JP4352477B2 - 直交磁界変圧器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスイッチングレギュレータ電源回路の共振型コンバータに用いる可飽和リアクタの可変インダクタンス素子等に適用して好適な直交磁界変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から汎用電子機器で負荷電力が250W以下の小電力機器電源のスイッチング電源として、商用交流入力電圧を整流平滑し、直流電圧をブーストした後に、150kHz程度の高周波でスイッチングし、被制御回路の直流出力電圧を安定化する様にしたスイッチングレギュレータ電源回路には高効率、低ノイズである電圧或は電流共振型コンバータとしてソフトスイッチング電源技術が利用されている。
【0003】
図3は従来のブースト電圧制御方式の電圧共振型コンバータを用いたソフトスイッチング電源回路の1例を示すものである。
【0004】
図3のブースト電圧共振型ソフトスイッチング電源回路に於いて、商用電源AC間の交流電圧VACは制限抵抗Riを介してダイオードでブリッジ構成された整流回路Diで整流された後に、互に直列接続された平滑用コンデンサCi′及びCiで構成された平滑回路でブースト用直流電圧EB に変換される。
【0005】
整流回路Diの直列接続点からの直流出力はブーストダイオードDB を介して、後述する直交磁界変圧器(Power Regulation Transformer:以下PRTと記す)のリアクタ巻線NR (インダクタンスLR )を介して絶縁パワー変圧器(Power Isolation Transformer :以下PITと記す)の1次巻線N1 及びN3 (夫々のインダクタンスL1 及びL3 )の中点に接続されている。
【0006】
又、平滑回路を構成する平滑用コンデンサCi′の正極側はPITの1次巻線N3 の巻始め点に接続され、1次巻線N1 の巻終りはスイッチング用トランジスタQ1 に並列接続された共振用コンデンサCrに接続され、共振用コンデンサCrの他端は接地されている。
【0007】
更に、平滑回路の直列接続点は起動抵抗Rsを介してスイッチング用トランジスタQ1 のベース及びクランプダイオードD1 の陰極並びに電流制限抵抗RB の一端に接続されている。
【0008】
電流制限抵抗RB の他端はチョークコイルLB 及び時定数コンデンサCB を介してPITの1次巻線側のドライブ巻線ND (インダクタンスLD )の巻終り点に接続し、ドライブ巻線ND の巻始め端は接地電位に落とされている。
【0009】
スイッチング用トランジスタQ1 のエミッタは接地され、このスイッチング用トランジスタQ1 のベース・エミッタ間にクランプダイオードD1 が接続されコレクタ・エミッタ間に共振用コンデンサCrが接続されている。
【0010】
PITの2次側巻線N2 及びN4 は夫々整流回路D2 及びD3 を介して安定化した直流電圧E0 及びE0 ′を得ると共にこれら直流電圧E0 及びE0 ′は制御回路(以下CTLと記す)に与えられる。このCTLの出力はPRTの制御巻線NC に供給され、この制御巻線NC の直流電圧(電流)を制御することでリアクタ巻線NR のインダクタンスLR を可変して、ブーストダイオードDB に供給するブースト電圧を制御する様に成されている。
【0011】
上述の構成で、スイッチング用トランジスタQ1 やチョークコイルLB 等の回路で電圧共振型コンバータを構成し、ブーストダイオードDB からリアクタ巻線NR に供給される電圧をスイッチングしている。電圧共振コンバータは自励発振型の電圧共振コンバータを構成し、スイッチング用トランジスタQ1 がオフの時にスイッチング用トランジスタQ1 の電圧波形をチョークコイルLB と時定数コンデンサCB のLCで共振させて正弦波状の電圧共振波形を得てPRTのリアクタ巻線NR に供給されるブースト電圧をスイッチングする様に成されている。
【0012】
又、CTLは誤差アンプ等で構成され、例えば商用電源ACの交流電圧VACの上昇や負荷電力P0 の減少に伴ってPRTの制御巻線NC の制御電流(IC )を減少(又は増加)させ、リアクタ巻線NR のインダクタンスLR を増加(又は減少)させて出力電圧E0 又はE0 ′を一定値に安定化させる様に成されている。
【0013】
上述の回路に用いるPRTの具体的な構成を図4(A)に示す。図4(A)でPRTはフェライト磁芯(FE−3材)から構成され、略方形状の板部1aと、この板部1aの4隅の頂点部から、この板部1aと直交する方向に延設した脚1b,1c,1d,1eから成るテーブルを横倒した形状の第1の磁芯(以下ダブル(W)コ字状コアと記す)1fと略方形の板状の磁芯(以下板状コアと記す)1gを上記4つの脚1b,1c,1d,1eの端面に25μm乃至75μmの薄いマイラシートを挿入してギャップ2を構成して、上下及び左右から視て方形状の貫通孔1h及び1h′が形成された直方体(又は立方体)状の磁芯(以下コアと記す)1と成されている。
【0014】
上述のWコ字状コア1fの板部1aの縦a及び横bの寸法は例えばa=b=23mmに、Wコ字状コア1fの4つの脚1b,1c,1d,1eの長さcの寸法c=35mmに各脚1b,1c,1d,1eの縦及び横dの寸法はd=7mmに選択し、板状コア1gの厚みd′の寸法はd′=7mmに選択したコア1を作成した。
【0015】
次に図4(A)で示すWコ字状コア1fの前方側の上下の脚1b及び1cとの間に互に橋格する様に0.1mmφの単線から成る制御巻線Ncを1100ターン巻回する。
【0016】
更に、前方側の下側の脚1cと、後方側の下側の脚1eとの間に互に橋格する様に0.1mmφの単線を43束としたリッツ線から成るリアクタ巻線NR を27ターン巻回している。又、ギャップ2のギャップ空隙は50μmとしたPRTを選択して、図4の回路に用いてリアクタ巻線NR にスイッチング用トランジスタQ1 でスイッチングされる交流電流IR を流し、制御巻線NC にインダクタンス制御用の直流制御電流IC を流した場合にはリアクタ巻線NR と制御巻線NC とは互に直交して脚1b,1c,1d,1eに巻回されているので直流制御電流IC に制御巻線回数NC1を乗じた起磁力によって生ずる直流磁束φC と交流電流IR にリアクタ巻線回数NR1を乗じた起磁力によって生ずる交流磁束φR を発生する。
【0017】
図4(A)では前方側の磁路及び上方側の磁路に流れる磁束φR 及びφC を示しているが、後方側の磁路及び下方側の磁路にも図示しない磁束φR ′及びφC ′が発生しているが4脚の磁束φC ,φC ′,φR ,φR ′は交流電流IR の極性によって加え合って例えばφR +φC となったり、打ち消し合って例えばφR −φC となったりし、加え合ったり、減じ合ったりした動作を繰り返している。
【0018】
従って、加え合う脚ではB−Hカーブ(Bは磁束密度、Hは磁界)のヒステリシス曲線の飽和領域にあり、減じ合う脚ではB−Hカーブの非線形領域であり、両側面、即ち板部1aと板状コア1gでは1組の脚の断面積S=d×dに比べて大きくなるため磁束密度Bは低くなって線形領域内にある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
図4(A)で説明したPRTでギャップ2は50μmのマイラフィルムを介して接合した場合を説明したが、下方側の脚1cと1e或は上方側の脚1bと1dと板状コア1gの突合せ面だけに50μmのギャップ2が形成された場合のインダクタンス直流重畳特性曲線を図4(B)に示す。
【0020】
図4(B)で横軸はPRTのリアクタ巻線NR に流す交流電流IR (A)、縦軸は制御巻線NC に流す直流制御電流IC をパラメータとしたリアクタ巻線NR 側のインダクタンスLR (mH)の変化状態を示すもので実線は上記した上部或は下部の一対の脚1b,1d又は1c,1eと板状コア1gの接合面に50μmのギャップ2を設けた場合であり、制御電流IC が増大し、20mA〜30mAでは双頭型(M字型)のインダクタンス特性を示す。
【0021】
又、4つの脚1b,1c,1d,1eと板状コア1gとの接合面に25μmのギャップ2を形成した場合には、図4(B)の点線で示す様な特性を示す。
【0022】
上述の様にインダクタンス直流重畳特性の拡大を図るために従来のPRTではマイラシートを挿入してギャップ2を構成するので磁束φC 中にギャップ2が存在するため制御電流IC が増大する。又、磁束φR 中のギャップは僅少のため交流電流IR の増加に伴って4つの脚1b,1c,1d,1eが飽和する。この為にリアクタ巻線NR のインダクタンス可変範囲は図4(B)の様に6倍(0〜0.6mH)程度に限定されてしまう。
【0023】
更に、図3の電圧共振型ソフトスイッチング電源回路に用いられるPRTとして図5(A)に示す様に方形の板部1aと、この板部1aの両側端から、該板部1aと直交する方向に延設された磁脚1b及び1cから成る断面が略コ字状のコ字状磁芯(コア)3A及び3Bを互に直交させて、接合面にマイラーシート等を挟着させて磁気空隙(ギャップ)2を形成し、一方のコ字状コア3Aの磁脚1bに制御巻線NC を巻回し、他方のコ字状コア3Bの磁脚1bにリアクタ巻線NR を巻回させたものも広く利用されている。
【0024】
上述の図5(A)に示された構成のPRTに於いて、フェライト磁芯材質としてFE−9材を用い、磁脚1b,1cの厚さd及び板部1aの厚さdを夫々d=5mmとし、ギャップ2のギャップ長を25μmとして、図4(A)のWコ字状コア1fと板状コア1gから成るコア1に比べて制御巻線NC で生ずる直流磁束φC 及びリアクタ巻線NR で生ずる交流磁束φR の平均磁路長lR はlR ′に縮小され、板部1aは磁脚1b,1cの断面積Sと略等しくなる様に厚みdを縮小している。
【0025】
上述のインダクタンス直流重畳特性は図5(C)の様に成り、この特性からも解る様に平均磁路長がlR ′と短縮されているためにインダクタンスLR の可変範囲は拡大するが、直線性に乏しい特性を示している。
【0026】
上述の従来構成のPRTによると以下(イ)〜(ホ)に示す様な種々の問題が発生する。
【0027】
(イ)上述の様に制御巻線NC に流れる直流制御電流IC によって直流の磁束φC 及びφC ′が通る磁路中にギャップ2が存在するため直流磁束を飽和させるための直流制御電流IC が極めて大きくなり制御巻線NC の直流抵抗(ターン数が大)による電力損失が増大する問題が生ずる。
【0028】
(ロ)又、リアクタ巻線NR に流れる交流電流IR によって発生する交流磁束φR 及びφR ′が通る磁路中にギャップ2が存在するが薄いためインダクタンス直流重畳特性はリアクタ巻線NR に流れる交流電流の増加に伴って急激に飽和し、インダクタンスが低下してしまう問題が生ずる。
【0029】
(ハ)又、ギャップ2が僅少なため、マイラシートの厚みのバラツキやフェライト磁芯の透磁率μや寸法のバラツキによってリアクタ巻線のインダクタンス値が変動する。
【0030】
(ニ)更に、インダクタンス可変範囲は直流制御電流IC が10mA〜40mAに対して図4(B)及び図5(B)の様に約6〜8倍程度しか変化しないため図4で説明したブーススト電圧制御方式の電圧共振型コンバータによるソフトスイッチング電源回路に適用すると、図6(A)の商用交流電圧VACとブースト電圧EB 間の特性曲線に示される様に最大負荷電力P0maxと最小負荷電力P0 min 時のブースト電圧EB を略一定に制御する為には図6(B)の商用交流電圧VACとリアクタ巻線NR のインダクタンスLR の特性曲線に示す様にPITの1次巻線N1 のインダクタンスL1 に対して、TRTのリアクタ巻線NR のインダクタンスLR
R =(0.1〜1.2)L1
のダイナミックレンジが必要であり、略12倍の可変インダクタンス範囲としなければならない問題があった。尚、図6(A)でEi は平滑コンデンサCi 端の電圧である。
【0031】
(ホ)上述のPRTのリアクタ巻線NR のターン数NR1のインダクタンスLR はギャップ長をlg 、交流磁束φR の平均磁路長をlR 、リアクタ巻線NR のコア断面積をS、真空透磁率をμ0 、フェライトコアの実効透磁率をμe とすればインダクタンスLR は次の(1)式で求められる。
Figure 0004352477
ここでインダクタンスLR の拡大を図るためにはコア断面積Sやリアクタ巻線NR のターン数NR1を増加させればよいが、同時にPRTのギャップ長lg や平均磁路長lR が増加してPRTのサイズと重量が増加する問題も発生する。
【0032】
本発明は叙上の問題点を解消した直交磁界変圧器(PRT)を提供しようとするものであり、発明が解決しようとする課題は可変インダクタンス範囲を従来の略2倍にし、小さな直流制御電流でインダクタンス制御が可能でリアクタ巻線の磁路中に設けたギャップは可変インダクタンス特性に応じて適宜選択可能なPRTを得ようとするものである。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明は一対のコ字状磁芯3A,3Bを構成する板部1aに溝状の磁気空隙4又は5を形成し、一対のコ字状磁芯3A,3Bの板部1aに形成された溝状の磁気空隙4又は5の延在方向が互いに直交するように一対のコ字状磁芯3A,3Bを互に直交して接合し、磁脚1b,1cに磁界が直交する様に制御巻線NC及びリアクタ巻線をNR巻回し、制御巻線NC及びリアクタ巻線NRの磁路中に磁気空隙4又は5を構成させ、該一対のコ字状磁芯3A,3Bの板部1aの厚みを制御巻線N C 及びリアクタ巻線N R の巻回された磁脚1b,1cの厚みより小さくして成る直交磁界変圧器としたものである。
【0034】
本発明のPRTによれば従来と同一の直流制御電流IC で略2倍のインダクタンス可変範囲が得られブースト電圧制御方式の電圧共振型コンバータによるソフトスイッチング電源回路の構成が可能となる。
【0035】
本発明のPRTによればコ字状コアの側面を分割しないので、コアの組立が容易で製造時間が短縮されフェライト成形用プレス金型が1組で良く、金型管理と製造管理が短縮可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の直交磁界変圧器(PRT)を図1及び図2を用いて詳記する。図1(A)及び図1(B)は本発明の1形態例を示すPRTの組立状態斜視図、並びにリアクタ巻線に流す交流電流IR を変化させた時に制御巻線NC の直流制御電流IC をパラメータとしたインダクタンスLR の直流重畳特性曲線を示すものである。
【0037】
本発明に用いるPRTと従来構成として説明した図5(A)のPRTとは略同一に構成されているので、対応部分には同一符号を付している。図1(A)に示すPRTは方形の板部1aと、この板部1aの両側端から、該板部と直交する方向に延設された磁脚1b及び1cから成る断面が略コ状のコ字状磁芯(コア)3A及び3Bを互に直交させて、接合し、接合面には磁気空隙を形成しない様に成されている。
【0038】
一方のコ字状コア3Aの磁脚1bには制御巻線NC を巻回し、他方のコ字状コア3Bの磁脚1bにはリアクタ巻線NR を巻回すると共に方形の板部1a及び1aに平行溝4を形成する。即ち、一方のコ字状コア3Aの板部1aには方形の面積を2分する様に中央から縦方向に平行溝4を形成し、他方のコ字状コア3Bには同じく方形の面積を2分する様に中央から奥行(横)方向に平行溝4を形成する。この平行溝3はギャップ長lg となる幅に選択され、平行溝3の深さd1 はd>d1 に選択して2枚には分割しない様になされている。
【0039】
上述のコ字状コア3A及び3Bの板部1a及び磁脚1b,1cの厚みd=5mmに選択し、制御巻線NC は図4(A)及び図5(A)と同様に1100T/0.1mmφとし、又、主巻線となるリアクタ巻線NR ′のターン数NR1′はNR1′=√2NR1としてNR1′=38T/0.1mmφ×20束(0.1mmφ×20本縒りリッツツ線)とし、従来のインダクタンスLR の2倍となる様なLR ′=2LR に選択し、平行溝3のギャップ長lg を500μmとし、フェライトコア材料にFE−9材を用いた場合のインダクタンス直流重畳特性は図1(C)の様な測定値を得ている。直流制御電流IC が5mA乃至20mAに於いてはインダクタンス可変範囲は0.2mH〜1.2mHと図4(B)及び図5(B)に比べて2倍の可変インダクタンス範囲となり、図5(B)に比べて直線性が大幅に改善され約12倍のダイナミックレンジが得られる。
【0040】
図1(A)の構成のPRTによれば制御巻線NC のターン数NC1′に直流制御電流IC を乗じたNC1′・IC の起磁力によって生ずる直流磁束φC ,φC ′の磁路中には、従来のPRTの様にギャップ2を構成せず、リアクタ巻線NR のターン数NR1′と交流電流IR を乗じたNR1′・IR の起磁力によって生ずる交流磁束φR ,φR ′の磁路中には平行溝3のギャップ4が存在するため直流制御電流IC 及び交流電流IR の僅少な領域では飽和せずインダクタンスLR は大きいが直流制御電流IC 及び交流電流IR の増加に伴って順次飽和するため図1(C)の特性により直線性とインダクタンスLR の低下が改善される。
【0041】
又直流磁束φC ,φC ′と交流磁束φR ,φR ′は磁脚1b,1c以外の板部1aでも直流磁束φC ,φC ′と交流磁束φR ,φR ′は加算し合ったり減算して合う為に直流磁束φC ,φC ′と交流磁束φR ,φR ′が相互に影響し合う領域が拡大している為にリアクタ巻線NR のインダクタンスLR ′の可変範囲が図1(C)の様に拡大される。
【0042】
又、直流制御電流IC とリアクタ巻線NR に流れる交流電流IR が小さいときは板部状コア1aの平行溝4の下の板部コア1a1 は飽和せず直流制御電流IC 及び交流電流IR が増加するに伴って、この部分も飽和するため直流制御電流IC と交流電流IR が小さい領域に於いてはリアクタ巻線NR のインダクタンスLR ′が増加することになる。
【0043】
上述の構成のPRTでは板部コアは2分割されていないので1つの平行溝4でギャップが構成されているのでPRTの組立が容易であり、製造時間を短縮することが可能となる。
【0044】
更に図1(C)からも明らかな様に、直流制御電流IC が5mA乃至20mAに於いて、図5(B)のインダクタンス直流重畳特性曲線に比べて、約12倍のダイナミックレンジに拡大され、商用交流電圧VACの変化に対するインダクタンスLR の可変範囲も2倍となりインダクタンスLR の値の変化も図5(B)に比べて平坦化された直線性が改善されているので図3で説明したブースト電圧制御方式の電圧共型コンバータによるソフトスイッチング電源回路に適用できるPRTを提供可能と成った。
【0045】
図1(B)の場合は1対のコ字状コア3A及び3Bの板部1a及び1aを2分する様に板部1a及び1aの高さ及び奥行方向の中心から奥行及び高さ方向にV字溝5を形成させた場合のPRTを示すもので図1(A)と同様の効果が得られる。
【0046】
図2(A)は本発明のPRTの他の形態例を示し、図2(B)はインダクタンス直流重畳特性図を示すものである。
【0047】
図2(A)のPRTではコ字状コアを互に直交して接合面にギャップ2を構成せずに接合し、夫々の磁脚1bに制御巻線NC とリアクタ巻線NR ′を巻回すると共に板部1aの厚みd′を磁脚1b,1cの厚みdに比較して縮小し磁芯(コア)断面積が低減されている。勿論図2(A)では必要に応じて平行溝3又はV字溝を板部に形成してもよい。
【0048】
今、d=5mm,d′=3.5mm、リアクタ巻線NR ′のターン数NR1′=21ターンとした場合のインダクタンス直流重畳特性は図2(B)の様に成り、直流制御電流IC 及び交流電流IR の増加に伴って徐々にコ字状コア3A及び3Bの板部コア1aが飽和するため直線性とインダクタンスの低下が図2(B)の様に更に改善される。
【0049】
【発明の効果】
本発明の直流磁界変圧器によると、制御巻線NC に流す直流の制御電流IC は従来と同一値に対し、従来の2倍のインダクタンス可変範囲値が得られて制御感度が大幅に向上され、その結果ブースト電圧制御方式電圧共振型コンバータによるソフトスイッチング電源回路を構成可能と成った。
【0050】
又、制御巻線の磁路中にギャップを構成させない為に僅かな直流制御電流でリアクタ巻線のインダクタンスを大幅に可変可能と成り制御範囲が拡大された直交磁界変圧器が得られた。
【0051】
又、リアクタ巻線及び制御巻線の磁路中に設けた溝ギャップは要求される可変インダクタンス特性によって適宜に選択出来てインダクタンス値のバラツキが解消されてて設計が容易と成る効果を有する。
【0052】
更に、PRTの組立てが容易となり、製造時間が短縮され、フェライト成型時の金型が1組でよく、金型管理と製造管理が短縮可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直交磁界変圧器とインダクタンス特性図である。
【図2】本発明の他の直交磁界変圧器とインダクタンス特性図である。
【図3】従来の電圧共振型ソフトスイッチング電源回路図である。
【図4】従来の直交磁界変圧器とインダクタンス特性図である。
【図5】従来の他の直交磁界変圧器とインダクタンス特性図である。
【図6】従来のソフトスイッチング電源回路の特性説明図である。
【符号の説明】
1‥‥コア(磁芯)、1a‥‥板部、1b,1c‥‥磁脚、3A,3B‥‥コ字状コア、NC ‥‥制御巻線、NR ‥‥リアクタ巻線、3‥‥平行溝、4‥‥V字溝

Claims (3)

  1. 一対のコ字状磁芯を構成する板部に溝状の磁気空隙を形成し、該一対のコ字状磁芯の板部に形成された溝状の磁気空隙の延在方向が互いに直交するように該一対のコ字状磁芯を互に直交して接合し、磁脚に磁界が直交する様に制御巻線及びリアクタ巻線を巻回し、該制御巻線及びリアクタ巻線の磁路中に上記磁気空隙を構成させ、該一対のコ字状磁芯の板部の厚みを制御巻線及びリアクタ巻線の巻回された磁脚の厚みより小さくして成る直交磁界変圧器。
  2. 前記対向配置したコ字状コアの板部に形成した前記磁気空隙が平行溝で構成されている請求項1記載の直交磁界変圧器。
  3. 前記対向配置したコ字状コアの板部に形成した前記磁気空隙がV字溝で構成されている請求項1記載の直交磁界変圧器。
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