JP4360590B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、識別情報の変動表示ゲームを行うパチンコ機などの遊技機であって、識別情報の斬新な変動表示が可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば「第1種」のパチンコ機の遊技盤上には、識別情報(いわゆる特図と呼ばれるもの)を複数の図柄領域毎に変動表示可能な可変表示装置(LCDやCRTよりなる装置)の表示画面が設けられ、この表示画面における特図の変動表示による遊技(変動表示ゲーム)が行われる。即ち、見かけ上、その特図の変動表示結果である停止態様(いわゆる停止図柄の組合せ)が予め定めた特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)になると、いわゆる大当りという特典が遊技者に付与される。
そして場合によっては、例えば変動表示ゲーム終了近くの時期に、遊技者に大当りへの期待感を与えるため、特別な態様での特図の変動表示(いわゆるリーチアクション)が行われる。具体的には、一つの図柄領域を除く特図を全て同じ図柄で停止させ、残りの一つの図柄領域でのみ低速での変動表示を行うとともに、特別な背景画像やキャラクタを表示するといった演出表示が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の遊技機では、特図の変動表示ゲームの面白さがその遊技機の人気を左右する一つのポイントとなるため、常により斬新な変動表示の面白さが求められている。しかし従来では、上述したようなキャラクタや背景画像による演出表示に工夫を凝らしたものが各種あるものの、変動表示の構成が一般的にはほぼ同じであり、基本的にマンネリ化しているため、さらなる興趣向上に限界があった。
そこで本発明は、識別情報の変動表示ゲームを行うパチンコ機などの遊技機であって、斬新で面白い変動表示ゲーム中の表示が可能となる遊技機を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、可変表示装置の表示領域に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段を備え、前記複数の識別情報の組み合わせとして導出される前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記変動表示ゲーム結果態様を、斜め方向に連続した3つの識別情報による有効ライン上で導出可能とし、
複数の識別情報を配置可能な仮想表示領域に、前記変動表示ゲームの結果態様を構成する識別情報の数よりも多い識別情報を、結果態様を複数通りに導出可能な位置関係で格子状に配置する配置手段と、
少なくとも交差する2つの前記有効ラインを含む大きさで前記仮想表示領域のうちの一部の仮想表示領域を、実表示領域として選択する領域選択表示を行い、選択した実表示領域に含まれる複数の識別情報に基づいて変動表示を行う選択表示手段と、
前記領域選択表示の実行前に、前記仮想表示領域に配置された識別情報の配置状態を明らかにする配置状態明示手段と、を備え、
前記配置手段は、前記選択表示手段によって選択される実表示領域によって前記特定の遊技価値が付与される可能性又は/及び前記特定の遊技価値が付与される場合の価値の大きさが異なるように、識別情報を配置し、
前記選択表示手段は、
前記仮想表示領域において、選択している実表示領域に表示される一部の識別情報を共有する隣接した表示領域を、新たに選択する実表示領域として更新することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、パチンコ機に適用した例について説明する。
A.遊技機の正面構成
図1は、本例の遊技機(パチンコ機)の遊技盤を示す正面図である。図1において、1は遊技盤であり、前面の略円形領域がガイドレール2で囲まれることにより遊技領域3が形成されている。
遊技盤1には、アウト球流入口(変動入賞装置14の取付部材の後部にあり、図示省略)、可変表示装置12、普通電動役物タイプの始動入賞口13、変動入賞装置14(大入賞口)、普図始動ゲート15、16、複数の一般入賞口17〜22、特図始動記憶表示器23、普図表示器24、普図始動記憶表示器25、風車と呼ばれる打球方向変換部材26(一部のみ符号付けて他は煩雑になるので省略)、多数の障害釘(図示を省略)が設けられている。
可変表示装置12は、例えばCRTやLCDにより構成され、数字や文字などの識別情報(以下、場合により特図という)を複数列に表示可能な画面を備える。例えば、三つの図柄表示領域が横3列に形成され、各図柄表示領域には、数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(変動表示)したりすることが可能である。また、多数の図柄が配置された大画像(仮想表示領域)を想定し、この大画像中の特定の小領域(実表示領域として選択される一部の仮想表示領域)を選択的に表示する領域選択表示(詳細後述する)も可能となっている。また、可変表示装置12の画面には、上記特図とは別個のキャラクタ画像や背景画像などの演出用画像が表示可能となっている。
【0008】
次に、遊技盤1に設けられた全ての入賞口、すなわち始動入賞口13、変動入賞装置14、および一般入賞口17〜22については、後述するように、各入賞口毎に入賞検出用のセンサ131等(例えば近接センサであり、図2に示す)が配置されている。
また、遊技盤1の周囲には遊技盤装飾部材31が配置されるとともに、サイドランプ32、33が配置されている。サイドランプ32、33は、例えばリーチや大当りの際に点滅あるいは点灯して遊技を装飾する電飾部材である。
なお、遊技盤1における遊技領域3は、可変表示装置を備えたものであれば、例えば、いわゆる「第1種」に属するもの、あるいは、可変表示装置を備えた「第3種」に属するもの、あるいは他の機種等であってもよく、任意の構成をとり得るが、一例として本実施の形態では「第1種」に属するタイプのものを用いている。
【0009】
B.制御系統
次に、本例のパチンコ機の制御系統について、図2を参照して説明する。
図2において、遊技制御装置100は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御やそのための各被制御機器の直接的又は間接的な制御含む)を行う制御装置であり、パチンコ遊技等に必要な役物制御を行うワンチップマイコンからなる遊技用マイコン101(遊技用マイクロコンピュータ:いわゆるアミューズチップ用のICとして製造)と、発振器101a(クロック生成回路)と、入力インターフェース102と、出力インターフェース103とを含んで構成され、さらに遊技用マイコン101は、CPU104、ROM105、及びRAM106を備えている。
【0010】
ここで、遊技制御装置100の入力インターフェース102には、特図始動センサ131、普図始動センサ132、継続センサ133、カウントセンサ134、及び入賞センサA1〜ANからの検出信号が入力される。
ここで、入賞センサA1〜ANは一般入賞口17〜22に入賞した入賞球をそれぞれ検出するセンサであり、遊技盤に一般入賞口がn個ある場合には、入賞センサはn個配置される。
特図始動センサ131は特図の始動入賞口13に入賞した入賞球を検出するセンサであり、普図始動センサ132は、普図始動ゲート15、16を通過した球を検出するセンサであり、継続センサ133は変動入賞装置14の大入賞口内における継続入賞流路(いわゆる特別入賞口を通過する流路)に流入した入賞球を検出するセンサであり、カウントセンサ134は、変動入賞装置14の大入賞口内における一般入賞流路(特別入賞口を通過しない流路)に流入した入賞球を検出するセンサである。
【0011】
一方、遊技制御装置100の出力インターフェース103からは、前述の普図表示器24、前述の始動入賞口13(普通変動入賞装置)を駆動する普電ソレノイド108、変動入賞装置14の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド109、遊技店の管理装置に対して盤用外部情報(例えば、大当り信号等)を送信するための盤用外部接続端子110、前述の遊技盤1上のランプ32,33や特図始動記憶表示器23及び普図始動記憶表示器25などの制御を行う装飾制御装置111、スピーカ(図示省略)を駆動して効果音などの出力制御を行う音制御装置112に信号が出力される。
また、出力インターフェース103からは、排出制御装置113に対して、賞球データ等の信号が出力される。即ち、遊技制御装置100は、遊技盤1の各入賞口毎に設けられた入賞センサ131,133,134,A1〜ANにより遊技球の入賞が検出されると、入賞口の入賞価値に対応して予め設定された賞球数の情報(賞球データ)を、排出制御装置113へ送信する。そして、排出制御装置113では、この賞球データを受信して、それに応じた賞球排出制御を行う。
また、出力インターフェース103からは、前述の可変表示装置12を制御する表示制御装置120に対して、表示制御情報が送信される。
【0012】
また、表示制御装置120は、やはりCPU121を含むマイクロコンピュータよりなり、遊技制御装置100から送信される表示制御情報に基づき可変表示装置12の画像表示を制御する。例えば、変動表示ゲームを実行する際には、遊技制御装置100から停止図柄の組み合わせ(結果態様)のデータと、変動時間のデータとを含む表示制御情報が、この場合送信される構成となっており、表示制御装置120では、この停止態様と変動時間を満足する変動態様を選択して、可変表示装置12に特図(識別情報)を変動表示させて最終的に特定の図柄の組合せ(結果態様)を導出表示する変動表示ゲームを行う構成となっている。なお、表示制御装置120の制御で実際に実施される特図の変動表示の態様(変動態様)は、遊技制御装置100からの表示制御情報によって一義的に決定されてもよいが、この場合には上記表示制御情報で与えられた条件の範囲で、表示制御装置120が乱数抽出などによって変動態様を最終的に選択する構成(表示制御装置120にも変動態様を選択するある程度の裁量が与えられた構成)となっている。
また、表示制御情報は、遊技制御装置100から表示制御装置120にパラレル通信によって送られるもので、例えば8ビットのコマンドデータ(前述の結果態様のデータや変動時間のデータなどよりなるもの)を送信するための8ビットのパラレル信号(D0〜D7)と、これらコマンドデータの通信用の2ビットのコントロール信号(START信号,STB(ストローブ)信号)とよりなる。そして、各コマンドデータがSTART信号に続いてSTB信号と同期して順次送信され、表示制御装置120のCPU121がSTB信号を確認しつつこれら2種類のコマンドデータを順次読み取る構成となっている。
【0013】
また、表示制御装置120は、図2のように、CPU121、制御用プログラムや固定データを記憶するROM122、CPU121の作業領域を提供したり遊技制御装置100から送信される表示制御情報を記憶するRAM123、DMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)124、インターフェース125、可変表示装置12を表示駆動するVDC(ビデオディスプレーコントローラ)126、画像や文字等の表示データを格納したフォントROM127、表示補正を行うγ補正回路128、発振器(クロック生成回路)129、バッファ回路130などから構成され、前記表示制御情報に基づいて可変表示装置12を制御して、前記特図の表示を実現するとともに、演出用の所定のキャラクタや背景などの画像(動画又は静止画)の表示も実行する。
バッファ回路130は、遊技制御装置100から表示制御装置120へ向かう方向にのみ信号(表示制御情報の信号)を通過させる回路であり、この回路により、表示制御装置側から遊技制御装置側に信号が伝わることが防止され、表示制御装置に不正改造が加えられても、この不正改造によって出力される信号が遊技制御の中枢である遊技制御装置側に伝わることはない。
また、DMAC124は、RAM123からVDC126へデータをDMA転送するものである。
【0014】
ここで、インターフェース125を介して遊技制御装置100から表示制御情報(厳密には、前述のSTART信号)が入力されると、表示制御装置120は次のように表示制御を行う。まず、インターフェース125からCPU121に対して受信割込みがかかり、これに応じてCPU121は表示制御情報(厳密には、前述のコマンドデータ)を受信してRAM123に格納する。そして、CPU121は、受信した表示制御情報を解析し、例えば特図の変動表示の場合であれば、それに含まれる結果態様や変動時間の情報に基づいて、変動表示の内容(領域選択表示を行うか否か含む)を決定し、その変動表示を実現する表示データ(表示する図柄のコードや表示位置データやスクロールなどのコマンド等よりなるデータ)を生成してRAM123に格納する。
次いでVDC126は、DMAC124によってRAM123から送られてくる上記表示データを内部RAMに読み込み展開する。即ち、表示する特図や演出図柄やキャラクタのコードに対応してフォントROM127に格納されているキャラクタフォントデータを読み出し、表示位置データ等に従って表示すべき画像データ(背景画像含む)を生成して内部RAMの表示画像格納領域に格納する。
その後VDC126は、前記表示画像格納領域から画像データを読み出してγ補正回路128に送り、可変表示装置12の表示駆動信号を形成させる。また、VDC126は、可変表示装置12に対して垂直同期信号(V−SYNC)と水平同期信号(H−SYNC)を送る。γ補正回路128は、可変表示装置12の信号電圧に対する照度の非線形性を補正して、可変表示装置12の表示照度を調整する。これによって、可変表示装置12の画面上に所定の表示が行われる。
【0015】
C.遊技の概要
次に、本実施の形態の遊技機で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。図3は、遊技全体の流れを示す図である。
まず、遊技開始当初の時点(或は遊技開始前の時点)では、図3に示すように客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する表示制御情報が遊技制御装置100から送信され、可変表示装置12の画面には客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
そして、ガイドレール2を介して遊技領域中に打込まれた遊技球が、特図の始動口(チャッカー)である始動入賞口13に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、前述した変動表示を指令する表示制御情報が遊技制御装置100から送信され、可変表示装置12の表示画面において特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、変動表示ゲームが行われる。なお、この変動表示の少なくとも一態様として領域選択表示が実行される(詳細後述する)。
そして、この変動表示ゲームの結果態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特定の態様(例えば、「7、7、7」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、いわゆる変動時間短縮の制御が行われている場合には、特図の変動の開始から終了までの時間が通常よりも短縮され、その分だけ時間当たりの変動表示ゲームの頻度が実質的に増加して有利となる。また、いわゆる確率変動の制御によって大当りの確率が高確率に設定されていると、通常よりも大当りとなる確率が増加する。
【0016】
この大当りになると、変動入賞装置14の大入賞口の開閉扉が、規定時間(例えば、30秒)を越えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作が行われる。そして、この開放動作は、継続入賞球の検出(継続センサ133による入賞球の検出)が行われることを条件に、例えば、16ラウンドまで複数回行われる。また、この大当たり状態では、大当たり状態を演出したり大当たりラウンド数などを遊技者に報知するための大当たり画面の表示を指令する表示制御情報が遊技制御装置100から送信され、可変表示装置12の表示画面では、このような大当たり中の表示が実行される。
また、上記特図の変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口13にさらに遊技球が入賞したときには、特図始動記憶表示器23が点灯してこの場合4個まで記憶され、変動表示ゲーム又は大当りが終了した後に、その記憶(即ち、始動記憶)に基づいて上記特図の変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、図3に示すように、変動表示ゲームが大当たりで終了すれば大当たり状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当たりが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当たりが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
【0017】
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート15、16を通過したときは、普図表示器24の普図(この場合、一桁の数字)の変動表示による普図の変動表示ゲームが行われる。そして、この変動表示ゲーム結果(停止した普図)が所定の態様(例えば、「7」)であれば、普図当りと呼ばれる遊技価値(特典)が付与される。
この普図当りになると、始動入賞口13の一対の開閉部材が逆ハの字に開いた開放状態に、例えば0.5秒程度保持される遊技が行われる。これにより、始動入賞口13に遊技球が入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート15、16にさらに遊技球が入賞したときには、普図始動記憶表示器25が点灯してこの場合4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。
【0018】
D.制御系の動作
次に、前述した制御系により行われる制御内容について説明する。
(a)遊技制御装置のメインルーチン
まず、遊技制御装置100(マイコン101)のメインルーチンの概略を説明する。
電源が供給されリセット信号が解除されてマイコン110が起動すると、まず電源の投入時であるか否かを判定する処理を行い、電源投入時であれば初期化処理を行い、RAM106におけるワークエリアのイニシャライズ、I/Oレジスタの設定、システム内部のレジスタの設定処理、フラグのイニシャライズ等が行われる。
次に、特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、変動開始条件成立時において、大当たり乱数の判定(後述するタイマ割込処理において抽出記憶した大当たり乱数が大当たりか否か判定する処理)や、大当たりの場合に大当たりフラグをセットする処理や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる。ここで、変動開始条件成立時とは、図3において符号Hで示す流れが生じる条件が成立した時であり、客待ち状態で始動口入賞があって変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、表示制御装置120、装飾制御装置111、音制御装置112などへ送信する制御情報(コマンド)の内容(コマンドデータ)を設定する。
【0019】
次いで、普図の変動表示ゲームのための処理を行う。即ち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて音制御装置112、装飾制御装置111などへ送信する制御情報(コマンド)の内容(コマンドデータ)を設定する処理などを行う。
次に、外部情報編集処理を実行する。これは、盤用外部接続端子110の出力データ(大当たり信号、賞球信号等)を設定する処理である。
【0020】
次いで、乱数更新処理を実行する。ここでは、特図に関連する乱数及び普図に関連する乱数の更新が行われる。特図に関連する乱数としては、例えば、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、リーチ乱数(リーチ態様決定用の乱数)、大当り停止図柄乱数(大当り停止図柄決定用の乱数)、などがある。乱数の生成では、特図及び普図の乱数を例えば「1」ずつインクリメントして更新することが行われる。したがって、本ルーチンが繰り返される毎に、特図及び普図の乱数が変り、大当り或いは普図当りの乱数抽出値がアトランダム性を保つようになる。リーチ乱数、大当り停止図柄乱数などについても同様である。なお、このような乱数更新処理は、その一部又は全部を後述するタイマ割込処理において行うようにしてもよいし、或いは、メインルーチンとタイマ割込処理の両方で、定期かつ不定期に行うようにしてもよい。
なお、以上のメインルーチン(初期化処理等の起動時の処理を除く)は、例えばシーケンシャルに繰り返し実行される。
【0021】
(b)遊技制御装置のタイマ割込処理
次に、遊技制御装置100(マイコン101)のタイマ割込処理の概略を説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメインルーチンにおけるタイマ起動処理によって起動され、例えば0.5msec毎に実行される。
このタイマ割込処理では、まず、必要に応じてレジスタの退避や割込の禁止処理を実行した後、入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(特図始動センサ131、普図始動センサ132、継続センサ133、カウントセンサ134、入賞口センサ1〜n(A1〜AN)など)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、いずれかのセンサ或いはスイッチがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
【0022】
次に、前述したメインルーチンで設定された出力データを出力ポートに設定し出力する出力処理を実行し、次いで、設定された各制御装置(表示制御装置120、排出制御装置113、音制御装置112、装飾制御装置111)への制御情報(コマンド)を送信する処理(コマンド送信処理)を実行する。
これにより、表示制御装置120により表示装置12にて特図が変動表示される変動表示ゲームが適宜行われる。また、特図の背景画像などによる遊技状態の演出などが適宜行われる。なお、特図の変動表示の特別な態様としては、後述する領域選択表示が実行される。
その後、タイマ更新処理を実行する。タイマ更新処理は、メインルーチンの各処理で使用するための時間を生成するものである。
【0023】
次に、エラー監視処理を実行する。これは、各賞球センサの未検出エラーや、賞球排出の過剰エラーや、遊技盤1の前面を覆うガラス枠(図示省略)の開放状態などを監視するための処理である。
次いで、スイッチ監視処理(センサ入力監視処理)を実行する。これは、前述したように設定される入力フラグを監視し、例えば特図始動センサ131の入力フラグが設定されていると、大当たり乱数の値を抽出し記憶するなどの処理を実行するものである。
その後、メインルーチンを再開すべく、退避させたレジスタを復帰させ、割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
【0024】
E.特図の変動表示ゲーム中の表示
次に、本遊技機における特図の変動表示ゲーム中の表示(特に、領域選択表示)について説明する。
特図の変動表示としては、常に、或いはリーチ乱数などに基づいてランダムに、領域選択表示を含むものが選択される。領域選択表示は、この場合表示制御装置120(配置手段、選択表示手段)の前述した表示制御により実現されるもので、変動表示ゲームの結果態様を構成する図柄数よりも多い図柄を、結果態様を複数通りに導出可能な位置関係で配置した大画像(仮想表示領域)を想定し、少なくとも一つの結果態様を導出可能な図柄数(この場合、3個)を含む大きさで前記大画像のうちの小領域(一部の仮想表示領域)を選択して可変表示装置12の画面(表示領域)に表示するものであり、この領域選択表示によって選択された小領域に含まれる識別情報の図柄に基づいて、結果態様を最終的に導出可能である。
ここで大画像は、この場合表示制御装置120(配置手段)の制御処理によりその画像データが編集されるもので、例えば後述する図9に示すように、特図(識別情報)の多数の図柄(この場合、樽の画像に付記された数字)が平面(海面)上に格子状に配置されたものである。この図9の場合、各図柄は斜め方向に連続する3図柄で変動表示ゲームの色々な結果態様を構成可能となっている。そして小領域は、この斜め3図柄を含む大きさの領域であり、図9において例えば符号R1〜R5で示すものである。
【0025】
なお、上記領域選択表示は、1回の変動表示ゲームにおいて必ず行われる構成である必要は当然なく、乱数によって全くランダムに実行される構成でもよい。また、変動表示ゲームに関する遊技情報(例えば、大当りとするか否か、大当たり後に確率変動となる割合などの情報)に応じて行って、結果的にその遊技情報を報知する構成でもよい。即ち、例えば大当りとなるとき(或いは、その可能性が高いとき)にのみ領域選択表示を行うようにしてもよく、そのようにすれば、領域選択表示によっていわゆる大当り予告(或いは、大当り信頼度の報知など)が実現されることになる。
また、領域選択表示の態様は、一種類でもよいが、複数種類の領域選択表示が予め登録され、これらのうちの何れかが選択される構成でもよい。そして、領域選択表示の態様の選択は、リーチ乱数などの乱数によって全くランダムに選択するようにしてもよいが、変動表示ゲームに関する遊技情報に応じて選択されるようにすれば、やはりその遊技情報を領域選択表示の態様によって報知することができる。
また、領域選択表示によって小領域が選択的に表示されることによって、結果態様を構成する図柄の全てが確定してもよいが、この小領域の選択表示によって結果態様を構成する図柄の全てが確定する必要はない。例えば、後述する表示例(図4乃至図8)のように、小領域選択後に、小領域の中央に位置する図柄が変動して最終的に全図柄が確定する態様であってもよい。このような態様であれば、遊技者の期待感がより継続することになり、遊技性が特に向上する。
また、領域選択表示によって選択的に表示された小領域に応じて、領域選択表示の遊技価値(例えば、その変動表示によって大当りとなる割合、或いは、その変動表示によって大当りになった場合に大当たり後に確率変動や時間短縮制御が実行される割合など)が異なるように、大画像における各図柄の内容が色々に異なって設定されている構成(各小領域の遊技価値が差別化された構成)であることが好ましい。このような構成であると、領域選択表示における領域選択に対する期待感や不安感がより高まり、遊技の興趣がより向上する。
【0026】
F.表示例
次に、図4乃至図8は、本例の遊技機の変動表示ゲーム中に表示装置12の画面に表示される表示内容(領域選択表示を含むもの)の具体例を示している。また図9は、この領域選択表示の前提となる大画像の具体例を示す概略平面図である。
まず、図9に示した大画像について説明する。
この場合の大画像は、海面上に海賊船P1と多数の樽P2が浮かんでいるものであり、各樽P2には、識別情報の図柄としての数字が書かれている。また、各樽P2は斜め3個で結果態様を構成する3列分の図柄として機能するように配置され、図9において例えば符号R1〜R5で示す大きさの小領域内には、右上位置、右下位置、左上位置、左下位置、及び中央位置の5箇所に結果態様を構成可能な数字が付記された樽P2の全体が存在するようになっている。いいかえると、小領域内にはX字状に二つの有効ライン(結果態様を構成可能な図柄の配列ライン)が存在可能であり、これら有効ラインを形成できるように樽P2が大画像内に多数配置されている。
なお、図9において符号P21〜P26で示す樽は、多数の樽P2のうち、後述するキャラクタP3が順次乗り移る樽(原則的に小領域の中心に位置する樽)を示している。また、図9における矢印は、後述するキャラクタP3の移動経路を示している。
【0027】
そして、各樽P2の図柄は、選択された小領域によって大当りや確率変動等の可能性が異なるように、それぞれ異なる数字に設定されている。即ち、選択された小領域の遊技価値が差別化されている。
例えば、図9における小領域R3が選択された場合には、右上、右下、左上、左下、及び中央の各図柄が、それぞれ「4」、「1」、「5」、「3」、「7」となるため、中央位置の図柄「7」がその後変動したとしても、二つの有効ラインのいずれもがゾロ目になることはなく、大当りや確率変動等の可能性はない。ところが、図9における小領域R4が選択された場合には、各図柄が、それぞれ「5」、「3」、「4」、「5」、「7」となるため、中央位置の図柄「7」がその後変動して「5」になれば、右上から左下に向かう有効ラインがゾロ目(「5、5、5」)になる可能性があり、一つの有効ラインで大当りの可能性がある(いわゆるシングルリーチとなる)。また、図9における小領域R5が選択された場合には、各図柄が、それぞれ「5」、「7」、「7」、「5」、「4」となるため、中央位置の図柄「4」がその後変動して「5」又は「7」になれば、何れかの有効ラインがゾロ目(「5、5、5」又は「7、7、7」)になる可能性があり、二つの有効ラインで大当りの可能性がある(いわゆるダブルリーチとなる)。またここで、例えば図柄「7」が確率変動等の際に選択される大当り図柄(いわゆる確変図柄)であれば、図9における小領域R5が選択された場合には、ダブルリーチであり、しかも一つの有効ラインは確率変動等となる大当りになる可能性を持つことになる。このように本例では、選択された小領域の遊技価値が差別化されている。なお、二つの有効ラインで確率変動等となる大当りになる可能性をもつ小領域や、二つの有効ラインで通常の大当り(確率変動等とならないもの)になる可能性をもつ小領域が設定可能となっていてもよい。
また、図9に示したような大画像は、必ずしもその全体を遊技者に対して表示する必要はなく、制御装置がこのような大画像を設定して表示制御を行えるようになっていればよい。
【0028】
次に、図4乃至図8の表示例について説明する。
図4(a)は、海面上にネズミのキャラクタP3(主人公)が浮かび上がって登場した状態である。その後図4(b)に示すように、キャラクタP3が大画像内において「1」の図柄が書かれた樽P21(図9参照)に向かって泳ぐ動画が表示され、次いで図4(c)及び図5(a)乃至図5(b)に示すように、キャラクタP3が樽P21に乗った状態と周囲の状況(仮想表示領域の識別情報の配置状態)を示す俯瞰画像(仮想表示領域である大画像の略全体を明らかにするもの)が順次表示される。特に図5(b)では、ダブルリーチとなる場合の小領域R5付近(樽P26の周辺)や海賊船P1を含む俯瞰画像が表示され、遊技者の大当りや確率変動等への期待感を演出する。
次に図5(c)は、海賊船P1からキャラクタP3に向かって大砲が発射された状態を示す画像である。その後は、このような画像が表示された後、図6(a)に示すように、キャラクタP3を含む小領域R1の画像が表示され、領域選択表示が開始される。
この場合の領域選択表示では、図6(a)乃至図6(c)及び図7(a)乃至図7(c)に示すように、キャラクタP3の移動(発射された大砲の着弾を避けるように、樽から樽に飛び移る動作)に伴って小領域が更新されて切り替わってゆき、結果態様がX字状の有効ラインで構成可能な小領域R2,R3,R4,R5では、キャラクタP3が常に中央位置の樽P23,P24,P25,P26に乗っている状態で表示される。即ちこの場合には、キャラクタP3が、小領域の更新状況(どの小領域から次にどの小領域に切り替わるか或いは切り替わったのかの情報)を報知するナビゲート情報として機能しているとともに、結果態様として確定していない図柄(選択した表示領域にて変動表示する識別情報)の表示位置を明示するポインタ情報(変動図柄情報)としても機能している。
【0029】
以下、この場合の領域選択表示及びその後の変動表示を詳細に説明する。
まず、図6(a)に示すような小領域R1の画像(樽P21にキャラクタP3が乗った状態の画像)が表示された後、図6(b)に示すように、樽P21の近くに着弾した大砲の玉を避けるように、キャラクタP3が樽P21から樽P22に飛び移る動画が表示される。次いで、キャラクタP3がさらに樽P22から樽P23に飛び移る動画が表示され、図6(c)に示すような小領域R2の画像(中央位置の樽P23にキャラクタP3が乗った状態の画像)が表示される。
その後、キャラクタP3がさらに樽P23から樽P24に飛び移る動画が表示され、図7(a)に示すような小領域R3の画像(中央位置の樽P24にキャラクタP3が乗った状態の画像)が表示される。次に、キャラクタP3がさらに樽P24から樽P25に飛び移る動画が表示され、図7(b)に示すような小領域R4の画像(中央位置の樽P25にキャラクタP3が乗った状態の画像)が表示される。次いで、キャラクタP3がさらに樽P25から樽P26に飛び移る動画が表示され、図7(c)に示すような小領域R5の画像(中央位置の樽P26にキャラクタP3が乗った状態の画像)が表示される。
次に、図7(c)に示す小領域R5の画像が表示された後には、結果態様を構成しない図柄の樽P27(右端に半分見えている図柄が「5」の樽)が画面上から消去され、図8(a)に示すように、キャラクタP3が乗った中央位置の樽P26が大砲からの着弾によって揺れて回転し、これに伴って中央位置の樽P26の図柄が変動し、キャラクタP3が落ちそうになりながらも樽P26から落ちない動画が表示される。
【0030】
そして、この変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、その後例えば図8(b)に示すように、キャラクタP3が乗った中央位置の樽P26の回転が停止し、この樽P26の図柄が「5」となって、右上から左下に向かう有効ライン上の結果態様が「5、5、5」のゾロ目となる。或いは、樽P26の図柄が「7」となって、右下から左上に向かう有効ライン上の結果態様が「7、7、7」のゾロ目となってもよい。なお、例えば「7」が確変図柄であると、この場合には大当たり後に確率変動が実行される。
また、外れとなる場合には、図8(a)の表示が行われた後、例えばキャラクタP3が中央位置の樽P26から海に滑り落ちてしまい、樽P26の図柄が外れ図柄(例えば「4」)で停止する。なお、外れとなる場合には、小領域の切り替え表示が、例えば小領域R2或いはR3の状態(図6(c)或いは図7(a)の表示状態)で終了し、それをもって結果態様確定(外れ図柄確定)となる態様であってもよい。
なお、図6(c)や図7(a)乃至図7(c)における矢印は、説明の便宜上キャラクタP3の移動経路を示すものであり、実際の画面に表示される必要はない。
【0031】
以上説明したように本例の遊技機では、遊技制御装置100と表示制御装置120により構成される表示制御手段(特に、配置手段及び選択表示手段としての表示制御装置120)が、上述したような領域選択表示を含む変動表示を行うので、従来にない斬新な面白さが実現できる。即ち、特図の図柄が二次元的に多数配置された大画像のうちの特定の小領域を選択して表示する領域選択表示に基づいて、変動表示ゲームの結果態様としての図柄の導出が実現されるので、従来にない斬新で面白い変動表示となる。
しかも前述した表示例では、画面に表示される小領域が大画像内を移動するように順次隣接するものに更新されて切り替えられるので、冒険もののゲーム機的な演出が可能となり、遊技の興趣がより高まる。特に前述した表示例では、キャラクタP3の移動に伴って小領域が順次切り替えられるので、このようなゲーム機的な演出効果がより高いものとなっている。
また前述した表示例では、小領域の更新状況を報知するナビゲート情報(キャラクタP3の画像)が小領域に含ませて表示されるため、小領域の更新状況を遊技者が容易かつ確実に理解でき、領域選択表示の演出効果がより確実に発揮される。
また前述した表示例では、領域選択表示を実行したとき、選択された小領域にて変動表示が行われる特図の表示位置(この場合、中央位置の図柄)を報知するポインタ情報(キャラクタP3の画像)が、小領域に含ませて表示されるため、領域選択表示後に変動表示される図柄が遊技者にとって明確となり、領域選択表示後に変動表示が行われる場合に、変動表示の進行状態が遊技者に分かり難くなる弊害が回避される。
【0032】
また前述した表示例では、領域選択表示の実行前に、大画像(仮想表示領域)の特図の配置状態を明らかにする俯瞰画像(図4(c)及び図5(a)乃至図5(b))が表示される。このため遊技者は、大当り等が発生し易い有利な小領域を予め見つけて期待感を抱くことが可能となり、領域選択表示に対してより注目するようになって、興趣向上効果がより高まる。
また前述した表示例では、領域選択表示において選択された小領域に応じて、大当りなどの遊技価値が付与される可能性や、大当りになる場合の価値の大きさ(この場合、確率変動等が実行されるか否かに基づく価値の程度)が異なるように、大画像における各図柄の内容が設定されている(即ち、小領域の遊技価値が前述のように差別化されている)。このため、小領域の選択によって、遊技者が有利になったり不利になったりする差が著しく、領域選択表示によって遊技者が一喜一憂するようになって、このような点からも遊技性が向上する。
また前述した表示例では、領域選択表示において選択した小領域に結果態様を導出し得ない特図が含まれる場合、この図柄の画像(例えば図7(c)に示す樽P27の画像)を消去する。これにより、結果態様を構成する図柄がより明確になり、少なくとも通常の変動表示(例えば、複数列のスクロールによる図柄の変動表示)と同程度の分かりやすさを確保することができる。
【0033】
なお、本発明は上記形態例の態様に限られず、各種の変形,応用があり得る。
例えば、本発明の領域選択表示は、上述したように小領域を順次隣接するものに切り替える態様(大画像内を移動するような表示)に限られない。例えば、キャラクタが海岸の崖から飛び出して、海面上に所定の配置関係で浮かんだ多数の樽の何れかに飛び乗り、その樽の周辺領域が小領域として表示され、この一回の小領域の表示によって図柄(例えば中央位置以外の図柄)が即座に確定するものであってもよい。
また、大画像(仮想表示領域)内を移動するような表示としては、例えば小領域(実表示領域)がスクロールしてゆき、大画像内における位置をなめらかに(少なくとも見かけ上連続的に)変化させてゆく態様もあり得る。
また上記形態例は、領域選択表示によって中央位置以外の図柄が確定するもの(全ての図柄が確定しないもの)であるが、領域選択表示によって全ての図柄が確定するもの(即ち、変動表示ゲームの結果態様全体が導出表示されるもの)であってもよい。
また、大画像(仮想表示領域)における図柄の配置態様や小領域(実表示領域)の大きさについても、前記形態例のもの(小領域内にX字状に二つの有効ラインが存在可能なもの)に限定されない。例えば、図10(a)に示すように、縦横直角な方向に図柄を配置し、小領域の大きさが縦横3個分の図柄(合計9個の図柄)を含む大きさとされた態様でもよい。この場合、縦横3列とX字状の有効ライン(合計8本の有効ライン)が存在可能となる。或いは、図10(b)に示すように、横方向の配列方向が斜めになるように図柄を配置し、小領域の大きさが合計7個の図柄を完全に含む大きさ(中央の図柄の周囲に6個の図柄が完全に表示される大きさ)とされた態様でもよい。この場合、縦1列とX字状の有効ライン(合計3本の有効ライン)が存在可能となる。なお、図10及び後述の図11では、図柄を円で表し、小領域の境界を点線で表し、有効ラインを実線で表している。
また、大画像における図柄の配置が例えば図11に示すように三次元的(立体的)に行われ、小領域の更新が三次元的な移動によって行われてもよい。なお、図11に示すものは、中央と8個の角部に図柄(合計9個の図柄)が存在する直方体状又は立方体状の小領域が、可変表示装置に表示される実表示領域とされた態様であり、この場合4本の有効ラインが存在可能となる。
【0034】
また、小領域の更新状況を報知するナビゲート情報としては、前述したようなキャラクタではなく、例えば小領域の切り替え方向や中央位置を示す矢印やマークのようなものを表示してもよい。
また、選択した領域にて変動表示を行う識別情報の表示位置を報知するポインタ情報としても、前述したようなキャラクタではなく、例えばその識別情報の位置を示す矢印やマークのようなものを表示してもよいし、その識別情報の画像を点滅させたり、その識別情報の画像を静止していない状態に表示したり、その識別情報の画像の色を他と異ならせたりしてもよい。
また本発明は、表示装置を備え、識別情報の変動表示ゲームを行う遊技機であれば、パチンコ機以外(例えば、スロットマシン)にも適用できる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、表示制御手段が、変動表示ゲーム結果態様を、斜め方向に連続した3つの識別情報による有効ライン上で導出可能とし、複数の識別情報を配置可能な仮想表示領域に、前記変動表示ゲームの結果態様を構成する識別情報の数よりも多い識別情報を、結果態様を複数通りに導出可能な位置関係で格子状に配置する配置手段と、少なくとも交差する2つの前記有効ラインを含む大きさで前記仮想表示領域のうちの一部の仮想表示領域を、実表示領域として選択する領域選択表示を行い、選択した実表示領域に含まれる複数の識別情報に基づいて変動表示を行う選択表示手段と、前記領域選択表示の実行前に、前記仮想表示領域に配置された識別情報の配置状態を明らかにする配置状態明示手段と、を備え、前記配置手段は、前記選択表示手段によって選択される実表示領域によって前記特定の遊技価値が付与される可能性又は/及び前記特定の遊技価値が付与される場合の価値の大きさが異なるように、識別情報を配置し、前記選択表示手段は、前記仮想表示領域において、選択している実表示領域に表示される一部の識別情報を共有する隣接した表示領域を、新たに選択する実表示領域として更新するので、従来にない斬新な面白さが実現できる。即ち、識別情報の図柄が多次元的に多数配置された仮想表示領域の一部の領域を選択して表示する領域選択表示に基づいて、変動表示ゲームの結果態様としての図柄の導出が実現されるので、従来にない斬新で面白い変動表示となる。
また、遊技者は、大当り等が発生し易い有利な小領域を予め見つけて期待感を抱くことが可能となり、領域選択表示に対してより注目するようになって、興趣向上効果がより高まる。
さらに、画面に表示される小領域(実表示領域)が大画像内を移動するように順次隣接するものに更新されて切り替えられるので、冒険もののゲーム機的な演出が可能となり、遊技の興趣がより高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の制御系統を示す図である。
【図3】遊技の流れを示す図である。
【図4】変動表示の具体例を示す図である。
【図5】変動表示の具体例を示す図である。
【図6】変動表示の具体例を示す図である。
【図7】変動表示の具体例を示す図である。
【図8】変動表示の具体例を示す図である。
【図9】仮想表示領域の画像の具体例を示す図である。
【図10】識別情報の配置(二次元)や実表示領域の他の態様を示す図である。
【図11】識別情報の配置(三次元)や実表示領域の他の態様を示す図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
12 可変表示装置
100 遊技制御装置(表示制御手段)
120 表示制御装置(表示制御手段、配置手段、選択表示手段)
Claims (1)
- 可変表示装置の表示領域に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの制御を行う表示制御手段を備え、前記複数の識別情報の組み合わせとして導出される前記変動表示ゲームの結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記変動表示ゲーム結果態様を、斜め方向に連続した3つの識別情報による有効ライン上で導出可能とし、
複数の識別情報を配置可能な仮想表示領域に、前記変動表示ゲームの結果態様を構成する識別情報の数よりも多い識別情報を、結果態様を複数通りに導出可能な位置関係で格子状に配置する配置手段と、
少なくとも交差する2つの前記有効ラインを含む大きさで前記仮想表示領域のうちの一部の仮想表示領域を、実表示領域として選択する領域選択表示を行い、選択した実表示領域に含まれる複数の識別情報に基づいて変動表示を行う選択表示手段と、
前記領域選択表示の実行前に、前記仮想表示領域に配置された識別情報の配置状態を明らかにする配置状態明示手段と、を備え、
前記配置手段は、前記選択表示手段によって選択される実表示領域によって前記特定の遊技価値が付与される可能性又は/及び前記特定の遊技価値が付与される場合の価値の大きさが異なるように、識別情報を配置し、
前記選択表示手段は、
前記仮想表示領域において、選択している実表示領域に表示される一部の識別情報を共有する隣接した表示領域を、新たに選択する実表示領域として更新することを特徴とする遊技機。
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