JP4361420B2 - 振動減衰型トルク伝達機構 - Google Patents

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この発明は、パソコンのディスプレイなどに加わる振動を抑制するのに適した振動減衰型トルク伝達機構に関する。
トルクヒンジ又はトルクリミッタのようなトルク伝達機構は、一般にパソコンなどの結合部、OA機器などのプリンタ、複写機の紙送り、搬送、排出部分の機構などに用いられている。トルクヒンジ又はトルクリミッタを大きく分けると、機械的な摩擦によって所望の回転トルクが得られる接触式のものと、永久磁石の磁力を利用して所望の回転トルクを得る非接触式のトルクリミッタとがある。現在、用いられているトルクヒンジ又はトルクリミッタの多くは、低価格という面から接触式のものであり、種々の構造のものが提案されている。
主な接触式のトルクヒンジ又はトルクリミッタを挙げると、内輪部材又はシャフトにコイルバネを巻き付け、内輪部材又はシャフトとコイルバネとの間に発生する回転トルクを利用するもの(例えば、特許文献1参照)、ボールのような球面部材とその球面に加圧力を与えてその球面との間に発生する回転トルクを利用するもの(例えば、特許文献2参照)、円筒状の外輪部材とその中に圧入された弾性摩擦部材との間に発生する回転トルクを利用するもの(例えば、特許文献3参照)、円柱状のシャフトの周りに巻きつけられた板バネ部材を締め付けることによって、シャフトと板バネ部材との間に発生するトルクを利用するもの(例えば、特許文献4参照)、その他には極く一般的な円筒状の外輪部材と円筒状の内輪部材との間に発生する回転トルクを利用するトルクヒンジ又はトルクリミッタなどがあり、広く使われている。
上述のようなトルクヒンジ又はトルクリミッタをパソコンの本体部とディスプレイ部とを結合する機構などにトルク伝達機構として用いた場合に、いずれも所望の設定トルク値よりも小さな外力が加えられても外輪部材とシャフト部材(内輪部材)とは一緒に回転し、設定トルク値よりも大きな外力が加えられると外輪部材とシャフト部材(内輪部材)との間で初めて回転が生じる構造であるので、パソコンのディスプレイ部に衝撃が与えられると、その本体部に対してディスプレイ部が振動してしまうという問題がある。
自動車などの分野では、振動を抑制するためのトルクリミッタ付きダンパが開示されている(例えば、特許文献5参照)が、これはトルクリミッタとダンパとを組み合わせたものであり、構造が複雑で、小型軽量化、低下価格化などが難しい。
特開平09−112568号公報 特開平09−329153号公報 特開平10−131980号公報 特開2000−136819公報 特開2003−13992公報
従来の小型で低価格のトルク伝達機構では前述のような振動を減衰することは難しく、自動車などの分野では、このような振動を抑制するためのトルクリミッタ付きダンパが開示されている(例えば、特許文献5参照)が、これはトルクリミッタとダンパとを組み合わせたものであり、構造が複雑で、小型軽量化、低下価格化などが難しい。
本発明は、上述のような従来の課題を解決することを目的とし、簡単で小型化し易い構造で、パソコンのディスプレイ部などの振動を短時間で減衰させることができるトルクヒンジ又はトルクリミッタのようなトルク伝達機構を提供する。
第1の発明は、前記課題を解決するため、 内側部材と、該内側部材が圧入されてその内側部材の外面との間にトルクを生じる内面を有すると共に、回り止め部を備える1個以上の属製の中間部材と、前記回り止め部を収納する回り止め収納部を備えた収納空洞を有する外側部材とからなるトルク伝達機構であって前記中間部材の外面と前記外側部材の内面との間に弾力性のある材料からなる弾性保持部材を流し込んで前記回り止め部を含む前記中間部材の四囲を前記弾力性保持部材で充填し、前記弾力性保持部材は、前記中間部材の前記回り止め部が前記回り止め収納部において回転方向に動くのを抑止すると共に、外部からの振動で伸び縮みして前記振動を減衰させることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構を提供する。
第2の発明は、前記第1の発明において、前記中間部材は、金属板を丸めてなる非対称型のカールバネ部材であって、一端側で開いている圧入孔を有し、該カールバネ部材の他端側は前記回り止部を形成していることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構を提供する。
第3の発明は、前記第2の発明において、複数個の前記非対称型のカールバネ部材を互いに逆向きに前記圧入孔を同軸にして一列に配置したことを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構を提供する。
第4の発明は、前記第1の発明において、前記中間部材は金属板を丸めてなる対称型のバネ部材であって、一部分で開いていて前記内側部材が挿入される挿入孔を有し、前記バネ部材の前記開いている部分の両端側は回り止部となっており、また、前記バネ部材の前記開いている部分にはその間隔を調整する調整部材が備えられていることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構を提供する。
第5の発明は、前記第1の発明において、前記中間部材は複数個からなり、これら中間部材は弾性力の異なる前記弾力性保持部材で覆われていることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構を提供する。
第6の発明は、前記第1の発明ないし第5の発明のいずれかにおいて、前記振動減衰型トルク伝達機構が、振動減衰型トルクヒンジ又は振動減衰型トルクリミッタであることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構を提供する。
前記第1の発明によれば、簡単で小型化し易い構造であって、外力による振動を短時間で減衰させることができる振動減衰型のトルクヒンジ又はトルクリミッタのような振動減衰型トルク伝達機構を提供できる。
前記第2の発明によれば、比較的経済的に作ることのできる構造の振動減衰型トルク伝達機構を提供できる。
前記第3、第4の発明によれば、両方向の回転トルクをほぼ等しくできる経済的構造をもつ振動減衰型トルク伝達機構を提供できる。
前記第5の発明によれば、放射方向の衝撃力による振動を有効に減衰することができる振動減衰型トルク伝達機構を提供できる。
前記第6の発明によれば、外力による振動を短時間で減衰させることができる、振動減衰型トルクヒンジ又は振動減衰型トルクリミッタを提供できる。
[実施形態1]
本発明に係る実施形態1の第1の振動減衰型トルク伝達機構100について、図1により説明する。この基本的な振動減衰型トルク伝達機構100は、シャフトのような内側部材1(以下、この実施形態ではシャフトという。)と、シャフト1との間に回転トルクを発生する中間部材2と、中間部材2を遊びが無いように収納するハウジングのような外側部材3とからなる。中間部材2は、3個の短円筒状の第1、第2、第3のトルク発生部2A、2B、2Cと、トルク発生部2A、2B、2Cそれぞれから延びる回り止部2a、2b、2cとからなる。中間部材2は、後で詳述し、図面でも示すが、剛性の優れた金属材料又は合成樹脂などからなる特定の構造の部材を、シャフト1との間に回転トルクを発生する部分を除いて、弾力性の豊かな樹脂などからなる弾力性保持部材Rでモールドなどによって覆われている。弾力性保持部材Rで覆われた中間部材2は、外側部材3の収納空洞4の内壁面に密接するように収納される。特に、中間部材2の回り止部2a、2b、2cは収納空洞4の回り止め収納部4Aの側壁4aに密接、又は軽く圧入された形で押し込まれる。なお、この実施形態では弾力性保持部材Rも中間部材2の構成部材としている。
弾力性保持部材Rは、熱可塑性の塩化ビニル又はエストラマーなどを含むポリエチレン系樹脂、あるいはある程度の硬度を有する合成ゴムなどからなり、いずれも適度の弾力性と硬度とを有するのが好ましい。特に、回転トルク以下の外力に対して弾力性が作用することが、振動を減衰する上で好ましい。そして、弾力性保持部材Rの弾力性に従いその厚みを調整することによって、外からの衝撃力による振動を効果的に速やかに減衰することができる。
次に、振動減衰型トルク伝達機構100の動作について説明する。前述のように、弾力性保持部材Rで覆われた中間部材2を外側部材3の収納空洞4に押し込んだ状態で、シャフト1に回転力が加わったとする。その回転力がシャフト1と中間部材2との間の設定回転トルク値よりも小さければ、シャフト1は中間部材2に対して回転せず、トルクが伝達される。このとき、シャフト1は、弾力性保持部材Rがもつ弾力性に従って弾力性保持部材Rの厚みが伸び縮みする分だけ動くが、微小であるので実際上の支障はまったくない。次に、設定回転トルク値以上の外力がシャフト1と中間部材2との間に印加されれば、シャフト1と中間部材2とが相対的に回転する。この点については、従来の中間部材2と外側部材3との間に本発明のような弾性材料が存在しないトルク伝達機構と同様である。
次に振動について説明すると、加えられていた外力が急激に除去されたり、あるいは前記設定トルク値以下の衝撃力がシャフト1と中間部材2との間に印加されたときには、シャフト1と中間部材2とが相対的に回転せず、図示しないディスプレイ部の質量によって、それに結合されているシャフト1が振動する。この振動減衰型トルク伝達機構100では、シャフト1に振動が生じると、その振動は中間部材2の弾力性保持部材Rに伝達され、その振動によって弾力性保持部材Rが伸び縮みし、振動を有効に減衰させる。つまり、弾力性保持部材Rの弾性が振動を吸収し、速やかに減衰させる。
[実施形態2]
本発明に係る実施形態2の第2の振動減衰型トルク伝達機構200について、図2、図3により説明する。図2(A)は図2(B)の破断線Y−Y’における断面を示し、図2(B)は図2(A)の破断線X−X’における断面を示す。図3はハウジングとなる外側部材3を示し、図3(A)、図3(B)はそれぞれ外側部材3の正面図、側面図を示す。図2及び図3において、図1で示した記号と同一の記号は同一名称の部材を示すものとする。
実施形態2では、内側部材であるシャフト1との間に回転トルクを発生する中間部材2として2個のカールバネ部材2’A、2’Bを用いている。カールバネ部材2’A、2’Bはバネ性(弾性)に優れた金属材料からなる矩形の金属板を丸めて圧入孔Pを形成したものであり、一部分が開いた形の圧入孔Pにシャフト1が圧入される。カールバネ部材2’A、2’Bは同一構造であり、逆向きになっている。かかる構造のカールバネ部材2’A、2’Bは、一端側Mが開いており、他端側Nは圧入孔の放射外方向に延びて回り止作用を行うような構造になっているので、カールバネ部材2’Aについて言えば、反時計方向の回転トルクは大きく、時計方向の回転トルクはそれよりも小さくなる非対称型のバネ部材である。したがって、この実施形態では双方向の回転トルクをほぼ同じにするために、同一構造のカールバネ部材2’A、2’Bを逆向きに配置している。しかし、このことは振動減衰型トルク伝達機構200にとって必須の要件でなく、一方の回転方向の回転トルクを大きくしたければ、カールバネ部材2’Aを1個、又は同方向に2個以上配置してもよい。
それぞれの回り止部2’a、2’bとなる他端N側が一直線上にあるように逆向きに配置されたカールバネ部材2’A、2’Bは、前述したような弾性の優れた材料からなる弾力性保持部材Rで一緒にモールドされている。この実施形態ではカールバネ部材2’A、2’Bと弾力性保持部材Rとで中間部材2を構成している。そのモールド方法については、カールバネ部材2’A、2’Bとシャフト1とを組み合わせたものを図示しない鋳型に収め、液状の弾力性保持部材Rを脱泡しながら流し込んで固化させる方法、あるいはシャフト1を挿通させる貫通孔(不図示)を有する一方の蓋部材5をハウジングとなる外側部材3の一端側に予め圧入しておき、カールバネ部材2’A、2’Bに圧入されたシャフト1を前記蓋部材5の貫通孔に挿入し、カールバネ部材2’A、2’Bを外側部材3に収めた状態で液状の弾力性保持部材Rを流し込んで固化させる方法のいずれでも良い。また、他の公知の被覆方法でも良い。
ここで大切なのは、弾力性保持部材Rの外面がハウジングとなる外側部材3の収納空洞4を形成する内壁面に密接、特にシャフト1に回転力がかかったときに、それらの間の遊びによって弾力性保持部材Rが外側部材3に対して回転方向に動かないように、その回り止部Rgが収納空洞4の回り止め収納部4Aの内壁部に密接しているのが好ましい。更に、弾力性保持部材Rの弾性力を利用して、弾力性保持部材Rの回り止部Rgが回り止め収納部4Aに軽く圧入されているのがよい。そして、最後に蓋部材6をハウジングとなる外側部材3に固定し、密閉する。ここで、中間部材2の回り止部はカールバネ部材2’A、2’Bそれぞれの回り止部2’a、2’bとそれらを覆う弾力性保持部材Rの回り止部Rgとで構成される。
この実施形態では、外側部材3は図示していない機器の本体部に固定され、内側部材であるシャフト1が図示しないディスプレイ(液晶)部に固定された状態で、所定の角度で開いているディスプレイ(液晶)部に衝撃力が加わったとすると、その衝撃力はシャフト1を通して中間部材であるカールバネ部材2’A、2’Bに伝達され、更には弾力性保持部材Rに伝達される。弾力性保持部材Rはこの衝撃力を受けてその弾性特性に従ってび縮みし、急速にその衝撃力を減衰させる。

なお、実施形態2において、シャフト1の長さ方向の長さに相当するカールバネ部材の幅は任意でよく、幅の異なるもの同士を組み合わせて用いても勿論よい。幅が大きい場合には中央部分と両端部分との回転トルクに差が生じるので、ほぼ均一に回転トルクを生じる程度の幅にして、複数個用いた方が同じ幅で大きな回転トルクを得ることができ、カールバネ部材の標準化の面でも有利である。また、カールバネ部材2’A、2’Bの側面側、つまり蓋部材側も弾力性保持部材Rで覆ったが、必ずしも側面側には弾力性保持部材Rを設ける必要はない。
[実施形態3]
次に、図4によって実施形態3に係る第3の振動減衰型トルク伝達機構300について説明する。図4において、図1ないし図3で示した記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。シャフト1、中間部材2のカールバネ部材2’は前記実施形態のものと同様なものであり、カールバネ部材2’の回り止部2’aだけが弾力性保持部材Rでモールドされている。カールバネ部材2’のモールドされていない部分の外面は、ハウジングの役割を果たす外側部材3の内壁面3iに直接接触している。カールバネ部材2’の回り止部2’aを包囲している弾力性保持部材Rは、外側部材3の回り止め収納部4Aの内壁部に密接し、外力を受けてもその内壁部との間で動かないようになっている。この実施形態では、弾力性保持部材Rの不図示の孔にカールバネ部材2’の回り止部2’aを圧入する構造のものでも勿論よい。なお、カールバネ部材2’と弾力性保持部材Rとが中間部材2を構成するものとする。
この振動減衰型トルク伝達機構300では、ある分野で用いられるトルクヒンジに外部から与えられる衝撃力などの力は、シャフト1を介して回転方向の力となる部分が大きいという知見に基づいて、カールバネ部材2’の回り止部2’aだけを弾力性保持部材Rで包囲して外力によって生じる振動を急速に減衰している。シャフト1の回転方向の外力はカールバネ部材2’の回り止部2’aに集中して、その回り止部2’aに振動を与え、この振動は弾力性保持部材Rに伝達される。この振動は、弾力性保持部材Rがその弾性によって縮小又は拡張することで、急速に減衰される。
[実施形態4]
図5によって実施形態4に係る第4の振動減衰型トルク伝達機構について説明する。図5(A)は正面図を示し、図5(B)は図5(A)における切断線X−X’での断面を示す図である。図5において、図1ないし図4で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。
内側部材1は、図示しないシャフトを挿通させるシャフト装着孔1Aを有するパイプ状のもの、つまり内輪部材である。
中間部材2は、剛性を有する金属材料からなる金属線を正5角形に複数ターン巻いてなる正5角形のコイル2’’とその外面を覆う前述したような弾力性保持部材Rとからなる。正5角形のコイル2’’は、その内接円の直径が内側部材1の外径よりも所定値だけ小さいように形成されている。
外側部材3は正5角形の空洞部3Aを有し、中間部材2がその空洞部3Aに収められる。このとき弾力性保持部材Rの外面は外側部材3の正5角形の空洞部3Aを形成する内壁面に密接する。好ましくは、弾力性保持部材Rの弾力性を利用して外側部材3は正5角形の空洞部3Aに軽く圧入されているのが良い。
このように、中間部材2がその空洞部3Aに収められ状態で内側部材1が正5角形のコイル2’’内に圧入される。この圧入時に、正5角形の弾力性保持部材Rの五つの角部は外側部材3の正5角形の空洞部3Aの五つの角部に抑えられて動くことができないから、正5角形のコイル2’’の巻き戻しが起こらない。したがって、内側部材1の正5角形のコイル2’’への圧入は、正5角形のコイル2’’の巻き戻しを生じることなく、放射外方向の力を正5角形のコイル2’’と弾力性保持部材Rとに与えて、これらを押し広げることによって行われる。このことは、内側部材1と正5角形のコイル2’’との間に大きな回転トルクを発生することができる。また一方では、この圧入時に、弾力性保持部材Rはその弾性によって正5角形のコイル2’’が押し広げられるのを助けると共に、前述したように、内側部材1に加えられる衝撃力を減衰する働きを行う。
コイル2’’は正5角形でなくともよく、正3角形、正4角形、正6角形などの正多角形であればよい。コイル2’’を形成する金属線は、断面丸型、あるいは断面4角形などのものである。この実施形態では、外側部材3の空洞部3Aを形成する内壁面に予め所定厚みの弾力性保持部材Rを形成しておいても勿論よい。この場合には、弾力性保持部材Rが外側部材3の一部分であると考えるのが妥当である。なお、この実施形態では内側部材1とコイル2’’との間のスペースを利用して、このスペースに必要に応じて、ワニス又はグリースのような潤滑材を充填することによって、寿命を長くすることができる。
なお、図示しないが、実施形態4の変更例として、前記コイル2’’に代えて、金属板を内外共に多角形にプレス工程により打ち抜き、多角形のバネを作り、これを必要枚数重ねた多角形板バネを中間部材2として用いてもよい。又は、多角形板バネの幅に相当する厚みの金属板から一般的なしぼり工程又は鍛造工程を行って所望の形状とし、その後に必要に応じて浸炭工程を行って所望の硬度にすることによって、前述のような多角形板バネを形成し、これを中間部材2として用いても良い。
[実施形態5]
次に、図6によって第5の振動減衰型トルク伝達機構500について説明を行う。図6(A)は正面からみた図であり、図6(B)は図6(A)の切断線Y−Y’での断面を示す図である。この実施形態においては、シャフト1も中間部材2も合成樹脂材料からなり、シャフト1と中間部材2との間で回転トルクを発生する。中間部材2は外径の大きな大外径部2Eと、その外径よりも小さな外径の小外径部2Fとからなる。前記実施形態における外側部材をも兼ねる弾力性保持部材Rは、中間部材2の小外径部2Fと当接する内径の小さな小内径部Raと、中間部材2の大外径部2Eと当接する内径の大きな大内径部Rbとからなる。また、弾力性保持部材Rは側部に取付け部Rcを有する。この取付け部Rcは、前記外側部材の役割を行って図示しない機器の一部分にネジなどからなる固定手段(不図示)で取り付けられるか、あるいは前述のような外側部材(不図示)に収納されても良い。
この振動減衰型トルク伝達機構500では、中間部材2の小外径部2Fと弾力性保持部材Rの小内径部Raとが組み合わさっているので、シャフト1に加わる衝撃力は中間部材2を介して弾力性保持部材Rに印加され、弾力性保持部材Rの弾性によって減衰される。
この実施形態では互いに一箇所だけに大径部と小径部とを設けたが、例えば、等間隔で2箇所又は3箇所、あるいはそれ以上の箇所に大径部と小径部とを設けて組み合わせてもよい。また、弾力性保持部材Rの外形は角型など任意の形状でも構わない。なお、この実施形態においても中間部材2が弾力性保持部材R内に軽く圧入され、弾力性保持部材Rで軽く締め付けられているのが好ましい。更に、この実施形態においても、弾力性保持部材Rで放射外方向が囲まれた中間部材2を複数個用いても勿論よい。
[実施形態6]
次に、図7によって第6の振動減衰型トルク伝達機構600について説明を行う。図7(A)は正面からみた図であり、図7(B)は図7(A)の切断線Y−Y’での断面を示す図である。
内側部材1は、図示しないシャフトが装着される装着孔1Aを有するパイプ状のもの、つまり内輪部材である。
中間部材2は、前述したような同一構造の3個のカールバネ部材2’A、2’B、2’Cからなり、これらは回り止め部2’a、2’b、2’cをそれぞれ有する。
外側部材3は、前述とほぼ同様なものであるが、両側に取付け部3Aと取付け穴3Bとを有し、これら取付け部3Aと取付け穴3Bとを利用して不図示のネジなどを用いて図示しない機器などに固定される。
図示のように、カールバネ部材2’Aは弾性率を示すヤング率y1の弾力性保持部材R1で予めモールドされている。カールバネ部材2’Bはヤング率y2の弾力性保持部材R2で予めモールドされている。カールバネ部材2’Cはヤング率y3の弾力性保持部材R3で予めモールドされている。ここで各ヤング率の関係は、y1>y2>y3であるので、弾力性保持部材R1が最も弾性に優れ、弾力性保持部材R2は中間であり、弾力性保持部材R3は最も弾性に劣り、硬度が高い。
弾力性保持部材R1でモールドされたカールバネ部材2’A、弾力性保持部材R2でモールドされたカールバネ部材2’B、弾力性保持部材R3でモールドされたカールバネ部材2’Cそれぞれの圧入孔に内側部材1を圧入し、それらカールバネ部材2’A、2’B、2’Cが微小な間隔で又は接触するように位置させる。そして、弾力性保持部材R1、R2、R3はその外壁面が外側部材3の内壁面3iに当接する又はその内壁面を軽く加圧するように、外側部材3内に収められる。
かかる構造の振動減衰型トルク伝達機構600は、特に、図面右側から放射方向の衝撃力を受けた場合に有効に衝撃力の減衰を行う。図面右側からの放射方向の衝撃力を受けたとき、蓋部材5があっても、その中央孔5Aと不図示のシャフトとの間には遊びが存在するから、そのシャフトにかかる衝撃力によって内側部材1はその右側が最も大きく振動するので、衝撃力はカールバネ部材2’Cを介して弾力性保持部材R3に最も大きな割合でかかり、次に大きな力がカールバネ部材2’Bを介して弾力性保持部材R2にかかり、最も小さい力がカールバネ部材2’Aを介して弾力性保持部材R1にかかる。したがって、図面右側からの放射方向の衝撃力に対して弾力性保持部材R3、R2、R1が有効に働いて、その衝撃力を効果的に減衰する。この振動減衰型トルク伝達機構600は、図面右側に不図示の駆動源が結合される場合に効果的である。
以上述べた実施形態では、中間部材が1〜3個のもので述べたが、2個又は4個以上であっても勿論よい。また、中間部材2として、例えば図2で示したカールバネ部材2’Aの両端をM、Nとする、ある間隔をもって平行する一対の回り止部2’aの長さをほぼ等しくし、それらを図示しないネジとナットとをもって適当に締め付けて、内側部材1と中間部材2との間の回転トルクの調整を行えるようした対称型のバネ部材でもよい。この場合には他のカールバネ部材2’B、2’Cについても同様な構造の対称型のバネ部材である。つまり、中間部材は、シャフトなどのような内側部材との間に所望の回転トルクを発生するものならばいずれの構造のものでも構わない。
図示しないが、外側部材3の収納空洞4は一方側から他方側に向かって径が次第に小さくなるような傾斜をもつ構造にし、中間部材2の弾力性保持部材Rの厚みが外側部材3の収納空洞4の前記傾斜に合致した傾斜で一方側から他方側に薄くなる構造であっても構わない。この場合には、外側部材3の収納空洞4にその径の大きな側から中間部材2を装着することによって、容易に中間部材2を外側部材3の収納空洞4を形成する壁面に密着させることができる。前述したカールバネ部材又はコイルなどを複数個用いる場合には、これら複数個を同時に一体的に弾力性保持部材Rでモールドするのが都合がよい。
なお、弾力性保持部材Rは予め外側部材3の内壁面形成されていても良いし、あるいは中間部材2と外側部材3との間に充填されたり、又は詰め込まれていてもよい。以上の実施形態では、いずれも振動減衰型トルクヒンジについて述べたが、まったく同様にして振動減衰型トルクリミッタとしても用いることができる。また、必要に応じて、前記中間部材は、前記非対称型のカールバネ部材、前記対称型のバネ部材、前記多角形状バネ部材、前記トルク発生部材の内のいずれか2個以上の部材を組み合わせて構成されても構わない。
発明に係る実施形態1の振動減衰型トルク伝達機構100を説明するための斜視図である。 発明に係る実施形態2の振動減衰型トルク伝達機構200を示す図面である。 振動減衰型トルク伝達機構200に用いられる外側部材を示す図である。 発明に係る実施形態3の振動減衰型トルク伝達機構300を説明するための図面である。 本発明の実施形態4に係る振動減衰型トルク伝達機構400を示す図である。 本発明の実施形態5に係る振動減衰型トルク伝達機構500を示す図である。 本発明の実施形態6に係る振動減衰型トルク伝達機構600を示す図である。
符号の説明
1・・・内側部材(シャフト又は内輪部材)
1A・・・内側部材の装着孔
2・・・中間部材
2A、2B、2C・・・中間部材2のトルク発生部
2’A、2’B、2’C・・・カールバネ部材
2a、2b、2c・・・中間部材の回り止部
2’a、2’b、2’c・・・カールバネ部材の回り止部
2’’・・・コイル
3・・・外側部材(ハウジング)
5、6・・・蓋部材
R、R1、R2、R3・・・弾力性保持部材

Claims (6)

  1. 内側部材と、該内側部材が圧入されてその内側部材の外面との間にトルクを生じる内面を有すると共に、回り止め部を備える1個以上の属製の中間部材と、前記回り止め部を収納する回り止め収納部を備えた収納空洞を有する外側部材とからなるトルク伝達機構であって
    前記中間部材の外面と前記外側部材の内面との間に弾力性のある材料からなる弾性保持部材を流し込んで前記回り止め部を含む前記中間部材の四囲を前記弾力性保持部材で充填し、
    前記弾力性保持部材は、前記中間部材の前記回り止め部が前記回り止め収納部において回転方向に動くのを抑止すると共に、外部からの振動で伸び縮みして前記振動を減衰させることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構。
  2. 請求項1において、
    前記中間部材は、金属板を丸めてなる非対称型のカールバネ部材であって、一端側で開いている圧入孔を有し、該カールバネ部材の他端側は前記回り止部を形成していることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構。
  3. 請求項2において、
    複数個の前記非対称型のカールバネ部材を互いに逆向きに前記圧入孔を同軸にして一列に配置したことを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構。
  4. 請求項1において、
    前記中間部材は金属板を丸めてなる対称型のバネ部材であって、一部分で開いていて前記内側部材が挿入される挿入孔を有し、前記バネ部材の前記開いている部分の両端側は回り止部となっており、また、前記バネ部材の前記開いている部分にはその間隔を調整する調整部材が備えられていることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構。
  5. 請求項1において、
    前記中間部材は複数個からなり、これら中間部材は弾性力の異なる前記弾力性保持部材で覆われていることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、
    前記振動減衰型トルク伝達機構が、振動減衰型トルクヒンジ又は振動減衰型トルクリミッタであることを特徴とする振動減衰型トルク伝達機構。
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