JP4351498B2 - 定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置 - Google Patents

定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4351498B2
JP4351498B2 JP2003291572A JP2003291572A JP4351498B2 JP 4351498 B2 JP4351498 B2 JP 4351498B2 JP 2003291572 A JP2003291572 A JP 2003291572A JP 2003291572 A JP2003291572 A JP 2003291572A JP 4351498 B2 JP4351498 B2 JP 4351498B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
layer
elastic
elastic layer
primer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003291572A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005062413A (ja
Inventor
公二 神谷
恭一 芦川
望 高畑
卓三 倉地
篤 石部
玄章 近藤
孝之 吉井
徳彦 安瀬
秀則 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2003291572A priority Critical patent/JP4351498B2/ja
Publication of JP2005062413A publication Critical patent/JP2005062413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4351498B2 publication Critical patent/JP4351498B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Description

本発明は、定着ローラ、定着無端ベルト等の定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
図5は、従来の電子写真方式の画像形成装置の説明図である。従来の電子写真方式の画像形成装置100、例えば、複写機及びレーザプリンタは、静電潜像が形成される感光体ドラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザビーム等の露光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の感光体ドラム101をクリーニングするためのクリーニング装置108、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位計109、並びに、定着ローラ111及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110によって構成されている。
この電子写真方式を用いる画像形成装置100は、回転する感光体ドラム101の感光体層を帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後にレーザビーム等の露光手段103で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像することによりトナー像とし、このトナー像を記録紙107上に転写し、そして、この記録紙107を定着ローラ111及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110に通過させてトナー像を熱定着するように構成されている。
熱ローラ定着法は、ヒートローラ全体を所定温度に保持することができ、また、ヒートローラの熱容量が大きいので、プリント速度の高速化には適しているが、ヒートローラを所定の温度まで加熱するのにかなりの時間が必要であり、しかも、ヒートローラ全体を加熱するのに電力消費が大きくなる、という問題があった。そこで、近年、省エネルギー化への活動が活発になされ、立ち上がり時間の短縮が検討されてきたが、その対策の一つとして、ヒーターにより熱せられたフィルム状のエンドレスベルトを介して、記録紙上のトナーを加熱するベルト方式の定着装置が提案された。
図6は、従来のベルト方式の定着装置の説明図である。図5に示されているように、従来の電子写真方式の画像形成装置においては、加熱ローラ115と定着ローラ114とによって回転可能に設けた定着ベルト113、及び、前記定着ベルト113を介して前記定着ローラ114に接するように設けた加圧ローラ116を有するベルト方式の熱定着装置120が用いられている。このようなベルト方式の熱定着装置120は、加熱ローラ115で加熱された定着ベルト113と加圧ローラ116との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107の上に付着しているトナーを定着ベルト113の熱により軟化させつつ加圧ローラ116で加圧して記録紙上に定着させるようになっている。
このようなベルト方式の熱定着装置117においては、薄いフィルム状の定着ベルト113を直接加熱することになるので、電源投入後、その加熱部が短時間で所定の温度に達することができ、そのために、電源投入後の待ち時間を削減することができ、さらには、必要部分のみを加熱するので、電力消費も少ない、という利点がある。
従来、この種の定着ローラ111及び定着ベルト113においては、基材(図示せず)の表面にゴムで構成される弾性層(図示せず)を形成したものが採用されてきた。そして、かかる定着ローラ111及び定着ベルト113においては、離型性を出すために、その表面にシリコーンオイルを含浸させる方法がとられてきた。しかし、この方法では、(a)シリコーンオイルの補充といったユーザーメンテナンスが必要となること、(b)シリコーンオイル補充システムを付属させなければならないためにコストがかかること、(c)シリコーンオイルが転写紙に付着するために転写紙にペンで記入できなくなること、等の問題があったので、シリコーンオイル不使用の定着ローラ及び定着ベルトが必要とされていた。そこで、シリコーンオイル不使用の定着ローラ及び定着ベルトとして、上記の定着ローラ及び定着ベルトの弾性層の表面に離型層を形成した構成のものが提案された。このような離型層を構成する材料としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、及び、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)といったフッ素樹脂が使用されてきた。
従来の定着ローラ、定着ベルト等の定着用弾性回転体は、シリコーンゴムで構成される弾性層、及び、該弾性層上に形成した離型層を有するものであるので、トナーの定着を良好に行うことができると共に、離型性及び耐摩耗性に優れたものとなるが、長期使用すると、弾性層上に形成された離型層が加圧により変形して弾性層と離型層との間に界面剥離が生じ易くなり、そのために、定着用弾性回転体の耐久性が低下するという問題があった。
かかる問題を解決するために、金属ローラの外表面上に例えば石英粉末を混入したシリコーンゴムの弾性層を設けて加硫成型した後、その弾性層の表面から突出した石英粉末を研磨布により除去して多数の空孔を形成し、次いで、その上に離型層を形成して、該離型層を構成する樹脂を多数の空孔の中に進入させることによるアンカー効果により、弾性層と離型層との間の接着力を強固なものにした定着ローラ(特許文献1を参照。)が提案された。しかしながら、このような定着ローラにおける弾性層と離型層との間の接着力は、物理的手段によるものであるので弱く、そのために、その定着ローラの耐久性が不十分なものとなるという問題があった。
また、従来、弾性層と離型層とを接着剤で接着した定着ローラも提案されている。即ち、シリコーンゴムで構成される弾性層とフッ素系樹脂で構成される離型層とをフッ素樹脂含有ラテックスからなる接着剤を用いて接着した定着ローラが提案されており、そして、シリコーンゴムで構成される弾性層とフッ素系樹脂で構成される離型層とを付加反応型シリコーン自己接着シリコーンゴムからなる接着剤を用いて接着した定着ローラが提案されている。しかしながら、フッ素樹脂含有ラテックスからなる接着剤を用いて接着した定着ローラは、接着の安定性に欠けるという問題があり、また、付加反応型シリコーン自己接着シリコーンゴムからなる接着剤を用いて接着した定着ローラは、離型層を構成する材料として良好に使用できるフッ素系樹脂の種類が制限されるという問題があった。
さらに、定着用弾性回転体の製造において、基材上にシリコーンゴムからなる弾性層を形成し、該弾性層の表面に184.9nmの波長を含む紫外線を照射した後、該弾性層を覆う表面層(離型層)を形成すること(特許文献2を参照。)が提案されているが、いまだに、実用に耐えられる密着強度を有する定着用弾性回転体が得られていないという問題があった。
特開平1−147576号公報 特開2000−267487号公報
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、離型性、耐摩耗性、及び、定着性が良好であると共に、長期の使用において離型層と弾性層との間で界面剥離、微少なはがれ等が発生しにくい長期の使用に耐える耐久性に優れた定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、基体上に、シリコーンゴムで構成される弾性層、光触媒物質を含有するプライマー層、及び、離型層を順次有する定着用弾性回転体において、前記プライマー層が、オゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されていることを特徴とする定着用弾性回転体である。
請求項2に記載された発明は、基体上にシリコーンゴム溶液を塗布して弾性層を形成し、この弾性層上に光触媒物質を含有するプライマーを塗布してプライマー層を形成した後、このプライマー層にオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線を照射し、続いて、該プライマー層上に離型層を形成することを特徴とする定着用弾性回転体の製造方法である。
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の定着用弾性回転体を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項1,2に記載された発明によれば、基体上に、シリコーンゴムで構成される弾性層、光触媒物質を含有するプライマー層、及び、離型層を順次有する定着用弾性回転体において、プライマー層が、オゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されているので、プライマー層の表面に反応性の高い−OH基が生成されてプライマー層の接着性が向上されることにより、弾性層と離型層とが強固に固着され、そのために、離型性、耐摩耗性、及び、定着性が良好であると共に、長期の使用において離型層と弾性層との間で界面剥離、微少なはがれ等が発生しにくい長期の使用に耐える耐久性に優れた定着用弾性回転体とすることができる。
請求項3に記載された発明によれば、請求項1に記載の定着用弾性回転体を有しているので、離型性、耐摩耗性、及び、定着性が良好であると共に、長期の使用において離型層と弾性層との間で界面剥離、微少なはがれ等が発生しにくい長期の使用に耐える耐久性に優れたものとなる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の参考例として示す定着用弾性回転体(定着ローラ)の断面図であって、(a)は、横断面図であり、そして、(b)は、前記(a)の点線で囲まれた部分の拡大断面図である。図2は、本発明の一実施の形態を示す定着用弾性回転体(定着ローラ)の断面図であって、(a)は、横断面図であり、そして、(b)は、前記(a)の点線で囲まれた部分の拡大断面図である。図3は、本発明の参考例として示す定着用弾性回転体(定着ベルト)の横断面図である。図4は、本発明の一実施の形態を示す定着用弾性回転体(定着ベルト)の横断面図である。
図1において、10は、参考例として示す、定着用弾性回転体(定着ローラ)である。定着用弾性回転体(定着ローラ)10は、基体1上に、光触媒物質を含有するシリコーンゴムで構成される弾性層2、及び、離型層4を順次有している。そして、前記弾性層2は、オゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されている。かかる定着用弾性回転体(定着ローラ)10は、基体1上に光触媒物質を含有するシリコーンゴム溶液を塗布して弾性層2を形成し、この弾性層2にオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線を照射した後、該弾性層2上に離型層4を形成することにより製造される。このように、弾性層2がオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されていると、弾性層2の表面に反応性の高い−OH基が生成されて弾性層2の接着性が向上されることにより、弾性層2と離型層4とが強固に固着され、そのために、離型性、耐摩耗性、及び、定着性が良好であると共に、長期の使用において離型層4と弾性層2との間で界面剥離、微少なはがれ等が発生しにくい長期の使用に耐える耐久性に優れた定着用弾性回転体(定着ローラ)10とすることができる。
図2において、20は、本発明の一実施の形態を示す、定着用弾性回転体(定着ローラ)である。定着用弾性回転体20は、基体1上に、弾性層2、光触媒物質を含有するシリコーンゴムで構成されるプライマー層3、及び、離型層4を順次有している。そして、前記プライマー層3は、オゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されている。かかる定着用弾性回転体(定着ローラ)20は、基体1上にシリコーンゴム溶液を塗布して弾性層2を形成し、この弾性層2上に光触媒物質を含有するプライマーを塗布してプライマー層3を形成した後、このプライマー層3にオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線を照射し、続いて、該プライマー層3上に離型層4を形成することにより製造される。このように、前記プライマー層3がオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されていると、プライマー層3の表面に反応性の高い−OH基が生成されてプライマー層3の接着性が向上されることにより、弾性層2と離型層4とが強固に固着され、そのために、離型性、耐摩耗性、及び、定着性が良好であると共に、長期の使用において離型層4と弾性層2との間で界面剥離、微少なはがれ等が発生しにくい長期の使用に耐える耐久性に優れた定着用弾性回転体(定着ローラ)20とすることができる。
図3において、30は、参考例として示す、定着用弾性回転体(定着ベルト)である。定着用弾性回転体(定着ベルト)30は、基体11上に、光触媒物質を含有するシリコーンゴムで構成される弾性層12、及び、離型層14を順次有している。そして、前記弾性層12は、オゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されている。かかる定着用弾性回転体(定着ベルト)30は、基体11上に光触媒物質を含有するシリコーンゴム溶液を塗布して弾性層12を形成し、この弾性層12にオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線を照射した後、該弾性層12上に離型層14を形成することにより製造される。このように、前記弾性層12がオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されていると、弾性層12の表面に反応性の高い−OH基が生成されて弾性層12の接着性が向上されることにより、弾性層12と離型層14とが強固に固着され、そのために、離型性、耐摩耗性、及び、定着性が良好であると共に、長期の使用において離型層と弾性層との間で界面剥離、微少なはがれ等が発生しにくい長期の使用に耐える耐久性に優れた定着用弾性回転体(定着ベルト)30とすることができる。
図4において、40は、本発明の一実施の形態を示す、定着用弾性回転体(定着ベルト)である。定着用弾性回転体(定着ベルト)40は、基体11上に、弾性層12,光触媒物質を含有するシリコーンゴムで構成されるプライマー層13、及び、離型層14を順次有している。そして、前記プライマー層13は、オゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されている。かかる定着用弾性回転体(定着ベルト)40は、基体11上にシリコーンゴム溶液を塗布して弾性層12を形成し、この弾性層12上に光触媒物質を含有するプライマーを塗布してプライマー層13を形成した後、このプライマー層13にオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線を照射し、続いて、該プライマー層13上に離型層14を形成することにより製造される。このように、前記プライマー層13がオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されていると、プライマー層13の表面に反応性の高い−OH基が生成されてプライマー層13の接着性が向上されることにより、弾性層12と離型層14とが強固に固着され、そのために、離型性、耐摩耗性、及び、定着性が良好であると共に、長期の使用において離型層14と弾性層12との間で界面剥離、微少なはがれ等が発生しにくい長期の使用に耐える耐久性に優れた定着用弾性回転体(定着ベルト)40とすることができる。
本発明における「低圧水銀灯紫外線」は、可視光線より波長が短くX線より波長が長い電磁波をいう。紫外線を照射するには、一般的に、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、又は、低圧水銀灯が用いられる。高圧水銀灯やメタルハライドランプは、365nmの波長を代表とする近紫外線領域の近紫外線を発光する。低圧水銀灯は、上記近紫外線よりさらに波長の短い184.9nm及び253.7nmの波長を代表とする短波長紫外線を発光する。紫外線が物質に照射されると、その物質に様々な影響をおよぼす。前記「近紫外線」をポリマーに照射すると、ポリマーが硬化する。「近紫外線」を弾性層に照射すると、弾性層の劣化や硬度変化という障害が引き起こされる。弾性層の上に離型層を形成した定着用弾性回転体においても、これに「近紫外線」を照射すると、弾性層と離型層との間の界面剥離や微少なはがれが発生する。
前記「短波長紫外線」は、照射された対象物を殺菌したり、照射された対象物の表面を洗浄したり、また、照射された対象物の表面の粘着を防止したりするのに用いられる。
かかる「短波長紫外線」を弾性層に照射したときの影響、特に、「短波長紫外線」の中でも低圧水銀灯で得られる波長184.9nm及び波長253.7nmの代表的なものを弾性層に照射したときの影響について、以下に、説明する。ここでは、弾性層の材料には、シリコーンゴムを用いた。
「短波長紫外線」を弾性層に照射すると、その紫外線の一部は一般的作業環境中に存在する酸素に吸収される。波長184.9nmの紫外線は、酸素に対し、酸素分子の結合エネルギーより高いエネルギーを与えて、次の式
2 +184.9nm→O+O(分解)
に示すように酸素を活性酸素に分解する。この活性酸素は、さらに酸素と結びついて、次の式
O+O2 →O3 (オゾンの生成)
に示すようにオゾンを発生する。ここで生成したオゾンは、そのままでは自然に酸素や活性酸素に分解され、再び上記反応に寄与することとなる。また、波長253.7nmの紫外線は、オゾンに良く吸収され、次の式
3 →O2 +O(オゾンの分解)
に示すように、オゾンO3 が酸素O2 と活性酸素Oに分解する。即ち、一般的に、市販されている低圧水銀灯で得られる代表的な波長184.9nm及び波長253.7nmの短波長紫外線を照射することによって、酸化作用を有する活性酸素が照射環境中に発生する。但し、波長253.7nmの短波長紫外線単独ではオゾンの存在下でない限り酸化作用を有する活性酸素の発生は考えられない。一方、酸素に吸収されなかった短波長紫外線の1部は、シリコーンゴムからなる弾性層に吸収される。波長184.9nm及び波長253.7nmを持つ短波長紫外線のエネルギーは、弾性層を構成するシリコーンゴムのシリコーン末端Si−CH3 のSi−C結合エネルギー及び−CH3 基のC−H結合エネルギーより大きいので、この短波長紫外線の弾性層への照射により、シリコーン末端の−CH3 基は解離され、また、同時にC−Hの結合は分解される。
以上のことから、上述した酸素への波長184.9nmの短波長紫外線の照射により発生する活性酸素とシリコーン末端の−CH3 基の解離及び分解により発生する水素Hとから、シリコーンゴムの−CH3 基が反応性の高い−OH基等に置き換えられると考えられる。実際、本発明者らは、実験において、シリコーンゴムの弾性層に波長184.9nmを照射すると、照射前と比較してその弾性層表面のC原子が減少しO原子が増加することを確認している。
シリコーンゴムで構成される弾性層が光触媒物質を含有していると、前記したような反応を加速することができる。このように、少なくとも波長184.9nmの短波長紫外線をシリコーンゴムの弾性層に照射すると、弾性層の表面に反応性の高い−OH基が生成するので、弾性層の表面が強い接着力を持つこととなる。このような−OH基が生成された弾性層の上に離型層を形成することにより得た定着用弾性回転体は、その弾性層と離型層との間に界面剥離や微少なはがれ等が発生せず長期の使用に耐えるものとなる。また、このようにして得た定着用弾性回転体においては、弾性層に2次障害が発生せず、また、弾性層上に形成する離型層の材料は、特に、その種類が制限されない。それ故、離型層の材料に耐摩耗性及び離型性の高いものを選ぶことができる。したがって、このようにして得られた定着用弾性回転体は、耐摩耗性、離型性、及び、定着性が良好である。
上述の従来技術(特許文献2を参照。)では、紫外線の積算光量とゴムの熱伝導率の関係で制約を受けていたが、本発明では、光触媒物質の効果によって、このような制約を受けないメリットがある。本発明において用いられる光触媒物質は、シリコーンゴム100重量部に対して、1〜100重量部の割合で使用できる。この十分な熱量を確保するには、ハロゲンランプ等の加熱源から発生する熱を無駄なくローラ表面に伝える必要があり、芯金の材質や厚みを考慮するだけでなく、弾性層の熱伝導率や厚みを考慮する必要があると同時に記録紙の加熱領域を確保するために十分なニップ領域を形成する必要がある。
次に、ベルト状の定着用弾性回転体30,40について述べる。ベルト状の定着用弾性回転体30,40の場合も、画像の定着を行うために、未定着画像のトナーを記録材上に過熱下において圧着するものであるが、十分な定着を行うには未定着画像のトナーを溶融させ記録材に固着させるための十分な熱量が必要である。但し、ベルト状の定着用弾性回転体30,40の場合は、ベルト自体が変形可能であることから、ローラとは違って、ニップ領域を確保するために、大径化したり低硬度ゴムを使用したりする必要がなく、熱伝導率は低くても差し支えない。熱伝導率を高くするために弾性層12のシリコーンゴムに熱伝導性フィラーを配合すると、シリコーンゴムの引張強度や引き裂き強度が低下するので、ベルト状基材を追従して繰り返し大きく変形する弾性層12にはかえって不利益となる。ベルト状の定着用弾性回転体30,40に使用される弾性層12の厚みは、1mm未満であるが、好ましくは、0.02〜0.5mmであり、また、弾性層12の全体の平均の熱伝導率は、0.6×10-3cal/cm・sec・℃未満である。本実施形態の定着用弾性回転体30,40は、ベルト形状をとる場合にも、その定着用弾性回転体30,40の弾性層12は、弾性層12の中の場所によってその熱伝導率が異なっていてもよく、例えば多層であることも許される。
本発明における弾性層2,12の材料として使用するシリコーンゴムには、汎用のものが使用でき、例えば、メチルシリコーンゴム、ビニルメチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フッ化シリコーンゴム等をあげることができ、これらの1種類又は2種類以上の混合系のシリコーンゴムに、硬度、反発弾性率、圧縮永久歪、熱伝導率、引張強度、及び、引裂強度を調整するために、充填剤を適宜配合することができる。シリコーンゴムの原料については、特別な制限はなく、例えば、RaSiOx(式中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、或いは、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素である。)で示される。このときRの80モル%以上がメチル基で、0.1〜0.5モル%がビニル基であるものがよく、また25℃における粘度が100cS以上、好ましくは1,000cS以上であるオルガノポリシロキサンをベースとするものである。さらに有機過酸化物などの架橋剤を配合したものがよい。
架橋剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ブチルパーオキシ−2−オクチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5ジベンゾイルパーオキシヘキサン、ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサンパーオキサイド、ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パーオキシアリルカーボネート等が例示されるが、このシリコーンゴム組成物はアルケニル基等の脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサンと、分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するハイドロジエンポリシロキサンと、塩化白金酸、白金系錯体又は塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、オレフィン、又は、ビニルシロキサンとの錯塩等からなる白金触媒とからなる付加反応型としてもよい。使用できる充填剤としては、カーボンブラック、タルク、マイカ、カオリン、酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、りん酸マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、窒化ホウ素(ボロンナイトライド)、窒化チタン、二硫化モリブデン、ハドロタルサイト、金属粉等の無機充填剤、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン等の有機充填剤が使用でき、これら1種類もしくは2種類以上の混合系でシリコーンゴム100重量部当り、5〜100重量部の割合で使用できる。
これらの材料で形成された弾性層の厚みは、定着装置の構造、目標とする弾性層、及び、目的とする熱伝導性を勘案して適宜設定される。その厚みは、必要なニップ形成に十分な厚みであれば特に限定するものではない。
本発明においては、前記離型層4,14は、好ましくは、フッ素樹脂、フッ素ゴム又はシリコーンゴムで構成されている。このように、離型層4,14がフッ素樹脂、フッ素ゴム又はシリコーンゴムで構成されていると、耐熱性及び離型性がいっそう向上したものとなる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等任意のものが選択でき、それらの材料の2種以上の混合物として用いてもよい。これらの材料の形態としては、ディスパージョン、粉体等のいずれでもよく、また、チューブ状等に成形されていてもよい。耐熱性や離型性の観点から、PTFE、PFA、FEPのいずれか、或いは、それらの2種以上の混合物がより好ましく用いられる。フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、四フッ化エチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系フッ素ゴム、フルオロポリエーテル等をあげることができる。これらのフッ素ゴムは、それぞれ単独で、又は、2種以上を組み合わせて使用することができるが、さらに、フッ素ゴムに、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂を少量(一般に、30重量%以下の割合)添加することもできる。シリコーンゴムとしては、HTV(高温硬化型)、LTV(低温硬化型)、及び、RTV(室温硬化型)のいずれを用いてもよいが、特に、RTV型シリコーンゴムを用いると、平滑な表面が得られるので、良好な定着画像が得られる。シリコーンゴムとしては、ジメチルシリコーン、フロロシリコーン、メチルフェニルシリコーン等があり、これらのいずれを用いてもよいが、フロロシリコーン又はメチルフェニルシリコーンを単独で用いるか、或いは、両者を併用すると、耐油性と高耐久性とを付与できるので好ましい。
これらの材料からなる離型層4,14の厚みは、用途や設置する定着装置の構造、目標とする弾性、用いる材料の硬度、弾性層の硬度、摩耗耐久性等を勘案して適宜設定されるが、好ましくは、5〜300μmに設定される。また、上記照射を行なった後、離型層4,14を形成する以前にプライマー層3,13を形成することもできる。このプライマー層3,13は、接着層といえるものである。プライマー層3,13を構成するプライマーとしては、接着力が強く金属−有機物の接着に使用される市販のシランカップリング剤又はチタンカップリング剤・フッ素樹脂含有プライマーを用いることができる。
本発明においては、光触媒は、好ましくは、アナターゼ型の結晶構造を有する酸化チタンである。このように、光触媒がアナターゼ型の結晶構造を有する酸化チタンであると、弾性層2,12又はプライマー層3,13の表面に反応性の高い−OH基が生成されやすくなり、そのために、弾性層2,12又はプライマー層3,13の接着性がいっそう向上される。
本発明においては、前記基体1は、好ましくは、アルミニウム、ステンレススチール、真鍮等の金属材料又はセラミックスで構成されるローラである。
本発明においては、前記基体11は、好ましくは、(イ)金属フィルム、(ロ)高分子フィルム、(ハ)セラミックフィルム、(ニ)ガラス繊維フイルム、或いは、(ホ)これらのいずれか2種以上を複合化して得た複合フィルムである。前記金属フィルムは、好ましくは、ステンレススチール、ニッケル等の金属材料で構成される。そして、前記高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリカーボネイト類、ポリイミド類、ポリフッ化ビニルやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー類、ナイロン等のポリアミド類、ポリスチレンやポリアクリル類、ポリエチレンやポリプロピレン類、ポリ酢酸セルロース類等のセルロース変性物類、ポリサルホン類、ポリキシリレン類、ポリアセタール類等のシート状又はクロス状成形物をあげることができ、さらには汎用高分子シートにフッ素系、シリコーン系、架橋性ポリマー等の耐熱樹脂層を積層して得られた高分子複合化物等を挙げることができる。また、このような高分子フィルムは、金属、セラミックス等で形成される耐熱層と複合化してもよく、また、内部に粒状、針状、繊維状等のカーボンブラック、グラファイト、アルミナ、シリコン、カーバイト、ボロンナイトライド等の熱伝導性向上剤を添加したり、必要に応じて内部にもしくは表面に導電化剤、帯電防止剤、磁性体、剥離剤、補強剤等の添加剤を添加しもしくは適用してもよい。さらに、上記の高分子フィルムの他に、例えばコンデンサー紙、グラシン紙等の紙類や、セラミックス系フィルムや、ガラス繊維でクロス状に成形したガラス繊維フィルムや、ステンレスフィルムや、ニッケルフィルム等の金属フィルムを使用することができる。
本発明の画像形成装置によれば、請求項1に記載の定着用弾性回転体20,40を有しているので、離型性、耐摩耗性、及び、定着性が良好であると共に、長期の使用において離型層4,14と弾性層2,12との間で界面剥離、微少なはがれ等が発生しにくい長期の使用に耐える耐久性に優れたものとなる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(参考例1)
サンドブラストで粗面化したアルミニウムよりなる芯金の表面を耐熱タイプの金属用プライマーを塗装して塗布層を形成し、この塗布層を150℃で10分間焼き付けてプライマー層を形成した。このプライマー層の表面上に、シリコーン樹脂[東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、DY35−363(熱伝導率:0.8×10-3cal/cm・sec・℃)]100重量部に光触媒物質としてアナターゼ型酸化チタンを5重量部加えた塗料で塗布して塗布層を形成し、この塗布層を構成するシリコーンゴムを加硫(硬化)させて弾性層とした後、その弾性層を、厚みが0.2mmになるまで、円筒研削盤にて研削した。そして、この加硫させたシリコーンゴムで構成される弾性層に、184.9nmの光を発光する低圧水銀灯[セン特殊光源社製、高純度合成石英低圧水銀ランプEUV200NS−7(出力200W)]を用いて、所定の積算光量の紫外線を照射した後、この弾性層上にプライマー(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、シランカップリング剤DY39−067)をスプレー塗布し乾燥してプライマー層を形成した。次に、このプライマー層上にフッ素樹脂を20μmの厚さに粉体塗装して塗布層を形成し、続いて、この塗布層を焼成してそのフッ素樹脂を溶融させた後、これを硬化させて直径40mmの定着用弾性回転体(定着ローラ)を得た。この際、低圧水銀灯による紫外線の照射は、3通りの積算光量、即ち、(1)0mJ/cm2 、200mJ/cm2 、1200mJ/cm2 、でそれぞれ行われ、それぞれの積算光量の違いに応じて3種の定着用ローラを得た。また、上記シランカップリング剤をスプレー塗布することなく低圧紫外線の光を照射された弾性層上に直接フッ素樹脂を粉体塗装させ、そのようにシランカップリング剤をスプレー塗布をしないことを除いては、上記複数の定着ローラそれぞれと同じ条件で作成した、弾性層と表面層の間にプライマーを有しない、3種類の定着用弾性回転体(定着ローラ)を得た。
(実施例1)
サンドブラストで粗面化したアルミニウムよりなる芯金の表面を耐熱タイプの金属用プライマーを塗装して塗布層を形成し、この塗布層を150℃で10分間焼き付けてプライマー層を形成した。このプライマー層の表面上に、シリコーン樹脂[東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、DY35−3091(熱伝導率:1.4×10-3cal/cm・sec・℃)]で塗布して塗布層を形成し、この塗布層を構成するシリコーンゴムを加硫(硬化)させて弾性層とした後、その弾性層を、厚みが0.2mmになるまで、円筒研削盤にて研削した。そして、この加硫させたシリコーンゴムで構成される弾性層の表面にプライマー(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、シランカップリング剤DY39−067)100重量部に光触媒物質としてアナターゼ型酸化チタンを5重量部加えた塗料をスプレー塗布し乾燥して塗布層を形成した。次に、この塗布層に、184.9nmの光を発光する低圧水銀灯[セン特殊光源社製、高純度合成石英低圧水銀ランプEUV200NS−7(出力200W)]を用いて、所定の積算光量の紫外線を照射してプライマー層を形成した後、このプライマー層上にフッ素樹脂を20μmの厚さに粉体塗装して塗布層を形成し、続いて、この塗布層を焼成してそのフッ素樹脂を溶融させ、これを硬化させて直径40mmの定着用弾性回転体(定着ローラ)を得た。以下は、実施例1とそれぞれ同じ条件で複数の定着ローラを作成した。この実施例2では、弾性層と離型層との間にプライマー層の有無の3種類の定着用弾性回転体(定着ローラ)を作成した。
(参考例2)
ポリイミドベルト上に市販の耐熱タイプのプライマーをスプレー塗布して塗布層を形成し、この塗布層を180℃で10分間焼き付けてプライマー層を形成した。このプライマー層の表面上に、シリコーン樹脂[東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、DY35−796(熱伝導率:0.45×10-3cal/cm・sec・℃)]100重量部に光触媒物質としてアナターゼ型酸化チタンを5重量部加えた塗料で塗布して塗布層を形成し、この塗布層を構成するシリコーンゴムを加硫(硬化)させて0.2mm厚の弾性層を形成した。そして、この加硫させたシリコーンゴムで構成される弾性層に、184.9nmの光を発光する低圧水銀灯[セン特殊光源社製、高純度合成石英低圧水銀ランプEUV200NS−7(出力200W)]を用いて、所定の積算光量の紫外線を照射した後、この弾性層上にプライマー(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、シランカップリング剤DY39−067)をスプレー塗布し乾燥してプライマー層を形成した。次に、このプライマー層上にフッ素樹脂を20μmの厚さに粉体塗装して塗布層を形成し、続いて、この塗布層を焼成してそのフッ素樹脂を溶融させた後、これを硬化させて直径60mmの定着用弾性回転体(定着ベルト)を得た。その際、前記実施例1で得た複数の定着ローラそれぞれと同じ積算光量で紫外線を弾性層に照射して作成した直径60mmの無端ベルト状の6種類の定着用弾性回転体(定着ベルト)を得た。
以上、実施例1、参考例1,2で得られた定着用弾性回転体における弾性層と表面層との接着強度を測定した。その測定方法は、次のとおりとした。
(接着力の測定方法)
接着力の測定にはテンションゲージを用いた。ロール状の定着用弾性回転体の離型層のうちの25mmの幅の離型層部分を剥がし、この引き剥がした離型層をチャックし、ローラと垂直方向に50mm/minの速度で引張り、接着面を剥がすのに必要な力(重量)を測定し、その測定した力を接着力とした。なお、この際常に垂直方向に力が加わるように、ローラは芯全部をベアリングで受け、自由に回転するようにした。ローラの回転軸方向から見ると、引っ張られるとローラ全体は回転しつつ離型層が引き剥がされる。ベルト状の定着用弾性回転体の接着力測定では、ベルトを幅25mm×長さ188mmに切り出して試験試料とする。その試験試料を離型層のうちの一部の離型層部分を剥がして90度折り返し、この折り返した離型層部分をチャックし、垂直方向に50mm/minの速度で引張り、接着面を剥がすに必要な力(重量;gf)を測定し、その測定した力を接着力とした。
また、実施例1、参考例1,2で得られた定着用弾性回転体の耐久テストを行った。耐久テストは、定着ローラ又は定着ベルトを加熱加圧しながらから回しすることができる試験機(リコー社製)で評価した。その際、200℃、20kg加圧下において、120時間から回ししたときに、定着ローラ又は定着ベルトが破損・剥離していない場合を○とし、破損・剥離した場合を×とした。
評価結果は、次の表1〜3に示される。但し、表1は、前記参考例1で得られた定着用弾性回転体(定着ローラ)に対する接着強度の測定結果及び耐久テストの結果を示し、表2は、前記実施例1で得られた定着用弾性回転体(定着ローラ)に対する接着強度の測定結果及び耐久テストの結果を示し、そして、表3は、前記参考例2で得られた定着用弾性回転体(定着ベルト)に対する接着強度の測定結果及び耐久テストの結果を示す。
Figure 0004351498
Figure 0004351498
Figure 0004351498
本発明の参考例として示す定着用弾性回転体(定着ローラ)の断面図であって、(a)は、横断面図であり、そして、(b)は、前記(a)の点線で囲まれた部分の拡大断面図である。 本発明の一実施の形態を示す定着用弾性回転体(定着ローラ)の断面図であって、(a)は、横断面図であり、そして、(b)は、前記(a)の点線で囲まれた部分の拡大断面図である。 本発明の参考例として示す定着用弾性回転体(定着ベルト)の横断面図である。 本発明の一実施の形態を示す定着用弾性回転体(定着ベルト)の横断面図である。 従来の電子写真方式の画像形成装置の説明図である。 従来のベルト方式の定着装置の説明図である。
符号の説明
1,11 基体
2,12 弾性層
3,13 プライマー層
4,14 離型層
10,20 定着用弾性回転体(定着ローラ)
30,40 定着用弾性回転体(定着ベルト)

Claims (3)

  1. 基体上に、シリコーンゴムで構成される弾性層、光触媒物質を含有するプライマー層、及び、離型層を順次有する定着用弾性回転体において、前記プライマー層が、オゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線によって照射されていることを特徴とする定着用弾性回転体。
  2. 基体上にシリコーンゴム溶液を塗布して弾性層を形成し、この弾性層上に光触媒物質を含有するプライマーを塗布してプライマー層を形成した後、このプライマー層にオゾン雰囲気中で低圧水銀灯紫外線を照射し、続いて、該プライマー層上に離型層を形成することを特徴とする定着用弾性回転体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の定着用弾性回転体を有することを特徴とする画像形成装置。
JP2003291572A 2003-08-11 2003-08-11 定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置 Expired - Fee Related JP4351498B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003291572A JP4351498B2 (ja) 2003-08-11 2003-08-11 定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003291572A JP4351498B2 (ja) 2003-08-11 2003-08-11 定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005062413A JP2005062413A (ja) 2005-03-10
JP4351498B2 true JP4351498B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=34369220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003291572A Expired - Fee Related JP4351498B2 (ja) 2003-08-11 2003-08-11 定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4351498B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5424801B2 (ja) * 2009-10-05 2014-02-26 キヤノン株式会社 定着部材及びその製造方法、ならびに像加熱定着装置
JP5652611B2 (ja) * 2011-03-02 2015-01-14 株式会社リコー 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP6442300B2 (ja) * 2014-01-27 2018-12-19 キヤノン株式会社 電子写真用部材及び熱定着装置
JP6407074B2 (ja) * 2015-01-06 2018-10-17 キヤノン株式会社 定着部材、定着部材の製造方法、定着装置および画像形成装置
US9665049B2 (en) * 2015-02-26 2017-05-30 Canon Kabushiki Kaisha Member for electrophotography, method for manufacturing member for electrophotography, and image-forming apparatus
JP6545032B2 (ja) * 2015-08-07 2019-07-17 キヤノン株式会社 定着装置及び画像形成装置
JPWO2017056638A1 (ja) 2015-09-30 2018-07-19 ソニー株式会社 マイクロ流路デバイス及び該マイクロ流路デバイスの製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3102316B2 (ja) * 1995-09-28 2000-10-23 富士電機株式会社 電子写真感光体
JP2000267487A (ja) * 1999-03-19 2000-09-29 Fuji Xerox Co Ltd 定着用弾性回転体の製造方法
JP4121377B2 (ja) * 2001-03-21 2008-07-23 株式会社ブリヂストン 防汚性塗膜の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005062413A (ja) 2005-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107664944B (zh) 定影构件、定影设备和电子照相图像形成设备
JP4378406B2 (ja) 定着部材、その製造方法、それを用いた定着装置及び電子写真画像形成装置
US7531237B2 (en) Fuser member
US7494706B2 (en) Fuser member
JP6347727B2 (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP6429533B2 (ja) 電子写真用定着部材、定着装置、および電子写真画像形成装置
US9588471B2 (en) Member for electrophotography, image heating apparatus, image forming apparatus, and method for manufacturing member for electrophotography
JP6708436B2 (ja) 電子写真用部材、電子写真用部材の製造方法、および画像形成装置
US20150241822A1 (en) Electrophotographic member, fixing device, and electrophotographic image forming apparatus
JP4250043B2 (ja) 定着用弾性回転体及びそれを有する画像形成装置
WO2008078582A1 (ja) 定着部材、その製造方法、それを用いた定着装置及び電子写真画像形成装置
JP4351498B2 (ja) 定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置
JP4587152B2 (ja) 加圧ローラ、加熱装置および画像形成装置
JP6548523B2 (ja) 電子写真用部材、像加熱装置、画像形成装置及び電子写真用部材の製造方法
JP2000267487A (ja) 定着用弾性回転体の製造方法
JP6407074B2 (ja) 定着部材、定着部材の製造方法、定着装置および画像形成装置
JP6366662B2 (ja) 定着部材、定着装置、画像形成装置および定着部材の製造方法
CN115407632A (zh) 定影带、定影装置及图像形成装置
JP2005208095A (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP6957169B2 (ja) 電子写真用回転体、定着装置、電子写真画像形成装置および回転体の製造方法
JP2010223417A (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP5585160B2 (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP6790476B2 (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2018151473A (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2018054731A (ja) ベルト部材、定着装置、及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090724

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees