JP4353762B2 - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、アクティブマトリクス型表示装置などに用いられ、薄膜トランジスタ(以下、TFTと略す)を含む半導体装置およびその製造方法に関する。
近年、複数の画素を含む表示部と、表示を駆動する駆動回路とが、ガラスなどの透明絶縁性基板上に設けられたドライバモノリシック型のパネルの開発が進められている。特に、プレゼンテーションなどに用いられるデータプロジェクターやハイビジョン放送規格に対応した液晶リアプロジェクター等、高精細でかつ小型のプロジェクタ用液晶パネルに対するニーズが高まってきている。これにともなって、パネルのサイズを小さくしつつ、画像を高精細化することが重要な課題の1つとなっている。
こうしたパネルでは、移動度が比較的高い多結晶シリコンを用いて画素用TFTおよび駆動回路用TFTを透明絶縁基板上に形成しており、パネルサイズを縮小するためには、TFTのサイズを小さくする必要がある。しかし、TFTを小型化すると、ソース−ドレイン間の耐圧が低下したり、ドレイン近傍にかかる電界が非常に大きくなってホットキャリアによるTFT特性の劣化がより顕著になるといった信頼性上の問題がある。
これら信頼性の問題を解決するための手段の1つとして、GOLD(Gate-Overlapped LDD)構造を備えたTFTが一般的に知られている。このTFTは、半導体層中に設けられたチャネル領域と、チャネル領域を挟むように設けられた一対の低濃度不純物領域と、一対の低濃度不純物領域を挟むように設けられた高濃度不純物領域であるソース・ドレイン領域を含むLDD(Lightly Doped Drain)構造のTFTにおいて、ゲート電極がチャネル領域および低濃度不純物領域の全部、もしくはその一部を覆うように設けられている。このような構造により、LDD構造に比べてドレイン領域近傍での電界の集中を緩和し、ホットキャリアがドレイン領域に注入されるのを防止することができる。このため、TFT特性の劣化を防止するのに有効である。
また、ゲート電極に覆われた低濃度不純物領域(以下、オーバーラップ領域と呼ぶ)およびゲート電極に覆われていない低濃度不純物領域(以下、オフセット領域と呼ぶ)を有するGOLD構造も知られている。この構造によれば、オフセット領域が抵抗として働くので、ホットキャリアに対する耐性の向上に加えて、オフリーク電流を低減する効果も得られる。
特許文献1はこのようなGOLD構造を備えたTFTを開示している。図11に示すように、TFT500は、絶縁性基板501上に形成された半導体層502を備える。半導体層502は、チャネル領域513と、チャネル領域513を挟む低濃度不純物領域511、512と、低濃度不純物領域511、512を挟むソース・ドレイン領域509、510を含む。低濃度不純物領域511、512は、第1のゲート電極508cに覆われているオーバーラップ領域511a、512aと、第1のゲート電極508cに覆われていないオフセット領域511b、512bを有している。第1のゲート電極508cおよび第2のゲート電極507bはハットシェイプ型ゲート電極を形成している。
特許文献1によれば、TFT500は以下の方法により作製される。図12(a)に示すように、絶縁性基板501上に、半導体層502を形成し、半導体層502上にゲート絶縁膜503を形成する。ゲート絶縁膜503上に約30nmの厚さのTaNからなる第1の導電膜504および約370nmの厚さのWからなる第2の導電膜505を形成する。ハットシェイプ形状のゲート電極とするために、第1の導電膜504をあまり厚くできない。
図12(b)に示すように、フォトレジストマスク506を形成した後、ICP(Inductivity Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)エッチング装置を用いて、第2の導電膜505をエッチングして、端部にテーパー形状を有する第2のゲート電極507aを形成する。次に、図12(c)に示すように、レジストマスク506をそのまま用い、ICPエッチング装置により第1のゲート電極504をエッチングして、幅W1を有する第1のゲート電極508aを形成する。その後、図12(d)に示すように、レジストマスク506をそのまま用い、ICPエッチング装置により第2のゲート電極507aおよび第1のゲート電極508aをエッチングして、それぞれ幅W2、テーパー角が約70度を有する第2のゲート電極507bと、幅W1、テーパー角が数度〜15度程度を有する第1のゲート電極508bを形成する。
続いて、図12(e)に示すように、第1のゲート電極508bをマスクとして、イオン注入を行い、半導体層502中に高濃度不純物領域509、510を形成する(第1のドーピング工程)。また、図13(a)に示すように、レジストマスク506および第2のゲート電極507bをマスクとして、イオン注入を行い、半導体層502中に低濃度不純物領域511、512を形成する(第2のドーピング工程)。レジストマスク506および第2のゲート電極507bによって、第1のドーピング工程でも第2のドーピング工程でも不純物が注入されなかった半導体層502の領域はチャネル領域513になる。
次に、図13(b)に示すように、レジストマスク506を残したまま、RIEエッチング装置、またはICPエッチング装置を用いた異方性エッチングにより、第1のゲート電極のテーパー部の一部を除去して、幅がW3、テーパー角が数度〜15度程度を有する第1のゲート電極508cを形成する。これにより、第1のゲート電極508cに覆われたオーバーラップ領域511a、512aと第1のゲート電極508cに覆われていないオフセット領域511b、512bが形成される。
その後、図11に示すように、レジストマスク506を剥離した後、全面に絶縁膜を堆積することによって層間絶縁膜514を形成した後、ソース領域509及びドレイン領域510上に電極取り出しのためコンタクトホールを形成する。Al等の金属材料からなる膜を層間絶縁膜514上およびコンタクトホール内に形成し、所定の形状にパターニングすることにより、ソース電極515およびドレイン電極516を形成する。これにより、図11に示すTFT500が完成する。
特許文献1は、上述の方法により、工程数を削減し、製造コストの低減および歩留まりの向上を実現することができると記載している。また、TFT500においてオーバーラップ領域511a、512aの幅およびオフセット領域511b、512bの幅を自由に調整することが可能であると記載している。
しかしながら、特許文献1はオーバーラップ領域511a、512aの不純物濃度をオフセット領域511b、512bの不純物濃度と等しくすることを意図している。このため、特許文献1のTFTあるいは特許文献1に記載された方法では、オーバーラップ領域511a、512aおよびオフセット領域511b、512bの不純物濃度あるいはキャリア濃度を独立して調整することはできない。第1のゲート電極508cの厚さおよびテーパー角が小さいため、第1のゲート電極508cを介して半導体層に注入される不純物に濃度差を与えることも困難である。
また、上述の方法では、図14に示すように、第1のゲート電極508cのテーパー部の厚さが小さくかつテーパーの角度が緩やかであるために、厚さやテーパーの角度のばらつき、および、異方性エッチングにおけるエッチングのばらつきのため、エッチング後に残る第1のゲート電極508bの横方向長さがばらつきやすい。このため、オーバーラップ領域511a、512aとオフセット領域511b、512bとの境界の位置530がばらつきやすく、TFT500の特性ばらつきが大きくなるという問題が生じる。
特開2002−57165号公報
本発明は上記従来技術の課題を解決し、GOLD構造を有するTFTにおいて、オーバーラップ領域およびオフセット領域の不純物濃度あるいはキャリア濃度を調整することが可能なTFTを提供することを目的としている。また、特性ばらつきの小さいGOLD構造のTFTを提供することを目的としている。
本発明の薄膜トランジスタは、チャネル領域と、前記チャネル領域を挟むように設けられた一対の第1低濃度不純物領域と、前記一対の第1低濃度不純物領域を挟むように設けられており、前記一対の第1低濃度不純物領域と異なるキャリア濃度を有する一対の第2低濃度不純物領域と、前記一対の第2低濃度不純物領域とを挟むように設けられた一対の高濃度不純物領域を含む半導体層と、前記半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられており、前記チャネル領域および前記一対の第1低濃度不純物領域の上方に位置し、かつ、前記一対の第2低濃度不純物領域の上方には位置していないゲート電極とを備えている。
また、本発明の薄膜トランジスタは、チャネル領域と、前記チャネル領域を挟むように設けられた一対の第1低濃度不純物領域と、前記一対の第1低濃度不純物領域を挟むように設けられた一対の第2低濃度不純物領域と、前記一対の第2低濃度不純物領域とを挟むように設けられた一対の高濃度不純物領域を含む半導体層と、前記半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられており、前記チャネル領域および前記一対の第1低濃度不純物領域の上方に位置し、かつ、前記一対の第2低濃度不純物領域の上方には位置していないゲート電極と、前記ゲート電極の側方に設けられた一対の絶縁性サイドウォールとを備え、前記一対の第2低濃度不純物領域は前記一対の絶縁性サイドウォールの下方にそれぞれ位置している。
ある好ましい実施形態において、前記絶縁性サイドウォールおよび前記第2低濃度不純物領域の長さは、チャネル長の方向において等しい。
ある好ましい実施形態において、前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれCL1 L2およびCHとしたとき、CL1 L2およびCHが、CL1<CL2<CHの関係を満たしている。
ある好ましい実施形態において、前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれCL1 L2およびCHとしたとき、CL1 L2およびCHが、CL2<CL1<CHの関係を満たしている。
ある好ましい実施形態において、前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれCL1 L2およびCHとしたとき、CL1 L2およびCHが、CL2=CL1<CHの関係を満たしている。
本発明のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、上記いずれかの薄膜トランジスタ、前記薄膜トランジスタの高濃度不純物領域の一方と電気的に接続される信号配線、前記ゲート電極に電気的に接続されるゲート配線、および前記薄膜トランジスタの高濃度不純物領域の他方と電気的に接続される画素電極が形成された基板と、前記画素電極の電位に応じて光学状態を変化させる液晶層とを備える。
また、本発明のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、CL2<CL1<CHの関係を満たす上記薄膜トランジスタ、前記薄膜トランジスタの高濃度不純物領域の一方と電気的に接続される信号配線、前記ゲート電極に電気的に接続されるゲート配線、および前記薄膜トランジスタの高濃度不純物領域の他方と電気的に接続される画素電極を含む画素部と、CL1<CL2<CHの関係を満たす上記薄膜トランジスタによって構成され、前記画素部を駆動する駆動部とを備えた基板と、前記画素電極の電位に応じて光学状態を変化させる液晶層とを備える。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に半導体層を形成する工程(A)と、前記半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成する工程(B)と、前記半導体層中のチャネル領域となる部分以外に第1導電型の不純物を添加し、前記半導体層中にチャネル領域を画定する工程(C)と、前記チャネル領域と、前記半導体層中において前記チャネル領域を挟むように隣接し、一対の第1低濃度不純物領域となる部分とを覆うようにゲート電極を形成し、前記ゲート電極と重なった第1低濃度不純物領域を前記半導体層中に画定する工程(D)と、前記半導体層中において前記一対の第1低濃度不純物領域を挟むように隣接し、一対の第2低濃度不純物領域となる部分を少なくとも覆うマスクを形成する工程(E)と、前記マスクを用いて、第1導電型の不純物を添加し、前記半導体層中に高濃度不純物領域を形成し、かつ、前記マスクに覆われた部分に第2低濃度不純物領域を画定する工程(F)とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記工程(E)で用いるマスクは、前記ゲート電極および前記一対の第2低濃度不純物領域となる部分を覆うレジストマスクである。
ある好ましい実施形態において、前記工程(E)で用いるマスクは、前記ゲート電極に隣接して設けられた絶縁性サイドウォールである。
ある好ましい実施形態において、前記絶縁性サイドウォールは、前記工程(E)において、前記ゲート電極を覆うように絶縁膜を形成する工程(e1)と、前記絶縁膜を基板に対して垂直方向に対して選択的にエッチングする工程(e2)とをおこなうことにより形成される。
ある好ましい実施形態において、前記第1低濃度不純物領域および前記第2低濃度不純物領域の不純物濃度が実質的に等しい。
ある好ましい実施形態において、薄膜トランジスタの製造方法は、前記工程(D)の後、前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層に第1導電型の不純物を添加する工程(G)をさらに包含する。
ある好ましい実施形態において、前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれCL1 L2およびCHとしたとき、CL1 L2およびCHが、CL1<CL2<CHの関係を満たしている。
ある好ましい実施形態において、薄膜トランジスタの製造方法は、前記工程(D)の後、前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層に第2導電型の不純物を添加する工程(G)をさらに包含する。
ある好ましい実施形態において、前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれCL1 L2およびCHとしたとき、CL1 L2およびCHが、CL2<CL1<CHの関係を満たしている。
本発明によれば、チャネル領域および高濃度不純物領域に挟まれ、ゲート電極と重なっている第1低濃度不純物領域と、ゲート電極と重なっていない第2低濃度不純物領域とを有し、第1低濃度不純物領域および第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を独立して調整することが可能なGOLD構造のTFTが得られる。
また、第2低濃度不純物領域のチャネル方向の長さがサイドウォールにより決定し、その長さのばらつきも小さいので、小型で信頼性の高いTFTが得られる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明によるTFTの第1の実施形態を示す断面図である。図1に示すTFT100は、nチャネル型(n型)であるが、本発明はこれに限られず、pチャネル型(p型)であってもよい。また、半導体の第1の導電型および第2の導電型をn型およびp型として説明するが、第1の導電型および第2の導電型は、p型およびn型であってもよい。
TFT100は、石英基板などの絶縁性基板1上に設けられた半導体層2と、半導体層2上に設けられたゲート絶縁膜3と、ゲート絶縁膜3上に設けられたゲート電極8とを備える。
半導体層2は、たとえば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどからなる。半導体層2は、チャネル領域4と、第1低濃度不純物領域6、7と、第2低濃度不純物領域9、10と高濃度不純物領域11、12とを含んでいる。
チャネル領域4は、非晶質シリコンからなる場合には不純物が添加されていない真性Siから形成されていてもよいし、多結晶シリコンからなる場合にはp型不純物が低濃度で添加されたp型Siから形成されていてもよい。
第1低濃度不純物領域6、7はチャネル領域4を挟むように設けられており、好ましくは、チャネル領域4に隣接している。また、第2低濃度不純物領域9、10は、第1低濃度不純物領域6、7を挟むように、第1低濃度不純物領域6、7の外側に設けられている。高濃度不純物領域11、12は、第2低濃度不純物領域9、10を挟むように第2低濃度不純物領域9、10の外側に設けられており、ソース・ドレイン領域として機能する。第1低濃度不純物領域6、7、第2低濃度不純物領域9、10および高濃度不純物領域11、12はいずれも同じ導電型である。本実施形態ではn型である。第1低濃度不純物領域6、7および第2低濃度不純物領域9、10の不純物濃度は高濃度不純物領域11、12の不純物濃度より低く、したがって、第1低濃度不純物領域6、7および第2低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度は高濃度不純物領域11、12のキャリア濃度より低くい。
半導体層2上にはゲート絶縁膜3を介してゲート電極8が設けられている。ゲート電極8は、チャネル領域4および第1低濃度不純物領域6、7の上方にのみ設けられており、第2低濃度不純物領域9、10の上方にはゲート電極8は位置していない。このため、TFT100は、第1低濃度不純物領域6、7上にゲート電極8が設けられたオーバーラップ領域と第2低濃度不純物領域9、10の上方にゲート電極8が設けられていないオフセット領域とを含むGOLD構造を備えている。
したがって、ゲート電極8により印加される電圧は、第1低濃度不純物領域7内にTFT素子の内部へ向かう電界を発生させ、チャネル領域4からドレイン領域12へ向かうホットキャリアの移動を妨げる。これにより、ホットキャリアの流入によってドレイン領域12の端部に生じる半導体層の劣化を防止し、信頼性を向上させることができる。また、チャネル領域4と高濃度不純物領域11、12との間に設けられた、ゲート電極8が重なっていない第2低濃度不純物領域9、10により、オフリーク電流の低減を図ることができる。
ゲート電極8の伸びる方向に垂直な方向であるチャネル長方向におけるゲート電極8の最大幅はLであり、第1低濃度不純物領域6と第2低濃度不純物領域9との境界b1および第1低濃度不純物領域7と第2低濃度不純物領域10との境界b2の距離と一致している。ゲート電極8の側面8a、8bが絶縁性基板1に対してほぼ垂直に形成されている場合には、境界b1、b2の位置は側面8a、8bの位置とそれぞれ一致する。ゲート電極8は単層の金属膜や導電性シリコン膜で形成されていてもよいし、これらが積層されていてもよい。しかし、ゲート電極8は、第2低濃度不純物領域9、10に不純物を添加する際のマスクとして用いることができるよう全体にわたって十分な厚さを有していることが好ましい。
第1低濃度不純物領域6、7、第低濃度不純物領域9、10、および高濃度不純物領域11、12はn型の不純物が添加されており、それぞれn型半導体である。本発明の特徴のひとつは、第1低濃度不純物領域6、7および第低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度を独立して自由に調節できる点にある。このため、第1低濃度不純物領域6、7および第低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度は異なっていることが好ましく、第1低濃度不純物領域6、7および第低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度は高濃度不純物領域のキャリア濃度よりも低いことが好ましい。つまり、第1低濃度不純物領域6、7、第低濃度不純物領域9、10、および高濃度不純物領域11、12のキャリア濃度をCL1 L2およびCHとしたとき、CL1<CH、CL2<CHおよびCL1≠CL2である。
本実施形態では、これらの関係を満たす限り、第1低濃度不純物領域6、7および第2低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度を任意に設定することができ、これらの領域のキャリア濃度を調整することによって、GOLD構造による利点を生かしつつ、用途に応じた異なる特性のTFTを実現することができる。ただし、本発明のTFTにおいて、第1低濃度不純物領域6、7および第2低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度が等しくすることも可能である。
たとえば、第1低濃度不純物領域6、7よりも第2低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度を高くする場合、つまり、CL1<CL2<CHを満たす場合、抵抗領域となる第2低濃度不純物領域のキャリア濃度は高くなり、抵抗は低くなる。このため、TFT100のオン電流を大きくすることができる。このようなTFTはドライバー回路に適している。
また、第1低濃度不純物領域6、7よりも第2低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度を低くする場合、つまり、CL2<CL1<CHを満たす場合、抵抗領域となる第2低濃度不純物領域のキャリア濃度は低くなり、抵抗は高くなる。このため、TFT100のオフ電流を小さくすることができる。このようなTFTは画素用スイッチ素子に適している。
このように本実施形態のTFTによれば、GOLD構造による、信頼性の向上とTFT特性の向上とを同時に達成し、かつ、第1低濃度不純物領域6、7および第2低濃度不純物領域9、10のキャリア濃度を調整して、用途により適したTFT特性を実現することができる。
以下、本実施形態によるTFT100の製造方法を説明する。
まず図2(a)に示すように、石英などの透明絶縁性基板1上に半導体層2を形成する。半導体層2は、たとえば非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン等からなる。半導体層2を多結晶シリコンによって形成する場合には、減圧CVD(Low Power Chemical Vapor Deposition、以下LPCVDと記す)法により、透明絶縁性基板1上に厚さ50〜150nm程度のアモルファスシリコン薄膜を堆積した後、高温熱処理あるいはレーザーアニールを施して、アモルファスシリコンを多結晶化させる。その後フォトリソグラフィー工程およびエッチング工程によりパターニングを行い、所定の形状を有する半導体層2を形成する。この後、必要に応じてトランジスタの閾値制御のためのp型不純物を注入などにより添加してもよい。
次に、図2(b)に示すように、半導体層2の上に厚さ100nm程度のゲート絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜は、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法による堆積することができる。形成した半導体層2の表面を酸化することによってゲート絶縁膜3を形成してもよい。
図2(c)に示すように、半導体層2のうち、チャネル領域4となる領域をレジスト5で覆い、p型不純物元素をイオン注入により半導体層2に添加する(第1不純物添加工程)。これにより、半導体層2中に第1の低濃度不純物領域6、7と等しい不純物濃度を有する領域6’、7’が形成される。第1不純物添加工程は、たとえば、リン、ヒ素などのn型不純物を5×1012〜1×1014/cm2のドーズ量にて行う。レジスト5により不純物が注入されない領域は、チャネル領域4になる。この工程によりチャネル領域4が画定する。
図2(d)に示すように、レジスト5をはく離した後、ゲート絶縁膜3上にゲート電極8を形成する。ゲート電極8は、たとえばスパッタ法やLPCVD法を用い、厚さ300nm程度のWSiなどからなる膜を堆積し、その後、チャネル領域4と領域6’、7’の一部を覆うようにパターニングすることにより得られる。ゲート電極8に覆われた領域6’、7’は第1低濃度不純物領域6、7として半導体層2中に画定される。ゲート電極8はリンをドープした多結晶シリコン(N+poly−Si)でもよいし、さらにその上にWSiなどを積層した構造であってもよい。
図2(e)に示すように、ゲート電極8をマスクとして、不純物元素をイオン注入により半導体層2に添加して(第2不純物添加工程)、領域9’、10’を形成する。領域9’、10’の不純物濃度は第2低濃度不純物領域と等しくなる。ゲート電極8により不純物元素が注入されない領域は第1の低濃度不純物領域6、7となり、GOLD構造のオーバーラップ領域として機能する。
第2不純物添加工程で添加する不純物元素の導電型によって、第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を第1の低濃度不純物領域6、7より高くしたり、逆に、低くすることができる。
第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を第1の低濃度不純物領域6、7より高くする場合には、第1不純物添加工程で用いた不純物の導電型と同じ導電型の不純物元素を用いる。具体的には、リン、ヒ素などのn型不純物を5×1012〜1×1014/cm2のドーズ量で半導体層2に注入する。
第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を第1の低濃度不純物領域6、7より低くする場合には、第1不純物添加工程で用いた不純物の導電型と反対の導電型の不純物元素を用いる。具体的には、ボロンなどのp型不純物を1×1012〜1×1014/cm2のドーズ量で半導体層2に注入する。カウンタードープによって、第1不純物添加工程により注入された不純物により生成するキャリアが第2不純物添加工程により注入された不純物により生成するキャリアによって打ち消され、第2の低濃度不純物領域のキャリア濃度は第1の低濃度不純物領域のキャリア濃度より低くなる。
なお、第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を第1の低濃度不純物領域6、7のキャリア濃度と等しくする場合には、第2不純物添加工程を行わない。
図3に示すように、ゲート電極8の両横の領域を第2の低濃度不純物領域9、10として残すようにレジスト5’を形成し、このレジストをマスクとしてn型の不純物元素をイオン注入により添加して(第3不純物添加工程)、ソース領域11、ドレイン領域12を半導体層2中に形成し、画定する。レジスト5により不純物イオンが注入されない領域のうち、ゲート電極8と重ならない領域は第2低濃度不純物領域9、10として画定される。第2低濃度不純物領域9、10はゲート電極8と重なっていないためGOLD構造のオフセット領域となる。第3不純物添加工程は、リン、ヒ素などのn型不純物を1×1015〜5×1015/cm2のドーズ量で行う。その後、レジスト5をはく離し、不純物イオン活性化のためのアニールを行う。
図1に示すように、全面に絶縁膜を堆積し、層間絶縁膜13を形成した後、ソース領域11及びドレイン領域12上に電極取り出しのためコンタクトホールを形成する。Al等の金属材料を層間絶縁膜13およびコンタクトホール内に堆積し、所定の形状にパターニングすることによりソース電極14およびドレイン電極15を形成する。
(第2の実施形態)
図4は、本発明によるTFTの第2の実施形態を示す断面図である。図4に示すTFT200もn型TFTとして説明するが、p型TFTであってもよい。
TFT200は、ゲート電極8の側方に設けられた一対の絶縁性サイドウォール17をさらに備えている点で第1の実施形態によるTFT100と異なっている。
図4に示すように、サイドウォール17は、第2低濃度不純物領域9、10の上方に位置しており、第2低濃度不純物領域9、10とゲート絶縁膜3を介してほぼ完全に重なっている。このため、チャネル長の方向において、サイドウォール17のそれぞれと第2低濃度不純物領域9、10の長さは等しくなっている。
サイドウォール17は、第2低濃度不純物領域9、10を形成するためのマスクとして機能する。サイドウォール17は、通常、異方性エッチングにより形成され、基板に対して平行な方向の寸法ばらつきが小さい。このため、サイドウォール17をマスクとして形成される第2低濃度不純物領域9、10のチャネル長の方向の長さのばらつきを低減することができ、これにより第1の実施形態のTFTの効果に加え、特性ばらつきの少ないTFTを作製することができる。この理由を図5および図6を参照して説明する。
図5(a)に示すようにサイドウォール17は酸化ケイ素などの絶縁膜16から形成される。ゲート電極8を覆うように絶縁膜16を堆積した後、反応性イオンエッチング(RIE)やイオンミリング法などの異方性エッチングによって、絶縁膜16をエッチングする。たとえば、図5(a)に示すように、基板1を反応性イオンエッチング装置に導入し、基板1に対して垂直な電界を印加することによって、反応性ガスを矢印で示すように、基板1に対して垂直な方向に加速すると、エッチングは基板1に対して主として垂直な方向にのみ進行する。このため、図5(b)に示すように、エッチング前の絶縁膜16の表面のプロファイル(凹凸形状)をほぼ保ちながら絶縁膜16の厚さが減少する。図5(c)に示すように、絶縁膜16の平坦な部分がすべてエッチングされると、ゲート電極8の側方にサイドウォール17が残る。
図5(c)に示すように、サイドウォール17は凸状の曲面17aを有し、サイドウォール17のゲート電極8と接しない方の端部17eでは、曲面17eが基板1に対して大きな角度で立ち上がっている。このため、端部17eの位置は、基板1に対して主として垂直な方向にのみエッチングが行われるサイドウォール17の形成工程においてばらつきが生じにくい。図5(c)に示すように、基板1と平行に近い部分において、エッチングによるばらつき量δ1とし、端部17eにおけるエッチングによるばらつき量δ2とした場合、δ2≪δ1となる。サイドウォール17のゲート長方向の長さは、ゲート電極8の高さやエッチング条件、サイドウォール17を形成するための絶縁膜16の厚さを変化させることによって調整できる。
このことは、サイドウォール17をマスクとして形成する第2低濃度不純物領域10のチャネル長方向の長さのばらつきが小さくなることを意味している。つまり、本実施形態によれば、第1の実施形態のTFTの効果に加え、GOLD構造のオフセット領域である第2低濃度不純物領域のチャネル長方向長さのばらつきが少なく特性の揃ったTFTが得られる。このため、信頼性および耐圧などのトランジスタ特性のマージンを確保するために素子を大きく形成する必要がなく、微細なTFTを作製することが可能である。このような特徴は、特に、多数に特性の揃ったスイッチング素子を形成することが求められる表示装置などのアクティブマトリクス基板に用いられるTFTに本実施形態のTFTは適しており、また、上述した理由から、微細な画素を有する表示装置、あるいは、画素数の多い表示装置に適している。
以下本実施形態によるTFT200の製造方法を説明する。
まず図6(a)に示すように、石英などの透明絶縁性基板1上に半導体層2を形成する。半導体層2は、たとえば非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン等からなる。半導体層2を多結晶シリコンによって形成する場合には、減圧CVD(Low Power Chemical Vapor Deposition、以下LPCVDと記す)法により、透明絶縁性基板1上に厚さ50〜150nm程度のアモルファスシリコン薄膜を堆積した後、高温熱処理あるいはレーザーアニールを施して、アモルファスシリコンを多結晶化させる。その後フォトリソグラフィー工程およびエッチング工程によりパターニングを行い、所定の形状を有する半導体層2を形成する。この後、必要に応じてトランジスタの閾値制御のためのp型不純物を注入などにより添加してもよい。
次に、図6(b)に示すように、半導体層2の上に厚さ100nm程度のゲート絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜は、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法による堆積することができる。形成した半導体層2の表面を酸化することによってゲート絶縁膜3を形成してもよい。
図6(c)に示すように、半導体層2のうち、チャネル領域4となる領域をレジスト5で覆い、p型不純物元素をイオン注入により半導体層2に添加する(第1不純物添加工程)。これにより、半導体層2中に第1の低濃度不純物領域6、7と等しい不純物濃度を有する領域6’、7’が形成される。第1不純物添加工程は、たとえば、リン、ヒ素などのn型不純物を5×1012〜1×1014/cm2のドーズ量にて行う。レジスト5により不純物が注入されない領域は、チャネル領域4になる。この工程によりチャネル領域4が画定する。
図6(d)に示すように、レジスト5をはく離した後、ゲート絶縁膜3上にゲート電極8を形成する。ゲート電極8は、たとえばスパッタ法やLPCVD法を用い、厚さ300nm程度のWSiなどからなる膜を堆積し、その後、チャネル領域4と領域6’、7’の一部を覆うようにパターニングすることにより得られる。ゲート電極8に覆われた領域6’、7’は第1低濃度不純物領域6、7として半導体層2中に画定される。ゲート電極8はリンをドープした多結晶シリコン(N+poly−Si)でもよいし、さらにその上にWSiなどを積層した構造であってもよい。
図6(e)に示すように、ゲート電極8をマスクとして、不純物元素をイオン注入により半導体層2に添加して(第2不純物添加工程)、領域9’、10’を形成する。領域9’、10’の不純物濃度は第2低濃度不純物領域と等しくなる。ゲート電極8により不純物元素が注入されない領域は第1の低濃度不純物領域6、7となり、GOLD構造のオーバーラップ領域として機能する。
第2不純物添加工程で添加する不純物元素の導電型によって、第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を第1の低濃度不純物領域6、7より高くしたり、逆に、低くすることができる。
第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を第1の低濃度不純物領域6、7より高くする場合には、第1不純物添加工程で用いた不純物の導電型と同じ導電型の不純物元素を用いる。具体的には、リン、ヒ素などのn型不純物を5×1012〜1×1014/cm2のドーズ量で半導体層2に注入する。
第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を第1の低濃度不純物領域6、7より低くする場合には、第1不純物添加工程で用いた不純物の導電型と反対の導電型の不純物元素を用いる。具体的には、ボロンなどのp型不純物を1×1012〜1×1014/cm2のドーズ量で半導体層2に注入する。カウンタードープによって、第1不純物添加工程により注入された不純物により生成するキャリアが第2不純物添加工程により注入された不純物により生成するキャリアによって打ち消され、第2の低濃度不純物領域のキャリア濃度は第1の低濃度不純物領域のキャリア濃度より低くなる。
また、第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を第1の低濃度不純物領域6、7と等しくする場合には、この第2不純物添加工程を省略する。
次に図7(a)に示すように、ゲート電極8およびゲート絶縁膜3を覆うように絶縁膜16を形成する。絶縁膜16にはスパッタなどによる酸化ケイ素膜や高温酸化膜(HTO)などを用いることができる。絶縁膜16の厚さは100〜500nm程度の範囲において、ゲート電極8の高さや形成しようとするサイドウォールの幅、エッチング条件によって決定する。本実施形態では、ゲート電極8と等しい厚さである300nmのHTOからなる絶縁膜16を形成する。
図7(b)に示すように、絶縁膜16を異方性エッチングにより除去し、ゲート電極8の側方に絶縁性のサイドウォール17を形成する。異方性エッチングには、RIEやイオンミリングなどのエッチング方法をもちいる。本実施形態では、RIEによってエッチングを行う。
図7(c)に示すように、サイドウォール17をマスクとしてn型の不純物元素をイオン注入により半導体層2に添加して(第3不純物添加工程)、ソース領域11、ドレイン領域12を半導体層2中に形成し画定する。サイドウォール17により不純物イオンが注入されない領域は第2低濃度不純物領域9、10として画定される。第2低濃度不純物領域9、10はゲート電極8と重なっていないためGOLD構造のオフセット領域となる。第3不純物添加工程は、リン、ヒ素などのn型不純物を1×1015〜5×1015/cm2のドーズ量で行う。その後、不純物イオン活性化のためのアニールを行う。
図4に示すように、全面に絶縁膜を堆積し、層間絶縁膜13を形成した後、ソース領域11及びドレイン領域12上に電極取り出しのためコンタクトホールを形成する。Al等の金属材料を層間絶縁膜13およびコンタクトホール内に堆積し、所定の形状にパターニングすることによりソース電極14およびドレイン電極15を形成する。
(第3の実施形態)
本発明のTFTは好適にアクティブマトリクス型液晶表示装置に用いることができる。
図8は、第2の実施形態のTFT200が適用されたプロジェクタ用アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板(アクティブマトリクス基板)の1画素領域に対応する部分を示している。TFT200に換えて第1の実施形態のTFT100を用いてもよい。画素領域は、画素電極106に信号電圧を供給するための信号配線102と、ゲート電極8に走査信号を供給するためのゲート配線104とによって囲まれている。
信号配線102とゲート配線104との交差部の近傍には、画素駆動用のスイッチング素子として形成されたTFT200が設けられている。TFT200のソース領域11は信号配線102の一部を構成するソース電極14と、ドレイン領域12は画素電極106に接続されたドレイン電極15と、それぞれ電気的に接続されている。図8に示す形態では、TFT200と画素電極106との間に補助容量は示されていないが、補助容量配線などを用いて補助容量を設けてもよい。
図9は、図8に示す画素領域が複数設けられた画素部112と画素部112を駆動するため駆動回路113、114が絶縁性基板111上に設けられたアクティブマトリクス基板110を模式的に示している。画素部112には第2の実施形態のTFT200が用いられている。また、駆動回路113、114にもTFT200が用いられている。第1の実施形態で説明したように、画素部112のTFT200では、第1低濃度不純物領域よりも第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を低くして、OFF電流の低減を図っている。また、駆動回路113、114のTFT200では、第1低濃度不純物領域よりも第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を高く、ON電流の増大を図っている。
図10は、TFT基板110を用いて構成されたプロジェクタ用アクティブマトリクス型液晶表示装置(LCD)125を模式的に示している。LCD125は、TFT基板110と、対向基板121と、TFT基板110と対向基板121との間に挟持された液晶層122とを有している。なお、対向基板121は、絶縁基板と、絶縁基板上に形成された対向電極(共通電極)とを有している。
一般的なTNモードの液晶表示装置の場合、TFT基板110および対向基板121の液晶層122側の表面に配向膜(不図示)が設けられ、TFT基板110および対向基板121のそれぞれの外側に偏光板(不図示)が設けられる。表示モードによっては、配向膜や偏光板を省略することができる。また、カラー表示を行なうために、対向基板121にカラーフィルタ(不図示)が設けられていてもよい。
LCD125によれば、画素部のTFTはGOLD構造を備え、かつ、第2低濃度不純物領域のキャリア濃度を低くすることによってOFF電流を低減している。このため、光源からの強い光を受けるプロジェクタ用LCDであっても光リーク電流を低減することができる。したがって、LCD125を用いることにより、高品位な画像表示が可能なプロジェクタを実現することができる。
また、第2低濃度不純物領域を寸法ばらつきの小さいサイドウォールによって確定するため、優れたスイッチング特性を維持しつつ、小型な画素部および駆動回路を備えたプロジェクタ用LCDを実現することが可能となる。
本発明によれば、TFTにおいて、ゲート電極と重なっている低濃度不純物領域およびゲート電極と重なっていない低濃度不純物領域のキャリア濃度を独立して調整することが可能なGOLD構造のTFTが得られる。また、ゲート電極と重なっていない低濃度不純物領域をサイドウォールにより画定することができるので、素子特性のばらつきが小さく、TFTの外形を小さくできる。このため、TFTを用いる様々な用途の半導体装置に好適に用いることが可能である。特に、2つの低濃度不純物領域のキャリア濃度を調整することによって、OFF電流の小さいTFTがスイッチング素子として用いられた画素部と、ON電流の大きいTFTが用いられた駆動部とを備え、全体の構造が小さな表示装置を実現することができる。
本発明の薄膜トランジスタの第1の実施形態を示す断面図である。 (a)から(e)は、それぞれ図1に示す薄膜トランジスタの製造方法における一工程を示す断面図である。 は、図1に示す薄膜トランジスタの製造方法における一工程を示す断面図である。 本発明の薄膜トランジスタの第2の実施形態を示す断面図である。 (a)から(c)は、それぞれ図4に示す薄膜トランジスタに用いられるサイドウォールの製造工程を示す断面図である。 (a)から(e)は、それぞれ図4に示す薄膜トランジスタの製造方法における一工程を示す断面図である。 (a)から(c)は、それぞれ図4に示す薄膜トランジスタの製造方法における一工程を示す断面図である。 本発明のアクティブマトリクス基板の一画素領域分の構造を示す平面図である。 本発明のアクティブマトリクス基板全体の構造を示す模式的平面図である。 本発明の液晶表示装置の断面構造を示す模式図である。 従来の薄膜トランジスタを示す断面図である。 (a)から(e)は、それぞれ図11に示す従来の薄膜トランジスタの製造方法における一工程を示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ図11に示す従来の薄膜トランジスタの製造方法における一工程を示す断面図である。 従来の薄膜トランジスタにおいて、オーバーラップ領域とオフセット領域との境界の位置がばらつきやすいことを説明する断面図である。
符号の説明
1 絶縁性基板
2 半導体層
3 ゲート絶縁膜
4 チャネル領域
5 レジスト
6、7 第1の低濃度不純物領域
8 ゲート電極
9、10 第2の低濃度不純物領域
11 ソース領域
12 ドレイン領域
13 層間絶縁膜
14 ソース電極
15 ドレイン電極
16 絶縁膜
17 サイドウォール
100、200 TFT
102 信号配線
104 ゲート配線
106 画素電極
110 アクティブマトリクス基板(TFT基板)
111 絶縁性基板
112 画素部
113、114 駆動回路
121 対向基板
122 液晶層
125 LCD
501 透明絶縁性基板
502 半導体層
503 ゲート絶縁膜
504 第1の導電膜
505 第2の導電膜
506 レジスト
507a、507b 第2のゲート電極
508a、508b、508c 第1のゲート電極
509 ソース領域
510 ドレイン領域
511、512 低濃度不純物領域
511a、512a オーバーラップ領域
511b、512b オフセット領域
513 チャネル領域
514 層間絶縁膜
515 ソース電極
516 ドレイン電極

Claims (9)

  1. チャネル領域と、前記チャネル領域を挟むように設けられた一対の第1低濃度不純物領域と、前記一対の第1低濃度不純物領域を挟むように設けられており、前記一対の第1低濃度不純物領域と異なるキャリア濃度を有する一対の第2低濃度不純物領域と、前記一対の第2低濃度不純物領域とを挟むように設けられた一対の高濃度不純物領域を含む半導体層と、
    前記半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に設けられており、前記チャネル領域および前記一対の第1低濃度不純物領域の上方に位置し、かつ、前記一対の第2低濃度不純物領域の上方には位置していないゲート電極と、
    を備え、前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれC L1 、C L2 およびC H としたとき、C L1 、C L2 およびC H が、
    L2 <C L1 <C H
    の関係を満たしている薄膜トランジスタ。
  2. チャネル領域と、前記チャネル領域を挟むように設けられた一対の第1低濃度不純物領域と、前記一対の第1低濃度不純物領域を挟むように設けられた一対の第2低濃度不純物領域と、前記一対の第2低濃度不純物領域とを挟むように設けられた一対の高濃度不純物領域を含む半導体層と、
    前記半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に設けられており、前記チャネル領域および前記一対の第1低濃度不純物領域の上方に位置し、かつ、前記一対の第2低濃度不純物領域の上方には位置していないゲート電極と、
    前記ゲート電極の側方に設けられた一対の絶縁性サイドウォールと、
    を備え、前記一対の第2低濃度不純物領域は前記一対の絶縁性サイドウォールの下方にそれぞれ位置しており、
    前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれC L1 、C L2 およびC H としたとき、C L1 、C L2 およびC H が、
    L2 <C L1 <C H
    の関係を満たしている薄膜トランジスタ。
  3. チャネル長の方向において、前記絶縁性サイドウォールおよび前記第2低濃度不純物領域の長さは等しい請求項2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 請求項1から3のいずれかに規定される薄膜トランジスタ、前記薄膜トランジスタの高濃度不純物領域の一方と電気的に接続される信号配線、前記ゲート電極に電気的に接続されるゲート配線、および前記薄膜トランジスタの高濃度不純物領域の他方と電気的に接続される画素電極が形成された基板と、
    前記画素電極の電位に応じて光学状態を変化させる液晶層と、
    を備えるアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  5. 請求項1から3のいずれかに規定される薄膜トランジスタ、前記薄膜トランジスタの高濃度不純物領域の一方と電気的に接続される信号配線、前記ゲート電極に電気的に接続されるゲート配線、および前記薄膜トランジスタの高濃度不純物領域の他方と電気的に接続される画素電極を含む画素部と、
    チャネル領域と、前記チャネル領域を挟むように設けられた一対の第1低濃度不純物領域と、前記一対の第1低濃度不純物領域を挟むように設けられており、前記一対の第1低濃度不純物領域と異なるキャリア濃度を有する一対の第2低濃度不純物領域と、前記一対の第2低濃度不純物領域とを挟むように設けられた一対の高濃度不純物領域を含む半導体層と、前記半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられており、前記チャネル領域および前記一対の第1低濃度不純物領域の上方に位置し、かつ、前記一対の第2低濃度不純物領域の上方には位置していないゲート電極とを備え、前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれC L1 、C L2 およびC H としたとき、C L1 、C L2 およびC H が、C L1 <C L2 <C H の関係を満たしている薄膜トランジスタによって構成され、前記画素部を駆動する駆動部と
    を備えた基板、および
    前記画素電極の電位に応じて光学状態を変化させる液晶層
    を備えるアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  6. 絶縁性基板上に半導体層を形成する工程(A)と、
    前記半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成する工程(B)と、
    前記半導体層中のチャネル領域となる部分以外に第1導電型の不純物を添加し、前記半導体層中にチャネル領域を画定する工程(C)と、
    前記チャネル領域と、前記半導体層中において前記チャネル領域を挟むように隣接し、一対の第1低濃度不純物領域となる部分とを覆うようにゲート電極を形成し、前記ゲート電極と重なった第1低濃度不純物領域を前記半導体層中に画定する工程(D)と、
    前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層に第2導電型の不純物を添加する工程(E)と、
    前記半導体層中において前記一対の第1低濃度不純物領域を挟むように隣接し、一対の第2低濃度不純物領域となる部分を少なくとも覆うマスクを形成する工程(F)と、
    前記マスクを用いて、第1導電型の不純物を添加し、前記半導体層中に高濃度不純物領域を形成し、かつ、前記マスクに覆われた部分に第2低濃度不純物領域を画定する工程(G)と、
    を包含し、
    前記第1低濃度不純物領域、前記第2低濃度不純物領域および前記高濃度不純物領域のキャリア濃度をそれぞれC L1 、C L2 およびC H としたとき、C L1 、C L2 およびC H が、
    L2 <C L1 <C H
    の関係を満たしている薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記工程(F)で用いるマスクは、前記ゲート電極および前記一対の第2低濃度不純物領域となる部分を覆うレジストマスクである請求項6に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記工程(F)で用いるマスクは、前記ゲート電極に隣接して設けられた絶縁性サイドウォールである請求項6に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 前記絶縁性サイドウォールは、前記工程(F)において、
    前記ゲート電極を覆うように絶縁膜を形成する工程(f1)と、
    前記絶縁膜を基板に対して垂直方向から選択的にエッチングする工程(f2)と、
    をおこなうことにより形成される請求項8に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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