JP4355488B2 - 分子汚染監視システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハのような材料基板の分子汚染を監視するシステム、分子汚染を検出するセンサ、計測装置並びにそのセンサを取り付けることが可能な保管搬送容器及び基板受入棚に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、液晶表示装置、ハードディスク、医薬品等の製造工程では、これらの製品を良好に完成させるため、製造工程途中における汚染から保護する必要がある。このため、製造工程はクリーン・ルーム内で行なわれるのが一般的である。クリーン・ルーム内にはフィルタを通過した清浄な空気が送り込まれているので、そのようなフィルタは、例えば0.1μm程度の空気中に固体として浮遊しているゴミ(浮遊パーティクル)が製造途中の製品に付着して汚染されることを比較的良好に抑制し得る。
【0003】
しかしながら汚染の原因はそのような浮遊パーティクルに止まらず、上記フィルタでは除去しきれないガス状物質に起因するものがある。このガス状物質は、分子レベルの汚染を引き起こすものであり、その蒸気(ガス状物質)が半導体ウエハやガラス基板等に触れることによって、分子レベルの汚染が生じる。例えば、半導体ウエハにそのような蒸気が触れると、その後に成膜された膜が剥がれやすくなったり、完成した製品の特性上の不具合を引き起こす虞がある。ガス状物質には、アルコールや有機溶媒等の有機物、室内壁面の塗料、人体からの汗、アンモニア等による蒸気が含まれるが、これらに限定されない。
【0004】
分子汚染の汚染原因(ガス状物質)や汚染の程度を調べるには、テナックス(TENAX)管による捕集を行ない、GC(Gas Chromatography)−Massによる質量分析を行なうのが一般的である。しかしながら、この手法は、まず検査しようとする空間の空気を20ないし50リットル程度ポンプで吸引し、テナックス管に吸着させ、その後GC−Massによる所定の分析を行なう必要がある。このため、捕集および分析に多くの時間を要し、しかも装置が大型で費用も高くつくという問題点がある。
【0005】
また、この手法では、一連の製造工程のうち、所定の製造工程に関する材料基板を抜き取り、その材料基板に関する検査を行なうことによって汚染状況を調べている。検査には例えば数日間のような長時間を要していたので、場合によっては、検査結果が好ましくないことが判明するまでに行なわれた製造プロセスに関与する材料基板は総て無駄になっていた。検査結果が判明するまで製造工程を停止させることも理論上は考えられるが、現実的には、製造工程は連続的に次々と行う必要があり、停止させるとしても数十分が限界であるといわれている。したがって検査が判明するまで停止させるのは事実上困難である。このように従来の手法では検査が迅速に行われていないという問題点がある。
【0006】
半導体製造プロセスでは、ウエハ・サイズは大型化する傾向にあり、1ウエハ当たりの素子数および1チップ当たりの単価も大きくなる傾向にある。半導体の技術分野に限らず、他の技術分野でも材料基板当たりの価格は上昇傾向にある。したがって検査を迅速に行なって、不良製品の発生をできるだけ減少させる必要性がある。更に、どの製造工程に関する材料基板を抜き取って検査するかについても容易に判定できないという問題点もある。検査しなかった製造プロセスの分子汚染が著しい場合もあり得るからである。さりとて、抜き取る材料基板数を過剰に増加させるのは歩留まりの観点から好ましくない。
【0007】
分子汚染の状況をより迅速に測定するために、水晶振動子を利用した分子汚染濃度計測装置がある(例えば、特許文献1参照。)。これは、QCM(quartz crystal microbalance)という技術を利用して、水晶振動子に汚染分子が付着すると発振周波数が変化することに着目し、この水晶振動子より成るセンサ・ヘッドをケーブルを介して計測装置に接続するものである。センサ・ヘッドを測定場所に置き、例えば10メートル程度の同軸ケーブルを介してセンサ・ヘッドからの情報を計測装置が取得し、水晶振動子の周波数変化に基づいて汚染を解析するのである。この手法によれば、プロセス装置周辺に設置されたセンサ・ヘッドにより、その場所における分子汚染の様子を迅速に(リアルタイムに)把握することが可能である。
【0008】
しかしながら、センサ・ヘッドが測定装置にケーブルで接続されているので、測定を行うべき箇所が多数存在する際には、測定箇所数に応じたセンサ・ヘッドを用意して、その各々にケーブルを配線する必要がある。分子汚染は、製造工程の途中およびプロセス装置への搬送時等に起こり得るが、その製造工程数は数百にも及び得る。したがって、この手法により分子汚染の生じ得る製造工程や場所等を緻密に調べるには、多くの費用を費やして多数のセンサ・ヘッドおよび測定装置を要することに加えて、多数のケーブルを複雑に引き回さなければならないという問題点がある。
【0009】
一方、クリーン・ルーム内に存在するガス状物質が、製造工程途中の材料または材料基板に付着することによる汚染(分子汚染)に対処するために、材料基板を密閉した容器に入れて保管および搬送することが行なわれている。すなわち、材料基板がクリーン・ルーム内で搬送される際は常に密閉容器内に保管され、所定のプロセスの処理を施す際は、そのプロセスを行なう装置に容器を取り付け、材料基板がクリーン・ルーム内の空気(プロセス装置外の空気)に触れないように、プロセス装置内部に導入される。そして、所定の処理が材料基板に施され、処理が終了すると、材料基板が再び容器に収納され、密閉される。
【0010】
密閉した容器としては、容器の底面が開くことによって材料基板をプロセス装置に出し入れするスミフポッド(SMIF: Standard Mechanical InterFace-Pod)がある。また、容器の側面が開くことによって材料基板を出し入れするフープポッド(FOUP: Front Opening Unified-Pod)がある。このような容器を利用すれば、クリーン・ルーム内に存在する浮遊パーティクルによる汚染や、プロセス装置外部の空気中のガス状物質(蒸気)からの分子汚染に対処することが可能である。この種の容器については、例えば、特許文献2に開示されている。
【0011】
しかしながら、それだけでは総てのガス状物質による汚染から保護することはできない。なぜなら、上記の容器は比較的低価格なプラスチックのような可塑剤から構成されているのが一般的であるが、可塑剤からのDOP(フタル酸ジ2−エチルへキシル)、DBP(フタル酸ジブチル)またはシロキサン等による分子汚染が生じ得るからである。また、プラスチックにはその製造過程で酸化防止剤や、成形工程における剥離を容易にするための剥離剤等も使用されているので、これらの物質に起因する分子汚染もあり得る。
【0012】
更に、ある製造プロセスにおける所定の処理をした後の材料基板は、そのプロセスで用いたガス、薬品その他の分解物で汚れており、その汚れた材料基板を密閉した容器に収納して保管すると、容器の内壁も汚染され、以後その容器に収納する材料は総て汚れた内壁面に起因する分子汚染の影響を受けることになる。例えば、アルミニウム(Al)を含む材料をエッチングする際に、塩素(Cl)を含むガスを使用することがあるが、このエッチングを行った後のウエハには塩素が付着している。エッチングの終了後に、このウエハを再び容器に収納して密閉すると、付着した塩素によって容器内が汚染される。その結果、以後この容器に収納されるウエハは、容器内の汚染された雰囲気によって汚染されることとなってしまう。従来は、このような密閉された容器内の分子汚染の様子を把握することは困難であった。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−333394号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平8−64666号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、製造プロセス全般にわたって、分子汚染の状況を製品レベルで追跡することを可能にする分子汚染センサ、分子汚染センサを有する保管搬送容器および分子汚染システムを提供することを包括的課題とする。
【0016】
本発明は、密閉された容器内の分子汚染の状況を調べることの可能な分子汚染センサおよび分子汚染センサの設けられた保管搬送容器を提供することを具体的課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
製造工程における材料基板の汚染状況を監視する分子汚染監視システムであって:
前記材料基板を保管および搬送する複数の容器の各々に設けられた分子汚染センサから、個々の分子汚染センサの識別情報および周波数情報を、前記分子汚染監視システムのデータベースに読み込み、
前記周波数情報に基づいて、前記材料基板の汚染状況を監視することを特徴とする分子汚染監視システムが提供される。
【0018】
また、本発明によれば、
圧電効果を奏する結晶より成る振動子と該振動子の周波数情報を出力する出力回路とを有する分子汚染センサであって、
材料基板を保管および搬送する保管搬送容器に設けられ、
所定の製造工程における処理を前記材料基板に施すプロセス装置に取り外し可能に取り付けられる前記保管搬送容器が、前記プロセス装置に取り付けられた場合に、前記周波数情報および分子汚染センサの識別情報を読取装置に読み取らせ、
前記振動子に汚染分子が付着することによって前記振動子の発振周波数が変化し、前記周波数情報および前記識別情報に基づいて、前記保管搬送容器内の材料基板の汚染を検出することを特徴とする分子汚染センサが提供される。
【0019】
また、本発明によれば、
圧電効果を有する結晶片より成る振動子の発振周波数に応じて変動する電気信号を出力する発振手段と、
前記電気信号を変調し、前記振動子に汚染分子が付着することにより変化する前記発振周波数に関する情報を、無線送信する送信手段と、
所定の周波数の電磁波のエネルギを電気エネルギに変換し、前記発振手段に電力を供給する電源手段
を有することを特徴とする分子汚染センサが、提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本願実施例を説明する。原則として、各図を通じて同様の要素には同一の参照番号を付すこととする。説明の便宜上、半導体の製造工程を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置や医薬品その他の分子汚染に配慮する必要のある製造工程に応用することが可能である。
【0021】
[第1実施例]
図1は、本願実施例による分子汚染監視システム100の部分概略図を示す。分子汚染監視システム100は、半導体製造工程における処理を、半導体ウエハ(材料基板)に施すプロセス装置102を有する。簡単のため図では2つのプロセス装置102しか描かれていないが、実際には多数のプロセス装置が存在する。プロセス装置102における各種の処理内容および処理条件は、各プロセス装置102にローカル・エリア・ネットワークLANを通じて接続された製造プロセス・コントローラ104によって制御される。プロセス装置102には、密閉した状態で半導体ウエハ(この図では図示せず)を保管および搬送することが可能な保管搬送容器106が取り付けられる。保管搬送容器106の例としては、スミフポッドやフープポッド等が挙げられる。保管搬送容器106は、プロセス装置102に取り外し可能に取り付けられる。すなわち、保管搬送容器106内の半導体ウエハに所定の処理を施す場合に、保管搬送容器106は、プロセス装置102のステージ110上に取り付けられ、保管している半導体ウエハをプロセス装置102内に導入するよう動作する。半導体ウエハに対する所定の処理が完了すると、その半導体ウエハを再び収納し、密閉状態に戻る。その後、プロセス装置102から取り外されて、更なる処理を行うために別のプロセス装置102の場所に搬送される。半導体ウエハに必要な製造工程の処理が施されるまで、このような動作が継続して行なわれる。
【0022】
プロセス装置102のステージ110上には、保管搬送容器106が取り付けられた場合に、所定の情報を読み取る読取装置108が設けられている。読取装置108については後述する。読取装置108は、ローカル・エリア・ネットワークLANを通じて分子汚染計測装置112に結合され、読み取った情報を分子汚染計測装置112に送信する。製造プロセス・コントローラ104および分子汚染計測装置112は互いにローカル・エリア・ネットワークLANを通じて結合され、製造プロセスに関する情報や分子汚染に関する情報(後述)を送受信する。
【0023】
図2は、本願実施例による分子汚染監視システム100の部分拡大図を示す。保管搬送容器106内には、所定の大きさの半導体ウエハ202が複数保管されており、これら半導体ウエハ202は、ウエハキャリア204によってまとめられている。ウエハキャリア204には、例えば、8インチの半導体ウエハが25枚収容されたり、12インチの半導体ウエハが12枚収容されたりする。一般に、比較的サイズの小さな半導体ウエハに対してはスミフポッドが使用され、サイズの大きいものについては、半導体ウエハの出し入れの機構が簡潔なフープポッドが使用される。本願実施例では、フープポッドのような側壁(正面パネル)が開く容器を例にとっているが、スミフポッドのような容器の底面側からウエハキャリアを出し入れする機構を採用することも可能である。
【0024】
保管搬送容器106がプロセス装置102のステージ110上に取り付けられると、プロセス装置102の側壁103および保管搬送容器106の正面パネル107が開き、ウエハキャリア204がプロセス装置102内部に導入される。その後、半導体ウエハ202に所定の処理が施され、処理が完了するとウエハキャリア204が保管搬送容器106内に収納され、側壁103および正面パネル107が閉じて、半導体ウエハ202は再び密閉された状態で保管される。
【0025】
保管搬送容器106内には、本願発明による分子汚染センサ206が設けられている。後述するように、分子汚染センサ206は、水晶振動子のような圧電効果を奏する結晶より成る振動子と、その振動子の周波数情報を出力する出力回路とを有する。水晶振動子に汚染分子が付着すると、水晶振動子の発振周波数が変化する。この周波数変化を利用して、保管搬送容器内の材料基板の汚染状況を監視することが可能になる。分子汚染センサ206の出力回路は、保管搬送容器106の底面に設けられた外部接点208に結合される。外部接点208は、保管搬送容器106がステージ110上に取り付けられた場合に、ステージ110上のソケット210に結合される。更にソケット210は読取装置108に結合される。読取装置108は、リード線を通じてソケット210に結合された周波数情報読取装置212を有し、その出力はローカル・エリア・ネットワークLANを通じて分子汚染計測装置112に結合される。読取装置108は、分子汚染センサ206に付されたバーコードのような識別情報を光学的に読み取る識別情報読取装置214を有し、この出力もローカル・エリア・ネットワークLANを通じて分子汚染計測装置112に結合される。したがって、保管搬送容器106がステージ110に取り付けられると、分子汚染センサ206は、読取装置108に電気的に結合され、発振周波数を含む所定の情報を周波数情報読取装置212に読み取らせ、分子汚染センサ206の識別情報を識別情報読取装置214に読み取らせる。
【0026】
外部接点208およびソケット210は、本願実施例のように保管搬送容器106の底面およびステージ110にそれぞれ設けられているが、他の場所に、例えば外部接点208を保管搬送容器106の側面に設けることも可能である。この場合は、ソケット210も保管搬送容器106の側面の側から接触する構造になる。保管搬送容器106にスミフポッドが使用される場合は、スミフポッドの底面側から半導体ウエハの出し入れが行なわれるので、外部接点208は底面よりは側面に設けた方が有利である。
【0027】
図3に示すように、分子汚染センサ206は、ウエハキャリア204に取り付けることも可能である。分子汚染センサ206からの情報の読み出しは、ウエハキャリア204が保管搬送容器106から取り出され、プロセス装置102内にセットされた際に、外部接点209およびこれに対応するプロセス装置102側の接点(図示せず)を通じて行なうことが可能である。このようにすると、プロセス装置102内における分子汚染も測定することが可能になる。
【0028】
分子汚染センサ206から情報を読み取る手段は、本願実施例のように、外部接点208およびソケット210による電気的な接触点を利用するだけでなく、保管搬送容器106および読取装置108にそれぞれ設けられた電磁コイル(図示せず)を利用して、非接触の形式で読み取ることも可能である。非接触で信号の送受信を行うことについては、第2実施例にて詳細に説明される。接触又は非接触のいずれの方式を採用するにせよ、保管搬送容器106および読取装置108の位置関係は正確に定められていることを要する。さもなくば、良好に情報を読み取ることができないためである。スミフポッドやフープポッドのような保管搬送容器は、半導体ウエハがプロセス装置および保管搬送容器外部の空気に触れないように出し入れするために、プロセス装置102に正確に位置決めされるので、読取装置との位置関係は正確に保たれている。しかも保管搬送容器の形状は規格化されている。したがって、本発明を使用するために、保管搬送容器と読取装置との位置関係を維持するための更なる位置決め機構を要しない。
【0029】
図4は、本願実施例による分子汚染センサ206の拡大図を示す。分子汚染センサ206は、基板301上に設けられた、水晶振動子302と、水晶振動子302に所定の電圧を印加して振動させる発振制御回路304とを有する。水晶振動子を発振させる発振制御回路304は、保管搬送容器106の内外を問わず設けることが可能である。しかしながら、本願実施例で使用するような高い周波数(例えば25MHz)を取り扱う場合における発振の動作は、発振制御回路と水晶振動子の間の距離(リード線の長さ)や幾何学的位置関係等によっても変動し得るデリケートなものである。したがって、発振動作を良好に行なわせ、測定精度を向上させる観点からは、発振制御回路を保管搬送容器内に(分子汚染センサに近接して)設けることが好ましい。
【0030】
水晶振動子302は、保管搬送容器106内で半導体ウエハと同様に密閉されることに加えて、半導体ウエハ周辺の空気が水晶振動子302にも流れて来るように設けられる。すなわち、水晶振動子302は、半導体ウエハを汚染するような蒸気が、半導体ウエハだけでなく水晶振動子302にも及び得るように設けられる。
【0031】
図5は、本願実施例で使用する分子汚染センサを包囲する直方体の骨組み構造(フレーム)を示す。このフレームは、保管搬送容器またはウエハキャリアに対する分子汚染センサの取り付けおよび取り外しにおけるハンドリング用の構造である。したがって、分子汚染センサ206を囲む構造は、センサを密閉するようなものではなく、水晶振動子302に対して空気が自由に出入りすることができるような構造である。例えば、このフレームを利用して分子汚染センサを保管搬送容器から取り外して、分子汚染センサを洗浄したり、保管搬送容器またはウエハキャリアを交換することができる。
【0032】
分子汚染センサ206は、分子汚染センサ206の識別情報その他のセンサ情報を電子情報として記憶するセンサ情報メモリ306を有する。センサ情報には、分子汚染センサの識別情報、保管搬送容器の識別情報、製造ロットの識別情報、半導体ウエハの製造仕様、製造元、製造および出荷日、製造元での出荷検査情報、初期発振周波数、周波数測定値、温度特性、電極材料、センサ表面物質、使用元での受け入れ検査情報、洗浄履歴情報その他の特性管理に必要な情報が含まれ得る。分子汚染センサの各々を区別する観点からは、センサの識別情報で足りる。分子汚染センサがどの保管搬送容器に収容されているかを把握するには、少なくともセンサの識別情報と保管搬送容器の識別情報を要する。保管搬送容器に収納される半導体ウエハがどのロットに対応するかは、製造ロットの識別情報により特定され得る。
【0033】
ところで、製造プロセスの途中にて、半導体ウエハを収納する保管搬送容器は、必要に応じて交換され得る。例えば、レジストの塗布やエッチングの処理は半導体ウエハを特に汚染させるので、そのような処理に専用の保管搬送容器を使用することがある。このような場合でも、上記の識別情報を利用して、半導体ウエハと、保管搬送容器またはウエハキャリアと、分子汚染センサとの対応関係を識別情報により常に把握しておくことが可能である。したがって、このような識別情報を読み出し可能なメモリに記憶させておけば、それを読み出すことによって分子汚染センサの区別等をすることが可能になる。これらの識別情報に加えて、初期発振周波数や以後の周波数測定値を含む特性管理に必要な情報を読み書き可能なメモリに格納しておくことも有利である。このようにすると、読取装置で読み取った情報を中央の制御装置(例えば、分子汚染計測装置112)に送信することなしに、読み取った時点で分子汚染の状況を分析することが可能になるからである。基板301上の各要素は、基板301の裏面に設けられた電極308を通じて外部接点208に結合される。
【0034】
分子汚染センサ206には、センサを識別するための識別情報310が付されている。この識別情報310は、センサ情報メモリ306に記憶することが可能であり、また、フープポッド等に付与された識別番号と対応させることも可能である。識別情報310は、光学的に読み取ることの可能なバーコードより成る。識別情報310は、バーコードに代えて、「XMF020058」のような文字や記号、ホログラフィーシール、磁気テープ等とすることが可能である。光学的な読取を行なう場合には、保管搬送容器の識別情報付近の材料は、光学的な読取が可能であるような透明な材料で形成されることを要する。この実施例では、光学的に読み取り可能な識別情報310と、センサ情報メモリ306に格納される識別情報の両者が使用されているが、分子汚染センサを区別する観点からは、一方のみを利用することも可能である。しかし、保管搬送手段106は一般に透明なプラスチック材料より成り、英数字のような識別番号は目視によっても識別可能な点で、電子情報に加えてそのような識別情報を設けることは有利である。
【0035】
図6は、分子汚染センサ206に使用される水晶振動子302の平面図(A)および断面図(B),(C)を示す。水晶振動子302は、例えばATカットのような所定の方向にカットされた結晶板402より成る。発振動作を行なわせる観点からは他のカット面を採用することも可能である。ただし、ATカットの発振動作は他の面に比べて発振周波数の温度依存性が少ない点で、本願実施例における分子汚染計測に適している。例えば直径6mmで厚さが40μmの結晶板402に、例えば直径3mmの金(Au)より成る所定の電極404を結晶板402の表裏に設ける。電極404を通じて結晶板402に電圧を印加して、機械的な振動を発生させる。この程度の大きさの水晶振動子を形成することによって、例えば25MHzの周波数を発振させることができる。結晶板402としては、水晶以外にもニオブ酸リチウムまたはリチウム・ナイオベート(LiNbO3)や、表面弾性波(SAW: Surface Acoustic Wave)素子のような圧電効果を有する結晶を採用することが可能である。
【0036】
図6の(C)に示される構造では、更に、結晶板402および電極404上に、例えばシリコン(Si)のような所定の材料が成膜されている。シリコンを成膜しておくと、その水晶振動子は、シリコンより成る半導体ウエハと同様の分子汚染の影響を受け得るので、分子汚染センサに適切である。また、金は、有機物が付着しやすい一方、水は付着しにくいという性質を有する。シリコンは有機物および水のいずれも付着しやすいという性質を有する。したがって、金電極の露出した水晶振動子(B)と、シリコンの成膜されているもの(C)を用意し、それらの周波数変化を調べることにより、金もシリコンも汚染されている場合は、汚染物質が有機物であることがわかる。また、金は汚染されていないがシリコンは汚染されている場合は、汚染物質は水分であることがわかる。有機物や水分による汚染は、適切な洗浄工程によって洗浄することが可能であるので、繰り返し使用することが可能である。更に、水晶振動子に銀(Ag)や銅(Cu)を成膜すると、これらの材料は塩素(Cl)等と反応しやすいので塩素等に関連する分子汚染を調べることが可能になる。このように、成膜材料の異なる複数のセンサを用意すると、汚染物質の種類を判別することが可能になる。
【0037】
次に、本願実施例により分子汚染を測定する手法について説明する。用意した水晶振動子は2種類であり、2チャネルの分子汚染センサ・ヘッドを形成する。1つは図6(B)のような結晶板上に金電極が露出しているものである。もう1つは、結晶板上にドーピングされていないシリコンをエバポレーション(EB)蒸着で20nmの厚さに成膜したものである。このシリコンは、スパッタ法で成膜することも可能である。これら2つの水晶振動子を図5に示すようなフレーム内に固定して分子汚染センサ206を形成する。なお、分子汚染と雰囲気の湿度や温度との間には密接な関連性のある場合が多いので、分子汚染センサに湿度や温度を測定するためのセンサを備えておくことが有利である。
【0038】
この分子汚染センサ206は、保管搬送容器106内(またはウエハキャリア204)に設けられる。センサは有機溶媒等で充分に洗浄され、発振周波数が測定され、分子汚染センサの識別情報と共にその測定値は分子汚染計測装置112のデータベースおよびセンサ情報メモリ306に記憶される。分子汚染センサの識別情報は、例えば英数字やバーコードのような光学的に読み取ることも可能である。分子汚染計測装置112に取り込む情報のうち主要なものは次のようなものである:
センサの識別番号: Fj−QCM−2002−M−P2−Etch−225
第1チャネルの初期発振周波数:f10 Hz
第2チャネルの初期発振周波数:f20 Hz
第1チャネルの表面物質: Au
第2チャネルの表面物質: Si
設置日: 2002.01.15
洗浄履歴: 2002.01.15
保管搬送容器のポッド番号: Fj−M−50005238
製造元: ○○○○株式会社
製造ロット: QELC−2002−F−200053AU
これらの情報は分子汚染計測装置112のデータベースで一括管理される。
【0039】
次に、保管搬送容器106内に半導体ウエハを収納し、所定のプロセス装置102に保管搬送容器106を取り付ける。この段階で、分子汚染センサ206は、分子汚染計測装置112に電気的に結合されるので、読取装置108は分子汚染センサ206から識別情報や周波数情報を読み取り、分子汚染計測装置112に送信することが可能である。この送信された情報に基づいて、分子汚染計測装置112は、汚染状況を調べる。また、必要に応じて、読み取った周波数値又はその周波数値に基づいて算出された周波数変化量(分子汚染量)をセンサ情報メモリ306に記憶させる。
【0040】
情報を読み取って分子汚染計測装置112送信するのは、プロセス装置に半導体ウエハを導入する前であっても、後であっても、前後両方であってもよい。そのプロセス装置の処理による分子汚染を調べるのであれば、処理の前後で周波数情報を読み取り、その差分に基づいて汚染状況を調べることが可能である。また、ある処理を終えた後の測定値と、次の処理の前の測定値とを比較すれば、搬送途中における汚染を調べることが可能になる。このように保管搬送容器106(半導体ウエハ202)毎に分子汚染の様子を追跡することが可能である。なお、分子汚染の測定は、総てのプロセスについて行ってもよいし、所定のプロセスについてのみ行なうことも可能である。
【0041】
例えば、第2チャネルの水晶振動子の初期発振周波数が、
20=25000152Hz
であり、エッチングが終了した時点における発振周波数が、
21=24999800Hz
であり、以後のアッシングが終了した時点における発振周波数が、
22=24999373Hz
になったとする。この場合、初期状態からエッチング工程までの周波数変化は、
25000152−24999800=352Hz
であり、エッチング工程からアッシング工程までの周波数変化は、
24999800−24999373=427Hz
となる。分子汚染センサの感度が、0.52ng/cm/Hzとすると(1cm当たり0.52ngの分子が付着すると1Hz周波数が偏移する)、352Hzは183.04ngに相当し、427Hzは222.04ngに相当するので、初期状態からアッシングの終了までの汚染量は、
183.04+222.04=405.08ng
であることがわかる。
【0042】
この汚染量が許容範囲内であれば、その工程に至るまでの製造プロセスは過剰に汚染されることなく無事に処理されていることが確認できる。製造工程における各プロセスでどの程度の分子汚染が発生し得るかは、経験により又はシミュレーション等によりある程度は予測することが可能である。したがって、上記の許容範囲がどの程度であるかも事前に予測することが可能である。許容範囲を超えてしまう場合は、その保管搬送容器に収納されている半導体ウエハの特性や歩留まりが悪化する可能性がある。また、その半導体ウエハに処理を施したプロセス装置に異常がある可能性もある。
【0043】
このような場合は分子汚染計測装置112側から製造プロセス・コントローラ104に警報を発し、分子汚染の原因を究明し、その対策を講じる。具体的な対策としては、半導体ウエハ、保管搬送容器、ウエハキャリアまたは分子汚染センサを再度洗浄すること、プロセス装置の処理条件を調整すること、一連の製造プロセスを停止させること等が挙げられる。その結果、以降の製品に分子汚染の被害が拡大するのを未然に防ぐことが可能になる。このように、本願実施例によれば、許容値を超える分子汚染を早期に発見することが可能である。
【0044】
図7は、本願実施例により計測された汚染履歴のグラフを示す。縦軸は、半導体ウエハが受けた分子汚染量(周波数変化量δfHz)を示す。横軸は一連の製造工程の順に並んだ製造プロセスを示す、すなわち時間を示す。図示されているのは10個の製造プロセスに対するものであり、この製造プロセスは大工程IないしIIIに分割され、大工程Iはプロセス1ないし4の4つのプロセスより成り、大工程IIはプロセス5ないし7の3つのプロセスより成り、大工程IIIはプロセス8ないし10の3つのプロセスより成る。概して製造工程が進むにつれて分子汚染量が増加していることがわかる。各プロセスには2つの測定値がプロットしてあり、それらはプロセス開始前の測定値と処理後の測定値に対応する。
【0045】
例えば、第2プロセスにおける処理前後の測定値を比較すると(周波数の差分を計算すると)、第2プロセスでどの程度汚染されたかが判明する。更に、第3プロセスの処理後の測定値と、第4プロセスの処理前の測定値を比較すると、第3プロセスから第4プロセスに至るまでの間に、保管搬送容器内で受けた分子汚染量(搬送途中における分子汚染量)を知ることができる。第4プロセスと第5プロセスの間は、保管搬送容器を交換又は洗浄していることを表現する。
【0046】
本願実施例では、大工程と大工程の間で保管搬送容器を交換している。分子汚染測定装置112は、このような分子汚染量を監視し、全体的な分子汚染量が所定値を超えた場合、特定のプロセスに関する分子汚染量が所定値を超えた場合(プロセスの異常)、搬送途中における分子汚染量が大幅に増加した等の場合に、予測される分子汚染量の範囲を逸脱したか否かを監視することによって、異常を検知することが可能である。
【0047】
一連の製造工程において、半導体ウエハがどの保管搬送容器またはウエハキャリアに収納され、いつどのプロセス装置で処理されるかは、予め定められており、システムのデータベースに登録されている。更に、分子汚染計測装置112は、製造プロセスの処理内容を制御する製造プロセス・コントローラ104にも接続されている。したがって、どの分子汚染センサが、何時、どのロットに、どの保管搬送容器に収容されているか等を検索して探知することが可能である。概して半導体装置の製造工程は、例えば数百工程あり、使用する保管搬送容器も数百ないし数千個にも及び得る。本願実施例によれば、これら多数の保管搬送容器またはウエハキャリアに分子汚染センサを設け、総ての半導体ウエハの汚染レベルを、製造プロセス全般にわたって一括管理することが可能である。
【0048】
以上説明したように、本願実施例で使用する分子汚染センサ206は、保管搬送容器106内にまたはウエハキャリア204に設けることの可能な小さなものであり、保管搬送容器を開けることなしに容器内の分子汚染の状況を分析することが可能になる。しかも水晶振動子やそれに付随する集積回路は比較的安価である。したがって、このような分子汚染センサ206を、多数の保管搬送容器に安価に設けることが可能である。分子汚染センサ206をケーブルで計測装置に接続することを要しないので、複雑な配線も不要である。
【0049】
本願実施例によれば、半導体ウエハと行動を共にする分子汚染センサが総て区別され、そのセンサから得られる周波数の差分(周波数変化)を調べることにより、半導体ウエハ毎の汚染状況を測定することが可能になる。すなわち、半導体ウエハを搬送する容器に分子汚染センサが同伴しているので、特定の半導体ウエハがどのように汚染されてゆくかを調べることができる。このような作用効果は、上述した特開2001−139410のセンサ・ヘッドを、プロセス装置周辺の所定の場所に多数設置したとしても得られない。識別可能な分子汚染センサと容器(半導体ウエハ)とが行動を共にして始めて得られる効果である。
【0050】
本願実施例によれば、製造プロセス全般にわたって半導体ウエハ毎に分子汚染状況を追跡することができるので、半導体ウエハ毎に、総ての工程で問題のないことを確認することができる一方、異常な分子汚染が観測された場合には直ちに原因究明およびその対策を講じることが可能になる。したがって、信頼性の高い製品を歩留まり高く製造することが可能になる。
【0051】
本願実施例によれば、周波数変化に基づいて汚染量が検出され、検査開始(センサ情報の読取開始)から検査結果を得るまでに長時間を要しないので、従来懸念されていた歩留まりの悪化を招来しないで済む。
本願実施例では、2つの水晶振動子を用意して2チャネルの分子汚染センサを例にとって説明したが、任意の数のチャネルを用意して分子汚染を検査することが可能である。水晶振動子に成膜された材料が異なれば、付着する分子の量および種類等も異なるので、成膜された材料の異なる振動子を複数用意することにより、分子汚染量だけでなく、分子汚染の態様をより詳しく知ることが可能になる。例えば、結晶板上に金電極が露出しているもの、シリコンを成膜しているもの、銅を成膜しているものの3つを用意して3チャネルの分子汚染センサを形成することも可能である。これにより、シリコン材料に関する分子汚染量に加えて、塩素に起因する分子汚染についても調べることが可能になる。更に、測定内容をより充実させて高精度の測定を行うために、水晶振動子に加えて、温度計測手段や湿度計測手段を分子汚染センサに設けることも有利である。
【0052】
[第2実施例]
以下、本願発明による第2実施例について説明する。第2実施例では、第1実施例とは異なり、分子汚染センサに対する電力供給及び汚染情報の読み出し等の信号の送受信が、分子汚染センサと非接触の形式で行われる。
【0053】
図8は、半導体ウエハの保管及び搬送を行うために使用される保管搬送容器内の様子を示す。例えば、フープポッドである保管搬送容器802の中には、複数の半導体ウエハ804を収納するための「基板受入棚」であるウエハキャリア806が収容されている。保管搬送容器802内には、分子汚染センサ810が、取付部812によって着脱可能に取り付けられている。同様に、ウエハキャリア806にも分子汚染センサ814が、取付部816によって着脱可能に取り付けられている。本実施例では、2つの分子汚染センサ810,814が使用されているが、必ずしも同時に2つの分子汚染センサを使用する必要はなく、何れか一方のみを使用することも可能である。分子汚染センサを、できるだけ半導体ウエハと同じ雰囲気にさらす観点からは、ウエハキャリアに設けることが望ましい。また、分子汚染センサを取り付ける場所や向きについても適宜変更することが可能である。ただし、後述するように、情報読取及び書込装置のような外部装置と電磁波等による通信を効果的に行う観点からは、そのような外部装置に対面し得る場所及び向きに設けられることが望ましい。
【0054】
半導体ウエハ804に所定の製造工程における処理を施す前の状態では、図示されているように、保管搬送容器802は、ウエハキャリア806を収容して密閉されている。所定の処理を施す場合には、この保管搬送容器802をプロセス装置(図示せず)に取り付け、保管搬送容器802の正面パネル808を開き、ウエハキャリア806をプロセス装置の内部に導入する。プロセス装置内部では、ウエハキャリア806に収納されている半導体ウエハ804に所定の処理を施す。その後に、ウエハキャリア806は、再び保管搬送容器802内に収容され、正面パネル808を閉じることで容器内は密閉される。
【0055】
図9は、本願実施例による分子汚染センサの概略斜視図を示す。分子汚染センサ900は、信号処理部902と、信号処理部902上のソケット905に着脱可能に取り付けられた2つの水晶振動子904,906を有する。本実施例では水晶振動子が使用されているが、本発明はこれに限定されず、圧電効果を有する結晶片より成る振動子を信号処理部902上に設けることが可能である。分子汚染レベルの変化に応じて、振動子の発振周波数が変化することが可能であればよいからである。ただし、温度や湿度のような、分子汚染以外の環境変化に対する変動が少なく、比較的安定的に発振動作を行わせる観点からは、水晶振動子を利用することが好ましい。これら2つの水晶振動子904,906は、例えばステンレスより成る、直方体形状の網目状の格子(又はフレーム)908によって包囲されている。このフレームは、保管搬送容器802またはウエハキャリア806に分子汚染センサ904,906を取り付ける又はそれを取り外す際のハンドリング用の構造である。例えば、このフレームを利用して分子汚染センサを保管搬送容器から取り外し、分子汚染センサを洗浄する、又は保管搬送容器若しくはウエハキャリアを交換することができる。なお、このフレーム908も、信号処理部902に着脱可能に取り付けられており、フレーム908を取り外すことで、水晶振動子904,906をソケット905から取り外すことが可能になる。
【0056】
水晶振動子904,906は、第1実施例と同様に保管搬送容器802内で半導体ウエハと同じ雰囲気中に置かれる。言い換えれば、半導体ウエハ周辺のガスが水晶振動子904,906の付近にも流れて来るように設けられる。このため、半導体ウエハ804がガス状物質により汚染される場合には、水晶振動子904,906も同様にガス状物質により汚染されることになる。
【0057】
信号処理部902には、分子汚染センサ900の外部と可視光線、赤外線、電場又は磁場等を通じて通信を行うための通信処理部910と、必要なデータの格納及び読み出し等の処理を行う制御部912と、水晶振動子904,906に接続され、汚染レベルに関する情報を作成するための計測部914が含まれている。通信処理部910、制御部912及び計測部914の各々は、IC回路基板上に作成された後に、エポキシ樹脂材料916により封止される。通信処理部910、制御部912及び計測部914は、説明の便宜上、機能毎に3つに分けて描いているが、3層に分けることは必須ではなく、1つの回路基板にまとめることも可能であるし、分子汚染センサの機能に応じて、更に多くの多層構造にすることも可能である。
【0058】
図10は、分子汚染センサの機能に関するブロック図を示す。分子汚染センサは、センサ内で行われる各種の動作を、信号線1002を通じて制御する制御手段1004を有する。分子汚染センサは、例えば25MHzのような水晶振動子の発振周波数に応じて変化する電気信号を、制御手段1004の制御の下に出力する発振手段1006を有する。分子汚染センサは、発振手段1006から出力された電気信号を例えば赤外線信号に変調し、無線送信する送信手段1008を有する。水晶振動子に汚染分子が付着すると、その発振周波数が変化する(低くなる)。この発振周波数の変化を検出することで、その雰囲気の分子汚染レベルを把握することが可能になる。送信手段1008から無線送信される信号には、そのような発振周波数に関する情報が含まれている。分子汚染センサは、例えば可視光線のような所定の周波数の電磁波のエネルギを電気エネルギに変換し、センサ内の各手段に必要な電力を供給する電源手段1010を有する。
【0059】
更に、分子汚染センサは、センサ情報を電子情報として記憶する記憶手段1012を有する。センサ情報には、分子汚染センサの識別情報、保管搬送容器の識別情報、製造ロットの識別情報、半導体ウエハの製造仕様、製造元、製造および出荷日、製造元での出荷検査情報、初期発振周波数、周波数測定値、温度特性、電極材料、センサ表面物質、使用元での受け入れ検査情報、洗浄履歴情報その他の特性管理に必要な情報が含まれ得る。記憶手段1012は、第1実施例のセンサ情報メモリ306と同様の機能を有する。
【0060】
図11は、本願実施例による分子汚染センサの等価回路図を示す。概して、分子汚染センサ1100は、水晶振動子の発振周波数に応じて変化する電気信号を出力する発振手段1102と、その電気信号を変調して無線送信する送信手段1104と、発振手段1102に電力を供給する電源手段1106を有する。
【0061】
発振手段1102は、水晶振動子1112と、インバータ1114を有する。インバータ1114は、例えばNチャネル及びPチャネルFETより成るCMOSインバータとすることが可能である。水晶振動子1112の一端とインバータ1114の出力ノード1116との間には、例えば500オームの第1抵抗器1118が接続される。例えば1メガオームの第2抵抗器1120は、インバータ1114に並列に接続される。水晶振動子1112の両端は、それぞれ例えば12ピコファラッドの第1,第2キャパシタ1122,1124を通じて接地電位に接続される。出力ノード1116は、増幅器1126の入力に接続される。送信手段1104は、一端が増幅器1126の出力に接続され、他端が接地電位に接続され、赤外線を発する発光ダイオード1128を有する。
【0062】
電源手段1106は、例えば可視光線を受け、光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池1130を有する。太陽電池1130の出力は、電気エネルギを所定の電圧に調整する調整回路1132に接続される。電源手段1106内の調整回路1132にて適切な値に調整された電圧は、発振手段1102内のインバータ1114及び増幅器1126に印加される。
【0063】
ところで、分子汚染レベルの測定は、必ずしも時間的に連続的に行う必要はなく、例えば、プロセス装置における処理の前後、及び次のプロセス装置における処理の前の時点で行えばよい。数十メガヘルツの周波数で水晶振動子を振動させ、周波数情報を送信させるのに必要な電力は、せいぜいマイクロワット程度の電力であり、この程度の電力であれば、例えば1〜2秒間の可視光線を太陽電池に照射すれば充分に得られる。
【0064】
分子汚染センサ1100の外側の所定の場所には、分子汚染センサ1100から無線送信された信号を受信する受信手段1108と、この受信した信号に基づいて汚染レベルを計測する計測手段1110より成る情報リーダ1101が設けられている。所定の場所とは、例えば、保管搬送容器を、プロセス装置に又はプロセス装置間の所定の測定地点に取り付けた際に、受信手段1108が送信手段1104に対面するような場所(例えば、図1及び図2の読み取り装置108)である。受信手段1108は、一端が接地電位に接続され、分子汚染センサ1100からの無線信号を受信する受光ダイオード1134を有する。計測手段1110は、入力端子が受光ダイオード1134の他端に接続された増幅器1136と、増幅器1136の出力端子に接続された計測回路1138を有する。
【0065】
動作を次に説明する。分子汚染センサ1100が、保管搬送容器802に取り付けられ、保管搬送容器802はプロセス装置に取り付けられ、そのプロセス装置による処理を行う前の半導体ウエハ804の汚染レベルを測定するものとする。まず、太陽電池1130に可視光線が照射され、太陽電池の両端に電位差が生じ、この電圧は、調整回路1132にて適切な値に調整され、インバータ1114及び増幅器1126に、例えば3.3ボルトの電源電圧として供給される。そして、水晶振動子1112の両端に微小な電圧変化が生じ、インバータ1114の出力がスイッチングし、キャパシタ1122,1124による充放電を繰り返すことで、出力ノード1116に発振信号が生じる。この発振信号は、例えば25MHzのような水晶振動子1112の振動周波数に応じて変化する信号である。出力ノード1116に生じた発振信号は、増幅器1126により増幅され、発光ダイオード1128に供給される。発光ダイオード1128は、増幅後の発振信号を強度変調した赤外線信号を発する。
【0066】
この赤外線信号は、受光ダイオード1134により受信され、復調された電気信号を増幅器1136に入力する。計測回路1138は、適切な値に増幅された電気信号に基づいて、水晶振動子1112の発振周波数を見い出し、汚染レベルの計測を行う。水晶振動子1112に汚染分子が付着すると、主に水晶振動子の質量増加に起因して、出力ノード1116に生じる発振信号の周波数は減少する。従って、計測回路1138は、水晶振動子1112の発振周波数の変化量を求めることで、前回の測定時点と今回の測定時点の間にどの程度の分子汚染が生じたかを算出することができる。
【0067】
図12は、図11に示される電源手段1106に対する他の構成例を示す。この電源手段は、誘導素子であるコイル1202と、コイル1202の両端に生じた電圧(逆起電力)を整流する整流回路1204と、整流回路1204に接続された調整回路1232を有する。整流回路1204は、4つのダイオード1206及び1つの平滑キャパシタ1207より成る。調整回路1232は、図11の調整回路1132と同様なものである。電源手段1106’の外側には、コイル1208と、そのコイル1208に交流電圧を印加する電源1210が設けられている。
【0068】
コイル1208は、その両端に交流電圧が印加されると磁場を発生させる。この磁場が電源手段内のコイル1202と相互作用することで、コイル1202の両端に逆起電力が生じ、整流回路1204により全波整流及び平滑化された電圧信号が調整回路1232に印加され、発振手段1102に電力が供給される。本実施例によれば、電源手段に非接触でエネルギを供給するために、可視光線の代わりに、磁場を利用することが可能である。
【0069】
図13は、図11に示される送信手段1104及び受信手段1108の他の構成例を示す回路図である。本実施例における送信手段1104’は、一端が増幅器1126に接続され、直流成分を阻止するキャパシタ1302と、キャパシタ1302の他端と接地電位の間に接続されたコイル1304を有する。受信手段1108’は、増幅器1136の入力端子と接地電位の間に接続されたコイル1306を有する。
【0070】
送信手段のコイル1304に、増幅器1126からの増幅後の発振信号が印加されると、コイル1304は磁場を生じさせる。この磁場と受信手段のコイル1306が相互作用することで、コイル1306の両端に電気信号が発生し、その電気信号は増幅器1136に入力される。本実施例によれば、送信手段及び受信手段の間で発振周波数に関する情報を伝送するために、赤外線の代わりに、磁場を利用することが可能である。
【0071】
このように、電源手段に関するエネルギ供給、及び送受信手段の間の信号伝送に、光(可視光及び赤外光)を利用することも磁場を利用することも可能である。エネルギ供給及び信号伝送の双方に光又は磁場を利用することが可能であるのはもちろんのこと、一方に光を利用し、他方に磁場を利用することも可能である。回路構成の簡易化、軽量化及び小型化等の観点からは、上記の実施例のように、双方に光を利用することが望ましい。なお、本願実施例では、図11に示すような発振手段を例示したが、本発明はこれに限定されず、振動子を適切に発振させる任意の発振手段を使用することが可能である。
【0072】
次に、本願実施例により分子汚染を測定する際の具体例を説明する。第1実施例の場合と同様に、水晶振動子は、汚染管理の目的に応じて適切なものが選択される。例えば、シリコンウエハの汚染を調べるのであれば、水晶振動子の表面にシリコンが成膜されたものを利用することが好ましい。また、腐食性ガスによる汚染を調べるのであれば、銀や銅電極を有する水晶振動子を利用することが好ましい。以下に説明する例では、2種類の水晶振動子を用意し、1つは図4(B)のような結晶片上に金電極が露出しているものであり、もう1つは、結晶片上にドーピングされていないシリコンをエバポレーション(EB)蒸着で20nmの厚さに成膜したものである。
【0073】
分子汚染センサは、有機溶媒等で充分に洗浄され、保管搬送容器802内(またはウエハキャリア806)に設けられた後に、太陽電池1130に光を照射するランプ及び赤外線を受信する受信手段1108を有する読み書きヘッドに近づけられる。そして、初期の発振周波数に加えて、分子汚染センサの識別情報、種類、設置した日時その他の、測定及び解析に必要な情報が、記憶手段1012に記憶される。これらの情報は、総ての分子汚染センサの情報を一括管理するためのデータベースに格納することも可能である。分子汚染センサの識別情報は、例えば英数字やバーコードのように光学的に読み取らせることも可能である。より具体的には、例えば次のような情報が記憶手段1012に記憶される:
センサの識別番号: Fj−QCM−2002−M−P2−Etch−225
第1チャネルの初期発振周波数:f10=25000152Hz
第2チャネルの初期発振周波数:f20=24980557Hz
第3チャネルの種類:導電型湿度センサ
第1チャネルの表面物質: Au
第2チャネルの表面物質: Si
第3チャネルの型格:HM−35E
設置日: 2002.10.15
洗浄履歴: 2002.10.15
保管搬送容器のポッド番号: Fj−M−50005238
製造元: ○○○○株式会社
製造ロット: QELC−2002−F−200053AU。
【0074】
そして、保管搬送容器802がプロセス装置に取り付けられた時点、ウエハキャリア806がプロセス装置内に導入された時点、プロセス装置における処理が終了した時点その他の所望の時点で、分子汚染センサに電力を与えて発振周波数を測定する。必要に応じて、読み取った周波数値又はその周波数値に基づいて算出された周波数変化量(分子汚染量)が、記憶手段1012に記憶される。プロセス装置の処理工程に起因する分子汚染を調べるのであれば、処理の前後で周波数情報を読み取り、その差分に基づいて汚染状況を調べることが可能である。また、ある処理を終えた後の測定値と、次の処理の前の測定値とを比較すれば、搬送途中における汚染を調べることが可能になる。このように保管搬送容器802(又はウエハキャリア806)毎に分子汚染の様子を追跡することが可能である。
【0075】
本実施例では、第1ロットの半導体ウエハに関し、第1チャネルの水晶振動子の初期発振周波数が、
10=25000152Hz
であり、6時間後の発振周波数が、
11=25000104Hz
になった。この場合の周波数変化量は、
25000152−25000104=48Hz
である。分子汚染センサの感度が、0.52ng/cm/Hzとすると(1cm当たり0.52ngの分子が付着すると1Hz周波数が偏移する)、48Hzは25ngに相当するので、密閉された保管搬送容器802内で保管されていた6時間の間に、25ngの汚染があったことが判明する。
【0076】
その後、半導体ウエハ804にエッチング処理が行われ、約30分の待ち時間の後に行われる次のアッシング工程の直前に発振周波数を測定したところ、
12=24999991Hz
になっていた。この場合の周波数変化量は、
250000104−24999991=113Hz
であり、113Hzは59ngに相当するので、保管搬送容器802の搬送途中及び30分の待ち時間の間に、59ngの汚染があったことが判明する。
【0077】
また、次の第2ロットの半導体ウエハに対して、同じくアッシング工程の直前に発振周波数を測定したところ、304Hzの周波数変化が観測され、158ngもの汚染のあったことが判明した。これは、第2ロットにて、エッチング処理に続くアッシング工程が、30分程度の待ち時間後に行われるべきところ、アッシング工程を行うプロセス装置の故障に起因して、約1時間半の間待機させられたことに起因する。このように、第1ロットは約60ng程度の汚染量にとどまっているが、第2ロットでは約2.6倍もの汚染を受けたことを明確に把握することが可能になる。
【0078】
このようにして測定した汚染量が許容範囲内であれば、その工程に至るまでの製造プロセスは、過剰に汚染されることなく無事に処理されていることが確認できる。一方、汚染量が許容範囲を超えてしまった場合は、例えば、計測手段501の側から警報を発することで、分子汚染の原因を究明し、その対策を講じることが可能になる。従って、第1実施例と同様に、許容値を超える分子汚染を早期に発見することが可能である。
【0079】
本願実施例による分子汚染センサへの電力供給、及び分子汚染センサからの情報の読み出し又はそこへの書き込みは、非接触で行われるので、例えば測定する度に容器を開ける等の作業を必要とせず、簡易に測定等を行うことが可能になる。すなわち、分子汚染センサに非接触でエネルギを供給し、分子汚染センサを作動させ、非接触で得られる周波数情報の差分に基づいて汚染量が検出されるので、検査開始から検査結果を得るまでの時間は非常に短く、従来懸念されていたような、汚染レベルの検査が長期化することに起因する歩留まりの悪化を回避することができる。
【0080】
また、分子汚染センサへの電力供給等を非接触で行うので、分子汚染センサにアクセスするための電気接点やソケットのような専用の電気部品を保管搬送容器又はウエハキャリアに設けることは必須ではない。保管搬送容器又はウエハキャリアには、分子汚染センサを取り付けるための簡単な手段(例えば、図8の取付部812,816)が設けられていればよい。ただし、本願実施例のように、分子汚染センサとの間でエネルギの伝送及び情報通信を非接触で行うには、保管搬送容器(少なくとも分子汚染センサ付近の部分)が、センサの使用する可視光線、赤外光線、電場又は磁場を遮蔽しないものであることを要する。従って、本発明に、金属のような保管搬送容器を使用することは困難であるが、通常のスミフポッドやフープポッド等の容器は、透明なプラスチックやガラス等の材料で形成され、可視光線等を遮蔽しないので、多くの場合に本発明を利用することが可能である。
【0081】
発振手段に電力を供給する電源手段に関し、非接触方式ではなく、保管搬送容器に収納され得る小型の電池を利用することも技術的には可能である。しかしながら、そのような電池には寿命があるので、電池の使用頻度に応じて交換する又は充電する等の電池を管理する作業が必要になる。また、その電池は小型であり、寿命は比較的短いので、電池の管理負担は一層重くなる。更に、電池交換等のために電池は取り外し可能に取り付けられる必要があるが、そのような取付機構を設けることは、保管管理容器内に収容する要素をできるだけ少なくして容器内を清浄にする観点から不利である。本願実施例のように、光又は磁場のような非接触の形式で、分子汚染センサにエネルギを伝送することで、電池を利用した場合に懸念される諸問題を回避することが可能になる。
【0082】
本願実施例における分子汚染センサの発振手段1102、送信手段1104及び電源手段1106は、集積回路として形成され、エポキシ樹脂916で封止されている。このため、分子汚染の原因となるようなガス状物質が、集積回路から発生する虞を抑制することが可能になる。また、水晶振動子以外の要素を封止することで、集積回路が露出している場合に比べて、分子汚染センサを洗浄する作業負担を軽減することにもなる。ただし、電力用のエネルギの伝送及び周波数情報の送信等を行い得るようにしておく必要がある。このため、分子汚染センサの外部と光等を通じて通信を行うための通信処理部910を、信号処理部902の底面に設け、例えば太陽電池の受光面等を露出させることが有利である。
【0083】
以下、本発明により教示される手段を列挙する。
【0084】
(付記1) 製造工程における材料基板の汚染状況を監視する分子汚染監視システムであって:
前記材料基板を保管および搬送する複数の容器の各々に設けられた分子汚染センサから、個々の分子汚染センサの識別情報および周波数情報を、前記分子汚染監視システムのデータベースに読み込み、
前記周波数情報に基づいて、前記材料基板の汚染状況を監視することを特徴とする分子汚染監視システム。
【0085】
(付記2) 同一の分子汚染センサに関する周波数情報の変化に基づいて、汚染状況を監視することを特徴とする付記1記載の分子汚染監視システム。
【0086】
(付記3) 前記識別情報が、光学的又は電気的に読み取ることの可能な情報であることを特徴とする付記1記載の分子汚染監視システム。
【0087】
(付記4) 所定の製造工程における処理を材料基板に施すプロセス装置と、前記プロセス装置に取り外し可能に取り付けられ、前記材料基板を保管および搬送することが可能な保管搬送容器と、
前記保管搬送容器に設けられ、圧電効果を奏する結晶より成る振動子と前記振動子の周波数情報を出力する出力回路とを有する分子汚染センサと、
前記保管搬送容器が前記プロセス装置に取り付けられた場合に、前記分子汚染センサから前記周波数情報および分子汚染センサの識別情報を読み取る読取装置を有し、前記振動子に汚染分子が付着することによって前記振動子の発振周波数が変化し、前記周波数情報および前記識別情報に基づいて、前記保管搬送容器内の材料基板の汚染状況を監視することを特徴とする分子汚染監視システム。
【0088】
(付記5) 前記プロセス装置における処理の前および後における前記材料基板の汚染状況を測定することを特徴とする付記4記載の分子汚染監視システム。
【0089】
(付記6) 更に、前記材料基板の汚染レベルが所定の閾値を超えたか否かを判定する手段を有することを特徴とする付記4記載の分子汚染監視システム。
【0090】
(付記7) 所定の製造工程における処理を材料基板に施すプロセス装置に取り外し可能に取り付けられ、前記材料基板を保管および搬送することが可能な保管搬送容器であって、
前記保管搬送容器に設けられ、圧電効果を奏する結晶より成る振動子と前記振動子の周波数情報を出力する出力回路とを有する分子汚染センサを有し、
前記保管搬送容器が前記プロセス装置に取り付けられた場合に、前記分子汚染センサから前記周波数情報および分子汚染センサの識別情報が読読取装置により読み取られ、
前記振動子に汚染分子が付着することによって前記振動子の発振周波数が変化し、前記周波数情報および前記識別情報に基づいて、前記保管搬送容器内の材料基板の汚染を検出することを特徴とする保管搬送容器。
【0091】
(付記8) 圧電効果を奏する結晶より成る振動子と該振動子の周波数情報を出力する出力回路とを有する分子汚染センサであって、
材料基板を保管および搬送する保管搬送容器に設けられ、
所定の製造工程における処理を前記材料基板に施すプロセス装置に取り外し可能に取り付けられる前記保管搬送容器が、前記プロセス装置に取り付けられた場合に、前記周波数情報および分子汚染センサの識別情報を読取装置に読み取らせ、
前記振動子に汚染分子が付着することによって前記振動子の発振周波数が変化し、前記周波数情報および前記識別情報に基づいて、前記保管搬送容器内の材料基板の汚染を検出することを特徴とする分子汚染センサ。
【0092】
(付記9) 前記振動子に成膜された材料が、前記材料基板にも含まれていることを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0093】
(付記10) 前記分子汚染センサが、圧電効果を奏する結晶より成る複数の振動子を有し、各振動子には互いに異なる材料が成膜されることを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0094】
(付記11) 更に、前記分子汚染センサが、前記振動子に所定の電圧を印加して振動させる発振制御回路を有することを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0095】
(付記12) 前記分子汚染センサが、前記保管搬送容器に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0096】
(付記13) 前記識別情報は、光学的に読み取ることが可能であることを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0097】
(付記14) 前記識別情報は、前記読取装置によって電気的又は磁気的に読み取ることが可能であることを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0098】
(付記15) 前記振動子が、水晶振動子であることを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0099】
(付記16) 前記周波数情報が、前記保管搬送容器および前記読取装置を接続する電気接点を通じて伝送されることを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0100】
(付記17) 前記周波数情報が、前記保管搬送容器および前記読取装置に設けられた電磁コイル手段を通じて非接触で伝送されることを特徴とする付記8記載の分子汚染センサ。
【0101】
(付記18) 圧電効果を有する結晶片より成る振動子の発振周波数に応じて変動する電気信号を出力する発振手段と、
前記電気信号を変調し、前記振動子に汚染分子が付着することにより変化する前記発振周波数に関する情報を、無線送信する送信手段と、
所定の周波数の電磁波のエネルギを電気エネルギに変換し、前記発振手段に電力を供給する電源手段
を有することを特徴とする分子汚染センサ。
【0102】
(付記19) 前記振動子が、水晶振動子より成ることを特徴とする付記18記載の分子汚染センサ。
【0103】
(付記20) 前記発振手段が、各々が圧電効果を有する結晶片より成る複数の振動子を有し、各振動子には互いに異なる材料が成膜されていることを特徴とする付記18記載の分子汚染センサ。
【0104】
(付記21) 前記電源手段が、太陽電池を有することを特徴とする付記18記載の分子汚染センサ。
【0105】
(付記22) 前記電源手段が、誘導起電力を生じさせる誘導素子と、前記誘導素子に接続された整流回路を有することを特徴とする付記18記載の分子汚染センサ。
【0106】
(付記23) 前記送信手段が、前記電気信号を赤外線信号に変換するダイオードを有することを特徴とする付記18記載の分子汚染センサ。
【0107】
(付記24) 前記送信手段が、前記電気信号を、赤外線より低周波の電磁波で送信するための誘導素子を有することを特徴とする付記18記載の分子汚染センサ。
【0108】
(付記25) 前記発振手段、前記送信手段及び前記電源手段が、樹脂材料により封止されることを特徴とする付記18記載の分子汚染センサ。
【0109】
(付記26) 付記1記載の分子汚染センサから無線送信された信号を受信し、前記発振周波数に関する情報を抽出することで、分子汚染レベルを測定する計測装置。
【0110】
(付記27) 更に、付記1記載の分子汚染センサから無線送信された信号を受信する受光ダイオードを有することを特徴とする付記26記載の計測装置。
【0111】
(付記28) 更に、付記1記載の分子汚染センサから無線送信された信号を受信する誘導素子を有することを特徴とする付記26記載の計測装置。
【0112】
(付記29) 所定の製造工程における処理を材料基板に施すプロセス装置に取り外し可能に取り付けられ、前記材料基板を密閉して保管及び搬送するための保管搬送容器であって、
付記18記載の分子汚染センサを、着脱可能に取り付けるための取付手段を有することを特徴とする保管搬送容器。
【0113】
(付記30) 所定の製造工程における処理を材料基板に施すプロセス装置に取り外し可能に取り付けられ、前記材料基板を密閉して保管及び搬送するための保管搬送容器に収納され、前記材料基板を載置するための基板受入棚であって、付記18記載の分子汚染センサを、着脱可能に取り付けるための取付手段を有することを特徴とする基板受入棚。
【0114】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、製造プロセス全般にわたって、製品レベルで分子汚染の状況を追跡することが可能になる。また、密閉された容器内の分子汚染の状況を調べることも可能になる。
【0115】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願実施例による分子汚染監視システム100の部分概略図を示す。
【図2】図2は、本願実施例による分子汚染監視システム100の部分拡大図を示す。
【図3】図3は、ウエハキャリアに分子汚染センサを設けた形態を示す図である。
【図4】図4は、本願実施例による分子汚染センサ206の拡大図を示す。
【図5】図5は、本願実施例による分子汚染センサ206を設けるためのフレームの概略図を示す。
【図6】図6は、水晶振動子の概略平面図および概略断面図を示す。
【図7】図7は、本願実施例により計測された汚染履歴のグラフを示す。
【図8】図8は、半導体ウエハの保管及び搬送を行うための保管搬送容器内の概略図を示す。
【図9】図9は、本願実施例による分子汚染センサの概略斜視図を示す。
【図10】図10は、分子汚染センサの機能に関するブロック図を示す。
【図11】図11は、本願実施例による分子汚染センサの等価回路図を示す。
【図12】図12は、電源手段の他の構成例を示す回路図である。
【図13】図13は、送信手段及び受信手段の他の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
100 分子汚染監視システム
102 プロセス装置
103,107 側壁
104 製造プロセス・コントローラ
106 保管搬送容器
108 読取装置
110 ステージ
112 分子汚染測定装置
202 半導体ウエハ
204 ウエハキャリア
206 分子汚染センサ
208,209 外部接点
210 ソケット
301 基板
302 水晶振動子
304 発振制御回路
306 センサ情報メモリ
308 電極
310 識別情報
402 結晶板
404 電極
406 成膜材料
802 保管搬送容器
804 半導体ウエハ
806 ウエハキャリア
808 正面パネル
810,814 分子汚染センサ
812,816 取付部
900 分子汚染センサ
902 信号処理部
904,906 水晶振動子
905 ソケット
908 フレーム
910 通信処理部
912 制御部
914 計測部
916 エポキシ樹脂
1002 信号線
1004 制御手段
1006 発振手段
1008 送信手段
1010 電源手段
1012 記憶手段
1100 分子汚染センサ
1101 情報リーダ
1102 発振手段
1104 送信手段
1106 電源手段
1108 受信手段
1110 計測手段
1112 水晶振動子
1114 インバータ
1116 出力ノード
1118,1120 抵抗器
1122,1124 キャパシタ
1126 増幅器
1128 発光ダイオード
1130 太陽電池
1132 調整回路
1134 受光ダイオード
1136 増幅器
1138 計測回路
1202,1208 コイル
1204 整流回路
1206 ダイオード
1210 交流電源
1232 調整回路
1302 キャパシタ
1304,1306 コイル

Claims (2)

  1. 半導体製造工程における半導体ウエハの汚染状況を監視する分子汚染監視システムであって
    前記半導体ウエハを保管および搬送する複数の保管搬送容器の各々に設けられた分子汚染センサから、個々の分子汚染センサの識別情報および周波数情報を、前記分子汚染監視システムのデータベースに読み込み、
    前記分子汚染センサは、圧電効果を奏する結晶を有する振動子と前記振動子の周波数情報を前記保管搬送容器の外に出力する出力回路とを有し、
    前記保管搬送容器は、半導体製造工程における処理を半導体ウエハに施すプロセス装置に取り外し可能に取り付けられ、
    前記周波数情報は、前記振動子に汚染分子が付着することによって前記振動子の発振周波数が変化したことを示し、
    前記周波数情報に基づいて、前記半導体ウエハの汚染状況が監視される、分子汚染監視システム。
  2. 前記データベースは、半導体ウエハがどの保管搬送容器で何時どのプロセス装置で処理されるかについての情報を記憶する、請求項1記載の分子汚染監視システム。
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