JPH07335456A - 可飽和リアクタトランス及びコンバータトランス - Google Patents

可飽和リアクタトランス及びコンバータトランス

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JPH07335456A
JPH07335456A JP6150564A JP15056494A JPH07335456A JP H07335456 A JPH07335456 A JP H07335456A JP 6150564 A JP6150564 A JP 6150564A JP 15056494 A JP15056494 A JP 15056494A JP H07335456 A JPH07335456 A JP H07335456A
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magnetic
shaped
winding
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JP6150564A
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自励式の電流共振形スイッチング電源回路に
備えられるパワーレギュレーショントランス(可飽和リ
アクタトランス)T1 及びコンバータトランスT2 の小
型・軽量化及び製造コストの削減を図る。 【構成】 例えば、珪素鋼板打ち抜き鉄心を積層して形
成したU字形磁性体1、2を互いに直交するように溶接
により接合して1つのコアを得る。そして、磁性体1の
一方の磁脚に巻線NB1、NB2、NR を巻装し、磁性体2
の一方の磁脚に対して制御巻線NC を巻装してパワーレ
ギュレーショントランスT1 を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は可飽和リアクタトランス
及びコンバータトランスに関わり、例えば自励式の電流
共振型のスイッチング電源に設けられている、可飽和リ
アクタトランスとコンバータトランスに適用して好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、電流共振型のスイッチング電源
は、所定のスイッチング周波数によってオン/オフ制御
されるトランジスタと、このトランジスタによって断続
される電流が流れるコンバータトランスを備え、このコ
ンバータトランスの2次側に巻装されているコイルから
出力電圧を得るように構成されている。また、上記コン
バータトランスの1次側のコイルは直列に接続されてい
る共振コンデンサによって共振回路を構成しており、こ
の共振回路の共振周波数と前記スイッチング周波数が一
致したときに最大の出力電圧が得られるように制御する
制御手段が付加されている。
【0003】この制御手段は、例えばスイッチングトラ
ンジスタの入力端子側に接続されている可飽和リアクト
ルとされるパワーレギュレーショントランスと、このパ
ワーレギュレーショントランスのインダクタンスを制御
するための制御回路によって構成されており、例えばコ
ンバータトランスの出力変動に対応する電圧、又は電流
を検出して前記パワーレギュレーショントランスに付加
されている制御巻線に流す電流をコントロールすること
によって、スイッチング周波数を変化し、コンバータト
ランスの出力変動を解消する方向に制御するようしてい
る。
【0004】図6は、このような電流共振型のスイッチ
ング電源の一例を示す回路図であり、この図においてA
Cは商用の交流電源を示し、この商用交流電源ACに対
して設けられるCMCはコモンモードノイズ除去のため
のコモンモードチョークコイルを、また、このコモンモ
ードチョークコイルCMCの後段の両極ライン間に挿入
されるCL は、ノーマルモードノイズを除去するアクロ
スコンデンサを示している。また、Di1 は4本のダイ
オードをブリッジ接続してなるブリッジ整流回路を示
し、入力された交流電源ACについて全波整流を行う。
Ciは平滑用コンデンサであり、上記ブリッジ整流回路
Di1 及びこの平滑用コンデンサCiにより整流平滑電
圧Eiが得られる。
【0005】次に、Q1 、Q2 はそれぞれスイッチング
素子としてのスイッチングトランジスタを示し、図のよ
うに整流平滑電圧Eiとアース間に対してそれぞれのコ
レクタ、エミッタを介して接続されている。また、スイ
ッチングトランジスタQ1 、Q2 の各コレクタ−ベース
間にそれぞれ挿入される抵抗RS1、RS2は起動抵抗を、
またスイッチングトランジスタQ1、Q2 の各ベース−
エミッタ間に挿入されるD1 、D2 はそれぞれダンパー
ダイオードを示す。また、抵抗RB1、RB2はそれぞれ、
スイッチングトランジスタQ1 、Q2 のベース電流(ド
ライブ電流)調整用抵抗を示している。そして、スイッ
チングトランジスタQ1 のベースと抵抗RB1、及びスイ
ッチングトランジスタQ2 のベースと抵抗RB2間にそれ
ぞれ設けられるCB1、CB2は共振用のコンデンサであ
り、次に説明するパワーレギュレーショントランスT1
の駆動巻線NB1、NB2と共に、自励発振用の直列共振回
路を形成している。
【0006】T1 はスイッチングトランジスタQ1 、Q
2 のスイッチング周波数を可変制御するパワーレギュレ
ーショントランス(PRT)を示し、この図の場合には
駆動巻線NB1、NB2及び共振電流検出巻線NR が巻回さ
れ、更にこれらの各巻線に対して制御巻線NC が直交す
る方向に巻回された直交型の可飽和リアクトルとされて
いる。なお、巻線NB1、NB2においてそれぞれ( )内
に示すLB はそのインダクタンスを示す。このパワーレ
ギュレーショントランスT1 の駆動巻線NB1の一端は抵
抗RB1に、他端はスイッチングトランジスタQ1 のエミ
ッタに接続される。また、駆動巻線NB2の一端はアース
に接地されると共に他端は抵抗RB2と接続されて、前記
駆動巻線NB1と逆の極性の電圧が出力されるようになさ
れている。また、電流検出巻線NR はスイッチングトラ
ンジスタQ1 のエミッタとスイッチングトランジスタQ
2 のコレクタの接点に接続されると共に、コンバータト
ランスT2 の一次巻線N1 の一端に対して接続される。
【0007】T2 はスイッチングトランジスタQ1 、Q
2 のスイッチング出力を二次側に伝送するための絶縁型
のコンバータトランスで、このコンバータトランスT2
の一次巻線N1 の一端は電流検出巻線NR と直列に接続
され、他端は共振コンデンサC1 を介してアースに対し
て接続されている。そして、これら共振コンデンサC1
及び一次巻線N1 を含むコンバータトランスT2 のイン
ダクタンス成分により共振回路を形成している。従っ
て、実際のコンバータトランスT2 においては、負荷電
力や交流入力電圧等の各種条件に適合する一次側の励磁
インダクタンス及び漏れインダクタンス(トランス結合
係数に相当する)が得られるように選定される。
【0008】そしてこの場合、コンバータトランスT2
の二次側には二次巻線N2 及びN3が設けられており、
例えば二次巻線N2 側に対しては図のようにブリッジ整
流回路Di2 と、このブリッジ整流回路Di2 のプラス
側の出力とアース間に接続された平滑用コンデンサC2
からなる整流平滑回路が設けられ、これにより、一次巻
線N1 の交流電圧で誘起されたエネルギーが二次巻線N
2 に伝送される結果、直流電圧出力E1 が得られること
となる。また、二次巻線N3 においてはアースに接地さ
れたセンタータップを設けると共に、ダイオードD3
4 による全波整流回路と平滑用コンデンサC3 が設け
られることで、直流電圧出力E2 が得られる。AMPは
例えば二次側の直流電圧出力E1 と基準電圧とを比較し
てその誤差に応じた直流電流を、制御電流IC としてパ
ワーレギュレーショントランスT1 の制御巻線NC に供
給する誤差増幅器である。
【0009】上記構成の電源装置における電流共振型の
スイッチング電源のスイッチング動作としては、先ず商
用交流電源が投入されると、例えば起動抵抗RS1、RS2
を介してスイッチングトランジスタQ1 、Q2 のベース
にベース電流が供給されることになるが、例えばスイッ
チングトランジスタQ1 が先にオンとなったとすれば、
スイッチングトランジスタQ2 はオフとなるように制御
される。そして整流平滑電圧Eiからスイッチングトラ
ンジスタQ1 →電流検出巻線NR →一次巻線N1 →コン
デンサC1 に共振電流が流れるが、この共振電流が0と
なる近傍でスイッチングトランジスタQ2 がオン、スイ
ッチングトランジスタQ1 がオフとなるように制御され
る。そして、スイッチングトランジスタQ2 を介して先
とは逆方向の共振電流が流れる。以降、スイッチングト
ランジスタQ1 、Q2 が交互にオンとなる自励式のスイ
ッチング動作が開始される。このスイッチングトランジ
スタQ1 、Q2 のスイッチング周波数は、駆動用巻線N
B1のインダクタンスとコンデンサC2 の容量、駆動用巻
線NB2のインダクタンスとコンデンサC3 の容量によっ
て決定される。このようにスイッチングトランジスタQ
1 、Q2 のスイッチング動作に伴い、共振コンデンサC
1 及び一次巻線N1 からなる電流共振回路に高周波の電
流が流れ、スイッチングによって蓄積されたエネルギー
はコンバータトランスT2 の2次巻線N2 、N3 に伝送
される。これら2次巻線N2 、N3 に励起された交流電
圧は、図に示すような整流平滑回路により直流電圧E
1 、E2 として、後段の負荷回路に供給されることにな
る。
【0010】次に、この電流共振型スイッチング電源回
路における定電圧制御について簡単に説明する。例えば
アッパ制御特性とされている時は、二次側の直流電圧E
1 が上昇すると、この変動を検出して誤差増幅器AMP
から出力される制御電流IC は増加する。このように制
御電流IC が増加した場合には、これに応じてパワーレ
ギュレーショントランスT1 のコアが飽和状態に近付い
ていくことになり、これによって被制御巻線である駆動
巻線NB1、NB2のインダクタンスは減少する。ところ
で、スイッチングトランジスタQ1 、Q2 のスイッチン
グ周波数は、それぞれ駆動用巻線NB1(NB2)のインダ
クタンスとコンデンサCB1(CB2)の容量によって決定
されるが、駆動用巻線のインダクタンスが減少するとス
イッチング周波数は高くなる。従って、この場合にはコ
ンデンサC1 とコンバータトランスT2 のインダクタン
ス成分による共振周波数に対するスイッチング周波数は
高くり、この条件ではコンバータトランスT2 の二次巻
線N2、3 側に励起される電圧は低下することになる。
この結果、二次側の直流電圧E1 およびE2 の電圧の上
昇は抑制されることになる。
【0011】また、二次側の直流電圧E1 が降下した場
合には、誤差増幅器AMPは、これに応じて減少された
制御電流IC を制御巻線NC に供給し、パワーレギュレ
ーショントランスT1 の駆動巻線NB1、NB2のインダク
タンスは上昇して、スイッチング周波数は低くなってい
くことになる。その結果、コンバータトランスT2 の一
次巻線に得られる電圧が上昇して二次側に得られる直流
電圧も上昇することになる。
【0012】ここで、上記のような電流共振型スイッチ
ング電源に用いられる、従来の一般的なパワーレギュレ
ーショントランス(可飽和リアクタトランス)T1 の構
造例を図7により示す。図7(a)の分解斜視図におい
て、21は4組の磁脚を設けて形成された磁性体を、2
2は平板状に形成された磁性体を示し、その材質として
は共にフェライト材を用いている。また、23は可飽和
特性を得るためにギャップを形成するマイラフィルム
(例えば50μ程度)を示している。次に、図7(b)
の斜視図に示すように、磁性体21の4本の磁脚の端部
側に磁性体22を対向させるように組み合わせて接合し
て1つのコアを形成し、この際、磁性体21の上側の一
対の磁脚と磁性体22との間に、マイラフィルム23を
挿入させることでギャップGを形成する。更に、このよ
うにして組み合わされたコアに対して、例えば図のよう
に巻線NB1、NB2、NR を一対の磁脚にまたがるように
巻装し、この巻装方向に直交する位置の一対の磁脚に対
して制御巻線NC を巻装することで、パワーレギュレー
ショントランスT1 を構成している。なお、この図で巻
線NB1、NB2、NR の巻装部分には実際には6つの端子
が引き出されるが、ここでは省略して2端子で示してい
る。
【0013】また、図7(c)及び(d)に示すような
パワーレギュレーショントランスも知られている。つま
り、4組の磁脚を設けて形成された磁性体21に対し
て、U字形の磁性体22を図のように組み合わせて接合
して1つのコアを形成すると共に、この際、上側の一対
の磁脚と磁性体22との間にマイラフィルム23を挿入
させてギャップGを形成する。そして、磁性体11側の
図7(d)に示す位置の2本の磁脚に対してまたがるよ
うに巻線NB1、NB2、NR を巻装し、制御巻線NC はこ
の巻装方向に直交するようにU字形磁性体の一方の磁脚
に対して巻装して構成している。なお、この場合の磁性
体11、12の材質も通常フェライト材を用いている。
【0014】次に、図6に示した電流共振型スイッチン
グ電源に用いられる絶縁型のコンバータトランスT2
構造例を図8に示す。図8(a)(b)はそれぞれE字
形の磁性体31、32を示し、この場合には共にフェラ
イト材が用いられている。また、これら2つのうち一方
のE字形磁性体32(図8(b))においては両者を組
み合わせた際にギャップが形成されるように中央磁脚を
厚みtだけ研磨する処理が行われる。そして、このよう
に形成したE字形磁性体31、32を、図8(c)に示
すように、2本の外磁脚の端部同志を組み合わせて接合
することで、EE形のコアを有するコンバータトランス
2 が構成される。なお、この接合の際には例えば接着
剤が用いられる。また、この図において33は分割ボビ
ンを示している。この分割ボビン33に対して、図のよ
うに一次側巻線N1 及び二次側N2 、N3 を分割して巻
装して一次側と二次側が疎結合となるようにして、漏れ
インダクタンスが得られるようにしている。例えばこれ
らの一次側巻線N1 及び二次側N2 、N3 は線径が60
φ程度のリッツ線とされており、これによりコンバータ
トランスT2 の巻線に流れる高周波電流(スイッチング
トランジスタのスイッチング出力)により発生する表皮
効果や近接効果により、交流抵抗が増加してしまうこと
を抑制することができる。また、中央磁脚のほぼ中央部
分には、図8(b)に示した厚みtの研磨によるギャッ
プG(ギャップ長=t)が形成されている。このギャッ
プ長tは実際に必要とされる一次側のインダクタンスに
応じて設定される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
にして構成されるパワーレギュレーショントランス(可
飽和リアクタトランス)T1 及びコンバータトランスT
2 においては、一般にコアの材質としてフェライトが用
いられているため、次に述べるような問題点を有してい
る。
【0016】先ず、その磁気特性上の観点から見た場合
には、フェライト材は最大飽和磁束密度と交流透磁率及
び実効透磁率が低いことが挙げられる。そこで、このよ
うな磁気特性を補って低磁束でも安定した動作が得られ
るようにするため、例えばコアの断面積を増加させるよ
うなことが行われるが、この場合にはトランス自身の大
形化を招くことになる。更に、これらの磁気特性は温度
変化に対しても大きく変動し、フェライト材の場合、最
大飽和磁束密度(Bs)は高温時に低下する。例えば、
一般に周囲温度が20℃の条件下では最大飽和磁束密度
は0.5(テスラ)であるが100℃では0.38(テ
スラ)程度となり、ほぼ24%低下する。一方、透磁率
は低温になるに従って低下することが知られており、例
えば一般にフェライト材では周辺温度が100℃となっ
た時に透磁率が最大となって鉄損も最小値となり、それ
より温度が低くなるにつれて透磁率は低下していくよう
な特性となる。即ち、フェライト材のコアを有するトラ
ンスの場合、そのインダクタンスや鉄損が周辺温度に対
して大きく変化する特性を有している。
【0017】ここで、図7(c)(d)に示す構造のパ
ワーレギュレーショントランスT1を例にとり、具体的
に磁性体21の磁脚及び磁性体22の幅C=3.3m
m、ギャップ長t=50μとし、各巻線のターン数につ
いてはNC =1000T、NR=1T、NB1、NB2=6
Tに設定されているものとすると、このパワーレギュレ
ーショントランスの温度変化に対するNB1、NB2のイン
ダクタンスLB (μH)の特性は図9の破線に示すもの
となる。また、スイッチング電流に対するレベルと
B1、NB2のインダクタンスLB (μH)の変化の割合
(パラメータは制御電流)は、図10の破線に示すもの
となる。なお、図9及び図10に示される実線について
は実施例の説明において後述することとする。例えば、
この図9に示される破線から分かるように、上記構造の
パワーレギュレーショントランスT1 は温度低下に伴っ
てインダクタンスLB が低くなっていくような変化を示
すことになり、例えば、温度が25℃と100℃の場合
で比較するとインダクタンスLB の変動は25%程度に
もなっている。従って、誤差増幅器AMPをはじめとす
る定電圧制御に関する回路部は、この温度変化の誤差に
対しても常に定電圧制御が可能なように構成されること
が必要となるが、特に、電源回路が交流入力電圧90V
〜288Vなどのいわゆるワイドレンジに対応すべきも
のとされていたり、負荷の最大〜最小の範囲が大きいよ
うな電子機器に対応するもおのとされている場合には、
特に制御範囲の幅を広く取る必要が生じ、トランスのみ
ならず電源回路全体の設計がそれだけ複雑で面倒なもの
となり、その分コストもかかることになる。
【0018】また、その構造上の観点からは次のような
問題点が挙げられる。先ず、フェライト材の場合、その
製造にあたっては焼成工程を要するものであるが、この
焼成後の寸法、磁芯断面積のバラツキ、及び磁脚部分の
反り等が避けられず製品の精度が非常に不安定である。
このような誤差を考慮した場合、コア自身の小型化を更
に進めることは困難であり、また焼成後にはコア同志の
接合面やギャップを研磨する(図8(b)の中央磁脚の
斜線部分がその研磨部分とされる)などして、そのバラ
ツキを補償するための工程が必要となる。また、コアが
フェライト材である場合の磁性体同志の接合に際して
は、接着剤が必要で、更にこれだけでは充分な接合が得
られないこともあるため、コアの外周に対して外装テー
プを巻いたり、締め付け金具等により締め付けることで
磁性対同志の接合を強めるようなことも行わねばならな
い。更には、フェライト材自体はもろい材質であるため
その扱いにも注意が必要で、例えば組立、物流の工程時
に特に磁性体の振動落下を防ぐための管理、システムを
要求されることにもなる。
【0019】例えば具体的には、図7(a)(b)に示
した構造のパワーレギュレーショントランスT1 であれ
ばフェライトの磁性体21、22のCで示される幅は、
焼成後に生じる反りを考慮すると約5mm程度が歩留ま
りの限度であり、図7(c)(d)に示したパワーレギ
ュレーショントランスT1 ではC=3.3mm程度とさ
れており、それ以上の小形計量化は非常に困難である。
また、図8に示したコンバータトランスにおいて、具体
的に各部分の寸法についてA=28mm,B=16.9
mm,C=11.4mm,D=9.9mm,E=21.
2mm,F=12.5mm,H=3.4mmとした場合
には、例えば焼成後の寸法誤差は、Aが約±0.55m
m、B,C,Dが約±0.25mm、Fが約±0.3m
mとなる。例えばこのような寸法誤差による不都合とし
て、コアの磁脚間の空間が狭くなって巻線分割ボビン3
3の取り付けが不可能になるものができ、歩留まりが低
下するということがある。そこで、例えば巻線分割ボビ
ン33を磁性体32、32との間に充分な遊びが得られ
る程度の寸法に形成しておけば、上記のような不都合は
避けられる。しかし、このような手段を講じた場合、歩
留まりは維持することができるが、結果として巻線N
1 、N2 、N3 を巻装するための窓面積が小さくなって
しまうことになり、これを拡大しようとすれば、磁性体
自体のサイズを大きくする必要が生じる。
【0020】このように、パワーレギュレーショントラ
ンスT1 、コンバータトランスT2のいずれにおいても
コアにフェライト材を用いると、温度変化の影響及び磁
性体の成形のバラツキが無視できず、これによりトラン
ス自体の小型軽量化の実現が困難であり、更に製造工程
及びトランスを含む回路設定等の複雑化とこれに伴うコ
スト高の問題を抱えることとなる。
【0021】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
問題点を解決するため、電流共振型のスイッチング電源
回路に備えられ、スイッチング素子を駆動する被制御巻
線と、スイッチング素子のスイッチング周波数をコント
ロールするための制御電流が供給される被制御巻線が巻
装されるコアを有する可飽和リアクタトランスにおい
て、前記コアは珪素鋼板の打抜き鉄心又は渦巻き鉄心に
よるカットコアを用いることとした。また、可飽和リア
クタトランスのコアとしては、2つのU字形の珪素鋼板
の打抜き鉄心を、互いに磁束方向が直交するように組み
合わせる、又は、一つの渦巻き鉄心を分断して得られる
U字形鉄心を、互いに磁束方向が直交するように組み合
わせる、又は、2つのE字形の珪素鋼板の打抜き鉄心
を、互いに磁束方向が直交するように組み合わせる、2
つのダブルU字形の珪素鋼板の打抜き鉄心を組み合わせ
る、又は2つのダブルE字形の前記珪素鋼板の打抜き鉄
心を、互いに磁束方向が直交するように組み合わせる、
の何れかの組み合わせにより構成することとした。そし
て、このように組み合わせた2つの鉄心を溶接により接
合することとした。
【0022】電流共振型のスイッチング電源回路に備え
られ、スイッチング素子のスイッチング電流が流れる一
次巻線と、この一次巻線に流れるスイッチング電流によ
り交流電圧が励起される二次巻線が巻装されるコンバー
タトランスのコアに、珪素鋼板の打抜き鉄心を用いるこ
ととした。そして、コアの構造としては、EE形、EI
形、目字形、ダブルU字形鉄心とI字形鉄心の組み合わ
せ、1対のダブルE字形鉄心の組み合わせ、及びダブル
E字形鉄心とI字形鉄心の組み合わせのうちの何れかに
より構成することとし、これらの鉄心を接合する際には
溶接により行うこととした。
【0023】
【作用】上記構成のように、可飽和リアクタトランス及
びコンバータトランスのコアに珪素鋼板の打ち抜き鉄心
を磁性体として使用することで、磁気特性として大きな
最大飽和磁束及び高い透磁率が得られると共に、温度変
化に対してもこれら磁気特性は一定となる。また、打ち
抜き鉄心は例えばプレス加工により形成可能であるとい
う関係上、製品の寸法精度が高くなると共に、磁性体の
接合手段として溶接を採用することなどによって、フェ
ライト材の場合のような研磨工程、接着材による接着及
びテープや金具等による固定のための工程が削減され
る。また、珪素鋼板の打ち抜き鉄心によりコアを構成す
れば、例えばプレス用の金型形状により各種異なるコア
形状が容易に得られ、例えばダブルU字形あるいはダブ
ルE字形の鉄心を形成してこれを用いた場合には、低漏
洩磁束の可飽和リアクタトランスやコンバータトランス
を得ることが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明による可飽和リアクタトランス
(パワーレギュレーショントランス)及びコンバータト
ランスの実施例について説明する。なお、本実施例の可
飽和リアクタトランス及びコンバータトランスが備えら
れる電流共振形のスイッチング電源回路の構成は図6に
示したものと同様でよい。
【0025】そこで、先ず図1、図2及び図9、図10
を参照して、本実施例の可飽和リアクタトランス、即ち
パワーレギュレーショントランスT1 について説明する
こととする。図1(a)は本実施例のパワーレギュレー
ショントランスT1 のコアに用いられる磁性体1、2を
示しており、両者は所定の割合(例えば3.5%あるい
は6.5%程度)のSiが含有された珪素鋼板を図のよ
うにU字形に打ち抜いたものを積層して得ることができ
る。例えば、本実施例のような珪素鋼板を用いれば、最
大飽和磁束はフェライト材の3倍程度に、また、透磁率
は1.5倍程度に向上させることができる。また、プレ
ス金型により打ち抜かれて図に示す鋼板の形状が得られ
るため、常に高い寸法精度を容易に維持することができ
る。したがって、フェライト材の場合のようにいったん
磁性体の形状を形成した後に研磨処理して修正等を加え
る必要がなく、また、フェライト材の場合よりも細かい
加工形状を容易に作り出すことも可能となり、磁性体そ
のものの小型化が実現される。
【0026】そして、上記図1(a)に示した磁性体
1、2を図1(c)に示すように互いが直交する方向に
ギャップ無しで組み合わせた上で、互いの当接部分を溶
接により接合する。このように溶接により接合すれば、
接合の強度も充分なのでフェライト材の場合のように、
金具等により固定する必要は特に無くなり、それだけ工
程数が削減される。そして、珪素鋼板打ち抜き鉄心によ
りトランスのコアを形成する場合、その工程が主に鋼板
の打ち抜き、積層、鉄心溶接などであるために、これら
の工程を自動化して低コストを図ることが可能である。
そして、この図のように接合されているコアの磁性体1
側に図のように各巻線NB1、NB2、NR を巻装し(な
お、引出線は実際には6本とされるがここでは、省略し
て2本により示す)、磁性体2側に対しては巻線NB1
B2、NR の巻方向に直交するように制御巻線NC を巻
装する。これにより本実施例のパワーレギュレーション
トランスT1 が構成される。なお、図1(b)に示すよ
うに渦巻き鉄心3を図の一転鎖線で示すように分断して
一対のU字形磁性体4、5を形成し、この磁性体4、5
を互いに直交するように組み合わせて接合しても、図1
(c)と同様のコアが得られて本実施例のパワーレギュ
レーショントランスT1 を構成することができる。
【0027】例えば、図1(c)に示したパワーレギュ
レーショントランスT1 の具体的な選定としては、3%
のSi含有率で板圧0.23mm、各寸法A=10m
m、B=7.5mm,C=2mmの打ち抜き鉄心を43
枚積層して各磁性体1、2を形成し、各巻線のターン数
として制御巻線NC を1000T、NB1、NB2を3T、
R を1Tで構成することができる。そして、このよう
な構成のパワーレギュレーショントランスT1 におけ
る、温度変化に対するNB1、NB2のインダクタンスLB
(μH)の特性を図9の実線に示す。この図から、本実
施例のパワーレギュレーショントランスT1 は珪素鋼板
を磁性体として用いていることで温度変化に対しても磁
気特性が一定とされ、従って巻線NB1、NB2のインダク
タンスLB も温度変化に関わらず一定となることが分か
る。また、上記構成のパワーレギュレーショントランス
1 のスイッチング電流レベルとNB1、NB2のインダク
タンスLB (μH)との関係を図10の実線に示してい
るが、珪素鋼板を磁性体の使用により最大磁束密度及び
透磁率等の磁気特性がフェライト材の場合に比較して高
いため、従来のフェライト材をコアに用いた場合の特性
(破線)に比べ、インダクタンスLB の変化が大きい。
【0028】このように、本実施例のパワーレギュレー
ショントランスT1 はその磁気特性が改善されているた
めに、温度変化によるインダクタンスLB の変動を考慮
しなくても良くなったため、スイッチング電源の回路設
計もより容易なものとすることができ、また、最大磁束
密度及び透磁率が高いために、フェライト材の磁性体と
比較した場合には同一のコアの断面積であれば、巻線の
巻数を低減することが可能であり、また、同一巻数の条
件であればコアの断面積を縮小させて、トランスの小型
・軽量化を図ることができる。
【0029】次に、図2(a)(b)(c)により、他
の実施例としてのパワーレギュレーショントランスT1
の各種構成例を説明する。図2(a)に示すパワーレギ
ュレーショントランスT1 は、磁性体1、2として共に
E字形の珪素鋼板打ち抜き鉄心を積層したものが用いら
れる。この際、2本の外磁脚の幅をCとし、中央磁脚の
幅は2Cとされている。そして、これらの磁性体1、2
を、図のように互いが直交するように組み合わせて接合
して一体のコアを形成する。この接合は例えば溶接によ
り行われる。そして、このように組み合わされたコアに
おける磁性体1の中央磁脚に対して巻線NB1、NB2、N
R を巻装し、磁性体2側の中央磁脚に対して制御巻線N
C を巻装してパワーレギュレーショントランスT1 が構
成される。
【0030】また、図2(b)に示すように、珪素鋼板
の打ち抜き鉄心の積層により、それぞれ幅Cの2本の内
磁脚とその両側の2本の外磁脚を有するようなダブルU
字形の磁性体1、2を形成する。そして、この場合には
磁性体1、2を互いの磁脚の端部が対向するようにギャ
ップ無しで平面的に組み合わせて溶接等により接合し
て、目字形コアを形成する。更に、磁性体1側の1本の
内磁脚とこの内磁脚の隣の位置の外磁脚にまたがるよう
に巻線NB1、NB2、NR を巻装し、一方、制御巻線NC
は磁性体2側の2本の内磁脚にまたがるように巻装して
も本実施例のパワーレギュレーショントランスT1 を構
成することができる。
【0031】あるいは図2(c)に示すように、珪素鋼
板の打ち抜き鉄心によりダブルE字形の磁性体1、2を
形成し、この際、例えば各2本の外磁脚と内磁脚は幅C
を有し、1本の中央磁脚は幅2Cを有するように形成さ
れる。そして、これらの磁性体1、2を図のように互い
が直交するように組み合わせて溶接等により接合して、
磁性体1の中央磁脚に対して巻線NB1、NB2、NR を巻
装し、磁性体2側の中央磁脚に対して制御巻線NC を巻
装してパワーレギュレーショントランスT1 が構成され
る。
【0032】このように、図2(a)(b)(c)のそ
れぞれに示すように構成しても、珪素鋼板を利用してい
ることで、上述してきたような磁気特性が得られると共
に加工精度が向上して、同様にトランスの小型・軽量
化、工程数の削減、低コスト等が実現される。更に、例
えば図2(b)に示すパワーレギュレーショントランス
1 においては、その接合状態から、磁性体1、2の接
合部分の絶縁皮膜分のわずかな厚みも無くなるようにさ
れることから、より大きなインダクタンスLB の変化を
得ることが可能でそれだけパワーレギュレーショントラ
ンスT1 による制御感度が向上することにもなる。ま
た、図2(c)に示すパワーレギュレーショントランス
においては、1本の中央磁脚とその両外側の2本の内磁
脚からなる磁気回路から漏れた漏洩磁束が、内磁脚のさ
らに両外側の2本の外磁脚に吸収されることからトラン
ス外部に磁束が漏れず、例えば特にシールド処理を施さ
なくても他の回路部に影響を及ぼさないため、それだけ
低コスト、小型化を図ることが可能となる。
【0033】なお、上述してきたパワーレギュレーショ
ントランスT1 はB−Hのヒステリシスカーブ上におけ
る飽和領域まで動作するため、例えば巻線NB1、NB2
Rに流れる電流が50KHz 以上程度になると鉄損が増
加して鉄心の温度上昇を伴うこともあるが、この場合に
は、例えば最も鉄損が少ないとされるSi含有率6.5
%の珪素鋼板を用いたり、あるいは鋼板の板圧を0.1
mm〜0.05mm程度までに薄くしたものを用いるこ
とで鉄損を低下させることができる。
【0034】次に、図3〜図5を参照して本実施例のコ
ンバータトランスの構成について説明することとする。
図3(a)は、本実施例のコンバータトランスT2 に用
いられる珪素鋼板打ち抜き鉄心によるE字形の磁性体1
1(及び12)を示している。このE字形磁性体11の
中央磁脚は、磁性体接合時にギャップが形成されるよう
t/2で示される所定幅だけ両側の外磁脚の長さFより
も短くなるように形成されている。この長さFよりt/
2だけ短い中央磁脚の形成は、金型形状をこれに対応し
て形成していることで打ち抜き工程の段階で行うことが
できる。従って、磁性体11の各部の寸法の精度は金型
により決定することから、この誤差は例えば寸法Aが±
0.2mmとされ、B、C、D、F等の各部分が約±
0.1mm程度となり、フェライト材で同サイズのもの
を成形しようとした場合の約1/3程度のバラツキ具合
に抑えることができる。これにより、磁性体の小型化を
容易に図ることができる。
【0035】そして、上記のようにして形成された磁性
体11と、この磁性体11と同様に形成されたE字形の
磁性体12を、互いに対応す磁脚が対向するようにして
平面的に組み合わせて接合すれば、図3(b)に示すよ
うにEE形のコアが得られる。この図に示すEE形のコ
アにおいて中央磁脚に形成されているGはギャップを示
し、そのギャップ長はt/2×2=tとされることにな
る。また、13は分割ボビンを示しているが、この場
合、前述のように磁性体の寸法誤差が小さいことから、
フェライト材の場合のように磁性体とボビン間に相当の
あそびを設ける必要がなくなり、磁性体の小型化を図り
ながら巻線のための窓面積を大きくすることができる。
また、ギャップ形成も打ち抜き工程において磁性体形状
の形成と同時に行われるので、フェライト材のように焼
成後に研磨をするような工程は省略することができる。
そして、最大飽和磁束密度及び透磁率等の磁気特性がフ
ェライト材より高くなると共に温度変化によらず一定と
なるため、例えばコアの断面積が従来のフェライト材の
場合と同一であるとすれば、巻線N1 、N2 、N3 の各
巻数を少なくしたうえで、動作磁束密度を向上(例えば
0.75テスラ程度)させると共に 温度変化の条件等
を考慮することなく、所要の一次側の励磁インダクタン
スや漏れインダクタンスが得られるように各部を選定す
ればよいこととなり、トランスの設計や回路設計も容易
となる。更に、図3(c)に示すように、組み合わせる
べき一方の磁性体12をI字形としてEI形のコアを形
成し、例えば図に示すように分割ボビン13を設けたう
えで各巻線N1 、N2 、N3 を巻装してコンバータトラ
ンスT2 を構成することもできる。
【0036】次に、図4は他の実施例としてのコンバー
タトランスT2 の構成を示すものであり、この場合の磁
性体11(及び12)には、図4(a)に示すようにダ
ブルE字形の珪素鋼板打ち抜き鉄心が用いられ、この場
合も中央磁束はギャップ形成のためにt/2で示される
幅だけ両側の内・外磁脚の長さよりも短くなるように形
成されている。そして、図4(b)に示すようにこのダ
ブルE字形の磁性体11、12を互いの対応する磁脚が
対向するように接合したコアを得て、更に図のように分
割ボビン13を設けて、これに対して各巻線N1 、N
2 、N3 を図のように分割して巻装することで構成され
る。あるいは図4(c)に示すように、ダブルE字形の
磁性体11と磁性体12をI字形に形成して、これらを
組み合わせることによってもコンバータトランスT2
構成することが可能である。これら図4(b)(c)に
示した構成によっても、図3にて説明したコンバータト
ランスT2 と同様の効果が得られるが、特に本実施例で
は、ダブルE字形の磁性体が使用されていることから低
漏洩磁束とされる。
【0037】図5は更に他の実施例としてのコンバータ
トランスT2 の構造を示すもので、この場合の磁性体1
1(及び12)としては、図5(a)に示すようにダブ
ルU字形とされ、ギャップ形成のために、2本の内磁脚
が両外側の外磁脚に対してt/2の厚みだけ短くされて
いる。そして、図5(b)に示すようにこれらの磁性体
11、12を互いの対応する磁脚が対向するように接合
し、更に図のように分割ボビン13を設けてこれに図の
ように各巻線N1 、N2 、N3 を巻装してコンバータト
ランスT2 を構成している。この場合には2本の内磁脚
部分にそれぞれ長さtのギャップGが形成される。ある
いは図5(c)に示すように、磁性体11と磁性体12
をダブルU字形とI字形にそれぞれ形成して、これらを
組み合わせることによってもコンバータトランスT2
構成することができ、この場合には図に示す内磁脚部分
にギャップG、Gが形成される。そして、この場合に
も、図3にて説明したコンバータトランスT2 と同様の
効果が得られるほか、2本の内磁脚により形成される磁
気回路の漏洩磁束が外磁脚に吸収されて、低漏洩磁束の
コンバータトランスT2 が得られることとなる。
【0038】なお、図3〜図5に示した各実施例におけ
るコンバータトランスT2 のいずれにおいても、磁性体
11、12を接合する際には溶接により行うことが可能
とされる。従って、コンバータトランスT2 の製造工程
においても、パワーレギュレーショントランスT1 の場
合と同様に、接合した磁性体をテープで巻いたり、金具
により締め付けるような工程は不要となり、また、この
場合もコンバータトランスT2 の組み立てはパワーレギ
ュレーショントランスT1 の場合と同様、鉄心の打ち抜
き、積層、溶接による接合等の工程が主であって、これ
らの工程は自動化が容易とされ、製造能率も向上するこ
とになる。
【0039】また、本発明の可飽和リアクタトランス可
飽和リアクタトランス、コンバータトランスの構造及び
その部品や寸法等の具体的な選定等は上記各実施例にお
いて説明したものに限定されるものではなく、本発明の
要旨内において変更が可能とされる。更に、本発明の可
飽和リアクタトランス、コンバータトランスが備えられ
る電流共振型スイッチング電源回路の回路構成も図6に
示したものに限定される必要はなく、誤差増幅器の具体
的構成や、制御電流IC の供給方法など、諸条件に応じ
て各種変更が可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の可飽和リア
クタトランス及びコンバータトランスは、コアに用いる
磁性体として、打ち抜き形成が容易とされた珪素鋼板を
積層したものを用いて、例えば従来のフェライト材より
も磁気特性や温度特性及び成形品の精度を高めるように
したことで、結果としてトランスの小型・軽量化が図ら
れてスイッチング電源装置の縮小が可能になるという効
果を有することとなった。また、トランス及び回路設計
の容易化、製造工程の省略及び自動化が実現可能され、
更にはその材質上、磁性体の振動や落下に対する管理が
フェライト材の場合ほどシビアに要求されないことなど
により、コストも大幅に削減されることになるという効
果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての可飽和リアクタトラン
スの構造を示す斜視図である。
【図2】本実施例の可飽和リアクタトランスの構造を示
す斜視図である。
【図3】本実施例のコンバータトランスの構造を示す斜
視図である。
【図4】本実施例のコンバータトランスの構造を示す斜
視図である。
【図5】本実施例のコンバータトランスの構造を示す斜
視図である。
【図6】本実施例の可飽和リアクタトランス及びコンバ
ータトランスが備えられる電流共振形のスイッチング電
源回路を示す回路図である。
【図7】従来例としての可飽和リアクタトランスの構造
を示す斜視図である。
【図8】従来例としてのコンバータトランスの構造を示
す斜視図である。
【図9】可飽和リアクタトランスの温度に対するインダ
クタンス特性を示す説明図である。
【図10】可飽和リアクタトランスにおいて制御電流レ
ベルをパラメータとするスイッチング電流とインダクタ
ンスの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パワーレギュレーショントランス(可飽和リアク
タトランス) T2 コンバータトランス 1、2、11、12 磁性体 13 分割ボビン G ギャップ NB1,NB2 駆動用巻線 NR 電流検出巻線 NC 制御巻線 N1 一次巻線 N2 ,N3 二次巻線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02M 3/28 H H01F 27/24 B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流共振型のスイッチング電源回路に備
    えられ、スイッチング素子を駆動する被制御巻線と、前
    記スイッチング素子のスイッチング周波数をコントロー
    ルするための制御電流が供給される制御巻線が巻装され
    るコアを有する可飽和リアクタトランスにおいて、 前記コアは、珪素鋼板の打抜き鉄心又は渦巻き鉄心によ
    るカットコアが用いられていることを特徴とする可飽和
    リアクタトランス。
  2. 【請求項2】 前記コアは、2つのU字形の前記珪素鋼
    板の打抜き鉄心を、互いに磁束方向が直交するように組
    み合わせて構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の可飽和リアクタトランス。
  3. 【請求項3】 前記コアは、一つの渦巻き鉄心を分断し
    て得られるU字形鉄心を、互いに磁束方向が直交するよ
    うに組み合わせて構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の可飽和リアクタトランス。
  4. 【請求項4】 前記コアは、2つのE字形の前記珪素鋼
    板の打抜き鉄心を、互いに磁束方向が直交するように組
    み合わせて構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の可飽和リアクタトランス。
  5. 【請求項5】 前記コアは、2つのダブルU字形の前記
    珪素鋼板の打抜き鉄心を組み合わせて構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の可飽和リアクタトラン
    ス。
  6. 【請求項6】 前記コアは、2つのダブルE字形の前記
    珪素鋼板の打抜き鉄心を、互いに磁束方向が直交するよ
    うに組み合わせて構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の可飽和リアクタトランス。
  7. 【請求項7】 前記コアは、組み合わされる2つの鉄心
    が溶接により接合されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項6に記載の可飽和リアクタトランス。
  8. 【請求項8】 電流共振型のスイッチング電源回路に備
    えられ、スイッチング素子のスイッチング電流が流れる
    一次巻線と、該一次巻線に流れるスイッチング電流によ
    り交流電圧が励起される二次巻線が巻装されるコアを有
    するコンバータトランスにおいて、 前記コアは、珪素鋼板の打抜き鉄心が用いられているこ
    とを特徴とするコンバータトランス。
  9. 【請求項9】 前記コアは、EE形、EI形、目字形、
    ダブルU字形鉄心とI字形鉄心の組み合わせ、1対のダ
    ブルE字形鉄心の組み合わせ、及びダブルE字形鉄心と
    I字形鉄心の組み合わせのうちの何れかにより構成され
    ていることを特徴とする請求項8に記載のコンバータト
    ランス。
  10. 【請求項10】 前記コアは、組み合わされる2つの鉄
    心が溶接により接合されていることを特徴とする請求項
    8又は請求項9に記載のコンバータトランス。
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