JP4350520B2 - 金型キャビティ内の溶融材料の温度を計測するための方法及び装置 - Google Patents

Description

本発明は、射出成形装置に関し、更に詳細には、金型キャビティ内の溶融材料の温度を計測するための方法及び装置に関する。

射出成形装置の温度の正確な制御は、射出成形プロセスで処理量及び製品品質の制御を維持する上で基礎をなすものである。マニホールド及びノズルを通って流れる溶融体を加熱するため、代表的にはヒーターが設けられており、金型キャビティ内の溶融体を冷却するため、冷却チャンネルが設けられている。射出中、溶融体は、溶融材料で決まる所定の温度範囲内に維持されなければならない。溶融体を金型キャビティに注入した後、溶融体を所定速度で冷却し、型成形部品を製造する。少なくとも部分的には、金型キャビティに進入する溶融体の温度に基づいて所定の冷却速度を計算する。

多キャビティ射出成形装置では、金型キャビティに進入する溶融体の温度は、多くの場合、金型キャビティによって異なる。このように、プラスチックについての最適な冷却時間は各金型キャビティで僅かに異なる。半結晶質樹脂を使用する射出成形の用途については、この温度変化により、多くの場合、不十分な品質の型成形物品が製造されてしまう。

半結晶質樹脂の一般的な用途は、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）予備成形物の製造にある。高品質の予備成形物を製造するため、半結晶質樹脂は、結晶質部分が形成されないように予備成形物の取り出し前に凝固できるように金型キャビティ内で十分な期間に亘って冷却しなければならない。結晶質部分は、代表的には、金型ゲートと隣接した予備成形物の底部分で形成される。結晶質部分により、予備成形物は脆くなり、そのため吹込成形時に亀裂を生じてしまう。

高品質の型成形製品を効率的に製造するため、ＰＥＴ予備成形物の冷却を最適化する多くの試みがなされてきた。例えば、２００１年１月９日にハスキー射出成形システムズ株式会社に付与された「予備成形物後型成形冷却方法及び装置」という表題の米国特許第６，１７１，５４１号明細書には、型成形された物品を冷却の完了前に金型から取り出す急速射出成形プロセスが開示されている。

２００１年８月２１日にハスキー射出成形システムズ株式会社に付与された「コア流体速度誘導器」という表題の米国特許第６，２７６，９２２号明細書には、コアに亘る冷却供給の循環を改善するために冷却供給チューブの出口に配置された誘導器が開示されている。

２００１年１月２３日にヨブスト・ゲラート等に付与された「射出成形冷却キャビティ挿入体」という表題の米国特許第６，１７６，７００号明細書には、冷却流体流れチャンネルが一体の内部分と外部分との間を延びるキャビティ挿入体を有する射出成形装置が開示されている。キャビティ挿入体は、型成形物品用の冷却プロセスを改良しようとするものである。ノズルは、溶融材料の温度をノズルから出るときに計測する熱電対を含む。
米国特許第６，１７１，５４１号明細書 米国特許第６，２７６，９２２号明細書 米国特許第６，１７６，７００号明細書

型成形物品用の冷却プロセスを改良しようとする全ての試みに拘わらず、金型キャビティ内の溶融材料の温度を計測する方法の改善はなされてこなかった。追加の温度計測値をノズルの出口で得るのが望ましい。これは大きな温度変化がこの領域で起こるためである。従って、本発明の目的は、金型キャビティ内の溶融材料の温度を計測するための方法及び装置を提供することである

本発明の一つの特徴によれば、射出成形装置において、
圧力が加わった溶融材料の溶融体流れを受け入れ、溶融体流れをノズルのノズルチャンネルに送出するためのマニホールドチャンネルを有するマニホールドと、
ノズルから溶融体流れを受け入れるための金型キャビティであって、ノズルチャンネルが金型キャビティと金型ゲートを通して連通している、金型キャビティと、
金型キャビティ内の溶融材料の温度を計測するため、金型キャビティの金型コアに連結された熱電対とを含む、射出成形装置が提供される。

本発明の別の特徴によれば、部品を型成形するための方法において、
溶融材料の溶融体流れを圧力が加わった状態でマニホールドのマニホールドチャンネルからノズルのノズルチャンネルを通して、金型ゲートを通して金型キャビティに送出し、溶融体流れをノズルに連結されたノズルヒーターによって加熱する工程と、
金型キャビティ内の溶融材料の温度を第１熱電対を使用して計測する工程と、
ノズル内の溶融材料の温度を第２熱電対を使用して計測する工程とを含む、方法が提供される。

本発明の更に別の特徴によれば、部品を型成形するための方法において、
溶融材料の溶融体流れを圧力が加わった状態でマニホールドのマニホールドチャンネルからノズルのノズルチャンネルを通して、金型ゲートを通して金型キャビティに送出し、溶融体流れをノズルに連結されたノズルヒーターによって加熱する工程と、
金型キャビティ内の溶融材料の温度を熱電対を使用して計測する工程と、
金型キャビティ内の溶融材料の温度を制御装置に提供する工程と、
金型キャビティ内の溶融材料の温度を制御装置に記憶された所定のターゲット温度と比較する工程と、
ノズルヒーターの出力を調節し、金型キャビティに進入する溶融材料の温度を所定のターゲット温度と整合する工程とを含む、方法が提供される。

本発明の別の特徴によれば、射出成形装置において、
圧力が加わった溶融材料の溶融体流れを受け入れ、溶融体流れをノズルのノズルチャンネルに送出するためのマニホールドチャンネルを有するマニホールドであって、ノズルは溶融体流れを加熱するためのヒーターを有する、マニホールドと、
ノズルから溶融体流れを受け取るための金型キャビティであって、ノズルチャンネルは金型キャビティと金型ゲートを通して連通している、金型キャビティと、
金型キャビティ内の溶融材料の温度を計測するため、金型キャビティの金型コアに連結された熱電対と、
熱電対及びヒーターと連通しており、熱電対からの温度出力を受け取り、ヒーターのヒーター出力を調節するために温度出力を所定のターゲット温度と比較する制御装置とを含む、装置が提供される。

次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照して更に詳細に説明する。

発明を実施するための形態

次に、図１を参照すると、ボトル予備成形物を型成形するための多キャビティ射出成形装置の一部が示してあり、この装置の全体に参照番号１０が付してある。この射出成形装置は、２００１年１月２３日にゲラートに付与された米国特許第６，１７６，７００号明細書に開示された装置と同様である。この特許に触れたことにより、この特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。図示のように、射出成形装置１０は、溶融材料が流れるマニホールド溶融体チャンネル１６を有するマニホールド１４を含む。ノズル１２のノズルチャンネル１８は、マニホールド１４から溶融材料を受け取って溶融材料の流れを金型ゲート２１を通して金型キャビティ２０に差し向け、ボトル予備成形物（図示せず）を型成形により形成する。ノズル１２には、金型キャビティ２０に射出されたときの溶融材料の温度を計測するためにノズル熱電対１９が設けられている。

金型キャビティ２０はキャビティプレート３０内に形成され、金型コア２２の第１金型キャビティ表面３４及び金型プレートアッセンブリ３５が画成する第２金型キャビティ表面２４によって境界が定められる。金型コア２２の第１金型キャビティ表面３４はボトル予備成形物の内面と接触し、第２金型キャビティ表面２４はボトル予備成形物の外面と接触する。中央流体冷却ダクト２６が金型コア２２を通って延びる。クーラントが中央流体冷却ダクト２６を通って流れ、型成形されたボトル予備成形物を冷却する。金型キャビティ２０の第２金型キャビティ表面２４は、キャビティプレート３０を通って延びる冷却ライン２８を介して冷却される。適当なクーラントには、水、オイル又はガスが含まれる。金型コア２２の中央流体冷却ダクト２６及びキャビティプレート３０の冷却ライン２８は、代表的には同じクーラントを共有しない。

射出成形装置１０は、更に、金型コア２２を通って金型コアの長さの一部に沿って延びる熱電対３２を含む。金型コア２２には、熱電対３２を受け入れるための穴が穿孔されている。熱電対３２は、金型キャビティ２０内の溶融材料の温度を計測する。

作動中は、溶融体流れが圧力下でマニホールドチャンネル１６を通って射出成形装置１０の複数のノズル１２のノズルチャンネル１８に流入する。溶融体流れは、次いで、金型キャビティ２０内に射出される。射出完了時に各金型キャビティ２０をクーラントで冷却する。クーラントは、夫々の中央流入冷却ダクト２６を通って流れる。所定の冷却時間の経過後、型成形された予備成形物を金型キャビティ２０から取り出す。

型成形された予備成形物の冷却速度は、中央流入冷却ダクト２６を通って流れるクーラントの温度及びキャビティプレート３０の冷却ライン２８を通って流れるクーラントの温度で決まる。多くの金型キャビティ２０を有する射出成形装置が、代表的には金型キャビティ２０の各々の中央流入冷却ダクト２６を通して同じクーラントを循環するため、個々の金型キャビティ２０の各々を通過するとき、クーラントは正確には同じ温度でない。このように、各金型キャビティ２０の冷却速度は異なる。

金型ゲート２１の近くで、即ち金型キャビティ２０での及びノズル１２での溶融材料の二つの独立した温度計測値を得ることによって、計測値の精度及び信頼性が向上する。更に、金型コア２２に設けられた熱電対３２により、予備成形物での結晶化の原因を更に容易に確認することができる。温度は、熱電対３２及びノズル熱電対１９によって順次又は同時に計測することができるということは理解されよう。

次に図２を参照すると、この図には変形例の構成が示してある。この構成では、熱電対３２は金型コア２２のチップ２３近くに配置される。図３の構成では、一対の熱電対３２ａ及び３２ｂが金型コア２２に設けられている。詳細には、熱電対３２ａが金型コア２２の表面に配置され、熱電対３２ｂが中央流体冷却導管２６に配置される。

図１、図２及び図３の射出成形装置では、熱電対３２、又は熱電対３２ａ及び３２ｂ、及びノズル熱電対１９の組み合わせにより、フェイルセーフ構成を提供するという追加の利点が提供される。ノズル熱電対１９が何らかの理由で故障した場合に金型キャビティ２０の温度を熱電対３２、３２ａ又は３２ｂを使用して決定することができる。

様々な種類の冷却コアが２０００年６月２０日にゲラートに付与された米国特許第６，０７７，０６７号明細書に開示されている。この特許に触れたことにより、この特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。少なくとも一つの熱電対を、図１、図２及び図３に関して説明したのと同様の方法でゲラートの特許の冷却コアに連結することができるということは当業者には理解されよう。

次に、図４を参照し、ＰＥＴ予備成形物を型成形するための、図１の射出成形装置と同様の多キャビティ射出成形装置１００を説明する。射出成形装置１００は、マニホールド溶融体チャンネル１１６が設けられたマニホールド１１４を含む。マニホールド溶融体チャンネル１１６は、溶融体流れを受け入れるため、機械ノズル（図示せず）と連通している。ホットランナーノズル１１２は、マニホールド溶融体チャンネル１１６から溶融材料の溶融体流れを受け入れるためのノズルチャンネル１１８を含む。各ノズルチャンネル１１８を通過する溶融体流れを加熱するため、ノズルヒーター１５０がノズル１１２に連結されている。ノズルヒーター１５０は、ヒーター出力の調節に使用されるヒーター制御装置１５２を含む。金型キャビティ１２０は、各ノズル１１２のチップと隣接して配置されており、金型ゲート１２１及び１２３の夫々を通って溶融材料の流れを受け入れるため、ノズルチャンネル１１８と連通している。

金型ゲート１２１は熱ゲート式であり、金型ゲート１２３はバルブゲート式である。バルブピン１３０は、バルブゲート１２３を開閉するため、ノズルチャンネル１１８を通って延びている。この種のゲート装置により、金型ゲート１２３を通って流れる溶融体の容積を調節することができる。バルブピンゲートシステムは当該技術分野で周知であり、かくして以下には詳細に説明しない。

ノズル熱電対１１９は、溶融材料の温度を金型キャビティ１２０に射出されるときに計測するため、ノズル１１２に連結されている。

各金型キャビティ１２０は、金型コア１２２の第１金型キャビティ表面１３４及び金型プレート１２５の第２金型キャビティ表面１２４によって境界が定められる。金型コア１２２の第１金型キャビティ表面１３４はボトル予備成形物の内面と接触し、第２金型キャビティ表面１２４はボトル予備成形物の外面と接触する。中央流体冷却ダクト１２６は、型成形された予備成形物を冷却することができるように金型コア１２２を通って延びる。熱電対１３２は、金型キャビティ１２０での溶融体の流れの温度を計測するため、各金型キャビティ１２０の金型コア１２２に設けられている。図示のように、熱電対１３２は金型コア１３４のチップに配置されている。しかしながら、熱電対１３２は、金型コア１２２の任意の他の適当な箇所に配置されていてもよいということは理解されよう。

制御装置１４０はノズル熱電対１１９及び金型キャビティ熱電対１３２と連通しており、これらの熱電対から温度情報を受け入れる。制御装置１４０は、更に、ノズルヒーター１５０のヒーター制御装置１５２と連通しており、制御装置１４０によりノズルヒーター１５０の出力を調節することができる。制御装置１４０は、金型キャビティ１２０内の溶融体についての少なくとも所定のターゲット温度データを含むようにプログラムされる。制御装置１４０は、熱電対１３２によって供給された実際の温度計測値を所定のターゲット金型キャビティ温度と比較し、各ノズル１１８のヒーター制御装置１５２についての入力設定を計算することができる論理プロセッサを含む。

作動中においては、溶融体の流れは、圧力下で、マニホールドチャンネル１１６を通って、射出成形装置１００の複数のノズル１１２のノズルチャンネル１１８に流入する。溶融体の流れは、次いで、金型キャビティ１２０に射出される。射出成形プロセスの開始時に温度計測値をノズル熱電対１１９及び金型キャビティ熱電対１３２から制御装置１４０に送出する。制御装置１４０は、次いで、金型キャビティ１２０の温度をターゲット温度と比較する。金型キャビティ１２０の温度がターゲット温度以下である場合には、制御装置１４０はヒーター制御装置１５２に信号を送出し、ヒーター出力を特定量だけ上昇させる。同様に、金型キャビティ１２０の温度がターゲット温度以上である場合には、制御装置１４０はヒーター制御装置１５２に信号を送出し、ヒーター出力を特定量だけ減少させる。ヒーター熱電対１１９は、ノズルヒーター１５０が適正に作動していることを確かめるためのチェックとして役立つ。制御装置により、溶融体の温度が射出成形装置１００の各金型キャビティ１２０について一貫しているように、各金型キャビティ１２０に進入する溶融体の温度を独立して調節することができる。

射出後、夫々の中央流体冷却ダクト１２６を通って流れるクーラントによって各金型キャビティ１２０を冷却する。所定の冷却時間の経過後、型成形された予備成形物を金型キャビティ１２０から取り出す。

金型ゲート１２３がバルブピン１３０を含む場合には、制御装置１４０は、更に、バルブピンのストロークを制御することができる。これにより、金型キャビティに進入する溶融体の容積を熱電対１１９、１３２が提供する温度情報に応じて調節することができる。

次に図５を参照すると、同時射出成形装置５０が概略的に示してある。この同時射出成形装置は、１９８６年９月２日にクリシュナクマール等に付与された米国特許第４，６０９，５１６号明細書に開示された装置と同様である。この特許に触れたことにより、この特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。同時射出成形装置５０は、金型コア５６の第１金型キャビティ表面５５及び金型プレートアッセンブリ５７の第２金型キャビティ表面５４によって境界が定められた金型キャビティ５２を含む。金型キャビティ５２内の温度を計測するため、熱電対６２が金型コア５６に配置されている。第２熱電対（図示せず）が第１熱電対６２の下流に設置されている。

同時射出成形プロセスでは、第１溶融材料をノズル５８から金型ゲート６４を通って金型キャビティ５２内に圧送し、次いで、内部溶融バリア層を第２材料ディスペンサ６０を介して第１材料に押し込む。完成した製品は、バリア層が第１材料層によって取り囲まれた型成形物品である。同時射出成形プロセス中、第１溶融材料層が金型キャビティ５２内で冷却し、溶融バリア層に対して断熱体となる。高品質の型成形製品を形成するため、各溶融材料の温度を金型キャビティ５２への入口のところで計測することが重要である。金型コア５６に配置された熱電対は、オペレータに重要な情報を提供し、その結果、高品質の型成形製品を製造するために温度を最適化することができる。

熱電対６２は、別の態様では、図３に示すように、熱電対３２ａ及び３２ｂと同様に設置されていてもよい。

図６を参照すると、この図には、ゲートの大きさを調節するために軸線方向に移動自在のバルブ８４が設けられたゲート８２を有する射出成形装置８０が概略的に示してある。バルブ８４は駆動装置８６によって制御される。図６の射出成形装置８０は大きな金型キャビティ８８を有する。この成形装置は、１９９６年９月１７日にカズマーに付与された米国特許第５，５５６，５８２号明細書に開示されている装置と同様である。この特許に触れたことにより、この特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。

図６の金型キャビティ８８等の大きな金型キャビティでは、金型キャビティを充填する際に溶融材料が所定温度のままであることが重要である。金型キャビティが完全に充填される前に溶融材料が冷却を開始すると、結果的に得られた型成形製品の品質が低下する。代表的には、溶融材料が金型キャビティ８８に流入するときに溶融材料の温度を計測するため、熱電対（図示せず）が各ゲート８２に配置される。金型キャビティ８８内の溶融材料の追加の温度計測値を提供するため、第２熱電対９０が各ゲート８２から所定距離のところに設けられる。これらの追加の熱電対９０は、金型キャビティ８８内の型成形した物品の温度変化を監視することができるように、情報を提供する。

図５の同時射出成形装置５０及び図６の射出成形装置８０は、更に、制御装置４０を含んでもよい。この制御装置４０は、図４の射出成形装置１００に関して以上に説明したように作動し、金型キャビティに進入する溶融体の流れの温度を、金型キャビティ内の熱電対によって提供された温度情報に応じて調節することができる。

本明細書中で論じた熱電対は、射出成形装置で使用するのに適した任意の種類の熱電対であってよいということは当業者には理解されよう。更に、別の態様では、ワイヤを巻き付けた抵抗温度検出器、サーミスタ及びソリッドステート製品を使用してもよい。好ましい実施の形態では、熱電対１１９及び１３２の代わりに、ミンコ・プロダクツ社が製造している薄膜型抵抗温度検出器を使用してもよい。

本発明の好ましい実施の形態を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、変形及び変更を行ってもよいということは当業者には理解されよう。本明細書中で論じた全ての特許及び刊行物は、これらの特許及び刊行物に触れたことにより、開示された内容の全てが本明細書中に含まれたものとする。

本発明の一実施の形態による多キャビティ射出成形装置の一部の断面図である。 本発明の別の実施の形態による射出成形装置の一部の拡大図である。 本発明の別の実施の形態による射出成形装置の概略断面図である。 本発明の更に別の実施の形態による多キャビティ射出成形装置の一部の断面図である。 本発明による同時射出成形装置の図である。 ゲートの大きさを調節するためのバルブを備えたゲートを有する射出成形装置の概略断面図である。

Claims (14)

1. 射出成形装置（１００）において、
   圧力が加わった溶融材料の溶融体流れを受け入れ、溶融体流れをノズル（１１２）のノズルチャンネル（１１８）に送出するためのマニホールドチャンネル（１１６）を有するマニホールド（１１４）であって、ノズル（１１２）は溶融体流れを加熱するノズルヒータ（１５０）を有する、マニホールド（１１４）と、
   前記ノズル（１１２）から前記溶融体流れを受け入れるための金型キャビティ（８８）であって、前記ノズルチャンネル（１１８）が前記金型キャビティ（８８）と金型ゲート（１２１）を通して連通している、金型キャビティ（８８）と、
   溶融材料の温度を計測するための熱電対と、
   前記熱電対に接続された制御装置（１４０）とを備え、
   制御装置（１４０）は熱電対からの計測温度を受けるとともに、ノズルヒーター（１５０）に接続され、所定のターゲット温度と比較し、金型キャビティ（８８）に流入する溶融体流れの温度が所定のターゲット温度となるようノズルヒーター（１５０）の出力を調整し、
   熱電対は金型ゲート（８２）に設けられ、これにより金型キャビティ（８８）に流入する溶融体流れの温度を計測する、ことを特徴とする射出成形装置（１００）。
2. 追加の熱電対が設けられ、この追加の熱電対は金型ゲート（８２）から離間した金型キャビティ（８８）に設けられ、金型キャビティ（８８）内の溶融体流れの追加温度を計測する、請求項１に記載の射出成形装置（１００）。
3. 追加の熱電対は各金型コア（１２２）に設けられている、請求項１または２に記載の射出成形装置（１００）。
4. 前記ノズル（１１２）はノズル熱電対（１１９）を有し、このノズル熱電対（１１９）は前記ノズルヒーター（１５０）の近傍の温度を計測するために用いられる、請求項１乃至３のいずれかに記載の射出成形装置（１００）。
5. 前記金型キャビティ（８８）内に配置された熱電対が故障した場合には、前記ノズル熱電対（１１９）が、前記ヒーターを調節することにより前記溶融体の温度を制御するために用いられる、請求項４に記載の射出成形装置（１００）。
6. クーラントを受け入れるための冷却ダクト（１２６）を更に含み、前記熱電対は金型キャビティ（８８）に流入する溶融材料の冷却速度を計算するために用いられる、請求項１乃至５のいずれかに記載の射出成形装置（１００）。
7. 前記ノズル（１１２）から前記金型キャビティ（８８）への溶融体流れは、可動するバルブピン（１３０）により制御される、請求項１乃至６のいずれかに記載の射出成形装置（１００）。
8. 前記バルブピン（１３０）の移動は、金型キャビティ（８８）に流入する溶融材料の温度を計測する熱電対からのデータを受け取る制御装置により制御されることを特徴とする、請求項７に記載の射出成形装置（１００）。
9. 射出成形装置（１００）において、
   圧力が加わった溶融材料の溶融体流れを受け入れ、溶融体流れを複数のノズル（１１２）のノズルチャンネル（１１８）に送出するためのマニホールドチャンネル（１１６）を有するマニホールド（１１４）であって、各ノズル（１１２）は溶融体流れを加熱するノズルヒータ（１５０）を有する、マニホールド（１１４）と、
   各ノズル（１１２）から前記溶融体流れを受け入れるための金型キャビティ（８８）であって、前記ノズルチャンネル（１１８）が前記金型キャビティ（８８）と金型ゲート（８２）を通して連通している、複数の金型キャビティ（８８）と、
   各金型キャビティ（８８）に設けられ、金型キャビティ（８８）に流入する溶融材料の温度を計測するための熱電対と、
   前記熱電対に接続された制御装置（１４０）とを備え、
   制御装置（１４０）は各熱電対からの計測温度を受けるとともに、各ノズルヒーター（１５０）に接続され、所定のターゲット温度と比較し、各金型キャビティ（８８）に流入する溶融体流れの温度が所定のターゲット温度となるよう各ノズルヒーター（１５０）の出力を調整し、
   各熱電対は各金型ゲート（８２）に設けられ、これにより各金型キャビティ（８８）に流入する溶融体流れの温度を計測する、ことを特徴とする射出成形装置（１００）。
10. 制御装置（１４０）は各熱電対からの計測温度を所定のターゲット温度と比較し、各金型キャビティ（８８，１２０）に流入する溶融体流れの温度が所定のターゲット温度となるよう各ノズル（１１２）のヒーターの出力を調整する、請求項９に記載の射出装置（１００）。
11. 部品を型成形するための方法において、
    圧力が加わった溶融材料の溶融体流れをマニホールド（１１４）のマニホールドチャンネル（１１６）からノズル（１１２）を経て、金型ゲート（８２）を通して金型キャビティ（１２０）に送出し、前記溶融体流れを前記ノズル（１１２）に連結されたノズルヒーター（１５０）によって加熱する工程と、
    前記金型キャビティ（８８）内の溶融材料の温度を金型ゲート（８２）に設けられた熱電対を使用して計測する工程と、
    金型キャビティに流入する溶融材料の温度を制御装置（１４０）へ送る工程と、
    金型キャビティ（８８）に流入する溶融材料の温度を所定のターゲット温度と比較する工程と、
    金型キャビティ（８８）に流入する溶融材料の温度が所定のターゲット温度となるようノズル（１１２）のヒーター（１５０）の出力を調整する工程と、を備えた、ことを特徴とする方法。
12. 金型キャビティ（８８）内の溶融材料の追加温度が追加の熱電対により計測され、この追加の熱電対は溶融材料が金型キャビティに流入する金型ゲート（８２）から離間した金型キャビティ（８８）に設けられている、請求項１１に記載の方法。
13. 金型キャビティ（８８）は追加の熱電対が連結される金型コア（１２２）を有する、請求項１２に記載の方法。
14. 部品を型成形するための方法において、
    圧力が加わった溶融材料の溶融体流れをマニホールド（１１４）のマニホールドチャンネル（１１６）から複数のノズル（１１２）を経て、金型ゲート（８２）を通して複数の金型キャビティ（８８）に送出し、各溶融体流れを前記ノズル（１１２）に連結されたノズルヒーター（１５０）によって加熱する工程と、
    各金型キャビティ（８８）内の溶融材料の温度を各金型ゲート（８２）に設けられた熱電対を使用して計測する工程と、
    各金型キャビティに流入する溶融材料の計測温度を制御装置（１４０）へ送る工程と、
    各金型キャビティ（８８）に流入する溶融材料の計測温度を所定のターゲット温度と比較する工程と、
    各金型キャビティ（８８）に流入する溶融材料の温度が所定のターゲット温度となるよう各ノズル（１１２）のヒーター（１５０）の出力を調整する工程と、を備えた、ことを特徴とする方法。

Images