JP4812187B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機に係り、特に、所定の識別情報を変動表示させる可変表示機能を有する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上で、予め用意された複数種の識別情報(以下、表示図柄)の変動表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、前述した表示装置を、主に画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、所定領域を通過する遊技球の検出に伴って表示図柄の変動表示を行い、表示図柄の変動表示結果が導出表示された際の導出表示態様が特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口と呼ばれる特別電動役物を作動させ、大入賞口扉を開放状態とする。これによって、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。
【0004】
以下、特図ゲームにおいて大当りとなり、大入賞口扉が開放状態となることで、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態となることを特定遊技状態という。特定遊技状態となるためには、通常、特別図柄表示装置に表示される表示図柄の導出表示態様が予め定められた特定表示態様となること(一般的には、特別図柄表示装置の複数の変動表示部に表示される表示図柄が同一図柄で揃うこと)が条件となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では、画像表示によって特図ゲームを行う構成において、変動表示する表示図柄以外にキャラクタ等の画像を表示して視覚的な演出表示を行うものが提案されており、これに伴い、画像表示によって遊技に対する期待感をあおる演出表示が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、画像による演出表示を行う構成において、複数の変動表示部に表示される導出表示態様が特定表示態様となるか否かの期待感を徐々にあおることができる遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第一の観点にかかる遊技機は、所定の変動開始条件を満たすことにより可変表示装置(例えば、特別可変表示装置4)の複数の変動表示部(50a〜50i)に表示される識別情報の変動表示を開始し、所定の変動停止条件を満たすことにより当該識別情報の変動表示を停止する変動表示制御手段(例えば、遊技制御部11及び表示制御部13)と、前記変動表示制御手段により停止表示された識別情報の組合せ態様が予め定めた特定識別情報の組合せである特定表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与可能とする遊技制御手段(例えば、遊技制御部11)と、前記複数の変動表示部全てに対して個々に隠蔽画像を表示し、識別情報を視認困難な状態とする難視認化表示制御手段(例えば、遊技制御部11及び表示制御部13)と、前記難視認化表示制御手段により視認困難な状態となった前記複数の変動表示部に対して前記隠蔽画像が表示される状態から前記識別情報を視認容易な表示状態とする易視認化表示制御手段(例えば、遊技制御部11及び表示制御部13)と、を備え、前記変動表示制御手段によって前記識別情報の変動表示を仮停止させた後、その仮停止時の表示態様が、前記複数の変動表示部のうち予め定めた数以上の表示部に前記特定識別情報が表示されているが前記特定表示態様とはならない表示態様になると、前記難視認化表示制御手段によって前記複数の変動表示部全てが前記隠蔽画像として表示された後、前記易視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像となっている前記複数の変動表示部全てを所定順に視認可能として最終的な識別情報の組合せ態様を表示すると共に、前記難視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像を表示する場合及び前記易視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像が表示される状態から前記識別情報を視認容易な表示状態とする場合に所定のキャラクタを登場させる表示制御を行うように構成している。
【0008】
このように構成することにより、複数の変動表示部に表示される識別情報に対する隠蔽を所定順に解除することで、複数の変動表示部に表示される導出表示態様が特定表示態様となるか否かの期待感を徐々にあおることができ、ひいては遊技の興趣を向上することができる。
【0009】
この場合、前記識別情報の変動表示を仮停止させた後、その仮停止時の表示態様が、前記複数の変動表示部のうち予め定めた数以上の表示部に前記特定識別情報が表示されているが前記特定表示態様とはならない表示態様になると、前記難視認化表示制御手段によって前記複数の変動表示部全てが前記隠蔽画像として表示された後、前記易視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像となっている前記複数の変動表示部全てを所定順に視認可能として最終的な識別情報の組合せ態様を表示するように構成することにより、隠蔽画像による識別情報の隠蔽演出の効果をより一層高めることができる。
【0010】
また、前記難視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像を表示する場合及び前記易視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像が表示される状態から前記識別情報を視認容易な表示状態とする場合に所定のキャラクタを登場させる表示制御を行うことが有効である。このように構成することにより、隠蔽画像による識別情報の隠蔽演出の効果をより一層高めることができる。
【0011】
【0012】
また、最後に視認容易な状態となる変動表示部の識別情報に基づいて前記特定表示態様となるか否かが決定されるように順番を設定してなることが有効である。このように構成することにより、特定表示態様となるか否かの期待感を徐々にあおる効果をより一層高めることができる。
【0013】
【0014】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第三の観点にかかる記録媒体は、所定の変動開始条件を満たすことにより可変表示装置の複数の変動表示部に表示される識別情報の変動表示を開始し、所定の変動停止条件を満たすことにより当該識別情報の変動表示を停止する変動表示制御処理と、前記変動表示制御処理により導出表示された結果が特定表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与可能とする遊技制御処理と、所定条件を満たすことで前記複数の変動表示部全てに対して個々に隠蔽画像を表示し、識別情報を視認困難な状態とする難視認化表示制御処理と、前記難視認化表示制御処理により視認困難な状態となった前記複数の変動表示部を所定順に視認容易な状態とする易視認化表示制御処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録している。
【0016】
すなわち、記録媒体中に含まれるプログラムをコンピュータ装置(ゲーム装置を含む)等に読み込ませ、一連の処理を実行させることで、本発明の遊技機を容易に実現することができる。すなわち、プログラムを記録した記録媒体という形態を採ることにより、ソフトウェア商品として、装置とは独立した形で、生産、販売、配布等を容易に行うことができる。また、コンピュータ装置(ゲーム装置を含む)等のハードウェアに、このソフトウェアを組み込むことによって本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第四の観点にかかる演出制御方法は、所定の変動開始条件を満たすことにより可変表示装置の複数の変動表示部に表示される識別情報の変動表示を開始し、所定の変動停止条件を満たすことにより当該識別情報の変動表示を停止する変動表示制御手順と、前記変動表示制御手順により導出表示された結果が特定表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与可能とする遊技制御手順と、所定条件を満たすことで前記複数の変動表示部全てに対して個々に隠蔽画像を表示し、識別情報を視認困難な状態とする難視認化表示制御手順と、前記難視認化制御手順により視認困難な状態となった前記複数の変動表示部を所定順に視認容易な状態とする易視認化表示制御手順とを含んでいる。
【0018】
すなわち、上記方法による手順を、ゲーム装置を含むコンピュータ装置等に実行させることにより、本発明の遊技機と同様の効果を得ることができる。すなわち、前述した処理手順を、コンピュータ装置等のハードウェアを用いて実現することで、当該ハードウェア上で、本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。また、上記方法による手順を、コンピュータ装置等に実行させるためのプログラム又はデータを符号化し、搬送波に重畳されたプログラムコード信号として送信するとともに、この搬送波に重畳されたプログラムコード信号を受信し、元のプログラム又はデータに復号化してコンピュータ装置等に実行させることにより、本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチ演出表示とは、最終停止図柄となる表示図柄以外の表示図柄が、例えば、大当りとなる特定表示態様と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小あるいは変形している状態(以下、これらの状態を仮停止という)、すなわち、所定領域内に一定期間継続的に更新表示を停止している状態、又は、表示図柄の表示位置が入れ替わっている状態、又は、複数の表示図柄が同期して更新表示を行っている状態のように、最終結果が表示される前段階において表示結果が特定表示態様となる可能性が見かけ上高められる演出表示のことを指す。また、リーチ表示態様とは、リーチ演出表示を行う際の表示態様をいう。
【0020】
また、予め特別図柄表示装置における図柄表示領域の特定の組合せを有効ラインとして設定しておき、所定の遊技価値を付与することが決定された場合に最終的な停止図柄態様によって大当りとなったことを報知するときには、この有効ライン上に最終的に停止する表示図柄が特定表示態様となるように表示図柄を変動させた後に停止させる。したがって、遊技者は特別図柄表示装置における有効ライン上の表示態様を確認することで、大当りとなったか否かを容易に認識することができる。
【0021】
本実施形態における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ遊技機を例に採って説明する。しかし、適用対象となる遊技機としては、これに限るものではなく、例えば、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機にも適用可能である。
【0022】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、特図ゲームに相当する演出表示を行うことが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0023】
図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されており、遊技領域のほぼ中央位置には、画像表示装置としての特別図柄表示装置(可変表示装置)4が設けられている。特別図柄表示装置4の上部には、普通図柄を表示するための可変表示器18(左右一対のLED)が設けられている。
【0024】
特別図柄表示装置4の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)6と、大当り発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物)7とが上下に並んで配設されており、特別図柄始動口6の左の側方位置には、通過ゲート19が配設されている。大入賞口7は、特別図柄始動口6への入賞タイミングに基づいて特図ゲームが行われた結果、大当りとなった場合に前面に設けられた大入賞口扉の開放動作を行う。通過ゲート19は、打球の通過に伴って可変表示器18(普通図柄)の変動開始(普図ゲーム)を許可する。また、遊技用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、ランプ9が設けられている。
【0025】
図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機の背面図であり、主要基板の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、詳細を後述するように、電源基板(電源部10)と、主制御基板(遊技制御部11)と、図柄制御基板(表示制御部13)と、音声制御基板(音声制御部14)と、ランプ制御基板(ランプ制御部15)と、払出制御基板(払出制御部16)と、外部端子基板(情報出力部17)とを備え、それぞれ適所に配設されている。
【0026】
図3は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源部(電源基板)10と、遊技制御部(主制御基板)11と、入出力部12と、表示制御部(図柄制御基板)13と、音声制御部(音声制御基板)14と、ランプ制御部(ランプ制御基板)15と、払出制御部(払出制御基板)16と、情報出力部(外部端子基板)17とを備えている。
【0027】
電源部10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。遊技制御部11は、遊技制御基板内に設けられた各種回路から構成されており、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、入出力部12を介して信号の入出力を行う機能、表示制御部13、音声制御部14、ランプ制御部15及び払出制御部16に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【0028】
入出力部12は、遊技球の検出や役物の開閉動作を行うためのものである。表示制御部13、音声制御部14、ランプ制御部15は、遊技制御部11から送信される制御コマンド信号に基づいて、特図ゲームにおける特図表示制御、音声出力制御、ランプ表示制御を、それぞれ遊技制御部11とは独立して実行するものである。払出制御部16は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。情報出力部17は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0029】
ここで、特別図柄表示装置4上に表示される表示図柄の仮停止タイミングや変動時間等は、後述する変動表示パターンコマンドに従って一意に定まっている。すなわち、表示制御部13、音声制御部14及びランプ制御部15は、変動表示パターンコマンドを受け取ったタイミングから、特別図柄表示装置4上における表示図柄の変動、スピーカ8L、8Rからの音声出力及びランプ9の明滅表示が連動して行われるように制御を行っている。
【0030】
図4は、表示制御部の詳細を示すブロック図である。表示制御部13は、図柄制御基板内に設けられた各種回路から構成され、遊技制御部11とは独立して特図ゲームにおける画像処理のための表示制御を行うものである。表示制御部13は、遊技制御部11から出力される表示制御コマンドデータに基づいて特図ゲームに用いられる画像を特別図柄表示装置4上に表示する。このため、表示制御部13は、発振回路21と、リセット回路22と、表示制御用のCPU(Central Processing Unit )23と、ROM(Read Only
Memory)24と、RAM(Random Access Memory)25と、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processer )26と、キャラクタROM27と、VRAM(Video RAM )28と、LCD駆動回路29とを備えている。
【0031】
発振回路21は、CPU21及びVDP26に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路22は、CPU21及びVDP26をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU23は、遊技制御部11から表示制御コマンドデータが入力されるとRAM25を作業領域として用いながらROM24から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU21は、読み出した制御データに基づいてVDP26に制御信号を出力する。ROM24は、CPU21によって利用される各種制御プログラム等を格納する半導体メモリであり、RAM25は、CPU21によって作業領域として利用される半導体メモリである。
【0032】
VDP26は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU21からの描画命令に従って動作する。また、CPU21とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM28をマッピングしている。キャラクタROM27は、特別図柄表示装置4に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、文字、図形又は記号等を予め格納しておくためのものである。VRAM28は、VDP26によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。LCD駆動回路29は、VDP26から入力された画像データを、色信号と同期信号とからなるビデオ信号に変換し、特別図柄表示装置4に出力する。
【0033】
ここで、VDP26は、図4に示すように、CPUインターフェース31と、アトリビュートテーブル32と、スプライト演算部33と、CGROMインターフェース34,35と、カラーバスコントローラ36と、パレットテーブル37と、DAC用変換テーブル38と、D/Aコンバータ39と、同期タイミングコントローラ40とを備えている。
【0034】
CPUインターフェース31は、CPU21からの描画命令を取り込むためのものである。アトリビュートテーブル32は、表示する各画像データに対する属性、例えば、サイズ、移動方向、移動量を定義する関数や、スプライトデータ毎に設定された優先度等の属性を格納する。スプライト演算部33は、スプライトデータを走査展開するための位置計算等の演算処理を行うためのものである。CGROMインターフェース34は、キャラクタROM27に格納されたキャラクタ画像データを読み出すためのインターフェースであり、CGROMインターフェース35は、VRAM28に対するデータの入出力を行うためのインターフェースである。
【0035】
カラーバスコントローラ36は、カラーコードやパレットコードの入出力を行うためのものである。パレットテーブル37は、カラーバスコントローラ36により設定されたパレットコードに基づいて画像データの色を決定するものである。DAC用変換テーブル38は、特別図柄表示装置4に用いられるLCDの表示特性に合わせ、パレットテーブル37により決定された色が正しく表示されるようにガンマ補正等をかけるためのものである。D/Aコンバータ39は、DAC用変換テーブル38により補正されたデジタル信号をアナログ信号に変換するものである。同期タイミングコントローラ40は、発振回路21からのクロック信号及びリセット回路22からのリセット信号に基づいて、LCD駆動回路29に供給する同期信号(水平同期信号、垂直同期信号、クロック信号)を出力するものである。
【0036】
次に、本実施形態の動作(作用)を説明する。
【0037】
まず、本実施形態のパチンコ遊技機における遊技の流れの概略について説明する。パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを操作することにより、遊技領域中に遊技球が発射される。遊技制御部11では、入出力部12内の特別図柄始動スイッチ等の入力の有無を監視しており、遊技球が特別図柄始動口6に入賞した場合、特別図柄始動スイッチにおいて遊技球の入賞が検出される。また、特別図柄始動口6において、遊技球の入賞が検出された場合、入賞した遊技球の数、入賞時の乱数の抽選値が特別図柄判定用バンクに保管される。そして、保管されたデータに基づいて特別図柄表示装置4において特図ゲームを開始する。
【0038】
図5は、遊技制御部11におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理おいて、CPUは、必要な初期設定処理を行う。
【0039】
初期設定処理において、CPUは、まず、割込み禁止に設定する(ステップS101:以下、単にS101と記す)。次に、割込みモードを割込みモード2に設定し(S102)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S103)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(S104)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行った後(S105)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S106)。
【0040】
この実施形態で用いられているCPUには、マスク可能な割込み(INT)のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込みが発生すると、CPUは、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0041】
割込みモード0:割込み要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPUは、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPUは自動的に割込みモード0になる。よって、割込みモード1または割込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込みモード1または割込みモード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0042】
割込みモード1:割込みが受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0043】
割込みモード2:CPUの特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。すなわち、割込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ、下位アドレスが割込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、飛び飛びではあるが任意の偶数番地に割込み処理を設けることができる。各内蔵デバイスは割込み要求を行うときに割込みベクタを送出する機能を有している。
【0044】
よって、割込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込み処理を設けることが可能になる。さらに、割込みモード1とは異なり、割込み発生要因毎のそれぞれの割込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施形態では、初期設定処理のS102において、CPUは割込みモード2に設定される。
【0045】
次に、遊技機に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを判別する(S107)。クリアスイッチがオン状態である場合(S107;Y)、後述するS110に移行する一方、クリアスイッチがオン状態でない場合(S107;N)、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等)が行われたか否かを確認する(S108)。この実施形態では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。すなわち、バックアップなしを確認したら、CPUはS110以降の初期化処理を実行する。
【0046】
バックアップありを確認したら、CPUは、遊技制御部11の内部状態と表示制御部13等の電気部品制御手段の制御状態とを電源断の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(S109)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに再設定され、そのアドレスに復帰する。
【0047】
なお、電源断処理は、図6のフローチャートに示すように、レジスタの退避(S201)およびスタックポインタの退避(S202)を行った後に、RAMチェックサム演算を行う(S203)。次に、RAMをアクセス禁止に設定し(S204)、出力ポートをクリア(S205)して待機(ループ)する。
【0048】
初期化処理では、CPUは、まず、RAMクリア処理を行う(S110)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納ポインタ等)に初期値を設定する初期値設定処理も行われる。さらに、サブ基板(図柄制御基板、音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板等)を初期化するための処理を実行する(S111)。サブ基板を初期化する処理としては、例えば、初期設定コマンドを送出する処理を行い、初期設定コマンドとして、払出可能状態の場合に払出制御部16に出力される払出可能状態指定コマンドまたは払出不能状態の場合に払出停止状態指定コマンド等を送出する。払出不能状態として、例えば、球切れスイッチまたは満タンスイッチ(共に図示せず)がオンしていた状態がある。すなわち、CPUは、球切れスイッチまたは満タンスイッチをオンしていたら払出制御部16に払出停止状態指定コマンドを送出し、そうでなければ、払出可能状態指定コマンドを送出する。なお、払出可能状態指定コマンドまたは払出停止状態指定コマンドは、S109の遊技状態復旧処理においても実行されるように構成してもよい。
【0049】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように、CPUに設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(S112)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0050】
その後、割込み禁止状態に設定(S113)した後に、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する表示図柄乱数更新処理(S114)および初期値決定用乱数更新処理(S115)を実行し、その後、割込み許可状態に設定する処理(S116)が繰り返し実行される。
【0051】
なお、割込み禁止は、割込み禁止命令を発行したり、割込み禁止用のレジスタを禁止に設定したり、マスクレジスタをセットすることによって実現され、割込み許可は、割込み許可命令を発行したり、割込み禁止用のレジスタを許可に設定したり、マスクレジスタをリセットすることによって実現される。また、初期値決定用乱数とは、大当り判定用乱数の初期値を決定するための乱数である。
【0052】
表示図柄乱数更新処理(S114)および初期値決定用乱数更新処理(S115)におけるカウンタのカウンタ更新処理(数値更新処理)は、割込み禁止状態で実行される。従って、数値更新処理が実行されているときに、タイマ割込み等のマスク可能割込みがかかることはない。すなわち、数値更新処理は、割込み処理によって中断されることなく実行される。
【0053】
この実施形態では、CPUの内蔵CTCが繰り返しタイマ割込みを発生するように設定される。この実施形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込みが発生すると、図7に例示するようなタイマ割込み処理が実行される。タイマ割込み処理では、CPUは、レジスタの退避処理を実行した後、S302〜S314の各遊技制御処理を実行する。遊技制御処理が完了したら、レジスタの復帰処理を行い(S315)、割込み許可状態にする(S316)。
【0054】
遊技制御処理において、CPUは、まず、スイッチ回路(図示せず)を介して、ゲートスイッチ、始動口スイッチ、カウントスイッチ、および入賞口スイッチ(共に図示せず)等のスイッチの状態を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S302)。
【0055】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:S303)。
【0056】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する乱数更新処理を行う(S304)。CPUは、さらに、初期値決定用乱数更新処理(S305)と表示図柄乱数更新処理(S306)とを行う。なお、S305およびS306の処理の内容は、S115およびS114の処理と同じである。
【0057】
さらに、CPUは、詳細を後述する特別図柄プロセス処理を行う(S307)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、CPUは、詳細を後述する普通図柄プロセス処理を行う(S308)。普通図柄プロセス処理では、左右一対のLEDによる可変表示器18の点灯を所定態様で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0058】
次いで、CPUは、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAMの所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:S309)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAMの所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:S310)。
【0059】
さらに、CPUは、例えば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(S311)。
【0060】
また、CPUは、所定の条件が成立したときにソレノイド回路(図示せず)に駆動指令を行う(S312)。ソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイド(図示せず)を駆動し、特別図柄始動口6または大入賞口7を開状態または閉状態とする。
【0061】
そして、CPUは、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出出力に基づいく賞球数の設定等を行う賞球処理を実行する(S313)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御部16に払出制御コマンドを出力する。払出制御部16に搭載されている払出制御用CPU(図示せず)は、払出制御コマンドに応じて球払出装置(図示せず)を駆動する。
【0062】
以上の制御によって、この実施形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。また、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、割込み許可状態とはされないので、他の割込みまたは次回のタイマ割込みが発生することはなく、遊技制御処理中の全ての各処理が確実に実行完了する。
【0063】
図8は、CPUが実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄プロセス処理は、図7のフローチャートにおけるS307の具体的な処理である。CPUは、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理を行い(S401)、次に、特別図柄始動口6のスイッチ(第一種始動口スイッチ)がオン状態であるか否かを判別する(S402)。第一種始動口スイッチがオン状態である場合(S402;Y)、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り判定用乱数等を抽出する第一種始動口スイッチ通過処理(S403)を行う。一方、第一種始動口スイッチがオン状態でない場合(S402;N)、S403の処理を行わずにそのまま、内部状態(特図フラグ情報)に応じて、S404〜S412のうちいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。特図フラグ情報の値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0064】
特図フラグ情報の値が“00H”のとき、特図ゲームにおいて抽選した乱数値が大当り値と一致するか否かを判定したり、それを外部に報知する処理等の通常の遊技状態における「特別図柄通常処理」を実行する(S404)。特図フラグ情報の値が“01H”のとき、特別図柄表示装置4上で行われる特図ゲームにおける停止図柄を設定する「特別図柄停止図柄設定処理」を実行する(S405)。特図フラグ情報の値が“02H”のとき、特別図柄表示装置4上で行われる特図ゲームの図柄の変動表示パターンを設定する「変動表示パターン設定処理」を実行する(S406)。
【0065】
特図フラグ情報の値が“03H”のとき、特別図柄表示装置4において特図ゲームにおける変動処理を行う「特別図柄変動処理」を実行する(S407)。特図フラグ情報の値が“04H”のとき、特別図柄の減速停止処理を行う「特別図柄停止処理」を実行する(S408)。特図フラグ情報の値が“05H”のとき、大当り動作のための初期化処理を行う「大入賞口開放前処理」を実行する(S409)。
【0066】
特図フラグ情報の値が“06H”のとき、大当り動作に関する様々な処理、及び1回当たりの大入賞口7の開放時間をチェックする「大入賞口開放中処理」を実行する(S410)。特図フラグ情報の値が“07H”のとき、特定領域スイッチへの遊技球の通過を監視し、特別図柄プロセスが終了したかどうかを判定する「特定領域有効時間処理」を実行する(S411)。特図フラグ情報の値が“08H”のとき、特別図柄プロセスの終了かどうか判定し、終了ならば、デモ表示(大当り中の画面)フラグのクリア、大当り時表示図柄のクリア、大当り終了表示のクリア、及び大当り中情報のクリアを行う「大当り終了処理」を実行する(S412)。
【0067】
なお、特別図柄プロセス処理において実行される各処理としては、前述した処理だけに限るものではなく、他の処理に置換したり、さらに他の処理を追加しても構わない。また、特図フラグ情報の値によって分岐される各処理の処理内容が複雑化して、タイマ割り込み時間内で処理を完了させることができない場合には、同一処理を複数追加するようにしてもよい。
【0068】
特図ゲームでは、遊技球が特別図柄始動口6を通過したとき、判定用乱数の値によって特別図柄の大当り、ハズレを判定する。判定の結果、大当りとなった場合には、判定用乱数の値に対応する特別図柄の組み合わせを特別図柄表示装置4に表示する。一方、ハズレとなった場合には、表示図柄用乱数の値に対応する特別図柄を表示する。
【0069】
図9は、CPUが実行する普通図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図9に示す普通図柄プロセス処理は、図7のフローチャートにおけるS308の具体的な処理である。CPUは、普通図柄プロセス処理を行う際に、普通図柄変動開始の条件となる通過ゲート19の打球通過に基づくゲートスイッチ(図示せず)のオン状態を判別する(S501)。ゲートスイッチがオン状態である場合(S501;Y)、ゲート通過記憶数が満タンでなければ、ゲート通過記憶数を+1するとともに当り判定用乱数等を抽出するゲートスイッチ通過処理(S502)を行う。一方、ゲートスイッチがオン状態でない場合(S501;N)、S502の処理を行わずにそのまま、内部状態(普図フラグ情報)に応じて、S503〜S506のうちいずれかの処理を行う。普図フラグ情報の値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0070】
普図フラグ情報の値が“00H”のとき、普図ゲームにおいて抽選した乱数値が当り値と一致するか否かを判定したり、それを外部に報知する処理等の通常の遊技状態における「普通図柄通常処理」を実行する(S503)。普図フラグ情報の値が“01H”のとき、可変表示器18において普図ゲームにおける変動処理を行う「普通図柄変動処理」を実行する(S504)。普図フラグ情報の値が“02H”のとき、普通図柄の停止処理を行う「普通図柄停止処理」を実行する(S505)。普図フラグ情報の値が“03H”のとき、普通図柄の当りに伴って電動チューリップ型役物5を開放動作させる処理を行う「普通電動役物作動処理」を実行する(S506)。
【0071】
なお、普通図柄プロセス処理において実行される各処理としては、前述した処理だけに限るものではなく、他の処理に置換したり、さらに他の処理を追加しても構わない。
【0072】
普図ゲームでは、遊技球が通過ゲート19を通過したとき、判定用乱数の値によって普通図柄の当り、ハズレを判定する。判定の結果、当りとなった場合には、当りの普通図柄を可変表示器18に表示する(左右一対のLEDのうち当りのLEDを点灯する)。一方、ハズレとなった場合には、ハズレの普通図柄を可変表示器18に表示する(左右一対のLEDのうちハズレのLEDを点灯させる)。
【0073】
以下、遊技制御部11から表示制御部13に出力される表示制御コマンドデータに基づいて表示制御部13によって行われる画像表示処理について詳しく説明する。なお、表示制御部13による画像表示処理においては、見かけ上、同様の画像表示がなされるのであれば、以下に説明するフローチャートに従った処理手順を必ずしも実行する必要はない。
【0074】
図10は、表示制御プロセスを示すフローチャートである。表示制御部13は、遊技制御部11からの変動表示パターンコマンドの入力の有無を判別する(S601)。変動表示パターンコマンドの入力がある場合(S601;Y)、変動表示に伴う予告演出の種類等を決定する乱数を抽出するための乱数抽出処理を行う(S602)。次に、見かけ上のリーチ演出の有無を判別する(S603)。リーチ演出を行う場合(S603;Y)、そのリーチ演出種類がシャッターリーチであるか否かを判別する(S604)。シャッターリーチでない場合(S604;N)、特別図柄表示装置4に通常リーチ演出用の画像を表示するための通常リーチ演出表示処理(S605)を行った後にメインフローに復帰する。一方、シャッターリーチである場合(S604;Y)、特別図柄表示装置4にシャッターリーチ演出用の画像を表示するためのシャッターリーチ演出表示処理(S606)を行った後にメインフローに復帰する。
【0075】
また、S603でリーチ演出を行わないと判定した場合(S603;N)、図柄変動の保留記憶が所定数(4つ)あるか否かを判別する(S607)。保留記憶がある場合(S607;Y)、そのままメインフローに復帰する一方、保留記憶がない場合(S607;N)、図柄変動が停止してから予め定めた一定時間が経過したか否かを判別する(S608)。一定時間が経過していない場合(S608;N)、そのままメインフローに復帰する一方、一定時間が経過した場合(S608;Y)、特別図柄表示装置4にデモ表示画像を表示するためのデモ表示処理(S609)を行った後にメインフローに復帰する。
【0076】
また、S601で変動表示パターンコマンドの入力がない場合(S601;N)、大当り中であるか否かを判別する(S610)。大当り中でない場合(S610;N)、前記S607に移行し、一方、大当り中の場合(S610;Y)、特別図柄表示装置4に大当りに関わる情報(ラウンド回数や大当り図柄等)を画像表示するための大当り中表示処理(S611)を行った後にメインフローに復帰する。
【0077】
次に、図柄変動の具体的な表示画像について説明する。なお、特別図柄表示装置4は、図11乃至図14に示すように、縦3図柄、横3図柄の計9図柄を個々に可変表示する変動表示部50a〜50iを有し、上横、中横、下横、左縦、中縦、右縦、左下斜め、右下斜め、の計8ラインが大当り組合せの有効ラインとして設定されているものとする。まず、通常変動時の表示画像について図11(A)〜(H)を参照して説明する。図柄変動の開始時点となる通常の遊技状態では、前回の図柄変動時における表示結果(停止図柄)が各変動表示部50a〜50iに停止表示される。但し、このうち、上横ラインとなる変動表示部50a〜50cおよび下横ラインとなる変動表示部50g〜50iには、図11(A)に示すように、それぞれ各ライン上の停止図柄を一体的に被覆するマスク図柄51,52が表示され、中横ラインとなる変動表示部50d〜50fにおいてのみ停止図柄が視認可能な状態となっている。
【0078】
そして、特別図柄始動口6への入賞に伴って図柄変動が開始されると、図11(B),(C)に示すように、上下のマスク図柄51,52がそれぞれ上下方向に移動表示されることで、上横ラインとなる変動表示部50a〜50cおよび下横ラインとなる変動表示部50g〜50iの各停止図柄が視認可能になり、これと同時に、全ての変動表示部50a〜50iで図柄変動が開始される。その後、図11(D),(E)に示すように、左上、右下となる変動表示部50a,50iの2つの図柄が最初に停止表示され、次に、中上、左中、右中、中下となる変動表示部50b,50d,50f,50hの4つの図柄(図11(E),(F)参照)、次に、右上、左下となる変動表示部50c,50gの2つの図柄(図11(F),(G)参照)が順次停止表示され、最後に、図11(H)に示すように、中央の変動表示部50eの図柄が停止表示されて表示結果が導出される。なお、図11中には、リーチ演出なしで表示結果がハズレとなった場合を例示している。
【0079】
次に、シャッターリーチ変動時の表示画像について図12(A)〜(H)および図14(A)〜(H)を参照して説明する。まず、特別図柄始動口6への入賞に伴って図柄変動が開始されると、図12(A)に示す図柄変動の開始状態から、図12(B),(C)に示すように、上下のマスク図柄51,52がそれぞれ右方向、左方向に移動表示されることで、上横ラインとなる変動表示部50a〜50cおよび下横ラインとなる変動表示部50g〜50iの各停止図柄が視認可能になり、これと同時に、全ての変動表示部50a〜50iで図柄変動が開始される。すなわち、シャッターリーチ変動以外では、前述したように上下のマスク図柄51,52がそれぞれ上下方向に移動表示されるのに対して、シャッターリーチ変動では、一定の確率で上下のマスク図柄51,52がそれぞれ右方向、左方向に移動表示され、これがシャッターリーチ変動の予告表示となる。
【0080】
その後、図12(D),(E)に示すように、左上、右下となる変動表示部50a,50iの2つの図柄が最初に停止表示され、次に、中上、左中、右中、中下となる変動表示部50b,50d,50f,50hの4つの図柄(図12(E),(F)参照)、次に、右上、左下となる変動表示部50c,50gの2つの図柄(図12(F),(G)参照)が順次停止表示され、最後に、図12(H)に示すように、中央の変動表示部50eの図柄が停止表示されて仮表示結果が導出される。このとき、仮表示結果は、ハズレではあるが全ての変動表示部50a〜50iのうち4つ以上の変動表示部50a,50e,50f,50g,50hで特定図柄「7」が停止表示されているので(図12(H)中には、特定図柄「7」が5つ表示された場合を例示)、このことを条件としてシャッターリーチ変動への発展表示が開始される。
【0081】
なお、本実施形態では、2種類のシャッターリーチ変動1,2が設定されている。まず、シャッターリーチ変動1について図13(A)〜(H)を参照して説明する。シャッターリーチ変動1では、図13(A)に示すように、仮表示結果の導出画面(図12(H)の画面)上にキャラクタ53が降下してきたようにして現れる表示が行われる。次に、図13(B)に示すように、キャラクタ53が「クローズ」と叫ぶとともに両手をふせてシャッターを閉じる動作を行う動画像の表示が行われる。また、これと同時に、全図柄の再変動が開始され、全ての変動表示部50a〜50iに対して個々にシャッター54が上から下に閉じる表示が行われ、全変動表示部50a〜50iがシャッター54で被覆された状態になる。次に、図13(C),(D)に示すように、画面の中央に歩いて移動したキャラクタ53が「オープン」と叫ぶとともに両手を上げてシャッターを開ける動作を行い、その後、図13(E)に示すように、画面上方にキャラクタ53が消えていく動画像の表示が行われる。そして、キャラクタ53が画面上から完全に姿を消した状態で、図13(F)〜(H)に示すように、渦巻き状にシャッター54が順次下から上に開く表示が行われることにより、左上、中上、右上、右中、右下、中下、左下、左中、中央の変動表示部50a〜50iの順番で新たな停止図柄を視認可能にしていき、全てのシャッター54を開けた状態で最終的な表示結果が導出される。本例では、中横と中縦との2ラインで「7」が揃って大当りとなる場合を示している。
【0082】
次に、シャッターリーチ変動2について図14(A)〜(H)を参照して説明する。シャッターリーチ変動2では、前記シャッターリーチ変動1と同様に、まず、仮表示結果の導出画面上にキャラクタ53が降下してきたようにして現れる表示が行われ(図13(A)参照)、次に、図14(A)に示すように、キャラクタ53が「クローズ」と叫ぶとともに両手をふせてシャッターを閉じる動作を行う動画像の表示が行われる。また、これと同時に、全図柄の再変動が開始され、全ての変動表示部50a〜50iに対して個々にシャッター54が上から下に閉じる表示が行われ、全図柄がシャッター54で被覆された状態になる。
【0083】
次に、図14(B),(C)に示すように、キャラクタ53が画面の中央に歩いて移動する前に、金タライ55がキャラクタ53の頭に落下し、キャラクタ53が画面下方に沈んでいく動画像の表示が行われる。次に、図14(D)〜(F)に示すように、巨大化したキャラクタ53が画面下方から徐々に姿を現し、その後、巨大化したキャラクタ53の全身が画面上に表示された状態で、別のキャラクタ53’に変身する動画像の表示が行われる。そして、図14(G),(H)に示すように、変身後のキャラクタ53’が画面左に飛び去る動画像の表示が行われるとともに、これに伴って全ての変動表示部50a〜50iのシャッター54が一体となって右から左に移動する表示が行われることにより、全ての変動表示部50a〜50iの新たな停止図柄を視認可能にしていき、全てのシャッター54を開けた状態で最終的な表示結果が導出される。本例では、全ての変動表示部50a〜50iに「7」が揃って大当りとなる場合を示している。
【0084】
なお、上記したシャッターリーチ変動2は、シャッターリーチ変動1の分岐型リーチ変動となっている。すなわち、全ての変動表示部50a〜50iのうち4つ以上の変動表示部50a,50e,50f,50g,50hで特定図柄「7」が停止表示されることを条件に、シャッターリーチ変動が開始される。その後、画面上に現れたキャラクタ53に金タライ55が落下することで、シャッターリーチ変動1からシャッターリーチ変動2に分岐するようになっている。このように、本実施形態では、通常のリーチ変動からシャッターリーチ変動1、または、シャッターリーチ変動2に、それぞれ発展し得る構成としている。また、このようにリーチ変動が発展した場合、大当り図柄(特定表示態様)の導出率が高まるように設定されている。具体的には、通常リーチ変動、シャッターリーチ変動1、シャッターリーチ変動2の順で大当り信頼度が高くなるように設定されている。また、シャッターリーチ変動2は、大当り図柄が特定の大当り図柄(確変大当り図柄等)として導出される確率を高めたプレミアリーチとして設定してもよい。また、シャッターリーチに発展する条件は、実施形態中に記載のものに限らず、例えば、複数の変動表示部のうち中央の変動表示部に所定の図柄(例えば、「7」等)が導出され、他の変動表示部は全てハズレ図柄(本例では星)が導出されることなどを条件としてもよい。
【0085】
以上のように、本実施形態の構成によれば、複数の変動表示部50a〜50iに対する隠蔽を所定順に解除することで、複数の変動表示部50a〜50iに表示される導出表示態様が特定表示態様となるか否かの期待感を徐々にあおることができ、ひいては遊技の興趣を向上することができる。
【0086】
また、識別情報としての表示図柄の変動表示を仮停止させた後、その仮停止時の表示態様が所定の表示態様になると、隠蔽画像としてのシャッター54の表示制御を発展的に行うので、隠蔽画像による識別情報の隠蔽演出の効果をより一層高めることができる。
【0087】
また、前記識別情報の変動表示を仮停止させた後、所定のキャラクタ53が登場すると、隠蔽画像としてのシャッター54の表示制御を発展的に行うので、隠蔽画像による識別情報の隠蔽演出の効果をより一層高めることができる。
【0088】
また、視認困難な状態となった複数の変動表示部50a〜50iを予め設定された順番に従って視認容易な状態とするので、決まった態様で識別情報の表示結果を導出していくことができる。
【0089】
また、最後に視認容易な状態となる変動表示部50eの表示結果に基づいて特定表示態様となるか否かが決定されるように順番を設定してなるので、特定表示態様となるか否かの期待感を最後まであおる効果をより一層高めることができる。
【0090】
なお、上記した実施形態では、識別情報を変動表示する可変表示装置(特別図柄表示装置4)にキャラクタ画像や識別情報を隠蔽する隠蔽画像を表示する画像表示装置の機能を併合させた構成としているが、これに限らず、図15に示す他の実施形態のように、可変表示装置と画像表示装置とを個別に設けた遊技機にも適用可能である。
【0091】
図15は、本発明の他の実施形態におけるスロットマシンの正面図である。スロットマシン(遊技機)101は、筐体102の前面に設けられた、可変表示装置103と、画像表示装置104と、コイン投入口105と、MaxBETボタン106aと、1枚BETボタン106bと、スタートレバー107と、ストップボタン108L,108C,108Rと、スピーカ109L,109R,109Dとを備えている。
【0092】
可変表示装置103は、識別情報が付された3つのリールを駆動することにより当該識別情報の可変表示を行うものであり、後述するスタートレバー107の操作に基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、後述するストップボタン108L,108C,108Rの操作に基づいて識別情報の変動表示を停止する。画像表示装置104は、LCD等の表示装置により構成され、遊技状態に応じて様々な演出表示を行うものである。
【0093】
コイン投入口105は、遊技媒体としてのコインを投入するためのものであり、投入されたコインは最大50枚までクレジット可能となっている。MaxBETボタン106aは、クレジットされたコインから、遊技状態に応じた最大枚数の賭け数を設定するためのものであり、1枚BETボタン106bは、遊技状態に関わらず賭け数を1枚ずつ設定するためのものである。
【0094】
スタートレバー107は、所定数の賭け数が設定された状態で、遊技者による操作に応じてリールを駆動することにより、可変表示装置103上に表示される識別情報の変動表示を開始させるためのものである。ストップボタン108L,108C,108Rは、遊技者の操作によって変動中の各リールをそれぞれ停止させるためのものである。ここで、遊技者が操作しない場合には、所定時間経過後に、例えば、左,中,右の順に停止する。
【0095】
スピーカ109L,109R,109Dは、スタートレバー107及びストップボタン108L,108C,108Rの操作時、入賞時、ボーナスゲーム開始時における効果音や、異常時における警報音のように、遊技状態に応じた様々な演出用音声の出力を行うためのものである。
【0096】
以上の構成において、まず、コイン投入口105にコイン所定数枚(通常時は3枚)投入することで、あるいは、十分なクレジット残がある場合にはMaxBETボタン106a又は1枚BETボタン106bを押下することにより所定数の賭け数を設定する。賭け数の設定が終了した後、スタートレバー107を操作することによりリールが駆動され、可変表示装置103上で識別情報の変動表示が開始される。
【0097】
画像表示装置104上では、1ゲーム毎又は任意のゲームにおいて演出表示が行われる。例えば、スタートレバー107を操作した時点で、内部的にボーナスフラグ又は所定の小役が成立していた場合、成立したボーナスフラグ又は小役を報知するために演出表示を行うものとする。ここで、本スロットマシン101は、ボーナスフラグ又は各小役に対する二次元の画像データを有しており、ボーナスフラグ又は小役成立の演出表示を行う場合、成立した役画像の演出表示を行う。このような構成における画像表示装置104に、前述したパチンコ遊技機の場合と同様の演出表示を加えてもよい。
【0098】
以上、本発明の遊技機を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で色々な変形及び応用が可能である。例えば、図3,図4に示すブロック構成は、任意に変更及び修正が可能である。
【0099】
なお、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0100】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の変動表示部に表示される識別情報に対する隠蔽を所定順に解除することで、複数の変動表示部に表示される導出表示態様が特定表示態様となるか否かの期待感を徐々にあおることができ、ひいては遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】 本発明の一実施形態におけるパチンコ遊技機の背面図である。
【図3】 遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】 図3における表示制御部の詳細を示すブロック図である。
【図5】 遊技制御部におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】 電源断処理を示すフローチャートである。
【図7】 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図8】 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図9】 普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図10】 表示制御処理を示すフローチャートである。
【図11】 同図(A)〜(H)は通常変動における表示画像例を示す説明図である。
【図12】 同図(A)〜(H)はシャッターリーチ変動における表示画像例を示す説明図である。
【図13】 同図(A)〜(H)はシャッターリーチ変動1における表示画像例を示す説明図である。
【図14】 同図(A)〜(H)はシャッターリーチ変動2における表示画像例を示す説明図である。
【図15】 本発明の他の実施形態におけるスロットマシンの正面図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
2 遊技盤
4 特別図柄表示装置(可変表示装置)
11 遊技制御部(遊技制御手段、変動表示制御手段、難視認化表示制御手段、易視認化表示制御手段)
13 表示制御部(変動表示制御手段、難視認化表示制御手段、易視認化表示制御手段)
50g〜50i 変動表示部
54 シャッター(隠蔽画像)
55 キャラクタ
101 スロットマシン(遊技機)
103 可変表示装置
104 画像表示装置
Claims (2)
- 所定の変動開始条件を満たすことにより可変表示装置の複数の変動表示部に表示される識別情報の変動表示を開始し、所定の変動停止条件を満たすことにより当該識別情報の変動表示を停止する変動表示制御手段と、
前記変動表示制御手段により停止表示された識別情報の組合せ態様が予め定めた特定識別情報の組合せである特定表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与可能とする遊技制御手段と、
前記複数の変動表示部全てに対して個々に隠蔽画像を表示し、識別情報を視認困難な状態とする難視認化表示制御手段と、
前記難視認化表示制御手段により視認困難な状態となった前記複数の変動表示部に対して前記隠蔽画像が表示される状態から前記識別情報を視認容易な表示状態とする易視認化表示制御手段と、を備え、
前記変動表示制御手段によって前記識別情報の変動表示を仮停止させた後、その仮停止時の表示態様が、前記複数の変動表示部のうち予め定めた数以上の表示部に前記特定識別情報が表示されているが前記特定表示態様とはならない表示態様になると、前記難視認化表示制御手段によって前記複数の変動表示部全てが前記隠蔽画像として表示された後、前記易視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像となっている前記複数の変動表示部全てを所定順に視認可能として最終的な識別情報の組合せ態様を表示すると共に、前記難視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像を表示する場合及び前記易視認化表示制御手段によって前記隠蔽画像が表示される状態から前記識別情報を視認容易な表示状態とする場合に所定のキャラクタを登場させる表示制御を行うことを特徴とする遊技機。 - 最後に視認容易な状態となる変動表示部の識別情報に基づいて前記特定表示態様となるか否かが決定されるように順番を設定してなることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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