JP2012057701A - ダイナミックダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転体の回転数が高回転の場合は減衰機能を発揮することができ、かつ低回転の場合は慣性質量体の揺動を抑制することができるダイナミックダンパを提供することを目的とする。
【解決手段】回転体3内に形成された転動穴2と、その転動穴2に収納され、該転動穴2の前記回転体3における外周側の内壁面2aに沿って揺動する慣性質量体1とを備えたダイナミックダンパ8において、前記回転体3における前記慣性質量体1よりも内周側に配置され、前記慣性質量体1を前記回転体3の径方向の外周側に押圧して固定する固定部材4と、該固定部材4が前記慣性質量体1を押圧する押圧力を、前記回転体3の回転に起因する遠心力により低下させて前記慣性質量体1の固定を解除するように構成された遠心力反転機構13とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】回転体3内に形成された転動穴2と、その転動穴2に収納され、該転動穴2の前記回転体3における外周側の内壁面2aに沿って揺動する慣性質量体1とを備えたダイナミックダンパ8において、前記回転体3における前記慣性質量体1よりも内周側に配置され、前記慣性質量体1を前記回転体3の径方向の外周側に押圧して固定する固定部材4と、該固定部材4が前記慣性質量体1を押圧する押圧力を、前記回転体3の回転に起因する遠心力により低下させて前記慣性質量体1の固定を解除するように構成された遠心力反転機構13とを備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、回転部材に取り付けられて、そのトルク変動もしくは捩り振動を吸収もしくは減衰するダイナミックダンパに関するものである。
車両のエンジンのクランクシャフトや変速機のインプットシャフトあるいはドライブシャフトなどの回転部材は、エンジンからの起振力に起因して、その軸心の周りに固有の捩り振動を起こすことが知られている。この捩り振動とエンジンのシリンダの爆発回転速度の周期とが共振することを抑制するために、前述したような回転部材に取り付けられて、捩り振動を吸収もしくは減衰させるダイナミックダンパが知られている。
そのダイナミックダンパの一例として、図3に示すように慣性質量体1が転動するための転動穴2を回転体3の円周方向に等間隔に形成して、それぞれの転動穴2内に慣性質量体1が設けられているものが知られている。この種のダイナミックダンパは、回転体3が回転している際、特に高回転数で回転している際は遠心力により慣性質量体1が外周側に押しつけられるので、慣性質量体1は転動穴2の回転体における外周側の内壁面(以下、転動面2aと記す。)に沿って往復運動をしてダイナミックダンパとして機能するように構成されている。しかしながら、エンジンの始動時あるいは停止時もしくは低回転時には、慣性質量体1に作用する遠心力が弱いため、慣性質量体1は十分に転動面2aに押しつけられないので、例えば、図における上側に位置した転動穴2内に収納された慣性質量体1が、転動面2aと対面した内壁面に衝突して異音が発生することがある。また、低回転時には、トルクの変動が大きいため、慣性質量体1の振幅が大きくなる。その結果、その慣性質量体1の往復運動によりさらに慣性質量体1の振幅が増大させられてしまい、回転体3のトルク変動がその慣性質量体1の往復運動に起因して増大する可能性がある。また、その慣性質量体1の振幅の増大により、慣性質量体1と転動穴2の内壁面とが接触して異音が生じる可能性がある。
上述した課題を解決するために、エンジンの始動時あるいは停止時もしくは低回転時に、転動穴内で慣性質量体が動かないように慣性質量体を押しつけて固定する装置が知られている。特許文献1には、転動穴内にピンで一点を固定された慣性質量体を用いたダイナミックダンパが記載されている。そして、慣性質量体の外周側には、板バネにより慣性質量体側に押しつけられて慣性質量体を固定する固定部材が設けられている。したがって、エンジンの始動時あるいは停止時もしくは低回転時は、固定部材に作用する遠心力が板バネの押圧力より小さいので、固定部材は慣性質量体に接触して固定することができる。また、エンジンあるいは回転体が高回転で回転している時は、固定部材に作用する遠心力が板バネの押圧力より大きくなって、固定部材が外周側に移動することにより、慣性質量体の揺動を許容することができる。
また、特許文献2には、慣性質量体にその慣性質量体の外径より大径の弾性部材を取り付け、エンジン回転数が低回転の時に慣性質量体が転動穴の内周壁に衝突して異音もしくは打音が発生するのを抑制するように構成された装置が記載されている。また、慣性質量体が永久磁石で形成され、転動穴の内周壁と磁力によって吸着させる装置や、転動穴に粘性流体を満たし、その転動穴内に慣性質量体を収納した装置が記載されている。つまり、特許文献2に記載された装置は、慣性質量体および転動穴に緩衝体を設けて慣性質量体と転動穴との異音の発生を抑制する装置が記載されている。
上述した特許文献1に記載された装置は、固定部材に作用する遠心力が小さい場合は、固定部材に作用する遠心力より板バネの押圧力の方が大きくなるので、慣性質量体を固定することができ、それとは反対に固定部材に作用する遠心力が大きい場合は、固定部材に作用する遠心力が板バネの押圧力より大きくなるので固定部材が慣性質量体から離隔して、慣性質量体の揺動を許容することができる。つまり、特許文献1に記載された装置は、遠心力が作用して固定部材が慣性質量体から離隔するように構成されているので、固定部材が慣性質量体に対して回転体の外周側に配置される。そのため、慣性質量体は、固定部材を設ける分、回転体の内周側に配置することになる。したがって、慣性質量体に作用する慣性力が慣性質量体を外周側に設けた場合より低下するので、慣性質量体に作用する慣性力を向上させるために技術的な改善の余地がある。また、図3に示すダイナミックダンパに特許文献1の装置を利用する場合は、図4に示すように高精度が要求される転動面2aを固定部4に形成することとなり加工が困難である。
また、特許文献2に記載された装置は、慣性質量体にあるいは転動穴内に緩衝体を設けることにより、エンジンの回転数が低速の場合でも、慣性質量体と転動穴の内壁との打音を低減することができる。しかしながら、エンジンの回転数が低速でトルク変動が大きい場合は、慣性質量体の振幅が大きくなることは抑制できず、トルク変動を増大させる要因となる可能性がある。また、慣性質量体の質量を増大させると、上記の緩衝体の効果が低下する可能性もあり、そのため、慣性質量体の質量を低下させることとなる。その結果、慣性質量体の質量が小さくなると慣性力が低下して、減衰装置としての機能が低下する可能性がある。
さらに、上述した各特許文献1,2には記載されていないが、図5に示すように慣性質量体1の揺動を制限するために、慣性質量体1の側面にガイドピン6を突出させ、回転体3の軸線方向の端部にそのガイドピン6が嵌合する溝7を形成したガイド機構を設けた場合は、回転体3の軸線方向の長さが長くなり、装置全体として大型化する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、回転体の回転数が高回転の場合は減衰機能を発揮することができ、かつ低回転の場合は慣性質量体の揺動を抑制することができるダイナミックダンパを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転体内に形成された転動穴と、その転動穴に収納され、該転動穴の前記回転体における外周側の内壁面に沿って揺動する慣性質量体とを備えたダイナミックダンパにおいて、前記回転体における前記慣性質量体よりも内周側に配置され、前記慣性質量体を前記回転体の径方向の外周側に押圧して固定する固定部材と、該固定部材が前記慣性質量体を押圧する押圧力を、前記回転体の回転に起因する遠心力により低下させて前記慣性質量体の固定を解除するように構成された遠心力反転機構とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記遠心力反転機構は、前記固定部材と連結されて、前記回転体の回転に起因して発生する遠心力により該回転体の外周側に移動する質量体を有し、該質量体が移動することにより前記固定部材を前記回転体の内周側に移動させて前記慣性質量体を押圧する押圧力を低下させるように構成されていることを特徴とするダイナミックダンパである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記転動穴は、前記回転体内に複数形成され、前記慣性質量体は、それら転動穴のそれぞれに収納され、各慣性質量体のそれぞれを押圧する複数の遠心力反転機構が更に設けられ、前記遠心力反転機構に設けられた前記質量体と、隣り合う遠心力反転機構に設けられた他の質量体とを連結し、かつそれぞれの質量体を引き合う方向に弾性力を作用させる弾性部材とを更に備えていることを特徴とするダイナミックダンパである。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記遠心力反転機構は、前記固定部材に一端を連結された複数のアーム部と、それらアーム部に亘って連結された弾性部材と、該弾性部材と一体に形成され、前記回転体の回転に起因して発生する遠心力により前記弾性部材を撓ませる質量体と、前記アーム部の他端に連結されて該アーム部の移動をガイドする溝とを備え、前記弾性部材が撓むことにより前記アーム部が回動して、前記遠心力反転機構を回転中心側に移動させることにより、前記慣性質量体を押圧する押圧力を低下させるように構成されていることを特徴とするダイナミックダンパである。
この発明によれば、回転体内に形成された転動穴に収納されて、転動穴の回転体における外周側の内壁面に沿って揺動する慣性質量体が設けられている。したがって、回転体の回転トルクが変動した場合に、その慣性質量体が揺動して回転体の捩り振動を抑制することができる。また、その回転体における慣性質量体に対して内周側に慣性質量体を転動穴の回転体における外周側の内壁面に押圧する固定部材が設けられ、その固定部材が慣性質量体を押圧する押圧力を、回転体の回転に起因する遠心力により低下させて慣性質量体の固定を解除するように構成された遠心力反転機構が備えられている。そのため、回転体の回転数が増大することにより慣性質量体を押圧する押圧力が低下して、慣性質量体が転動穴の内壁面に沿って揺動することができる。したがって、回転体の回転数が高い場合は、回転体の捩り振動を抑制することができる。さらに、回転体の回転数が低い場合は、慣性質量体を固定部材で押圧して固定しているので、慣性質量体は揺動することがなく、その結果、慣性質量体と転動穴の内壁面との衝突による異音あるいは打音を防止することができる。またさらに、固定部材は、回転体における慣性質量体の内周側に配置されるので、慣性質量体は回転体の径方向の最大距離に配置することができる。したがって、固定部材を慣性質量体の外周側に配置した場合より振動減衰性能を向上させることができる。
この発明に係るダイナミックダンパは、回転体3の回転開始時や停止時あるいは低回転時は、慣性質量体1を押しつけて固定するように構成されたものである。その構成例について説明する。図1は、第1の構成例を説明するための概略図である。図1に示すダイナミックダンパ8は、回転体3の径方向の外周側に転動穴2が4箇所形成されていて、それぞれの転動穴2には慣性質量体1が収納されている。なお、図1に示すダイナミックダンパ8は、慣性質量体1が遠心力により転動面2aに接触している状態を示してある。
そして、その慣性質量体1を押しつけるための固定部材4が回転体3における慣性質量体1に対して内周側に配置されている。この固定部材4は回転体3の径方向に移動可能に配置されていて、その固定部材4には回転体3の回転中心に向けてシャフト9が一体に形成されている。また、そのシャフト9の外周には歯面(ラック歯)9aが形成されている。
さらに、前記シャフト9の歯面9aと噛み合うピニオンギヤ10が、シャフト9を挟んで両側にそれぞれ配置されている。そのピニオンギヤ10は回転体3に対して回転自在に支持されている。そして、一端をピニオンギヤ10と一体に連結され、他端に錘11が一体に連結されたロッド12が設けられている。したがって、その錘11に遠心力が作用するとピニオンギヤ10を回転中心としてピニオンギヤ10とロッド12と錘11とが一体に回転する。またさらに、その錘11には、隣り合う錘11と連結されたバネ14が設けられていて、それぞれの錘11が引き合うように構成されている。
上述した第1の構成例の作用について説明すると、回転体3が回転すると各錘11には回転体3の回転中心から径方向に遠心力が作用する。そして、その遠心力が隣り合う錘11同士を連結したバネ14のバネ力より大きくなると、各錘11は一体に形成されたピニオンギヤ10を回転中心として回動する。その結果、ピニオンギヤ10が錘11と一体に回転して、そのピニオンギヤ10と噛み合うシャフト9が回転体3の回転中心に向けて移動させられる。つまり、錘11とロッド12とピニオンギヤ10とは、遠心力反転機構13として作用するように構成されている。したがって、回転体3の回転速度が大きいと固定部材4は回転体3の回転中心に向けて移動して、慣性質量体1から離隔する。その結果、慣性質量体1は転動穴2で揺動することを許容されて、ダイナミックダンパ8として機能することができる。
一方、回転体3の回転速度が低い時、あるいは回転体3が静止している時は、錘11に作用する遠心力が隣り合う錘11同士を連結したバネ14のバネ力より小さいため、それぞれの固定部材4は慣性質量体1を転動面2aに押しつけて固定した状態となる。具体的に説明すると、隣り合う錘11同士に連結されたバネ14のバネ力により、錘11と一体に連結されたピニオンギヤ10は、シャフト9を回転体3の外周側に移動させる方向に回転する回動力を受ける。そのため、シャフト9は、回転体3の外周側に移動あるいは荷重を受けるので、固定部材4は、慣性質量体1を転動面2aに押しつけて固定することができる。したがって、慣性質量体1は、転動穴2内で揺動することがないので、慣性質量体1と転動穴2の内壁面との衝突による打音もしくは異音を防止あるいは抑制することができる。
上述した第1の構成例は、錘11の質量およびバネ力を設定することにより、慣性質量体1の押圧力あるいは慣性質量体1の固定を解放する回転数を設定することができる。また、遠心力反転装置13を慣性質量体1の内周側に配置することができるので、転動穴2は可能な限り回転体3の外周側に形成することができ、そのため、慣性質量体1に作用する慣性力を向上させることができる。つまり、高回転時において、従来のダイナミックダンパ8の減衰性能と同程度の性能を発揮することができる。さらに、固定部材4は、転動面2aとしての機能がないので、高精度の加工が要求されることがない。
なお、この発明は上述した第1の構成例に限定されず、例えば、固定部材4が弾性体であってもよい。つまり、固定部材4の両端を転動穴2あるいは回転体3と固定して、固定部材4の中心部にシャフト9を一体に形成する構成としてもよい。このように構成することで、低回転時に固定部材4の略中央部が転動穴2に突出して慣性質量体1を固定することができ、かつその慣性質量体1を固定する箇所が限られるので、再度、慣性質量体1の揺動を許容する場合に、各慣性質量体1の位相がそろった状態で始動することができ、捩り振動の減衰機能の低下を抑制することができる。また、固定部材4を弾性体とすることにより、慣性質量体1と転動面2aとの衝突における緩衝材と機能することもできる。
さらに、遠心力反転機構13は上記第1の構成例に示したものに限定されず、要は、遠心力が作用した場合に、固定部材4を回転中心側に移動させるいわゆる梃子として機能することができればよいので、例えば、シャフト9とロッド12とをピンで固定して、錘11の回動力をシャフト9の移動力に切り替えるいわゆるレバーとしてもよい。
つぎに、この発明に係る第2の構成例について説明する。図2は、第2の構成例を説明するための概略図であり、一つの転動穴2を示したものである。第2の構成例は、弾性部材の変形により固定部材4を慣性質量体1から離隔させるように構成されたものである。まず、慣性質量体1と接触して慣性質量体1を転動面2a側に押しつける固定部材4が、回転体3における慣性質量体1の内周側に配置されている。なお、この固定部材4は、弾性体であってもよく、あるいは剛体であってもよい。そして、この固定部材4の両端には、回転体3の内周側に向けて固定部材4に対して回動自在に一端を連結したアーム部15がそれぞれ設けられている。また、そのアーム部15の他端部には、ピン16が設けられていて、そのピン16をガイドするガイド溝17が、互いに対向するアーム部15側に向かうにつれて回転体3の内周側に傾斜するように回転体3に形成されている。
さらに、一対のアーム部15に亘って両端を固定された板バネ18が設けられ、その板バネ18には、錘11が一体に形成されている。なお、図に示す例では、錘11は回転体3における板バネ18の内周側に配置されているが、これに限定されず板バネ18の外周側に配置してもよい。
つぎに、上述した第2の構成例の作用について説明する。まず、慣性質量体1を転動面2aに押しつけて固定する場合、すなわち回転体3が所定の回転数以下である場合は、板バネ18の弾性力によりアーム部15に設けられたピン16が、互いに対向するアーム部15から離隔する方向に荷重を受ける。したがって、各アーム部15は図に示す例では、固定部材4に対して略直立になり、回転体3のガイド溝17に追従して固定部材4が回転体3の外周方向に移動して、慣性質量体1を転動面2a側に押しつけて固定する。つまり、板バネ18のバネ係数を設定することにより、慣性質量体1を押圧する押圧力を設定することができる。
一方、回転体3が所定の回転数以上になると、板バネ18に一体に形成された錘11に作用する遠心力により板バネ18が弾性変形する。したがって、各アーム部15には、その弾性変形により図に示す左右方向の距離が狭まる方向に荷重が作用する。そのため、それぞれのアーム部15には、アーム部15と固定部材4とが連結された箇所を回転中心としてモーメント力が作用して、対向するアーム部15に向かって回動する。また、そのアーム部15の一端に設けられたピン16が回転体3に形成されたガイド溝17に嵌合しているので、アーム部15に作用するモーメント力により、ピン16がガイド溝17に沿って回動する力すなわち回転中心側に移動させる力が発生する。その回転中心側に移動する力が錘11に作用する遠心力より大きくなる場合に、アーム部15が回転中心側に移動し、延いては固定部材4が回転中心側に移動する。つまり、固定部材4とアーム部15と板バネ18とは遠心力反転機構13として機能するように構成されている。したがって、固定部材4と板バネ18との距離や固定部材4とピン16との距離あるいはガイド溝17の傾斜角などを設定することにより、固定部材4が慣性質量体1から離隔する回転数を設定することができる。その結果、錘11に作用する遠心力が大きくなって、板バネ18の撓み量が大きくなると、固定部材4が慣性質量体1から離隔するので、慣性質量体1は揺動を許容されて、ダイナミックダンパ8として機能することができる。
また、上述した第1の構成例と同様に、慣性質量体1を転動穴2の略中央部で押しつけて固定することができるので、再度、慣性質量体1の揺動を許容する場合に、各慣性質量体1の位相がそろった状態で始動することができ、捩り振動の減衰機能の低下を抑制することができる。
さらに、回転体3が低回転数で回転して慣性質量体1を押しつける力が低下した場合に、慣性質量体1は揺動を開始するが、転動面2aと固定部材4との隙間は転動穴2の側壁面側が狭くなるので、慣性質量体1の振幅が必要以上に増大することを防止あるいは抑制することができる。またさらに、固定部材4を弾性部材とすることにより、固定部材4と慣性質量体1との衝突を固定部材4が吸収して異音を低減することができる。つまり、固定部材4を緩衝材と機能させることができる。
なお、上述した第2の構成例において、各アーム部15に連結された板バネ18は、慣性質量体1を押しつけて固定する固定部材4と一体に形成してもよく、あるいは面接触して配置してもよい。つまり、板バネ18と固定部材4とを一体にした状態でかつ固定部材4を弾性部材とした場合は、板バネ18も固定部材4とともに緩衝材として機能することができる。
1…慣性質量体、 2…転動穴、 2a…転動面、 3…回転体、 4…固定部材、 5…弾性体、 6…ガイドピン、 7…溝、 8…ダイナミックダンパ、 9…シャフト、 10…ピニオンギヤ、 11…錘、 12…ロッド、 13…遠心力反転機構、 14…バネ、 15…アーム部、 16…ピン、 17…ガイド溝、 18…板バネ。
Claims (4)
- 回転体内に形成された転動穴と、その転動穴に収納され、該転動穴の前記回転体における外周側の内壁面に沿って揺動する慣性質量体とを備えたダイナミックダンパにおいて、
前記回転体における前記慣性質量体よりも内周側に配置され、前記慣性質量体を前記回転体の径方向の外周側に押圧して固定する固定部材と、
該固定部材が前記慣性質量体を押圧する押圧力を、前記回転体の回転に起因する遠心力により低下させて前記慣性質量体の固定を解除するように構成された遠心力反転機構と
を備えていることを特徴とするダイナミックダンパ。 - 前記遠心力反転機構は、前記固定部材と連結されて、前記回転体の回転に起因して発生する遠心力により該回転体の外周側に移動する質量体を有し、
該質量体が移動することにより前記固定部材を前記回転体の内周側に移動させて前記慣性質量体を押圧する押圧力を低下させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイナミックダンパ。 - 前記転動穴は、前記回転体内に複数形成され、前記慣性質量体は、それら転動穴のそれぞれに収納され、各慣性質量体のそれぞれを押圧する複数の遠心力反転機構が更に設けられ、
前記遠心力反転機構に設けられた前記質量体と、隣り合う遠心力反転機構に設けられた他の質量体とを連結し、かつそれぞれの質量体を引き合う方向に弾性力を作用させる弾性部材とを更に備えていることを特徴とする請求項2に記載のダイナミックダンパ。 - 前記遠心力反転機構は、前記固定部材に一端を連結された複数のアーム部と、
それらアーム部に亘って連結された弾性部材と、
該弾性部材と一体に形成され、前記回転体の回転に起因して発生する遠心力により前記弾性部材を撓ませる質量体と、
前記アーム部の他端に連結されて該アーム部の移動をガイドする溝と
を備え、
前記弾性部材が撓むことにより前記アーム部が回動して、前記遠心力反転機構を回転中心側に移動させることにより、前記慣性質量体を押圧する押圧力を低下させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイナミックダンパ。
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Applications Claiming Priority (1)
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