JP2019019918A - 減衰機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダンパ装置の回転方向の特性と面振れ方向の剛性とを両立すること。【解決手段】回転軸に対して交差した状態で同心回転可能な第1,第2,第3プレートと、第1プレートと第2プレートとの相対回転により周方向に弾性変形する弾性部材とを有し、第2プレートが第1プレートに対して初期状態から第1方向に回転する際、第2プレートと第3プレートとが一体回転せずにヒステリシストルクが発生せず、第2プレートが第1プレートに対して初期状態から第1方向とは反対の第2方向に回転する際、第2プレートと第3プレートとが一体回転して、摩擦材によって第1プレートと第3プレートとの間でヒステリシストルクを発生させるダンパ装置と、フレキシブルフライホイールと、を備えた減衰機構において、第2プレートと第3プレートとの間にベアリングを設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、減衰機構に関する。
クランク軸に弾性板を介してフライホイール等の質量体を連結したフレキシブルフライホイール(以下、FFW)として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、所定の慣性能率を有した慣性部材であるフライホイールマス(質量体)を、弾性変形可能なフレキシブルプレート(弾性板)の外縁部に取り付けたFFWが開示されている。FFWは、軸方向に沿ってフレキシブルプレートとフライホイールマスとの間に配置された皿ばねが撓むことによって、皿ばねとフレキシブルプレートおよびフライホイールマスとの間に摩擦を生じさせ、摩擦抵抗によって曲げ振動を減衰させる。これにより、FFWは、クランクシャフトの振動をフレキシブルプレートの弾性変形によって吸収し減衰させることによって、フライホイールマスの振動を防止する機能を有する。
特許第3502549号公報 特開2014−214819号公報
しかしながら、FFWの構造においては、従来のフライホイール(FW)の構造に比して面振れ方向に対する剛性が低く、揺れやすい性質を有する。具体的に、FFWにおいては、ピストンからクランクへの入力によってクランクが変形し、FFWが面振れ方向に大きく揺れて、FFW本体、ダンパ、またはトランスミッションが損傷する可能性がある。
このようなFFWに連結させるダンパ装置として、トルクの伝達方向によってヒステリシストルクを変化させるダンパ装置、いわゆる正負可変ヒスダンパ装置が提案されている。さらに、正負可変ヒスダンパ装置のうち、所定の一方向に回転する場合のみヒステリシストルクが作用しないダンパ装置(以下、正ヒス0の正負可変ヒスダンパ装置という)が提案されている。正ヒス0の正負可変ヒスダンパ装置は具体的に、特許文献2に開示された正負可変ヒスダンパ装置において、エンジンからトランスミッションにトルクが伝達する際における所定の一方向に回転する場合にのみ、ヒステリシストルクが作用しない構造を有する。正ヒス0の正負可変ヒスダンパ装置は、回転方向の特性において、エンジンからトランスミッションへのトルク変動伝達率が良好であるという利点を有する一方、面振れ方向に沿って支える部材が設けられていないことから、面振れ方向に対する剛性が著しく低いという問題がある。通常、FFWにおける面振れに関しては、FFWに連結されるダンパ装置の面振れ方向における剛性によって抑制可能である。しかしながら、ダンパ装置が正ヒス0の正負可変ヒスダンパ装置である場合、面振れ方向に対する剛性が低いことから、FFWの揺れを抑制することが困難になるという問題が新たに生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、所定の一方向に回転する場合にヒステリシストルクが発生せず、所定の一方向とは反対方向に回転する場合にヒステリシストルクが発生するダンパ装置とフレキシブルフライホイールとを連結させた場合に、ダンパ装置の回転方向の特性と面振れ方向の剛性とを両立可能な減衰機構を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る減衰機構は、回転軸に対して交差した状態で前記回転軸の回りに同心回転可能に構成された、第1プレート、第2プレート、および第3プレートと、前記第1プレートと前記第2プレートとの前記回転軸の回りの相対的な回転により前記回転軸の周方向に弾性的に変形する弾性部材と、を有し、前記第3プレートが前記回転軸の方向に沿って、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に配置され、前記第2プレートが前記第1プレートに対して初期状態から第1方向に回転する場合に、前記第2プレートと前記第3プレートとが互いに一体的に回転することなくヒステリシストルクが発生せず、かつ前記第2プレートが前記第1プレートに対して初期状態から前記第1方向とは反対の第2方向に回転する場合に、前記第2プレートと前記第3プレートとが互いに一体的に回転し、前記第1プレートと前記第3プレートとの間が摩擦材により擦れることによってヒステリシストルクを発生させるように構成されたダンパ装置と、弾性板を介して質量体が設けられ、前記ダンパ装置に連結されたフレキシブルフライホイールと、を備えた減衰機構において、前記第2プレートと前記第3プレートとの間にベアリングが設けられていることを特徴とする。
本発明に係る減衰機構によれば、所定の一方向に回転する場合にヒステリシストルクが発生せず、所定の一方向とは反対方向に回転する場合にヒステリシストルクが発生するダンパ装置における第2プレートと第3プレートとの間にベアリングを配置することによって、面振れ方向のガタを詰めることができるので、ダンパ装置における面振れ方向の剛性の低下を抑制できるとともに、ベアリングと第2プレートおよび第3プレートとの間の摩擦を低減でき、ダンパ装置とフレキシブルフライホイールとを連結させた場合に、ダンパ装置における回転特性ヘの影響を低減しつつ、ダンパ装置の回転方向の特性と面振れ方向の剛性とを両立することが可能となる。
図1は、一実施形態による正負可変ヒスダンパ装置の一例の全体構成を示した図である。 図2は、減衰機構における図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、図2における破線囲み部A内を拡大した拡大断面図である。 図4は、従来のコンベ車両に用いられているダンパ装置における回転方向特性を説明するための構成図(a)、模式図(b)、およびグラフ(c)である。 図5は、THSに用いられる正負可変ヒスダンパ装置における回転方向特性を説明するための構成図(a)、模式図(b)、およびグラフ(c)である。 図6は、正負可変ヒスダンパ装置の挙動を説明するためのエンジンから変速機へのトルクの伝達の際の模式図(a)、および変速機からエンジンへのトルクの伝達の際の模式図(b)である。 図7は、一実施形態の変形例によるダンパ装置のヒステリシス機構部の一例を拡大して示した拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
まず、本発明の一実施形態による減衰機構について説明する。図1は、この一実施形態による正負可変ヒスダンパ装置100の平面図を示し、図2は、正負可変ヒスダンパ装置100とフレキシブルフライホイール(FFW)200とを連結させた減衰機構1における図1のII−II線に沿った断面図を示す。図3は、図2における破線囲み部A内を拡大した断面図である。なお、図1は、図2に示す正負可変ヒスダンパ装置100を軸方向の一方側(図2の右側)から見た破断図であって、説明のために一部の図示を省略している。この一実施形態による減衰機構1は例えば、エンジンと変速機と(いずれも図示せず)の間に配置され、駆動力の変動であるトルク差を緩和させて小さくする機能を有する。
図1および図2に示すように、正負可変ヒスダンパ装置100は、回転軸Axに対して交差した状態で回転軸Ax回りに回転可能に構成された複数の板状部材を備える。複数の板状部材は、互いに同心回転可能に構成され、金属などからなる、第1プレート10、第2プレート20、第3プレート30、第4プレート40、第5プレート50、および第6プレート60を含む。なお、本明細書において、回転軸Axの延びる方向(X方向)を軸方向、回転軸Axと直交する方向(R方向)を半径方向、および回転軸Axを中心とした回転方向を周方向(C方向)とする。
正負可変ヒスダンパ装置100は、例えばコイルスプリングからなる弾性部材70を備える。弾性部材70は、正負可変ヒスダンパ装置100の周方向に沿って弾性的に変形することによって、トルク差を吸収して一時的に蓄える。弾性部材70は、周方向に沿って所定間隔、例えば略等間隔に4体設けられている。それぞれの弾性部材70は、樹脂などからなる一対の支持部材71によって周方向に沿った両側から支持されている。弾性部材70および支持部材71は、一対の第1プレート10の間、かつ第2プレート20の開口部26の内側、すなわち、第1プレート10と第2プレート20との間に設けられている。
第1プレート10は、弾性部材70の軸方向の両側に一対に設けられている。一対の第1プレート10は、軸方向に沿って互いに離間している。一対の第1プレート10はそれぞれ、軸方向から見て内周部11および外周部12を含む円環形状を有する。一対の第1プレート10の弾性部材70に対応する部分にはそれぞれ、開口部13が形成されている。開口部13の内側の端面は、支持部材71の周方向の端部に当接可能に構成されている。
第2プレート20は、軸方向から見て、内周部21および外周部22を含む円環形状を有する。第2プレート20は、一対の第1プレート10の内側に位置する第1部分23と、一対の第1プレート10の外側に位置して外周部22を有する第2部分24と、第1部分23の半径方向の内側の端部から軸方向の他方側(図2中左側)に延びて内周部21を有する第3部分25とを含む。第2プレート20の半径方向の中間部分には、開口部26が設けられている。開口部26は、第2プレート20の第1部分23と第2部分24とに跨って形成されている。開口部26は、第4プレート40の第1部分43が入るとともに、弾性部材70および支持部材71が入る。第2プレート20の開口部26よりも外周部22側の部分には、後述するトルクリミッタ部90の板状部材92が入る開口部27が設けられている。
第2プレート20の第2部分24は、第5プレート50およびトルクリミッタ部90の接続プレート95を介して第6プレート60の外周部62を有する部分に接続されている。第2プレート20の第3部分25は、樹脂製のブッシュなどからなる滑り軸受B2を介して第6プレート60の内周部61を有する部分に接続されている。これにより、トルクリミッタ部90に滑りが生じた場合、第2プレート20と第5プレート50とは、回転軸Axの回りに互いに相対的に回転する。一方、トルクリミッタ部90に滑りが生じていない場合、第2プレート20と第5プレート50とは、回転軸Axの回りに互いに一体的に回転するように構成されている。
図2および図3に示すように、一対の第1プレート10のうち、軸方向の他方側(図2中左側)に配置された第1プレート10の内周部11は、ベアリング(転がり軸受)B1を介して第2プレート20の第3部分25に接続されている。これにより、第1プレート10と第2プレート20とは、回転軸Axの回りに互いに相対的に回転可能に構成されている。
第3プレート30は、軸方向から見て、内周部31および外周部32を含む略円環形状を有する。また、図3に示すように、第3プレート30は、第2プレート20の第1部分23の軸方向の両側に1個ずつ、合計2個設けられている。また、2個の第3プレート30は、軸方向に延びる部分Pを有する例えばリベットなどの結合具C1によって軸方向に互いに離間して結合されている。2個の第3プレート30にはそれぞれ、結合具C1の軸方向に延びる部分Pが挿入される貫通穴30aが形成され、回転軸Axに対して交差した面に沿って回転軸Axの回りを互いに一体回転可能に構成されている。
図1および図2に示すように、第4プレート40は、軸方向から見て、内周部41および外周部42を含む円環形状を有する。第4プレート40は、第2プレート20の開口部26の内側に位置する第1部分43、および第2プレート20の開口部26の外側において弾性部材70に対して半径方向の外側に位置する第2部分44を有する。
第1部分43は、周方向に所定の幅を有して半径方向に延びるように形成されている。第1部分43は、一対の第1プレート10に軸方向の両側から挟みこまれた状態で、例えばリベットなどの結合具C2によって一対の第1プレート10に結合されている。これにより、第1プレート10と第4プレート40とは、回転軸Axの回りに互いに一体的に同心回転可能に構成されている。第1部分43は、第2プレート20の開口部26の内側の端面に当接可能に構成されている。第2部分44の弾性部材70に対する半径方向に沿った外側の部分は、例えばねじなどの結合具C3によって、エンジン(図示せず)の出力側のシャフトS1に取り付けられたFFW200に取り付けられている。具体的に、第1部分43の周方向に沿った端面と、開口部26の周方向の内側の端面とは、第1プレート10および第4プレート40と第2プレート20とが回転軸Axの回りに相対的に回転した場合に、互いに当接するように構成されている。これにより、第1部分43は、結合具C2によって連結された第1プレート10および第4プレート40と、第2プレート20との回転軸Axを中心とした相対的な回転の範囲を制限するストッパ部として機能する。
図1に示すように、第2プレート20の開口部26の結合具C1に対応する部分には、切欠き部26aが形成されている。切欠き部26aは、開口部26の内周部21側の部分に連続して設けられている。切欠き部26aの内側の端面と結合具C1の軸方向に延びる部分Pの外周面とは、周方向に沿って対向するように互いに当接可能に構成されている。これにより、切欠き部26aの内側の端面と、結合具C1の軸方向に延びる部分Pの外周面とが互いに当接した状態で、第2プレート20が第1プレート10および第4プレート40に対して回転軸Axの回りに回転した場合、結合具C1により結合された一対の第3プレート30は、第2プレート20とともに回転軸Ax回りに回転する。
図2および図3に示すように、この一実施形態においては、正負可変ヒスダンパ装置100は、第1プレート10と第2プレート20とが回転軸Axの回りに相対的に回転する際に、ヒステリシストルクを発生させることによって振動や騒音などを低減するヒステリシス機構部80を備える。ヒステリシス機構部80は、第1プレート10と第2プレート20との間、かつ弾性部材70よりも半径方向の内側に設けられている。ヒステリシス機構部80は、一対のベアリング81、一対の摩擦材82、皿ばね83、および一対の第3プレート30を含む。なお、ヒステリシス機構部80は、摩擦トルクを発生させる摩擦トルク発生機構部や、抵抗トルクを発生させる抵抗トルク発生機構部ともいう。
ベアリング81は、例えばスラストベアリングおよびラジアルベアリングを含み、具体的には例えばスラストニードルベアリングから構成される。ベアリング81をスラストニードルベアリングから構成することによって、正負可変ヒスダンパ装置100における軸方向に沿った長さを短縮することができる。ベアリング81は、第2プレート20と第3プレート30との間に設けられている。ベアリング81はそれぞれ、軸方向に沿って第2プレート20の第1部分23の両側に1個ずつ設けられている。ベアリング81は具体的に、第2プレート20の第1部分23の両面と一対の第3プレート30における第2プレート20側の面との間に設けられている。すなわち、ベアリング81は、第2プレート20の第1部分23の軸方向の外側の表面に面接触するとともに、第3プレート30の第2プレート20側の表面に面接触するように設けられている。一方、摩擦材82はそれぞれ、第1プレート10と第2プレート20の第1部分23との間において、一対の第3プレート30における第1プレート10側に1個ずつ設けられている。具体的に、摩擦材82は、第3プレート30の軸方向に沿った両側の表面に面接触して設けられている。すなわち、ベアリング81および摩擦材82の間に、一対の第3プレート30がそれぞれ設けられている。
この一実施形態において、ベアリング81は、ヒステリシストルクを発生させないように構成されている一方、摩擦材82は、ヒステリシストルクを発生させるように構成されている。換言すると、ベアリング81と第2プレート20の第1部分23の軸方向の外側の表面とが互いに摺動する場合にヒステリシストルクは発生せず、摩擦材82と第3プレート30の軸方向の外側の表面とが互いに擦れる場合にヒステリシストルクが発生する。また、皿ばね83は、第2プレート20に対して軸方向の一方側に設けられた摩擦材82と第1プレート10との間に設けられている。皿ばね83は、摩擦材82を第3プレート30側に付勢するように構成されている。
図2に示すように、正負可変ヒスダンパ装置100は、所定値以上の大きいトルク差が発生した場合に滑りを生じてトルク差を吸収して小さくする、トルクリミッタ部90を備える。トルクリミッタ部90は、半径方向から見て弾性部材70とオーバーラップするように、弾性部材70よりも半径方向の外側に設けられている。具体的に弾性部材70およびトルクリミッタ部90はそれぞれ、第4プレート40の第1部分43に対して半径方向の内側および外側に設けられている。
トルクリミッタ部90は、皿ばね91、板状部材92、2個の摩擦材93,94、および接続プレート95を有する。皿ばね91、板状部材92、摩擦材93,94、および接続プレート95は、例えばリベットなどの結合具(図示せず)によって互いに結合された第2プレート20および第5プレート50の間に挟まれている。なお、第5プレート50は、軸方向から見て、内周部51および外周部52を含む円環形状を有する。
皿ばね91は、板状部材92を摩擦材93側に付勢するように構成されている。また、接続プレート95は、2個の摩擦材93および94の間に挟まれている。接続プレート95の半径方向の内側の部分は、例えばリベットなどの結合具C5によって、第6プレート60に結合されている。第6プレート60は、軸方向から見て、内周部61および外周部62を含む円環形状を有する。第6プレート60の内周部61の内側には、変速機(図示せず)の入力側のシャフトS2が挿入されている。第6プレート60の内周部61およびシャフトS2の外周面にはそれぞれ、スプラインなどの係合構造が設けられ、係合構造を介して第6プレート60の内周部61とシャフトS2とが互いに固定されている。
(フレキシブルフライホイール)
図2に示すように、FFW200は、シャフトS2に弾性板201を介してフライホイールなどの質量体202を連結したフレキシブルフライホイールである。シャフトS2と弾性板201とは、例えばねじ等の結合具C6によって連結されている。また、弾性板201と質量体202とは、例えばねじなどの結合具C7によって連結されている。FFW200は、正負可変ヒスダンパ装置100における第4プレート40の弾性部材70に対する半径方向に沿った外側の部分において、結合具C3によって連結されている。以上により、一実施形態による減衰機構1が構成されている。
ここで、従来のダンパ装置の問題点について説明する。図4(a)、図4(b)、および図4(c)はそれぞれ、従来のコンベ(コンベンショナル)車両などに用いられるダンパ装置における回転方向特性を説明するための構成図、模式図、およびグラフである。図5(a)、図5(b)、および図5(c)はそれぞれ、THSに用いられる正負可変ヒスダンパ装置における回転方向特性を説明するための構成図、模式図、およびグラフである。図6(a)および図6(b)はそれぞれ、正負可変ヒスダンパ装置の挙動を説明するためのエンジンから変速機へのトルクの伝達の際の模式図、および変速機からエンジンへのトルクの伝達の際の模式図である。
図4(a)に示すように、電動機(MG:モータ/ジェネレータ)を備えないコンベ車両においては、スタータ301aを備えたエンジン301と変速機302との間に、ダンパ装置303が配置される。図4(b)に示すように、従来のコンベ車両に用いられるダンパ装置においては、内部に設けられた弾性部材による弾性力(図中、弾性部材)と、摩擦材などにより得られるヒステリシストルク(図中、ヒス)とは、並列に作用するように構成されている。ここで、スタータ301aによるエンジン301の始動時におけるトルクは、エンジン301からダンパ装置303を介して変速機302に伝達される。そのため、図4(c)に示すように、ヒステリシストルクは、エンジン301から変速機302に向かって作用して、エンジン301の始動時における弾性部材の振動や騒音などの共振のピークを低減させて伝達率を向上させるように作用する。一方、所定のエンジン回転数N0を超えた通常走行時(図中、走行時)においては、共振が増加して伝達率が悪化するという問題がある。
これに対し、図5(a)に示すように、THSを採用したハイブリッド(HV)車両においては、エンジン301の始動は変速機302の内部に設けられた電動機302aによって行われる。そのため、エンジン301を始動させる際のトルクは、上述したコンベ車両の場合と逆に伝達し、変速機302からエンジン301に向かって伝達されるため、トルクの伝達方向によってヒステリシストルクを変化させる正負可変ヒスダンパ装置を採用することが考えられる。ここで、正負可変ヒスダンパ装置における、トルクの伝達およびヒステリシストルクの発生について説明する。
正負可変ヒスダンパ装置は、図6に示すように、ヒステリシストルクとして、相対的に大きなヒステリシストルク(負ヒス)と相対的に小さなヒステリシストルク(正ヒス)とを、直列的に作用させる構造を有する。すなわち、図6(a)に示すように、エンジン301から変速機302にトルクが伝達される場合、ヒステリシストルクとしては相対的に小さなヒステリシストルク(正ヒス)が作用する。反対に、図6(b)に示すように、変速機302からトルクが出力される場合、相対的に小さなヒステリシストルク(正ヒス)を物理的に作用できないようにして、相対的に大きなヒステリシストルク(負ヒス)を作用させる。そこで、HV車両においてコンベ車両とはトルクの伝達が異なることに着目して、図5(b)に示すように、変速機302からエンジン301へのトルクの伝達時においては、ヒステリシストルクを大きく作用させる(図中、負ヒス)ことによって、図5(c)に示すように、エンジン301の始動時の振動を抑制して共振のピークを低減する(図中、弾性部材+負ヒス)。一方、図5(b)に示すように、エンジン301から変速機302へのトルクの伝達時においては、ヒステリシストルクを可能な限り小さく作用させる(図中、正ヒス)ことによって、図5(c)に示すように、弾性部材によって走行時におけるガラ音やこもり音などの抑制効果を向上させる(図中、弾性部材+正ヒス)。
具体的に、図5に示すダンパ装置303として、上述した正負可変ヒスダンパ装置100において、ベアリング81の代わりに摩擦材82より摩擦係数が小さい摩擦材を用いた従来のダンパ装置(特許文献2参照)を用いる場合について説明する。具体的に、エンジン301の始動時において、変速機302からエンジン301にトルクが伝達される場合、ハブである第2プレート20がピンである結合具C1(P)に引っかかり、第2プレート20と中間プレートの第3プレート30とが一体化する。これにより、第3プレート30と第1プレート10との間にヒステリシストルクが作用する。反対に、エンジン301から変速機302にトルクが伝達される場合、第2プレート20は結合具C1に引っかからないため、第1プレート10と第2プレート20との間にヒステリシストルクが働く。ここで、第1プレート10と第2プレート20との間に摩擦材に挟まれた第3プレート30が配置されていることから、正ヒスと負ヒスとは直列で配置されることになる。ベアリング81の代わりに摩擦材82より摩擦係数が小さい摩擦材を用いていることから、正ヒスは負ヒスより小さくなるため、負ヒスが作用することなく正ヒスが作用する。そこで、HV車両の走行時における共振の発生を抑制するために、ダンパ装置303として上述した正負可変ヒスダンパ装置100のように、エンジン301から変速機302へのトルクの伝達時においてヒステリシストルクを発生させない、いわゆる正ヒス0の正負可変ヒスダンパ装置を用いることが考えられる。
一方、コンベ車両やHV車両においては、フライホイール(FW)における面振れ共振とパワープラント共振との重なりにより発生する、ゴロゴロ音が問題になってきている。そこで、このゴロゴロ音を低減するために、弾性体の外周部に質量体を配置したFFWが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、FFWは、弾性体の外周部に質量体を配置しているため、エンジン301のピストン(図示せず)の往復慣性力によって、回転方向に対して垂直な向きの面振れが発生しやすいという問題がある。FFWにおける面振れ量は、連結されたダンパ装置の面振れ方向の剛性が関係する。通常、ダンパ装置の役割は、エンジン301の回転方向の変動を変速機302側に伝達させないことである。そのため、ダンパ装置の内部構造は、回転方向の特性によって決定される。しかしながら、上述した正ヒス0の正負可変ヒスダンパ装置を用いると、面振れ方向の剛性が低下する。これに対し、上述した一実施形態による正負可変ヒスダンパ装置100は、第2プレート20と第3プレート30との間に、摩擦材ではなくベアリング81を設けていることにより、正ヒス0の正負可変ヒスダンパ装置において、面振れ方向の剛性を確保することが可能になる。
次に、正負可変ヒスダンパ装置100の具体的な動作について説明する。すなわち、結合具C1の軸方向に延びる部分Pは、第2プレート20が第1プレート10および第4プレート40に対して回転軸Axの回りに回転していない図1に示す初期状態において、切欠き部26aの周方向の一方側(図1の反時計回り方向側)の端面から離間した位置、かつ切欠き部26aの周方向の他方側(図1の時計回り方向側)の端面近傍の位置に設けられている。これにより、第2プレート20が第1プレート10および第4プレート40に対して初期状態から回転軸Axの回りに所定の第1方向(図1中、時計回り)に回転する場合、弾性部材70は圧縮されつつ、切欠き部26aの内側の端面と結合具C1の軸方向に延びる部分Pとは互いに当接しない。そのため、第2プレート20が第3プレート30に対して相対的に回転し、第2プレート20と第3プレート30とは一体的に回転しない。反対に、第2プレート20が第1プレート10および第4プレート40に対して初期状態(図1参照)から回転軸Axの回りに第1方向とは反対の第2方向(図1中、反時計回り)に回転する場合、弾性部材70は圧縮されつつ、切欠き部26aの内側の端面と結合具C1の軸方向に延びる部分Pとが互いに当接する。これにより、第2プレート20と第3プレート30とは一体的に回転する。なお、第2プレート20が第1プレート10に対して第1方向に回転する場合とは、例えばエンジン(図示せず)の始動後における通常動作時、すなわち加速時などの通常走行時であり、第2プレート20が第1プレート10に対して第2方向に回転する場合とは、例えばエンジンの始動時などである。
以上のような構成により、第2プレート20が第1プレート10に対して初期状態から第1方向(図1中、時計回り)に回転する場合には、第2プレート20と第3プレート30とは一体的に回転せず、ベアリング81と第2プレート20の第1部分23とが互いに摺動する。他方、第2プレート20が第1プレート10に対して初期状態から第2方向(図1中、反時計回り)に回転する場合には、第2プレート20と第3プレート30とは一体的に回転し、摩擦材82と第3プレート30とが互いに擦れることによってヒステリシストルクが発生する。
(変形例)
次に、上述した一実施形態の変形例について説明する。図7は、変形例による正負可変ヒスダンパ装置101における図3に対応する拡大断面図である。上述した一実施形態による正負可変ヒスダンパ装置100においては、正負可変ヒスダンパ装置100の製品ごとの製造ばらつきが大きくなると、ベアリング81が設けられている部分にガタが発生する可能性が考えられる。そこで、変形例による正負可変ヒスダンパ装置101においては、図7に示すように、ベアリング81と第3プレート30との間にさらに、皿ばね81aが設けられている。これにより、ベアリング81と第3プレート30との間を皿ばね81aによって埋めることができ、ガタの発生を抑制できる。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、第1方向に回転する場合にヒステリシストルクが発生せず、第2方向に回転する場合にヒステリシストルクが発生する正負可変ヒスダンパ装置100,101における第2プレート20と第3プレート30との間にベアリング81を配置していることによって、正ヒス0の正負可変ヒスダンパ装置100,101における面振れ方向のガタを詰めることができるので、面振れ方向の剛性の低下を抑制できるとともに、ベアリング81と第2プレート20および第3プレート30との間の摩擦を低減でき、正負可変ヒスダンパ装置100,101とFFW200とを連結させた場合に、正負可変ヒスダンパ装置100,101における回転特性ヘの影響を低減しつつ、回転方向の特性と面振れ方向の剛性とを両立することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
例えば、上述した実施形態においては、エンジンとトランスミッションとの間にダンパ装置を設ける例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。本発明によるダンパ装置は、上述した以外の2個の回転要素の間、具体的に例えば、エンジンと回転電機(モータジェネレータ)との間に設けることも可能である。また、本発明によるダンパ装置は、例えばハイブリッド車両などの種々の車両や、回転要素を有する一般的な機械などに設けることが可能である。
1 減衰機構
10 第1プレート
20 第2プレート
26 開口部
26a 切欠き部
30 第3プレート
40 第4プレート
50 第5プレート
70 弾性部材
80 ヒステリシス機構部
81 ベアリング
81a 皿ばね
82 摩擦材
83 皿ばね
90 トルクリミッタ部
100,101 正負可変ヒスダンパ装置

Claims (1)

  1. 回転軸に対して交差した状態で前記回転軸の回りに同心回転可能に構成された、第1プレート、第2プレート、および第3プレートと、前記第1プレートと前記第2プレートとの前記回転軸の回りの相対的な回転により前記回転軸の周方向に弾性的に変形する弾性部材と、を有し、前記第3プレートが前記回転軸の方向に沿って、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に配置され、前記第2プレートが前記第1プレートに対して初期状態から第1方向に回転する場合に、前記第2プレートと前記第3プレートとが互いに一体的に回転することなくヒステリシストルクが発生せず、かつ前記第2プレートが前記第1プレートに対して初期状態から前記第1方向とは反対の第2方向に回転する場合に、前記第2プレートと前記第3プレートとが互いに一体的に回転し、前記第1プレートと前記第3プレートとの間が摩擦材により擦れることによってヒステリシストルクを発生させるように構成されたダンパ装置と、
    弾性板を介して質量体が設けられ、前記ダンパ装置に連結されたフレキシブルフライホイールと、を備えた減衰機構において、
    前記第2プレートと前記第3プレートとの間に、ベアリングが設けられている
    ことを特徴とする減衰機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022114638A (ja) * 2021-01-27 2022-08-08 ヴァレオ、カペック、カンパニー、リミテッド ハイブリッド車両駆動装置用フライホイール装置

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