JP4351856B2 - 被覆組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、インキなどに用いられる被覆組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被覆組成物は、アクリル系単量体を主体とするビニル系共重合体を含むものであって、ABS、PVC、PSなどのプラスチック基材に対して良好に密着することから、家電製品、オーディオ機器、玩具、フィルム包材などのプラスチック基材向け塗料、インキ用途に用いられている。ところが、このようなビニル系共重合体は熱可塑性樹脂であるため、耐摩耗性が不十分であり、その被膜は表面に傷が付きやすく、意匠性が低かった。
そこで、被膜の耐摩耗性を改善することを目的として、塗料化またはインキ化する際に各種ワックス類を添加することが検討されている。ワックス類としては、例えば、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸およびそのエステル、シリコーン類など様々なものが挙げられ、目的とする用途に応じて使い分けられる。
例えば、特許文献1には、特定の被膜形成性樹脂に脂肪酸エステルワックスを添加した塗料組成物が提案されている。そして、この塗料組成物から形成された被膜は、動摩擦係数が低くなっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−204375号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ワックス類を添加した組成物から形成された被膜は、光沢が低下する上に、接着剤、インキ、上塗り塗料などを塗布した場合、被膜と接着剤、インキ、上塗り塗料との密着性が不十分になることがあった。そのため、耐摩耗性、光沢、密着性のいずれもが優れたものが求められていた。
さらに、近年、プラスチック用塗料においては、耐薬品性として耐アルコール性が特に求められている。耐アルコール性の改善方法としては、ビニル系共重合体の分子量、ガラス転移温度を高めることが知られているが、十分な耐アルコール性が得られる程度まで分子量やガラス転移温度を高めると、プラスチック基材との密着性や光沢が犠牲になる場合があった。したがって、ビニル系共重合体の分子量、ガラス転移温度を高めただけでは、耐アルコール性、光沢、密着性のいずれもが優れた被膜は得られなかった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性、光沢、密着性、耐アルコール性のいずれもが優れた塗装被膜が得られる被覆組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のビニル系共重合体に水添ヒマシ油を添加することにより、上記課題を解決した被覆組成物が得られることを見出し、以下の被覆組成物およびその製造方法を発明した。
すなわち、本発明の被覆組成物は、メチルメタクリレート単位50〜95質量%と、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体単位5〜30質量%と、その他共重合可能なビニル系単量体単位0〜20質量%とから構成されるビニル系共重合体(A)および水添ヒマシ油(B)を含み、水添ヒマシ油(B)の含有量が、ビニル系共重合体(A)100質量部に対して0.05〜5質量部であることを特徴とする。
本発明の被覆組成物においては、ビニル系共重合体(A)の質量平均分子量が30000〜300000であることが好ましい。
また、ビニル系共重合体(A)のガラス転移温度が30〜110℃であることが好ましい。
さらに、水添ヒマシ油(B)のヨウ素価が10gI/100g以下であることが好ましい。
【0006】
本発明の被覆組成物の製造方法は、水添ヒマシ油(B)の存在下、メチルメタクリレート50〜95質量%と、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体5〜30質量%と、その他共重合可能なビニル系単量体0〜20質量%とを重合してビニル系共重合体(A)を得ることを特徴とする。
本発明の被覆組成物の製造方法においては、重合の際に、重合開始剤として過酸化物系ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
【0007】
なお、本発明において、ビニル系共重合体(A)のガラス転移温度とは、下記式(1)に示されるFoxの式により求められる共重合体のガラス転移温度(Tg)のことである。
1/Tg=Σ(W/Tg) (1)
(ただし、Wはモノマーiの質量分率、TgはモノマーiのホモポリマーのTg(K)を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の被覆組成物について説明する。
本発明の被覆組成物は、ビニル系共重合体(A)および水添ヒマシ油(B)とを含有するものである。
ここで、ビニル系共重合体(A)は、メチルメタクリレート単位50〜95質量%と、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体単位5〜30質量%と、その他共重合可能なビニル系単量体単位0〜20質量%とから構成されるものである。
なお、ビニル系共重合体(A)においては、その他共重合可能なビニル系単量体単位が0質量%であってもよい。すなわち、その他共重合可能なビニル系単量体単位が含まれていなくてもよい。
【0009】
このビニル系共重合体(A)は、メチルメタクリレート単位が50質量%以上、好ましくは60質量%以上であり、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体単位が30質量%以下、好ましくは25質量%以下であり、その他共重合可能なビニル系単量体単位が20質量%以下、好ましくは15質量%以下であるため、被覆組成物から形成される被膜の耐アルコール性に優れている。
また、ビニル系共重合体(A)は、メチルメタクリレート単位が95質量%以下、好ましくは85質量%以下であり、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体単位が5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、その他共重合可能なビニル系単量体単位が0質量%以上、好ましくは1質量%以上であるため、被覆組成物から形成される被膜は密着性に優れている。
【0010】
ビニル系共重合体(A)を構成する炭素数4〜18炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体単位としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0011】
その他共重合可能なビニル系単量体単位としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルクロライド塩、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ベンジル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等、不飽和カルボン酸を有する(メタ)アクリル酸、イタコン酸、イタコン酸モノブチル、シトラコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシブチル、マレイン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル、マレイン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル等が挙げられる。
【0012】
ビニル系共重合体(A)は、塗装被膜の耐摩耗性がさらに向上することから、式(1)のFoxの計算式により算出されるガラス転移温度が30℃以上であること好ましく、40℃以上であることがさらに好ましい。また、密着性がさらに向上することから、Foxの計算式により算出されるガラス転移温度が110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。
また、ビニル系共重合体(A)は、塗装被膜の耐摩耗性がさらに向上することから、質量平均分子量が30000以上であることが好ましく、40000以上であることがさらに好ましい。また、有機溶剤に対する溶解性や被覆組成物を塗装する際の作業性が高くなることから、質量平均分子量が300000以下であることが好ましく、200000以下であることがさらに好ましい。
【0013】
水添ヒマシ油(B)としては特に制限されず、例えば、水添されたヒマシ硬化油などが挙げられるが、塗装被膜の耐摩耗性がさらに向上することから、水添されたヒマシ硬化油のヨウ素価が10gI /100g以下であることが好ましく、5gI /100g以下であることが好ましい。ここで、ヨウ素価とは、JIS K−0070で示される測定方法から求められる値のことであり、脂肪100gに吸収されるヨウ素の質量のことである。
この水添ヒマシ油(B)の含有量は、ビニル系共重合体(A)100質量部に対して0.05〜5質量部である。水添ヒマシ油(B)の含有量がビニル系共重合体(A)100質量部に対して0.05質量部以上、好ましくは1.0質量部以上であることにより、被膜組成物から形成される被膜の耐摩耗性が向上する。また、水添ヒマシ油(B)の含有量がビニル系共重合体(A)100質量部に対して5質量%以下、好ましくは4質量%以下であることにより、塗装被膜の光沢が向上する。
【0014】
次に、本発明の被覆組成物の製造方法について説明する。
この製造方法では、水添ヒマシ油(B)の存在下、メチルメタクリレートと、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体と、その他共重合可能なビニル系単量体とを上記の割合で配合し、重合開始剤により重合してビニル系共重合体(A)を得る。このような製造方法によって、ビニル系共重合体(A)と水添ヒマシ油(B)とをグラフト共重合させることができる。
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法等の公知の重合方法を採用できるが、有機溶剤に混合および溶解が容易であり、塗装被膜の外観を向上させる点で、溶液重合法や懸濁重合法を採用することが好ましく、高濃度の単量体存在下で重合できる懸濁重合法がより好ましい。
【0015】
重合の際に使用する重合開始剤としては、公知の重合開始剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾビス系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤を用いることができるが、塗装被膜の外観を向上させる点では、ベンゾイルパーオキサイドやターシャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート等の過酸化物系ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
また、重合の際に、分子量調整の目的等で、ノルマルドデシルメルカプタンやα−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を使用することもできる。
【0016】
このようにして得られた被覆組成物は、有機溶剤に溶解される。ここで使用される有機溶剤としては、従来の被覆組成物に使用された公知の有機溶剤を使用することができ、具体的には、トルエン、キシレン等の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セルソルブアセテート等のエステル類、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。
【0017】
その際、塗装作業性が高くなることから、ビニル系共重合体(A)10質量部〜60質量部を、有機溶剤40質量部〜90質量部(共重合体の質量部数+有機溶剤の質量部数=100質量部)に溶解することが好ましく、ビニル系共重合体(A)23質量部〜50質量部を有機溶剤50質量部〜77質量部に溶解することがより好ましい。ビニル系共重合体(A)が10質量部以上であると、塗膜のたれ、よれをより良好に防止することができ、60質量部以下であると、塗料をより容易に取り扱うことができる。
【0018】
この被覆組成物には、コーティング材料としての高度な性能を発現させるために、公知の各種顔料、顔料分散剤、スリップ剤、レベリング剤を添加することもできる。
【0019】
このような被覆組成物を各種基材の表面に塗布して被膜を形成する際の塗装方法としては、例えば、噴霧コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアナイフコート法、刷毛塗り法、ディッピング法等の従来公知の方法を適宜選択して採用できる。
被覆組成物をコーティング材料として用いる場合には、通常、室温から60℃程度の温度範囲で、1分〜1時間程度乾燥することで十分に乾燥した塗装被膜を得ることができる。
【0020】
以上説明した被覆組成物は、メチルメタクリレート単位50〜95質量%と、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体単位5〜30質量%と、その他共重合可能なビニル系単量体単位0〜20質量%とから構成されるビニル系共重合体(A)および水添ヒマシ油(B)を含むため、耐アルコール性および密着性が共に優れている。
また、水添ヒマシ油(B)の含有量が、ビニル系共重合体(A)100質量部に対して0.05〜5質量部であるため、耐摩耗性および光沢が共に優れている。
したがって、この被膜組成物は、耐アルコール性、密着性、耐摩耗性、光沢のいずれもが優れており、家電製品、オーディオ機器、玩具、フィルム包材などのプラスチック基材向け塗料、インキ用途に好適に用いることができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。なお、以下の記載において、「部」は質量部のことである。また、表中の混合物の各成分の数値は質量部を示している。
[実施例1〜4、比較例1〜3]
攪拌機、温度計および還流凝縮器を備え、加温および冷却が可能な重合装置中に、表1(実施例1〜4)または表2(比較例1〜3)に示す割合で混合物(1)を添加し、攪拌を開始し、90℃に昇温した。90℃に到達後、混合物(2)を4時間かけて滴下し、さらに混合物(3)を4回に分けて添加して重合を続け、9時間後に混合物(4)を添加し冷却した。このようにして得られた被覆組成物の特性を表1または表2に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0004351856
【0023】
【表2】
Figure 0004351856
【0024】
被覆組成物中の特性は、下記のように測定した。
[質量平均分子量]
被覆組成物中の重合体の質量平均分子量については、ポリスチレン換算の分子量をGPC法により求めた。
その測定方法は、まず、試料をTHFに溶解し、樹脂分として0.8質量%のTHF溶液を調製し、これを0.5μmメンブランフィルターで濾過した。そして、濾液を用い、下記条件にて質量平均分子量を測定した。
(測定条件)
装置:東ソー製HPLC−8120
溶離液:THF
流速:1ml/分
温度:40℃
検出器:示差屈折計
注入量:100μl
[ガードナー粘度]
ガードナー粘度については、ASTM―D1545に準拠し、25℃における気泡粘度を測定した。
【0025】
[実施例5〜10、比較例4〜7]
攪拌機、温度計および還流凝縮器を備え、加温および冷却が可能な重合装置中に、表3(実施例5〜10)または表4(比較例4〜7)に示す割合の混合物(1)の水溶液を添加し、攪拌を開始した。続いて、混合物(2)を添加し、加温して反応温度を75〜85℃に維持しながら3時間重合させ、次いで95℃に昇温して1時間反応させ冷却した。しかる後に、得られた懸濁液を目開き30μmのメッシュで濾過し、40℃の温風で乾燥させ、粒状のビニル系重合体を得た。得られたビニル系重合体をそれぞれ混合物(3)により溶解して被覆組成物とした。
ただし、比較例5については、得られたビニル系重合体を混合物(3)により溶解する際に水添ヒマシ硬化油を添加した。
このようにして得られた被覆組成物の特性をそれぞれ表3,表4に示す。
【0026】
【表3】
Figure 0004351856
【0027】
【表4】
Figure 0004351856
【0028】
[評価]
以上、各例にて得られた各被覆組成物にアルミペースト88NL(旭化成工業(株)製)をその含有量が7質量%になるように配合し、さらにシンナー(メチルエチルケトン10部、酢酸エチル10部、ブチルセロソルブ20部、酢酸ブチル30部、ダイアセトンアルコール10部、トルエン10部、ノルマルブタノール10部の混合物)を加え、アルミペーストの塊が無くなるまでガラス棒でよく攪拌し、フォードカップ#4による粘度が12秒となるように調整して塗料とした。
得られた塗料を、スチロール板(JIS K6872、板厚2mm、太佑機材(株)製)に膜厚15μmになるようエアースプレーにて塗装し、この塗装されたスチロール板を60℃の乾燥炉で1時間乾燥して評価用パネルを作製した。
この評価用パネルを用い、次の(1)〜(3)の評価を実施した。評価結果を表5(実施例)及び表6(比較例)に示す。
【0029】
【表5】
Figure 0004351856
【0030】
【表6】
Figure 0004351856
【0031】
(1)耐摩耗性の評価
JIS L 0849に記載の学振型摩擦堅牢度試験機を使用して、非摩耗面にガーゼをセットし、500g/cm の荷重で200回学振させた後の、塗膜の表面状態を以下のように評価した。
○:キズ無し。
△〜○:キズは無いが、ツヤが少し見られた。
△:キズがあり、ツヤが多く見られた。
×:塗膜が剥がれ、下地が見えた。
(2)耐アルコール性の評価
JIS L 0849に記載の学振型摩擦堅牢度試験機を使用して、非摩耗面にエタノールを浸したガーゼをセットし、250g/cm の荷重で50回学振させた後の、塗膜表面の状態を以下のように評価した。
○:曇り、キズ無し。
△〜○:キズは無いが、曇りが見られた。
△:キズがあり、曇りが見られた。
×:塗膜が剥がれ、下地が見えた。
(3)塗膜外観の評価
JIS K−5400に準じ、入射角20度および60度の時の塗膜の鏡面光沢度を評価した。
【0032】
実施例1〜10の被覆組成物は、本願請求項1の範囲を満たしていたので、耐摩耗性、耐アルコール性、光沢のいずれもが優れていた。
一方、比較例1〜7は、ビニル系共重合体(A)および水添ヒマシ油(B)を含有していたものの、本願請求項1の範囲から外れていたので、耐摩耗性、耐アルコール性、光沢が低かった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、耐摩耗性、光沢、密着性、耐アルコール性のいずれもが優れた塗装被膜が得られるので、工業上極めて有益である。
被覆組成物に含まれるビニル系共重合体(A)の質量平均分子量が30000〜300000であれば、耐摩耗性がより高くなり、作業性が向上する。
また、ビニル系共重合体(A)のガラス転移温度が30〜110℃であれば、耐摩耗性および密着性がより高くなる。
さらに、水添ヒマシ油(B)のヨウ素価が10gI/100g以下であれば、耐摩耗性がより高くなる。

Claims (6)

  1. メチルメタクリレート単位50〜95質量%と、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体単位5〜30質量%と、その他共重合可能なビニル系単量体単位0〜20質量%とから構成されるビニル系共重合体(A)および水添ヒマシ油(B)を含み、
    水添ヒマシ油(B)の含有量が、ビニル系共重合体(A)100質量部に対して0.05〜5質量部であることを特徴とする被覆組成物。
  2. ビニル系共重合体(A)の質量平均分子量が30000〜300000であることを特徴とする請求項1に記載の被覆組成物。
  3. ビニル系共重合体(A)のガラス転移温度が30〜110℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆組成物。
  4. 水添ヒマシ油(B)のヨウ素価が10gI/100g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被覆組成物。
  5. 水添ヒマシ油(B)の存在下、メチルメタクリレート50〜95質量%と、炭素数4〜18の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリレート単量体5〜30質量%と、その他共重合可能なビニル系単量体0〜20質量%とを重合してビニル系共重合体(A)を得ることを特徴とする被覆組成物の製造方法。
  6. 重合の際に、重合開始剤として過酸化物系ラジカル重合開始剤を用いることを特徴とする請求項5に記載の被覆組成物の製造方法。
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