示す。図3(a)および図3(b)に示されるように、まず、第一の軸方向補強シート5aを、コンクリート柱1の柱本体2に、劣化部位1aに中央部を位置合わせして直接接着する。この状態で、劣化部位1aに対し、第一の軸方向補強シート5aの両端部がそれぞれ所定長さ延出される。
次いで、図4(a)および図4(b)に示されるように、第二の軸方向補強シート5bを、第一の軸方向補強シート5aに中央部を位置合わせして重ねて接着する。この状態で、第一の軸方向補強シート5aに対し、第二の軸方向補強シート5bの両端部がそれぞれ所定長さ延出されて柱本体2の外周面に直接接着される。
さらに、図5(a)および図5(b)に示されるように、第三の軸方向補強シート5cを、第二の軸方向補強シート5bに中央部を位置合わせして重ねて接着する。この状態で、第二の軸方向補強シート5bに対し、第三の軸方向補強シート5cの両端部がそれぞれ所定長さ延出されて柱本体2の外周面に直接接着される。
なお、軸方向補強シート5は、予め必要な枚数の補強シート6を積層して硬化成形したものを一度に接着してもよい。
この後、必要に応じて、図6(a)および図6(b)に示されるように、軸方向補強シート5の両端部に、オーバーラップ補強シート9を重ね合わせた状態で接着する。オーバーラップ補強シート9の幅は、好ましくは所定幅以上、例えば10cm以上とし、一端部に他端部を重ねた状態で接着する。この両端部の重ね合わせ長さは、好ましくは所定の長さ以上、例えば10cm以上とする。
上記の軸方向補強シート5およびオーバーラップ補強シート9の接着には、好ましくは常温硬化型または低温硬化型のエポキシ樹脂系接着剤を使用する。
このように、第1の実施の形態によれば、予めコンクリート柱1の外形形状に相似した半円筒状に成形した軸方向補強シート5を接着するため、作業が簡便である。そのため、熱硬化させるための加熱装置などの特別な機材が不要で、また軽量小型であるため少人数での作業が可能であり、かつ、繊維補強材に樹脂系接着剤を塗布含浸させるなどの作業が不要で短時間での作業が可能であり、限られた時間で多くの既設コンリート柱1の補強作業を行うことが可能であるとともに、例えば市街地など、コンクリート柱1の背後に建物や壁などが近接しているなど、狭隘な場所においても、補強作業に対応可能である。
そして、軸方向補強シート5は、コンクリート柱1の劣化部位1aの内部に配置された補強材3の引張強度に相当する引張強度を得られる幅および枚数を積み重ねて接着するため、確実に補強効果を得ることができる。
また、軸方向補強シート5が複数枚の場合は、外側に重なるものほど長く設定することで、コンクリート柱1の柱本体2の外周面に対して内側の軸方向補強シート5の両端よりも上下に延出する部分で確実に接着できる。そのため、仮に1か所の接着が剥離しても補強効果が失われることはなく、コンクリート柱1を確実に補強可能である。
軸方向補強シート5を、予め必要な枚数の未硬化の補強シート6を積層して硬化成形する場合には、複数の軸方向補強シート5を都度接着する必要がなく、作業がより簡便となり、より短時間での作業が可能になる。
また、軸方向補強シート5を硬化成形し、コンクリート柱1に必要な枚数積み重ねながら接着する場合には、必要な引張強度に応じて最小限の軸方向補強シート5を確実に接着できる。
軸方向補強シート5の両端部に、オーバーラップ補強シート9を重ね合わせた状態で接着することで、軸方向補強シート5の接着強度を高めることができ、さらに確実にコンクリート柱1を補強可能である。
コンクリート柱1の劣化部位1aに配置された補強材3の引張強度に応じ、軸方向補強シート5に使用する補強シート6の目付量、幅および枚数を決定することで、確実に補強効果を得ることができる。
そして、軸方向補強シート5として、補強繊維からなるシート本体7に熱硬化性樹脂8を含浸させた未硬化の補強シート6を加熱して硬化させて成形したものを用いることで、安価であり、かつ、軽量で作業性が良好になる。
なお、図7に示す第2の実施の形態のように、オーバーラップ補強シート9を、最も外側に位置する軸方向補強シート5の全長に接着してもよい。図示される例では、オーバーラップ補強シート9は、軸方向補強シート5の全長分、複数枚を柱本体2の軸方向に順次配置するが、1枚のオーバーラップ補強シート9により軸方向補強シート5の全長を覆ってもよい。複数枚のオーバーラップ補強シート9を用いる場合、オーバーラップ補強シート9は、互いに一部を重ね合わせてもよいし、互いに重ね合わせなくてもよい。このようにすることで、軸方向補強シート5の接着強度をより高めることができ、さらに確実にコンクリート柱1を補強可能である。
また、上記各実施の形態において、軸方向補強シート5は、劣化部位1aの補強材3の引張強度と同等以上の引張強度を確保できれば一枚でもよく、複数枚用いる構成に限定されるものではない。
以下、本実施例および比較例について説明する。
図8に示すように、長さ12m、上端部の径寸法すなわち末口径19cm、テーパ1/75、設計荷重3.5kNのプレストレストコンクリート柱1において、その下端部である元口端部から上方に2.3mの位置(直径は約30cm)の断面の半分を切断して劣化部位1aとしたものを試験用柱とした。このコンクリート柱1の元口端部から上方に2.3mの位置には、補強材3として、直径7mm(断面積As38.46mm)、引張強度fsが1325N/mmの緊張鋼材と、直径7.4mm(断面積As42.99mm)、引張強度fsが1080N/mmの非緊張鋼材とが、それぞれ6本ずつ、軸方向に配置されており、これらは円環状をなすコンクリート柱1の断面内部の円周上にそれぞれ配置されている。そのため、コンクリート柱1の断面の半分を切断したことによって、緊張鋼材と非緊張鋼材とがそれぞれ3本ずつ切断されている。
すなわち、劣化部位1aの内部の切断された補強材3による強度Fsは、緊張鋼材が3本(Ns=3)で153kN(≒38.46×1325×3/1000)、被緊張鋼材が3本(Ns=3)で139kN(≒42.99×1080×3/1000)だから、合計で292kNである。
そこで、本実施例では、緊張鋼材3本および非緊張鋼材3本の引張強度(ここでは降伏強度を使用した)に相当する軸方向補強シート5を、この切断面(劣化部位1a)を中心にして接着し、さらに軸方向補強シート5の両端部にオーバーラップ補強シート9を接着した。
軸方向補強シート5として、繊維の引張強度fpが1900N/mm、幅Bが0.6m、単位繊維本数Nyが375本/m、繊維断面積Ayが0.304mm/本のものを用いると、軸方向補強シート5の強度は、119kN(≒0.6×375×0.304×1900/1000)となるので、軸方向補強シート5の必要枚数は、292/119≒2.45より3枚以上となる。
以上の計算結果から、第一の軸方向補強シート5aとして、長さ0.4m、幅0.6mのものを用い、第二の軸方向補強シート5bとして、長さ0.8m、幅0.6mのものを用い、第三の軸方向補強シート5cとして、長さ1.2m、幅0.6mのものを用いた。
比較例として、補強シートを接着しないコンクリート柱を用い、本実施例のコンクリート柱1と、比較例のコンクリート柱と、の下端部近傍の上下の位置を、固定部10により固定して、切断部(劣化部位1a)が引張側となるように頂部(末口)を載荷した(矢印A)。
図9に結果を示すように、比較例のコンクリート柱は、載荷荷重1kNを超えた時点で頂部の変形が大きくなり始め、コンクリート部に斜めひび割れが発生し、載荷荷重はほとんど増加することなく、頂部の変形が大きくなった。
それに対して、本実施例のコンクリート柱1は、設計荷重までは頂部の変形は小さく、設計荷重を超えると頂部の変形は徐々に大きくなるものの、荷重は設計荷重の約2倍まで達した。
このように、本実施例の補強部4は、確実に補強効果が得られることが分かる。
1 コンクリート柱
1a 劣化部位
3 補強材
5 軸方向補強シート
6 補強シート
7 シート本体
8 熱硬化性樹脂
9 オーバーラップ補強シート

Claims (7)

  1. 半円筒形状に硬化成形された軸方向補強シートを、コンクリート柱の劣化部位に、その劣化部位の内部に配置された補強材の引張強度に相当する引張強度を得られる幅および枚数を積み重ねて接着する
    ことを特徴とするコンクリート柱の補強方法。
  2. 軸方向補強シートが複数枚の場合には、前記軸方向補強シートの長さを、外側に重なるものほど長く設定する
    ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート柱の補強方法。
  3. 軸方向補強シートを、予め必要な枚数の未硬化の補強シートを積層して硬化成形する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート柱の補強方法。
  4. 軸方向補強シートを硬化成形し、コンクリート柱に必要な枚数積み重ねながら接着する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート柱の補強方法。
  5. 少なくとも最も外側に位置する軸方向補強シートの両端部に、コンクリート柱の周方向に合わせて硬化成形されたオーバーラップ補強シートを重ね合わせた状態で接着する
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のコンクリート柱の補強方法。
  6. 少なくとも最も外側に位置する軸方向補強シートの全長に、コンクリート柱の周方向に合わせて硬化成形されたオーバーラップ補強シートを重ね合わせた状態で接着する
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のコンクリート柱の補強方法。
  7. 軸方向補強シートとして、補強繊維からなるシート本体に熱硬化性樹脂を含浸させた未硬化の補強シートを加熱して硬化成形したものを用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載のコンクリート柱の補強方法。
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