JP4352717B2 - 固体撮像素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転送電極上にシャント配線層を形成して成る固体撮像素子及びその製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子の転送電極には、一般に多結晶シリコンが用いられている。
このとき、転送電極の多結晶シリコンの抵抗が高いため、伝播遅延が起こり、撮像素子の高速駆動が困難であった。
また、このとき撮像素子を大きくしようとすると、端の画素からの転送に長い時間がかかるため、撮像素子の大面積化が困難であった。
【0003】
上述した問題に対して、転送電極上に絶縁膜を介して抵抗の低い金属から成る配線層いわゆるシャント配線層を形成し、このシャント配線層をコンタクト部を介して転送電極に接続した構成が提案されている。
このような構成を採ることにより、低抵抗のシャント配線層を通じて伝播がなされるため、駆動の高速化が図られる。
【0004】
シャント配線層を形成した固体撮像素子の一例として、CCD固体撮像素子の受光部付近の断面図を図9に示す。
このCCD固体撮像素子50は、半導体基板51の表面に、図示しないがフォトダイオード等から成る受光部、電荷が転送される垂直電荷転送部、受光部と垂直電荷転送部の間で信号電荷の読み出しを行う読み出し部、隣接する画素との分離をするチャネルストップ領域がそれぞれ形成され、受光部以外の領域上に絶縁膜54を介して転送電極53が形成される。図9は、転送電極53が絶縁膜54を介して2層重なっている箇所の断面を示している。
【0005】
そして、転送電極53上には絶縁膜54を介して例えばアルミニウムや高融点金属等の金属により形成されたシャント配線層56が配置される。
また、シャント配線層56と転送電極53との間には緩衝層(緩衝配線)55が設けられ、この緩衝層55は図示しない部分に設けられたコンタクト部によって転送電極53及びシャント配線層56にそれぞれ接続される。
【0006】
シャント配線層56の上には絶縁膜54を介して全体を覆う遮光層57が形成される。この遮光層57は、受光部上に開口52が形成され、開口52以外の撮像領域を覆って形成される。
さらに、遮光層57の上には表面が平坦化された絶縁層58を介してオンチップレンズ59が形成され、入射した光をこのオンチップレンズで集光して開口52に向かうようにしている。
【0007】
このCCD固体撮像素子50においては、シャント配線層56を転送電極53に接続することにより、転送電極53の低抵抗化を図り、伝播速度を向上することができる。
【0008】
ここで、シャント配線層56にAlを用いると、遮光層57上の絶縁膜を形成した後に高温で熱処理する際に、比較的融点の低いAlが溶融してしまうため、高温の熱処理ができなくなる。
これにより、熱処理温度を低温にする必要があり、その場合には遮光層57等のパターニングの際にシリコン基板51が受けたダメージによる欠陥を充分に回復させることができなくなり、その結果として暗電流が多く発生するようになる。
さらに、シャント配線層56上の絶縁膜を、低温で成膜可能な絶縁膜とする必要があり、このような絶縁膜において、カバレージや耐圧を充分確保するためには、絶縁膜を厚く形成する必要がある。そのため、シリコン基板51表面から遮光層57の上端までの膜厚が厚くなって、光の利用効率が低下し、感度が悪化する等の問題点がある。
【0009】
従って、シャント配線層56の材料には、高融点金属が用いられることが求められる。
そして、高融点金属として、例えばタングステンがシャント配線層56に用いられている(例えば特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−135811号公報(段落番号[0003]〜[0007])
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シャント配線層56にタングステンを用いると、遮光層57上の絶縁膜形成後の熱処理によって、緩衝層55を設けないでシャント配線層56と転送電極53とを直接接続した構成ではシャント配線層56と転送電極(蓄積電極)53とのコンタクト抵抗が、図9の構成ではシャント配線層56と緩衝層55とのコンタクト抵抗が、それぞれ上昇する問題が発生する。
【0012】
このコンタクト抵抗の上昇は、熱処理によって緩衝層や転送電極の多結晶シリコンとタングステンとが反応してコンタクト部にタングステンシリサイド層が生成し、このシリサイド層が生成する際に体積が膨張してシャント配線層56が持ち上がって、緩衝層や転送電極とのコンタクト部分に隙間が生じてしまうことが主な原因となっている。
【0013】
従って、タングステンから成るシャント配線層の下層に、バリアメタル層を形成する必要がある。
タングステン膜の場合は、主にタングステン膜と下地膜との密着性を確保することを目的としてバリアメタル層が設けられるため、バリアメタル層は密着層と呼ばれることもある。
【0014】
このバリアメタル層の材料として、例えば、窒化チタン(TiN)、或いは窒化タングステン(WN)等が知られている。
これらの材料を用いたバリアメタル層は、スパッタリング或いは反応性スパッタリングによって形成されている。
【0015】
そして、例えば窒化チタンをバリアメタル層に用いた場合には、次のようにしてシャント配線層が形成される。
まず、オーミックコンタクトを形成するために、下地の例えば多結晶シリコン膜上に、金属層としてTi膜を成膜する。
次に、バリアメタル層として、例えば窒化チタン膜を形成する。
続いて、バリアメタル層の上に、高融点金属であるタングステン膜を成膜する。
【0016】
なお、Ti膜を成膜しないで、下地上に直接窒化チタン膜を成膜すると、接続孔に露出した下地の多結晶シリコンが窒化チタン膜を形成するスパッタ雰囲気で窒化され、オーミックコンタクトを得ることができない。
【0017】
しかしながら、このように窒化チタンをバリアメタル層に用いた場合、カバレージの悪いコンタクトホール側壁部では、バリアメタル層の下のTi膜と層間絶縁膜(SiO2)との界面で、不可避的にチタン酸化物TiO2が形成されている。
このため、タングステン膜の成膜原料ガスとして使用されるWF6が界面に侵入することにより、蒸気圧の高いTiOFxが形成され、界面のチタン酸化物が失われる。その結果、タングステン膜を成膜した後で、バリアメタル層とタングステン膜が剥がれてしまうと考えられる。
【0019】
上述した問題の解決のために、本発明においては、高速駆動が可能で、暗電流を抑制することができると共に、感度を高くすることができる固体撮像素子及びその製造方法を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体撮像素子の製造方法は、電荷転送部の転送電極に対して高融点金属層から成るシャント配線層を有する固体撮像素子を製造する際に、転送電極又は転送電極に接続された緩衝層に接続して、減圧CVD(化学的気相成長)法により窒化珪素膜を成膜する工程と、窒化珪素膜上に高融点金属層を成膜して、シャント配線層を形成する工程とを有し、窒化珪素膜を成膜する工程の前に、前処理としてNHガスによるアニール処理を行い、窒化珪素膜を成膜する工程は、成膜温度を700℃以下とし、SiHClガスのNH ガスに対する混合比を1/10よりも大きい混合比として行い、窒化珪素膜を6nm以下の膜厚で成膜するものである。
【0023】
上述の本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、転送電極又は転送電極に接続された緩衝層に接続して、減圧CVD法により窒化珪素膜を成膜する工程と、窒素珪素膜上に高融点金属層を成膜してシャント配線層を形成する工程とを有することにより、減圧CVD法により比較的低温で窒化珪素膜を成膜することができ、この成膜温度の低温化により成膜時に供給されるエネルギー、即ち反応ガスの分解に使用されるエネルギーが低減されるため、膜の成長速度が小さくなり、薄膜において膜厚制御を容易に行うことが可能になる。これにより、成膜性が良好でかつ薄膜で抵抗の小さい窒化珪素膜を成膜することができ、この窒化珪素膜上に高融点金属層を成膜することにより、転送電極又は緩衝層と高融点金属層との反応を抑制することができる。
【0024】
本発明の固体撮像素子は、電荷転送部の転送電極に対して高融点金属層から成るシャント配線層を有し、このシャント配線層のコンタクト部において、シリコン層からなる転送電極の表面付近又は転送電極に接続された緩衝層のシリコン層の表面付近に窒素がイオン注入された領域が形成され、この領域にシャント配線層が接続されているものである。
【0025】
上述の本発明の固体撮像素子の構成によれば、シャント配線によって転送電極の低抵抗化を図ることができると共に、高融点金属を用いているために製造の際の高温熱処理が可能になる。これにより、高温熱処理を行って基板表面の欠陥を回復することが可能になる。
さらに、シャント配線層のコンタクト部において、シリコン層からなる転送電極の表面付近又は転送電極に接続された緩衝層のシリコン層の表面付近に窒素がイオン注入された領域が形成されていることにより、この窒素がイオン注入された領域が、窒化珪素の組成を有する領域となる。そして、この領域に高融点金属層から成るシャント配線層が接続されていることにより、転送電極又は緩衝層と高融点金属層との反応を抑制することができる。
【0026】
本発明の固体撮像素子の製造方法は、電荷転送部の転送電極に対して高融点金属層から成るシャント配線層を有する固体撮像素子を製造する際に、シャント配線層のコンタクト部において、シリコン層からなる転送電極の表面付近又は転送電極に接続された緩衝層のシリコン層の表面付近に、30keV以下のエネルギーで、1×1014〜5×1016cm−2の注入量で、窒素をイオン注入する工程と、この転送電極又は緩衝層の窒素をイオン注入した領域に接続するように、高融点金属層を成膜して、シャント配線層を形成する工程とを有するものである。
【0027】
上述の本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、シャント配線層のコンタクト部においてシリコン層からなる転送電極の表面付近又は緩衝層のシリコン層の表面付近に窒素をイオン注入する工程と、この窒素をイオン注入した領域に接続するように高融点金属層を成膜してシャント配線層を形成する工程とを有することにより、厚さや特性の均一性が良好な窒化領域を形成することができる。この窒化領域に接続して高融点金属層を成膜することにより、窒化領域により転送電極又は緩衝層と高融点金属層との反応を抑制することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、電荷転送部の転送電極に対して高融点金属層から成るシャント配線層を有する固体撮像素子を製造する際に、転送電極又は転送電極に接続された緩衝層に接続して、減圧CVD(化学的気相成長)法により窒化珪素膜を成膜する工程と、窒化珪素膜上に高融点金属層を成膜して、シャント配線層を形成する工程とを有し、窒化珪素膜を成膜する工程の前に、前処理としてNHガスによるアニール処理を行い、窒化珪素膜を成膜する工程は、成膜温度を700℃以下とし、SiHClガスのNH ガスに対する混合比を1/10よりも大きい混合比として行い、窒化珪素膜を6nm以下の膜厚で成膜する固体撮像素子の製造方法である。
【0031】
また本発明は、上記固体撮像素子の製造方法において、窒化珪素膜を成膜する工程を、SiH Cl の流量が30sccm、NH の流量が150sccm、N の流量が720sccm、ガス圧力が20Pa、成膜温度が650℃の各条件にて行う
【0035】
本発明は、電荷転送部の転送電極に対して高融点金属層から成るシャント配線層を有し、このシャント配線層のコンタクト部において、シリコン層からなる転送電極の表面付近又は転送電極に接続された緩衝層のシリコン層の表面付近に窒素がイオン注入された領域が形成され、この領域にシャント配線層が接続されている固体撮像素子である。
【0036】
本発明は、電荷転送部の転送電極に対して高融点金属層から成るシャント配線層を有する固体撮像素子を製造する方法であって、シャント配線層のコンタクト部において、シリコン層からなる転送電極の表面付近又は転送電極に接続された緩衝層のシリコン層の表面付近に、30keV以下のエネルギーで、1×1014〜5×1016cm−2の注入量で、窒素をイオン注入する工程と、この転送電極又は緩衝層の窒素をイオン注入した領域に接続するように、高融点金属層を成膜して、シャント配線層を形成する工程とを有する固体撮像素子の製造方法である。
【0038】
本発明の一実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(平面図)を図1に示す。
本実施の形態は、本発明をCCD固体撮像素子に適用したものである。
【0039】
このCCD固体撮像素子10は、4相による駆動がなされ、2層の多結晶シリコン層が転送電極(蓄積電極)として機能する。即ち、第1層目の多結晶シリコン層には第1相のクロック信号φaもしくは第3相のクロック信号φcが、第2層目の多結晶シリコン層には第2相のクロック信号φbもしくは第4相のクロック信号φdがそれぞれシャント配線層及び緩衝層(緩衝配線)を介して与えられる。
【0040】
まず、図1を参照してレイアウトについて説明する。図中V(垂直)方向が電荷の転送方向であり、図中H(水平)方向が図示しない水平レジスタの転送方向となる。尚、図1ではシャント配線層は図示していない。
V方向には略直線状のパターンで緩衝層11a,11b,11c,11dが順に複数設けられ、これら緩衝層11(11a,11b,11c,11d)の下方、転送電極3(3a,3c),4(4b,4d)の下に垂直CCDレジスタを構成する垂直電荷転送部(図示せず)が配置される。各緩衝層11a,11b,11c,11dの上に夫々略直線状のパターンでシャント配線層が形成される。
緩衝層(緩衝配線)11(11a,11b,11c,11d)は、例えば多結晶シリコン層により構成することができる。
【0041】
垂直電荷転送部の間には、各画素毎に区切られたセンサ部2が形成される。センサ部2は例えばフォトダイオードから成り、そのセンサ部2上にはV方向を長手方向とする矩形状に開口した遮光層8の窓部12がそれぞれ設けられる。
そして、各センサ部2の図中右側にはチャネルストップ領域(図示せず)が形成され、各センサ部2の図中左側にはチャネルストップ領域及び読み出し部(図示せず)が形成される。
【0042】
このCCD固体撮像素子10において、転送電極3,4は、第1層目の多結晶シリコン層3a,3cと第2層目の多結晶シリコン層4b,4dとより構成される。これら第1及び第2層目の多結晶シリコン層3a,3c,4b,4dは,それぞれH方向を長手方向として延在されており、垂直電荷転送部上で拡がり、センサ部2同士の間の領域では細くされるパターンに形成されている。
【0043】
V方向では、第1層目の多結晶シリコン層3a、第2層目の多結晶シリコン層4b、第1層目の多結晶シリコン層3c、第2層目の多結晶シリコン層4dが、センサ部2を囲むように巡回して形成され、これら第1層目の多結晶シリコン層3a,3cと第2層目の多結晶シリコン層4b,4dは、センサ部2同士の間の領域や垂直電荷転送部上の一部で2層の多結晶シリコン層3,4の端部同士が平面上重なるように配置されている。
【0044】
第1層目の多結晶シリコン層3aには、シャント配線層及び緩衝層11aを介して第1相のクロック信号φaが供給され、第2層目の多結晶シリコン層4bにはシャント配線層及び緩衝層11bを介して第2相のクロック信号φbが供給される。また、第1層目の多結晶シリコン層3cにはシャント配線層及び緩衝層11cを介して第3相のクロック信号φcが供給され、第2層目の多結晶シリコン層4dにはシャント配線層及び緩衝層11dを介して第4相のクロック信号φdが供給される。
【0045】
図1において、第1層目の多結晶シリコン層3a,3cもしくは第2層目の多結晶シリコン層4b,4dによる転送電極と緩衝層11(11a,11b,11c,11d)との接続は、コンタクトホール5a,5b,5c,5dをそれぞれ介して行われ、緩衝層11と図示しないシャント配線層との接続は、コンタクトホール6a,6b,6c,6dをそれぞれ介して行われる。
【0046】
図1に示すように、平面上では、転送電極3,4と緩衝層11とのコンタクトホール5a,5b,5c,5dの位置は、斜めに並んだ配置となり、1つの垂直電荷転送部だけH方向にずれた場合、1転送電極分だけV方向にずれる。
また、緩衝層11とシャント配線層とのコンタクトホール6a,6b,6c,6dの位置は、同じ緩衝層11に対応する転送電極3,4と緩衝層1とのコンタクトホール5a,5b,5c,5dからおよそ2転送電極分だけずれたものとされ、同様に斜めに並んだものとなっている。
【0047】
さらに、図2〜図5を参照してこのCCD固体撮像素子10の構造を詳しく説明する。図2は図1の2つの垂直電荷転送部に相当する要部の拡大図、図3は図2におけるA−A断面図、図4は図2におけるB−B断面図、図5は図2におけるC−C断面図である。
【0048】
図2に示す2つの垂直電荷転送部21,22の間には、センサ部2が設けられている。図3及び図4に示すように、垂直電荷転送部21,22上には、絶縁膜31を介して転送電極が設けられている。この転送電極は、第1相のクロック信号φaが供給される第1層目の多結晶シリコン層3a、第2相のクロック信号φbが印加される第2層目の多結晶シリコン層4b、第3相のクロック信号φcが印加される第1層目の多結晶シリコン層3c、第4相のクロック信号φdが印加される第2層目の多結晶シリコン層4dから成る。
尚、第1層目の多結晶シリコン層3a,3cとセンサ部2の間の領域が読み出し部となる。
【0049】
第1層目の多結晶シリコン層3a,3cと第2層目の多結晶シリコン層4b,4dは、垂直電荷転送部21,22の電荷転送方向に沿って絶縁膜32を介しながら交互に形成されており、第1層目の多結晶シリコン層3a,3cのそれぞれ電荷転送方向の端部では、第2層目の多結晶シリコン層4b,4dが上に重なって設けられている。
【0050】
そして、緩衝層11a,11dは、各垂直電荷転送部22,21上だけで垂直方向(転送方向に該当する)延在された略直線状のパターンとされており、絶縁膜32に形成されたコンタクトホール5a,5dを介して、第1層目の多結晶シリコン層3a、第2層目の多結晶シリコン層4dにそれぞれ接続されている。
即ち、転送電極とされる第1層目の多結晶シリコン3aや第2層目の多結晶シリコン層4dと、シャント配線層7とは直接に接続されず、緩衝層11a,11dを介して接続される。
【0051】
そして、これら緩衝層11a,11dは、層間絶縁膜33を開口したコンタクトホール6a,6dを介して夫々のシャント配線層7a,7dに接続される。
その結果、シャント配線層7aから第1相のクロック信号φaが緩衝層11aを介して第1層目の多結晶シリコン層3aに供給され、シャント配線層7dから第4相のクロック信号φdが緩衝層11dを介して第2層目の多結晶シリコン層4dに供給される。
尚、第2相と第3相のクロック信号φb,φcについても同様である。即ち緩衝層11b,11cが層間絶縁膜33を開口したコンタクトホール6b,6cを介して夫々のシャント配線層7b,7c(図示せず)に接続され、シャント配線層7bから第2相のクロック信号φbが緩衝層11bを介して第2層目の多結晶シリコン層4bに供給され、シャント配線層7cから第3相のクロック信号φcが緩衝層11cを介して第1層目の多結晶シリコン層3cに供給される。
【0052】
シャント配線層7a,7dの上には層間絶縁膜34を介して転送電極3a,4bを覆うように遮光層8が設けられる。遮光層8は、センサ部2上に開口12を有して成り、この開口12を通じてセンサ部2に光が入射すると共に、転送電極3a,4dへは光が入射しないようにすることができる。
【0053】
遮光層8上は例えばBPSG(ボロン・リン・珪酸ガラス:屈折率n=1.6)から成る絶縁膜35が覆っていて、この絶縁膜35にはセンサ部上に凹部を有している。
この凹部を埋めて例えばプラズマSiN(屈折率n=1.9)から成る高屈折材料層36が形成されて凹部に層内レンズ37が形成される。
尚、この高屈折率材料層36は、少なくとも絶縁膜35より屈折率が高い材料を用いて層内レンズ37により上方からの光が収束されるように構成する。
さらにその上には表面が平坦化された平坦化絶縁層38が形成されて、その上にオンチップレンズ39が形成されている。
【0054】
これらオンチップレンズ39と層内レンズ37とによって、入射光を集光してセンサ部2に入射させることができ、光の利用効率を向上させて感度を高くすることができる。
【0055】
尚、必要に応じて、層内レンズ37とオンチップレンズ39との間の図では平坦化絶縁層38となっている部分にカラーフィルターを形成してもよい。
【0056】
本実施の形態においては、特に、シャント配線層7(7a,7b,7c,7d)をタングステン、モリブデン、タンタル等の高融点金属層13により形成し、さらに高融点金属層13の下にバリアメタル層として窒化シリコン膜(窒化珪素膜)14を形成して構成する。
【0057】
この窒化シリコン膜14によってコンタクト部6(6a,6b,6c,6d)で緩衝層11と接続することにより、緩衝層11の多結晶シリコン層とのコンタクト抵抗を低減することができると共に、バリアメタル層として作用させて、緩衝層11の多結晶シリコン層とシャント配線層7の高融点金属層13とが反応してシリサイド層を生成することを防止することができる。
これにより、シャント配線層7を成膜した後に高温熱処理を行う際にコンタクト部6におけるシャント配線層7と緩衝層11との反応を抑制することができる。このようにシャント配線層7と緩衝層11との反応を抑制することができるため、後述するように例えば絶縁膜35をリフローして層内レンズ37の形状を形成したり、エッチング等によりダメージを受けた基板表面の欠陥を充分に回復させたりすることが可能になる。
また、前述したように窒化チタン膜を多結晶シリコン層上に直接形成した場合はオーミックコンタクトが得られないのに対して、本実施の形態のように窒化シリコン膜14を多結晶シリコン層上に直接形成した場合はオーミックコンタクトが得られる。
さらに、高融点金属が反応して生じる高融点金属シリサイドや、Ti/TiN膜を使用した場合に生じるTiOFx等のように、コンタクト部にすき間を生じたり、膜が剥がれたりすることがなくなる。即ち窒化シリコン膜14から成るバリアメタル層は、シャント配線層7に対する良好な密着層となる。
【0058】
バリアメタル層の窒化シリコン膜14は、あまり厚くするとシャント配線層7と緩衝層11との間の抵抗値が大きくなるため、膜厚6nm以下の薄膜にすることが望ましい。
【0059】
なお、窒化シリコン膜14の膜厚は、コンタクト部の絶縁膜33の開口に窒化シリコン膜14を切れることなく成膜することができると共に高融点金属層13と緩衝層11等の多結晶シリコン層とが反応するのを抑制するバリアメタル層としての効果が充分得られる程度の膜厚を、少なくとも確保するように制御する。
【0060】
また、遮光層8についても高融点金属例えばタングステンにより形成する。
シャント配線層7及び遮光層8が高融点金属を使用していることにより、後で形成される絶縁膜34,35を形成する際に、高温で熱処理することが可能になる。
さらに、タングステンは遮光性、カバレージ、及び耐圧が良好であるため、シャント配線層7及び遮光層8を薄く形成することができる。
これにより、撮像素子の総厚を薄くすることができ、その結果、感度シェーディング等が改善される。
【0061】
さらに、遮光層8上の絶縁膜35は、この絶縁膜35を形成した後に、後述するように800〜900℃の高温で熱処理されて形成される。
この熱処理により、絶縁膜35がリフローされて、層内レンズ37を形成するための表面に凹部を有する形状となって形成されている。
【0062】
シャント配線にAl膜を用いた場合には、高温熱処理ができないため、絶縁膜35をリフローしてこのような層内レンズ37の屈折面を構成する凹部を有する形状とすることができない。
これに対して、本実施の形態では、シャント配線に高融点金属を用い、その下に窒化シリコン膜を形成しており、高温熱処理が可能であるため、層内レンズ37を形成して入射光を集光することができる。
【0063】
上述の窒化シリコン膜14から成るバリアメタル層を下地に形成したシャント配線層7を有する固体撮像素子10は、例えば次のように形成する。
まず、半導体基板を覆った絶縁膜31上に第1層目の多結晶シリコン層を堆積し、これを所定のパターンにパターニングして第1層目の多結晶シリコン層から成る転送電極3を形成する。
【0064】
次に、この第1層目の多結晶シリコン層から成る転送電極3を覆って絶縁膜32を形成した後、第2層目の多結晶シリコン層を堆積し、これを所定のパターンにパターニングして第2層目の多結晶シリコン層から成る転送電極4を形成する。
【0065】
この第2層目の多結晶シリコン層から成る転送電極4を覆って絶縁膜32を形成する。
そして、この絶縁膜32の各転送電極3a,4b,3c,4d上の位置にコンタクト部5用の開口を形成する。
【0066】
次に、コンタクト部5用の開口も覆って緩衝層11例えば多結晶シリコン層を堆積する。これを図1に示すような直線状にパターニングして緩衝層11を形成する。
【0067】
次に、緩衝層11を覆って絶縁膜33を形成し、この絶縁膜33の緩衝層11上の上記コンタクト部5より離れた位置にコンタクト部6用の開口を形成する。
【0068】
次に、コンタクト部6用の開口も覆って、減圧CVD(化学的気相成長)法により、密着層となる窒化シリコン膜14を成膜する。
減圧CVD法を用いることにより、比較的低温で成膜することができ、前述したように、成膜温度を低温にして成長速度を遅くすることができるため、薄膜での膜厚制御が容易になる。また、緻密で成膜性の良好な薄膜を形成することができる。
【0069】
この減圧CVD法により窒化シリコン膜14を成膜する工程においては、成膜条件を以下のように制御することが望ましい。
(1)SiH2Cl2ガスのNH3ガスに対する混合比を、通常の窒化シリコン膜の成膜における混合比1/10よりも大きくする。
(2)成膜温度を700℃以下とする。
(3)成膜の前に、ウエハの前処理としてNH3アニールを行う。具体的には、SiH2Cl2ガスを反応炉に導く前にNH3アニールを行う。
(4)成膜中にウエハを載置したボートを回転させる。
【0070】
例えば成膜条件を、以下のようにすることができる。
ガス系:SiH2Cl2/NH3/N2=30/150/720sccm
ガス圧力:20Pa
成膜温度:650℃
【0071】
まず、SiH2Cl2ガスのNH3ガスに対する混合比を、通常の窒化シリコン膜の成膜における混合比1/10よりも大きくすることにより、成膜される窒化シリコン膜14の窒素とシリコンとの組成比を、シリコンが充分あるようにして、抵抗が高くならないように制御することができる。これにより、コンタクト抵抗を低くすることができる。
また、成膜温度を700℃以下と低くすることにより、前述したように、窒化シリコン膜14を、薄い膜として、かつ膜厚の制御性良く形成することができる。
そして、ウエハの前処理としてNH3アニールを行うことによっても、窒化シリコン膜14を膜厚の制御性良く形成することができる。
さらに、成膜中にウエハを載置したボートを回転させることによっても、窒化シリコン膜14を膜厚の制御性よく形成することができる。
【0072】
次に、例えば枚様式CVD装置を用いて、高融点金属層としてタングステン膜13を成膜し、図1に示した構造を得る。
タングステン膜13の成膜工程は、SiH4還元による核形成過程と、H2還元によるW成膜過程とからなる。これら各過程の条件は次の通りとすることができる。
<核形成過程>
ガス系:WF6/SiH4=7/5sccm
ガス圧力:530Pa
ウエハ温度:450℃
<W成膜過程>
ガス系:WF6/H2=95/550sccm
ガス圧力:10kPa
ウエハ温度:450℃
【0073】
そして、窒化シリコン膜14及び高融点金属層13を、緩衝層11と同様の直線状にパターニングして、窒化シリコン膜14から成るバリアメタル層及びその上のシャント配線層7を形成する。
【0074】
次に、シャント配線層7を覆って絶縁膜34を形成した後、絶縁膜34上にタングステン等の高融点金属から成る遮光層8を形成する。
遮光層8は、センサ部2上に開口を形成し、センサ部のみに光が入射するようにする。
【0075】
次に、遮光層8上に、これを覆って例えばBPSGから成る絶縁膜35を被着形成する。そして、絶縁膜35に対して熱処理を行う。
この熱処理の条件は、好ましくは800〜900℃で5分以上とし、より好ましくは処理時間を5分〜1時間とする。
【0076】
この熱処理により、遮光層8上の絶縁膜35が、遮光層8の段差にそった表面形状から、リフローされて図3に示すように凹部を有した表面形状となる。
また、この熱処理により、パターンエッチング等によってダメージを受けて生じたシリコン基板表面の欠陥を回復させることができる。
【0077】
次に、絶縁膜35上に、例えばプラズマSiN等の高屈折率材料層36を形成し、絶縁膜35の凹部上に層内レンズ37を形成する。
【0078】
この後は、上面の平坦化のための平坦化絶縁層38、オンチップレンズ39を形成してCCD固体撮像素子10を製造することができる。
【0079】
このようにして、転送電極4とシャント配線層7との間に緩衝層11を有すると共に、センサ部2上に層内レンズ37を形成した構成を容易に製造することができる。
【0080】
上述の本実施の形態によれば、シャント配線層7の高融点金属層13をその下地の窒化シリコン膜14から成るバリアメタル層を介して緩衝層11に接続していることにより、シャント配線層7の高融点金属と緩衝層11の多結晶シリコンとの反応を抑制することができるため、これらシャント配線層7と緩衝層11との間のコンタクト抵抗が上昇する問題を回避することができる。また、反応によりシリサイドや酸化物が生じて、シリサイドの膨張によるコンタクト抵抗の上昇の問題や酸化物に起因して膜剥がれを生じる問題を、いずれも回避することができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、シャント配線層7と遮光層8に高融点金属例えばタングステンを用いているため、遮光層8上の絶縁膜35を形成した後、800〜900℃の温度、かつ5分以上の時間で熱処理することが可能であり、絶縁膜35を層内レンズ37が形成できるような凹部を有した表面形状にすることができる。
これにより、層内レンズ37を形成して、入射光を集光させることができ、感度を向上させると共に、スミアの発生を低減することができる。
また、この熱処理によって、ダメージを受けて生じた基板の欠陥を回復することができるため、暗電流の発生を低減することができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、高融点金属層から成るシャント配線層7を緩衝層11を介して転送電極3,4に接続して設けることにより、転送電極3,4を低抵抗化して、伝搬遅延を低減することができる。
このように伝搬遅延が低減されるため、固体撮像素子の駆動を高速化することができ、長い距離の転送も可能となるので撮像素子の大面積化を達成することができる。
【0083】
また、シャント配線層7により低抵抗化が図られるため、転送電極3,4を薄くしても抵抗の増大を抑えることができ、固体撮像素子の薄型化を図ることが可能になる。これにより、センサ部2からオンチップレンズ39までの高さを低減して、さらに光の利用効率を上げることができる。これにより、感度シェーディングを改善し、感度を向上することができる。
また、層内レンズ37を形成しても、固体撮像素子の厚さがあまり増大しないようにすることができる。
【0084】
さらに、減圧CVD法により窒化シリコン膜14を成膜しているので、比較的低温で成膜を行うことができ、これにより薄膜にかつ膜厚の制御性良く形成することができる。
また、特に成膜温度を700℃以下にすることにより、成膜速度を遅くして、窒化シリコン膜14を、薄く成膜することを可能にすると共に、膜厚の制御性良く成膜することができる。
【0085】
そして、減圧CVD法により、コンタクト部の絶縁膜33の開口に対してカバレージを良好に成膜することができる。
また、成膜装置の汎用性があり、他の成膜工程や他の素子の製造にも共通してCVD成膜装置を使用することができる。
【0086】
さらに、この窒化シリコン膜14の成膜作業中に、ガスを反応炉に導く前にウエハに対して前処理としてNH3ガスによりアニールを行うことにより、膜厚の制御性良く形成することができる。
また、窒化シリコン膜14の成膜作業中に、ウエハを載置したボート回転を行うことにより、膜厚の制御性良く形成することができる。
また、通常のSiH2Cl2/NH3ガス混合比(通常1/10)よりも混合比を大きくすることにより、窒化シリコン膜14中をシリコンが多い組成として、充分低いコンタクト抵抗を得ることができることから、シャント配線7に対してコンタクト状態が良好なコンタクト部6を形成することができる。
【0087】
上述の実施の形態においては、シャント配線層7の高融点金属層13を窒化シリコン膜14から成るバリアメタル層による密着層を介して緩衝層11に接続した構成であったが、窒化シリコン膜14の代わりに、シリコン層内に窒化した領域を形成してもよい。その場合を次に示す。
【0088】
本発明の他の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(平面図)を図6に示す。
この固体撮像素子40は、図1〜図5に示した先の実施の形態の固体撮像素子10と比較して、各部の寸法形状やコンタクト部5,6の配置レイアウトが若干異なっているが、構成部品が同様であるので、同じ部品には同一符号を付している。また、図1ではシャント配線7を図示せず、遮光膜による開口12を図示しているが、図6ではシャント配線7(7a,7b,7c,7d)を図示して、遮光膜による開口は図示していない。
【0089】
さらに、この図6のD−D(コンタクト部6a付近)における断面図を、図7に示す。
本実施の形態においては、図7に示すように、特に緩衝層11(11a)とシャント配線7(7a)とのコンタクト部(図6の6a)において、緩衝層11(11a)内に窒素がイオン注入された窒素注入領域(窒化領域)41を設けて、この窒素注入領域(窒化領域)41にタングステン等の高融点金属層から成るシャント配線7(7a)を接続している。
【0090】
この窒素注入領域(窒化領域)41は、窒素のイオン注入によって組成が窒化シリコンとなっているため、先の実施の形態の窒化シリコン膜と同様の機能を有する。
そして、緩衝層11の多結晶シリコン層に窒素をイオン注入しているため、窒化シリコンの組成としてはシリコンが主体であり、窒素注入領域(窒化領域)41の抵抗は、シャント配線7による低抵抗化の効果を損なわない程度に抑制される。
【0091】
本実施の形態の固体撮像素子40の構成、即ち多結晶シリコン層から成る緩衝層11に窒素注入領域(窒化領域)41が形成され、この窒素注入領域(窒化領域)41に、高融点金属層13から成るシャント配線層7が接続された構成は、例えば次のように形成することができる。
【0092】
まず、前述した実施の形態の固体撮像素子10と同様の製造工程により、緩衝層11及びその上の絶縁膜33までの各層を形成する。
次に、絶縁膜33上にレジストマスク42を形成し、このレジストマスク42をコンタクト部に対応する開口42aを有するパターンに露光現像し、このレジストマスク42を用いて絶縁膜33をエッチングして、緩衝層11(11a)を露出させる。
その後、コンタクト部(図6の6a)に対応する、緩衝層11(11a)の露出した部分に、イオン注入法により窒素43を注入して、窒素注入領域(窒化領域)41を形成する(以上図8A参照)。
【0093】
この窒素43のイオン注入工程は、以下の条件で行うことが望ましい。
エネルギー:0〜30keV
注入量(ドーズ量):1×1014〜5×1016cm-2
【0094】
続いて、この窒素注入領域(窒化領域)41の上に接続して高融点金属層13を形成し、この高融点金属層13を緩衝層11(11a)と同様の直線状にパターニングして、図8Bに示すようにシャント配線層7(7a)を形成する。
【0095】
その後は、前述した実施の形態の固体撮像素子10と同様の製造工程によって、本実施の形態の固体撮像素子40を製造することができる。
【0096】
上述の本実施の形態によれば、特にイオン注入法により緩衝層11(11a)に窒素注入領域(窒化領域)41を形成したことにより、制御性良く形成することができ、面内の特性ばらつきも低減することができ、均一性に優れた窒化シリコンを形成することができる。
また、イオン注入により窒化領域を形成した方が、窒化膜を成膜するよりも生産性に優れている利点も有する。
【0097】
そして、本実施の形態によれば、先の実施の形態と同様に、熱処理を行った際に、緩衝層11と高融点金属層13から成るシャント配線7との反応を抑制することができ、コンタクト抵抗の上昇を抑制して転送電極3,4の低抵抗化を図ることができる。
従って、転送電極3,4の低抵抗化により、伝播遅延を抑制することができ、駆動の高速化及び固体撮像素子40の大面積化を図ることができる。
また、シャント配線7に高融点金属層13を用いているため、製造の際に高温の熱処理を行うことができ、これにより基板表面の欠陥を回復させて、暗電流の発生を抑制することができる。
さらに、転送電極3,4及びシャント配線7を薄くすることが可能になるため、固体撮像素子40の薄型化を図って、感度シェーディングを改善し、感度を向上することができる。また、層内レンズ37を形成する場合に、固体撮像素子40の厚さの増大を避けることができる。
【0098】
尚、上述の各実施の形態では、転送クロックを4相として説明したが、2相以上の多相であればよく、特に限定されるものではない。また、固体撮像素子を用いる撮像装置は、フレームインターライン型に限定されず、インターライン型でもよい。
【0099】
また、緩衝層11とシャント配線層7とのコンタクト部6は、緩衝層11上に接続して形成されれば良く、緩衝層11と転送電極3,4との間のコンタクト部5上に形成される構成、即ち2つのコンタクト部5,6が平面的には同一の位置であっても良い。
【0100】
上述の各実施の形態では、シャント配線層7を遮光層8の下方に形成したが、遮光層8の上層に形成する構成としても良い。この場合には、シャント配線層7と緩衝層11との接続ができるように、これらのコンタクト部6周辺は遮光層8を除くパターンにする。
【0101】
また、上述の各実施の形態では、緩衝層11を介してシャント配線層7と転送電極3,4とを接続したが、シャント配線層と転送電極とを直接接続した構成においても本発明を適用することができる。本発明を適用して、シャント配線層の高融点金属層の下に、密着層として窒化シリコン膜から成るバリアメタル層を形成することにより、高温熱処理の際に転送電極の多結晶シリコンとシャント配線層との反応を抑制することができると共に、コンタクト抵抗を低減することが可能になる。
【0102】
さらに、上述の各実施の形態では、センサ部2上に層内レンズ37を形成した構成であったが、層内レンズ37を設けない構成であっても、本発明を適用することにより、高温の熱処理を行うことが可能になる。そして、この熱処理により、基板表面の欠陥を回復することができるため、暗電流の発生を抑制することができる。
【0103】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0104】
【発明の効果】
上述の本発明によれば、高融点金属により形成されたシャント配線によって、転送電極の低抵抗化を図ることができる。
また、本発明によれば、高融点金属から成るシャント配線層が、窒化珪素膜から成る密着層を介して、或いは転送電極等のシリコン層に窒素をイオン注入した領域(窒化領域)を介して、転送電極等に接続されているため、熱処理を行った際に転送電極等とシャント配線層との反応を抑制することができる。
従って、本発明によれば、転送電極の低抵抗化により伝搬遅延を減少することができるため、駆動の高速化及び大面積化を図ることができる。
【0105】
また、本発明によれば、シャント配線に高融点金属を用いているため製造の際に800〜900℃の高温の熱処理が可能であり、この熱処理を行うことにより、基板表面の欠陥を回復させて、暗電流の発生を抑制することができる。
【0106】
さらに、本発明によれば、転送電極に対して高融点金属から成るシャント配線を設けたことにより、転送電極を薄くすることが可能になり、またシャント配線も薄くすることができるため、固体撮像素子の薄型化を図って、感度シェーディングを改善し、感度を向上することができる。また、例えば層内レンズを形成した場合の固体撮像素子の厚さの増大を抑えることができる。
【0107】
特に、転送電極等のシリコン層に窒素をイオン注入した領域を形成する場合には、厚さや特性を均一性良く制御することが容易にできると共に、生産性にも優れている利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体撮像素子の一実施の形態の概略構成図(平面図)である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】図2のA−Aにおける断面図である。
【図4】図2のB−Bにおける断面図である。
【図5】図2のC−Cにおける断面図である。
【図6】本発明の固体撮像素子の他の実施の形態の概略構成図(平面図)である。
【図7】図6のD−Dにおける断面図である。
【図8】A、B 図7の窒素注入領域(窒化領域)を形成する工程を示す工程図である。
【図9】シャント配線層を形成したCCD固体撮像素子の受光部周辺の断面図である。
【符号の説明】
2 センサ部、3,3a,3c 1層目の転送電極、4,4b,4d 2層目の転送電極、5,5a,5b,5c,5d,6,6a,6b,6c,6d コンタクト部、7,7a,7b,7c,7d シャント配線層、8 遮光層、10CCD固体撮像素子、11,11a,11b,11c,11d 緩衝層、13高融点金属層、14 窒化シリコン膜、21,22 垂直電荷転送部、31,32,33,34,35 絶縁膜、36 高屈折材料層、37 層内レンズ、38平坦化絶縁層、39 オンチップレンズ、41 窒素注入領域(窒化領域)、V 垂直方向、H 水平方向

Claims (4)

  1. 電荷転送部の転送電極に対して、高融点金属層から成るシャント配線層を有する固体撮像素子を製造する方法であって、
    前記転送電極又は前記転送電極に接続された緩衝層に接続して、減圧CVD(化学的気相成長)法により窒化珪素膜を成膜する工程と、
    前記窒化珪素膜上に前記高融点金属層を成膜して、前記シャント配線層を形成する工程とを有し、
    前記窒化珪素膜を成膜する工程の前に、前処理としてNHガスによるアニール処理を行い、
    前記窒化珪素膜を成膜する工程は、成膜温度を700℃以下とし、SiHClガスのNH ガスに対する混合比を1/10よりも大きい混合比として行い、前記窒化珪素膜を6nm以下の膜厚で成膜する
    固体撮像素子の製造方法。
  2. 前記窒化珪素膜を成膜する工程を、SiHClの流量が30sccm、NHの流量が150sccm、Nの流量が720sccm、ガス圧力が20Pa、成膜温度が650℃の各条件にて行う請求項1に記載の固体撮像素子の製造方法。
  3. 電荷転送部の転送電極に対して、高融点金属層から成るシャント配線層を有し、
    前記シャント配線層のコンタクト部において、シリコン層からなる前記転送電極の表面付近又は前記転送電極に接続された緩衝層のシリコン層の表面付近に、窒素がイオン注入された領域が形成され、該領域に前記シャント配線層が接続されている
    固体撮像素子。
  4. 電荷転送部の転送電極に対して、高融点金属層から成るシャント配線層を有する固体撮像素子を製造する方法であって、
    前記シャント配線層のコンタクト部において、シリコン層からなる前記転送電極の表面付近又は前記転送電極に接続された緩衝層のシリコン層の表面付近に、30keV以下のエネルギーで、1×1014〜5×1016cm−2の注入量で、窒素をイオン注入する工程と、
    前記転送電極又は緩衝層の窒素をイオン注入した領域に接続するように、前記高融点金属層を成膜して、前記シャント配線層を形成する工程とを有する
    固体撮像素子の製造方法。
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