JP4356978B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
そして、この種の遊技機では、遊技領域の左側を流下する球が入賞可能な変動入賞装置と、遊技領域の右側を流下する球が入賞可能な変動入賞装置の2つを設け、変動表示ゲームの結果態様に基づき、何れかの変動入賞装置を遊技者にとって有利な第1状態(例えば、前扉を開いて球を受入れ易くする状態)へ変換する制御を行うようにしている。
この様な遊技機では、従来の一定の遊技領域の位置へ向けて球を発射していた遊技機に比べると、遊技者は多くの賞球を獲得するために、第1状態へ変換される側の変動入賞装置へ球が入賞するように球の発射勢を調整する必要が生じるため、遊技者の遊技への参加意識が高まるものであった。
従来の上記遊技機としては、例えば以下の特許文献に開示のものがある。
また、単に球の発射勢を変化させるだけの煩雑な操作を必要とする遊技機と捉えられることもあった。
遊技球の入賞により前記変動表示ゲームの始動条件を成立させる始動入賞口と、
遊技球が入賞不可能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに変換作動可能な変動入賞装置と、を遊技領域に備え、
前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動表示装置で前記変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させて前記変動入賞装置を閉状態から開状態に変換作動させることが可能な遊技機において、
前記変動入賞装置を、発射された遊技球の流下位置が異なる遊技領域に複数配置すると共に、当該変動入賞装置のそれぞれの近傍には、遊技領域を流下する遊技球を検出可能な複数の特定球検出手段をそれぞれの変動入賞装置に対応させて配置し、
前記特別遊技の発生に基づいて、複数の変動入賞装置のそれぞれに該特別遊技で遊技者に付与する価値を設定する価値設定手段と、
前記特別遊技の発生から所定期間経過後に前記特定球検出手段による遊技球の検出を有効とする検出期間を発生させる検出期間発生手段と、
前記検出期間の発生前に前記複数の特定球検出手段のいずれかを狙って遊技球を発射させるための発射指示報知を行う発射指示報知手段と、
前記検出期間において最初に遊技球が検出された特定球検出手段に対応する変動入賞装置を前記特別遊技で用いる変動入賞装置として選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された変動入賞装置を用いると共に、当該変動入賞装置に前記価値設定手段が設定した価値で前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記価値設定手段は、前記特別遊技の発生毎に、複数の変動入賞装置のそれぞれに異なる価値を設定することを特徴とする。
前記設定価値報知手段は、
前面側が開口したケースの内部に設けられ、前記価値設定手段が設定可能な複数の価値設定態様がそれぞれ表示される複数の価値表示面を有する報知パネルと、
前記ケースの前面側開口から回転軸が視認可能なように前記報知パネルに接続され、当該報知パネルを回転駆動可能なモータと、
前記報知パネルの複数の価値表示面のいずれかを選択的に前記ケースの前面側に配置可能なように前記モータの駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記ケースの前面側開口を覆うように配置され、前記報知パネル及び前記回転軸を透視可能にする第1状態、前記回転軸を透視可能にする第2状態、及び、前記報知パネル及び前記回転軸を透視不可能にする第3状態に変換可能な液晶表示器と、
前記液晶表示器を前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態のいずれかに制御可能な表示器制御手段と、を備え、
前記駆動制御手段は、前記価値設定手段が設定した価値に対応する価値表示面が前記ケースの前面側に位置するように、前記駆動モータを制御して前記報知パネルの回転駆動を行い、
前記表示器制御手段は、前記駆動制御手段による前記報知パネルの回転中は前記液晶表示器を前記第3状態にし、前記駆動制御手段による前記報知パネルの回転が停止すると前記液晶表示器を前記第2状態にし、前記複数の特定球検出手段のいずれかが遊技球を検出して前記選択手段によって前記変動入賞装置が選択されると前記液晶表示器を前記第1状態にすることを特徴とする。
遊技球が入賞不可能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに変換作動可能な変動入賞装置と、を遊技領域に備え、前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動表示装置で前記変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させて前記変動入賞装置を閉状態から開状態に変換作動させることが可能な遊技機において、前記変動入賞装置を、発射された遊技球の流下位置が異なる遊技領域に複数配置すると共に、当該変動入賞装置のそれぞれの近傍には、遊技領域を流下する遊技球を検出可能な複数の特定球検出手段をそれぞれの変動入賞装置に対応させて配置し、前記特別遊技の発生に基づいて、複数の変動入賞装置のそれぞれに該特別遊技で遊技者に付与する価値を設定する価値設定手段と、前記特別遊技の発生から所定期間経過後に前記特定球検出手段による遊技球の検出を有効とする検出期間を発生させる検出期間発生手段と、前記検出期間の発生前に前記複数の特定球検出手段のいずれかを狙って遊技球を発射させるための発射指示報知を行う発射指示報知手段と、前記検出期間において最初に遊技球が検出された特定球検出手段に対応する変動入賞装置を前記特別遊技で用いる変動入賞装置として選択する選択手段と、前記選択手段により選択された変動入賞装置を用いると共に、当該変動入賞装置に前記価値設定手段が設定した価値で前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、前記価値設定手段は、前記特別遊技の発生毎に、複数の変動入賞装置のそれぞれに異なる価値を設定するので、特別遊技の発生毎に遊技者は何れの変動入賞装置による特別遊技の価値が高いか予想して、特定の特定球検出手段に向けて遊技球を発射することになり、遊技者に変動入賞装置毎に設定された特別遊技の価値を予想する楽しみが増えるとともに、遊技者の遊技に対する参加意識を高めて、遊技の興趣を高めることができる。
また、特別遊技の発生から所定期間経過後に特定球検出手段による遊技球の検出を有効とする検出期間を発生させるので、特別遊技が発生しても連続して遊技球の発射を行っていることによって、遊技者の意図しない方の特定球検出手段で遊技球が検出され、該特定球検出手段に対応する変動入賞装置を用いた特別遊技が行われてしまうことを防止でき、遊技者が選択を行う意思を持って発射を行えるようになる。
A.遊技機の正面構成
図1はパチンコ機(遊技機)の遊技盤を示す正面図である。図1において、符号1は遊技盤であり、前面の略円形領域がガイドレール2で囲まれることにより遊技領域3が形成されている。
遊技盤1には、ほぼ中央に本発明の変動表示装置11(可変表示装置、特別図柄表示装置ともいう。以下、場合により単に表示装置という)が配置されるとともに、可変表示装置11の左右下部領域にそれぞれ変動入賞装置12(大入賞口A)及び変動入賞装置13(大入賞口B)が配置されている。
なお、説明の都合上、単に大入賞口A、Bということがある。
変動入賞装置12、13は大当りが発生したときに遊技領域を流下する球が入賞可能に配置され、開閉扉により開閉される大入賞口を有しており、大当り発生時には遊技者にとって有利な第1状態(開閉扉が開放状態)に変換作動する(ただし、どちらの変動入賞装置12、13が開放するかは、遊技ゲームの内容で決定される)。また、発射勢を変化させて球の流下位置が異なる遊技領域2に複数(本実施の形態では2つ)の変動入賞装置12、13を配置した構成となっている。
変動入賞装置12の下方には特図始動口15が配置され、変動入賞装置13の下方には特図始動口16が配置されている。特図始動口15、16は変動表示装置11の図柄を可変表示開始するための始動入賞を受け入れるための入賞口である。
遊技領域2の下方には設定価値表示装置19(設定価値報知手段)が配置されており、設定価値表示装置19は大当り発生時に変動入賞装置12及び変動入賞装置13のそれぞれについての特別遊技に係る価値を報知する機能を有している(ただし、報知時期については後述)。
例えば、変動表示装置11は液晶画面を表示可能なもの(例えば、カラーで静止画及び動画が表示可能な、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、CRTであってもよい。)が用いられ、画像はCG等を使用して造られるとともに、画面の略中央部に三つの変動表示領域が横3列に形成され、各変動表示領域には、数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールさせて図柄を順に切り替える状態)で表示(変動表示)したりすることが可能である。なお、特図の図柄は、番号が1〜12まで全部で12個設定されるのが一般的であり、通常の変動表示の際には、各図柄が番号順に表示される。
変動表示装置11の上部には始動入賞記憶表示器21が配置されており、始動入賞記憶表示器21は4個の範囲内で特図始動口15、16に球が入賞(つまり始動入賞)して記憶されたことを表示する。
そして、これらの流下補助手段22、23が配置されることにより、盤面に発射された球は遊技領域2の上方で左右2つに分けられて流下するようになり、盤面に配置された複数の選択ゲート17、18のうちの何れかの方に向けて流下したり、あるいは変動入賞装置12(大入賞口A)あるいは変動入賞装置13(大入賞口B)の何れかの方に向けて流下することの補助が行われる。したがって、遊技領域2の上方で左右2つのうちの何れかの方向に分けて球を流下させることが可能なようになっている。
すなわち、流下補助手段22、23は発射勢の変化により遊技領域3に複数配置された特定球検出手段の中、特定の特定球検出手段に向けて球を流下させることを補助する機能を実現する。
これとは別に、例えば特定の特定球検出手段(選択ゲートセンサ)により球を検出させる様な発射位置を遊技者に報知(盤面が光る等)を行う構成もあり、そのような構成であってもよい。
なお、球の発射調整が微妙であったり、初めて遊技を行う遊技者が発射勢を調整する場合であっても、遊技者が意図した特定球検出手段(選択ゲートセンサ)が確実に球を検出できるようにするという観点からすれば、本実施の形態のような構成がよい。
また、変動入賞装置12、13のそれぞれの大入賞口内における、入賞流路(図示省略)にはカウントセンサ51、52(図2参照、以下図1に示されていないものは同様)がそれぞれ設けられている。特図始動口15、16の各入賞流路には特図始動センサ53、54がそれぞれ設けられ、選択ゲート17、18の各流路には選択ゲートセンサ55、56が設けられ、さらに設定価値表示装置19にはモータ位置センサ57が設けられている。なお、変動入賞装置12、13の大入賞口内にはいわゆる継続入賞(V入賞)した球を検出する継続センサは設けられていない。
上記選択ゲート17、18及び選択ゲートセンサ55、56は特定球検出手段を構成する。
選択ゲート17を用いたのは、遊技領域3を流下する球を容易に検出可能な構成とするために、いわゆるゲートを使用したものである。
なお、特定球検出手段の数は、本実施の形態では2つにしているが、2つに限るものではなく、それ以外の数、例えば3以上でもよい。3つにした場合には大入賞口の数も3つにする。また、ゲートにせずに入賞口にした場合には、賞球が払い出されるので、通常時(普段遊技時)に狙って発射した賞球を遊技者に獲得されてしまうと、ベースが上がってしまうため、遊技店の営業面を考慮し、入賞し難い入賞口にする必要もあって好ましくないので、ここでは賞球が出ないゲートタイプのものにしたものである。
また、本実施の形態では、通常の遊技状態(補助遊技を行う所定条件としての始動口(例えば、特図始動口15、16へ入賞させるような位置)への発射)のままで、特定球検出手段A(選択ゲート17の方)が球を検出しやすいという配置構成になっているが、そのままの状態(発射位置)では、変動入賞装置(大入賞口)を選択するための特定球検出手段(選択ゲート17及び18)が何れも球を検出しないような配置構成にしても構わない。
次に、本例のパチンコ機の制御系統について、図2を参照して説明する。
図2において、この制御系は大きく分けると、遊技制御装置100と、演出制御装置200及び排出制御装置300を初めとするその他の周辺装置等によって構成される。
遊技制御装置100は、マイクロコンピュータを含む回路で、例えば遊技盤1の裏面に取付けられたボードユニットにより実現されている。また、演出制御装置200も同様にマイクロコンピュータを含む回路で、例えば遊技盤1の裏面に取付けられたボードユニットにより実現されている。排出制御装置300は、例えば遊技機の枠側に設けられた排出制御回路、排出ユニット等によって実現されている。
遊技制御装置100はバックアップ電源120(例えば、電池)によってバックアップ電源の供給を受けており、瞬間的な電圧低下や停電時にあってもデータの安定的な保持などが行われる。
なお、遊技用マイクロコンピュータ111は、演算処理を行うCPU121、役物制御の制御プログラム等を格納しているROM122およびワークエリアの設定や制御に必要なデータの一時記憶等を行うRAM123を内蔵している。
出力インターフェース回路114からは、始動入賞記憶表示器21、変動入賞装置12の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド61、変動入賞装置13の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド62、設定価値表示装置19の価値報知板を回転駆動する価値表示モータ63、設定価値表示装置19の前面側を全体的に被覆可能な液晶表示器64(詳細は後述)、発射指示表示LED24、発射指示表示LED25、盤用外部情報端子65及び排出制御装置300に制御信号(データ等も含む)が出力される。
排出制御装置300は遊技制御装置100から賞球データ等の信号を受けており、遊技制御装置100は、遊技盤1に設けられたカウントセンサ51、52、特図始動センサ53、54により遊技球の入賞が検出されると、各入賞口の入賞価値に対応して予め設定された賞球数の情報(賞球データ)を、排出制御装置300へ送信する。そして、排出制御装置300では、この賞球データを受信して、それに応じた賞球排出制御を行う。
演出制御装置200は、やはりCPU131を含むマイクロコンピュータよりなり、遊技制御装置100から送信される表示制御情報に基づき変動表示装置11の画像表示を制御する。例えば、変動表示ゲームを実行する際には、遊技制御装置100から停止図柄の組み合わせ(結果態様)のデータと、変動時間のデータとを含む表示制御情報が、この場合送信される構成となっており、演出制御装置200では、この停止態様と変動時間を満足する変動態様を選択して、変動表示装置11に特図(識別情報)を変動表示させて最終的に特定の図柄の組合せ(結果態様)を導出表示する変動表示ゲームを行う構成となっている。
また、表示制御情報は、遊技制御装置100から演出制御装置200にパラレル通信によって送られるもので、例えば8ビットのコマンドデータ(前述の結果態様のデータや変動時間のデータなどよりなるもの)を送信するための8ビットのパラレル信号(D0〜D7)と、これらコマンドデータの通信用の2ビットのコントロール信号(START信号,STB(ストローブ)信号)とよりなる。そして、各コマンドデータがSTART信号に続いてSTB信号と同期して順次送信され、演出制御装置200のCPU131がSTB信号を確認しつつこれら2種類のコマンドデータを順次読み取る構成となっている。
同様に、バッファ回路136はPRGROM140、CGROM141からCPU131側へ向かう方向にのみ信号を通過させる回路である。
演出制御装置200はLCDインターフェース139を介して変動表示装置11に表示制御データなどを送信し、変動表示装置11は所定の画像を表示する。なお、図示省略しているが、演出制御装置200から変動表示装置11に対しては、バックライト用電源や、液晶表示用電源が供給されているとともに、グランドラインが接続されている。
さらに、演出制御装置200はインターフェース134を介して遊技機の所定箇所に配設された遊技盤装飾部材31、サイドランプ32、33を装飾して遊技を演出するために必要な制御を行う。
なおここで、遊技制御装置100と演出制御装置200は、本発明の特別遊技発生手段、異価値特別遊技設定手段、特別遊技実行手段を構成する。変動表示装置11は設定履歴報知手段を構成する。
そして、「大」、「小」の文字は複数の変動入賞装置12、13毎に異なる価値の特別遊技(大当り)に対応したものになっている。例えば、遊技者にとって価値が高い場合は「大」、低い場合は「小」という対応関係になっている。したがって、遊技者は報知パネル152を見れば、一目で今回の大当りではどちらの変動入賞装置の価値が高いのか低いのかを分かるようにしている。
図3(b)の全体被覆の状態では遊技者に価値表示モータ63の回転軸63a及び報知パネル152の文字「大」、「小」は見えず、図3(c)の部分被覆の状態では価値表示モータ63の回転軸63aは見えるものの(ただし、文字「A」、「B」が見えることは本来的制御ではなく、回転軸63aを見える状態にするのが目的)報知パネル152の文字「大」、「小」は見えず、さらに図3(d)の被覆解除の状態では価値表示モータ63の回転軸63a及び報知パネル152の文字「大」、「小」が全て見えるようになる。
また、図3(c)及び図3(d)の状態でも設定価値表示装置19の正面から少なくとも報知パネル152を駆動する価値表示モータ63の回転軸63aは見えるようになっており、これは遊技者に対して報知パネル152が価値表示モータ63による駆動(回転)が行われていない停止状態にあることを示して安心させることを意図したものである。つまり、遊技者にしてみれば、特定球検出手段による(選択ゲート17、18の何れかが)遊技球の検出を行った後に、報知パネル152が遊技者に見えない状態(被覆液晶表示器64による被覆状態)において、遊技者が選択した変動入賞装置の価値が高い場合に価値表示モータ63を駆動(回転)して、遊技者が選択した変動入賞装置の価値が低い状態に報知パネル152を変更するようなごまかしの制御ではないことが分かる構成である。
遊技制御装置100と発射指示表示LED24及び発射指示表示LED25は、高価値設定状態報知手段を構成する。この場合、遊技制御装置100と発射指示表示LED24及び発射指示表示LED25は、特定条件の成立に基づき特定球検出手段が球を検出する前に、異価値特別遊技設定手段により価値の高い特別遊技が設定された変動入賞装置を知らしめる報知を行う機能を有する。
次に、遊技制御装置100の制御フローを説明する前に、本例のパチンコ機で行われる遊技の概要について説明する。
ガイドレール2を介して遊技領域3中に打込まれた遊技球が、特図始動口15、16の何れかに入賞すると、変動表示装置11において特図の変動表示が行われ、変動表示ゲームが行われる。そして、見かけ上、この変動表示ゲーム結果としての停止表示態様(停止した特図の組合せ)が所定の態様(例えば、「7,7,7」などのゾロ目)であれば、遊技者へ所定の遊技価値を付与する大当りと呼ばれる特別遊技が発生することになる。
この場合、遊技者は特定条件が成立する以外は、予めどちらの大入賞口A、Bの方が価値が高いかは予め知らされず、選択ゲート17又は18の何れに球を通過させた後に、設定価値表示装置19の価値報知板を見て価値の違いが分かることになる。
一方、特定条件が成立している場合(例えば、確率変動のとき)には、選択ゲート17、18に球を通過させる前に、設定価値表示装置19の価値報知板によって大入賞口A、Bのそれぞれの価値が表示され、遊技者は、設定価値表示装置19を見て価値の違いを認識し、どちらの変動入賞装置を選択するかを判断する。そして、遊技者は高い価値が設定された方の変動入賞装置に向けて球を発射するようになる。
また、上記特図の変動表示ゲーム中又は大当たり中に、特図始動口15、16の何れかにさらに遊技球が入賞したときには、始動入賞記憶表示器21が点灯して例えば4個まで記憶され、変動表示ゲーム又は大当たりが終了した後に、その記憶に基づいて上記特図の変動表示ゲームが繰返される。
次に、前述した制御系により行われるパチンコ機の制御について、図4乃至図9に示すフローチャートにより説明する。
図4及び図5は遊技制御装置100により実行されるゼネラルフローで、起動処理とタイマー割込処理とから構成される。
(a)遊技制御装置の起動処理
まず、遊技制御装置100(遊技用マイクロコンピュータ111)の起動処理について説明する。この処理は図4に示すフローチャートに従って行われる。
遊技制御装置100が起動すると、ステップS1で初期化処理を行い、ROM122の正常判定処理、RAM123におけるワークエリアのイニシャライズ、I/Oレジスタの設定、システム内部のレジスタの設定処理、フラグのイニシャライズ、ソフトタイマ(割込)の設定等が行われる。
しかしながら、単に特図の乱数を例えば「1」ずつインクリメントして更新する処理では、乱数の更新が周期的になり、例えば体感機を使用して乱数をねらう不正が行われることがあるため、このステップS2で乱数を撹拌して外部からの抽出乱数予測を困難にし、大当りの狙いうちをするという不正を排除するものである。
そうすると、例えば0〜220の範囲(これは一例で、これに限らない)で「1」ずつ乱数をインクリメントしていく過程で、撹拌用乱数により毎回そのインクリメントのスタート時点が変えられる。そうすると、乱数抽出タイミングの時間間隔が常に不規則に変動し、体感機を使用しても乱数をねらう不正が極めて困難になる。
次に、遊技制御装置100のタイマ割込処理について図5を参照して説明する。
図5は、タイマ割込処理のフローチャートである。このタイマ割込処理は、1msec毎にソフト的なタイマ割込みにより実行される。
このタイマ割込処理では、まず、ステップS11で必要に応じてレジスタの退避や割込の禁止処理を実行した後、ステップS12で入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(カウントセンサ51、52、特図始動センサ53、54、選択ゲートセンサ55、56、モータ位置センサ57)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、いずれかのセンサ或いはスイッチがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
次いで、ステップS14では、設定された各制御装置(演出制御装置200、排出制御装置300)への制御情報(コマンド)を送信する処理(コマンド送信処理)を実行する。ここでは、例えば送信バッファにセットされた演出用コマンドの送信、排出用コマンドの編集と送信を実行する。これにより、演出制御装置200により変動表示装置11にて特図が変動表示される変動表示ゲームが適宜行われる。また、特図の背景画像などによる遊技状態の演出などが適宜行われる。
次いで、ステップS15で乱数更新処理を行う。乱数更新処理では、大当り乱数、大当り図柄乱数、左図柄生成乱数、中図柄生成乱数、右図柄生成乱数、停止図柄パターン乱数、変動パターン乱数を更新するが、このとき、例えば「1」ずつ乱数をインクリメントし、かつインクリメントの初期値として前述した撹拌用乱数更新処理(ステップS2)にて生成した撹拌用乱数を用いる。このようにして更新された乱数は、メインルーチンで生成された撹拌用乱数によって撹拌されるから、周期性がなく、例えば体感機を使用しても乱数をねらう不正を困難にすることができる。
次いで、ステップS18で外部情報編集処理を行う。ここでは、遊技用マイクロコンピュータ111から盤用外部情報端子65を介して外部の管理装置へ送信する外部端子情報(例えば、大当り信号等)の編集を行い、出力バッファにセットする。
その後、ステップS19でメインルーチンを再開すべく、退避させたレジスタを復帰させ、割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
図6において、このサブルーチンが開始されると、まずステップS21の分岐処理で処理番号により分岐する。この分岐処理は、以下の各処理過程で定められる処理NO.(処理番号)に従って、以下の各処理のうちの該当するいずれか一つを行うための判断処理である。
(ステップS22:特図ゲーム始動処理)
特図ゲーム始動処理では、始動記憶を監視し、始動記憶数の範囲内での始動入賞があれば特図の変動を開始するとともに、特図の停止図柄(大当り、外れ図柄等)を決定したり、リーチアクションの情報設定などが行われる。なお、ここでの設定に対応した表示制御信号が適宜出力されることで、ここでの設定どおりに特図の変動表示ゲームでの表示(特に、リーチアクションや停止図柄の表示)が行われる。
図柄停止監視処理では、特図の図柄変動が終了して停止したかどうかを監視し、対応する次の処理(価値設定処理、大当り処理、特図ゲーム始動処理)に処理番号を格納する。
(ステップS24:価値設定処理)
価値設定処理では、大当りの価値を決定し、それが変動入賞装置12、13のうちの何れの方を開放するものであるかを判断したり、特定条件が成立しない場合に選択ゲート17、18のうちの何れを球が通過するかによって、大当りの価値を決定したりする処理を行うもので、この価値設定処理については、詳細を後述する。
(ステップS25:大当り処理A)
大当り処理Aでは、特図の図柄変動が終了して大当りで停止したとき、大入賞口A(つまり変動入賞装置12)を開放する大当りに対応する処理を行うもので、この大当り処理Aについては、詳細を後述する。
(ステップS26:大当り処理B)
大当り処理Bは、大入賞口B(つまり変動入賞装置13)を開放する大当りに対応する処理を行うもので、処理の流れは大当り処理Aと同様であり、サブルーチンは省略している。
このサブルーチンが開始されると、まずステップS30で価値設定処理(大当りA・Bの価値を決定するもの)が済みであるか否かを判別し、済みでなければステップS31に進み、既に済んでいればステップS32にジャンプする。
ステップS31では、大当りA・Bの価値を決定する。この処理は、大当り発生毎に複数の大入賞口A、Bに対する大当り遊技の価値を設定するもので、詳細には、大当り判定用の乱数に基づいて複数の大入賞口A(変動入賞装置12)、大入賞口B(変動入賞装置13)の各々のラウンド数、カウント数、開放時間(前扉の開放時間のこと)、賞球数等を決定する。つまり、2つの大入賞口A、Bがあるので、それらの価値(遊技者にどのくらい賞球を獲得させるかという価値)を決定しておくものである。ここでは、大当り毎にその都度、価値を決定するようにしている。ただし、大当り判定用の乱数を用いて価値を設定する場合には、大当り図柄により、何れの大入賞口の価値が高いか(有利か)が解らない(予測されない)ようにしておくのが良い。
なお、上記価値の設定では単に各大入賞口の価値が高い・低いを設定するだけでもよく、そのときは各々のラウンド数、カウント数、開放時間、賞球数のうちのどれか1つを選んで設定してもよい。また、この他に、ラウンド数、カウント数、開放時間、賞球数等の違いによる高低や、これらの組み合せによる高低の設定のうちのどれか1つを選んで設定してもよい。
また、価値の設定に際して、大当り判定用の乱数に基づいて決定するのではなく、例えば別の価値設定用の乱数を用意し、それを用いて価値を設定するようにしてもよい。
また、単に各大入賞口の価値の高い・低いを設定する場合に、ラウンド数、カウント数、開放時間、賞球数の組み合せによる価値を予め決定しておくようにしてもよい。
次いで、ステップS33で特定条件が成立しているか否かを判別する。特定条件とは、予め決められた条件であり、例えば遊技者に有利な条件及び不利な条件の両方を含むものである。特定条件として、本実施の形態では確率変動を設定しており、遊技者が有利な遊技を行える(高い価値が設定されている大入賞口が分かる)ようになるものである。すなわち、特定条件が成立していれば、高い価値の大入賞口を遊技者に報知しようとする趣旨である。
なお、特定条件は確率変動に限るものではなく、その他の条件でもよい。その他の条件として、例えば遊技者に不利なもの(例えば、大当り確率が低くなってかなりの特図変動回数がなければ大当りが発生困難なようなもの)であってもよい。
上記ステップS33〜ステップS36の処理は、特定条件の成立に基づき、特定球検出手段が球を検出する前に、異価値特別遊技設定手段により価値の高い特別遊技が設定された変動入賞装置を知らしめる報知を行うことに相当する。
一方、ステップS37で選択ゲートセンサ55を球が通過していなければ、ステップS39に進んで選択ゲートセンサ56を球が通過したか否かを判別し、通過していれば、ステップS40に進んで処理番号を「5」に設定してリターンする。これにより、図6に示す特図ゲーム処理では次回に大当り処理Bが実行されることになる。
また、ステップS39で選択ゲートセンサ56を球が通過していなければ、ステップS41に進んで処理番号を「3」に設定してリターンする。これにより、図6に示す特図ゲーム処理では次回に価値設定処理が実行されることになる。
一方、特定条件のとき、すなわち確率変動時に限っては、予め遊技者にどちらの価値が高いかを報知する(自動的に高い価値の大入賞口を知らせる)ようにし、高い価値に対応する発射指示表示LED25(あるいは26)を点滅した状態とする。したがって、遊技者は設定価値表示装置19を見ることで、高い価値の大入賞口を知り、また、それに対応した発射指示表示LED25(あるいは26)が点滅していることを見て、対応する選択ゲートセンサ55(あるいは56)を球が通過するように発射することにより、高い価値の大入賞口に球を入賞させて遊技価値を獲得することができるようになる。
設定価値報知手段を遊技者の選択前に報知する方法は、高価値設定状態報知手段という構成であってもよいが、例えば設定価値事前報知手段として捉えてもよい。
このサブルーチンが開始されると、まずステップS51で設定価値の表示が終了したか否かを判別する。これは、設定価値表示装置19の価値表示モータ63の回転が停止したか否かを判別して、報知パネル152が遊技者に異価値特別遊技設定手段により設定された大入賞口A、Bの価値の大小を表示するようになったか否かを判断するものである。
ステップS51で設定価値の表示が終了していなければ、ステップS52に進んで価値表示被覆液晶の全面を不透明化する。これにより、設定価値表示装置19は前面側に配置されている価値表示被覆液晶表示器64が全体を不透明に被覆(全体被覆)した状態となり、図3(e)に示すように設定価値表示装置19の前面側が全てマスクされた状態Zとなる。
なお、初期位置の検出を行うモータ位置センサ57でなく、例えば各々の停止位置(報知パネル152の各面が前面を向く位置)を検出するセンサを設けるようにしてもよい。ステップS53を経ると、リターンする。
また、大当り発生後に選択ゲート17、18を即座に有効にしないこと、すなわち、変動入賞装置(大入賞口)を選択するための特定球検出手段(選択ゲートセンサ55、56)による球の検出期間は、特別遊技の発生(補助遊技の結果が特別結果(大当り図柄の停止)になった状態)直後の検出は無効とし、所定時間経過後から検出を有効にする制御にしているのは、以下の理由による。
例えば、球の発射を連続して行っていると、遊技者が一方の特定球検出手段(選択ゲート18)を選択しようとしても、他方の特定球検出手段(選択ゲート17)によって球が検出されてしまうことがあり、そうなると、遊技者の意図しない変動入賞装置(大入賞口)を用いた特別遊技が行われてしまうことがあるので、そのような事態を防止するためである。
また、遊技者が選択を行う意思を持って発射が行えるようにするためでもある。
ただし、この様な配置構成の場合、遊技者の中には打ち分け(左右の特定入賞検出手段(選択ゲートセンサ55、56)の球通過)を面倒に思う(本発明の遊技機の性能(遊技方法)を理解していない)人もいると思われるので、この様な遊技者の場合、遊技が進行しない(大当りによる大入賞口の開放が行われない(開放が開始しない))状態が発生し、遊技店との間でトラブルになる可能性もあるので、選択が所定時間行われない場合は、強制的に特定(一方)の変動入賞装置(大入賞口)(例えば、左側(A))による特別遊技を行うような制御にしてもよい。この場合、ランダムに変動入賞装置(大入賞口)を選択するような制御内容にすると、価値の低い方を選択されているような疑いを抱かれる可能性があるので、そのような制御にはしない。
なお、本実施の形態のような構成であると、遊技中、遊技者は発射勢を調整する発射ハンドルを握って遊技を行っているため、そのまま発射勢を変化させる操作を行うことで、簡単に変動入賞装置(大入賞口)の選択が可能になるので、選択ボタンを設けられる構成に比較すれば、選択操作が容易であるという利点がある。また、選択ボタンを設けない構成であれば、現行の遊技機が使用可能であると共に、コストアップも無い。
そのようにすると、また趣の異なるゲームの面白さを演出することができる。
本実施の形態では、設定価値隠匿手段として液晶パネルを用いているが、これは異価値特別遊技設定手段により設定された価値が遊技者の選択操作が行われた後に変化しないことを遊技者へ知らせる(納得させる)ための構成であり、液晶パネルの代わりに例えば、遮蔽板により設定された価値の報知(表示)を隠すメカ的な構成であってもよい。
なお、「どちらかを狙って打ってください。」というメッセージではなく、例えば「点滅している矢印の方を狙って打ってください。」というメッセージを表示してもよい。あるいは「右の方を狙って打ってください。」、「左の方を狙って打ってください。」というメッセージを表示するようにしてもよい。
さらに、スピーカ142から「右の方を狙って打ってください。」、「左の方を狙って打ってください。」というメッセージを音声合成によって出力するようにしてもよい。
このサブルーチンが開始されると、まずステップS61で遊技盤面の発射指示表示LED24及び発射指示表示LED25を消灯する。次いで、ステップS62で設定価値表示装置19における価値表示被覆液晶表示器64の中央部を透明化する。これにより、図3(g)のような全面透明状態Wとなり、図3(d)に示すようにケース151の報知パネル152の文字「大」、「小」が見える状態となる。これにより、遊技者は何れの大入賞口が価値が高いかを容易に知ることができる。例えば、図3(d)のケースでは大入賞口Aが「大」価値で、大入賞口Bが「小」価値であることが容易に分かる。また、このときも同様に報知パネル152を駆動する価値表示モータ63の回転軸63aが見える状態にあり、遊技者は報知パネル152が停止していて動かない状態を知り安心できる。
ステップS62の処理は、設定価値報知手段の機能の一部であり、特に異価値特別遊技設定手段により設定された特別遊技に係る価値を、特定球検出手段が球を検出した後に報知する機能に相当する。
図面の表示例では、図10(c)に示すように変動表示装置11の画面に2つの矢印が表示され、例えば左側矢印が「大」、右側矢印が「小」というように対応して表示される。これにより、遊技者は変動表示装置11の画面からも大入賞口Aが「大」価値で、大入賞口Bが「小」価値であることが容易に分かる。また、変動表示装置11の画面には各価値の内容が表示される。例えば、大入賞口Aの方は15ラウンド、10カウント、15賞球の価値であり、大入賞口Bの方は10ラウンド、9カウント、10賞球の価値であることが表示される。これにより、遊技者は大入賞口A、Bの価値内容を簡単に知ることができる。また、大当り中情報から遊技者は現在のラウンド遊技の進行状況を容易に知ることができる。
次いで、ステップS65で大入賞口Aの方に設定数(例えば、10カウント)が入賞したか否かを判別し、NOのときはステップS66に進んで、設定開放時間が経過したか否かを判別する。設定開放時間(例えば、30秒間)が経過していなければ、ステップS67で処理番号を「4」に設定して特図ゲーム処理にリターンする。したがって、特図ゲーム処理では再び、この大当り処理Aが繰り返される。このように、大入賞口Aの開放処理で、設定数に達していなかったり、設定開放時間が経過していない場合にはルーチンが繰り返される。
一方、設定ラウンド数に達すれば、今回の大当りは終了と判断してステップS69からステップS70に分岐して処理番号を「1」に設定するとともに、ステップS71で設定履歴を更新してリターンする。したがって、次回の特図ゲーム処理では特図ゲーム始動処理に移行することになる。このように、大入賞口Aを開放する大当り処理が行われ、多くの球を遊技者は獲得することが可能になる。
なお、上記は大入賞口Aについての大当り処理であるが、大入賞口Bについても大当り処理は同様であるので、重複説明は省略する(図示も略)。
特図始動口15、16の何れかに球が入賞すると、始動入賞に基づいて変動表示装置11で特図の変動表示が行われ、図10(a)に示すように、その停止表示態様が例えば、「7,7,7」のゾロ目になると、大当りが発生する。
大当りになると、大当り判定の乱数を用いて大入賞口A及び大入賞口Bの価値が設定されるが、設定価値表示装置19では未だ明確に設定された価値は表示されない。
図10(b)の例では、「どちらかを狙って打って下さい。」とのメッセージがあるが、これについては未だ設定価値表示装置19によって大入賞口A又は大入賞口Bの何れの価値が高いかが明確に表示されていない段階での表示である。したがって、遊技者はどちらかの盤面サイドに向けて球を発射することが好ましいのは未だ分からず、遊技者には予想する楽しみがある。
なお、図10(b)の例では、過去4回分の価値設定の履歴として、大入賞口A及び大入賞口Bのそれぞれについての価値の大小が表示される。すなわち、遊技者が選択を行うための思考に役立てる情報(過去の設定履歴)の報知が行われる。したがって、遊技者は過去の遊技履歴から当該遊技台の傾向も知ることができ、それによって、今回の大当りではどちらの方向に向けて球を打てばよいかを予想して楽しむことができる。
そのようにすると、遊技者が過去の価値設定の履歴情報を基に価値の高い変動入賞装置の予測を常時行うことができて便利である。また、本実施の形態では、設定履歴報知手段(特図)に過去4回分の価値の設定履歴を表示しているが、これは3回以下でもよいし、あるいは5回以上でも構わない。
また、このとき設定価値表示装置19における報知パネル152を駆動する価値表示モータ63の回転軸63aは見える状態にされているから、上記のように遊技者が行った選択操作によって(設定結果を見て)、設定を遊技者に不利なように事後的に設定にする(設定変更する)制御を行っている様な疑いを遊技者が抱かないようにする。したがって、遊技者は報知パネル152が停止すると、以後は電子的にも機械的にも、報知パネル152が駆動されない状態を知ることができ、安心する。
このように、大当りが発生した際に、複数の大入賞口A、Bのうち、何れの大入賞口を用いて大当り遊技を行うかを遊技者が選択することになるので、遊技者の遊技への参加意識を高めることができる。
なお、ここでの付与される価値とは、最終的には遊技者が得る賞球の総数になるが、遊技中においては、大当りのラウンド数、大入賞口の1回の開放中に入賞可能な入賞球(カウント数)、入賞球1個に対する賞球数を対応させたものである。
すなわち、特定条件が成立した場合には、高い価値が設定された方の大入賞口を遊技者へ知らせてあげることにより、遊技者は獲得利益を確実に増すことが可能になる。
そして、大当り遊技のラウンドが開始されると、図10(c)に示すように、変動表示装置11の画面に2つの矢印が表示され(例えば、左側矢印が「大」、右側矢印が「小」)、遊技者は大入賞口Aが「大」価値で、大入賞口Bが「小」価値であることを知る。すなわち、確率変動中でなくても、この段階に入ると、遊技者に一律に各大入賞口の価値を報知することになる。
また、このとき変動表示装置11の画面に各価値の内容が詳細に表示されて遊技者はラウンド数、カウント数、賞球数についても細かく知ることができる。さらに、画面の下部には大当り中の情報として現在のカウント数及びラウンド数が表示され、遊技者は大当り中の進行状況についても容易に知ることができる。
(1)実施の形態では、遊技盤にいわゆる普図・普電を設けていないが、普図・普電があると、本発明が構成できないというものではなく、普図・普電を用いた構成であっても構わない。
(2)実施の形態では、大入賞口(変動入賞装置)に継続センサ(V−SW)を設けず、設定入賞数の入賞又は設定開放時間の経過により大入賞口を閉じ、設定ラウンド数に達していない場合には、所定のインターバル時間経過後に再び大入賞口を開放するものを想定した構成としているが、このような構成に限るものではなく、例えば現状の第1種パチンコ機の様に、継続センサ(V−SW)を設けて、設定入賞数の入賞又は設定開放時間の経過により大入賞口を閉じた際に大入賞口の開放中に継続センサ(V−SW)による球の検出がない場合には、特別遊技を終了(パンク)されるようにしても良い。
(3)実施の形態では、設定価値表示装置に用いる価値設定モータは、ACモータ、DCモータ、パルスモータ等、何れのモータであっても良い。
パルスモータの場合には、表示を行う回転部材の初期位置を検出する検出センサを設け、その位置からの回転角度により表示内容を制御するようにする。
また、ACモータ、DCモータ等の場合には表示を行う回転部材の停止位置を検出するセンサをそれぞれ設けて、検出位置でモータを停止させるように制御する。
11 変動表示装置
12 変動入賞装置(大入賞口A)
13 変動入賞装置(大入賞口B)
15、16 特図始動口
17、18 選択ゲート
19 設定価値表示装置(設定価値報知手段)
22、23 流下補助手段
24 発射指示表示LED
25 発射指示表示LED
100 遊技制御装置
200 演出制御装置
Claims (2)
- 複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置と、
遊技球の入賞により前記変動表示ゲームの始動条件を成立させる始動入賞口と、
遊技球が入賞不可能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに変換作動可能な変動入賞装置と、を遊技領域に備え、
前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動表示装置で前記変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させて前記変動入賞装置を閉状態から開状態に変換作動させることが可能な遊技機において、
前記変動入賞装置を、発射された遊技球の流下位置が異なる遊技領域に複数配置すると共に、当該変動入賞装置のそれぞれの近傍には、遊技領域を流下する遊技球を検出可能な複数の特定球検出手段をそれぞれの変動入賞装置に対応させて配置し、
前記特別遊技の発生に基づいて、複数の変動入賞装置のそれぞれに該特別遊技で遊技者に付与する価値を設定する価値設定手段と、
前記特別遊技の発生から所定期間経過後に前記特定球検出手段による遊技球の検出を有効とする検出期間を発生させる検出期間発生手段と、
前記検出期間の発生前に前記複数の特定球検出手段のいずれかを狙って遊技球を発射させるための発射指示報知を行う発射指示報知手段と、
前記検出期間において最初に遊技球が検出された特定球検出手段に対応する変動入賞装置を前記特別遊技で用いる変動入賞装置として選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された変動入賞装置を用いると共に、当該変動入賞装置に前記価値設定手段が設定した価値で前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記価値設定手段は、前記特別遊技の発生毎に、複数の変動入賞装置のそれぞれに異なる価値を設定することを特徴とする遊技機。 - 前記価値設定手段により複数の変動入賞装置毎に設定された前記特別遊技に係る価値を報知可能な設定価値報知手段を備え、
前記設定価値報知手段は、
前面側が開口したケースの内部に設けられ、前記価値設定手段が設定可能な複数の価値設定態様がそれぞれ表示される複数の価値表示面を有する報知パネルと、
前記ケースの前面側開口から回転軸が視認可能なように前記報知パネルに接続され、当該報知パネルを回転駆動可能なモータと、
前記報知パネルの複数の価値表示面のいずれかを選択的に前記ケースの前面側に配置可能なように前記モータの駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記ケースの前面側開口を覆うように配置され、前記報知パネル及び前記回転軸を透視可能にする第1状態、前記回転軸を透視可能にする第2状態、及び、前記報知パネル及び前記回転軸を透視不可能にする第3状態に変換可能な液晶表示器と、
前記液晶表示器を前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態のいずれかに制御可能な表示器制御手段と、を備え、
前記駆動制御手段は、前記価値設定手段が設定した価値に対応する価値表示面が前記ケースの前面側に位置するように、前記駆動モータを制御して前記報知パネルの回転駆動を行い、
前記表示器制御手段は、前記駆動制御手段による前記報知パネルの回転中は前記液晶表示器を前記第3状態にし、前記駆動制御手段による前記報知パネルの回転が停止すると前記液晶表示器を前記第2状態にし、前記複数の特定球検出手段のいずれかが遊技球を検出して前記選択手段によって前記変動入賞装置が選択されると前記液晶表示器を前記第1状態にすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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