JP4356233B2 - 基板移載装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板をカセットから取り出してプロセスに受け渡す、或いは基板をプロセスから受け取ってカセットに収納するための移載装置に係り、特に、広いスペースをとらず、基板サイズによらず利用できる基板移載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フラットパネルディスプレイの製造ラインにおいて、パネル用のガラス基板は、各プロセスにおいて単葉毎に処理されるが、プロセス間では複葉のガラス基板をカセットに収納して一括搬送される。従って、搬送ラインとプロセスとの間で、カセットから単葉のガラス基板を取り出してプロセスに受け渡す、或いはプロセスから受け取った単葉のガラス基板をカセットに収納するための移載装置(ローダ・アンローダ)が使用される。移載の方式として、ローラ式とハンド式とが一般に採用されている。以下、カセットからガラス基板を取り出す場合について説明する。
【0003】
ハンド式は、ガラス基板を載せることのできるロボットハンドをカセット内のガラス基板の下に差し込み、そのロボットハンドを上昇させることにより、ガラス基板をカセットから離間させてロボットハンド上に載せ、そのロボットハンドをカセット外へ移動させた後、ロボットハンドからプロセスにガラス基板を受け渡す方式である。
【0004】
ローラ式は、ローラをカセット内に挿入し、このローラによってガラス基板をプロセスに移送する方式である。従来のローラ式は、ローラをカセットの下方からカセット内に挿入している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ハンド式は、カセットとプロセスとの間にロボットハンドがカセット内外を運動するためのスペースを必要とする。カセットを設置する場所とプロセスとの間には、上記の運動スペースだけでなく、その運動スペースの側方にも無駄スペースが生じてしまう。その結果として製造ライン全体の占めるスペースが大きくなってしまう。フラットパネルディスプレイの製造ラインは、その全体をクリーンルーム内に設置するなどして清浄雰囲気に管理することが必要であるため、占有スペースが大きいことはコスト的に不利である。その点、ローラ式はカセットとプロセスとの間にスペースが要らないので、コスト的に有利である。
【0006】
しかしながら、従来のローラ式は、ローラをカセットの下方からカセット内に挿入しているため、ローラ配置に大きな制約がある。
【0007】
ここでカセットは、図10に示されるように、矩形の穴空き板を天板101及び底板102とし、これら天板101及び底板102の両長辺間を複数の柱103で支持したものである。また、天板101及び底板102の両長辺間にはガラス基板を載せ置くためのリブ104を多段に配した棚部材105が設けられている。このリブ104に載せ置かれたガラス基板を短辺に臨む方向へ取り出すよう、短辺側開口部には部材が設けられていない。
【0008】
上記のようなカセットに下方からローラを挿入するので、ローラは底板102に干渉しないよう配置や個数が制約される。
【0009】
また、ガラス基板をローラで移送すると、移送中にガラス基板の向きがゆがんだり、位置が偏ったりして蛇行し、ローラやプロセス側コンベアから脱落したり、移送方向側方の部材に衝突するおそれがある。移送方向の側方から何らかの部材によってガラス基板の運動を規制すれば蛇行は防止できるが、カセットに収納可能な最大サイズより小さなガラス基板を扱う場合、上記の規制部材では蛇行が防止できない。また、小さなガラス基板はローラから脱落することが避け難い。ローラの個数を多くすれば蛇行や脱落を低減することが可能であるが、既に述べたように、従来方式ではローラの個数を増やすことができない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、広いスペースをとらず、基板サイズによらず利用できる基板移載装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、基板を収納したカセットを昇降させる昇降台と、上記カセット内で上記基板をプロセスに向けて移送するためのローラと、このローラを基板移送方向側方より上記カセット内へ水平に出没させるローラ出没機構とを備えたものである。
【0012】
上記ローラに上記基板の運動を移送方向側方から規制するつばを形成してもよい。
【0013】
上記ローラの上記カセット内への出没量を可変に構成してもよい。
【0014】
上記ローラを上記カセットが上記昇降台へ移送される水準よりも低い位置に設けてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1に示されるように、本発明に係る基板移載装置は、プロセスに臨んだ移載位置に接する待機位置に設置されガラス基板1を収納して待機するカセット2を移載位置まで移送する待機コンベア3と、その移載位置に設置されカセット2を昇降させる昇降台4と、カセット2内で回転しガラス基板1をプロセスに向けて移送するためのローラ5と、このローラ5を基板移送方向側方よりカセット2内へ水平に出没させるローラ出没機構6と、移載位置に接する排出位置に設置され移載位置から排出された空カセットを受け取る排出コンベア7とを備える。
【0017】
待機コンベア3、昇降台4及び排出コンベア7は、上から見ると一直線に並んで配置されている。図1では、昇降台4が降下した位置に描かれているが、昇降台4を上昇させれば、待機コンベア3、昇降台4及び排出コンベア7を同じ水準にすることができる。待機コンベア3及び排出コンベア7の上面には、カセット2を移送するための複数のローラ又はスプロケットからなる送り機構8が並べて設けられている。昇降台4の上面にも同様の送り機構8が並べて設けられている。これにより、図内に矢印で示したカセット移送方向が実現される。昇降台4の両側にはカセットの運動を規制するストッパ9が出没自在に設けられている。このストッパ9は、移送されるカセット2を正しく移載位置に位置決めするために設けられている。なお、昇降台4を昇降させる機構は図示されていない。
【0018】
待機コンベア3及び排出コンベア7は、それぞれ支持台10の上に固定されており、それぞれ昇降台4に臨む端部では、支持台10よりせり出して設けられている。これにより、待機コンベア3の終端の下方及び排出コンベア7の始端の下方には、他の機器を配置するスペースが形成されている。このスペースを利用して、ローラ出没機構6及び昇降台昇降機構を固定する支持枠11が設置されている。ローラ出没機構6は、待機コンベア3の終端の直下方及び排出コンベア7の始端の直下に配置されている。図示しないがプロセスの基板受け取りの水準は、ローラ5による基板移送の水準に等しい。
【0019】
図2に示されるように、ローラ出没機構6は、ローラ5の回転軸12を回転させるモータ(図示せず)とこの回転軸12を軸方向に移動させる機構(図示せず)とを具備したものである。ローラ5は、円柱若しくは円盤状に形成され、1つの回転軸12上に1個乃至適宜間隔で複数個設けられている。1つの回転軸12上の少なくとも1つのローラ5には、ガラス基板1の運動を移送方向側方から規制するつば13が形成されている。ローラ5の軸方向への移動量は、固定であっても可変であってもよい。なお、正面図1(b)には、ローラ5が待機コンベア3側及び排出コンベア7側に1セットずつしか見られず、平面図1(a)には、ローラ5が描かれていないが、ローラ5は、ガラス基板1の移送方向に任意個数並べることができる。この場合、ローラ出没機構6より複数の回転軸12を櫛歯状に突き出して設け、各ローラ5を一斉にカセット2内に出没させることができる。
【0020】
次に、本発明に係る基板移載装置の動作を図3〜図6を用いて説明する。
【0021】
まず、図3に至る前に、カセット2が待機コンベア3から昇降台4に移送され、ストッパ9によって正しく移載位置に位置決めされて、図3に至っているものとする。図3の段階では、カセット2が待機コンベア3で移送される水準に位置しており、ローラ5はそれより低い位置に設けられ、退避した状態である。これより、昇降台4を下降させることになる。カセット2の底板がローラ5より低い位置に下がり、カセット2内の現在最下段にあるガラス基板1がローラ5より高い位置にあるとき、昇降台4の下降を停止させ、ローラ出没機構6により、図4のように、ローラ5をカセット2内に水平に挿入する。
【0022】
昇降台4をさらに下降させることで、カセット2の最下段にあるガラス基板1がカセット2のリブから離間されローラ5に載せられることになる。ここで昇降台4の下降を停止させ、ローラ5を回転駆動すると、ガラス基板1がプロセスに向けて移送される。その後、昇降台4をガラス基板1の収納ピッチずつ下降させていくことで、順次、上段のガラス基板1をプロセスに向けて移送することができる。
【0023】
図5のように、最上段のガラス基板1が払い出されてカセット2が空になると、ローラ5をカセット2外へ退避させる。ローラ5がカセット2や昇降台4に干渉しない状態まで退避した後、昇降台4を上昇させる。そして、図6のように、昇降台4が元の高さ、即ち、カセット2を移送する水準まで戻ったら、昇降台4の上昇を停止させる。この後、昇降台4上の空カセット2を排出コンベア7に排出すると共に、次に使用する充実カセット2を待機コンベア3から昇降台4に搬入する。
【0024】
図1の基板移載装置は、ローラ式を採用しているので、プロセスに直結することができ、ハンド式に比べて占有スペースが小さいため、清浄雰囲気に管理することが必要な工場の空間を小さくし、或いは限られた工場空間を有効利用することが可能になる。また、ローラ5を干渉部材の少ない基板移送方向側方よりカセット内へ水平に出没させるようにしたので、ローラ5の個数や2次元的配置に制約が少なく、多数のローラ5を使用することができる。これにより、基板移送方向のローラ配置ピッチを狭くして基板がローラ間を渡る際の衝撃を和らげ、かつ基板の蛇行が起こり難くすることができ、さらに、基板の大小にかかわらず蛇行や脱落のない移送が可能になる。
【0025】
また、図1の基板移載装置は、ローラ5をカセット2が移送される水準よりも低い位置に設けたので、カセット2が移送される空間とは異なる空間でローラ5が動作することになり、ローラ5の出没が水平往復移動だけで可能になる。その一方で、カセット2を移載位置に接する待機位置、排出位置に待機させることができるようになり、速やかにカセット2の交換を行うことができる。そして、ローラ5を待機コンベア3の下方及び排出コンベア7の下方に設置することにより、スペース利用効率を高めることができる。
【0026】
また、図2のローラ5は、つば13が形成されているので、基板の蛇行を防止することができる。さらに、ローラ5のカセット2内への出没量を可変にすれば、ローラ位置を調整することにより、小さい基板に対してもつば13を利かせることができる。これにより、プロセスが要求している位置に正しく基板を受け渡すことができる。
【0027】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0028】
図7に示されるように、基板移載装置は、図1と同様に待機コンベア3、、ローラ5、ローラ出没機構6、排出コンベア7を備え、待機コンベア3、昇降台4及び排出コンベア7は、上から見ると一直線に並んで配置されている。待機コンベア3及び排出コンベア7下に配置されたローラ出没機構6には、多数のローラ5が昇降台4に臨ませて設けられている。この図では、ローラ5がカセット2内への出現位置にも示されている。最大サイズの基板1、小さいサイズの基板1’は、いずれもローラ5で移送することができる。
【0029】
ここでは、昇降台4とプロセスとの間に、横行コンベア12が介設されている。この横行コンベア12は、プロセスで次に処理する基板を待機させる目的で設けられている。例えば、この横行コンベア12上にて、カセット2から受け渡された基板を検査したり、プロセス投入のための予備処理を行うことができる。また、プロセスが基板処理を実行中に横行コンベア12上で次の基板を待機させることができるので、カセット2から最後の基板を取り出して横行コンベア12上に待機させている間に、移載位置のカセット交換を行うことができ、これによって、プロセスを間断なく稼働させることが可能になる。
【0030】
図8は、図7の基板移載装置を側方から見たものである。昇降台4の送り機構8上のカセット2は、待機コンベア3で移送される水準に位置している。ローラ5及び横行コンベア12は、カセット移送水準より低い基板移送水準に位置している。この図では、昇降台4及びカセット2が最下降位置にも示されている。
【0031】
別の実施形態では、図9に示されるように、基板移載装置は、並列配置された2つの昇降台4を有し、それぞれの昇降台4についてローラ出没機構6が設けられている。そして、昇降台4とプロセスとの間には、2つの昇降台4の並びに沿って縦行自在に構成されたに横行コンベア12が介設されている。
【0032】
この実施形態では、横行コンベア12が縦行することによって、2箇所の昇降台4のカセット2から受け取る基板を1箇所のプロセス入口へ移送するようになっている。例えば、#1の昇降台4のカセット2から基板を受け取る場合には、横行コンベア12は#1の位置で基板を受け取り、その後、プロセス入口まで移動する。#2の昇降台4のカセット2から基板を受け取る場合には、#2の位置にプロセス入口があるので、横行コンベア12は縦行しなくてよい。
【0033】
このような構成により、一方の昇降台4においてカセット2が移載処理中であるときに、他方の昇降台4において空のカセット2の排出や充実カセット2の待機を行うことができるので、プロセスの稼働効率が高められる。
【0034】
この実施形態にあっても、側面視は図8のとおりであり、カセット2が図示しない移送装置から昇降台4に移送される水準よりもローラ位置が低いので、カセット2を任意の方向から昇降台4に移送することができる。
【0035】
なお、これまで、基板をカセットから取り出してプロセスに受け渡す場合を中心に説明したが、基板をプロセスから受け取ってカセットに収納する場合でも、本発明が効果を発揮することは勿論である。
【0036】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0037】
(1)ローラ式を採用したことにより、プロセス直結が可能となり、スペース効率が向上する。
【0038】
(2)ローラを干渉部材の少ない基板移送方向側方よりカセット内へ水平に出没させるようにしたので、ローラの個数や2次元的配置に制約が少なく、多数のローラを使用することができる。これにより、基板移送方向のローラ配置ピッチを狭くして基板がローラ間を渡る際の衝撃を和らげ、かつ基板の蛇行が起こり難くすることができ、さらに、基板の大小にかかわらず蛇行や脱落のない移送が可能になる。
【0039】
(3)ローラをカセットが移送される水準よりも低い位置に設けたので、ローラの出没が水平往復移動だけで可能になると共に、カセット交換が速やかになる。
【0040】
(4)ローラにつばを形成したので、基板の蛇行を防止することができる。
【0041】
(5)ローラのカセット内への出没量を可変にしたので基板の大小に合わせてローラ位置を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す基板移載装置の構成図である。(a)は、平面図であり、(b)は正面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すローラの正面図である。
【図3】図1の基板移載装置のカセット降下動作を示す平面図及び正面図である。
【図4】図1の基板移載装置のローラ挿入・基板搬送動作を示す平面図及び正面図である。
【図5】図1の基板移載装置のローラ退避動作を示す平面図及び正面図である。
【図6】図1の基板移載装置のカセット上昇動作を示す平面図及び正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す基板移載装置の平面図である。
【図8】図7、図9の基板移載装置の側面図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す基板移載装置の平面図である。
【図10】一般的に使用されているカセットの斜視図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 カセット
3 待機コンベア
4 昇降台
5 ローラ
6 ローラ出没機構
7 排出コンベア
13 つば

Claims (4)

  1. 基板を収納したカセットを昇降させる昇降台と、上記カセット内で上記基板をプロセスに向けて移送するためのローラと、このローラを基板移送方向側方より上記カセット内へ水平に出没させるローラ出没機構とを備えたことを特徴とする基板移載装置。
  2. 上記ローラに上記基板の運動を移送方向側方から規制するつばを形成したことを特徴とする請求項1記載の基板移載装置。
  3. 上記ローラの上記カセット内への出没量を可変に構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の基板移載装置。
  4. 上記ローラを上記カセットが上記昇降台へ移送される水準よりも低い位置に設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の基板移載装置。
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