JP2000114076A - 直交磁界変圧器 - Google Patents

直交磁界変圧器

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JP2000114076A
JP2000114076A JP10286803A JP28680398A JP2000114076A JP 2000114076 A JP2000114076 A JP 2000114076A JP 10286803 A JP10286803 A JP 10286803A JP 28680398 A JP28680398 A JP 28680398A JP 2000114076 A JP2000114076 A JP 2000114076A
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直交磁界変圧器を用いて電圧共振コンバータ
を構成してインダクタンスを可変する場合のインダクタ
ンス直流重畳特性のピーク値をヒステリシスカーブの第
1象限側に移動して増加させ、第3象限側に移動させて
減少させ、直線領域の拡大を図ると共に作り易い直交磁
界変圧器を得る。 【解決手段】 ダブルコ字状コア1f(1fa)とギャ
ップ2を介して板状コア1g又は他のダブルコ字状コア
1fbを接合させたコア1に制御巻線NC を巻回し、こ
の制御巻線NC に対しリアクタ巻線NR を対角方向にあ
る磁脚1b,1e又は1c,1d方向に45°で交叉す
る様に橋絡する様に巻回させて直交磁界変圧器を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスイッチングレギュ
レータ電源回路の共振型コンバータに用いる可飽和リア
クタの可変インダクタンス素子等に適用して好適な直交
磁界変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から汎用電子機器で負荷電力が25
0W以下の小電力機器電源のスイッチング電源として、
商用交流入力電圧を整流平滑し、直流電圧をブーストし
た後に、150kHz程度の高周波でスイッチングし、
被制御回路の直流出力電圧を安定化する様にしたスイッ
チングレギュレータ電源回路には高効率、低ノイズであ
る電圧或は電流共振型コンバータを用いたソフトスイッ
チング電源技術が利用されている。
【0003】図8は従来のブースト電圧制御方式の電圧
共振型コンバータを用いたソフトスイッチング電源回路
の1例を示すものである。
【0004】図8のブースト電圧共振型ソフトスイッチ
ング電源回路に於いて、商用電源AC間の交流電圧VAC
は制限抵抗Riを介してダイオードでブリッジ構成され
た整流回路Diで整流された後に、互に直列接続された
平滑用コンデンサCi′及びCiで構成された平滑回路
でブースト用直流電圧EB に変換される。
【0005】整流回路Diの直列接続点からの直流出力
はブーストダイオードDB を介して、後述する直交磁界
変圧器(Power Regulation Transformer: 以下PRTと
記す)のリアクタ巻線NR (インダクタンスLR )を介
して絶縁パワー変圧器(Power Isolation Transformer
:以下PITと記す)の1次巻線N1 及びN3 (夫々
のインダクタンスL1 及びL3 )の中点に接続されてい
る。
【0006】又、平滑回路を構成する平滑用コンデンサ
Ci′の正極側はPITの1次巻線N3 の巻始め点に接
続され、1次巻線N1 の巻終わりはスイッチング用トラ
ンジスタQ1 に並列接続された共振用コンデンサCrに
接続され、共振用コンデンサCrの他端は接地されてい
る。
【0007】更に、平滑回路の直列接続点は起動抵抗R
sを介してスイッチング用トランジスタQ1 のベース及
びクランプダイオードD1 の陰極並びに電流制限抵抗R
B の一端に接続されている。
【0008】電流制限抵抗RB の他端はチョークコイル
B 及び時定数コンデンサCB を介してPITの1次巻
線側のドライブ巻線ND (インダクタンスLD )の巻終
わり点に接続し、ドライブ巻線ND の巻始め点は接地電
位に落とされている。
【0009】スイッチング用トランジスタQ1 のエミッ
タは接地され、このスイッチング用トランジスタQ1
ベース・エミッタ間にクランプダイオードD1 が接続さ
れコレクタ・エミッタ間に共振用コンデンサCrが接続
されている。
【0010】PITの2次側巻線N2 及びN4 は夫々整
流回路D2 及びD3 を介して安定化した直流電圧E0
びE0 ′を得ると共にこれら直流電圧E0 及びE0 ′は
制御回路(以下CTLと記す)とに与えられる。このC
TLの出力はPRTの制御巻線NC に供給され、この制
御巻線NC の直流電圧(電流)を制御することでリアク
タ巻線NR のインダクタンスLR を可変して、ブースト
ダイオードDB に供給するブースト電圧を制御する様に
成されている。
【0011】上述の構成で、スイッチング用トランジス
タQ1 やチョークコイルLB 等の回路で電圧共振型コン
バータを構成し、ブーストダイオードDB からリアクタ
巻線NR に供給される電圧をスイッチングしている。電
圧共振コンバータは自励発振型の電圧共振コンバータを
構成し、スイッチング用トランジスタQ1 がオフの時に
スイッチング用トランジスタQ1 の電圧波形をチョーク
コイルLB と時定数コンデンサCB のLCで共振させて
正弦波状の電圧共振波形を得てPRTのリアクタ巻線N
R に供給されるブースト電圧をスイッチングする様に成
されている。
【0012】又、CTLは誤差アンプ等で構成され、例
えば商用電源ACの交流電圧VACの上昇や負荷電力P0
の減少に伴ってPRTの制御巻線NC の制御電流
(IC )を減少(又は増加)させ、リアクタ巻線NR
インダクタンスLR を増加(又は減少)させて出力電圧
0 又はE0 ′を一定値に安定化させる様に成されてい
る。
【0013】上述の回路に用いるPRTの具体的な構成
を図9(A)に示す。図9(A)でPRTはフェライト
磁芯(FE−3材)から構成され、略方形状の板部1a
と、この板部1aの4隅の頂点部から、この板部1aと
直交する方向に延設した磁脚1b,1c,1d,1eか
ら成るテーブルを横倒した形状の第1の磁芯(以下ダブ
ル(W)コ字状コアと記す)1fと略方形の板状の磁芯
(以下板状コアと記す)1gを上記4つの磁脚1b,1
c,1d,1eの端面に25μm乃至75μmの薄いマ
イラシートを挿入してギャップ2を構成して、上下及び
左右から視て方形状の貫通孔1h及び1h′が形成され
た直方体(又は立方体)状の磁芯(以下コアと記す)1
と成されている。
【0014】上述のWコ字状コア1fの板部1aの縦a
及び横bの寸法は例えばa=b=23mmに、Wコ字状
コア1fの4つの磁脚1b,1c,1d,1eの長さc
の寸法c=35mmに各磁脚1b,1c,1d、1eの
縦及び横dの寸法はd=7mmに選択し、板状コア1g
の厚みd′の寸法はd′=7mmに選択したコア1を作
成した。
【0015】次に図9(A)で示すWコ字状コア1fの
前方側の上下の磁脚1b及び1cとの間に互に橋絡する
様に0.1mmφの単線から成る制御巻線NC を110
0ターン巻回する。
【0016】更に、前方側の下側の磁脚1cと、後方の
下側の磁脚1eとの間に互に橋絡する様に0.1mmφ
の単線を43束としたリッツ線から成るリアクタ巻線N
R を27ターン巻回している。又、ギャップ2のギャッ
プ空隙は50μmとしたPRTを選択して、図8の回路
に用いてリアクタ巻線NR にスイッチング用トランジス
タQ1 でスイッチングされる交流電流IR を流し、制御
巻線NC にインダクタンス制御用の直流制御電流IC
流した場合にはリアクタ巻線NR と制御巻線NC とは互
に直交して磁脚1b,1c,1d,1eに巻回されてい
るので直流制御電流IC に制御巻線ターン数NC1を乗じ
た起磁力によって生ずる直流磁束φC と交流電流IR
リアクタ巻線ターン数NR1を乗じた起磁力によって生ず
る交流磁束φR を発生する。
【0017】図9(A)では前方側の磁路及び上方側の
磁路に流れる磁束φR 及びφC を示しているが、後方側
の磁路及び下方側の磁路にも図示しない磁束φR ′及び
φC′が発生しているが4磁脚の前方側及び後方側の磁
束φC ,φC ′,φR ,φR′は交流電流IR の極性に
よって加え合って例えばφR +φC 又はφR ′+φC
となったり、打ち消し合って例えばφR −φC 又は
φR ′−φC ′となったりし、加え合ったり、減じ合っ
たりした動作を繰り返している。
【0018】従って、加え合う磁脚ではB−Hカーブ
(Bは磁束密度、Hは磁界)のヒステリシス曲線の飽和
領域にあり、減じ合う磁脚ではB−Hカーブの非線形領
域であり、両側面、即ち板部1aと板状コア1gでは1
組の磁脚の断面積S=d×dに比べて大きくなるため磁
束密度Bは低くなって線形領域内にある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】図9(A)で説明した
PRTでギャップ2は50μmのマイラフィルムを介し
て接合した場合を説明したが、下方側の磁脚1cと1e
或は上方側の磁脚1bと1dと板状コア1gの突合わせ
面だけに50μmのギャップ2が形成された場合のイン
ダクタンス直流重畳特性曲線を図9(B)に示す。
【0020】図9(B)で横軸はPRTのリアクタ巻線
R に流す交流電流IR (A)、縦軸は制御巻線NC
流す直流制御電流IC をパラメータとしたリアクタ巻線
R側のインダクタンスLR (mH)の変化状態を示す
もので実線は上記した上部或は下部の一対の磁脚1b,
1d又は1c,1eと板状コア1gの接合面に50μm
のギャップ2を設けた場合であり、制御電流IC が増大
し、20mA〜30mAでは双頭型(M字型)のインダ
クタンス特性を示す。
【0021】又、4つの磁脚1b,1c,1d,1eと
板状コア1gとの接合面に25μmのギャップ2を形成
した場合には、図9(B)の点線で示す様な特性を示
す。
【0022】上述の様に従来のPRTでは磁束φR ,φ
R ′中のギャップは僅少のため交流電流IR の増加に伴
って4つの磁脚1b,1c,1d,1eが飽和する。こ
の為にリアクタ巻線NR のインダクタンス可変範囲は図
9(B)の様に6倍(0〜0.6mH)程度に限定され
てしまう為に次の様な問題が発生する。
【0023】(イ) インダクタンス可変範囲は直流制
御電流IC が10mA〜40mAに対して図9(B)の
様に約6倍程度しか変化しないため図8で説明したブー
スト電圧制御方式の電圧共振型コンバータによるソフト
スイッチング電源回路に適用すると、図10(A)の商
用交流電圧VACとブースト電圧EB 間の特性曲線に示さ
れる様に最大負荷電力P0maxと最小負荷電力P0min時の
ブースト電圧EB を略一定に制御する為には図10
(B)の商用交流電圧VACとリアクタ巻線NR のインダ
クタンスLR の特性曲線に示す様にPRTの1次巻線N
1 のインダクタンスL1 に対して、リアクタ巻線NR
インダクタンスLR はLR =(0.1〜1.2)L1
ダイナミックレンジが必要であり、略12倍の可変イン
ダクタンス範囲としなければならない問題があった。
尚、図10(A)でEiは平滑コンデンサCi端の電圧
である。
【0024】(ロ) 上述のPRTのリアクタ巻線NR
のターン数NR1のインダクタンスLRはギャップ長をl
g 、交流磁束φR の平均磁路長をlR 、リアクタ巻線N
R のコア断面積をS、真空透磁率をμ0 、フェライトコ
アの実効透磁率をμe とすればインダクタンスLR は次
の(1)式で求められる。 ここでインダクタンスLR の拡大を図るためにはコア断
面積Sやリアクタ巻線NR のターン数NR1を増加させれ
ばよいが、同時にPRTのギャップ長lg や平均磁路長
R が増加してPRTのサイズと重量が増加する問題も
発生する。
【0025】本発明は叙上の問題点を解消した直交磁界
変圧器(PRT)を提供しようとするものであり、発明
が解決しようとする課題は可変インダクタンス範囲を従
来の略2倍にしなくても適用可能なPRTを得ようとす
るもで、リアクタ巻線の磁路中に設けたギャップは可変
インダクタンス特性に応じて適宜選択可能なPRTを得
ようとするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は方形の板部1a
の頂点部から板部1aと直交する方向に4つの磁脚1
b,1c,1d,1eを延設したダブルコ字状磁芯1f
(1fa)の4つの磁脚1b,1c,1d,1eの端面
に平板状磁芯1g又は他のダブルコ字状磁芯(1fb)
の4つの磁脚1b,1c,1d,1eを突き合わせた形
状の磁芯1の隣り合う2つの磁脚1b,1c.1d,1
e.1b,1d.1c,1eを束にして巻回した制御巻
線NC に45°方向に2つの対角線方向の磁脚1c,1
d,1b,1eを束にして巻回したリアクタ巻線NR
巻回し、4つの磁脚1b,1c,1d,1eの突き合わ
せ面の上部或は下部の2つの磁極1b及び1d又は1c
及び1eの間に磁気空隙2を形成して成ることを特徴と
する直交磁界変換器としたものである。
【0027】本発明のPRTによればWコ字状コアの対
角線方向にリアクタ巻線を巻回し、板部の断面積を縮小
することでインダクタンス直流重畳特性のピーク値を第
1象限に移動して増加させ、第3象限は減少して、直線
領域が拡大してインダクタンス制御範囲の広いものが得
られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の直交磁界変圧器
(PRT)を図1乃至図6を用いて詳記する。図1
(A)及び図1(B)は本発明の1形態例を示すPRT
用コアの組立状態斜視図、並びにリアクタ巻線に流す交
流電流IR を変化させた時に制御巻線NC の直流制御電
流IC をパラメータとしたインダクタンスLR の変化を
示す直流重畳特性曲線を示すものである。
【0029】図1(A)に於いて、図9(A)との対応
部分には同一符号を付して重複説明は省略する。
【0030】図1(A)で方形の板部1aと、この板部
1aの4隅の頂点部から、この板部1aと直交する様に
磁脚1a,1b,1c,1dを板状コア1g側に延設し
たWコ字状コア1fの各寸法はa=b=23mm、c=
35mm、d=7mmに選択され、図1(A)の様に前
方側の上方の磁脚1bと下方の磁脚1c間に橋絡させる
様に巻回した制御巻線NC は図9(A)と全く同一構成
である。
【0031】更に、Wコ状コア1fの上側の磁脚1b及
び1d又は下側の磁脚1c及び1eと板状コア1gとの
接合面には25μm乃至50μmのマイラフィルムが挿
入されて磁気空隙(ギャップ)2が形成されている。
【0032】本例での図9(A)との相違点は主巻線を
構成するリアクタ巻線NR をWコ字状コア1fの4つの
磁脚1b,1c,1d,1eの対角線方向の磁極1b及
び1e又は/及び1c及び1dを橋絡し且つ制御巻線N
C に対し45°傾斜した方向に巻回されている。
【0033】即ち、制御巻線NC の所定ターン数NC1
を流れる直流電流IC との積NC1・IC で定まる起磁力
とリアクタ巻線NR の所定ターン数NR1内を流れる交流
電圧IR との積NR1・IR で定まる起磁力で生ずる夫々
の直流磁束φC 及び交流磁束φR が交流電流IR の正極
性で減じ合う様に成されている。
【0034】上述の構成のコア1では板状コア1gの厚
みdと磁脚1b,1c,1d,1eの縦及び横の寸法d
は図9(A)と同様にd=7mmに選択されている。
【0035】上述のリアクタ巻線NR に流す交流電流I
R で生ずる起磁力による磁束φR は例えば図1(A)の
破線の様に後方の上側の磁脚1dからギャップ2を介し
て板状コア1gを傾斜して通過し、前方の下側の磁脚1
cに板状コア1gとの接合部を介して流入する。
【0036】今、矢印で示す方向が交流電流IR の正極
性+であるとすれば直流磁束φC と交流磁束φR は互に
減じ合いヒステリシス曲線(B−Hカーブ)では非線形
領域であるため透磁率μは大きくなりインダクタンスL
R は大きくなる。
【0037】一方、交流電流IR が負極性であれば直流
磁束φC 及び交流磁束φR は加算され、ヒステリシス曲
線では飽和領域に移動する。この為透磁率μは小さくな
りインダクタンスLR は小さくなる。
【0038】従って、図1(A)に示すPRTのインダ
クタンス直流重畳特性の実測値は図1(B)の様に成
る。
【0039】このインダクタンス直流重畳特性図から明
らかな様にインダクタンス直流重畳特性のピーク値はヒ
ステリシス曲線の第1象限側に移動して増加し、第3象
限側に移動して減少するので直線領域が拡大されること
が解る。
【0040】図2(A)乃至図2(C)は本発明の他の
PRTの形態例とインダクタンス直流重畳特性を示すも
のであり、図2(A)は方形に形成してWコ字状コア1
fの4つの磁脚1b,1c,1d,1eの端面に接合さ
れる板状コア1gの厚みd′をd′<dに選択して、同
一面積となる様に前方側の磁脚1b,1c側から後方側
の磁脚1d,1e側に二分割して磁気空隙即、分割溝3
を形成して、板状コア1gを2つに分離した分割コア1
ga及び1gbの夫々の断面積S′=d2 と成るように
選択する。
【0041】更に、2枚に分割した分割コア1ga及び
1gbの前方側の磁脚1b及び1c寄り、或は後方側の
磁脚1d及び1e寄りのいずれかの分割溝3内にマイラ
フィルムを挿入し、例えば図1(A)の様に前方(後
方)側が開いて、後方(前方)側が閉じたV字状溝から
成るV字状ギャップ4を形成する。
【0042】上述の構成によれば、リアクタ巻線NR
ターン数NR1と交流電流IR を乗じたNR1・IR の起磁
力によって生ずる交番磁束φR の磁路中にはV字状のギ
ャップ4が存在するため直流制御電流IC 及び交流電流
R の増加に伴って、徐々に飽和するためインダクタン
スLR ′の低下が大幅に改善される。
【0043】図2(B)のPRTは板状コア1gを2分
割した分割コア1ga及び1gb間の分割溝3を図2
(A)の様にV字状のギャップ4とせずに平行ギャップ
4aと成した場合であり、Wコ字状コア1f並びに分割
コア1ga及び1gbは図2(A)と同一構成であり、
図2(A)のPRTに比べてインダクタンスLR の低下
を少なくすることが出来る。
【0044】又、本例の場合は必要に応じてWコ字状コ
ア1fを構成する方形の板部1aの厚みdをd′とし、
d′<dとし、板部1aのコア断面積S′=d2 となる
様にし、直流磁束φC と交流磁束φR が互に加算或は減
算し合う領域を拡大する様にし、インダクタンスLR
可変範囲を拡大可能にする様にしてもよい。
【0045】図2(C)は図2(A)のPRTのインダ
クタンス直流重畳特性を示すもので図1(B)に比べて
インダクタンス可変範囲が拡大されている。
【0046】図3(A)及び図3(B)は本発明の更に
他の形態例を示すPRTであり、図2(A)及び図2
(B)と異なる点のみを以下説明する。
【0047】図3(A)では板状コア1gの厚みd′は
磁脚1b,1c,1d,1eの縦及び横寸法dと比較し
てd′<dに選択され、断面積s′はs=d2 とし、更
に方形の板状コアlgの奥行(横方向)に平行に方形の
板部1gの面積を2分する様に中央に平行溝ギャップ5
aを形成する。この平行溝ギャップ5aはギャップ長l
g500μmとなる幅に選択され、平行溝3の深さd1
はd′>d1 に選択して板部1gは2枚には分割しない
様になされている。
【0048】図3(B)の場合は板状コア1gの厚みは
磁脚1b,1c,1d,1eの縦又は横の寸法dと同一
とし、板状コア1gの断面積s′=d2 として、板状コ
ア1gを2分する様に板状コア1gの高さ方向の中心か
ら奥行(横)方向にV字溝ギャップ5bを形成させた場
合のPRTを示すものである。
【0049】上述の図3(A)及び図3(B)のPRT
によれば、リアクタ巻線NR のターン数NR1と交流電流
R を乗じたNR1・IR の起磁力によって生ずる交流磁
束φR の磁路中には平行溝のギャップ5aやV字溝ギャ
ップ5bが存在するため直流制御電流IC 及び交流電流
R の増加に伴って、徐々に飽和するためインダクタン
スLR の低下が大幅に改善される。
【0050】又直流磁束φC と交流磁束φR は4組の磁
脚以外の板部1a及び板状コア1gでも直流磁束φC
交流磁束φR は加算し合ったり減算して合う為に直流磁
束φC と交流磁束φR が相互に影響し合う領域が拡大し
ている為にリアクタ巻線NRのインダクタンスLR の可
変範囲が拡大される。
【0051】又、直流制御電流IC とリアクタ巻線NR
に流れる交流電流IR が小さいときは板状コア1gの平
行溝5bの下の板状コア1gbは飽和せず直流制御電流
C及び交流電流IR が増加するに伴って、この部分も
飽和するため直流制御電流IC と交流電流IR が小さい
領域に於いてはリアクタ巻線NR のインダクタンスLR
が増加することになる。
【0052】上述の構成のPRTでは板状コア1gは2
分割されていないので1つの平行溝ギャップ5aやV字
溝ギャップ5bでギャップが構成されているのでPRT
の組立が容易であり、製造時間を短縮することが可能と
なる。
【0053】図4(A)及び図4(B)は本発明のPR
Tの更に他の形態例を示すものである。
【0054】図4(A)及び図4(B)に示すPRTは
一対のWコ字状コアの1fa及び1fbの磁脚1b,1
c,1d,1eの端面の上方又は下方に25μm〜75
μmのマイラフィルムを挿入してギャップ2を形成し
て、一方のWコ字状のコア1faの隣り合う2本の磁脚、
例えば1bと1c間に橋絡する様に制御巻線NC を巻回
し、他方のWコ字状コア1fbの対角線上の2本の磁
脚、例えば1cと1d間にリアクタ巻線NR を橋絡する
様に巻回し、対角線上の直流及び交流磁界を発生させる
様にする。
【0055】図4(A)では一対のWコ字状コア1fa
及び1fbの板部1aの厚みは夫々d′<dに選択する
と共に板部1aの両側面に平行溝ギャップ5a及び5a
を形成した場合の構成例を示す。
【0056】図4(B)の場合は一対のWコ字状コア1
fa及び1fbの夫々の板部1a及び1bの厚みは磁脚
1b,1c,1d,1eの寸法dと等しく選択し、板部
1a及び1aの両側面にV字溝ギャップ5b及び5bを
奥行方向に形成した場合であり、図4(A)の変形例で
ある。この構成のPRTに於いても図4(A)と同様に
フェライトのプレス金型が1組で良い等の効果が得られ
る。
【0057】図5(A)及び図5(B)は本発明のPR
Tの更に他の形態例を示すものであり、共にコア1は図
4(A)の様にWコ字状コア1fa及び1fbの夫々の
板部1a及び1aに平行溝ギャップ5aを設けていない
以外全く、図4(A)のWコ字状コア1fa及び1fb
と同じものである。
【0058】図5(A)及び図5(B)の構成では主巻
線と成るリアクタ巻線NR を2つに分割したもので図5
(A)の場合は一方のWコ字状コア1fbの前方側の下
側磁脚1cと後方側の上側の磁脚1d間に橋絡する様に
2分割した第1及び第2のリアクタ巻線NR1及びNR2
して巻回したものであり、図5(B)は一方のWコ字状
コア1fbの前方の上方側の磁脚1bと後方の下方側の
磁脚1eとの間に分割した第1のリアクタ巻線NR1を橋
絡する様に巻回し、同じく後方の上方側の磁脚1dと前
方の下方側の磁脚1cとの間に分割した第2のリアクタ
巻線NR2を互にクロスする様に巻回したものである。
【0059】上述の図1乃至図5で詳記した各PRTを
自励発振方式の共振型コンバータの制御技術に適用可能
な回路及びその動作波形を図6(A)及び図6(B)並
びに図7(A)及び図7(B)によって説明する。
【0060】図6(A)に於いて図8で説明した電圧共
振型ソフトスイッチング電源回路との対応部分には同一
符号を付して重複説明を省略するが、図6(A)は共振
用コンデンサCrと接地間の図6(B)に示す共振電圧
(Vcr)のパルス幅制御方式の電圧共振形コンバータ
を示すもので1次巻線N3 (インダクタンスL3 )とN
1 (インダクタンスL1 )より成るPITにPRTのリ
アクタ巻線NR が直列に接続され、リアクタ巻線NR
巻終わり点は電圧共振コンバータを構成するスイッチン
グトランジスタQ1 のコレクタ及び共振コンデンサCr
に接続され、スイッチングトランジスタQ1 のエミッタ
と共振コンデンサCrの一端は接地されている。
【0061】更に、平滑コンデンサCiとCi′の接続
点からブーストダイオードDB を介し図6(B)に示す
様に整流された正極性のブースト電流IB がPITの1
次巻線の中点タップに接続されている。
【0062】又、図7(A)はPRTによるブースト電
圧EB と共振コンデンサCrと接地間の図7(B)に示
す共振電圧(Vcr)のパルス幅が同時に制御される電
圧共振型コンバータを示すものであり、図7(A)の回
路構成は図8のPITの1次巻線を2分割し、PRTの
リアクタ巻線に中間タップを形成(或は図5の様に2分
割)して中間タップから取り出したブースト用電流IB
をPITの1次巻線N3 の巻き終わり点に接続し、リア
クタ巻線NR の巻き終わり点をPITの1次巻線N1
接続したものである。
【0063】この場合に共振コンデンサCr(Vcr)
とPRTのリアクタ巻線NR に流入するリアクタ電流I
R は図7(B)の様に成る。この場合、このリアクタ電
流IR とブースト電流IB は重畳した交流電流が流れる
が負極性の期間は短時間であり、絶対値も小さく、ほと
んど正極性期間のみと考えてもよい。
【0064】従って、制御巻線NC に供給される直流制
御電流IC が10mA乃至40mAのインダクタンス直
流重畳特性である図1(B)に示す様にリアクタ電流I
R が負極性の領域では直流磁界φC と交流磁界φR が加
え合うため急激に磁脚が飽和し、インダクタンスが低下
するがリアクタ電流IR が正の領域では直流磁束φC
交流磁束φR が減じ合うためヒステリシス曲線の線形領
域に移動するためインダクタンスは増加する。
【0065】従って、図6(A)及び図7(A)に示す
図6(B)のブースト電流IB 及び図7(B)のリアク
タ電流IR の様な正極性又は略正極性に近い電流の増加
に対してはインダクタンス値が増加することに成り、イ
ンダクタンス直流重畳特性のピーク値がB−Hカーブの
第1象限に移動して増加し、第3象限では減少して直線
領域が拡大し、制御範囲を広くすることが可能と成る。
【0066】
【発明の効果】本発明の直交磁界変圧器によればWコ字
状コアの対角線方向にリアクタ巻線を巻回し、板部断面
積を縮小することもでき、インダクタンス直流重畳特性
であるリアクタ電流(交流電流)IR が負極性の領域で
は直流磁界φC と交流磁界φが加算し合いヒステリシ
ス曲線の飽和領域に入り急激に磁脚が飽和し、インダク
タンスを低下させ、リアクタ電流Iが正の領域では
直流磁束φC と交流磁束φR が減じ合ってヒステリシス
曲線の線形領域に入りインダクタンスを増加させるため
に直線領域を拡大しインダクタンスの制御範囲を広げ
る。
【0067】又、リアクタ巻線の磁路中に設けたギャッ
プ(平行、V字、平行溝、V字溝)は要求される可変イ
ンダクタンス特性によって適宜に選択出来てインダクタ
ンス値のバラツキが解消されて設計が容易と成る効果を
有する。
【0068】更に、図4及び図5の構成ではPRTの組
立が容易となり、製造時間が短縮され、フェライト成型
時の金型が1組でよく、金型管理と製造管理が短縮可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直交磁界変圧器とインダクタンス直流
重畳特性図である。
【図2】本発明の他の直交磁界変圧器とインダクタンス
直流重畳特性図である。
【図3】本発明の更に他の直交磁界変圧器(I)であ
る。
【図4】本発明の更に他の直交磁界変圧器(II)であ
る。
【図5】本発明の更に他の直交磁界変圧器(III )であ
る。
【図6】本発明の直交磁界変圧器を使用可能な回路及び
波形説明図(I)である。
【図7】本発明の直交磁界変圧器を使用可能な回路及び
波形説明図(II)である。
【図8】従来の電圧共振型ソフトスイッチング電源回路
図である。
【図9】従来の直交磁界変圧器とインダクタンス特性図
である。
【図10】従来のソフトスイッチング電源回路の特性説
明図である。
【符号の説明】
1‥‥コア(磁芯)、1a‥‥板部、1b,1c,1
d,1e‥‥磁脚、1f,1fa,1fb‥‥ダブルコ
字状コア、1g‥‥板状コア、NC ‥‥制御巻線、NR
‥‥リアクタ巻線、3‥‥分割溝、4‥‥V字状ギャッ
プ、4a‥‥平行ギャップ、5a‥‥平行溝ギャップ、
5b‥‥V字溝ギャップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方形の板部の頂点部から該板部と直交す
    る方向に4つの磁脚を延設したダブルコ字状磁芯の該4
    つの磁脚端面に平板状磁芯又は他のダブルコ字状磁芯の
    4つの磁脚を突き合わせた形状の磁芯の隣り合う2つの
    磁脚を束にして巻回した制御巻線に45°方向に2つの
    対角線方向の磁脚を束にしてリアクタ巻線を巻回し、該
    4つの磁脚の突き合わせ面の上部或は下部の2つの磁極
    の間に磁気空隙を形成して成ることを特徴とする直交磁
    界変圧器。
  2. 【請求項2】 前記平板状磁芯を同一面積に成る様に2
    組に分離して平行な磁気空隙或は該平板状磁芯の前面側
    (又は後面側)から後面側(又は前面側)に向かってV
    字状と成された磁気空隙を形成して成ることを特徴とす
    る請求項1記載の直交磁界変圧器。
  3. 【請求項3】 前記平板状磁芯或は前記ダブルコ字状磁
    芯の板部に平行溝或はV字状溝の磁気空隙を形成して成
    ることを特徴とする請求項1記載の直交磁界変圧器。
  4. 【請求項4】 対角線方向に延設した前記磁脚に同一方
    向或は互いに直交する様に前記リアクタ巻線を巻回して
    成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のいず
    れか1項記載の直交磁界変圧器。
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