JP4471507B2 - 管状構造体の防振構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管状構造体の防振構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より弾性体により被覆された重錘を所定の隙間を持たせてハウジングの中に保持させた振動低減装置である所謂インパクトダンパーが存在する。
【0003】
インパクトダンパーは、振動入力時にハウジングに対して重錘を相対的に変位して重錘が弾性体を介してハウジングの内面に当接し、その際の滑り摩擦及び衝突によるエネルギ損失に基づいて振動減衰性が得られるもので、小さい質量の重錘で周波数の異なる複数の共振に対しても振動減衰効果を得ることができる。
【0004】
斯かるインパクトダンパーを例えば車両のシートフレームやドライブシャフト、プロペラシャフト、サスペンションアーム等で用いられる管状構造体に適用する場合、インパクトダンパーを管状構造体の中に圧入することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのインパクトダンパーにおけるハウジングと弾性体に被覆された重錘との間の隙間は、例えば0.2mmという狭いクリアランスであり、十分な振動減衰効果を得るに必要な精度は0.02mmという高い精度が要求される。
【0006】
インパクトダンパーの重錘を収納する収納部を有するハウジングを管状構造体の中へ圧入することは、収納部が圧縮されてわずかでも変形を余儀なくされる。したがって前記重錘と収納部内面との間の隙間を高い精度で確保することは困難である。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ハウジングと重錘との隙間の寸法精度を高く維持して管状構造体に圧入により簡単な構造で振動低減装置を構成することができる管状構造体の防振構造を安価に供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、重錘と前記重錘に被覆される弾性体とこれらを収納するハウジングとからなる振動低減装置が管状構造体に圧入される管状構造体の防振構造において、前記ハウジングは前記弾性体により被覆された前記重錘が収納される収納部と前記収納部を延長した位置に形成された最大径の圧入部とからなり、
前記収納部の内面と前記弾性体との間に所定の隙間が形成され、前記収納部の外径は前記管状構造体の内径よりも小さく、前記圧入部の外径は前記管状構造体の内径よりも大きい管状構造体の防振構造とした。
【0009】
管状構造体に振動低減装置を挿入するとき、最大径のハウジング圧入部が圧入されるので、重錘の収納された収納部は圧縮を受けずにハウジングと重錘との隙間の寸法精度を高く維持しながら振動低減装置を管状構造体に固定して簡単な構造の管状構造体の防振構造を安価に構成することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、重錘と前記重錘に被覆される弾性体と前記弾性体の一部を保持する最大径の保持部材とが管状構造体に圧入される管状構造体の防振構造において、前記弾性体は前記保持部材に保持された基端部から連結部を経て前記重錘が埋設された重量部に至る構成をなし、前記弾性体の外径は前記管状構造体の内径よりも小さく、前記保持部材の外径は前記管状構造体の内径よりも大きく、前記弾性体を保持する前記保持部材が前記管状構造体に圧入されると、前記連結部及び前記重量部の外周面と管状構造体の内周面との間に所定の隙間が形成されることを特徴とする管状構造体の防振構造である。
【0011】
管状構造体に弾性体を挿入するとき、基端部が保持される最大径の保持部材が圧入されるので、連結部及び重量部の外周面と管状構造体の内周面との間に隙間を高い精度で維持しながら管状構造体をハウジングとする簡単な構造の防振構造を安価に構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態の管状構造体の防振構造を図1及び図2に基づいて説明する。
本実施の形態は、振動低減装置であるインパクトダンパー1を管状構造体であるドライブシャフト等のパイプ10に取り付ける構造のものである。
【0013】
インパクトダンパー1のハウジング2は、有底円筒状をしており、円筒状の収納部3の端部の底壁が厚く外径が拡大して最大径をなして圧入部4を形成している。
収納部3の内部に、ゴム弾性体6により被覆された円柱状の重錘5が挿入されて、収納部3の開口は蓋部材7により閉塞されている。
【0014】
収納部3の内面と重錘5を覆うゴム弾性体6の外面との間の隙間Cは、所定の幅に高精度に設定されてインパクトダンパー1を構成している。
ハウジング2の収納部3の外径は、パイプ10の内径より僅かに小さく、ハウジング2の圧入部4の外径は、パイプ10の内径より僅かに大きい。
【0015】
したがってパイプ10に該インパクトダンパー1を挿入する際、ハウジング2の収納部3は抵抗なく挿入され、ハウジング2の圧入部4が治具を用いて圧入され、図2に示すようにパイプ10の所定位置に固定される。
【0016】
重錘5の収納された収納部3はパイプ10により圧縮を受けることがないので、ハウジング2とゴム弾性体6が被覆された重錘5との隙間Cの寸法精度を高く維持しながらインパクトダンパー1をパイプ10に取り付けて簡単な構造のパイプ10のインパクトダンパー構造を安価に構成することができる
【0017】
ゴム弾性体6とハウジング2との間の隙間Cを所要の幅に高精度に形成されたインパクトダンパー1は、振動入力時にハウジング2に対して重錘5が相対的に変位して重錘5を被覆するゴム弾性体6が収納部3の内面に当接し、その際の滑り摩擦及び衝突によるエネルギ損失に基づいて振動減衰性が得られるので、比較的小さな質量の重錘5で低周波域から高周波域に亘り多数の共振周波数においてピークレベルが抑えられ、量産ばらつきを容易に低減することができ、さらに温度の影響を殆ど受けず温度によって制振効果が低下することはない。
【0018】
また重錘5がハウジング2とゴム弾性体6を介して連結されてダイナミックダンパーとしても機能しており、特に突出して高い共振ピークを示す周波数があれば、重錘5の質量とゴム弾性体6のばね定数を調整して特定の共振を抑えることができる。
【0019】
次に別の実施の形態について図3ないし図6に基づいて説明する。
本実施の形態のインパクトダンパー構造は、振動低減しようとするパイプ30をインパクトダンパーのハウジングとして利用するものである。
【0020】
円柱状をしたゴム弾性体21は、基端部21aから連結部21bを経て重錘22が埋設した重量部21cに至る構造をしており、基端部21aに偏平な有底円筒状をした保持部材23が嵌着され、保持部材23がゴム弾性体21の基端部21aを保持する。
【0021】
ゴム弾性体21の外径は、パイプ30の内径より所定幅小さく、保持部材23の外径は、パイプ30の内径より僅かに大きい。
この保持部材付きゴム弾性体21をパイプ30内に挿入する際、ゴム弾性体21の重量部21cと連結部21bは抵抗なく挿入され、基端部21aに嵌着された保持部材23が治具で押されて圧入され、図4に示すようにパイプ30の所定位置に固定される。
【0022】
ゴム弾性体21は、パイプ30に重量部21cを先にして挿入され基端部21aが保持部材23を介してパイプ30に圧入されるので、所定位置に固定されたとき重錘22が埋設された重量部21cに対向するパイプ部分は変形を受けずに所定の内径が維持されるため、パイプ30と重量部21cとの間の隙間Cを所定幅に高い精度で確保することができる。
部品点数が少なく簡単な構造のインパクトダンパー20を容易に構成することができる。
【0023】
振動入力があると、図5及び図6に示すようにゴム弾性体21は、基端部21aを保持部材23を介して固定されて重量部21cが連結部21bの弾性変形により振り子のように揺動し、重量部21cがパイプ30に当接し、その際の滑り摩擦及び衝突によるエネルギ損失に基づいて振動減衰効果が得られる。
【0024】
低周波域から高周波域に亘り多数の共振周波数においてピークレベルが抑えられ、量産ばらつきを容易に低減することができ、さらに温度の影響を殆ど受けず温度によって制振効果が低下することはない。
【0025】
また重錘22がパイプ30とゴム弾性体21を介して連結されているので、ダイナミックダンパーとしても機能し、特に突出して高い共振ピークを示す周波数があれば、重錘22の質量とゴム弾性体21のばね定数を調整して特定の共振を抑えることができる。
【0026】
なおゴム弾性体21の弾性力により静的に重錘22の芯の位置が一定に保たれ、パイプ30全体のアンバランスを生じ難い。
【0027】
以上の実施の形態のインパクトダンパーは、円筒状のパイプの防振を想定したので、ハウジングの収納部及び重錘が円筒状及び円柱状をしていたが、角筒状をした管状構造物の場合は、ハウジングの収納部及び重錘も角筒状及び角柱状に構成することで適用することができる。
【0028】
なお重錘は鋼鉄性であるが、素材としては鋼鉄に限らず密度の高い種々のものが考えられる。
弾性体は、ゴムのほか樹脂あるいはこれを主成分とした弾性発泡体等から形成され、高比重ゴム等が適しており、表面は滑らかな平面ないし曲面を有しているが、凹凸形状を有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る防振構造を構成するパイプとインパクトダンパーの取り付け直前の状態を示す断面図である。
【図2】パイプにインパクトダンパーを取り付けた状態を示す断面図である。
【図3】別の実施の形態に係るインパクトダンパーを組み立てる直前の状態を示す断面図である。
【図4】組み立てられたインパクトダンパー構造の断面図である。
【図5】同インパクトダンパーの振動入力時の状態を示す断面図である。
【図6】同インパクトダンパーの振動入力時の別の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…インパクトダンパー、2…ハウジング、3…収納部,4…圧入部、5…重錘、6…ゴム弾性体、7…蓋部材、10…パイプ、 20…インパクトダンパー、21…ゴム弾性体、22…重錘、23…保持部材、30…パイプ
C…隙間。
Claims (2)
- 重錘と前記重錘に被覆される弾性体とこれらを収納するハウジングとからなる振動低減装置が管状構造体に圧入される管状構造体の防振構造において、
前記ハウジングは前記弾性体により被覆された前記重錘が収納される収納部と前記収納部を延長した位置に形成された最大径の圧入部とからなり、
前記収納部の内面と前記弾性体との間に所定の隙間が形成され、
前記収納部の外径は前記管状構造体の内径よりも小さく、
前記圧入部の外径は前記管状構造体の内径よりも大きいことを特徴とする管状構造体の防振構造。 - 重錘と前記重錘に被覆される弾性体と前記弾性体の一部を保持する最大径の保持部材とが管状構造体に圧入される管状構造体の防振構造において、
前記弾性体は前記保持部材に保持された基端部から連結部を経て前記重錘が埋設された重量部に至る構成をなし、
前記弾性体の外径は前記管状構造体の内径よりも小さく、
前記保持部材の外径は前記管状構造体の内径よりも大きく、
前記弾性体を保持する前記保持部材が前記管状構造体に圧入されると、前記連結部及び前記重量部の外周面と管状構造体の内周面との間に所定の隙間が形成されることを特徴とする管状構造体の防振構造。
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