JP4350844B2 - 作業用手袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、裏地を有するサポート型の作業用手袋に関し、より詳しくは、裏地の剥離防止加工を施した作業用手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムまたは樹脂製の家庭用・作業用のゴム手袋には、例えば綿繊維製等の手袋体を裏地として有するいわゆるサポート型のものと、裏地を有しないいわゆるノンサポート型ものもがある。このうち、サポート型の手袋は、ノンサポート型の手袋に比べて強度が強いことから、特に作業用手袋として好適に用いられる。
前記サポート型の手袋は、手袋の型に裏地を被せた上でゴムラテックスや樹脂エマルジョン等の表面素材溶液に浸すか、あるいは裏地を被せた手袋の型に前記表面素材溶液をシャワー方式で滴下することによって作製される。
【0003】
このサポート型作業用手袋の装着性・脱着性を優れたものにするには、前述の表面素材溶液による処理の際に、液圧に基づく浸透によって表面素材溶液が裏地を通り越してその内面にまで浸入し、裏地の網目部分が潰れてしまうのを防止することが重要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、作業用手袋の内面にまで表面素材が浸入するのを防ぐ方法として、特開平7−258905号公報には、表面張力を調整した浸透性の低いゴムラテックスを編み上げ手袋基体に浸漬させる方法が開示されている。
しかしながら、上記公報に開示の技術によって表面素材溶液の浸入を起こりにくくすると、当然のことながら、表面素材と裏地との剥離強度が低下する問題が生じる。
【0005】
一方、特許第2540729号公報には、綿繊維製または合成繊維製の手袋(原手)全面に撥水処理を施し、次いで原手の掌側にのみ浸透剤処理を施して、当該掌側をゴムラテックスの原料液に浸漬することにより、原料液の付着する部分としない部分との境界部分において原手に対するゴム被膜の密着性を高め、剥離強度を増大させる方法が開示されている。
また、実公平6−40562号公報には、編布にて構成された手袋体に凝固剤を含浸させ、その外面にウレタン系またはアクリル系の合成樹脂エマルジョンの塗布薄膜を被着させた後、さらにその外表面に柔軟な合成樹脂の塗布被膜を形成した作業用手袋が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記公報に開示の技術はいずれも行程が複雑で、コスト的にロスが大きい問題がある。
そこで、本発明の目的は、装着感・脱着感および柔軟性を損なうことなく、裏地と表面の被膜との剥離強度を実用上十分な程度に維持しつつ、かつ簡易な方法で作製することのできる作業用手袋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、表面素材と裏地(手袋体)との剥離が生じる発端となる部分における裏地の度目(一定面積内の網目数)を粗くして、かかる部分にのみ意図的に表面素材を浸入させ易くするとともに、その他の部分の度目を密にして表面素材を浸入させにくくすれば、裏地の表面にゴムラテックス等の表面素材を付着させる従来と同様の簡易な方法であっても、装着・脱着性を損なうことなく剥離強度を向上させた作業用手袋を得ることができるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係る第1の作業用手袋は、度目が粗く設定された袖部と、度目が密に設定された手部とを有する、繊維材料からなる手袋体の表面のうち、(a) 前記手部は、手袋体の厚み方向の途中まで浸透したゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜で覆われ、(b) 前記袖部のうち少なくとも前記手部に隣接する部分は、手袋体の内面まで浸透したゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜で覆われていることを特徴とするものである。
上記第1の作業用手袋によれば、手部の度目が密であることから、当該部分ではゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンの表面素材溶液が浸入しにくく、手袋体の内面にまで表面素材溶液が浸透することがない。一方、袖部の度目が粗いことから、当該部分ではゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンの表面素材溶液が浸入(スルー)し易く、手袋体の内面にまで表面素材溶液が浸透するいわゆるストライクスルーが生じる。
【0009】
従って、繊維材料からなる手袋体の表面のうち、度目が密に設定された手部だけでなく、度目が粗く設定された袖部のうち少なくとも前記手部に隣接する部分(袖部と手部との境界部分)にもゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜を設けることによって、袖部の一部または全部に手袋体と被膜との剥離強度が大きい部分を設けることができ、それゆえ、作業用手袋全体として装着感・脱着感および柔軟性を損なうことなく、裏地である手袋体と表面の被膜との剥離強度が実用上十分な程度に維持された作業用手袋を提供することができる。
【0010】
上記第1の作業用手袋は、手袋体をゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンに浸漬するだけの簡易な方法によって提供される。
一方、本発明に係る第2の作業用手袋は、度目が粗く設定された手の甲部と、度目が密に設定された指部および掌部とを有する、繊維材料からなる手袋体の表面のうち、(c) 前記指部および掌部は、手袋体の厚み方向の途中まで浸透したゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜で覆われ、(d) 前記甲部のうち少なくとも前記指部および掌部に隣接する部分は、手袋体の内面まで浸透したゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜で覆われていることを特徴とするものである。
【0011】
上記第2の作業用手袋によれば、指部および掌部の度目が密であることから、当該部分ではゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンの表面素材溶液が浸入しにくく、従って手袋体の内面にまで表面素材溶液が浸透することがない。一方、手の甲部の度目が粗いことから、当該部分ではゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンの表面素材溶液が浸入(スルー)し易く、手袋体の内面にまで表面素材溶液が浸透するいわゆるストライクスルーが生じる。
【0012】
従って、繊維材料からなる手袋体の表面のうち、度目が密に設定された指部および掌部だけでなく、度目が粗く設定された手の甲部のうち少なくとも前記指部および掌部に隣接する部分(甲部と、指部および掌部との境界部分)にもゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜を設けることによって、甲部の一部分に手袋体と被膜との剥離強度が大きい部分を設けることができ、それゆえ、作業用手袋全体として装着感・脱着感および柔軟性を損なうことなく、裏地である手袋体と表面の被膜の剥離強度が実用上十分な程度に維持された作業用手袋を提供することができる。
【0013】
また、上記第2の作業用手袋によれば、手の甲部に被膜が形成されていない領域が生じることから、作業用手袋を長時間使用しても蒸れにくいという利点も得られる。
上記第2の作業用手袋は、手袋体の所定の領域、すなわち手袋体の指部および掌部と、手の甲部との境界部分とを、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンに浸漬するだけの簡易な方法によって提供される。
【0014】
上記第1および第2の作業用手袋において、度目が密な部分における1cm当たりの度目が50〜70で、度目が粗い部分における1cm当たりの度目が25〜49であるのが好ましい。この場合、前記度目が粗い部分には表面素材を浸入させ易くして剥離強度を十分なものとし、一方の度目が密な部分には表面素材を浸入させにくくして、装着・脱着性を損なうことなく剥離強度を向上させることができる。
【0015】
上記第1および第2の作業用手袋においては、手袋体が編み手袋、すなわち縫い目のない編み手袋であるのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の作業用手袋について、図1〜4を参照しつつ詳細に説明する。
本発明に係る作業用手袋の形状は、図1および2に示すいわゆる曲がり指形手袋10であってもよく、図3および4に示すいわゆる直指形手袋20のいずれであってもよい。
図1および図3は、作業用手袋10,20を構成する、繊維材料からなる手袋体11,21の表面に、ゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜を設けた状態を示す図であって、網目状の斜線を付した領域が被膜12,22の領域を示している。
【0017】
図2は、図1に示す曲がり指形の作業用手袋10の表面に被膜12を設ける前の段階、すなわち手袋体11のみを示す図であって、粗い網目を付した領域が度目を粗く設定した袖部15を示しており、密な網目を付した領域が度目を密に設定した手部16を示している。
度目の密な(図2で網目の密な)手部16は、度目が密であるゆえにゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜13が内部にまで浸透しない。これに対し、度目の粗い(図2で網目の粗い)袖部15は、度目が粗いゆえに被膜14が内部にまで浸透して、手袋体11と被膜12との接着強度が大きな部分14aを形成する。
【0018】
従って、図1に示すように、手部16だけでなく、袖部15のうち少なくとも手部16と隣接する部分にまで被膜12を設けることによって、手袋体11と被膜12との接着強度が大きい部分14aが生じる。当該部分14aを形成することによって、本発明の作業用手袋10における手袋体11と被膜12との剥離強度を実用上十分なものとすることができる。
図4は、図3に示す直指形の作業用手袋20の表面に被膜22を設ける前の段階、すなわち手袋体21のみを示す図であって、粗い網目を付した領域が度目を粗く設定した手の甲部25を示しており、密な網目を付した領域が度目を密に設定した指部26および掌部27を示している。
【0019】
度目の密な(図4で網目の密な)指部26および掌部27は、度目が密であるゆえにゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜23が内部にまで浸透しない。これに対し、度目の粗い(図4で網目の粗い)手の甲部25は、度目が粗いゆえに被膜24が内部にまで浸透して、手袋体21と被膜22との接着強度が大きな部分を形成する。
従って、図3に示すように、指部26および掌部27だけでなく、手の甲部25のうち少なくとも指部26および掌部27と隣接する部分にまで被膜22を設けることによって、手袋体21と被膜22との接着強度が大きい部分24が生じる。当該部分24を形成することによって、本発明の作業用手袋20における手袋体21と被膜22との剥離強度を実用上十分なものとすることができる。
【0020】
〔手袋体〕
本発明に係る作業用手袋において裏地として用いられる手袋体は、後述する度目が適宜設定されているほかは特に限定されるものではないが、縫い目のない(すなわち、裁縫していない)編み手袋であるのが好ましい。
手袋体の材質も特に限定されるものではなく、綿、麻、羊毛等の天然繊維;セルロース等の再生繊維;アセテート、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維等の合成繊維などの、従来公知の種々の材質を用いることができる。
【0021】
(第1の作業用手袋)
上記本発明に係る第1の作業用手袋のように、手袋体の袖部端部を除く表面全体または手袋体の表面全体にゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜を設ける場合において、作業用手袋10を構成する手袋体11は、例えば図1に示すように、袖部15と、当該手部16とに分けて、袖部15の度目が粗くなるように、かつ手部16の度目が密になるように設計される。
【0022】
ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンが手袋体11の裏面にまで達して両者が強固に接着する領域を設けるために、前記被膜12を設ける領域は手部16だけでなく、わずかに袖部15にはみ出るように設定する必要がある。被膜12が袖部15にはみ出た部分14aでは、手袋体11の度目が粗いことから、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンが手袋体11の内面にまで達して両者の剥離強度が大きくなる。その結果、作業用手袋10全体で、手袋体11と被膜12との剥離強度を十分なものとすることができる。
【0023】
上記作業用手袋10において、度目が密な部分(すなわち、手部16)における1cm当たりの度目は50〜70であるのが好ましく、55〜65であるのがより好ましく、さらに好ましくは55〜60である。
一方、度目が粗い部分(すなわち、袖部15)における1cm当たりの度目は25〜49であるのが好ましく、30〜45であるのがより好ましく、さらに好ましくは35〜40である。
【0024】
(第2の作業用手袋)
上記本発明に係る第2の作業用手袋のように、主に手袋の指部および掌部にゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜を設ける場合においては、作業用手袋20を構成する手袋体21は、例えば図3に示すように、手の甲部25と、指部26および掌部27とに分けて、手の甲部25の度目が粗くなるように、かつ指部26および掌部27の度目が密になるように設計される。
【0025】
ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンが手袋体21の裏面にまで達して両者が強固に接着する領域を設けるために、前記被膜22を設ける領域は指部26および掌部27だけでなく、わずかに手の甲部25にはみ出るように設定する必要がある。被膜22が手の甲部25にはみ出た部分24では、手袋体21の度目が粗いことから、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンが手袋体21の内面にまで達して両者の剥離強度が大きくなる。その結果、作業用手袋20全体で、手袋体21と被膜22との剥離強度を十分なものとすることができる。
【0026】
上記作業用手袋20において、度目が密な部分(すなわち、指部26および掌部27)における1cm当たりの度目は50〜70であるのが好ましく、55〜65であるのがより好ましく、さらに好ましくは55〜60である。
一方、度目が粗い部分(すなわち、手の甲部25)における1cm当たりの度目は25〜49であるのが好ましく、30〜45であるのがより好ましく、さらに好ましくは35〜40である。
【0027】
(手袋体の製造方法)
上記手袋体11,21のように、部分的に度目を粗くまたは密にした手袋体を得るには、例えば特開平9−59854号公報に開示された幅変化のある細幅編成テープの製造方法のように、手袋体の編成時に糸に対するテンション(引き込み強さ)および糸量(糸供給量)の双方またはいずれかを変化させることによって製造することができる。
【0028】
〔被膜〕
本発明に係る作業用手袋の被膜には、ゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンを用いて形成したものが用いられる。
(ゴムラテックス)
上記ゴムラテックスとしては、例えば天然ゴム(NR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックス、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス等の、従来公知の種々のゴムラテックスが挙げられる。中でも、天然ゴムラテックスが、作業用手袋の柔軟性等を優れたものにする上で好適である。
【0029】
上記天然ゴムラテックスは、フィールドラテックス、アンモニアラテックス等の従来公知の、種々の天然ゴムラテックスのほかに、ラテックス中の蛋白質を除去する処理が施されたいわゆる脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスであってもよい。
(加硫系添加剤)
上記ゴムラテックスには、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等が配合され、さらに必要に応じて他の添加剤が配合される。
【0030】
加硫剤としては、例えば硫黄;トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫剤の配合量は、前加硫の程度や加硫促進剤等の配合量と兼ね合いによって決定されるものであるが、通常、ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の範囲で設定される。
【0031】
加硫促進剤としては、例えばN−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫促進剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。
【0032】
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。加硫促進助剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。
(他の添加剤)
充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。充填剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。
【0033】
上記各添加剤のゴムラテックス中での分散性を良好なものとするために分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例えば各種陰イオン系界面活性剤等が挙げられる。分散剤の配合量は、分散対象である成分の重量に対して0.3〜1.0重量%程度であるのが適当である。
(樹脂エマルジョン)
本発明においては、被膜を形成する表面素材として、ゴムラテックスに代えて、塩化ビニル樹脂等の樹脂エマルジョンを使用することができる。
【0034】
〔作業用手袋の製造方法〕
本発明に係る作業用手袋は、前述の手袋体を、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンに浸漬して、手袋体の所定の領域にゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンを付着させ、加硫または加熱、乾燥の処理を施すことによって製造される。
ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンを付着させる手袋体の領域は、前述のように、手袋体の度目が密な部分と、当該密な部分から度目が粗い部分にわずかにはみ出した部分とにおいて、適宜設定すればよい。
【0035】
ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンの付着量は、作業用手袋の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、通常、手袋の片方1本当たり35〜50gに設定するのが好ましく、40〜45gであるのがより好ましい。
ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンを手袋体の表面に付着させた後の加硫、加熱または乾燥の処理は、常法に従って行えばよい。
【0036】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
〔ゴムラテックスの調製〕
天然ゴムラテックス〔NRラテックス、ゴム固形分濃度(TSC)60重量%〕のゴム固形分100重量部に対して、亜鉛華(ZnO)1重量部、加硫促進剤〔ジブチルカルバミン酸亜鉛、BZ、商品名「ノクセラーBZ」(大内化学新興(株)製)〕1重量部、硫黄1重量部、水酸化カリウム1.0重量部を添加し、水で希釈してゴム固形分濃度(TSC)を50重量%に調整した後、30℃で48時間前加硫を行って前加硫NRラテックス(粘度60cps)とした。
【0037】
〔作業用手袋の作製〕
実施例1
作業用手袋を構成する手袋体11としては、13ゲージで編まれた綿製の編み手袋(20番双糸×1,30番単糸×2、全長x=29cm)であって、指部先端(中指先端)17から、袖端から指部先端側へ3cmの部分(手部16)までの度目が1cm2 当たり63個となるように、かつ袖端から指部先端側へ3cm(y=3cm)の部分(袖部15)の度目が1cm2 当たり49個となるようにそれぞれ調整されたものを使用した(図2参照)。
【0038】
上記編み手袋を手袋の型に被せて、硝酸カルシウム20%メタノール溶液に1分間浸し、次いで、この編み手袋をその指部側から前記前加硫NRラテックスに浸し、手袋体11の袖端から指部先端側へ0.5cmまでの部分を前加硫NRラテックス中に20秒間浸漬させた。さらに、前記型を引き上げ、100℃で30分加硫した後、水洗して、乾燥機で30分間乾燥させて作業用手袋を得た。
こうして得られた作業用手袋には、図1に示すように、手袋体11の手部16と、袖部15のうち手部16に隣接する部分とに被膜12が設けられた。この被膜12のうち、手部16に形成させた被膜13はストライクスルーを生じておらず、袖部15に形成させた被膜14はストライクスルーを生じていた。
【0039】
比較例1
作業用手袋を構成する手袋体としては、13ゲージで編まれた綿製の編み手袋(20番双糸×1,30番単糸×2、全長x=29cm)であって、度目が手袋体のいずれの部分においても平均して1cm2 当たり63個となるように調整されたほかは、実施例1と同じ形状・寸法のものを使用した。かかる手袋体は全体的に度目が密で、上記前加硫NRラテックスは手袋体の内部にまで浸透しにくい(ストライクスルーが生じにくい)。
【0040】
上記編み手袋を実施例1と同様にして手袋の型に被せ、硝酸カルシウム20%メタノール溶液に浸し、次いで前加硫NRラテックスに浸漬させ、引き上げ後、加硫、水洗、乾燥を行って、作業用手袋を得た。
比較例2
作業用手袋を構成する手袋体としては、10ゲージで編まれた綿製の編み手袋(20番双糸×1,30番単糸×2、全長x=29cm)であって、度目が手袋体のいずれの部分においても平均して1cm2 当たり49個となるように調整されたほかは、実施例1と同じ形状・寸法のものを使用した。かかる手袋体は全体的に度目が粗く、前記前加硫NRラテックスは手袋体の内部にまで浸透しやすい(ストライクスルーが生じ易い)。
【0041】
上記編み手袋を実施例1と同様にして手袋の型に被せ、硝酸カルシウム20%メタノール溶液に浸し、次いで前加硫NRラテックスに浸漬させ、引き上げ後、加硫、水洗、乾燥を行って、作業用手袋を得た。
〔剥離強度の測定〕
前記実施例1および比較例1、2で得られた作業用手袋の袖部15と、当該手部16との境界近傍から幅20mm×長さ100mmのサンプルを作業用手袋の長手方向に抜き取り、長さ50mm分までの手袋体と被膜とを剥離させた。
【0042】
上記サンプルを用いて、手袋体と被膜とを垂直方向に50mm/分で引っ張り、手袋体と被膜とが完全に剥離したときの荷重を測定した。
以上の結果を下記の表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004350844
【0044】
表1より明らかなように、比較例1ではストライクスルーが生じていないために手袋体と被膜との接着性が良好ではなく、十分な剥離強度が得られなかった。一方、比較例2ではストライクスルーが生じたために手袋体と被膜との接着性が良好であったものの、手袋体のほぼ全面でストライクスルーが生じたために、装着感・脱着感や柔軟性が低下した。
これに対し、実施例1では、装着感・脱着感や柔軟性が良好であり、かつ手袋体と被膜との接着性が良好で、十分な剥離強度を得ることができた。
【0045】
〔作業用手袋の作製〕
実施例2
作業用手袋を構成する手袋体21としては、13ゲージで編まれた綿製の編み手袋(20番双糸×1,30番単糸×2、全長x=29cm)であって、指部先端(中指先端)28から約3cm程度(z=3cm)の部分(指部26)と掌部27との度目が1cm2 当たり63個になるように、かつ手の甲部25の度目が1cm2 当たり49個となるようにそれぞれ調整された直指形のものを使用した。なお、親指部26aについては、当該親指部26aの先端から約3cm程度(z’=3cm)の度目が1cm2 当たり63個になるように調整した(図4参照)。
【0046】
上記編み手袋を手袋の型に被せて、硝酸カルシウム20%メタノール溶液に1分間浸し、次いで、この編み手袋を、手の甲部25側を上にして前記前加硫NRラテックスに浸した。編み手袋を前記ラテックスに浸漬する際には、図4に示すように、度目が密に設定されている指部26および掌部27のほぼ全域と、度目が粗く設定されている甲部25のうち前記指部26および掌部27の隣接部分とに前記ラテックスが付着するように調整した。また、ラテックス中での編み手袋の浸漬時間は20秒とした。
【0047】
こうして、前記型をラテックスから引き上げ、100℃で30分加硫した後、水洗して、乾燥機で30分間乾燥させて作業用手袋を得た。
こうして得られた作業用手袋には、図3に示すように、手袋体21の指部26および掌部27と、甲部25のうち前記指部26および掌部27と隣接する部分とに被膜22が設けられた。この被膜22のうち、指部26および掌部27に形成させた被膜23はストライクスルーを生じておらず、甲部25に形成させた被膜24はストライクスルーを生じていた。
【0048】
比較例3
作業用手袋を構成する手袋体としては、13ゲージで編まれた綿製の編み手袋(20番双糸×1,30番単糸×2、全長x=29cm)であって、度目が手袋体のいずれの部分においても平均して1cm2 当たり63個となるように調整されたほかは、実施例2と同じ形状・寸法のものを使用した。かかる手袋体は全体的に度目が密で、上記前加硫NRラテックスは手袋体の内部にまで浸透しにくい(ストライクスルーが生じにくい)。
【0049】
上記編み手袋を実施例3と同様にして手袋の型に被せ、硝酸カルシウム20%メタノール溶液に浸し、次いで前加硫NRラテックスに浸漬させ、引き上げ後、加硫、水洗、乾燥を行って、作業用手袋を得た。
比較例4
作業用手袋を構成する手袋体としては、10ゲージで編まれた綿製の編み手袋(20番双糸×1,30番単糸×2、全長x=29cm)であって、度目が手袋体のいずれの部分においても平均して1cm2 当たり49個となるように調整されたほかは、実施例2と同じ形状・寸法のものを使用した。かかる手袋体は全体的に度目が粗く、前記前加硫NRラテックスは手袋体の内部にまで浸透しやすい(ストライクスルーが生じ易い)。
【0050】
上記編み手袋を実施例1と同様にして手袋の型に被せ、硝酸カルシウム20%メタノール溶液に浸し、次いで前加硫NRラテックスに浸漬させ、引き上げ後、加硫、水洗、乾燥を行って、作業用手袋を得た。
〔剥離強度の測定〕
前記実施例2および比較例3、4で得られた作業用手袋の指部26または掌部27と、甲部25との境界近傍から幅20mm×長さ100mmのサンプルを手袋の長手方向に抜き取り、長さ50mm分までの手袋体と被膜とを剥離させた。
【0051】
上記サンプルを用いて、手袋体と被膜とを垂直方向に50mm/分で引っ張り、手袋体と被膜とが完全に剥離したときの荷重を測定した。
以上の結果を下記の表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0004350844
【0053】
表2より明らかなように、比較例3ではストライクスルーが生じていないために手袋体と被膜との接着性が良好ではなく、十分な剥離強度が得られなかった。一方、比較例4ではストライクスルーが生じたために手袋体と被膜との接着性が良好であったものの、手袋体のほぼ全面でストライクスルーが生じたために、装着感・脱着感や柔軟性が低下した。
これに対し、実施例2では、装着感・脱着感や柔軟性が良好であり、かつ手袋体と被膜との接着性が良好で、十分な剥離強度を得ることができた。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、装着感・脱着感および柔軟性を損なうことなく、裏地と表面の被膜との剥離強度を実用上十分な程度に維持しつつ、かつ簡易な方法で作業用手袋を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業用手袋の一実施形態を示す図であって、同図(a) はその左側面図、同図(b) は正面図である。
【図2】図1に示す作業用手袋の一実施形態における、被膜12を形成する前の手袋体11を示す図であって、同図(a) はその左側面図、同図(b) は正面図である。
【図3】本発明に係る作業用手袋の他の実施形態を示す図であって、同図(a) はその背面図、同図(b) は左側面図および同図(c) は正面図である。
【図4】図3に示す作業用手袋の他の実施形態における、被膜22を形成する前の手袋体21を示す図であって、同図(a) はその背面図、同図(b) は左側面図および同図(c) は正面図である。
【符号の説明】
10,20 作業用手袋
11,21 手袋体
12,22 被膜
15 袖部
16 手部
25 甲部
26 指部
27 掌部

Claims (4)

  1. 度目が粗く設定された袖部と、度目が密に設定された手部とを有する、繊維材料からなる手袋体の表面のうち、
    (a) 前記手部は、手袋体の厚み方向の途中まで浸透したゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜で覆われ
    (b) 前記袖部のうち少なくとも前記手部に隣接する部分は、手袋体の内面まで浸透したゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜で覆われている
    ことを特徴とする作業用手袋。
  2. 度目が粗く設定された手の甲部と、度目が密に設定された指部および掌部とを有する、繊維材料からなる手袋体の表面のうち、
    (c) 前記指部および掌部は、手袋体の厚み方向の途中まで浸透したゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜で覆われ
    (d) 前記甲部のうち少なくとも前記指部および掌部に隣接する部分は、手袋体の内面まで浸透したゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンからなる被膜で覆われている
    ことを特徴とする作業用手袋。
  3. 度目が密な部分における1cm当たりの度目が50〜70で、度目が粗い部分における1cm当たりの度目が25〜49である請求項1または2記載の作業用手袋。
  4. 前記手袋体が編み手袋である請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業用手袋。
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