JP4354576B2 - 少なくとも2つの同軸ホイールとその角度位置を検出する手段とを含む装置および前記角度位置を検出する方法 - Google Patents

少なくとも2つの同軸ホイールとその角度位置を検出する手段とを含む装置および前記角度位置を検出する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、一方では、同じ幾何学的回転軸のまわりに回転可能に取り付けられた少なくとも2つの同軸ホイールと、そのホイールと関連した基準幾何学的半軸の角度位置を検出する手段とを含む小型の装置に関する。本発明は、他方では、本発明による装置に適用できるいくつかの同軸ホイールの角度位置を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
当業者には、時計機構の歯車列に含まれる同軸ホイールなどのホイールの基準角度位置を検出するための光学装置が周知である。そのような光検出装置はすべて比較的複雑であり、光源と、その光源から離れた位置にある受光器とを必要とする。光検出装置の取付けは、光源と受光器とそのような装置に関連したホイールとの間に必要な正確な調整を行うのが困難な場合がある。したがって、本発明の場合には、小型の装置用の光学ホイール位置検出システムをなくすことを提案する。
【0003】
国際特許出願番号97/45705号は、時計機構の同軸の針とそれぞれ関連した同軸ホイールの位置を検出するシステムを開示している。完全なプレートからなる同軸ホイールにはそれぞれ、非接触磁気センサの識別パターンとなる硬い磁気薄膜のいくつかの分離された配置される。磁気センサは、各同軸ホイールと関連づけられる。すなわち、特定の所定基準位置で、角度位置を検出すべき同軸ホイールと同じ数の磁気センサがある。そのような磁気センサが検出する信号の振幅は、特にこの国際特許出願の図3と図4に示されているように、その磁気センサが磁性材料部分の正面にあるかどうかによって変化する。
【0004】
特許書類WO97/45705号で提案されている検出システムは、磁気センサと関連付けられた各ホイールに、ホイール・プレートの片面に配置された固体磁気薄膜部分または別の部分を取り付けなければならないという欠点を有する。このため、ホイールの製造コストが高くなり、ホイール・プレートは、全体が中実な板であり、これは、特に電力消費の点から時計機構の加工において欠点となる可能性がある。ホイール・プレートは、少なくとも2つの異なる材料、すなわちプレート自体を形成する材料と、プレートの片面に配置される磁性材料とからなる。
そのような欠点の他に、提案された検出システムのコストとその空間要件に関連する大きな欠点、すなわち検出すべき位置と同じ数の磁気センサがあるという欠点が指摘されている。したがって、同軸ホイールが3つの場合は、それぞれ関連した3つの磁気センサがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、同軸ホイールと、比較的構造が簡単、低コスト、小型で、装置の組立てが簡単な少なくとも2つの同軸ホイールの角度位置を検出する効率的な手段とを含む小型の装置を提供することによって、前述の欠点を克服することである。
【0006】
本発明のもう1つ目的は、本発明による装置に適用することができるN個の同軸ホイールの角度位置を効率的かつ確実に検出する方法、すなわち角度位置の検出の精度レベルを保証する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は、同一の幾何学的回転軸のまわりに同軸に回転可能に取り付けられ、それぞれ前記幾何学的回転軸に垂直な第1のプレートと第2のプレートを含む第1のホイールと第2のホイールとを含み、さらに前記第1のホイールの第1の基準幾何学的半軸と前記第2のホイールの第2の基準幾何学的半軸nの角度位置を検出する手段を含む、特に時計型の小型の装置であって、前記第1と第2の半軸の角度位置を検出する前記手段が、上または下にあるアクティブ材料の存在を検出する素子を備えた単一で同じ磁気または容量センサによって形成され、前記第1のプレートが、少なくとも1つの前記センサに対する非アクティブ領域を含み、前記第1と第2のプレートが、前記センサに対するアクティブ材料により少なくとも一部分が形成され、前記センサは、前記第1のホイールの少なくとも1つの決定角度位置において検出素子が少なくとも部分的に前記第1の非アクティブ領域の上または下にあるように前記第1のホイールに対して配置されたことを特徴とする装置である。
【0008】
本発明による装置の特徴により、少なくとも2つの同軸ホイールのそれぞれの角度位置が、単一の同じ磁気または容量センサを使用し、詳細には参照により本明細書に組み込まれた欧州特許第0746100号に開示された電子回路の誘導センサを使用して決定される。
【0009】
本発明の場合には誘導近接センサの使用が特に適しており、そのようなセンサは、様々な金属、特にホイールやその他の時計機構の製造に広く使用されているアルミニウムや真鍮などの非強磁性金属の存在を検出することができる。
【0010】
好ましい実施態様によれば、第1のホイール・プレートの前記第1の非アクティブ領域はそのプレートに設けられた第1の開口部によって決められる。より一般に、センサと関連付けられた同軸ホイール・プレートの非アクティブ領域はすべて、開口部によって決められる。したがって、同軸ホイール・プレートは、選択されたセンサの単一の同じアクティブ材料で形成することができ、そのようなプレートに設けられた開口部が、センサの非アクティブ領域に対応する。
【0011】
本発明は、単一の同じ磁気または容量センサによってN個の同軸ホイールの角度位置を検出する方法に関し、そのようなN個のホイールがそれぞれ、N個の各プレートの少なくとも一部分を形成するアクティブ材料を検出する素子を含む前記センサに対する非アクティブ領域を少なくとも1つ有するN個のプレートを含み、この検出素子と前記非アクティブ領域はそれぞれ、前記非アクティブ領域を有するホイールの少なくとも1つの決定角度位置において互いに重なるように配置され、前記N個のプレートはそれぞれ、前記センサが検出できる基準幾何学的半軸を備え、前記方法は、N個のプレートが、前記検出素子に最も近くにあるプレートから前記検出素子から最も遠いプレートまで昇順に番号が付けられたとすると、
A)番号1のホイールの前記半軸の角度位置を決定する段階と、
B)番号1のホイールの前記非アクティブ領域を前記検出素子と重なる状態にするかその状態にとどめ、あるいはこの非アクティブ領域と検出素子が互いに重なるまで待つ段階と、
C)必要に応じて番号2から番号N−1までのホイールに対して、段階AとBを連続的に実行する段階と、
D)番号Nのホイールの前記半軸の角度位置を決定する段階とを含む。
【0012】
この方法の特徴により、単一の同じ磁気または容量センサを使用して、装置、特に時計機構の各同軸ホイールの少なくとも1つの基準角度位置を検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、非制限的な例により示された添付図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
以下に、図1から図3を参照して、本発明による装置の第1の実施形態の関連した2つの同軸ホイールの角度位置を検出する態様を説明する。
【0015】
この装置は、同じ幾何学的回転軸8のまわりに回転可能に取り付けられた2つの同軸ホイール4および6を含む。これらの2つのホイールは、それぞれ、互いに平行でかつ幾何学的軸8と垂直な2つのプレート4Aおよび6Aを有する。2つのプレート4Aおよび6Aとそれぞれ関連付けられた2つの基準半軸のそれぞれの角度位置を決定するために、支持体12を含む誘導センサ10が設けられ、支持体12の一方の面には、プレート4および6を形成する材料が検出素子の上にあることを検出する素子が配置される。この検出素子は、平らならせんコイル14からなる。プレート4および6にそれぞれ設けられた2つの開口部4Bおよび6Bは、センサ10と関連付けられる。図示していない実施形態において、コイルは自立巻線で形成することができることに注意されたい。
【0016】
ホイール4および6は、それぞれ、アナログ表示の2つの針16および18と関連付けられる。ホイール4と6の円筒軸24と26は、中心軸28のまわりに回転可能に取り付けられる。
【0017】
プレート4Aおよび6Aは、センサ10に対してアクティブな材料、すなわち検出素子14の近くにあることが誘導センサ10によって検出される材料からなる。開口部4Bと6Bは、プレート4Aと6Aの第1と第2の非アクティブ領域である。これらの非アクティブ領域が開口部によって形成されている事例において、コイル14と材料が重ならないときは、プレート4Aおよび6Aを形成するアクティブ材料がコイル14と重なっているときと異なる測定信号が生成される。
【0018】
まず、プレート6Aが検出素子14に近いホイール6の基準半軸30の検出について説明する。このため、参照により内容が本明細書に組み込まれる欧州特許98110729.5号の図3に対応する図3を参照する。
【0019】
図3は、コイル14の上を開口部6Bが通過する間に誘導センサ10が出力する一連の測定点34によって得られる曲線32を概略的に示す。この実施形態の誘導センサは、欧州特許第0746100号に記載されたものと類似の電子回路を含み、このセンサは、差動し張発振器を構成している。そのようなセンサにより提供される測定信号は、このセンサの電子回路によって決定される周波数を表し、その周波数はコイル14の上のプレート6Aを形成するアクティブ材料の存在の変化の関数として変化する。このコイル14が、プレート6Aを形成するアクティブ材料と対向しているとき、周波数は高い値となる。これと反対に、コイル14が、開口部6Bと実質上対向しているとき、周波数は低くなる。曲線32は、センサに生成される周波数の値の変化を、幾何学軸8から始まり円形開口部6Bの幾何学的中心を通るホイール6の基準半軸30の角度位置の関数として概略的に決めている。
【0020】
曲線32が、値α=αref に対応する軸36に対して実質上対称であることに注意されたい。したがって、コイル14の上または下を通る半軸30の角度位置αの関数として測定点34の変化の適切な分析を行うことにより、半軸30の角度位置α=αref 、すなわち半軸30がセンサ10の基準半軸RDと実質上同一または重なる位置に対する測定値を決定することができる。基準半軸RDは幾何学軸8から軸8と平行でコイル14の幾何学中心を実質上通るコイル14の磁気軸を横切る線である。
【0021】
グラフ32のくぼみ(または、センサ10の電子回路の代替実施形態ではピーク)の幅が、開口部6Bの断面形状の関数、特にこの開口部の角度寸法の関数であることに注意されたい。当業者に提供され周知の駆動手段により開口部6Bがコイル14の上を通過した後で、αref に対する角度位置の測定値を、やはり当業者に周知の電子的手段によって決定することができる。たとえば、特定の深さにおける曲線32のくぼみの幅の中間点の計算が行われる。
【0022】
本発明により半軸30の角度位置が決定された後、開口部6Bは、コイル14と重なった状態にされるかその状態に留まり、あるいは開口部6Bがコイル14の重なってホイール4と関連した基準半軸38の角度位置を検出するまで待つ。この後者の半軸38は、幾何学軸8から始まり、プレート4Aに設けられた開口部4Bの幾何学中心を通る。開口部6Bは、ホイール6の少なくとも1つの決定角度位置において、すなわちこの事例では半軸30とRDが実質上同一かまたは重なるときに、らせんコイル14はほとんどプレート6Aの非アクティブ領域である開口部6Bの上か下にあるような大きさの寸法を有することが好ましい。
【0023】
したがって、本発明によれば、コイル14からプレート6Aよりも離れているプレート4Aの基準半軸38の角度位置を検出するために、コイル14に近い開口部6Bは、コイルと実質上対向するかまたはコイルと対向するまで待つ。次に、開口部4Bが、コイル14の上に移動されるか、またはコイルの上を通過し、その結果開口部6Bの上を通り、半軸38の角度位置を検出するまで待つ。これを行うため、図3に示したものと類似の一連の測定が行われ、その結果得られた曲線34と類似の曲線の分析により、検出手段は、測定値が半軸38の角度位置α=αref に対応することを決定することができる。この一連の測定値とそれにより得られた曲線の分析は、検出素子の上または下のプレートを構成しているアクティブ材料4Aおよび6Aの存在の変化に対して前記センサから提供される測定信号が依存するセンサ10の振動周波数の変化によって応答するセンサ10のコイル14の上(または下)を通る開口部4Bの検出中に、プレート6は、コイル14上に非アクティブ領域があるという事実によって行うことができる。
【0024】
検出素子14から最も遠いプレート4にある第2の開口部4Bの場合、曲線32と類似の測定曲線のくぼみは、特に開口部4Bの角度寸法を小さくすることによって単一の測定点とすることができる。この開口部は、特に放射状のスリットの形でもよいことに注意されたい。スリットの幾何学軸の位置がセンサ10の基準軸RDと実質上合っていることを測定点が示す周波数Fの低いしきい値を決めることができる。そのような場合、ホイール4の角度位置は、基準半軸RDと同じかまたは重なる半軸38の角度位置αref に対する単一の測定値によって直接決定される。そのような特定の事例は、ホイール4の角度位置の検出の測定結果の処理を簡単にすることに注意されたい。
【0025】
しかしながら、プレート6Aに機械加工された開口部6Bは、センサ10がホイール4と関連する基準半軸の角度位置を検出しないように、またそれにより本発明の意図から逸脱しないように、コイル14の寸法よりもかなり小さい寸法を有することがあることに注意されたい。しかしながら、そのような場合、測定効率は低下し、すなわち周波数変化の対称性が低下しやすい。理論的には、本発明の最低条件は、2つの開口部4Bおよび6Bとらせんコイル14が、少なくとも1つの状況、すなわちホイール6の少なくとも第1の決定角度位置とホイール4の少なくとも第2の決定角度位置で重なる必要性により与えらる。逆に言えば、与えられたプレート4とコイル14の間の距離でセンサ10の測定効率を高めるためには、開口部6Bが、少なくともコイル14の寸法と同等の寸法を有し、それにより、前記コイルの少なくとも大部分が、ホイール6の前記少なくとも第1の決定角度位置において開口部6Bに対向していることが好ましい。
【0026】
図4と図5は、本発明による装置の第2の実施形態を示す。この装置は、第1の実施形態と同じ方法でらせんコイル14によって検出素子が形成されたセンサ10を含む。既に説明した参照は、ここでは再び詳細に説明しない。この第2の実施形態は、同軸ホイール4と6のプレート44と46の配置が第1の実施形態と本質的に異なる。プレート44は、4つのアーム51〜54を形成している4つの開口部47〜50を有する。アーム54は、実質上互いに同じであるアーム51〜53よりも大きい幅/角度寸法を有する。プレート46は、幾何学軸8からプレート44の対応する開口部47〜50と同じ距離に配置された4つの開口部55〜58を有する。開口部55〜58は、4つの放射状アーム59〜62を決め、アーム60は、実質上同一のアーム59、61および62よりも大きい幅/角度寸法を有する。放射状アーム54の中心線をプレート44の基準半軸54Aとし、放射状アーム60の中心線をプレート46の基準半軸60Aとする。
【0027】
この第2の実施形態において、ホイール6および4の角度位置をそれぞれ検出するために、アーム60および54の通過がそれぞれ検出される。これを行うために、誘導センサ10のらせんコイル14の上をアーム60および54がそれぞれ通ったことが検出される。この場合も、最初に、コイル14に最も近いプレート46の角度位置が検出される。図6を参照すると、プレート46の回転中に、アーム60がコイル14の上を通過するまで、いくつかの一連の測定値64が得られる。一連の測定値64は、実質上対称な曲線66を形成する。開口部47から50のうちの1つが、コイル14と対向しているとき、発振器構成センサ10の内部周波数は、実質上、Fmin・に対応する。これと反対に、アーム60がコイル14と対向しているとき、周波数は値Fmax・まで上昇する。
【0028】
アーム60が対称的でありその結果曲線66が対称的である想定すると、センサ10の電子回路によって2つの特性パラメータ、すなわち、アーム60がコイル14の正面を通過することにより生成されるピークの中間に対応する角度位置と、ピークまでの半分の角度幅δαとを導き出すことができる。δα=α2−α1である。δαの測定により、アーム60を、それぞれ小さな角度寸法を有する他の3つのアーム59、61および62と区別することができる。アーム60の検出は、アーム60が通過する間にプレート46の他の3つのアームが通過するときよりも大きくなる可能性のあるFmaxの値によって決定することができる。
【0029】
αref を決定することにより、半軸60Aがセンサ10の基準半軸RDと合ったこと、すなわち2つの半軸60AとRDが同じかまたは互いに重なったことを決定することができる。したがって、プレート46の回転の時間的変化を記憶し、ホイール4および6の角度位置を検出する電子回路は、半軸60Aの角度位置αref に対応する瞬間または測定値が決定された後でプレート46の瞬間的角度位置を決定することができる。
【0030】
ホイール6の角度位置が決定された後、プレート46は、コイル14がプレート46の開口部55から58の1つの少なくともほとんどと重なるように回転されるかその状態に維持される。ホイール4の位置を検出するもう1つの態様では、ホイール4の角度位置の検出を続けるコイル14が開口部55から58の1つと対向して配置されるまで待つ。開口部が、センサ10にとっての非アクティブ領域を決めるため、次に、センサ10は、コイル14から最も遠いプレート44のアームの通過を検出する。放射状アーム54の通過を検出することにより、αref に対応する基準半軸54Aの角度位置の決定が、後で図6を参照してホイール6に関して詳細に説明するものと類似の方法で行われる。
【0031】
したがって、本発明による2つの同軸ホイール4と6の角度位置の検出は、単一の磁気または容量センサ10によって行われる。容量センサの場合には、検出素子は、基板の表面に配置された電極によって構成される。ホイールと特にそのようなホイールのプレートは、容量が検出素子と対向する開口部あるいは中実な板の部分の存在の関数として変化するように配置される。
【0032】
ホイール4および6の角度位置の正確な検出を保証するために、本発明に対する改良は、コイル14がプレート44の開口部47〜50のうちの1つの少なくともほとんどと重なる位置にホイール4を移動させるかその状態にしておき、次に、放射状アーム60がコイル14の上を通過するようにプレート46を回転させ、角度位置αref に対応する半軸RDへの半軸60Aの通過を確実に決定することができる一連の測定を行うことを含む確認を行うことを提案する。この測定は、最初の測定中にホイール4の正確な角度位置が分かっておらず、プレート44のアーム51から54のうちの1つがコイル14と実質上対向するように配置された可能性がある場合に、最初に行われた測定よりも正確になることもあり、これは、図6に示され一連の測定値を基にして得られた曲線の一定の非対称性を作りだすことがある。
【0033】
ホイール6の角度位置が確認された後、この第2の検出の結果が、ホイール6の角度位置に対して維持される。最終的に、本発明による検出方法の代替によれば、コイル14から最も遠いプレート44を有するホイール4の角度位置を確認することができる。ホイール6の角度位置が正確に分かっている場合は、コイル14がプレート46の開口部の少なくともほとんどと重なるようにホイール6のプレートの角度が決められたときにホイール4の角度位置を確実に検出することができる。そのような確認は、ホイール6の角度位置の確認により、ホイール6の最初の検出と確認検出の間に差があったときに特に有効であることに注意されたい。
【0034】
図7は、発明の第3の実施形態を示す。同軸ホイール4と6のプレート44と46は、前述の図4と図5に示したものと等しい。この第3の実施形態は、上面にコイル14を有するセンサ10の基板12が、プレート44と46の間に配置されている点が第2の実施形態と異なる。この場合、プレート44が、コイル14に最も近い。しかしながら、代替実施形態において、コイル14が基板12のプレート46に対向して配置されるように基板12を裏返すことができることに注意されたい。2つのホイール4および6の角度位置を検出する方法は、前述の方法と類似している。この第3の実施形態の構成は、プレート44と46が平らなコイル14の両側に配置されている場合に有利である。
【0035】
図8は、本発明による装置の第4の実施形態を示す。この装置は、これらの3つの同軸ホイールの角度位置の検出に使用される単一の同一センサ10と関連付けられた3つの同軸ホイール4、6および68を含む。ホイール4および6は、図4と図5を参照して前に説明した第2の実施形態のホイール4および6と類似しており、これらの2つのホイールは、センサ10に対して同じように配置される。第3のホイール68は、プレート44および46と平行なプレート70を含む。このプレート70は、プレート44および46と同じ開口部を有する。したがって、プレート70は、4つの放射状アームを備え、それらのアームのうちの1つが、他のものよりも大きな幅/角度寸法を有する。プレート70の開口部は、そのうちの2つの開口部72および74が図8の断面図に示され、プレート44および46の開口部と同じように放射状に配置される。
【0036】
ホイールが異なる直径を有し、半径方向の寸法が各プレートごとに異なる開口部を有する場合には、各プレートの少なくとも1つの開口部と検出素子14が、対応するホイールの少なくとも1つの決定位置で互いに重なることだけを保証する必要がある。
【0037】
ホイール4と6の角度位置の検出は、第2の実施形態の範囲内で説明した方法と類似の方法で行われる。同じことはホイール68にも当てはまり、センサ10に対する構成は、図7を参照して説明した第3の実施形態のホイール6の構成と類似している。しかしながら、プレート46がコイル14に最も近いが、プレート44が前記コイル14から最も遠いことに注意されたい。
【0038】
したがって、本発明による3つの同軸ホイールの位置を検出する方法によれば、最初に、ホイール6の角度位置が、前に説明したように検出され、次に、コイル14がプレート46の開口部とほとんど重なる角度位置までプレート46が移動されるかその状態に維持される。次に、プレート44よりも近い距離にあり、コイル14の下にあるプレート70のホイール68の角度位置が決定される。プレート70の基準半軸が決定され、それによりホイール68の角度位置が決定された後で、プレート70は、コイル14がプレート70の開口部、特に開口部74と重なる角度位置まで回転されるかその状態に維持される。最終的に、ホイール4の角度位置がセンサ10によって検出され、プレート46は、まだ、コイル14がプレート46の開口部と重なる角度位置にある。また、ホイール4の角度位置の検出中にコイル14と対向して配置されるプレート70の開口部は、この開口部がホイール68の少なくとも1つの決定角度位置にある状態で、コイル14がほとんど重なることができる寸法を有することが好ましい。ホイール68のプレート70は、プレート44および46と同様にセンサ10のアクティブ材料からなる。
【0039】
コイル14に最も近いプレートから最も遠いプレートまで3つの同軸ホイールの角度位置を、前述の2つのホイールを有する事例と同じ方法で確認することができる。これを行うために、他のプレートは、コイル14が他の各プレートの開口部の上か下にある角度位置まで回転されるかまたはその状態に維持され、あるいは装置がそのような状況になるまで待つ。
【0040】
図9は、それぞれホイール4、6および68のプレートの変形を示す。このプレート80は、3つの角度セクタを決める3つの材料部分によって分離された環状セクタを形成する3つの開口部81、82および83を有する。したがって、開口部81〜83の半径方向の縁と中間材料部分がプレート80の放射状部分を決めている。例として、2つの放射状部分86と88はそれぞれ、プレート80の2つの基準半軸90と92である。これらの2つの基準半軸はそれぞれ、図10に示したS字状曲線96となる一連の測定値94を使用して、検出手段によって検出することができる。
【0041】
平らなコイル14の上を、板のから開口部83まで、またはこの開口部83からプレート80の板の部分まで通過する間に、センサ10の発振器の周波数は、センサ10の発振器を構成している電子回路の構成により、FminからFmaxまでまたはその逆に変化する。基準角度αref に対応するセンサ10の基準半軸RDと基準半軸90と92がそれぞれ合う位置は、S字形曲線96の中間点に対応する。αrefは、共振周波数Fref・に対応する。
【0042】
したがって、発振器の周波数がFref'に対応するとき、半軸RDと開口部81から83の半径方向の縁が合ったことが検出される。プレート80の場合には、2つの遷移間の角度幅を決定しなければならない。開口部83だけが90°の角度を定義すると仮定し、プレート80の回転方向が既知の場合は、半軸90および92の角度位置をそれぞれ一義的に決定することができる。さらに、開口部を分離する3つの放射状アームがすべて、同一の角度幅を持たないと仮定すると、半軸90および92はそれぞれ、他の半軸を検出することなく一義的に検出することができる。
【0043】
また、プレート80が、複数の基準半軸を備え、そのうちの少なくとも6つを確実かつ効率よく活用できることに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 誘導センサと関連付けられた2つの同軸ホイールの概略的平面図である。
【図2】 図1の線II−IIに沿った断面図であり、針は示されていないが、図1の装置の他の要素は示されている。
【図3】 図1と図2の装置によって提供される測定信号を利用して得られるタイプの測定曲線を概略的に示す図であり、この曲線により、2つの同軸ホイールのどちらかの基準角度位置を決定することができる。
【図4】 本発明による第2の実施形態を概略的に示す平面図である。
【図5】 図4の線V−Vに沿った図2と類似の断面図である。
【図6】 図4と図5の装置のセンサによって提供される測定信号を利用して得られた曲線を概略的に示す図であり、そのような装置の2つの同軸ホイールのどちらかの基準角度位置を決定することができる。
【図7】 本発明による装置の第3の実施形態の図5と類似した断面図である。
【図8】 本発明による装置の第4の実施形態の図5と類似した断面図である。
【図9】 図1から図8に示した同軸ホイールの代替実施形態を概略的に示す図である。
【図10】 図9に示したホイールの全体または一部と開口部との間で遷移中の測定信号を利用して得られた曲線を概略的に示す図である。
【符号の説明】
4、6 同軸ホイール
4A、6Aプレート
4B、6B 開口部
8 幾何学的回転軸
10 センサ
12 基盤
14 コイル
16 針
24 円筒軸
28 中心軸
30 基準半軸
38 基準半軸
44、46 プレート
47、48、49、50 開口部
51、52、53、54 アーム
54A基準半軸
55、56、57,58 開口部
59、60,61、62 アーム

Claims (13)

  1. 同一の幾何学的回転軸(8)のまわりに回転可能に取り付けられ、前記幾何学的回転軸に対して垂直な第1のプレート(6A、46;44)と第2のプレート(4A、44;46;70)とをそれぞれ含む同軸の第1のホイール(6;4)と第2のホイール(4;6;68)とを含み、さらに前記第1のホイールの第1の基準幾何学的半軸(30;60A)と前記第2のホイールの第2の基準幾何学的半軸(38;54A)の角度位置を検出する手段(10)をさらに含む時計型の小型の装置であって、前記第1と第2の半軸の角度位置を検出する前記手段が、上または下にあるアクティブ材料を検出する素子(14)を備えた単一で同一の磁気または容量センサ(10)によって構成され、前記第1のプレートが、少なくとも1つの前記センサに対する非アクティブ領域(6B、55から58;47から50)を含み、前記第1と第2のプレートが、少なくとも一部分が前記センサに対するアクティブ材料により形成され、前記センサが、前記第1のホイールの少なくとも1つの決定角度位置において検出素子が前記第1の非アクティブ領域の上または下に少なくとも一部分があるように、前記第1のホイールに対して配置されたことを特徴とする装置。
  2. 前記センサ(10)が、前記検出素子(14)の上または下のアクティブ材料の存在の変化に対して、与えられる測定値信号が依存する前記センサの少なくとも1つのパラメータまたは変数の変化により応答し、前記第1の非アクティブ領域(6B、55〜58;47〜50)は、前記検出素子が、前記決定角度位置において前記第1の非アクティブ領域と少なくともほとんど対向する寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の非アクティブ領域が、前記第1のプレート(6A、46;44)に設けられた第1の開口部(6B、55から58;47から50)によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記第1と第2のプレートが、前記センサのアクティブ材料からなり、第2のプレート(4A、44;46;70)が、少なくとも1つの第2の開口部(4B、47〜50;55〜58;72、74)を有し、前記検出素子(14)は、前記第2のホイールの少なくとも1つの決定角度位置において前記第2の開口部の上にまたは下に少なくとも一部分があるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
  5. 前記第1の半軸(30;60A)と第2の半軸(38;54A)がそれぞれ、前記幾何学的回転軸から始まり前記第1の開口部(6B)と第2の開口部(4B)の実質上幾何学的中心を通るかまたは前記第1の開口部と第2の開口部(83)の半径方向の縁(86、88)によって決められる半径か、あるいはそれぞれ前記第1と第2のプレートの2つの非アクティブ領域の間にそれぞれ半径方向に延びる前記第1のプレート(46)と第2のプレート(44)のアクティブ材料からなる部分の中心線と同一の半径によって決められることを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 前記センサ(10)が、表面に前記検出素子(14)が配置された支持体(12)を含み、前記支持体が、第1のプレート(6A、46)と対向するように配置され、前記第2のプレート(4A;44)が、前記第1のプレートの前記支持体と反対側に配置され、前記センサは、前記第1のホイール(6)が前記決定角度位置にあるときに前記第2のプレートを少なくとも部分的に形成するアクティブ材料が前記検出素子の上にあることを検出するように配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記センサ(10)が、表面に前記検出素子(14)が配置された支持体(12)を含み、前記支持体が、前記第1と第2のプレート(44、46;46、70)の間に配置され、前記検出素子が、前記第1のプレート(44;46)と対向して配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
  8. 前記第1と第2のホイールと同軸の第3のホイール(4)と、前記幾何学的回転軸(8)に対して垂直な第3のプレート(44)とをさらに含み、前記第3のホイールが、前記磁気または容量センサによって角度位置を検出することができる第3の基準幾何学的半軸を備え、前記第3のプレートが、前記センサの前記支持体(12)に対して前記第1のプレート(46)の他方の側に配置され、前記センサのアクティブ材料から少なくとも一部分が形成されており、前記センサは、前記第1のホイール(6)が前記決定角度位置にあるときに前記第3のプレートを少なくとも部分的に形成するアクティブ材料の前記検出素子の上または下にあることを検出するように配置されたことを特徴とする請求項7に記載の装置。
  9. 前記第2のプレート(70)は、前記第2のホイールの少なくとも1つの決定角度位置において前記検出素子が前記第2の非アクティブ領域の上または下に少なくともほとんどがあるように配置された少なくとも1つの前記センサに対する非アクティブ領域(72、74)を含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. 前記第3のプレート(44)が、アクティブ材料によって形成され、第3の開口部(47〜50)を有し、前記第3のホイールの少なくとも1つの決定角度位置において前記検出素子が前記第3の開口部の上または下に少なくとも部分的にあるように配置され、前記第3の半軸は、前記幾何学的回転軸(8)から始まり、前記第3の開口部の幾何学中心を実質上通るか前記第3の開口部の半径方向の縁によって決められる半径か、前記第3のプレートの2つの非アクティブ材料の間に半径方向に延びる前記第3のプレートのアクティブ材料からなる部分の中心線と同一の半径によって決められることを特徴とする請求項8または9に記載の装置。
  11. 単一で同一の磁気または容量センサ(10)によってN個の同軸ホイールの決定角度位置を検出する方法であって、これらのN個のホイールがそれぞれ、N個のプレートを含み、各プレートが、前記センサに対する非アクティブ領域を備え、前記センサは前記N個の各プレートの少なくとも一部分を形成するアクティブ材料に反応する検出素子(14)を含み、この検出素子と前記非アクティブ領域はそれぞれ、前記非アクティブ領域を有するホイールの少なくとも1つの決定角度位置において互いに重なるように配置され、前記N個のプレートはそれぞれ、前記センサが検出することができる基準幾何学的半軸を備え、N個のプレートが、前記検出素子に最も近くにあるプレートから前記検出素子から最も遠いプレートまで昇順に番号が付けられるとすると、
    A)番号1のホイールの前記半軸の角度位置を決定する段階と、
    B)番号1のホイールの前記非アクティブ領域を前記検出素子と重なる位置に移動させるかその状態に維持し、あるいはこの非アクティブ領域と検出素子が互いに重なるまで待つ段階と、
    C)必要に応じて番号2から番号N−1までのホイールに関して、段階AとBを連続的に実行する段階と、
    D)番号Nのホイールの前記半軸の角度位置を決定する段階と
    を含む方法。
  12. E)N=2の場合には番号2の非アクティブ領域を、Nが2よりも大きい場合には番号2からNのホイールの各非アクティブ領域を、前記検出素子と重なる位置に移動するかまたはその状態を維持し、あるいは前記非アクティブ領域と各前記非アクティブ領域と前記検出素子が互いに重なるまで待つ段階と、
    F)番号1のホイールの前記半軸の角度位置を確認し、段階Aで測定された角度位置に対応しない場合にこの確認により得た角度位置を維持する段階と、
    G)必要に応じて、番号2からN−1の各ホイールに関して昇順に、他のホイールの非アクティブ領域を前記検出素子と重なる位置に移動するかその状態を維持し、あるいは前記非アクティブ領域と前記検出素子が互いに重なるのを待った後で、前記ホイールと関連した半軸の角度位置の確認を行い、段階(C)で測定した角度位置に対応しない場合に番号2からN−1のそれぞれの確認により得た角度位置を維持する段階とを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. H)N=2の場合には前記非アクティブ領域を、Nが2よりも大きい場合には番号1からN−1の各非アクティブ領域を、前記検出素子と重なる位置に移動させるかまたはその状態を維持し、あるいは前記非アクティブ領域と各前記非アクティブ領域と前記検出素子が互いに重なるのを待った後で、番号Nのホイールと関連した半軸の角度位置を確認する最終段階をさらに含み、この段階が、番号1のホイールと番号1からNの各ホイールの角度位置を検査する段階で、段階A)からC)の間に少なくとも1つの間違った検出があった場合に実行されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
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