JP4357092B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニフォミティ−や耐久性に優れ、走行時の振動や歪みエネルギ−ロス等が少なく走行安定性が良好である空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りタイヤにおけるベルトは、一般に、スチ−ルコ−ド等を1軸方向に巻回してなる補強層を交錯するようにして重ね合わせることにより形成されていた。
しかし、このベルトの場合、使用時に当該ベルトがパンタグラフ変形を起こすことにより剛性を生ずるため、歪みエネルギ−ロスが大きく、耐久性に劣るという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ユニフォミティ−や耐久性に優れ、走行時の振動や歪みエネルギ−ロス等が少なく走行安定性が良好な空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト、及びトレッドを有してなり、該ベルトが、周方向に2周以上巻回され、かつその始端と終端との間隔(δ)が、0≦δ≦50(mm)である3軸織物を含むことを特徴とする空気入りタイヤである。
<2> 3軸織物が、芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、スチールワイヤーから選択される少なくとも1種で形成された前記<1>に記載の空気入りタイヤである。
【0005】
前記<1>に記載の空気入りタイヤにおいては、前記ベルトが3軸織物を含むので、使用時に該ベルトがパンタグラフ変形を生ずることが殆ど無く、剛性に富み、歪みエネルギ−ロスが小さく、耐久性に優れる。また、該3軸織物が、該空気入りタイヤの周方向に2周以上巻回されているので、耐久性に優れ、該3軸織物における始端と終端との間に形成されるジョイント部における層間剪断が小さく、破断等の故障が少ない。更に、巻回された3軸織物の始端と終端との間隔(δ)が、0≦δ≦50(mm)であるので、ユニフォミティ−に優れ、歪みの集中もなく耐久性にも優れ、走行時の振動が少なく走行安定性が良好である。
【0007】
前記<2>に記載の空気入りタイヤにおいては、前記<1>に記載の空気入りタイヤにおける前記3軸織物が、芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、スチールワイヤーから選択される少なくとも1種で形成されているので、該ベルトは強度・剛性に優れ、かつ重量が軽く、その結果、走行時の歪みのエネルギ−ロスが小さく、走行安定性が良好である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空気入りタイヤについて説明する。
本発明の空気入りタイヤは、1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト、及びトレッドを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してなる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記ベルトを除く部分については特に制限はなく、前記ビ−ド部、前記カ−カス及び前記トレッドは公知のものを採用することができる。
【0009】
本発明においては、前記ベルトが3軸織物を含むことが必要とされる。前記3軸織物は、2種の縦糸(X軸糸、Y軸糸)と横糸(Z軸糸)とが約60°の角度で交差した状態で織られた2D−3軸織物である。
前記ベルトが3軸織物を含まず、2軸織物等で形成されていると、該ベルトは、使用時にパンタグラフ変形を生ずるため、強度・剛性に劣り、歪みエネルギ−ロスが大きく、耐久性に劣る。一方、前記ベルトが3軸織物を含む本発明では、そのような問題がなく、多方向に十分な強度・剛性を有する。
【0010】
前記3軸織物は、該空気入りタイヤの周方向に、2周以上巻回されていることが必要であり、2〜3周巻回されていることが好ましい。
前記3軸織物が2周未満しか巻回されていないと、該ベルトの耐久性が十分でないことがある。
【0011】
巻回された前記3軸織物の始端と終端との間隔(δ)が、即ち該3軸織物の始端と終端との間に形成されるジョイント部の長さ(δ)が、0≦δ≦50(mm)であることが必要であり、0≦δ≦30(mm)であることが好ましい。
前記間隔(δ)、即ち前記ジョイント部の長さ(δ)が50mmを超えると、該3軸織物が重なり合う部分が大きくなり、該空気入りタイヤのユニフォミティ−が悪化し、歪みエネルギ−ロスが増大し、歪みエネルギ−の集中により耐久性が悪化し、走行時における振動が悪化し、走行安定性に劣ることがある。
【0012】
前記3軸織物は、高剛性の、有機繊維、無機繊維及び金属繊維から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
前記有機繊維としては、高剛性のものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、などが挙げられる。
前記無機繊維としては、高剛性のものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素繊維、ガラス繊維などが挙げられる。
前記金属繊維としては、高剛性のものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチールワイヤーなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0013】
前記3軸織物が、前記高強度有機繊維で形成されていると、金属ワイヤ−で形成されている場合に比べて該ベルトを十分に軽量化することができる点で有利であり、芳香族ポリアミド繊維及び炭素繊維の少なくともいずれかで形成されていると、該ベルトを十分な強度・剛性を維持したまま軽量化することができ、走行時の歪みエネルギ−ロスを低下させることができる点で特に有利である。
【0014】
前記3軸織物を構成する繊維の構造としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、通常550〜6680デシテックス(dtex)が好ましく、1100〜3340デシテックス(dtex)がより好ましい。
前記繊維の構造が、550デシテックス(dtex)未満であると、前記ベルトに必要な強度や剛性を得るのに前記3軸織物を高密度化する必要があり、高密度化した3軸織物では、内部にマトリックスゴムが含浸し難くなり、複合体としての機能が十分でなく、前記ベルトの剛性が低下してしまう、また、歪みが集中し易くなるため前記ベルトの耐久性も低下してしまうことがある。一方、6680デシテックス(dtex)を超えると、ワイヤーが太くなり前記ベルト層が厚くなり、該ベルトの重量が増してしまう、また、各軸のワイヤーの接触圧が高くなるので、該ワイヤー同士の接触部においてフレッティングが起き易くなり、前記ベルトの耐久性が低下してしまうことがある。
【0015】
前記3軸織物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、Basic Weave、Bi−Plain Weave、Basic Basket Weaveのいずれであってもよい。
【0016】
本発明の空気入りタイヤは、公知の方法により製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、いわゆる乗用車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物にも好適に適用できる。
【0017】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
表1に示す各ベルトを用いて空気入りタイヤを公知の方法に従って製造した。該空気入りタイヤは、乗用車用ラジアル空気入りタイヤであり、そのサイズは175/70R13であり、一対のビード部と、該一対のビード部にトロイド状をなして連なるカーカスと、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルトと、トレッドとを順次配置した構造を有する。
得られた各空気入りタイヤについて、ベルト重量を測定した後、下記の評価を行い、それらの結果を表1に示した。
【0018】
<水圧試験>
空気入りタイヤをリムに組み込んだ後、該空気入りタイヤの内部に水を注入し、該空気入りタイヤが破壊した時の水圧値、及びその破壊の態様を比較した。
比較例1の空気入りタイヤが破壊した時の水圧値を100として指数表示した。即ち数値が大きい程、耐久性が良好である。
【0019】
<操縦安定性(Cp)>
ドラム上で回転方向に対しスリップ角を各空気入りタイヤにかけ、各空気入りタイヤの軸方向にかかる力を測定した。
比較例1の空気入りタイヤの場合の値を100として指数表示した。即ち数値が大きい程、操縦安定性が良好である。
【0020】
【表1】
【0021】
表1の結果から、以下のことが明らかである。即ち、トレッドに用いるゴム組成物が、芳香族ポリアミド繊維による3軸織物を2周巻回してなるベルトを用いた実施例1及び2の空気入りタイヤの場合、スチ−ルコ−ドによる2層交錯のベルトを用いた比較例1に比べて操縦安定性に優れることが明らかである。また、芳香族ポリアミド繊維による3軸織物を1周しか巻回していないベルトを用いた比較例2の空気入りタイヤの場合、本発明の空気入りタイヤに比べて耐久性が十分でないことが明らかである。また、芳香族ポリアミド繊維による3軸織物を2周巻回してなるベルトであっても前記間隔(δ)が50mmを超える比較例3の空気入りタイヤは、本発明の空気入りタイヤに比べて操縦安定性に劣ることが明らかである。なお、ポリエステル繊維による3軸織物を2周巻回してなるベルトを用いた実施例3の空気入りタイヤよりも、芳香族ポリアミド繊維による3軸織物を2周巻回してなるベルトを用いた実施例2の空気入りタイヤの方が、耐久性及び操縦安定性に優れることが明らかである。
【0022】
【発明の効果】
本発明によると、前記従来における問題を解決することができ、ユニフォミティ−や耐久性に優れ、走行時の振動や歪みエネルギ−ロス等が少なく走行安定性が良好な空気入りタイヤを提供することができる。
Claims (2)
- 1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト、及びトレッドを有してなり、該ベルトが、周方向に2周以上巻回され、かつその始端と終端との間隔(δ)が、0≦δ≦50(mm)である3軸織物を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 3軸織物が、芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、スチールワイヤーから選択される少なくとも1種で形成された請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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