JP2015124277A - 水性被覆材および塗装物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた貯蔵安定性と水洗浄性を有し、かつ得られる塗膜は、優れた外観、耐湿性を有する水性被覆材および塗装物を提供する。【解決手段】重合体(2)と多価アルコール(II)を含有する水性被覆材であって、重合体(2)が水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)5〜50質量%と単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)50〜95質量%を共重合して得られ、かつ重量平均分子量が5000〜4万である水性被覆材およびその水性被覆材から得られる塗膜に関する。【選択図】なし
Description
本願発明は水性被覆材および塗装物に関する。
近年、塗料分野においては、環境保全、安全衛生の面から、有機溶剤系塗料から水性塗料への変換が図られている。しかし、水性塗料は有機溶剤系塗料に比べて貯蔵安定性や、硬度、外観、耐湿性、付着性などの塗膜性能が低いという問題があり、これらの課題の解決を目的とした水性塗料の開発が行われている。さらに、塗装工程で用いるスプレー等の塗装設備を洗浄する際も有機溶剤を使用しないことが望ましく、水による優れた洗浄性も要求されている。
例えば、特許文献1には、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどの多価アルコールを含有する水性塗料が、水洗浄性に優れることが開示されている。
また、特許文献2および3には、ポリイソシアネートと水酸基含有水性樹脂とを含有してなる水性硬化性組成物を用いた水性塗料から得られる塗膜は、硬度、外観、耐水性、付着性などに優れることが開示されている。
例えば、特許文献1には、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどの多価アルコールを含有する水性塗料が、水洗浄性に優れることが開示されている。
また、特許文献2および3には、ポリイソシアネートと水酸基含有水性樹脂とを含有してなる水性硬化性組成物を用いた水性塗料から得られる塗膜は、硬度、外観、耐水性、付着性などに優れることが開示されている。
しかしながら、いずれも水性塗料の貯蔵安定性、水性塗料から得られる塗膜性能および水による洗浄性を満足する水性塗料を得るには至っていない。
本発明の要旨は、重合体(2)と多価アルコール(II)を含有する水性被覆材であって、重合体(2)が水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)5〜50質量%と単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)50〜95質量%を共重合して得られ、かつ重量平均分子量が5000〜4万である水性被覆材およびその水性被覆材から得られる塗膜に関する。
本発明の水性被覆材は優れた貯蔵安定性と水洗浄性を有し、本発明の水性被覆材から得られる塗膜は、優れた外観、耐湿性を有する。
本発明の水性被覆材は、重合体(2)と多価アルコール(II)を含有するものである。
[重合体(2)]
重合体(2)は水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)5〜50質量%と単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)50〜95質量%を共重合して得られ、かつ重量平均分子量が5000〜4万である重合体である。
[重合体(2)]
重合体(2)は水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)5〜50質量%と単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)50〜95質量%を共重合して得られ、かつ重量平均分子量が5000〜4万である重合体である。
水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)
本願発明に用いる水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−メチル−4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−メチル−4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、アリルグリコール、などが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)の含有量は、5〜50質量%である。5質量%以上であれば、得られる水性被覆材は貯蔵安定性に優れ、50質量%以下であれば、得られる塗膜は耐湿性に優れる。好ましくは、7〜45質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%である。
本願発明に用いる水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−メチル−4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−メチル−4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、アリルグリコール、などが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)の含有量は、5〜50質量%である。5質量%以上であれば、得られる水性被覆材は貯蔵安定性に優れ、50質量%以下であれば、得られる塗膜は耐湿性に優れる。好ましくは、7〜45質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%である。
単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)
単量体(a)と共に共重合される単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置換アミド類;グリシジル(メタ)アクリレート、メタリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和塩基性単量体類等が挙げられる。
単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)の含有量は、50〜95質量%である。好ましくは55〜90質量%であり、さらに好ましくは60〜90質量%である。
さらに、貯蔵安定性の観点からラジカル重合性単量体(b)として、カルボン酸基含有ラジカル単量体(c)を共重合することが好ましい。カルボン酸基含有ラジカル単量体(c)の具体例としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ブチルエステルなどが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボン酸基含有ラジカル単量体(c)の含有量は、用いる全単量体混合物中0.5〜5質量%が好ましい。0.5質量%以上であれば、得られる水性被覆材は貯蔵安定性に優れ、5質量%以下であれば、得られる塗膜は耐湿性に優れる。
単量体(a)と共に共重合される単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置換アミド類;グリシジル(メタ)アクリレート、メタリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和塩基性単量体類等が挙げられる。
単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)の含有量は、50〜95質量%である。好ましくは55〜90質量%であり、さらに好ましくは60〜90質量%である。
さらに、貯蔵安定性の観点からラジカル重合性単量体(b)として、カルボン酸基含有ラジカル単量体(c)を共重合することが好ましい。カルボン酸基含有ラジカル単量体(c)の具体例としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ブチルエステルなどが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボン酸基含有ラジカル単量体(c)の含有量は、用いる全単量体混合物中0.5〜5質量%が好ましい。0.5質量%以上であれば、得られる水性被覆材は貯蔵安定性に優れ、5質量%以下であれば、得られる塗膜は耐湿性に優れる。
重量平均分子量
重合体(2)は重量平均分子量が5000〜4万である。重量平均分子量が5000以上であれば、得られる塗膜は耐湿性に優れ、4万以下であれば得られる塗膜は高い光沢を有する。好ましくは、5000〜1万5000である。
なお、本明細書において、重合体(2)の重量平均分子量はテトラヒドロフラン可溶成分をGPC法によるポリスチレン換算値として以下の条件で測定された重量平均分子量を意味する。
測定装置:東ソー(株)製、高速GPC装置HLC−8320
カラム:東ソー(株)製、TSKgelSuperHZM−M、HZM−M、HZ2000
オーブン温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.3重量%
流速:0.35mL/分
注入量:10μL
重合体(2)は重量平均分子量が5000〜4万である。重量平均分子量が5000以上であれば、得られる塗膜は耐湿性に優れ、4万以下であれば得られる塗膜は高い光沢を有する。好ましくは、5000〜1万5000である。
なお、本明細書において、重合体(2)の重量平均分子量はテトラヒドロフラン可溶成分をGPC法によるポリスチレン換算値として以下の条件で測定された重量平均分子量を意味する。
測定装置:東ソー(株)製、高速GPC装置HLC−8320
カラム:東ソー(株)製、TSKgelSuperHZM−M、HZM−M、HZ2000
オーブン温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.3重量%
流速:0.35mL/分
注入量:10μL
[重合体の製造方法]
本願発明の水性被覆材は、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)と単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)を含む単量体混合物(A)を共重合し重合体(1)を得る工程1、前記重合体(1)の存在下で、単量体混合物(A)と組成の異なる単量体混合物(B)を共重合し重合体(2)を得る工程2、前記重合体(2)を水に分散する工程3、および前記工程3で得られた重合体(2)の水分散液に多価アルコール(II)を添加する工程4を含む製造方法によって得られることが好ましい。
水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)が共重合された重合体(2)は有機溶剤中で、工程1および工程2により、組成の異なるラジカル重合性単量体混合物を少なくとも2段以上に分けて重合した後、工程3において水に分散させて得ることが好ましい。有機溶剤中で組成の異なるラジカル重合性単量体混合物を2段以上に分けて重合することにより、水へ分散させた際の貯蔵安定性が向上する。
さらに有機溶剤中で溶液重合することにより、例えば乳化重合といった水中での重合方法と比べて重量平均分子量を小さくできる点で好ましい。
本願発明の水性被覆材は、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)と単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)を含む単量体混合物(A)を共重合し重合体(1)を得る工程1、前記重合体(1)の存在下で、単量体混合物(A)と組成の異なる単量体混合物(B)を共重合し重合体(2)を得る工程2、前記重合体(2)を水に分散する工程3、および前記工程3で得られた重合体(2)の水分散液に多価アルコール(II)を添加する工程4を含む製造方法によって得られることが好ましい。
水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)が共重合された重合体(2)は有機溶剤中で、工程1および工程2により、組成の異なるラジカル重合性単量体混合物を少なくとも2段以上に分けて重合した後、工程3において水に分散させて得ることが好ましい。有機溶剤中で組成の異なるラジカル重合性単量体混合物を2段以上に分けて重合することにより、水へ分散させた際の貯蔵安定性が向上する。
さらに有機溶剤中で溶液重合することにより、例えば乳化重合といった水中での重合方法と比べて重量平均分子量を小さくできる点で好ましい。
工程1および工程2:重合工程
工程1および工程2は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の既知の重合法により製造することができるが、なかでも溶液重合法により製造するのが好ましい。
さらに、重合させる際の反応温度は、一般的には、分子量制御のため、70℃〜200℃の範囲で重合を行うのが好ましい。さらに好ましくは90℃〜170℃の範囲である。また、重合時間は通常1時間〜10時間が好ましく、さらに好ましくは1時間〜6時間である。
工程1および工程2は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の既知の重合法により製造することができるが、なかでも溶液重合法により製造するのが好ましい。
さらに、重合させる際の反応温度は、一般的には、分子量制御のため、70℃〜200℃の範囲で重合を行うのが好ましい。さらに好ましくは90℃〜170℃の範囲である。また、重合時間は通常1時間〜10時間が好ましく、さらに好ましくは1時間〜6時間である。
溶液重合法により製造する場合、重合時の溶媒は、特に限定されないが水溶性の有機溶剤が好ましい。
例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピルプロピレンジグリコール、ブチルプロピレンジグリコール、ジメチルプロピレンジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルジグリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤やiso‐プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、iso‐ブタノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶剤が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピルプロピレンジグリコール、ブチルプロピレンジグリコール、ジメチルプロピレンジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルジグリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤やiso‐プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、iso‐ブタノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶剤が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
開始剤
開始剤としては、一般的にラジカル重合に用いられるものが使用可能であり、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類;2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)およびその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]およびその塩類等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
開始剤としては、一般的にラジカル重合に用いられるものが使用可能であり、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類;2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)およびその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]およびその塩類等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
連鎖移動剤
重合体(2)の分子量を調整する場合には、分子量調整剤として、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を用いることができ、これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
特に、付加開裂型連鎖移動剤であるα−メチルスチレンダイマーを多段重合の一段目に使用することで、相異なる組成のラジカル重合性単量体からなるポリマー鎖同士をグラフト化することができ、貯蔵安定性や得られる塗膜の外観を向上させることができるため好ましい。
重合体(2)の分子量を調整する場合には、分子量調整剤として、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を用いることができ、これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
特に、付加開裂型連鎖移動剤であるα−メチルスチレンダイマーを多段重合の一段目に使用することで、相異なる組成のラジカル重合性単量体からなるポリマー鎖同士をグラフト化することができ、貯蔵安定性や得られる塗膜の外観を向上させることができるため好ましい。
工程3:水分散工程
本願発明における水分散の手法としては、溶液重合にて得られた重合体(2)に含まれるカルボキシル基の全てもしくはその一部を塩基性化合物で中和して、重合体(2)を含む重合体溶液に水を添加し水中に分散するか、または、水に重合体(2)を含む重合体溶液を添加し水中に分散することが好ましい。また、塩基性化合物を含む水に重合体(2)を添加して分散させることも可能である。
塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの塩基性化合物を、中和度(即ち、塩基性化合物の酸に対するモル比)が40〜150%、好ましくは60〜120%となるような配合量で加える。
本願発明における水分散の手法としては、溶液重合にて得られた重合体(2)に含まれるカルボキシル基の全てもしくはその一部を塩基性化合物で中和して、重合体(2)を含む重合体溶液に水を添加し水中に分散するか、または、水に重合体(2)を含む重合体溶液を添加し水中に分散することが好ましい。また、塩基性化合物を含む水に重合体(2)を添加して分散させることも可能である。
塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの塩基性化合物を、中和度(即ち、塩基性化合物の酸に対するモル比)が40〜150%、好ましくは60〜120%となるような配合量で加える。
[多価アルコール(II)]
本願発明の水性被覆材は、重合体(2)と多価アルコールを含有する。
本願発明に用いる多価アルコール(II)の具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられるが、特にエチレングリコールとグリセリンが好ましい。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
多価アルコール(II)の含有量は、重合体(2)100質量部に対して3〜50質量部が好ましい。3質量部以上であれば、得られる水性被覆材は貯蔵安定性と水洗浄性に優れ、得られる塗膜は光沢と耐湿性に優れる。さらに、環境保全、安全衛生の観点から、50質量部以下が好ましい。さらに好ましくは、15〜50質量部である。
なお、多価アルコール(II)は工程4により、単に重合体(2)の水分散液に単に添加される。
本願発明の水性被覆材は、重合体(2)と多価アルコールを含有する。
本願発明に用いる多価アルコール(II)の具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられるが、特にエチレングリコールとグリセリンが好ましい。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
多価アルコール(II)の含有量は、重合体(2)100質量部に対して3〜50質量部が好ましい。3質量部以上であれば、得られる水性被覆材は貯蔵安定性と水洗浄性に優れ、得られる塗膜は光沢と耐湿性に優れる。さらに、環境保全、安全衛生の観点から、50質量部以下が好ましい。さらに好ましくは、15〜50質量部である。
なお、多価アルコール(II)は工程4により、単に重合体(2)の水分散液に単に添加される。
[その他の配合剤]
本発明の水性被覆材は、重合体(2)に共重合された水酸基と架橋性を有する架橋剤(III)を添加してもよい。添加することによって、さらに優れた耐湿性や表面硬度などの塗膜性能を有する塗膜を得ることができる。架橋剤(III)としては水酸基と架橋性を有するものであれば特に限定されないが、メラミン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系、エポキシ系等の化合物が挙げられる。安定性等の観点から、メラミン系、イソシアネート系架橋剤が好ましい。特に反応温度、塗膜物性の点でポリイソシアネートの使用がより好ましく、水溶性又は水分散タイプがさらに好ましい。また、架橋剤の使用量は、重合体(2)に含まれる水酸基1当量に対して、イソシアネートなどの架橋性化合物当量が0.3〜2当量となるような範囲内で用いるのが好ましい。
本発明の水性被覆材は、重合体(2)に共重合された水酸基と架橋性を有する架橋剤(III)を添加してもよい。添加することによって、さらに優れた耐湿性や表面硬度などの塗膜性能を有する塗膜を得ることができる。架橋剤(III)としては水酸基と架橋性を有するものであれば特に限定されないが、メラミン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系、エポキシ系等の化合物が挙げられる。安定性等の観点から、メラミン系、イソシアネート系架橋剤が好ましい。特に反応温度、塗膜物性の点でポリイソシアネートの使用がより好ましく、水溶性又は水分散タイプがさらに好ましい。また、架橋剤の使用量は、重合体(2)に含まれる水酸基1当量に対して、イソシアネートなどの架橋性化合物当量が0.3〜2当量となるような範囲内で用いるのが好ましい。
本発明の水性被覆材は、重合体(2)と多価アルコール(II)を含有するものであるが、コーティング材料として優れた性能を発現させる点から、各種顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤、可塑剤、造膜助剤等の各種添加剤を含んでも良い。
さらにポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂等の他の水分散性樹脂や水溶性樹脂が混合されていてもよい。
さらにポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂等の他の水分散性樹脂や水溶性樹脂が混合されていてもよい。
本発明の水性被覆材は各種の基材に成膜して塗装物とすることができる。
基材としては、例えば、鉄、アルミニウム等の金属基材、各種プラスチックなどの有機基材、ガラスやセメントモルタルなどの無機基板などを挙げることができる。
水性被覆材を各種基体の表面に塗布する方法としては、例えば、噴霧コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアナイフコート法、刷毛塗り法、ディッピング法等の各種塗装法を適宜選択することができる。
塗布後は、常温乾燥、または40℃〜200℃で加熱乾燥することで塗膜を得ることができる。
基材としては、例えば、鉄、アルミニウム等の金属基材、各種プラスチックなどの有機基材、ガラスやセメントモルタルなどの無機基板などを挙げることができる。
水性被覆材を各種基体の表面に塗布する方法としては、例えば、噴霧コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアナイフコート法、刷毛塗り法、ディッピング法等の各種塗装法を適宜選択することができる。
塗布後は、常温乾燥、または40℃〜200℃で加熱乾燥することで塗膜を得ることができる。
以下に本発明の実施例を示す。なお、本実施例における「部」は「質量部」を意味する。
[製造例1]
工程1
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、および滴下ポンプを備えたフラスコに下記溶剤を仕込み、フラスコの内温を120℃に昇温した後に下記第1単量体混合物を3時間かけて滴下した。滴下中は内温を120℃に維持した。
初期溶剤:
PGM(プロピレングリコールモノメチルエーテル) 25.0部
第1単量体混合:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15.8部
単量体(b):
スチレン 6.0部
メチルメタクリレート 17.0部
n−ブチルメタクリレート 46.2部
開始剤:
2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 2.0部
連鎖移動剤:
α−メチルスチレンダイマー 4.0部
滴下終了後、内温を130℃に昇温した後に下記第2単量体混合物を1.5時間かけて滴下した。滴下中は内温を130℃に維持した。
工程2
第2単量体混合物:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 6.2部
単量体(b):
n−ブチルメタクリレート 6.3部
アクリル酸 2.0部
メタクリル酸 0.5部
開始剤:
パーブチルO(商品名、日本油脂(株)製) 1.5部
工程3および工程4
次いで、内温を80℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン3.2部を0.25時間かけて滴下し、引き続いて純水70.0部を0.5時間かけて滴下した。室温まで冷却し、下記多価アルコール(II)を添加し、重合体(2)と多価アルコール(II)を含む水分散液を得た。固形分は45.8%であり、重量平均分子量は7300であった。
多価アルコール(II):
エチレングリコール 24.0部
[製造例1]
工程1
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、および滴下ポンプを備えたフラスコに下記溶剤を仕込み、フラスコの内温を120℃に昇温した後に下記第1単量体混合物を3時間かけて滴下した。滴下中は内温を120℃に維持した。
初期溶剤:
PGM(プロピレングリコールモノメチルエーテル) 25.0部
第1単量体混合:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15.8部
単量体(b):
スチレン 6.0部
メチルメタクリレート 17.0部
n−ブチルメタクリレート 46.2部
開始剤:
2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 2.0部
連鎖移動剤:
α−メチルスチレンダイマー 4.0部
滴下終了後、内温を130℃に昇温した後に下記第2単量体混合物を1.5時間かけて滴下した。滴下中は内温を130℃に維持した。
工程2
第2単量体混合物:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 6.2部
単量体(b):
n−ブチルメタクリレート 6.3部
アクリル酸 2.0部
メタクリル酸 0.5部
開始剤:
パーブチルO(商品名、日本油脂(株)製) 1.5部
工程3および工程4
次いで、内温を80℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン3.2部を0.25時間かけて滴下し、引き続いて純水70.0部を0.5時間かけて滴下した。室温まで冷却し、下記多価アルコール(II)を添加し、重合体(2)と多価アルコール(II)を含む水分散液を得た。固形分は45.8%であり、重量平均分子量は7300であった。
多価アルコール(II):
エチレングリコール 24.0部
[製造例2〜19]
初期溶剤、第1単量体混合物、第2単量体混合物および多価アルコール(II)を表1および表2に示す通りに変更した以外は、製造例1と同様にして重合体(2)水分散液を得た。
初期溶剤、第1単量体混合物、第2単量体混合物および多価アルコール(II)を表1および表2に示す通りに変更した以外は、製造例1と同様にして重合体(2)水分散液を得た。
表1および表2中の略号は、以下の化合物を示す。また、表1および表2の単位は、特性値および評価結果以外は全て質量部である。
PGM :プロピレングリコールモノメチルエーテル
PFDG :プロピルプロピレンジグリコール
BFDG :ブチルプロピレンジグリコール
2−HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
St :スチレン
MMA :メチルメタクリレート
n−BMA :n−ブチルメタクリレート
i−BMA :iso‐ブチルメタクリレート
t−BMA :tert−ブチルメタクリレート
AA :アクリル酸
MAA :メタクリル酸
AMBN :2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
αMSD :α−メチルスチレンダイマー
[製造例20]
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、および滴下ポンプを備えたフラスコに下記初期原料混合物と第1単量体混合物(予め乳化分散させたプレエマルション液)のうちの6%量を仕込み、フラスコの内温を75℃に昇温した後に、下記開始剤水溶液を添加し、ラジカル重合を開始した。重合発熱によるピークトップ温度を確認後、フラスコの内温を75℃まで冷却した。
初期原料混合物:
脱イオン水: 57.0部
界面活性剤:
アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製) 2.0部
第1単量体混合物:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 7.8部
単量体(b):
スチレン 6.0部
メチルメタクリレート 17.0部
n−ブチルメタクリレート 54.1部
脱イオン水 30.0部
界面活性剤:
アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製) 6.0部
開始剤水溶液:
過硫酸アンモニウム 0.15部
脱イオン水 1.0部
次いで、残りの第1単量体混合物を2.5時間かけて滴下した。滴下中は内温を75℃に維持した。
滴下終了後、下記第2単量体混合物を0.5時間かけて滴下した。引き続き滴下中は内温を75℃に維持した。
第2単量体混合物:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3.1部
単量体(b):
n−ブチルメタクリレート 9.4部
アクリル酸 2.0部
メタクリル酸 0.5部
脱イオン水 6.0部
界面活性剤:
アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製) 1.6部
滴下終了後、ジメチルエタノールアミン3.2部を添加した。室温まで冷却した後、下記多価アルコール(II)を添加し、重合体(2)の水分散液を得た。固形分は45.3%であり、重量平均分子量は45300であった。
多価アルコール(II):
エチレングリコール 24.0部
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、および滴下ポンプを備えたフラスコに下記初期原料混合物と第1単量体混合物(予め乳化分散させたプレエマルション液)のうちの6%量を仕込み、フラスコの内温を75℃に昇温した後に、下記開始剤水溶液を添加し、ラジカル重合を開始した。重合発熱によるピークトップ温度を確認後、フラスコの内温を75℃まで冷却した。
初期原料混合物:
脱イオン水: 57.0部
界面活性剤:
アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製) 2.0部
第1単量体混合物:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 7.8部
単量体(b):
スチレン 6.0部
メチルメタクリレート 17.0部
n−ブチルメタクリレート 54.1部
脱イオン水 30.0部
界面活性剤:
アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製) 6.0部
開始剤水溶液:
過硫酸アンモニウム 0.15部
脱イオン水 1.0部
次いで、残りの第1単量体混合物を2.5時間かけて滴下した。滴下中は内温を75℃に維持した。
滴下終了後、下記第2単量体混合物を0.5時間かけて滴下した。引き続き滴下中は内温を75℃に維持した。
第2単量体混合物:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3.1部
単量体(b):
n−ブチルメタクリレート 9.4部
アクリル酸 2.0部
メタクリル酸 0.5部
脱イオン水 6.0部
界面活性剤:
アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製) 1.6部
滴下終了後、ジメチルエタノールアミン3.2部を添加した。室温まで冷却した後、下記多価アルコール(II)を添加し、重合体(2)の水分散液を得た。固形分は45.3%であり、重量平均分子量は45300であった。
多価アルコール(II):
エチレングリコール 24.0部
[実施例1]
製造例1で得られた重合体(2)の水分散液No.1を100部に、脱イオン水を20部、顔料として酸化チタン(商品名:タイペークCR−97、石原産業(株)製)を150部、硬化剤(III)としてBWD−102(開発品名、日本ポリウレタン(株)製)を47部添加し、水性被覆材を得た。
製造例1で得られた重合体(2)の水分散液No.1を100部に、脱イオン水を20部、顔料として酸化チタン(商品名:タイペークCR−97、石原産業(株)製)を150部、硬化剤(III)としてBWD−102(開発品名、日本ポリウレタン(株)製)を47部添加し、水性被覆材を得た。
[実施例2〜18、比較例1〜4]
重合体(2)を含む水分散液、硬化剤(III)を表3および表4に示す通りに変更した以外は、実施例1同様にして水性被覆材を得た。
重合体(2)を含む水分散液、硬化剤(III)を表3および表4に示す通りに変更した以外は、実施例1同様にして水性被覆材を得た。
表3および表4中の略号は、以下の化合物を示す。また、表2の単位は、評価結果以外は全て質量部である。
BWD−102:開発品名、日本ポリウレタン(株)製
X1230 :開発品名、旭化成ケミカルズ(株)製
[評価方法]
(1)貯蔵安定性
上記製造例で得られた重合体(2)の水分散液をガラス瓶に封入し、40℃の雰囲気下で6週間貯蔵し、貯蔵前後の粘度(B型粘度、60rpm、25℃)変化より、以下の基準に従って評価した。
「a」:粘度変化率が70%以上
「b」:粘度変化率が50%以上、70%未満
「c」:粘度変化率が50%未満
*粘度変化率(%)=貯蔵後粘度/貯蔵前粘度×100
(2)水洗浄性
上記で得られた各水性被覆材をブリキ板に、ウェット膜厚が200μmになるようにアプリケーターを用いて塗布し、25℃、湿度50%の雰囲気下で10分間静置した後、5L/minの流水で洗い流した後、以下の基準に従って外観評価した。
「a」:塗布面積の80%以上の塗料が除去される
「b」:塗布面積の30%以上80%未満の塗料が除去される
「c」:塗布面積の30%未満の塗料しか除去されない
(3)光沢
上記で得られた各水性被覆材をPB−L3020(商品名、(株)パルテック製、化成処理板)に、乾燥膜厚が50μmになるようにスプレー塗装し、室温で20分間予備乾燥した後、150℃で20分間加熱乾燥した板を、評価用試験板とした。得られた各評価用塗板を光沢計VG7000(商品名、日本電色工業株式会社(株)製)にて測定角度20度での光沢度を測定し、以下の基準に従って評価した。
「a」:80以上
「b」:70以上、80未満
「c」:70未満
(4)耐湿性
光沢試験と同様にて作製した評価用塗板を50℃×95%RHで100時間保管し、以下の基準に従って評価した。
「a」:外観変化がない
「b」:少量のブリスターが発生
「c」:多量のブリスターやハガレが発生
実施例1〜18はいずれも、重合体(2)の水分散液の貯蔵安定性は良好であり、水分散液を含む水性被覆材は水洗浄性に優れ、得られる塗膜は光沢と耐湿性に優れる。
一方、比較例1および4は多価アルコール(II)を含まないため、貯蔵安定性、水洗浄性、光沢、耐湿性が不足していた。比較例2は、重合体(2)が水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)を含まないため、貯蔵安定性、光沢、耐湿性が不足していた。比較例3は、重合体(2)の重量平均分子量が大きいため、光沢が不足していた。
Claims (7)
- 重合体(2)と多価アルコール(II)を含有する水性被覆材であって、
重合体(2)が水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)5〜50質量%と
単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)50〜95質量%を共重合して得られ、
かつ重量平均分子量が5000〜4万である水性被覆材。 - 重合体(2)100質量部に対して、多価アルコール(II)を3〜50質量部含有する請求項1に記載の水性被覆材。
- 多価アルコール(II)がエチレングリコールまたはグリセリンである請求項1または請求項2に記載の水性被覆材。
- さらに硬化剤(III)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の水性被覆材。
- 水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)と
単量体(a)以外のラジカル重合性単量体(b)を含む単量体混合物(A)を共重合し重合体(1)を得る工程1、
前記重合体(1)の存在下で、単量体混合物(A)と組成の異なる単量体混合物(B)を共重合し重合体(2)を得る工程2、
前記重合体(2)を水に分散する工程3、
前記工程3で得られた重合体(2)の水分散液に多価アルコール(II)を添加する工程4を含む請求項1から4のいずれかに記載の水性被覆材の製造方法。 - 前記工程1と前記工程2を有機溶剤の存在下で行う、請求項5に記載の水性被覆材の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の水性被覆材から得られる塗膜。
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- 2013-12-26 JP JP2013269080A patent/JP2015124277A/ja active Pending
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