JP4352548B2 - 脈波伝播速度情報測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度に関連する脈波伝播速度情報、たとえば脈波伝播速度或いは脈波伝播時間を測定する脈波伝播速度情報測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生体内を脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度情報を測定する脈波伝播速度情報測定装置が種々提案されている。脈波伝播速度情報は、血圧値、動脈硬化度、末梢抵抗などを推定するために用いることができるからである。
【0003】
前述したように脈波伝播速度情報には、脈波伝播速度および脈波伝播時間が含まれるが、脈波伝播速度を求めるには、伝播経路(距離)を脈波伝播時間で割る必要があるため、いずれにしてもまず脈波伝播時間を求める必要がある。その脈波伝播時間は以下のようにして測定できる。まず、生体の所定の2部位において心拍同期信号を検出するために、その2部位に心拍同期波センサをそれぞれ装着する。そして、一方の心拍同期波センサにより所定の心拍同期信号が検出された時間と、他方の心拍同期波センサにより所定の心拍同期信号が検出された時間との時間差を測定する。この時間差が脈波伝播時間である。
【0004】
ここで上記2つの心拍同期波センサは生体の異なる部位に装着される必要があるので、心拍同期波センサの少なくとも一方は心臓(最上流部位)よりも下流側に装着される。従って、心拍同期波センサの少なくとも一方は動脈における心拍同期波すなわち脈拍同期波を検出する脈波センサが用いられる。この脈波センサとして、生体の動脈から発生する圧脈波を検出するために押圧面に感圧素子を有し、体表面上から該動脈を押圧した状態で該感圧素子から圧脈波信号を逐次出力する圧脈波センサが用いられる場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、脈波センサとして上記圧脈波センサを用いた場合には、脈波伝播時間が圧脈波センサの押圧力の影響を受け、圧脈波センサの押圧力が変化すると算出される脈波伝播速度情報が変化してしまう。そのため、精度のよい脈波伝播速度情報を算出するためには、押圧力を最適押圧力に設定した状態の圧脈波センサから検出される圧脈波に基づいて脈波伝播時間を算出する必要がある。
【0006】
本発明は以上のような事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、精度のよい脈波伝播速度情報を測定できる脈波伝播速度情報測定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、押圧面に感圧素子を有し、生体の体表面上から動脈を押圧させられてその動脈から発生する圧脈波を検出する圧脈波センサと、その圧脈波センサとは異なる部位に装着されて心拍同期波を検出する心拍同期波センサと、前記圧脈波センサを前記動脈に向かって押圧させる押圧装置とを備え、前記心拍同期波センサが装着された部位から前記圧脈波センサが装着された部位までを脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波速度情報を測定する脈波伝播速度情報測定装置であって、(a) 前記押圧装置の押圧力が変化させられる過程で、前記心拍同期波センサにより心拍同期波の所定部位が検出された時間と、前記圧脈波センサにより圧脈波の所定部位が検出された時間との時間差から前記脈波伝播速度情報を逐次算出する第1脈波伝播速度情報算出手段と、(b) その第1脈波伝播速度情報算出手段により逐次算出される脈波伝播速度情報の、前記脈波センサの押圧力の変化に伴う変化が予め定められた一定範囲内である押圧力最適範囲から、その圧脈波センサの最適押圧力を決定する最適押圧力決定手段と、(c) 前記押圧装置の押圧力をその最適押圧力決定手段により決定された最適押圧力に維持する押圧力制御手段と、(d) その押圧力制御手段により前記押圧装置の押圧力が前記最適押圧力に維持されている状態で、前記心拍同期波センサにより心拍同期波の所定部位が検出された時間と、前記圧脈波センサにより圧脈波の所定部位が検出された時間との時間差から前記脈波伝播速度情報を算出する第2脈波伝播速度情報算出手段とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、最適押圧力決定手段により、第1脈波伝播速度情報算出手段によって逐次算出される脈波伝播速度情報の、脈波センサの押圧力の変化に伴う変化が予め定められた一定範囲内である押圧力最適範囲から、圧脈波センサの最適押圧力が決定され、第2脈波伝播速度情報算出手段では、押圧力制御手段により圧脈波センサの押圧力がその最適押圧力に維持されている状態で脈波伝播速度情報が算出されるので、高精度な脈波伝播速度情報が算出できる。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記脈波伝播速度情報測定装置は、前記圧脈波センサが、前記動脈から発生する圧脈波を検出するためにその動脈の幅方向に配列された複数の感圧素子を前記押圧面に有し、体表面上からその動脈を押圧した状態でその複数の感圧素子から圧脈波信号をそれぞれ出力するものであり、前記第1脈波伝播速度情報算出手段および前記第2脈波伝播速度情報算出手段は、その複数の感圧素子のうち最大脈圧を検出する最大脈圧検出素子により検出された圧脈波に基づいて前記脈波伝播速度情報を逐次算出するものである。このようにすれば、最大脈圧検出素子は、前記動脈の直上に位置させられる感圧素子であることから、最大脈圧検出素子は最も正確な圧脈波を検出する感圧素子であり、第1脈波伝播速度情報算出手段および第2脈波伝播速度情報算出手段では、その最大脈圧検出素子により検出された圧脈波に基づいて脈波伝播速度情報が逐次算出されるので、より精度の高い脈波伝播速度情報が算出できる。
【0010】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明が適用された脈波伝播速度情報測定装置10の回路構成を示すブロック図である。図において、脈波伝播速度情報測定装置10は、心音マイク12と、図3に詳しく示す圧脈波検出プローブ14とを備えている。上記心音マイク12は、生体の胸部体表面上の所定部位に装着されて、心音を表す心音信号SHを検出して出力する。心音マイク12から出力された心音信号SHは、A/D変換器16を介して演算制御装置18へ供給される。上記心音信号SHが表す心音は、生体の心拍に同期して発生する心拍同期信号であることから、本実施例では、心音信号SHを出力する心音マイク12が心拍同期波センサとして機能している。
【0012】
圧脈波検出プローブ14は、図2に示すように、その生体の頸20に装着バンド22により装着され、図3に詳しく示すように、容器状を成すセンサハウジング24を収容するケース26と、このセンサハウジング24を頸動脈28の幅方向に移動させるためにそのセンサハウジング24に螺合され且つケース26内に設けられた図示しないモータによって回転駆動されるねじ軸30とを備えている。この圧脈波検出プローブ14は、前記装着バンド22により、センサハウジング24の開口端が生体の頸20の体表面32に対向する状態で取り付けられている。
【0013】
上記センサハウジング24の内部には、ダイヤフラム34を介して圧脈波センサ36が相対移動可能かつセンサハウジング24の開口端からの突出し可能に設けられており、これらセンサハウジング24およびダイヤフラム34等によって圧力室38が形成されている。この圧力室38内には、図1に示すように、空気ポンプ40から調圧弁42を経て圧力空気が供給されるようになっており、これにより、圧脈波センサ36は圧力室38内の圧力(Pa)に応じた押圧力で前記体表面32に押圧される。
【0014】
上記センサハウジング24およびダイヤフラム34は、圧脈波センサ36を頸動脈28に向かって押圧する押圧装置44を構成しており、上記ねじ軸30および図示しないモータは、圧脈波センサ36が押圧される押圧位置をその頸動脈28の幅方向に移動させて変更する押圧位置変更装置すなわち幅方向移動装置46を構成している。
【0015】
上記圧脈波センサ36の押圧面48には、多数の半導体感圧素子(以下、感圧素子という)Eが、頸動脈28の幅方向すなわちねじ軸30と平行な圧脈波センサ36の移動方向において、その頸動脈28の直径よりも長くなるように、且つ一定の間隔で配列されており、たとえば、図4に示すように、配列間隔が0.6mm程度とされた15個の感圧素子E(a)、E(b)、…E(o)が配列されている。
【0016】
このように構成された圧脈波検出プローブ14が、頸20の体表面32の頸動脈28上に押圧されることにより、頸動脈28から発生して体表面32に伝達される圧力振動波すなわち圧脈波を検出し、その圧脈波を表す圧脈波信号SMをA/D変換器50を介して前記演算制御装置18へ供給する。図5は、圧脈波センサ36により逐次検出される圧脈波信号SMの一例を示している。
【0017】
演算制御装置18は、CPU52、ROM54、RAM56、および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU52は、ROM54に予め記憶されたプログラムに従ってRAM56の記憶機能を利用しつつ信号処理を実行することにより、空気ポンプ40および調圧弁42へ図示しない駆動回路を介して駆動信号を出力して圧力室38内の圧力を調節し、また、心音マイク12から供給される心音信号SHおよび圧脈波センサ36から供給される圧脈波信号SMに基づいて、脈波伝播速度情報の算出等を実行し、その算出した脈波伝播速度情報を表示器58に表示する。
【0018】
図6は、上記脈波伝播速度情報測定装置10における演算制御装置18の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図6において、最適押圧位置制御手段70は、初回の装着時など、押圧面48に配列された感圧素子Eのうちの最大脈圧PMmaxを検出する感圧素子Eすなわち最大脈圧検出素子EM の配列位置が、配列の端を基準として、それから所定数または所定距離内側までに位置するものであることを条件とする押圧位置更新条件が成立した場合には、以下の押圧位置更新作動を実行する。すなわち、押圧位置更新作動は、圧脈波センサ36を体表面32から一旦離隔させるとともに、幅方向移動装置46により押圧装置44および圧脈波センサ36を所定距離移動させた後、押圧装置44により圧脈波センサ36を比較的小さい予め設定された第1押圧力HDP1 で押圧させ、その状態で再び上記押圧位置更新条件が成立するか否かを判断し、押圧位置更新条件が成立しなくなるまで、より好ましくは、最大脈圧検出素子EM が配列位置の略中央に位置するまで上記の作動および判断を実行する。なお、上記脈圧PM とは、図5にも示すように、一拍毎の圧脈波のピークbにおける圧力と立ち上がり点a(または最小点)における圧力との差である。また、上記押圧位置更新条件における配列の端からの所定数または所定距離は、圧脈波センサ36により押圧される動脈(本実施例では頸動脈28)の直径に基づいて決定され、たとえば、その直径の1/4に設定される。
【0019】
押圧力制御手段72は、圧脈波センサ36が最適押圧位置制御手段70により最適押圧位置に位置させられた後、押圧装置44による圧脈波センサ36の押圧力HDPを、所定の押圧力範囲内で拍動に対応して逐次変化させ、或いは所定の押圧力範囲内を比較的緩やかな一定速度で連続的に変化させる。さらに、その押圧力HDPの変化過程において後述する最適押圧力決定手段80により最適押圧力HDPO が決定された場合には、その最適押圧力HDPO にて圧脈波センサ36を押圧させる。
【0020】
第1脈波伝播速度情報算出手段74は、上記押圧力制御手段72により圧脈波センサ36の押圧力HDPが変化させられる過程において、心音マイク12により逐次検出される心音信号SHと、圧脈波センサ36に配設された複数の感圧素子Eにより逐次検出される複数の圧脈波信号SMのうちの一つとを用いて、心音信号SHが表す心音波形の周期的に繰り返す所定部位が検出された時間と、圧脈波信号SMが表す圧脈波の周期的に繰り返す所定部位が検出された時間との時間差(脈波伝播時間)DT(msec)を、一拍毎或いは数拍毎に算出する脈波伝播時間算出手段を備えており、たとえば、その脈波伝播時間算出手段は、第2心音IIの立ち上がりが検出された時間と前記最大脈圧検出素子EM により圧脈波のノッチが検出された時間との時間差(脈波伝播時間)DTを一拍毎に算出する。ここで、上記ノッチとは、図5にも示すように、圧脈波のピークb以降における極小値であり、切痕ともいう。このノッチは、大動脈弁の閉鎖によるものであることから、大動脈弁の閉鎖時に発生する心音である第2心音IIに対応する。さらに、第1脈波伝播速度情報算出手段74は、その脈波伝播時間算出手段により逐次算出される脈波伝播時間DTに基づいて、予め記憶される式1から、被測定者の動脈内を伝播する脈波の伝播速度PWV (m/sec)を逐次算出する。尚、式1において、L (m)は左心室から大動脈を経て圧脈波センサ36が装着される部位までの距離であり、予め実験に基づいて求められた一定値が用いられる。
【0021】
(式1) PWV =L/DT
【0022】
変化値算出手段76は、前記押圧力制御手段72により圧脈波センサ36の押圧力HDPが変化させられる過程において、上記第1脈波伝播速度情報算出手段74により算出された脈波伝播速度情報の、その押圧力HDPの変化に伴う変化を表す変化値ΔDを算出する。図7は、押圧力制御手段72により変化させられる圧脈波センサ36の押圧力HDPに対する、前記第1脈波伝播速度情報算出手段74により算出される脈波伝播速度PWVの変化を示す図であり、上記変化値ΔDは、図7の曲線Cの変化傾向を表す値である。従って、上記変化値ΔDは、たとえば、押圧力HDPが所定値ΔHDPだけ変化したときの脈波伝播速度情報の変化量または変化率で表すことができる。また、押圧力HDPが時間の経過と共に一定の速度で変化させられる場合には、押圧力HDPの変化は時間の経過と考えることもできるので、所定時間或いは所定拍数(一拍乃至数拍程度)の脈波伝播速度情報の変化量または変化率で表すこともできる。なお、脈波伝播速度PWVは一拍或いは数拍毎に算出される離散値であるが、図7では便宜上曲線Cで表している。
【0023】
押圧力最適範囲決定手段78は、前記変化値算出手段76により算出される変化値ΔDが、予め設定された一定範囲RD 内である押圧力HDPの範囲を押圧力最適範囲RP に決定する。上記予め設定された一定範囲RD は、ゼロを挟む比較的狭い範囲、すなわち、上記一定範囲RD の上限値RDmaxおよび下限値RDminの絶対値は比較的小さい値であり、且つ、上限値RDmaxは正の値、下限値RDminは負の値に設定される。前記変化値ΔDが、このように設定された一定範囲RD 内である場合とは、図7に示すように押圧力HDPの変化に対する脈波伝播速度PWV(或いは脈波伝播時間DT)の変化を曲線Cで表した場合に、その曲線Cにおいて略平坦となる範囲であり、その範囲が押圧力最適範囲RP に決定される。
【0024】
最適押圧力決定手段80は、上記押圧力最適範囲決定手段78により決定された押圧力最適範囲RP から、圧脈波センサ36の最適押圧力HDPO を決定する。たとえば、上記押圧力最適範囲RP の中心値HDPm を最適押圧力HDPO に決定する。または、上記押圧力最適範囲Rp の最小値HDPmin 或いはその最小値HDPmin に予め設定された微小所定値α(>0)を加えた値を最適押圧力HDP0 に決定する。押圧力最適範囲RP の中心値HDPm を最適押圧力HDP0 に決定する場合には、押圧力HDPが比較的大きく変化しても算出される脈波伝播速度情報はそれほど変化しないことから、押圧力HDPを一定に維持することが困難な測定においても精度の高い測定ができる利点があり、一方、押圧力最適範囲Rp の最小値HDPmin 或いはその最小値HDPmin に予め設定した微小所定値αを加えた値を最適押圧力HDPO に決定する場合には、比較的低い押圧力HDPにおいて測定が行なわれることから、被測定者の負担を軽減できる利点がある。
【0025】
第2脈波伝播速度情報算出手段82は、上記最適押圧力決定手段80により決定された最適押圧力HDPO にて圧脈波センサ36が頸動脈28を押圧させられている状態で、心音マイク12により逐次検出される心音信号SHと、圧脈波センサ36に配設された複数の感圧素子Eにより逐次検出される複数の圧脈波信号SMのうちの一つとを用いて、前記第1脈波伝播速度情報算出手段74と同様にして脈波伝播速度情報を算出する。
【0026】
図8は、図6の機能ブロック線図に示した演算制御装置18の制御作動をさらに具体的に説明するためのフローチャートである。
【0027】
図8において、押圧力制御手段72に対応するステップSA1(以下、ステップを省略する。)では、押圧装置44により圧力室38内の圧力が制御されることにより、圧脈波センサ36の押圧力HDPが予め設定された第1押圧力HDP1 とされる。上記第1押圧力HDP1 は、押圧力最適範囲RP の最小値HDPmin よりも十分低い値となり、且つ、各感圧素子Eからの圧脈波信号SMに基づいて脈圧PM がそれぞれ決定できる程度の大きさとして、予め実験に基づいて決定されている。
【0028】
続いて最適押圧位置制御手段70に対応するSA2乃至SA3が実行される。まず、SA2では、押圧面48に配列された感圧素子Eのうち最大圧検出素子EM の配列位置が、配列の端から所定数または所定距離内側までに位置するものであるかを条件とする押圧位置更新条件(APS起動条件)が成立したか否かが判断される。この判断が否定された場合には、後述するSA4以降が実行される。
【0029】
一方、SA2の判断が肯定された場合、すなわち、圧脈波センサ36の頸動脈28に対する装着位置が不適切である場合には、SA3において、APS制御ルーチンが実行される。このAPS制御ルーチンは、最大脈圧検出素子EM が感圧素子Eの配列の略中央位置となる最適押圧位置を決定するため、圧脈波センサ36を一旦体表面32から離隔させ、幅方向移動装置46により押圧装置44および圧脈波センサ36を所定距離移動させた後、押圧装置44により圧脈波センサ36を再び前記第1押圧力HDP1 で押圧させ、その状態における最大脈圧検出素子EM が配列略中央位置にある感圧素子Eであるか否かが判断され、この判断が肯定されるまで上記作動が繰り返し実行される。
【0030】
上記SA3において圧脈波センサ36の押圧位置が最適押圧位置に制御されると、続くSA4では、その状態における最大脈圧検出素子EM が決定され、続いて第1脈波伝播速度情報算出手段74に対応するSA5において、図9に詳しく示す脈波伝播速度算出ルーチンが実行されることにより、脈波伝播速度PWVが算出される。
【0031】
その図9に示す脈波伝播速度算出ルーチンでは、まず、SB1において、心音マイク12から供給される心音信号SHおよび圧脈波センサ36の最大脈圧検出素子EM から供給される圧脈波信号SMが読み込まれる。
【0032】
続くSB2では、心音信号SHおよび圧脈波信号SMが一拍分読み込まれたか否かが、たとえば、圧脈波の立ち上がり点が検出されたか否かに基づいて判断される。このSB2の判断が否定された場合は、前記SB1が実行されて心音信号SHおよび圧脈波信号SMがさらに読み込まれる。
【0033】
しかし、上記SB2の判断が肯定された場合は、続くSB3において、上記SB1で読み込まれた心音信号SHに基づいて、第2心音IIの立ち上がり点が検出された時間が決定され、続くSB4では、上記SB1で読み込まれた圧脈波信号SMに基づいて頸動脈波のノッチが検出された時間が決定され、続くSB5では、上記SB3で決定された第2心音IIの立ち上がり時点と、上記SB4で決定されたノッチ発生時点との時間差から脈波伝播時間DTが算出される。図10は、上記SB5において算出される脈波伝播時間DTを示している。
【0034】
さらに、続くSB6では、上記SB5で算出された脈波伝播時間DTが、前記式1に代入されることにより脈波伝播速度PWVが算出される。
【0035】
続く変化値算出手段76に対応するSA6では、SA5乃至SA9の繰り返しにおいて上記SA5で逐次算出される脈波伝播速度PWVについての変化値ΔDが算出される。たとえば、上記SA5で算出された脈波伝播速度PWVと、前回の繰り返しにおいてそのSA5で算出された脈波伝播速度PWVとの差が変化値ΔDとして算出される。
【0036】
続くSA7では、押圧力最適範囲RP の最小値HDPmin が決定されたか否かが、上記SA6で算出された変化値ΔDが、初めて予め設定された一定範囲RD 内となったか否かにより判断される。圧脈波センサ36の押圧力HDPが比較的低い範囲においては、押圧力HDPに対する脈波伝播速度PWVの変化曲線Cは、図7に示すようにピークを形成することから、変化値ΔDは比較的大きいので、このSA7の判断は否定され、続く押圧力制御手段72に対応するSA8において押圧力HDPが所定値増加させられた後、再びSA5以降が実行される。
【0037】
一方、圧脈波センサ36の押圧力HDPが増加させられていくと、脈波伝播速度PWVの変化値ΔDは上記一定範囲RD 内となるので、始めて変化値ΔDがその一定範囲内RD となったときの押圧力HDPが最適押圧力範囲RP の最小値HDPmin に決定されるとともに、SA7の判断が肯定される。SA7の判断が肯定されると、続くSA9では、押圧力最適範囲RP の最大値HDPmax が決定されたか否かが、上記SA6で算出された変化値ΔDが、再び上記一定範囲RD を外れたか否かにより判断される。押圧力HDPに対する脈波伝播速度PWVの変化曲線Cは、図7に示すように押圧力HDPが高い範囲では増加率が大きくなることから、押圧力HDPが増加させられていくと、変化値ΔDは再び上記一定範囲RD 外の値となる。変化値ΔDが一定範囲RD を外れた場合には、その直前の押圧力HDPが押圧力最適範囲RP の最大値HDPmax に決定されるとともに、SA9の判断が肯定される。従って、本実施例では、上記SA7およびSA9が最適押圧力範囲決定手段78として機能している。
【0038】
続く最適押圧力決定手段80に対応するSA10では、上記SA7およびSA9において決定された押圧力最適範囲RP から、最適押圧力HDPO が決定される。たとえば、その押圧力最適範囲RP の中心値HDPm が最適押圧力HDPO に決定される。続く押圧力制御手段72に対応するSA11では、圧脈波センサ36の押圧力HDPが、上記SA10で決定された最適押圧力HDPO とされるとともに、その押圧力HDPが維持される。
【0039】
続く第2脈波伝播速度情報算出手段82に対応するSA12では、上記SA11で圧脈波センサ36の押圧力HDPが最適押圧力HDPO に維持された状態で、前記SA5と同様にして、すなわち、図9の脈波伝播速度算出ルーチンが実行されることにより、脈波伝播速度PWVが算出され、続くSA13では、上記SA12で算出された脈波伝播速度PWVが表示器58に逐次表示される。
【0040】
続くSA14では、測定終了操作がされたか否かが判断される。このSA14の判断が肯定された場合は、圧脈波センサ36の圧力室38内の圧力が開放させられ、且つ、脈波伝播速度PWVの算出は終了させられるが、否定された場合は、前記SA12以降が繰り返し実行されることにより、最適押圧力HDPO における脈波伝播速度PWVの算出が継続される。
【0041】
上述のように、本実施例によれば、最適押圧力決定手段80(SA10)により、第1脈波伝播速度情報算出手段74(SA5)によって逐次算出される脈波伝播速度PWVの、脈波センサ36の押圧力HDPの変化に伴う変化が予め定められた一定範囲RD 内である押圧力最適範囲RP から、圧脈波センサ36の最適押圧力HDPO が決定され、第2脈波伝播速度情報算出手段82(SA12)では、押圧力制御手段72(SA11)により圧脈波センサ36の押圧力HDPがその最適押圧力HDPO に維持されている状態で脈波伝播速度PWVが算出されるので、高精度な脈波伝播速度PWVが算出できる。
【0042】
また、本実施例によれば、圧脈波センサ36が、頸動脈28から発生する圧脈波を検出するためにその頸動脈28の幅方向に配列された複数の感圧素子Eを押圧面48に有し、体表面32上から頸動脈28を押圧した状態でその複数の感圧素子Eから圧脈波信号SMをそれぞれ出力するものであり、第1脈波伝播速度情報算出手段74(SA5)および前記第2脈波伝播速度情報算出手段82(SA12)は、その複数の感圧素子Eのうち最大脈圧検出素子EM により検出された圧脈波に基づいて脈波伝播速度PWVを逐次算出している。最大脈圧検出素子EM は、頸動脈28の直上に位置させられる感圧素子Eであることから、最大脈圧検出素子EM は最も正確な圧脈波を検出する感圧素子Eであり、第1脈波伝播速度情報算出手段74(SA5)および第2脈波伝播速度情報算出手段82(SA12)では、その最大脈圧検出素子EM により検出された圧脈波に基づいて脈波伝播速度PWVが逐次算出されるので、より精度の高い脈波伝播速度PWVが算出できる。
【0043】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0044】
たとえば、前述の実施例では、圧脈波センサ36は頸20に装着されていたが、大腿部等他の部位に装着される形式の圧脈波センサが用いられてもよい。
【0045】
また、前述の実施例の図8のフローチャートでは、最適押圧力決定手段80に対応するSA10において、押圧力最適範囲RP の中心値HDPm が最適押圧力HDPO に決定されていたが、押圧力最適範囲RP の最小値HDPmin 或いはその最小値HDPmin に微小所定値αを加えた値が最適押圧力HDPO に決定されてもよい。なお、その場合には、押圧力最適範囲RP の最大値HDPmax は決定される必要がないので、押圧力最適範囲RP の最小値HDPmin が決定された時点で、すなわちSA7の判断が肯定された時点で直接SA10が実行されてもよい。
【0046】
また、前述の実施例の図8のフローチャートでは、第1脈波伝播速度情報算出手段74に対応するSA5および第2脈波伝播速度情報算出手段82に対応するSA12において、いずれも脈波伝播速度PWVが算出されていたが、脈波伝播速度PWVに代えて脈波伝播時間DTが算出されてもよい。
【0047】
また、前述の実施例の図8のフローチャートでは、変化値算出手段76に対応するSA6が逐次実行されることにより、変化値ΔDが逐次算出されていたが、圧脈波センサ36の押圧力HDPが前記押圧力最適範囲RP の最大値HDPmax よりも十分に大きい押圧力HDPまで変化させられる場合には、変化値ΔDは、その押圧力HDPの変化が終了させられた後に一度に算出されてもよい。
【0048】
また、前述の実施例では、心拍同期波センサとして心音マイク12が用いられていたが、生体の所定部位に装着される複数の電極を通して心電誘導波形を検出する心電誘導装置等、他の心拍同期波センサが用いられてもよい。
【0049】
なお、本発明はその主旨を逸脱しない範囲においてその他種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された脈波伝播速度情報測定装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】図1の圧脈波検出プローブが頸に装着された状態を示す図である。
【図3】図1の圧脈波検出プローブを一部切り欠いて説明する拡大図である。
【図4】図1の圧脈波センサの押圧面に配列された感圧素子の配列状態を説明する図である。
【図5】図1の圧脈波センサの感圧素子から出力される圧脈波信号SMを例示する図である。
【図6】図1の脈波伝播速度情報測定装置における演算制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図7】圧脈波センサの押圧力HDPに対する脈波伝播速度PWVの変化を示す図である。
【図8】図6の機能ブロック線図に示した演算制御装置の制御作動をさらに具体的に説明するためのフローチャートである。
【図9】図8の脈波伝播速度算出ルーチンを詳しく説明するフローチャートである。
【図10】図8のSB5により算出される脈波伝播時間DTを例示する図である。
【符号の説明】
10:脈波伝播速度情報測定装置
12:心音マイク(心拍同期波センサ)
36:圧脈波センサ
44:押圧装置
72:押圧力制御手段
74:第1脈波伝播速度情報算出手段
80:最適押圧力決定手段
82:第2脈波伝播速度情報算出手段

Claims (1)

  1. 押圧面に感圧素子を有し、生体の体表面上から動脈を押圧させられて該動脈から発生する圧脈波を検出する圧脈波センサと、該圧脈波センサとは異なる部位に装着されて心拍同期波を検出する心拍同期波センサと、前記圧脈波センサを前記動脈に向かって押圧させる押圧装置とを備え、前記心拍同期波センサが装着された部位から前記圧脈波センサが装着された部位までを脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波速度情報を測定する脈波伝播速度情報測定装置であって、
    前記押圧装置の押圧力が変化させられる過程で、前記心拍同期波センサにより心拍同期波の所定部位が検出された時間と、前記圧脈波センサにより圧脈波の所定部位が検出された時間との時間差から前記脈波伝播速度情報を逐次算出する第1脈波伝播速度情報算出手段と、
    該第1脈波伝播速度情報算出手段により逐次算出される脈波伝播速度情報の、前記脈波センサの押圧力の変化に伴う変化が予め定められた一定範囲内である押圧力最適範囲から、該圧脈波センサの最適押圧力を決定する最適押圧力決定手段と、
    前記押圧装置の押圧力を該最適押圧力決定手段により決定された最適押圧力に維持する押圧力制御手段と、
    該押圧力制御手段により前記押圧装置の押圧力が前記最適押圧力に維持されている状態で、前記心拍同期波センサにより心拍同期波の所定部位が検出された時間と、前記圧脈波センサにより圧脈波の所定部位が検出された時間との時間差から前記脈波伝播速度情報を算出する第2脈波伝播速度情報算出手段と
    を、含むことを特徴とする脈波伝播速度情報測定装置。
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