JP4356804B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特にMISFETが基板面内に規則的に配置された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を例にとり、従来の技術を説明する。
【0003】
図8は、従来のDRAMの概略平面図を示す。半導体基板の表面上に、図の列方向(縦方向)に延在する複数のワード線100が等間隔に配置されている。最も外側のワード線100よりもさらに外側に、列方向に延在する1本のダミーワード線101が配置されている。
【0004】
ワード線100及びダミーワード線101の各々に対応して複数のMISFET105が配置されている。複数のMISFET105は、行方向及び列方向に規則的に配置されている。ワード線100及びダミーワード線101は、対応するMISFET105のゲート電極を兼ねている。
【0005】
1つの活性領域104の上を2本のワード線100が通過し、1つの活性領域104内に2つのMISFET105が形成される。MISFET105を覆うように、基板上に層間絶縁膜が形成されている。各MISFET105のソース/ドレイン領域のうち活性領域104の両端に位置するストレージ領域106の各々に対応して、層間絶縁膜にストレージコンタクトホール110が形成されている。ストレージコンタクトホール110の各々の中に、キャパシタが形成されている。キャパシタの一方の電極は、対応するストレージ領域106に接続され、他方の電極は、キャパシタ相互間で接続されて共通電極を構成している。
【0006】
ストレージコンタクトホール110は、その中に形成されるキャパシタの静電容量を大きくするために、なるべく大きくすることが好ましい。このため、基板法線方向から見たとき、ストレージコンタクトホール110とワード線100とが部分的に重なるように配置されている。ストレージコンタクトホール110内に形成されるキャパシタとワード線との間は、絶縁膜で絶縁されている。
【0007】
各MISFET105のソース/ドレイン領域のうち活性領域104の中央部に位置するビット領域107は、2つのMISFET105で共有される。ビット領域107の各々に対応して、層間絶縁膜にビットコンタクトホール111が形成されている。ビットコンタクトホール111の各行に対応して、層間絶縁膜の上に行方向に延在するビット線108が配置されている。ビット領域107は、ビットコンタクトホール111を介して対応するビット線108に接続されている。
【0008】
ワード線100は、ワードドライバ回路120に接続されている。ワードドライバ回路120は、各ワード線に選択的に電気信号を印加する。より具体的には、情報を読み出すべき列のワード線100に電圧Viiを印加し、他のワード線100には接地電位VSSを印加する。ダミーワード線101には、接地電位VSSが与えられている。接地電位VSSは、ダミーワード線101に対応するMISFET105aを非導通状態にする。
【0009】
ダミーワード線101の外側の、基板表面層に、列方向に延在する最外周不純物拡散領域125が配置されている。最外周不純物拡散領域125は、ダミーワード線101に対応するMISFET105aのストレージ領域を兼ねている。最外周不純物拡散領域125には、ワード線100に印加される読出電位Viiの半分の電圧Vii/2が印加されている。最外周不純物拡散領域125は、周辺回路のトランジスタの動作等に起因して生じた電子を捕獲し、メモリセル部へのこれらの電子の注入を防止する。
【0010】
各ビット線108は、センスアンプ回路130に接続されている。センスアンプ回路130は、最外周不純物拡散領域125よりもさらに外側に配置されている。センスアンプ回路130は、ビット線108に現れた電圧を検出する。なお、最も外側(図8の最も上の行)のビット線108aはセンスアンプ回路130に接続されておらず、ダミーとされている。
【0011】
すなわち、ワード線及びビット線の双方共、最も外側のものはダミーであり、ダミーワード線及びダミービット線に対応して配置されたMISFETは、メモリセルとして働かない。このように、ダミーのワード線及びビット線を配置するのは、実際にメモリセルとして機能する領域のパターンを安定して形成するためである。
【0012】
同様の理由により、ダミーワード線101に対応するMISFET105aのストレージ領域にも、ストレージコンタクトホール110aが形成されている。また、図8の第2行目のビット線108bに対応して、ダミーワード線101と最外周不純物拡散領域125とに跨がるように、ストレージコンタクトホール110bが形成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図9は、図8の一点鎖線A9−A9における断面図を示す。p型シリコン基板150の表面上にフィールド酸化膜151が形成されている。フィールド酸化膜151によって画定された活性領域の表面層に、リン(P)をドープされてn型にされた最外周不純物拡散領域125が形成されている。
【0014】
フィールド酸化膜151の端の近傍領域の上に、ダミーワード線101が形成されている。ダミーワード線101は、ポリシリコン膜101aとWSi膜101bとの積層構造を有する。WSi膜101bの上に、SiO2 からなる上部絶縁膜152が形成されている。ダミーワード線101と上部絶縁膜152との積層構造の側面上に、SiO2 からなるサイドウォール絶縁膜153が形成されている。すなわち、ダミーワード線101は、その上面及び側面を、SiO2 からなる上部絶縁膜152及びサイドウォール絶縁膜153で覆われている。
【0015】
上部絶縁膜152、サイドウォール絶縁膜153、及び最外周不純物拡散領域125の表面を覆うように、SiO2 からなる保護膜155が形成され、その上にSiNからなるエッチング停止膜156が形成されている。エッチング停止膜156の上に、ボロフォスフォシリケートガラス(BPSG)からなる層間絶縁膜157が形成されている。層間絶縁膜157の表面は、化学機械研磨(CMP)により平坦化されている。
【0016】
層間絶縁膜157に、最外周不純物拡散領域125の表面を露出させるストレージコンタクトホール110bが形成されている。ストレージコンタクトホール110bは、ダミーワード線101の一部の領域上まで広げられている。層間絶縁膜157をエッチングするときに、SiNからなるエッチング停止膜156により再現性よくエッチングを停止することができる。
【0017】
ストレージコンタクトホール110bの底面に露出したエッチング停止膜は除去される。エッチング停止膜の除去時に、SiO2 からなる保護膜155が、最外周不純物拡散領域125を保護する。ストレージコンタクトホール110bの底面に露出した保護膜155は、最終的には除去される。
【0018】
ストレージコンタクトホール110bの側面及び底面上に、ポリシリコンからなるストレージ電極160が形成されている。ストレージ電極160の表面及び層間絶縁膜161の上面が、SiNからなる誘電体膜161で覆われている。なお、誘電体膜161の表面を酸化して、その表面上に薄いSiO膜を形成してもよい。誘電体膜161の表面上に、ポリシリコンからなる共通電極162が形成されている。
【0019】
ダミーワード線101と蓄積電極160とは、上部絶縁膜152及びサイドウォール絶縁膜153によって相互に絶縁されている。しかし、ストレージコンタクトホール110bを形成する時のオーバエッチングにより、ダミーワード線101と蓄積電極160とが接触する場合がある。両者が接触すると、ダミーワード線101と最外周不純物拡散領域125とが蓄積電極160を介して短絡する。ダミーワード線101には接地電位VSSが与えられ、最外周不純物拡散領域125には電圧Vii/2が与えられているため、両者が短絡すると電流が常時流れることになる。この場合、たとえメモリセル部にビット不良がないとしてもスタンバイ電流不良となってしまう。
【0020】
本発明の目的は、スタンバイ電流不良の生じにくい半導体装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、
半導体基板と、
前記半導体基板の表面上に、相互にある間隔を隔てて配置され、各々が第1の方向に延在する複数のワード線と、
前記ワード線のうち最も外側に配置されたワード線よりもさらに外側に、ある間隔を隔てて配置され、第1の方向に延在する少なくとも2本のダミーワード線と、
前記ワード線及びダミーワード線の各々に対応して複数個形成され、第1の方向及び該第1の方向に交差する第2の方向に規則的に配置されたMISFETであって、各MISFETのゲート電極を、対応するワード線もしくはダミーワード線が兼ねている前記MISFETと、
前記MISFETを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜を貫通し、前記MISFETの各々のソース/ドレイン領域のうち一方のストレージ領域に対応して配置されたストレージコンタクトホールであって、前記ストレージ領域が、前記ダミーワード線のうち外側のダミーワード線よりも内側にのみ分布するように選択され、前記2本のダミーワード線の各々に対応するMISFETのストレージ領域に対応して設けられた前記ストレージコンタクトホールが、基板法線方向から見て、前記2本のダミーワード線の少なくとも一方に部分的に重なっている前記ストレージコンタクトホールと、
前記ストレージコンタクトホールの底面において前記ストレージ領域の各々に接続されたキャパシタと、
前記ワード線に接続され、各ワード線に選択的に電気信号を印加するワードドライバ回路と、
前記ダミーワード線に、第1の固定電圧を印加する第1の電圧印加回路と、
前記外側のダミーワード線よりも外側に、該ダミーワード線に沿って配置され、前記半導体基板の表面層に不純物をドープして形成され、前記外側のダミーワード線に対応するMISFETの各々のソース/ドレイン領域のうち該ダミーワード線よりも外側に配置されたビット領域を兼ねている最外周不純物拡散領域と、
前記最外周不純物拡散領域に、前記第1の固定電圧とは異なる第2の固定電圧を印加する第2の電圧印加回路と
を有する半導体装置が提供される。
【0022】
ストレージ領域が外側のダミーワード線よりも内側にのみ分布している。従って、ストレージコンタクトホール形成時にオーバエッチングしてダミーワード線が露出したとしても、外側のダミーワード線よりも外側に配置されたビット領域とダミーワード線とが、キャパシタを介して短絡されることがない。このため、第1の固定電圧と第2の固定電圧との間で定常的に電流が流れることを防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施例による半導体装置の概略平面図を示す。複数のワード線100が図1の列方向(縦方向)に延在し、複数のビット線108が行方向(横方向)に延在している。ワード線110とビット線108との所定の交差箇所に、MISFET105が配置されている。より具体的には、(2×i)行目のビット線108に関しては、(4×j)列目及び(4×j+3)列目のワード線100に対応する位置にMISFET105が配置され、(2×i+1)行目のビット線108に関しては、(4×j+1)列目及び(4×j+2)列目のワード線100に対応する位置にMISFET105が配置されている。ここで、i,j=0,1,2,3・・・である(本明細書において、以下のi及びjも同様)。
【0024】
MISFET105のゲート電極は、対応するワード線100が兼ねている。各MISFET105のソース/ドレイン領域のうち一方のストレージ領域106に対応して、ストレージコンタクトホール110が配置され、他方のビット領域に対応してビットコンタクトホール111が配置されている。各ワード線100はワードドライバ回路120に接続され、各ビット線108は、センスアンプ回路130に接続されている。これらの構成は図8に示す従来例の半導体装置の構成と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0025】
複数のワード線100のうち最も外側のワード線のさらに外側に、ダミーワード線10が配置され、その外側にダミーワード線11が配置されている。ダミーワード線10と(2×i)行目のビット線108との交差箇所の各々に、MISFET15が配置され、ワード線11と(2×i+1)行目のビット線108との交差箇所の各々にMISFET16が配置されている。
【0026】
MISFET15のストレージ領域21及びMISFET16のストレージ領域22が、2本のダミーワード線10と11との間に配置されている。すなわち、MISFET105、15、及び16のストレージ領域106、21、及び22は、外側のダミーワード線11よりも内側にのみ配置されている。ストレージ領域21及び22に対応するストレージコンタクトホール17及び19は、それぞれダミーワード線11及び10と部分的に重なるように配置されている。
【0027】
MISFET15に対応するビットコンタクトホール18が、ダミーワード線10とその内側のワード線100との間に配置されている。
【0028】
外側のダミーワード線11よりもさらに外側に、シリコン基板の表面層にリンをドープして形成された最外周不純物拡散領域25が配置されている。最外周不純物拡散領域25は、ダミーワード線11に沿って列方向に延在し、MISFET16のビット領域を兼ねている。ただし、MISFET16のビット領域に対応するビットコンタクトホールは形成されていない。
【0029】
ダミーワード線10及び11に、第1の電圧印加回路27を介して接地電位VSSが印加されている。接地電位VSSは、ダミーワード線10及び11に対応するMISFET15及び16を非導通状態にするゲート電圧である。最外周不純物拡散領域25に、第2の電圧印加回路28を介して、読出電圧Viiの半分の電圧Vii/2が印加されている。ここで、読出電圧Viiは、内部動作電位である。
【0030】
MISFET15及び16が非導通状態にされているため、ダミーワード線10と11との間に配置されているストレージ領域21及び22が直流的にフローティング状態になる。従って、ストレージコンタクトホール17及び19の形成時にオーバエッチングを行ってダミーワード線10とストレージ領域22、及びダミーワード線11とストレージ領域21とが短絡しても、両者間に直流電流が定常的に流れることはない。また、最外周不純物拡散領域25の上にはストレージコンタクトホール106及びビットコンタクトホール111が形成されていないため、ダミーワード線11と最外周不純物拡散領域25との短絡を防止することができる。このため、スタンバイ電流不良の発生を防止し、歩留りの向上を図ることが可能になる。
【0031】
次に、図2〜図4を参照して、図1に示す半導体装置の製造方法を説明する。図2〜図4は、図1の一点鎖線A2−A2における断面図である。
【0032】
図2(A)に示すように、p型シリコン基板30の表面上にフィールド酸化膜31が形成され、活性領域104が画定されている。活性領域104の上を、紙面に垂直な方向にワード線100及びダミーワード線10が通過している。活性領域104の図の左側及び右側のフィールド酸化膜31の上を、それぞれ紙面に垂直な方向にワード線100及びダミーワード線11が通過している。
【0033】
活性領域104上では、ワード線100及びダミーワード線10はゲート酸化膜32の上に配置されている。ワード線100、ダミーワード線10及び11は、ポリシリコン膜とWSi膜との2層構造を有する。ワード線100、ダミーワード線10及び11の上に、SiO2 からなる上部絶縁膜33が形成されている。ここまでの構造は、周知のシリコン局所酸化(LOCOS)、熱酸化、化学気相成長(CVD)、フォトリソグラフィ、及び反応性イオンエッチング(RIE)の技術を用いて形成することができる。
【0034】
ワード線100及びダミーワード線10、11をマスクとして、活性領域104の表面層に、リン(P)イオンを注入する。このイオン注入は、例えば加速エネルギ20keV、ドーズ2.5E13cm-2の条件で行う。ワード線100及びダミーワード線10の両側に、不純物拡散領域が形成される。図2(A)の両端の不純物拡散領域がストレージ領域106であり、中央の不純物拡散領域がビット領域107である。
【0035】
ワード線100、ダミーワード線10、11の各配線と上部絶縁膜33との積層構造の側面上にSiO2 からなるサイドウォール絶縁膜35を形成する。サイドウォール絶縁膜35は、基板の全表面上にSiO2 膜を堆積した後、異方性エッチングを行うことにより形成される。
【0036】
基板の全表面を覆うように、SiO2 からなる厚さ約20nmの保護膜36をCVDにより形成する。保護膜36の表面上にSiNからなる厚さ約70nmのエッチング停止膜37をCVDにより形成する。エッチング停止膜37の表面上にBPSGからなる厚さ約1.75μmの層間絶縁膜38を堆積する。層間絶縁膜38の堆積後、CMPによりその表面を平坦化する。
【0037】
図2(B)に示すように、ストレージ領域106に対応する位置にストレージコンタクトホール110を形成するとともに、ビット領域107に対応する位置にビットコンタクトホール111を形成する。以下、ストレージコンタクトホール110及びビットコンタクトホール111の形成方法を説明する。
【0038】
コンタクトホールを形成しない領域をレジストパターンで覆う。SiNからなるエッチング停止膜37のエッチング速度が十分遅く、BPSGからなる層間絶縁膜38のエッチング速度が速い条件で層間絶縁膜38をエッチングする。エッチング方法として、例えばC4 8 /Ar/O2 /COを用いたRIEが挙げられる。この条件でエッチングを行うことにより、エッチング停止膜37が露出した時点で再現性よくエッチングを停止させることができる。
【0039】
次に、SiO2 からなる保護膜36のエッチング速度が十分遅く、SiNからなるエッチング停止膜37のエッチング速度が速い条件でエッチング停止膜37をエッチングする。エッチング方法として、例えばCHF3 /O2 を用いたRIEが挙げられる。このとき、ストレージ領域106及びビット領域107の表面が保護膜36で覆われているため、これらの領域が受けるダメージを軽減することができる。エッチング停止膜37を除去した後、これらのコンタクトホールの底面に露出した保護膜36をウェットエッチングにより除去し、最後にレジストパターンを剥離する。
【0040】
層間絶縁膜38のエッチング時にはエッチング停止膜37でエッチングが停止し、エッチング停止膜37のエッチング時には保護膜36でエッチングが停止する。また、保護膜36の厚さは上部絶縁膜33及びサイドウォール絶縁膜35の厚さに比べて十分薄いため、保護膜36をエッチングするときに、上部絶縁膜33及びサイドウォール絶縁膜35を再現性良く残すことができる。。このため、ストレージコンタクトホール110がワード線100及びダミーワード線11に部分的に重なっている場合でも、ワード線100及びダミーワード線11を露出させることなく、ストレージコンタクトホール110を形成することができる。また、コンタクトホールの位置合わせ誤差が生じた場合にも、ワード線100、ダミーワード線10及び11の露出を防止することができる。
【0041】
図3(A)に示すように、ストレージコンタクトホール110の内面上にアモルファスシリコンからなる蓄積電極40を形成するとともに、ビットコンタクトホール111の内面上に、アモルファスシリコン膜41を形成する。以下、蓄積電極40及びアモルファスシリコン膜41の形成方法を説明する。
【0042】
ストレージコンタクトホール110及びビットコンタクトホール111の内面を含む基板の全表面上に、Pをドープされた厚さ50nmのアモルファスシリコン膜をCVDにより堆積する。ストレージコンタクトホール110及びビットコンタクトホール111内を埋め込むようにレジスト膜を塗布する。層間絶縁膜38の表面が露出するまでCMPを行う。コンタクトホール内に残っているレジスト膜を除去する。このようにして、コンタクトホール110と111の内面上にのみ蓄積電極40及びアモルファスシリコン膜41を形成することができる。
【0043】
図3(B)に示すように、基板の全表面上にSiNからなる厚さ5.5nmの誘電体膜42をCVDにより堆積する。誘電体膜42の表面層を薄く酸化する。誘電体膜42の表面上に、厚さ100nmのPドープのアモルファスシリコン膜をCVDにより堆積する。このアモルファスシリコン膜のうちビットコンタクトホール111の開口部周辺の部分を除去する。ストレージコンタクトホール110の中及び平坦面上に、アモルファスシリコンからなる共通電極43が残る。ストレージコンタクトホール110ごとに、蓄積電極40、誘電体膜42及び共通電極43からなるキャパシタが形成される。ビットコンタクトホール111の中には、アモルファスシリコン膜44が残る。
【0044】
図4(A)に示すように、基板の全表面上にSiO2 からなる層間絶縁膜50をCVDにより堆積する。層間絶縁膜50に、ビットコンタクトホール111の開口部を露出させる開口51を形成する。このとき、開口51の底面に現れた誘電体膜42も除去する。開口51の底面に、アモルファスシリコン膜41の上側の端面が露出する。
【0045】
図4(B)に示すように、基板の全表面上にTi/TiN/W(/は下層/上層を示す)からなる導電膜を堆積し、パターニングしてビット線108を形成する。ビット線108は、ビットコンタクトホール111内のアモルファスシリコン膜41を介してビット領域107に接続される。
【0046】
ワード線100をゲート電極とし、その両側のストレージ領域106とビット領域107とをソース/ドレイン領域とするMISFET105が形成される。ダミーワード線10をゲート電極とし、その両側のストレージ領域106とビット領域107とをソース/ドレイン領域とするMISFET15が形成される。
【0047】
図4(B)において、ダミーワード線11を被覆する上部絶縁膜33及びサイドウォール絶縁膜35の一部が除去されて、ダミーワード線11と蓄積電極40が接触すると、ダミーワード線11とMISFET15のストレージ領域106とが短絡される。この場合でも、ストレージ領域106がフローティング状態であるため、ダミーワード線11とストレージ領域106間に定常的な電流は流れない。
【0048】
図5は、第2の実施例による半導体装置の概略平面図を示す。図1に示す第1の実施例では、ダミーワード線10と11との間のストレージ領域106は、相互に分離されていた。第2の実施例では、ダミーワード線10と11との間のストレージ領域が、シリコン基板の表面層に形成された不純物拡散領域106aにより相互に接続されている。
【0049】
次に、図6及び図7を参照して、第3の実施例について説明する。第1の実施例による半導体装置では、ビット線がキャパシタよりも上の層に配置されていた。第3の実施例では、キャパシタがビット線よりも上の層に配置されている。
【0050】
図6は、第3の実施例による半導体装置の概略平面図を示す。図6に示す半導体装置の各構成部分には、図1に示す半導体装置の対応する構成部分と同一の参照番号を付している。
【0051】
図6の列方向に複数のワード線100が延在し、行方向に複数のビット線108が延在している。最も外側のワード線100よりもさらに外側に、2本のダミーワード線10及び11が配置されている。ワード線100とビット線108との所定の交差箇所にMISFET105が配置されている。ダミーワード線10とビット線108との所定の交差箇所にMISFET15が配置され、ダミーワード線11とビット線108との所定の交差箇所にMISFET16が配置されている。
【0052】
図1では、キャパシタがビット線108の下に配置されているため、ストレージコンタクトホール110とビット線108とが部分的に重なった位置に配置されていた。これに対し、第3の実施例ではキャパシタがビット線よりも上に配置されるため、ストレージコンタクトホール110がビット線108の脇に配置されている。ストレージコンタクトホール110とビット線108との位置関係以外は、基本的に第1の実施例の場合と同様の配置である。
【0053】
図7は、図6の一点鎖線A7−A7における断面図を示す。第1の実施例の図2(A)に示すエッチング停止膜37の堆積までの工程と同様の工程を経て図7に示すエッチング停止膜37よりも下層の構造を形成する。
【0054】
エッチング停止膜37の上に、BPSGからなる厚さ約0.75μmの層間絶縁膜60を堆積し、CMPによりその表面の平坦化を行う。層間絶縁膜60の、ストレージ領域106及びビット領域107に対応する位置に、それぞれストレージコンタクトホール110及びビットコンタクトホール111を形成する。コンタクトホール110及び111内に、ポリシリコンからなる導電性プラグ61を埋め込む。
【0055】
層間絶縁膜60の上に、BPSGからなる厚さ約0.8μmの層間絶縁膜63を堆積する。層間絶縁膜63の、ビットコンタクトホール111に対応する位置に開口64を形成する。層間絶縁膜63の上に、開口64内を埋め込み、ビットコンタクトホール111内の導電性プラグ61に接続されたビット線108を形成する。ビット線108は、例えばドープトアモルファスSi/WSi2 で形成される。
【0056】
ビット線108を覆うように、層間絶縁膜63の上にBPSGからなる厚さ約0.8μmの他の層間絶縁膜65を堆積する。層間絶縁膜65と63の、ストレージコンタクトホール110に対応する位置に、開口68を形成する。層間絶縁膜65の上に、開口68の各々に対応して蓄積電極70を形成する。蓄積電極70は、開口68内を埋め尽くし、ストレージコンタクトホール110内の導電性プラグ61に接続される。
【0057】
蓄積電極70を覆うように、層間絶縁膜65の上にSiNからなる誘電体膜71を堆積する。誘電体膜71の表面を薄く熱酸化する。誘電体膜71の表面上に、ドープトアモルファスSiからなる共通電極72を形成する。
【0058】
第3の実施例の場合にも、図6に示すように、ストレージ領域106が外側のダミーワード線11よりも内側にのみ配置されている。このため、接地電位VSSが印加された外側のダミーワード線11と、電圧Vii/2が印加された最外周不純物拡散領域25との短絡を防止することができる。また、ダミーワード線10と11との間のストレージ領域はフローティング状態にされているため、これらストレージ領域とダミーワード線10、11とが短絡したとしても、スタンバイ電流は流れない。
【0059】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ストレージコンタクトホール形成時のオーバエッチングに起因するダミーワード線と不純物拡散領域との短絡が生じた場合でも、両者間に定常的な電流が流れることを防止できる。このため、半導体装置の歩留り向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による半導体装置の概略平面図である。
【図2】本発明の第1の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための半導体装置の断面図(その1)である。
【図3】本発明の第1の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための半導体装置の断面図(その2)である。
【図4】本発明の第1の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための半導体装置の断面図(その3)である。
【図5】本発明の第2の実施例による半導体装置の概略平面図である。
【図6】本発明の第3の実施例による半導体装置の概略平面図である。
【図7】本発明の第3の実施例による半導体装置の概略断面図である。
【図8】従来例による半導体装置の概略平面図である。
【図9】従来例による半導体装置のストレージコンタクトホール部の断面図である。
【符号の説明】
10、11 ダミーワード線
15、16、105 MISFET
17、19、110 ストレージコンタクトホール
18、111 ビットコンタクトホール
21、22、106 ストレージ領域
25、125 最外周不純物拡散領域
27 第1の電圧印加回路
28 第2の電圧印加回路
30 シリコン基板
31 フィールド酸化膜
32 ゲート酸化膜
33 上部絶縁膜
35 サイドウォール絶縁膜
36 保護膜
37 エッチング停止膜
38、50、60、63、65 層間絶縁膜
40、70 蓄積電極
41、44 アモルファスシリコン膜
42、71 誘電体膜
43、72 共通電極
51、64、68 開口
61 導電性プラグ
100 ワード線
104 活性領域
106a 不純物拡散領域
107 ビット領域
108 ビット線
120 ワードドライバ回路
130 センスアンプ回路

Claims (7)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の表面上に、相互にある間隔を隔てて配置され、各々が第1の方向に延在する複数のワード線と、
    前記ワード線のうち最も外側に配置されたワード線よりもさらに外側に、ある間隔を隔てて配置され、第1の方向に延在する少なくとも2本のダミーワード線と、
    前記ワード線及びダミーワード線の各々に対応して複数個形成され、第1の方向及び該第1の方向に交差する第2の方向に規則的に配置されたMISFETであって、各MISFETのゲート電極を、対応するワード線もしくはダミーワード線が兼ねている前記MISFETと、
    前記MISFETを覆う層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜を貫通し、前記MISFETの各々のソース/ドレイン領域のうち一方のストレージ領域に対応して配置されたストレージコンタクトホールであって、前記ストレージ領域が、前記ダミーワード線のうち外側のダミーワード線よりも内側にのみ分布するように選択され、前記2本のダミーワード線の各々に対応するMISFETのストレージ領域に対応して設けられた前記ストレージコンタクトホールが、基板法線方向から見て、前記2本のダミーワード線の少なくとも一方に部分的に重なっている前記ストレージコンタクトホールと、
    前記ストレージコンタクトホールの底面において前記ストレージ領域の各々に接続されたキャパシタと、
    前記ワード線に接続され、各ワード線に選択的に電気信号を印加するワードドライバ回路と、
    前記ダミーワード線に、第1の固定電圧を印加する第1の電圧印加回路と、
    前記外側のダミーワード線よりも外側に、該ダミーワード線に沿って配置され、前記半導体基板の表面層に不純物をドープして形成され、前記外側のダミーワード線に対応するMISFETの各々のソース/ドレイン領域のうち該ダミーワード線よりも外側に配置されたビット領域を兼ねている最外周不純物拡散領域と、
    前記最外周不純物拡散領域に、前記第1の固定電圧とは異なる第2の固定電圧を印加する第2の電圧印加回路と
    を有する半導体装置。
  2. 前記2本のダミーワード線の各々に対応するMISFETのストレージ領域が、該2本のダミーワード線の間に配置されており、直流的にフローティング状態にされている請求項に記載の半導体装置。
  3. 前記2本のダミーワード線の各々に対応するMISFETのストレージ領域が、前記半導体基板の表面層に形成されたフローティング状態の不純物拡散領域で相互に接続されている請求項に記載の半導体装置。
  4. さらに、前記半導体基板の表面上に形成され前記第2の方向に延在する複数のビット線であって、該ビット線は、前記MISFETの第1の方向に配列する規則に対応して配置され、対応する複数のMISFETのビット領域に接続されている請求項1〜のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記ビット線に接続され、各ビット線に現れた電圧を検出するセンスアンプ回路であって、前記外側のダミーワード線に対応するビット領域よりもさらに外側に配置された前記センスアンプ回路を有する請求項に記載の半導体装置。
  6. 前記ビット線のうち最も外側のビット線よりもさらに外側にダミーのビット線が配置されており、該ダミーのビット線は、前記センスアンプ回路に接続されていない請求項に記載の半導体装置。
  7. さらに、前記ダミーワード線の表面を覆い、前記層間絶縁膜とはエッチング耐性の異なる材料で形成されたエッチング停止膜を前記層間絶縁膜の下に有する請求項1〜のいずれかに記載の半導体装置。
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