JP4359021B2 - トンネル接合磁気抵抗効果素子および磁気記録媒体駆動装置 - Google Patents

トンネル接合磁気抵抗効果素子および磁気記録媒体駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハードディスク駆動装置(HDD)や磁気テープ駆動装置といった磁気記録媒体駆動装置で磁気情報の読み出しにあたって利用されるトンネル接合磁気抵抗効果(TMR)素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、TMR素子は、1対の電極端子と、これら電極端子に挟み込まれるトンネル接合膜とを備える。トンネル接合膜では、自由側強磁性層および固定側強磁性層の間に挟まれる絶縁層の働きで磁気抵抗効果は確立される。磁気記録媒体から作用する磁界の向きに応じて自由側強磁性層の磁化方向が回転すると、トンネル接合膜の電気抵抗は大きく変化する。
【0003】
TMR素子には電流源からセンス電流が供給される。トンネル接合膜の抵抗変化はセンス電流の電圧値に反映される。電圧値の変化に基づき磁気情報の転送信号は作り出される。転送信号の周波数が高められるほど、単位時間当たりに読み出される磁気情報の情報量は増大する。すなわち、磁気情報の読み取りは高速化される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
広く知られるように、TMR素子を含む電流回路では、いわゆる浮遊容量に基づきローパスフィルタが確立される。転送信号はローパスフィルタでフィルタリングされる。高い周波数帯域の転送信号は取り除かれてしまう。ローパスフィルタのカットオフ周波数が高められない限り、磁気情報の読み取りの高速化は実現されることはできない。高いカットオフ周波数の実現にあたってTMR素子の電気抵抗値は十分に低減されなければならない。電気抵抗値の低減にあたってトンネル接合膜で絶縁層の膜厚が過度に縮小されると、トンネル接合膜の磁気抵抗効果は失われてしまう。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、磁気情報の読み取りにあたって十分に転送速度の高速化に対応することができるトンネル接合磁気抵抗効果素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1発明によれば、第1磁性層と、第1磁性層との間に絶縁層を挟み込み、第1トンネル接合膜を構成する第2磁性層と、第2磁性層との間に絶縁層を挟み込み、第2トンネル接合膜を構成する第3磁性層と、第2磁性層に接続される第1電極端子と、第1および第3磁性層に共通に接続される第2電極端子とを備えることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子が提供される。
【0007】
第1および第2電極端子からトンネル接合磁気抵抗効果素子に電流が供給されると、第1および第2トンネル接合膜に並列に電流は流れる。第1抵抗値r1 を示す第1トンネル接合膜と、第2抵抗値r2 を示す第2トンネル接合膜とに基づき、次式から明らかなように、トンネル接合磁気抵抗効果素子全体の電気抵抗値Rは低減される。
【0008】
【数1】
Figure 0004359021
【0009】
一般に、トンネル接合膜の電気抵抗は絶縁層の膜厚や絶縁物質の分布に依存すると考えられる。このとき、例えば単独のトンネル接合膜で電気抵抗rが実現されると、トンネル接合磁気抵抗効果素子では電気抵抗値R(=r/2)は半減する。したがって、トンネル接合磁気抵抗効果素子を含む電流回路でローパスフィルタが確立されても、カットオフ周波数は高められることができる。こういった電流回路では高い周波数帯域の電圧変化が確実に検出されることができる。周波数の増大に伴い、単位時間当たりに読み出される磁気情報の情報量は増大する。こうして磁気情報の読み取りの高速化は実現される。
【0010】
こういったトンネル接合磁気抵抗効果素子では、第2磁性層は第1および第2トンネル接合膜の自由側磁性層であればよい。こうして自由側磁性層が共通化されると、トンネル接合磁気抵抗効果素子の構造は簡素化されることができる。しかも、自由側磁性層で磁化方向が回転すると、確実に第1および第2トンネル接合膜で電気抵抗値の変化は同期することができる。
【0011】
なお、1対の磁性層同士の間に挟まれる絶縁層は金属酸化物で構成されればよい。こういった金属酸化物は、磁性層上に形成される金属薄膜の酸化反応に基づき容易に確立されることができる。例えばアルミニウムの金属薄膜が利用される場合には、Al2 3 の酸化金属薄膜は形成される。
【0012】
第2発明によれば、第1および第2電極端子と、第1および第2電極端子に接続される第1トンネル接合膜と、第1および第2電極端子の間で第1トンネル接合膜に並列に接続される第2トンネル接合膜とを備えることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子が提供される。
【0013】
第1および第2電極端子からトンネル接合磁気抵抗効果素子に電流が供給されると、第1および第2トンネル接合膜に並列に電流は流れる。その結果、前述と同様に、トンネル接合磁気抵抗効果素子全体の電気抵抗値Rは低減される。したがって、トンネル接合磁気抵抗効果素子を含む電流回路でローパスフィルタが確立されても、カットオフ周波数は高められることができる。こういった電流回路では高い周波数帯域の電圧変化が確実に検出されることができる。周波数の増大に伴い、単位時間当たりに読み出される磁気情報の情報量は増大する。こうして磁気情報の読み取りの高速化は実現される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0015】
図1は磁気記録媒体駆動装置の一具体例すなわちハードディスク駆動装置(HDD)11の内部構造を概略的に示す。このHDD11は、例えば平たい直方体の内部空間を区画する箱形の筐体本体12を備える。収容空間には、記録媒体としての1枚以上の磁気ディスク13が収容される。磁気ディスク13はスピンドルモータ14の回転軸に装着される。スピンドルモータ14は、例えば7200rpmや10000rpmといった高速度で磁気ディスク13を回転させることができる。筐体本体12には、筐体本体12との間で収容空間を密閉する蓋体すなわちカバー(図示されず)が結合される。
【0016】
収容空間には、垂直方向に延びる支軸15回りで揺動するキャリッジ16がさらに収容される。このキャリッジ16は、支軸15から水平方向に延びる剛体の揺動アーム17と、この揺動アーム17の先端に取り付けられて揺動アーム17から前方に延びる弾性サスペンション18とを備える。周知の通り、弾性サスペンション18の先端では、いわゆるジンバルばね(図示されず)の働きで浮上ヘッドスライダ19は片持ち支持される。浮上ヘッドスライダ19には、磁気ディスク13の表面に向かって弾性サスペンション18から押し付け力が作用する。磁気ディスク13の回転に基づき磁気ディスク13の表面で生成される気流の働きで浮上ヘッドスライダ19には浮力が作用する。弾性サスペンション18の押し付け力と浮力とのバランスで磁気ディスク13の回転中に比較的に高い剛性で浮上ヘッドスライダ19は浮上し続けることができる。
【0017】
こうした浮上ヘッドスライダ19の浮上中に、キャリッジ16が支軸15回りで揺動すると、浮上ヘッドスライダ19は半径方向に磁気ディスク13の表面を横切ることができる。こうした移動に基づき浮上ヘッドスライダ19は磁気ディスク13上の所望の記録トラックに位置決めされる。このとき、キャリッジ16の揺動は例えばボイスコイルモータ(VCM)といったアクチュエータ21の働きを通じて実現されればよい。周知の通り、複数枚の磁気ディスク13が筐体本体12内に組み込まれる場合には、隣接する磁気ディスク13同士の間で1本の揺動アーム17に対して2つの弾性サスペンション18が搭載される。
【0018】
図2は浮上ヘッドスライダ19の一具体例を示す。この浮上ヘッドスライダ19は、平たい直方体に形成されるAl2 3 −TiC(アルチック)製のスライダ本体22と、このスライダ本体22の空気流出端に接合されて、読み出し書き込みヘッド23を内蔵するAl2 3 (アルミナ)製のヘッド素子内蔵膜24とを備える。スライダ本体22およびヘッド素子内蔵膜24には、磁気ディスク13に対向する媒体対向面すなわち浮上面25が規定される。磁気ディスク13の回転に基づき生成される気流26は浮上面25に受け止められる。
【0019】
浮上面25には、空気流入端から空気流出端に向かって延びる2筋のレール27が形成される。各レール27の頂上面にはいわゆるABS(空気軸受け面)28が規定される。ABS28では気流26の働きに応じて前述の浮力が生成される。ヘッド素子内蔵膜24に埋め込まれた読み出し書き込みヘッド23は、後述されるように、ABS28で前端を露出させる。ただし、ABS28の表面には、読み出し書き込みヘッド23の前端に覆い被さるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)保護膜が形成されてもよい。なお、浮上ヘッドスライダ19の形態はこういった形態に限られるものではない。
【0020】
図3は浮上面25の様子を詳細に示す。読み出し書き込みヘッド23は、薄膜磁気ヘッドすなわち誘導書き込みヘッド素子31と電磁変換素子すなわちトンネル接合磁気抵抗効果(TMR)読み取り素子32とを備える。誘導書き込みヘッド素子31は、周知の通り、例えば導電コイルパターン(図示されず)で生起される磁界を利用して磁気ディスク13に2値情報を書き込むことができる。TMR読み取り素子32は、周知の通り、磁気ディスク13から作用する磁界に応じて変化する抵抗に基づき2値情報を検出することができる。誘導書き込みヘッド素子31およびTMR読み取り素子32は、前述のヘッド素子内蔵膜24の上側半層すなわちオーバーコート膜を構成するAl2 3 (アルミナ)膜33と、下側半層すなわちアンダーコート膜を構成するAl2 3 (アルミナ)膜34との間に挟み込まれる。
【0021】
誘導書き込みヘッド素子31は、ABS28で前端を露出させる上部磁極層35と、同様にABS28で前端を露出させる下部磁極層36とを備える。上部および下部磁極層35、36は例えばFeNやNiFeから形成されればよい。上部および下部磁極層35、36は協働して誘導書き込みヘッド素子31の磁性コアを構成する。
【0022】
上部および下部磁極層35、36の間には例えばAl2 3 (アルミナ)製の非磁性ギャップ層37が挟み込まれる。周知の通り、導電コイルパターンで磁界が生起されると、非磁性ギャップ層37の働きで、上部磁極層35と下部磁極層36とを行き交う磁束は浮上面25から漏れ出る。こうして漏れ出る磁束が記録磁界(ギャップ磁界)を形成する。
【0023】
TMR読み取り素子32は、アルミナ膜34すなわち下地絶縁層の表面に沿って広がる下側電極38を備える。この下側電極38には、引き出し導電層38aと、引き出し導電層38aの表面から立ち上がる導電端子片38bとが形成される。下側電極38は導電性を備えるだけでなく同時に軟磁性を備えてもよい。下側電極38が例えばNiFeといった導電性の軟磁性体で構成されると、この下側電極38は同時にTMR読み取り素子32の下部シールド層として機能することができる。
【0024】
下側電極38は、アルミナ膜34の表面で広がる絶縁層41に埋め込まれる。この絶縁層41は、導電端子片38bの壁面に接しつつ引き出し導電層38aの表面に沿って広がる。導電端子片38bの頂上面および絶縁層41の表面は、基礎層上で切れ目なく連続する1平坦化面42を規定する。
【0025】
平坦化面42上では、ABS28に沿って延びる電磁変換膜すなわちトンネル接合磁気抵抗効果(TMR)膜43が形成される。このTMR膜43は少なくとも導電端子片38bの頂上面に横たわる。こうしてTMR膜43と下側電極38との間には電気的接続が確立される。TMR膜43の構造の詳細は後述される。
【0026】
平坦化面42上には所定の厚みで中間絶縁層44が広がる。中間絶縁層44は平坦化面42上でTMR膜43を囲む。中間絶縁層44上には、ABS28に沿って延びる1対の磁区制御ハード膜45が形成される。磁区制御ハード膜45は平坦化面42上でABS28に沿ってTMR膜43を挟み込む。磁区制御ハード膜45は例えばCoPtやCoCrPtといった金属材料から形成されればよい。これらの磁区制御ハード膜45では、周知の通り、TMR膜43を横切る1方向に沿って磁化は確立されることができる。こうした磁区制御ハード膜45の磁化に基づきバイアス磁界が形成されると、TMR膜43内で例えば自由側強磁性層(free layer)の単磁区化は実現されることができる。
【0027】
中間絶縁層44上にはさらに被覆絶縁膜46が覆い被さる。この被覆絶縁膜46は、TMR膜43に覆い被さると同時に、中間絶縁層44との間に磁区制御ハード膜45を挟み込む。被覆絶縁層46の表面には上側電極47が広がる。前述の下側電極38と同様に、上側電極47は導電性を備えるだけでなく同時に軟磁性を備えてもよい。上側電極47が例えばNiFeといった導電性の軟磁性体で構成されると、この上側電極47は同時にTMR読み取り素子32の上部シールド層として機能することができる。前述の下部シールド層すなわち下側電極38と上側電極47との間隔は記録ディスク13上で記録トラックの線方向に磁気記録の分解能を決定する。上側電極47には、被覆絶縁膜46を貫通してTMR膜43の頂上面に接触する端子瘤48が一体に形成される。こうしてTMR膜43と上側電極47との間には電気的接続が確立される。
【0028】
図4はTMR膜43の一具体例を示す。このTMR膜43は、平坦化面42に沿って広がる下地層51を備える。この下地層51は、例えば平坦化面42上で広がるTa層と、このTa層の表面に広がるNiFe層とで構成されればよい。下地層51の表面には第1磁化方向拘束層(pinning layer)52が重ね合わせられる。この第1磁化方向拘束層52は例えばPdPtMnといった反強磁性材料から構成されればよい。
【0029】
第1磁化方向拘束層52の表面には第1固定側強磁性層(pinned layer)53が重ね合わせられる。第1固定側強磁性層53は例えばCoFe層やCoFeB層といった軟磁性合金層から構成されればよい。第1磁化方向拘束層52の働きで第1固定側強磁性層53の磁化方向は固定される。ただし、第1固定側強磁性層53にはいわゆる積層フェリ構造が用いられてもよい。
【0030】
第1固定側強磁性層53の表面には第1絶縁層54が重ね合わせられる。この第1絶縁層54は例えばAl2 3 といった金属酸化物から構成されればよい。第1絶縁層54の膜厚は例えば0.6nm〜0.7nm程度に設定されればよい。ただし、第1絶縁層54は必ずしも完全な膜に構成される必要はなく、絶縁物質は第1固定側強磁性層53の表面にいわゆる島状に分布してもよい。
【0031】
第1絶縁層54の表面には自由側強磁性層(free layer)55が重ね合わせられる。自由側強磁性層55は第1固定側強磁性層53との間に第1絶縁層54を挟み込む。こうして第1固定側強磁性層53および自由側強磁性層55の間には強磁性トンネル接合が確立される。すなわち、第1固定側強磁性層53、第1絶縁層54および自由側強磁性層55は第1トンネル接合膜を構成する。自由側強磁性層55は例えばCoFe層やCoFeB層といった軟磁性合金層から構成されればよい。
【0032】
自由側強磁性層55の表面には第2絶縁層56が重ね合わせられる。この第2絶縁層56は前述と同様に例えばAl2 3 といった金属酸化物から構成されればよい。第2絶縁層56の膜厚は例えば0.6nm〜0.7nm程度に設定されればよい。ただし、第2絶縁層56は必ずしも完全な膜に構成される必要はなく、絶縁物質は自由側強磁性層55の表面にいわゆる島状に分布してもよい。
【0033】
第2絶縁層56の表面には第2固定側強磁性層57および第2磁化方向拘束層58が順番に重ね合わせられる。第2固定側強磁性層57や第2磁化方向拘束層58は前述の第1固定側強磁性層53や第1磁化方向拘束層52と同様に構成されればよい。第2磁化方向拘束層58の働きで第2固定側強磁性層57の磁化方向は固定される。第2固定側強磁性層57は自由側強磁性層55との間に第2絶縁層56を挟み込む。こうして自由側強磁性層55および第2固定側強磁性層57の間には強磁性トンネル接合が確立される。すなわち、自由側強磁性層55、第2絶縁層56および第2固定側強磁性層57は第2トンネル接合膜を構成する。
【0034】
第2磁化方向拘束層58の表面にはいわゆるキャップ層59が重ね合わせられる。このキャップ層59は、例えば第2磁化方向拘束層58の表面に広がるCu層と、このCu層の表面に広がるRu層とを備えればよい。
【0035】
以上のようなTMR読み取り素子32では、図4から明らかなように、上側電極47および下側電極38は電気的に短絡させられる。共通の導電経路61で電流源62に接続される。その一方で、自由側強磁性層55は、共通の導電経路61から分離される導電経路63で電流源62に接続される。すなわち、単一の電流源62に第1および第2トンネル接合膜は並列に接続される。
【0036】
磁気情報の読み出しにあたってTMR読み取り素子32が磁気ディスク13の表面に向き合わせられると、TMR膜43では、周知の通り、磁気ディスク13から作用する磁界の向きに応じて自由側強磁性層55の磁化方向は回転する。こうして自由側強磁性層55の磁化方向が回転すると、TMR膜43の電気抵抗は大きく変化する。したがって、上側および下側電極47、38からTMR膜43にセンス電流が供給されると、電極47、38から取り出される電圧のレベルは電気抵抗の変化に応じて変化する。このレベルの変化に応じて2値情報は読み取られることができる。
【0037】
特に、前述のTMR読み取り素子32では、第1抵抗値r1 を示す第1トンネル接合膜と、第2抵抗値r2 を示す第2トンネル接合膜とは単一の電流源62に並列に接続される。その結果、次式から明らかなように、TMR読み取り素子32全体の電気抵抗値Rは低減される。
【0038】
【数2】
Figure 0004359021
【0039】
一般に、トンネル接合膜の電気抵抗は絶縁層54、56の膜厚や絶縁物質の分布に依存すると考えられる。このとき、例えば単独のトンネル接合膜で電気抵抗rが実現されると、前述のTMR読み取り素子32では電気抵抗値R(=r/2)は半減する。したがって、TMR読み取り素子32を含む電流回路でローパスフィルタが確立されても、カットオフ周波数は高められることができる。こういった電流回路では高い周波数帯域の電圧変化が確実に検出されることができる。周波数の増大に伴い、単位時間当たりに読み出される磁気情報の情報量は増大する。こうして磁気情報の読み取りの高速化は実現される。
【0040】
次にTMR読み取り素子32の製造方法を説明する。製造にあたって例えばAl2 3 −TiC(アルチック)製ウェハー65は用意される。ウェハー65の表面には一面にアルミナ膜34が成膜される。図5から明らかなように、アルミナ膜34の表面には下側電極38が形成される。下側電極38は、アルミナ膜34の表面で広がる絶縁層41に埋め込まれる。絶縁層41に例えば平坦化研磨処理が施されると、下側電極38の導電端子片38bは平坦化面42で露出する。こうして少なくとも部分的に下側電極38を露出させる基礎層は形成される。
【0041】
基礎層の表面すなわち平坦化面42上にはTMR膜43が形成される。TMR膜43の形成にあって平坦化面42上には例えば一面に積層素材膜が形成される。この積層素材膜はTMR膜43と同一の層構造を備える。積層素材膜の形成工程の詳細は後述される。TMR膜43は積層素材膜から削り出される。こういった削り出しにあたっては例えばイオンミリングが用いられればよい。イオンミリングにあたって、積層素材膜上には、TMR膜43の形状を象ったフォトレジスト膜66が形成されればよい。
【0042】
続いて、図6に示されるように、平坦化面42上では中間絶縁層44が積層される。中間絶縁層44は、少なくともTMR膜43の下地層51、第1磁化方向拘束層52、第1固定側強磁性層53および第1絶縁層54を囲めばよい。すなわち、中間絶縁層44の上面は第1絶縁層54または自由側強磁性層55に隣接する。
【0043】
その後、中間絶縁層44の表面に磁区制御ハード膜45が形成される。形成には例えばスパッタリングが用いられればよい。スパッタリングにあたって中間絶縁層44の表面には予めフォトレジスト膜(図示されず)が形成される。このフォトレジスト膜には、TMR膜43に隣接して磁区制御ハード膜45の輪郭を象った空間が規定される。この空間で磁区制御ハード膜45は積層される。磁区制御ハード膜45は少なくともTMR膜43中の自由側強磁性層55を挟み込めばよい。このとき、磁区制御ハード膜45の上面は自由側強磁性層55または第2絶縁層56に隣接する。その他、中間絶縁層44の表面には、自由側強磁性層55や磁区制御ハード膜45から電極端子パッド(図示されず)に延びる配線パターン(図示されず)が形成される。この配線パターンに基づき前述の導電経路63は確立される。
【0044】
前述のように中間絶縁層44の膜厚が設定されると、磁区制御ハード膜45と第1固定側強磁性層53とは確実に電気的に隔絶されることができる。同様に、前述のように磁区制御ハード膜45の膜厚が設定されると、磁区制御ハード膜45と第2固定側強磁性層56とは確実に電気的に隔絶されることができる。したがって、磁区制御ハード膜45が導電性を備えても、第1固定側強磁性層53および自由側強磁性層55間の電気的短絡や、自由側強磁性層55および第2固定側強磁性層57間の電気的短絡は確実に回避されることができる。こうして第1および第2トンネル接合膜では確実に磁気抵抗効果は実現される。
【0045】
その後、図7に示されるように、平坦化面42上には一面に被覆絶縁膜46が形成される。被覆絶縁膜46の積層に先立ってTMR膜43上ではいわゆるリフトオフが実施されればよい。TMR膜43上のフォトレジスト膜66が取り除かれる結果、TMR膜43のキャップ層59は露出する。被覆絶縁膜46が積層されると、TMR膜43や磁区制御ハード膜45は被覆絶縁膜46に覆われる。被覆絶縁膜46の形成にあたって例えばスパッタリングは用いられる。スパッタリングのターゲットには例えばSiO2 やAl2 3 といった絶縁材料が用いられればよい。その後、図8に示されるように、被覆絶縁膜46上にはフォトレジスト膜67が形成される。このフォトレジスト膜67には、端子瘤48の輪郭を象った空間68が規定される。
【0046】
こうしてフォトレジスト膜67に覆われた被覆絶縁膜46には反応性イオンエッチング処理(RIE)が施される。このエッチング処理では例えばSF6 がエッチングガスに用いられればよい。図8に示されるように、エッチングガスは空間68内で被覆絶縁層46を除去していく。こうして被覆絶縁層46にはいわゆるコンタクトホール69が形成される。コンタクトホール69の完成後、フォトレジスト膜67は除去されればよい。
【0047】
その後、図9に示されるように、被覆絶縁層46上には上側電極47が積層される。上側電極47はコンタクトホール69に入り込む。こうして上側電極47はTMR膜43の上面すなわちキャップ層59に接触する。TMR読み取り素子32は完成する。こうして構築されたTMR読み取り素子32上には、既知の通りに、誘導書き込みヘッド素子31は構築されていく。
【0048】
積層素材膜の形成にあたって、平坦化面42には、例えば図10に示されるように、下地層51に削り出されるTa層71およびNiFe層72や、磁化方向拘束層52に削り出されるPdPtMn層73、第1固定側強磁性層53に削り出されるCoFe層74が順番に積層形成される。こういった積層にあたっては真空チャンバ内で例えばスパッタリングが実施されればよい。
【0049】
CoFe層74の形成後、真空チャンバ内ではCoFe層74の表面で例えばアルミニウムといった金属物質の成膜工程が実施される。この成膜工程には例えばスパッタリングが用いられる。このスパッタリングでは成膜後の膜厚は0.6nm〜0.7nm程度に設定される。CoFe層74の表面にはいわゆる島状の金属薄膜75が形成される。
【0050】
その後、図10から明らかなように、チャンバ内には例えば酸素ガスが導入される。その結果、CoFe層74の表面では金属薄膜75すなわちアルミニウムの酸化反応が引き起こされる。この酸化反応でアルミニウムから金属酸化物すなわちAl2 3 は生成される。こうして第1絶縁層54は形成される。ただし、こういった自然酸化法に代えて、プラズマ酸化法やラジカル酸化法が用いられてもよい。その他、酸化反応に代えて窒化反応が用いられてもよい。窒化反応の実現にあたって例えばチャンバ内には窒素ガスが導入されればよい。こうした窒化反応によれば、金属薄膜75から金属窒化物すなわち絶縁物質は生成されることができる。
【0051】
第1絶縁層54の表面には、図11に示されるように、自由側強磁性層55に削り出されるCoFe層76が積層される。真空チャンバ内でスパッタリングが施される。CoFe層76の形成後、前述と同様に、真空チャンバ内ではCoFe層76の表面で例えばアルミニウムといった金属物質の成膜工程が実施される。この成膜工程の完了後、前述と同様に、チャンバ内には例えば酸素ガスが導入される。その結果、CoFe層76の表面では金属薄膜の酸化反応が引き起こされる。こうして第2絶縁層56は形成される。その後、第2絶縁層56上には、第2固定側強磁性層57に削り出されるCoFe層77や、第2磁化方向拘束層58に削り出されるPdPtMn層78、キャップ層59に削り出されるCu層79およびRu層81が相次いで積層形成される。
【0052】
(付記1) 第1磁性層と、第1磁性層との間に絶縁層を挟み込み、第1トンネル接合膜を構成する第2磁性層と、第2磁性層との間に絶縁層を挟み込み、第2トンネル接合膜を構成する第3磁性層と、第2磁性層に接続される第1電極端子と、第1および第3磁性層に共通に接続される第2電極端子とを備えることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
【0053】
(付記2) 付記1に記載のトンネル接合磁気抵抗効果素子において、前記第2磁性層は第1および第2トンネル接合膜の自由側磁性層であることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
【0054】
(付記3) 付記1または2に記載のトンネル接合磁気抵抗効果素子において、前記絶縁層は金属酸化物で構成されることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
【0055】
(付記4) 付記3に記載のトンネル接合磁気抵抗効果素子において、前記金属酸化物はAl2 3 であることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
【0056】
(付記5) 第1および第2電極端子と、第1および第2電極端子に接続される第1トンネル接合膜と、第1および第2電極端子の間で第1トンネル接合膜に並列に接続される第2トンネル接合膜とを備えることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
【0057】
(付記6) 付記5に記載のトンネル接合磁気抵抗効果素子において、前記第1および第2トンネル接合膜は共通の自由側強磁性層を備えることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、磁気情報の読み取りにあたって十分に転送速度の高速化に対応することができるトンネル接合磁気抵抗効果素子は提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハードディスク駆動装置(HDD)の内部構造を概略的に示す平面図である。
【図2】 一具体例に係る浮上ヘッドスライダの構造を概略的に示す拡大斜視図である。
【図3】 浮上面で観察される読み出し書き込みヘッドの様子を概略的に示す正面図である。
【図4】 トンネル接合磁気抵抗効果(TMR)膜の構造を概略的に示す拡大正面図である。
【図5】 ウェハー上に形成されたTMR膜を概略的に示すウェハーの拡大部分垂直断面図である。
【図6】 磁区制御ハード膜の形成工程を概略的に示すウェハーの拡大部分垂直断面図である。
【図7】 被覆絶縁膜の形成工程を概略的に示すウェハーの拡大部分垂直断面図である。
【図8】 コンタクトホールの形成工程を概略的に示すウェハーの拡大部分垂直断面図である。
【図9】 上部電極の形成工程を概略的に示すウェハーの拡大部分垂直断面図である。
【図10】 TMR膜に削り出される積層素材膜の形成工程を概略的に示すウェハーの拡大部分垂直断面図である。
【図11】 TMR膜に削り出される積層素材膜の形成工程を概略的に示すウェハーの拡大部分垂直断面図である。
【符号の説明】
32 トンネル接合磁気抵抗効果(TMR)素子、38 第2電極端子としての下側電極、43 トンネル接合磁気抵抗効果(TMR)膜、45 第1電極端子としての磁区制御ハード膜、47 第2電極端子としての上側電極、53 第1磁性層としての第1固定側強磁性層(第1トンネル接合膜)、54 絶縁層(第1トンネル接合膜)、55 第2磁性層としての自由側強磁性層(第1および第2トンネル接合膜共通)、56 絶縁層(第2トンネル接合膜)、57 第3磁性層としての第2固定側強磁性層(第2トンネル接合膜)。

Claims (4)

  1. 第1磁性層と、第1磁性層との間に第1絶縁層を挟み込み、第1トンネル接合膜を構成する第2磁性層と、第2磁性層との間に第2絶縁層を挟み込み、第2トンネル接合膜を構成する第3磁性層と、第2磁性層に接続される第1電極端子と、第1および第3磁性層に共通に接続される第2電極端子とを備え、前記第2磁性層は第1および第2トンネル接合膜の自由側磁性層であることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
  2. 請求項1に記載のトンネル接合磁気抵抗効果素子において、前記第2磁性層は前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の間の空間内に配置されることを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
  3. 請求項2に記載のトンネル接合磁気抵抗効果素子において、前記第1磁性層、前記第1絶縁層、前記第2磁性層、前記第2絶縁層、前記第3磁性層の順で積層構造を構成することを特徴とするトンネル接合磁気抵抗効果素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトンネル接合磁気抵抗効果素子を備えることを特徴とする磁気記録媒体駆動装置。
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