JP4349746B2 - 固体tcmtb製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、微生物の増殖を制御するのに有用な2−(チオシアノメチルチオ)−ベンゾチアゾール(TCMTB)の固体製剤に関するものである。更に詳しくは、本発明は、TCMTBが水溶性塩担体マトリックスに吸収される固体TCMTB製剤に関するものである。本発明の固体TCMTB製剤は、望ましくない生物増殖、特に微生物の増殖を経験している種々のシステムを処理するのに特に有用である。
【0002】
発明の背景
なめし革工業、木材工業、繊維工業、農業、及び塗料工業を含む様々な工業が、微生物の増殖によって起こる問題に直面している。特に、生物汚損(biofouling)、又は生物学的汚損(biological fouling)は、広範な様々な水性工業システムにおいて永続的な有害物又は問題である。生物汚損、すなわち微生物汚損及び通常生物汚損の双方が、微生物、通常生物、細胞外物質、及び汚物(dirt)と砕片(debris)の付着によって引き起こされる。包含される生物としては、微生物、例えば細菌、菌類、酵母、藻類、珪藻類、原生動物、及び通常生物、例えば巨大藻類(macroalgae)、フジツボ、及びアジアガイ(Asiatic clams)又はカワホトトギスガイのような小さな軟体類が挙げられる。
【0003】
別の障害となる生物汚損現象、スライム形成による付着現象が水性システムで起こる。スライム形成は、新鮮な、塩気のある水システム又は塩水システムで起こり得る。スライムは、微生物、繊維及び砕片のマット付着から成る。前記付着は、粘質、ゴム状、タピオカ様、又は硬質である可能性があり、それが形成される水性システムの匂いとは異なる特徴的な望ましくない匂いを有する。スライム形成に関係している微生物は、主として、芽胞形成及び無芽胞形成の細菌の様々な種であり、特に、細胞を囲う又は包むゼラチン状物質を分泌する、莢膜で包まれた形態の細菌である。また、スライム微生物としては、糸状細菌、菌類型の糸状菌、酵母、及び酵母様生物も挙げられる。
【0004】
水性システムを劣化させる生物汚損は、様々な問題として、例えば粘性の損失、ガス発生、異臭、pHの低下、変色、及びゲル化として表面化して来る可能性がある。更に、水性システムの劣化は、例えば冷却塔、ポンプ、熱交換器、及びパイプライン、加熱システム、浄化システム、及び他の同様なシステムを含む関連水処理システムの汚損を引き起こすことがある。
【0005】
生物汚損は、例えば冷却水、金属工作液、又は製紙もしくは繊維製造で用いられるような他の再循環水システムにおける工業プロセス水で生じる場合には、直接的な反経済的効果を有することがある。生物汚損が制御されないと、工業プロセス水の生物学的汚損によって、プロセス作業が妨げられ、プロセス効率が低下し、エネルギーが浪費され、水処理システムが閉塞し、更に製品の品質が低下することもある。
【0006】
例えば、発電所、製油所、化学プラント、空気調節システム、及び他の工業作業で用いられる冷却水システムは、しばしば生物汚損問題に遭遇する。冷却塔から連行される空気浮遊生物、ならびにシステムの水供給源からの水浮遊生物は、通常、これらの水性システムを汚染する。前記システムにおける水は、一般的に、これらの生物のための好適な増殖倍地を提供する。好気性及び向日性の生物は前記の塔の中で増殖する。他の生物は、塔の水溜め、パイプライン、熱交換器などの領域で増殖及びコロニーを作る。制御されない場合、生じた生物汚損が塔を閉塞し、パイプラインを遮断し、スライムの層及び他の生物学的マットの層で熱伝達面を被覆することがある。それにより本来の作業が妨げられ、冷却効率が低下し、おそらく重要なことには、プロセス全体のコストが増す。
【0007】
また、生物汚損を受ける工業プロセスとしては、製紙、すなわちパルプ、紙、板紙などの製造、繊維製造、特にウォーターレイド不織布(water-laid non-woven textiles)も挙げられる。これらの工業プロセスは、一般的に、生物汚損を生起させる生物の増殖に有利な条件下で、大量の水を再循環させる。
【0008】
例えば、抄紙機は、「白水システム」と呼ばれる再循環システムにおいて非常に大量の水を処理する。抄紙機へと送られる完成紙料(furnish)は、典型的には、繊維状及び非繊維状の製紙固体をほんの約0.5%含んでおり、ほぼ水200トン当たり紙1トンがヘッドボックスを通過することを意味している。この水のほとんどは、白水システムにおいて再循環する。白水システムは、生物汚損微生物に関して好適な増殖倍地を提供する。その増殖により、ヘッドボックス、水路、及び製紙装置において、スライム及び他の付着物が生じることがある。そのような生物汚損は、水及び原料流で妨げられるが、流れが緩やかな場合には、紙に汚点、穴、及び悪臭、ならびに抄紙機作業におけるウェブの破損(コストの掛かる破損)を引き起こすことがある。
【0009】
工業プロセス水のような衛生水は、生物汚損及びその関連問題に関して影響を受けやすくもある。衛生水としては、トイレ用水、シスターン水(cistern water)、浄化水(septic water)、及び下水処理水が挙げられる。衛生水に含まれる水の性質の故に、これらの水システムは特に生物汚損を受け易い。
【0010】
殺微生物剤2−(シアノメチルチオ)−ベンゾチアゾール(TCMTB)を含む液体製剤は、当業において公知であり、水性システムにおける生物膜及びスライムの形成を含む生物学的汚損を制御又は防止するために、しばしば用いられて来た。TCMTB乳化可能濃縮液は、施用が容易であるという利点を提供するが、皮膚の強い炎症、低温での凍結、悪臭、及び活性成分の沈殿を含む短所がある。更に、環境保護の観点から、工業水性システムの処理で用いられる殺生物剤の揮発性有機濃度(VOC)を低下させる努力が成されている。
【0011】
固体製剤は、液体製剤を超える多くの利点を提供する。固体製剤の1つの利点は、参照として本明細書に完全に取り入れられる米国特許第5,413,795号に記載されている。米国特許第5,413,795号では、水不溶性固体担体上に吸着されたTCMTBを有する固体TCMTB製剤が作られた。
【0012】
充分に配合された固体形態は、安定性が増し、化学薬品、溶媒、又は蒸気に対する曝露が減少する。固体では、異なる成分を上手く組合わせることができるが、液体におけるそのような組合せは、望ましくない反応を導き、活性の損失を招く可能性がある。固体形態を用いると、化学製剤は、しばしば、液体製剤に比べて、より濃縮された形態で包装及び運搬できる。固体形態は、水溶性包装の中により容易に包含される。また、固体形態は、運搬又は取り扱い中に液体の漏れ又は容器の破壊に関する注意を軽減又は排除することもできる。
【0013】
使用時には、固体形態は、液体製剤を超える更なる利点も提供することができる。固体形態は、用いる量を制御するのに役立つ単位投入(unit dosing)及び均一な送達システムを提供する。水処理化学薬品の固体形態を配合して、水性システムに対して化学薬品の持続した又は長期の放出を提供することもできる。
【0014】
発明の概要
本発明は、使用者との接触を最少にし、より容易に包装される固体TCMTB製剤を提供することによって、液体殺微生物剤製剤の使用から生ずる問題を解決する。本発明の固体TCMTB製剤は、水溶性塩担体マグネシウム上に吸着されたTCMTBを含み、当該TCMTBは、好ましくは水性システムにおいて、少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量で存在する。本発明の固体TCMTB製剤の中に他の殺微生物剤及び添加剤を配合しても良い。好ましい態様では、当該製剤は、TCMTB及び1種類以上の他の殺微生物剤(例えば、メチレンビスチオシアネート(MTC)と、水溶性塩担体マトリックスとの双方を含む。TCMTBは、水溶性塩担体マトリックス上に吸着される。TCMTB及び他の殺微生物剤は、少なくとも1種類の微生物を制御するのに有効な合計抗微生物量で存在する。
【0015】
本発明の固体製剤は、TCMTBを水溶性塩担体マトリックスと混合して粉末を作ることによって製造できる。TCMTBと塩担体マトリックスとを混合する場合、TCMTBは、液体形態であっても良く、塩担体マトリックスは一般的に固体である。必要ならば、粉末は、顆粒状にして粉末を望ましい粒径にしても良い。錠剤が望ましい場合は、固体TCMTB粉末製剤を錠剤化して錠剤を作っても良い。
【0016】
本発明の固体製剤は、広範な殺生物剤用途で用いることができる。而して、また本発明は、液体、好ましくは水性システムにおいて、少なくとも1種類の微生物の増殖を制御する方法にも関する。特に、当該方法は、水性システムにおいて少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量で水溶性塩担体マトリックス上に吸着されたTCMTBを含む固体TCMTB製剤で水性システムを処理することによって、水性システムにおいて少なくとも1種類の微生物の増殖を制御する。
【0017】
別の態様では、本発明は、微生物が増殖し易い支持体上において、少なくとも1種類の微生物の増殖を制御する方法に関するものである。支持体を処理して少なくとも1種類の微生物の増殖を制御する方法は、液体TCMTB製剤で支持体を処理することによって、少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量の液体TCMTB製剤を作るために水溶性塩担体マトリックス上に吸着させたTCMTBを含む製剤と液体システムとを接触させる工程を含む。
【0018】
図1は、実施例1で得られた結果の図表である。
本発明の1つの態様は、微生物の増殖を制御するのに有用な固体TCMTB製剤に関するものである。当該製剤は、水溶性塩担体マトリックス上に吸着されたTCMTBを含む。当該製剤は、少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量のTCMTBを含む。本発明の固体TCMTB製剤は、水性システムにおける微生物増殖の制御、ならびに微生物学的増殖と関連のある問題、特に上記の問題を軽減又は排除するのに特に有用である。種々の水性システムの例は以下で考察する。「水性システム」は、水に加えて、他の液体又は成分を含んでいても良い。本発明の固体TCMTB製剤は、粉末又は錠剤の形態であることができる。錠剤は、粉末を錠剤化又は圧縮することによって調製することができる。水性システム中に迅速に分散するそれらの能力及びより安いコストで調製するためには、粉末製剤が一般的に好ましい。
【0019】
少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するために、固体製剤は、微生物学的に有効な量のTCMTBを含み、その量は、製剤の総重量を基準として、約0.1重量% 〜 約60重量%である。更に好ましくは、TCMTBの量は1重量% 〜 約40重量%であり、より更に好ましくは約5重量% 〜 約30重量%であり、最も好ましくは5重量% 〜 20重量%である。当該製剤は、製剤の総重量を基準として、塩担体マトリックスを約40重量% 〜 約99.9重量%含むことができる。塩担体マトリックスの量は、好ましくは60重量% 〜 約99重量%、より更に好ましくは70重量% 〜 95重量%、最も好ましくは80重量% 〜 95重量%である。
【0020】
本発明にしたがって、支持体上における又は水性システムにおける微生物増殖の制御とは、特定の支持体又はシステムに関して、望ましいレベルに、又はそれ未満に、望ましい期間、制御することを意味している。この制御は、微生物の増殖の完全な防止又は抑制から、ある望ましいレベル及び望ましい時間における制御まで変化させることができる。本明細書で説明される固体TCMTB製剤は、多くの場合において、総微生物カウントを、検出不可能な限界まで低下させ、そのレベルを有意な時間維持することができる。而して、本発明の固体TCMTB製剤を用いて支持体又はシステムを保護することができる。
【0021】
TCMTB
2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール(TCMTB)の殺菌特性は公知である。TCMTBは、20年間を超える間、工業において微生物を制御するために用いられて来た。TCMTBは、種々の水性システムにおいて細菌及び菌類を制御するのに有用であることが知られている。殺微生物剤及び防腐剤としての2−(チオシアノメチルチオ)−ベンゾチアゾールの調製及び使用は、米国特許第3,520,976号、第4,293,559号、第4,866,081号、第4,595,691号、第4,944,892号、第4,839,373号、及び第4,479,961号に記載されており、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールの殺菌特性の例を示している。これらの特許の全ての開示は、参照として本明細書に完全に取り入れられる。
【0022】
TCMTBはpH感受性化合物である。TCMTBは、8.0を超えるpHで分解する可能性がある。而して、約8.0以下のpHを有する水処理システムにおいて固体TCMTB製剤を用いることが好ましく、更に好ましくは約7.0以下のpHである。また、TCMTBは比較的水溶性(水中における溶解度は約0.033g/lである)であり、1.38g/mlの密度を有する。TCMTBは室温で純粋な形態の固体であり、適当な量の溶媒と混合すると液体形態となる。TCMTBは、乳化されるときでも、油性の球体であると容易に推測される。
【0023】
TCMTBは感熱化合物であり、純粋なTCMTBは室温で固体を形成する。水中で比較的に不溶性であるので、TCMTBは、主として、乳化可能な濃縮物として又は水性製品として配合されて来た。TCMTBは市販されており、例えば、TCMTB製剤は、テネシー州メンフィスにあるBuckman Laboratories, Inc.から、BUSAN(登録商標)30WB、BUSAN(登録商標)1030及びBUSAN(登録商標)1118という商品名で市販されている。好ましい態様では、TCMTB-80が、本発明の固体TCMTB製剤で用いられる。TCMTB-80は、室温で粘性の液体であり、貯蔵時に室温で結晶化する可能性がある。TCMTB-80を用いると、固体TCMTB製剤を配合するのに用いられる溶媒の量を減少させるのに役立つ。しかしながら、低温でTCMTB-80と一緒に固体TCMTB製剤を配合する場合、TCMTB-80を加熱してその粘性を低下させる必要があるかもしれない。また、本発明では、TCMTB-60を用いても良い。TCMTB-60は、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈されたTCMTB-80である。TCMTB-80及びTCMTB-60の双方は、テネシー州メンフィスにあるBuckman Laboratories, Inc.から市販されている。
【0024】
塩担体マトリックス
水溶性塩担体マトリックス材料は、単独で又は他のマトリックス材料と組合せられた単一の塩材料か、又は2種類以上の塩の混合物であることができる。担体マトリックスが水溶性塩の混合物を含む場合、それらの塩は、好ましくは、等量で、例えば1:1の比の2種類の塩の混合物で存在する。一般的に、塩担体マトリックスは、粒状又は粉末の形態であるべきである。担体マトリックスの粉末又は顆粒の粒径は、特定の配合及びその意図される使用にしたがって変えることができる。
【0025】
上記したように、本発明の固体TCMTB製剤は、水溶性塩担体マトリックスを含む。本発明の固体製剤を用いて水性システムを処理する場合、塩担体マトリックスは、実質的に、完全ではないとしても、水性システム中に溶解し、殆ど又は全く残留物を残さない。この事実は、残留物が残り、及び/又は処理される材料又は水性システムを損なう可能性がある水不溶性担体を超える特定の利点である。種々の塩担体マトリックスを種々のシステムで用いて、特定の水性システムにおいて最大の溶解を達成することができる。好ましくは、塩担体マトリックスは、水溶性の無機又は有機の塩又は前記塩の混合物である。本発明の目的にとって、水溶性とは、20℃において、水100g当たり少なくとも約0.2gの水中溶解度を有することを意味している。更に、適当な担体を選択する場合、担体は好ましくは微生物にとって栄養素ではない。例えば、砂糖、例えばグルコース及びラクトースは、種々の微生物、例えば菌類及び細菌にとって栄養素であることが知られているので、いくつかの用途では適当でないかもしれない。
【0026】
担体マトリックスにとって適当な塩としては、例えば、種々のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のスルフェート、クロリド、ボレート、ブロミド、シトレート、アセテート、ラクテートなどが挙げられる。適当な塩の特定の例としては、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、弗化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、燐酸三カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、弗化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化リチウムが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい塩は、無機塩、特にI族又はII族の硫化金属及び塩化金属である。特に好ましい塩は、低コスト故に、硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウムである。本発明で用いられる塩化ナトリウムは、実質的に、純粋であるか、又は岩塩、海塩、又はデンドライト塩の形態であっても良い。
【0027】
乳化剤
乳化剤を固体TCMTB製剤に加えて、水性システムにおけるTCMTBの分散性を更に向上させることができる。TCMTBは、比較的水溶性の化合物であり、約0.033g/lの溶解度を示す。典型的には、乳化剤は、固体製剤の重量を基準として、約20重量%以下、約10重量%以下、更に好ましくは約5重量%以下、及び最も好ましくは約2重量%以下の量で存在することができる。固体TCMTB製剤のための適当な乳化剤としては、陰イオン、非イオン、両性及び両性イオンの界面活性剤及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは乳化剤は陰イオン又は非イオン又はそれらの混合物である。
【0028】
固体TCMTB製剤のための適当な陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルホネート、アルキルフェノールスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルポリエトキシレートカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。同様に作用することができる他の市販の製品としては、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、重合されたアルキルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、ソジウムナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド、改質されたソジウム又はアンモニウムリグノスルホネート、脂肪スルホエステル、脂肪スルホアミド、Witconatc LX Powder(コネチカット州GreenwichにあるWitco Corporation)及びRhodacal DS-10(ニュージャージー州CranburyにあるPhone-Poulenc)が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、TCMTBを反応させ劣化させる、陰イオン界面活性剤、例えば短いアルキル鎖の陰イオン界面活性剤の使用は避けるべきである。典型的には、陰イオン界面活性剤のアルキル基は、8 〜 22個の炭素原子を含む。好ましくは、陰イオン界面活性剤は、C12−C20アルキルスルフェート、C12−C20アルキルエーテルスルフェート、及び/又は線状アルキルベンゼンスルホネートであり、それらのナトリウム塩である。更に好ましくは、陰イオン界面活性剤は、イリノイ州NorthfieldにあるStepan companyから、Casul 70 HF 及び Stepwet DF 90 という商品名で市販されているドデシルベンゼンスルホネートのカルシウム塩及びナトリウム塩である。
【0029】
適当な非イオン洗浄界面活性剤は、参照として本明細書に完全に取り入れられる Laughlinらに与えられた米国特許第3,929,678号で概略開示されている。適当な非イオン界面活性剤としては、例えばアルコキシレート化フェノールのようなアルコキシレート化アルコール、酸化エチレンと、アルキル基で末端基をキャップすることができるプロピレングリコールと酸化プロピレンとの縮合によって形成された疎水性塩基と酸化エチレンとの縮合生成物、酸化プロピレン及びエチレンジアミンとの反応から生じる生成物との縮合生成物、及び半極性非イオン界面活性剤、例えば酸化アミン、脂肪酸アミド、ポリヒドロキシアミド、及びアルキルポリグリコシドを含むアルキル多糖が挙げられる。好ましい非イオン界面活性剤は、酸化エチレンと酸化プロピレンとから形成され、任意に、アルキル基で1つ又は両方の末端基がキャップされたブロックコポリマーである。最も好ましい非イオン界面活性剤は、Tergitol XDという商品名で市販されている、ブタノールと反応させた、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロックコポリマーである。
【0030】
両性イオン界面活性剤としては、脂肪族第四アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体と広く呼ばれているものが挙げられ、脂肪族基は、直鎖又は枝分れ鎖であることができ、脂肪族置換基の1つは、8 〜 18個の炭素原子を含み、もう1つは、陰イオン水溶性基、例えばカルボキシル、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、又はホスホレートを含む。
【0031】
本発明の製剤で用いることができる両性イオン界面活性剤の例は、脂肪族の第二及び第三アミンの誘導体として広範に説明することができる両性イオン界面活性剤であり、その場合、当該脂肪族基が直鎖又は枝分れ鎖であることができ、また当該脂肪族置換基の1つは約8 〜 約18個の炭素原子を含み、もう1つは陰イオン水溶性基、例えばカルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含む。
【0032】
更なる例は、参照として本明細書に完全に取り入れられる Schwartz, Perry及びBerchによる "Surface Active Agents and Detergents" Vol.I 及び Vol.II に示されている。また、多くの非石鹸乳化剤も、参照として本明細書に完全に取り入れられるAllured Publishing Corporationによって出版された McCUTCHEON'S, DTERGENTS AND EMULSIFIERS, 1999 ANNUALで説明されている。様々な前記界面活性剤は、参照として本明細書に完全に取り入れられる、1975年12月30日に Laughlinらに与えられた米国特許第3,929,678号の23段58行から29段23行、及び Panandiker に与えられた米国特許第5,614,484号にも概略開示されている。
【0033】
本発明の好ましい態様では、乳化剤は、酸化エチレン/酸化プロピレンコポリマーと、ドデシルベンゼンスルホネートとの混合物である。
殺生物補助剤
本発明の錠剤は、水処理で通常用いられる他の殺生物補助剤を含むことができる。前記補助剤としては、例えば、殺菌剤、殺真菌剤、消毒剤、及び酸化剤及び/又はハロゲン放出剤ならびに水清澄剤が挙げられる。これらの殺菌補助剤は、錠剤の重量を基準として、0重量% 〜 約50重量%で存在することができる。更に好ましくは、当該補助剤は、錠剤の重量を基準として、約5重量% 〜 約40重量%、最も好ましくは約10重量% 〜 約30重量%で存在する。殺菌補助剤は、液体及び固体の形態であることができ、好ましくは固体である。固体TCMTB製剤で用いられる殺菌補助剤は、固体TCMTB製剤中に存在するTCMTB又は他の成分と望ましくない相互作用を促進すべきでない。
【0034】
適当な殺菌剤としては、例えば、ホルムアルデヒド放出剤、例えば1,3,5,7−テトラ−アザ−アダマンチンヘキサメチレンテトラミン、塩素化フェノール、1,3,5−トリス(エチル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、1,3−(ジヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、N−メチルクロロアセトアミドなどが挙げられる。ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジンは、テネシー州メンフィスにある Buckman Laboratories から BUSAN 1060(活性固体製剤78.5%)という商品名で市販されている。
【0035】
本発明と関連して用いることができる酸化剤及び/又はハロゲン放出剤としては、例えば、N−塩素化シアヌール酸誘導体、例えばソジウムジクロロイソシアヌレート、N−クロロスクシニミド、クロラミンT、ジクロロスクシニミド、ブロモクロロジメチルヒダントイン、及び1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインが挙げられる。
【0036】
他の殺生物補助剤としては、カリウムn−ヒドロキシメチル−N−メチルチオカルバメート、BUSAN(登録商標)52 製品中活性成分30%、活性成分30%;及びMECT 5 製品、2.5重量%とTCMTB 2.5重量%との混合物が挙げられる。これらの各製品は、テネシー州メンフィスにあるBuckman Laboratoriesから市販されている。別の殺生物補助剤であるクロルヘキシジンジアセテートは、ニュージャージー州フェアローンにあるLonza Chemical Co.から市販されている1,1−ヘキサメチレンビス−[5−(4−クロロ−2−フェニル)ビグアニド]ジアセテートである。殺生物剤BTC 2125MP40を用いても良い。BTC 2125MP40は、アルキルジメチルベンゾアンモニウムクロリドとアルキルジメチルエチルベンゾアンモニウムクロリドとの混合物を40%含み、イリノイ州ノースフィールドにあるStepan Chemicalsから市販されている。別の適当な殺生物補助剤はBTC 1100R であり、冷水において1500ppm以下の溶解度を有し、Onyx Chemical Co.から市販されている。しかしながら、追加の殺生物補助剤を用いる場合 、当該補助剤は、TCMTBを劣化させて望ましい殺生物レベルよりも低くならないように、選択すべきである。
【0037】
好ましい態様では、抗菌性物質として作用するMTC(メチレンビスチオシアネート、MTBとしても知られている)が、固体TCMTB製剤に加えられる。MTCを添加すると、TCMTBの抗真菌特性を補い、また固体TCMTB製剤に対して追加の抗微生物処理特性を提供する。MTCは、105℃の融点、2.0g/mlの密度を有する。室温では、MTCは、黄色の結晶質固体であり、特有な匂いを有する。MTCは、100℃を超える温度では不安定である考えられる。水中でのMTCの溶解度は5.0g/lであり、殆どの有機溶媒中において可溶性である。MTCは周囲温度の酸性システム中で安定であるが、MTCはpH7.5を超えるアルカリ溶液中では分解する。而して、約7.5以下のpHを有する水処理システム中で、MTCを含む固体TCMTB製剤を用いることが好ましく、更に好ましくは7.0以下である。水中におけるMTCの溶解度は、約5g/lであり、追加の溶媒及び乳化剤を用いなくても、固体TCMTB製剤に対してMTCを加えることができる。
【0038】
他の添加剤
本発明の固体TCMTB製剤は、固体製剤それ自体を改良するために、その取扱いをし易くするために、又は水性システムにおける使用を向上させるために、当業において公知の添加剤を含むこともできる。例えば、湿潤剤、分散剤、凝結防止剤、及び消泡剤のような添加剤を用いることもできる。前記添加剤の例は、参照として本明細書に完全に明確に取り入れられるMcCutcheonから出版された"Emulsifiers & Detergents, Functional Materials" に認めることができる。典型的には、添加剤は、それぞれ、固体製剤の重量を基準として、約30重量%以下の量で固体TCMTB製剤中に存在することができる。これらの従来の添加剤のいくつかは、以下で更に詳細に考察する。
【0039】
本発明にしたがう固体TCMTB製剤は、塩担体マトリックス中に混和させた固体有機酸又はそれらの塩、例えば安息香酸、グルコン酸、又はソルビン酸を含むことができる。前記の有機酸又はそれらの塩を用いると、水性システムにおいて、生物学的活性を含む有益な活性を塩担体マトリックス自体に対して与えることができる。例えば、グルコン酸又はその塩を担体マトリックスで用いることもできる。
【0040】
従来の水清澄剤は、本発明の固体TCMTBを含むこともできる。清澄剤としては、例えば、ポリDMDAC(ポリジメチルジアリルクロリド)アルミニウムスルフェート、及びCHITOSAN製品が挙げられる。
【0041】
凝結防止剤は、本発明の固体TCMTB製剤中に存在していても良い。凝結防止剤は、結合剤、乾燥剤、又は吸収剤として作用することができる。これらの凝結防止剤は、本質的にわずかに吸湿性から非吸湿性であるべきである。凝結防止剤の顆粒又は粉末の形態が好ましい。凝結防止剤は、固体製剤の重量を基準として、約30重量%以下、更に好ましくは約1重量% 〜 約25重量%、最も好ましくは約5重量% 〜 約15重量%で存在することができる。吸収剤としても作用する凝結防止剤を選択する場合、凝結防止剤は、好ましくは、水溶性であるべきであり、また菌類又は細菌の増殖を促進すべきではない。更に、その吸収特性の故に用いる場合、凝結防止剤は、水分の塊の形成とは逆に、大量の液体TCMTBを乾燥粉末に転化させるべきである。
【0042】
適当な凝結防止剤は、参照として本明細書に完全に明確に取り入れられるHandbook of Pharmaceutical Excipients, 2d Ed., A.Wade及びP. Waller, Eds., (Amer. Pharm. Assoc., 1994)で説明されている。凝結防止剤の混合物を用いることもできる。適当な凝結防止剤としては、例えば、アルミノシリケート(ゼオライト)、マグネシウムトリシリケート、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム(例えば、マグネシウムメタシリケート、マグネシウムオルトシリケート)、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム(例えばCaSiO3, CaSiO4, CaSiO5)、燐酸カルシウム(例えば二塩基燐酸カルシウム、三塩基燐酸カルシウム)、硫酸カルシウム、タルク、ヒュームドシリカ、酸化亜鉛、二酸化チタン、アタパルジャイト、活性炭、二酸化ケイ素、ラクトース、微晶質セルロース、オキサゾリジノン及び澱粉が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
適当な二酸化ケイ素は、PPG industries Inc. から市販されている0.019ミクロンの平均直径を有する白色非晶質シリカ(二酸化ケイ素)粉末であるHi-Sil 233である。水中Hi-Sil 233の5%溶液のpHは6.5 〜 7.3である。他の市販のシリカ製品、例えばSipemat 22,22Sは、同様の量で、この用途で用いることもできる。
【0044】
アルミノシリケート凝結防止剤としては、例えば、式 Naz[(AlO2)z(SiO2)y]x x H2O(式中、z及びyは少なくとも6の整数であり、z:yのモル比は1.0:1 〜 約0.5:1であり、xは約15 〜 約264である)を有する化合物が挙げられる。有用なアルミノシリケートイオン交換材料は市販されている。これらのアルミノシリケートは、構造が結晶質又は非晶質であることができ、また天然アルミノシリケート又は合成アルミノシリケートであることができる。参照として本明細書に完全に取り入れられる、例えば米国特許第3,985,669号を参照されたい。好ましいアルミノシリケート凝結防止剤としては、Zeolite A,Zeolite P(B), Zeolite X, Zeolex 23A 及び Zeolex 7が挙げられる。特に好ましい態様では、凝結防止剤は、J. M. Huber Corporation から市販されている製品である Zeolex 7である。 Zeolex 7は、115cc/100gのオイル吸収力、20%でpH7.0及び6ミクロンの平均粒径を有する。Zeolex 7は、130というより高いオイル吸収力を有するCelite 110(コロラド州デンバーにあるManvilleから市販されている焼成珪藻土)に比べて、吸収剤としての性能が良いことが測定された。
【0045】
本発明にしたがう固体TCMTB製剤は、当業において公知の染料又は着色剤を含むこともできる。異なる色を有する製剤は、配合の違い、例えばTCMTBのレベルの違い、活性成分のある種の組合せの違い、又は特定の水性システムにおける使用のための配合の違いを区別するために用いることができる。染料又は着色剤は、当業において公知の量で、例えば0重量% 〜 約5重量%の量で配合しても良い。非酸化製剤で用いるための適当な染料としては、例えば、Alizarine Light Blue B(C.L.63010), Carta Blue VP(C.L.24401), Acid Green 2G(C.L.42085), Astragon Green D(C.L.42040), Supranol Cyanine 7B(C.L.42875), Maxilon Blue 3RL(C.L.Basic Blue 80), acid yellow 23, acid violet 17, direct violet dye(direct violet 51), Drimarine Blue Z-RL(C.L.Reactive Blue 18), Alizarine Light Blue H-RL(C.L.Acid Blue 182), FD&C Blue No.1, FD&C Green No.3及びAcid Blue No.9である。更なる染料又は着色剤は、参照として本明細書に完全に取り入れられる第4,310,434号及び第4,477,363号、及びPharmaceutical Excipients, 2d Ed., A.Wade 及び P. Waller, Eds., Amer. Handbook of Pharm. Assoc., 1994で説明されている。
【0046】
固体TCMTB製剤を錠剤化する時、錠剤は、水処理錠剤と一緒に用いるための公知の他の補助剤を含むこともできる。補助剤としては、充填剤、結合剤、グライダント(glidants)、滑沢剤、凝結防止剤、硬水軟化剤、キレート剤、安定剤などが挙げられるが、これらに限定されない。前記補助剤の例、錠剤に付加する特性、それらの使用は、水処理化学薬品の固体形態に関して既に上で記した特許に記載されている。参照として本明細書に完全に取り入れられる、例えば米国特許第5,637,308号を参照されたい。
【0047】
本発明のTCMTB錠剤製剤は、水性システムに加えるときに迅速に崩壊するように、又は水性システムにおいて持続放出されるように配合することができる。迅速な崩壊により、水性システムに直接投入することができ、またそれは、問題のある微生物汚損を受けている水性システムでは好ましいことである。持続放出は、ある時間にわたって、システムに対して持続投入を提供する。持続放出性錠は、スイミングプール又はトイレのタンクのような水性システムにおける生物汚損を長期間防止又は制御するために用いることができる。迅速崩壊及び持続放出の双方によってTCMTBの殺生物効力を与えると、錠剤によって、水性システムにおける生物膜又は微生物の増殖が制御される。当業者が評価する場合、それらの選択は特定の使用にしたがう。
【0048】
本発明の錠剤が水性システムで溶解する速度を調節するために、崩壊速度調節剤(時に溶解度調節剤とも呼ばれる)を錠剤に配合しても良い。崩壊速度調節剤は、一般的に、錠剤の溶解を遅延させる疎水性物質である。一般的に、TCMTBを被覆し、閉じ込め、又は水性システムにおけるTCMTBの放出もしくは錠剤の崩壊を制限して、持続した又は長期の放出を達成する任意の化合物を用いることができる。いくつかの崩壊速度調節剤も、錠剤化プロセス中に滑沢剤又は離型剤として有利に役立ち得る。
【0049】
崩壊速度調節剤、又はそれらの混合物は、錠剤の重量を基準として、0重量%〜 約20重量%の量で錠剤中に存在することができる。崩壊速度調節剤は、更に好ましくは約0.25重量% 〜 約10重量%、より更に好ましくは約0.5重量% 〜 約5重量%で存在する。崩壊速度調節剤の量を変化させると、錠剤が水性システムにおいて溶解する速度が影響される。一般的に、崩壊速度調節剤は、迅速崩壊錠剤では殆ど又は全く用いず、持続放出性錠では大量に用いることができる。
【0050】
崩壊速度調節剤は、脂肪酸又は脂肪酸の誘導体であっても良い。脂肪酸は、約4個 〜 約22個の炭素原子を含むアルキル基の鎖から成り、末端にカルボン酸基を有する。脂肪酸は直鎖又は枝分れ鎖、飽和又は不飽和であることができ、また芳香族であっても良い。本発明では、脂肪酸又はその誘導体は、崩壊速度調節剤としてのみならず、錠剤を作るときの滑沢剤又は離型剤として作用することができる。脂肪酸及びそれらの種々の誘導体は、公知の化学薬品であり、多くの供給者から市販されている。
【0051】
本発明で用いることができる脂肪酸としては、酪酸、デカン酸、ウンデシレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、及びフェニルステアリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。本発明で用いることができる脂肪酸誘導体としては、例えば、脂肪酸塩、脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アルコール、脂肪酸アミンが挙げられるが、これらに限定されない。脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体の混合物も用いることができる。例えば、獣脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、及びヤシ油脂肪酸は、本発明で用いることができる脂肪酸の混合物である。これらの脂肪酸混合物の誘導体、例えばトールオイル(DMATO)又はパーム油(DMAPO)のジメチルアミド誘導体のようなアミド誘導体も用いることができる。
【0052】
好ましい崩壊速度調節剤の一群は、ステアリン酸関連のものであり、ステアリン酸、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリオキシエチレンステアレート/ジステアレート、ポリオキシエチレン−2ステアリルエーテル、グリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルジステアレート、グリセリルパルミトステアレート、及びソジウムステアリルフマレートが挙げられるが、これらに限定されない。ステアリン酸マグネシウムは、特に好ましく、Witico Corporation 及び Mallinkrodt Specialty Chemical Co. から市販されている。ポリオキシエチレンステアレート/ジステアレートは、デラウェア州ウィルミントンにある ICI. Americas, Inc. から市販されているステアリン酸のポリエトキシレート化誘導体のシリーズであり、例えば、ポリオキシル6ステアレート、ポリオキシル8ステアレート、ポリオキシル12ステアレート、ポリオキシル20ステアレート、ポリオキシル40ステアレート及びポリオキシル50ステアレートが挙げられる。グリセリルモノステアレートは、オハイオ州コロンブスにあるAshland Chemical Co.から市販されている。グリセリルパルミトステアレートは、ニュージャージー州ヒッコリーヒルズにある Abatar Corporation から市販されている。化合物の混合物を有するステアリン酸ベースの製品は、STEROWET であり、ステアリン酸カルシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物である。
【0053】
ポリオキシエチレンソルビタンエステル又はポリソルベートエステルは、好ましい崩壊速度調節剤の別の一群である。これらのポリソルベートエステルは、デラウェア州ウィルミントンにある ICI Americas Inc. から "TWEEN" という商品名で市販されている。当該エステルとしては、例えば、ポリソルベート81(TWEEN 81)、ポリソルベート85(TWEEN 85)、ポリソルベート61(TWEEN 61)、ポリソルベート65(TWEEN 65)、及びポリソルベート21(TWEEN 21)が挙げられる。
【0054】
ポリオキシエチレンエーテル、好ましくは約10個以上の炭素原子から成るアルキル鎖を有するポリオキシエチレンエーテルを、本発明の錠剤において崩壊速度調節剤として用いることもできる。これらのより長いアルキル鎖によって、エーテルの疎水性が増大する。ポリオキシエチレンエーテルは、デラウェア州ウィルミントンにある ICI Americas Inc. から市販されている。これらのエーテルとしては、例えば、2セチルエーテル、2ステアリルエーテル、3デシルエーテル、3ラウリルエーテル、3ミリスチルエーテル、3セチルエーテル、3ステアリルエーテル、4ラウリルエーテル、 4ミリスチルエーテル、4セチルエーテル、4ステアリルエーテル、5デシルエーテル、5ラウリルエーテル、5ミリスチルエーテル、5セチルエーテル、5ステアリルエーテル、6デシルエーテル、6ステアリルエーテル、7ラウリルエーテル、7ミリスチルエーテル、7セチルエーテル、7ステアリルエーテル、8ラウリルエーテル、8ミリスチルエーテル、8セチルエーテル、8ステアリルエーテル、9ラウリルエーテル、10ラウリルエーテル、10トリデシルエーテル、10セチルエーテル、10ステアリルエーテル、10オレイルエーテル、20セチルエーテル、20イソヘキサデシルエーテル、20ステアリルエーテル、20オレイルエーテル、及び21ステアリルエーテルが挙げられる。
【0055】
用いることができる他の崩壊速度調節剤としては、水素化植物油、例えばオハイオ州コロンブスにある Capital City Products から市販されている STEROTEX及び Durotex が挙げられる。また、崩壊速度調節剤は、蝋であることができ、例えばカルナバ蝋、石油セレシン(Wax Refining Co. から市販されている)、蜜蝋(黄蝋)又はセラック(後者の2つは、Van Waters and Rogers から市販されている)であることができる。脂肪族アミド、例えばココアアミド及びオクタデカン酸アミド、又は水素化獣脂アミド、例えばオリアミドを、崩壊速度調節剤として用いることもできる。ポリエチレンアミドは、崩壊速度調節剤として錠剤に含ませることもできる。
【0056】
特定の崩壊速度調節剤は、その特性に基づいて、例えば錠剤化プロセスにおける使い易さ、及び最終錠剤に対する利益に基づいて、錠剤における使用のために選択することができる。選択した崩壊速度調節剤は、特定の使用にしたがって、わずかに、適度に、又は非常に疎水性であることができる。より低疎水性の崩壊速度調節剤が、一般的に、迅速崩壊錠剤のために用いられ、より高疎水性の崩壊速度調節剤が持続放出性錠のために用いられる。例えば、ソジウムステアリルフマレートは、ステアリン酸又はステアリン酸マグネシウムに比べて、低疎水性である。而して、ソジウムステアリルフマレートを用いて、ステアリン酸又はステアリン酸マグネシウムを含む錠剤よりも溶解速度を増加させることができる。崩壊速度調節剤の混合物を用いて、望ましい程度の疎水性又は溶解速度を達成することができる。
【0057】
錠剤TCMTB製剤は、当業において公知のコーティングで被覆することができる。例えば、本発明の錠剤に対して、水溶性被膜、例えばポリビニルアルコールのコーティングを施用して、より簡便に扱えるようにすることができる。
【0058】
コーティング技術における最近の進歩、例えば側口パン(side vented pans)によって、水性コーティング作業の効率が向上した。コーティングを施用する最も普通の方法の中では、フィルムコーティング(水性又は溶媒ベースによってコーティングを付着させる)又は圧縮コーティング(コア錠剤の周囲にコーティングを圧縮する)がある。前記の方法でも、錠剤の表面に対して薬剤を添加して、錠剤に対して追加の持続特性を付与することもできると考えられる。コーティングといくぶん同様に、錠剤は、TCMTB含有部分が、例えば遅延放出マトリックスの間に「サンドイッチ」されるインレイ錠剤又は多層錠剤として製造することができる。これによっても、本発明にしたがう持続放出性錠を創出することができる。更なる引例として、参照として本明細書に完全に取り入れられる "Pharmaceutical Dosage Forms;Tablets Vols. 1-3", 2d Ed., 1989, H.A.Lieberman, L.Lachman, and J.B.Schwartz, Eds を参照されたい。
【0059】
粉末 TCMTB 製剤を製造する方法
固体TCMTB製剤は、TCMTB溶液と、水溶性塩担体マトリックスとを組合せて粉末を作ることによって製造することができる。一般的に、TCMTB溶液は、塩担体マトリックス上に噴霧又は混合するか、もしくは塩担体マトリックスと他の固体成分との固体プレブレンド上に噴霧又は混合して、固体TCMTB製剤を作る。例えば、プレブレンドをTCMTB溶液と組合せる前に、固体殺微生物剤を塩担体マトリックスと混合してプレブレンドを作ることができる。更に、TCMTB溶液は、固体TCMTB製剤中に混和される可溶性成分を含むこともできる。凝集を防止するために、高い剪断力の実質的な非存在下で、且つ過剰な熱が無い状態で、TCMTB溶液は、塩担体マトリックス又は固体プレブレンドに対して施用すべきである。それは、塩担体マトリックス又は固体プレブレンドを動かし続けながら、塩担体マトリックス又は固体プレブレンド上にTCMTB溶液を噴霧することによって達成することができる。TCMTB溶液を塩担体マトリックスと組合せるこの方法を用いて、ダストから粒子及び顆粒までの様々な粒径を有する固体TCMTB粉末製剤を作ることができる。粒径は、一般的に、塩担体マトリックス又は固体プレブレンドの初期粒径に左右される。所望ならば、微粉砕又は粉砕工程を用いて、固体TCMTB製剤を作った後に、粒径を更に小さくすることができる。固体TCMTB粉末製剤の粒径は、一般的に、塩担体マトリックスの粒径に左右される。好ましい固体TCMTB製剤では、固体TCMTB製剤における粉末の実質的に全てが、100ミクロン未満の粒径を有する。好ましくは、粉末の80%超は、20ミクロン未満の粒径を有する。
【0060】
本発明にしたがう固体TCMTB製剤を調製する場合、塩担体マトリックスをTCMTBと組合せる前に、塩担体マトリックスを加工する必要があるかもしれない。例えば、塩担体(1種又は複数種)ならびに任意の他の固体成分を、例えばRibbon 配合機のような配合機中で混合して、粒子の望ましいサイズ及び割合を達成することができる(塩担体又は固体成分の1種類以上のタイプ又はサイズを用いる場合には特に)。配合機で固体を混合することによって、担体粉末製剤のために好ましい均一な粒径を得ることができる。均一な粒径により、成分の分布及び活性成分の一定の分散が得られる(水性システムでは特に)。
【0061】
塩担体マトリックス又は固体プレブレンドを作った後、TCMTB及び任意の他の液体成分を含む液体TCMTB混合物を、第一工程で作った塩担体マトリックスと組合せるか又は混合する。それは、例えば液体TCMTB混合物を塩担体マトリックス又は固体プレブレンド上に噴霧して施用するために好ましく用いることができる配合機又は適当な粉末コーティング装置において達成することができる。2つの成分が担体粉末上に完全に吸着されたTCMTBと共に粉末を形成するまで、液体TCMTBは、担体粉末又は固体プレブレンドと組合わせられる。必要ならば、粉末を粗砕して、望ましいサイズの流動可能な固体TCMTB粉末製剤を作ることができる。本発明によって形成された粉末は、好ましくは、一定で均一なサイズ及び配合を有するさらさらした、低ダストの粒状生成物である。
【0062】
TCMTBを塩担体マトリックス又は固体プレブレンドに対して施用するために、TCMTBを溶媒中に溶解又は分散させる。固体TCMTBの他の成分も、溶媒中に溶解又は分散させることができる。この方法は、例えば固体プレブレンドを作るには、塩担体マトリックスと混合するには容易ではないか又は液体形態である乳化剤のような成分には好ましい。必要ならば、水を含む溶媒の混合物を用いて、固体担体に施用する前に、TCMTB溶液中に全ての望ましい成分を混和することができる。好ましくは、溶媒は、以下の特徴の1つ以上を有しているべきである:すなわち、(1)TCMTBに関する高い溶解作用、(2)低揮発性、(3)難燃性、(4)高い引火点、(5)低植物毒性、(6)低粘性、(7)入手可能性、(8)低コスト、(9)低臭気、及び(10)危険物規制リスト;例えば SARA313 及び CERLA に記載されていない。
【0063】
本発明の固体TCMTB製剤では、固体製剤を製造するときに用いる場合の溶媒の量は、好ましくは、製剤の重量を基準として、10重量%を超えない。溶媒を用いる場合、溶媒は、例えば:
(1) 酸素化溶媒;すなわち、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシレングリコール、アルキルアセテート、例えば EXXATE(商標)600, 700, 800, 900, 1000又は1300、イソホロン及びプロピレングリコール;
(2)タル油、大豆油、パーム油、ココナシ油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、及びピーナッツ油と、ジメチルアミンとの反応から得られるアミド生成物;
(3)芳香族炭化水素(キシレン、アルキルベンゼン誘導体);
(4)脂肪族炭化水素及びパラフィン系炭化水素;鉱油、鉱質土壌油(mineral soil oil);
(5)シクロパラフィン;
(6)動物油又は植物油;
(7)エステル:すなわち、オレイン酸メチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸グリセリル、メチルタロエート(methyl tallowate)、メチルソイエート(methyl soyate);
(8)その他:オレイン酸、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジメチルホルムアミド、アルキルアルコール、例えばTexanol商標)アルコール、及びN−メチル−2−ピロリドン;及び
(9)上記溶媒の任意の2つ以上の混合物
のような任意のTCMTB相溶性溶媒であることができる。
【0064】
特に好ましい溶媒としては、上記の望ましい特徴を有する、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、鉱油、テトラヒドロフルフリルアルコール、及び天然油、例えばひまし油が挙げられる。
【0065】
当該方法は、P−K配合機、Turbulizer、流動床スプレー又はビュルスターコーティング装置において行うことができる。P−K配合機を用いて、塩担体マトリックスの混合、及び/又はTCMTB溶液と塩担体マトリックスとの組合せの双方又はいずれかを達成することができる。P−K配合機は、ペンシルヴェニア州StroudsburgにあるPaterson-Kellyによって製造されている。本発明で用いられるP−K配合機は、好ましくは、材料を均一に混合し、固体全体にわたって均等に液体を分散させ、溶媒を混合物から除去し、最終生成物を適当な粒径及びばらつきが無い状態まで粉砕する能力を有する。また、P−K配合機は、好ましくは、鋤の配合作用を補う高速チョッパーを有する。これらの高速チョッパーによって、基本的な混合作用が向上し、微量成分を迅速に分散させるので、固体成分を望ましい粉末サイズまで予め微粉砕する必要性を低下/排除することができる。
【0066】
別法として、Turbulizer(商標)装置又はTurbulator(商標)装置を、粉末コーティング装置として用いることができる。Turbulizer(商標)装置は、ミネソタ州ミネアポリスにあるBepex Corporationによって製造されている。Turbulizer(商標)装置の使用は、その開示が参照として本明細書に完全に取り入れられる米国特許第5,043,090号に詳細に記載されている。Turbulator(商標)装置は、ミシガン州ワイアンドットにあるFerro-Techによって製造されている。Turbulizer(商標)装置の好ましいパドル設定は:4つが前方、5つが平ら、及び1つが後方であることができる。ローターの速度は、1800回転/分を含む様々な速度に設定することができる。所望ならば、高速ローター速度(3600回転/分)のTurbulizer(商標)装置において更なる加工を行って、粉末サイズを小さく、すなわち粉末を脱凝集させることができる。
【0067】
本発明にしたがって、実質的に均質な、すなわちTCMTBが水溶性塩担体マトリックス上に均等に吸収されているTCMTB粉末製剤を得ることができる。粒径が小さくなることが望ましい場合は、ハンマーミル又は微粉砕機を用いることもできる。望ましい粒径にしたがって、4500回転/分以上に設定された分級機と一緒に、7200回転/分以下のミル速度を有する、1/16インチのプレートの一対三ビーター(beater)を有する微粉砕機を用いることができる。当業者は、日常の業務として混合品目と設定を選択して、望ましい結果、例えば本発明の固体TCMTB製剤の均質性を達成することができる。
【0068】
固体TCMTB粉末製剤を製造する好ましい方法では、塩担体マトリックスを含む固体成分は、P-K Twin Shell Blenderにおいて、TCMTBを含む液体成分と配合される。加熱又は冷却は必要無い。この作業は、好ましくは、TCMTB溶液から遊離される過剰の水又は溶媒を除去するのに役立つわずかな減圧下で行う。P-K Twin Shell Blenderで形成された生成物は、全てのバッチが完了するまで、減圧下で、中間貯蔵器中に放出される。
【0069】
固体TCMTB粉末製剤の粒径は、一般的に、塩担体マトリックスの粒径に左右される。好ましい固体TCMTB粉末製剤は、100ミクロン未満の粒径を有する。好ましくは、当該粉末の80%超は、20ミクロン未満の粒径を有する。
【0070】
錠剤化
別の態様では、本発明の固体TCMTB製剤は錠剤へと成形することができる。「錠剤」形態としては、錠剤それら自体、ならびに当業において公知の他の固体形態又は形状、例えばスティック、パック、ブリケット、ペレットなどが挙げられる。錠剤の任意の形状が用いられる。錠剤は、上記したように、固体TCMTB粉末製剤を圧縮することによって調製することができる。粉末の粒径は、変化させることができ、一般的に、成形される錠剤のサイズに左右される。大きな錠剤は、小さな錠剤の時に必要とされる小さな粒径を必要としない。錠剤を成形するのに用いられる粉末は、好ましくは、12メッシュ未満の粒径を有し、約200〜 約400メッシュ以下であっても良い。
【0071】
本発明にしたがう錠剤のサイズは、その意図される使用にしたがって変化させることができる。例えば、スイミングプール又は冷却塔を処理するために用いられる水処理錠剤は、約200 〜 400gであることができる。当業者には公知のように、錠剤サイズは、特定のシステムの大きさ及び必要性に、ある程度左右される。
【0072】
固体TCMTB粉末製剤を圧縮して錠剤にする前に、例えば上記したような他の錠剤化成分を、任意の配合工程で、好ましくは乾燥配合工程で固体TCMTB粉末製剤に加えても良い。而して、例えば、固体TCMTB粉末製剤は、例えば崩壊速度調節剤、凝結防止剤、染料及び/又は他の錠剤化成分と配合することができる。所望又は必要ならば、配合後に、追加の粉砕及び/又は篩分けを行うこともできる。また、この段階で液体製剤を加える場合には、追加の乾燥、粉砕及び/又は篩分け工程を行うこともできる。
【0073】
粉末を錠剤にする「圧縮」は、当業者において公知の錠剤成形手順を用いて達成することができる。好ましくは、粉末化されたTCMTBは加圧下で圧縮して錠剤にする。錠剤化圧力は、一般的に、1平方インチ当たり約10 〜 約40トンである。
【0074】
粉末を錠剤へと圧縮するために施用される圧力量は、得られる錠剤が脆弱で団結性が無くならないように、又は持続放出用途のためにあまり迅速に溶けないように、低圧過ぎるべきではない。圧力が高過ぎると、錠剤は非常にゆっくりと溶解する可能性がある。任意の特定の粉末から錠剤を製造するために用いられる実際の圧力は、ある程度まで、錠剤の最終用途(迅速な崩壊又は持続放出)、その成分及び混合物におけるそれらの成分の相対的な割合に左右される。とにかく、本発明にしたがう固体TCMTB粉末製剤を錠剤化するための好ましい方法及び/又は圧力を設定することは日常の業務である。
【0075】
固体 TCMTB 製剤の包装
本発明の固体TCMTB製剤を用いる場合、使用者が当該製剤に直接接触することは避けることが好ましい。使用者の直接接触を少なくする又は排除するために、TCMTB固体製剤は水溶性容器の中に含ませることができる。好ましくは、水溶性容器は、密封された水溶性バッグである。水溶性容器に包含される固体TCMTB製剤の量は、一般的に、製剤におけるTCMTB及び/又は他の活性成分の量、及びその意図される使用にしたがう。しかしながら、典型的な水溶性バッグは、都合良くは、約100g 〜 900gの最少容量を有する。
【0076】
水溶性容器に固体TCMTB製剤を包装することにより、処理時の曝露が減少するだけでなく、既に上で考察した、様々な商業的及び工業的な冷却水システム、革なめし作業者、及び木材処理防腐剤施用者にとって都合の良い大きさにすることができる。投入量を制御するのに都合の良い大きさに固体TCMTBを包装することによって、使用者は、固体TCMTB製剤それ自体と直接接触せずに、水性システムに対して当該製剤を加えることができる。容器自体が水溶性であるので、その団結性は、過剰の湿気及び水分に対する曝露を少なくすることによって保持されるべきである。それは、保護防湿性外包みの中に容器を包装することによって達成され得る。
【0077】
水溶性容器は、市販されている多くの水溶性フィルムから製造することができる。適当な水溶性フィルム形成材料は、参照として本明細書に完全に取り入れられる、Dunlopらによる米国特許第3,198,740号及びGladfelterらによる米国特許第5,235,615号で考察されている。本発明に適する水溶性フィルム形成材料としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ソジウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ(アルキル)オキサゾリン、及びポリエチレングリコールのフィルム形成誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
好ましい水溶性ポリマーは、優れたフィルム形成材料であるポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールから成形されるフィルムは、殆どの条件下で耐久力及びたわみ性を示す。フィルムとしてキャストするための市販のポリビニルアルコール製剤は、分子量及び加水分解度が異なる。殆どのフィルム用途のためには、約10,000 〜 約100,000の分子量が好ましい。加水分解度は、ポリビニルアルコールのアセテート基がヒドロキシル基で置換された%である。フィルム用途のためには、加水分解の範囲は、典型的には、約70%から100%までである。而して、「ポリビニルアルコール」という用語は、通常は、ポリビニルアセテート化合物を含む。ポリビニルアルコールフィルムは吸湿性であることができ、その物理的性質は、温度及び湿度の変化と共に変化することができる。而して、固体TCMTB製剤を含む密封された水溶性容器は、大気湿度から保護されるべきである。
【0079】
それらから製造される水溶性フィルム及び水溶性バッグは、Chris Craft Industries, Inc.のMONO-SOL Registered TM Divisionを含む多くの市販供給源から市販されている。水溶性ポリビニルアルコールフィルムの特に有用なタイプは、Chris Craft Industries, Inc.のMONO-SOL Registered TM Division から市販されている。ポリビニルアルコールフィルムの7−000シリーズは、約1℃ 〜 95℃の温度の水に溶ける。そのようなフィルムは、毒性が無く、高度の耐薬品性を示す。0.002インチ+/−0.0002インチの厚さの7−000シリーズのポリビニルアルコールフィルムは、表1に示した特性及び性能特性を有する。
【0080】
【表1】
Figure 0004349746
水溶性容器で用いるために水溶性フィルムを選択する時は、水溶性容器が溶解することが期待される水温を考慮すべきである。本発明が広範な水温にわたって適当に機能するように、低い水温で溶解することができる水溶性フィルムを選択することが望ましい。水溶性容器で用いるための有用な水溶性フィルムとしては、約1℃の水温で溶解するものが挙げられる。
【0081】
水溶性容器中に含まれる固体TCMTB製剤と反応しない水溶性フィルムを選択することも重要である。水溶性容器を形成する水溶性フィルムを選択するときに考慮すべき他の因子としては:ポンプ、パイプ及びノズルを含む装置に関する水溶性フィルムの効果;廃水に関する水溶性フィルムの効果;水溶性フィルムの毒性;水溶性フィルムの印刷適性;及び自動バッグ製造装置で水溶性フィルムを用いることができるようにする特性(すなわち、ヒートシール適性、引張強さ及び引裂強さ)が挙げられる。印刷適性は、水溶性容器上に適切な警告及び指示を印刷することが望まれるので、因子の1つである。
【0082】
水溶性容器として有用な材料は、上手く用いられるために以下の最低限の特性を有しているべきである。当該材料は、約175℃の最大ホットバーヒートシール範囲を有しているべきである。当該材料は、約1℃の溶解性のための最小水温範囲を有しているべきである。当該材料は、ASTM D822試験法にしたがって、約6000 lb./sq.in.の最小引張強さ(破断点)を有しているべきである。当該材料は、ASTM D1922試験法にしたがって、約1000 gm/mil.の最小引裂強さを有しているべきである。当該材料は、ASTM D822試験法にしたがって、約45%の最小伸びを有しているべきである。
【0083】
本発明の水溶性容器は、固体TCMTB製剤の望ましい量を密閉するために必要ないかなる寸法でもとることができる。水溶性容器は、プラスチックフィルム包装製造業によって用いられる一般的な方法にしたがって作ることができる。
【0084】
本発明の好ましい水溶性バッグは、縁が重なるように水溶性フィルムの2枚の矩形シートを向い合わせて配置し、密封装置及び当業で公知の方法を用いて、3辺をヒートシール又は水シールすることによって、水溶性フィルムから調製することができる。
3辺をシールした後、計量した固体TCMTB製剤を注入し、最後に4辺をヒートシールすることによって水溶性バッグを充填する。水溶性バッグの壁厚は、約20 〜 90ミクロン、好ましくは、溶解性のために約25 〜 50ミクロン、更に好ましくは、効果的な閉じ込め、迅速な溶解性及び機械適性のために約50ミクロンであることができる。典型的には、水溶性バッグの長さは、約6 〜 18インチ、好ましくは自動充填のために約8 〜 16インチ、最も好ましくはディスペンサー中における適合のために約10 〜 14インチであることができる。水溶性バッグの幅は、約5 〜 10インチ、好ましくは自動充填のために約6.5 〜 8インチ、最も好ましくは約7 〜 7.5インチであることができる。水溶性バッグは、好ましくは、約5℃ 〜 85℃の水温及び約25 〜 30psiの水圧において、約0.5 〜 30分の溶解速度を有しているべきである。
【0085】
既に考察したように、貯蔵、輸送及び取扱い時に、水溶性容器を大気湿度から保護するために、防水性外包みを提供することができる。例えば、再密封可能なジップロック外包みを用いても良い。外包みは、高い湿度、雨及び露のような大気水分から、及びはね返り又は濡れた手による不慮の接触からの損傷を防止するのを助ける。この防水性外包みは、個々の水溶性バッグ又はバッグの一群に対して提供することができ、個々のケースで最も望ましいと思われる方を選択する。好ましくは、防水性外包みは、顧客の安全性及び便利さ及び製品の保護の理由から、各バッグに対して個々に提供される。防水性外包みを一旦取除いたら、水溶性容器を、水との接触から保護するか又は水性システムアルコール中に配置すべきである。更に、防水性外包みを用いて、光に晒されることから水溶性バッグを保護できる。
【0086】
防水性外包みは:ボックス、カートン、エンベロープ、バッグ、チューブ、ペール、バケツ、缶及びジャー(これらに限定されないが)を含む様々な形態を含むことができる。好ましくは、防水性外包みは、処理及び貯蔵のし易さのために柔軟性のあるバッグを含む。
【0087】
防水性外包みに適する材料としては:ポリオレフィンフィルム、例えばポリエチレン又はポリプロピレン、ポリエチレンを有する防湿性であることができるクラフト紙、防湿性セロファン、グラシン紙、金属ホイル、金属化ポリマーフィルム、マイラー、ポリエステル、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、又はパラフィン紙、及びラミネートとしてこれらの材料の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。防水性外包みのための材料の選択は、材料のコスト及び必要とされる強度を含む多くの因子によって決定される。好ましくは、防水性外包みは、材料のコスト及び防湿性のためにポリエチレンフィルムを含む。
【0088】
防水性外包みを製造するときに用いるための、いくつもの製造会社から市販されている好ましいポリエチレンフィルムは、以下の特性を有する:
構造
帯電防止コーティング
高密度ポリエチレン 20%
白色線状低密度ポリエチレン 60%
Surlyn(scalant 層) 20%
厚さ:絶対最小厚 2.70 mil. inch
* 値
特性
明澄度(% 光透過度) 34.4%
収量(sq. in./lb) 10,561
ヒートシール範囲 90℃ 〜 120℃, 60 psi
* 0.5秒保持
透湿度 0.18
WVTR(gm/100 sq. in.,
/24時間、38℃で相対湿度90%において)
酸素透過試験 95.0
2 透過(cc/100 sq. in.,
24時間/1atm/23℃,相対湿度50%)
性能特性
引張強さ(破断点) 最大3300−最小3900 psi
引裂強さ 616 g MD/536G MD
伸び 663% MD/620% CD
落槍衝撃(50%損失) 214G
防水性外包みとして有用な材料は、好ましくは、防水性外包みとして上手く用いられるために一定の最少特性を有しているべきである。好ましくは、外包み材料は、約40℃、相対湿度90%において、約0.5gm/100sq./24時間 以下の透湿度(WVTR);約3000psiの最小引張強さ(破断点);約35ミクロンの最小壁厚;及び約100gの最少容量を有する。
【0089】
不透湿性外包みとして役立つバッグは、フィルムを、典型的には、バッグが包含する水溶性バッグに比べて、約1 〜 3インチ広く及び約1 〜 4インチ長くなるように切断する以外は、3辺をヒートシールする、水溶性フィルムバッグに関するのと同様な当業において公知の方法によって製造される。不透湿性外包みのマージンは、好ましくはサイドマージンを通って裂け目が延びていて、不透湿性外包みを開けるときにユーザーを助けるスリットを含むことができる。4番目のサイドは、例えばジップロックのような当業において公知の手段によって、又は加熱して少なくとも約10mmのマージンを提供することによって、好ましくは密封される。
【0090】
固体 TCMTB 製剤を用いる方法
本発明の固体TCMTB製剤は、微生物を制御するための様々な工業的な用途及び方法で施用することができる。当該製剤は、特定の工業で伝統的に用いられる他の殺微生物製剤の代わりに及び同じ方法で用いることができる。既に上で考察したように、そのような工業としては、なめし革工業、木材工業、製紙工業、繊維工業、農業、及び塗料工業が挙げられるが、これらに限定されない。固体TCMTB製剤は、例えば微生物学的な攻撃及び劣化を受ける既に考察したような水性システムと一緒に用いることもできる。これらの様々な用途で微生物学的な攻撃及び劣化によって引き起こされる問題は既に上で説明した。本発明にしたがう固体TCMTB製剤を用いて、特定の例示的用途で微生物の増殖を制御することについては以下で説明する。
【0091】
本発明は、種々の支持体及び様々な流体システムにおける少なくとも1種類の微生物の増殖を制御する方法に関するものである。本発明方法は、上記したように、微生物学的な増殖又は攻撃を受け易い支持体又は流体を固体TCMTB製剤で処理する工程を含む。上記したように、支持体又は水性システムにおける微生物の増殖を制御するということは、特定の支持体又はシステムに関して、望ましい期間、望ましいレベルまで、望ましいレベルにおいて、又は望ましいレベル未満で制御することを意味している。この制御は、微生物増殖の完全な防止又は抑制から、望ましい時間における一定の望ましいレベルまでの制御まで変化させることができる。
【0092】
典型的には、固体TCMTB製剤を溶媒に加えて、液体TCMTB製剤を作る。好ましくは、溶媒は水である。次に、この液体製剤を、微生物制御が望まれる支持体又は流体システムと接触させる。一般的に、処理しようとする流体システムは水性システムである。水性システムにおいて少なくとも1種類の微生物の増殖を制御することによって、水性システム、ならびに水性システムと接触している表面及び支持体は、生物学的劣化から保護される。この一般的な方法の好ましい用途は以下で考察する。
【0093】
1つの態様では、固体TCMTB製剤をなめし革工業で用いて、なめしプロセス中に、皮革上における微生物の増殖を制御することができる。この制御を達成するために、皮革上において少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効なTCMTBの量と皮革を接触させる。固体TCMTB製剤は、なめし工業で用いられる他の殺微生物剤を施用するために用いられるのと同じ量及び同じ方法で、なめしプロセスにおいて用いることができる。皮革のタイプは、なめされる皮革又は皮の任意のタイプ、例えば牛革、蛇革、鰐革、羊皮などであることができる。用いられる量は、ある程度まで、必要とされる微生物学的耐性度にしたがい、当業者によって容易に決定され得る。
【0094】
典型的ななめしプロセスは、限定するものではないが、酸洗い段階、クロムなめし段階、植物タンニンなめし段階、皮なめし後洗浄段階(post-tan washing)、再なめし段階、染色段階、及び脂肪アルコール段階(fat liquoring stage)を含む多くの段階を含む。固体TCMTB製剤は、公知の微生物学的問題が起こるそれらの段階に加えて、なめしプロセスにおける全てのプロセス段階において用いることができる。各段階では、固体TCMTB製剤を、なめされている皮革に対して施用される適当ななめし液に加えることができる。
【0095】
なめし液に固体TCMTB製剤を加えると、なめしプロセス中の微生物学的劣化から皮革が保護される。好ましくは、当該製剤は、なめしプロセスで用いられる適当ななめし液中に、例えば撹拌下で均一に分散されるか、又は進行中のなめしプロセスにおいて適当な液体に加えられる。典型的ななめし液としては、例えば酸洗い液、クロムなめし液、植物タンニンなめし液、皮なめし後洗浄液(post-tan washing liquor)、再なめし液、染色液、及び脂肪液が挙げられる。この施用法は、微生物学的攻撃、微生物学的劣化、又は他の微生物学的劣化から皮革を保護する。
【0096】
一般的に、塩水で硬化させた皮革及び皮における細菌増殖を防止するために、固体TCMTB製剤を、グリーンフレッシングされた(green fleshed)皮革又は皮1000ポンド当たり約225 〜 1150gのレベルで用いることができる。固体TCMTB製剤は、好ましくは、皮革の前又は直ぐ後に、レースウェイ(raceway)に対して加えることができる。充分な混合を確実にするために、バッグ及び/又は錠剤は、レースウェイパドルの入力側に個々に導入することができる。更に、固体TCMTB製剤を用いて、浸漬プロセス中における皮革及び皮の細菌による劣化を防止することができる。固体TCMTB製剤は、グリーンフレッシング又は塩水フレッシングされた皮革又は皮450kg当たり約450 〜 900gのレベルで用いることができる。また、TCMTBを用いて、仕上げの前において、なめしている最中又はなめし後の作業中にクロム又は植物でなめされた皮革又は皮上における菌類の増殖を防止することができる。固体TCMTB製剤は、ホワイトウェイトストック(white weight stock)450kg当たり約225g 〜 1360gの処理速度で用いることができる。固体TCMTBの個々のバッグ又は錠剤は、なめしプロセス中に、なめしドラム又は容器に直接加えるか、又はケミカルミックスボックス(chemical mix box)中に溶かすことができる。
【0097】
いくぶん同様な性質においては、本発明の固体TCMTB製剤を用いて、織物工業プロセスにおいて、織物支持体上における微生物の増殖を制御することもできる。本発明にしたがうTCMTBと織物支持体とを接触させることによって、織物支持体における微生物の増殖を効果的に制御される。織物プロセスでは、当該組合せは、織物プロセスで普通に用いられる他の殺微生物剤と同じ量及び同じ方法で、用いることができる。当業者が評価するように、特定の量は、織物支持体及び必要とされる微生物学的耐性の程度に左右される。
【0098】
微生物学的増殖を制御するために、織物プロセスは、一般的に、殺微生物剤単独、又は織物支持体を処理するために用いられる他の化学薬品を一緒に含む浴の中に織物支持体を浸漬する。別法としては、織物支持体を、殺微生物剤を含む製剤でスプレーすることができる。本発明にしたがう固体TCMTB製剤は、使用前又は使用後に、浴又はスプレーに直接添加しても良い。浴又はスプレーにおいては、本発明にしたがう固体TCMTB製剤は、TCMTBが織物支持体上において少なくとも1種類の微生物の増殖制御するのに有効な量で存在するように、添加される。好ましくは、浴及びスプレーは水性ベースの製剤である。
【0099】
原料及び製品の価値を保つために、木材工業では、微生物の増殖を制御して、微生物学的劣化を防止しなければならない。本発明にしたがう固体TCMTB製剤は、木材に関する微生物の増殖を制御するのに有効である。典型的には、木材工業で用いられる他の殺微生物剤と同じ量及び同じ方法で、固体TCMTB製剤を用いて、木材を保護することができる。例えば、固体TCMTB製剤を用いて、切られたばかりの堅木及び軟木、丸太(log)、柱(poles)、ポスト(posts)、及び用材における辺材変色(sapstain)及び菌類を制御することができる。有効量のTCMTBと木材との接触は、固体TCMTB製剤を含む水性製剤を木材に対してスプレーすることによって、及び当該製剤を含む浸漬浴の中に木材を浸漬することによって達成することができる。好ましくは、水性浴中に木材を浸漬する。好ましくは、固体TCMTB製剤は、浴中に木材を浸漬する前に、又は進行しているプロセス中に、(例えば、撹拌することによって)浴中に均一に分散させる。一般的に、水100ガロン当たり、固体TCMTB製剤の450gのバッグを約6 〜24個加える。この混合物を、固体TCMTB製剤が完全に分散されるまで、激しく撹拌する。用いられる速さは、温度、湿度、木材に含まれる湿気、貯蔵条件などにしたがって変化する。菌類増殖に非常に適する条件下では、上で述べた高速を用いるべきである。木材が切られた後、出来る限り迅速に、通常は、切った後24時間以内に処理すべきである。
【0100】
一般的に、木材は、浴に浸漬し、持ち上げ、ドリップ乾燥させ(drip dry)、次に、自然乾燥させる。浸漬時間は、当業において公知のように、様々な因子、例えば所望の微生物学的耐性の程度、木材の水分含有量、木材のタイプ及び密度などの因子に左右される。処理される木材中への製剤の浸透を促進するために圧力を施用することができる。木材の上面に真空を施用して、木材を脱気し、浴による木材の湿潤の増大を促進することもできる。
【0101】
本発明にしたがう固体TCMTB製剤は、農業でも用いられる。例えば種子又は植物のような農産物における微生物の増殖を制御するために、種子又は植物を種子又は植物において少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量のTCMTBと接触させることができる。この接触工程は、他の殺微生物剤に関して農業で公知の量を用いて達成することができる。例えば、種子又は植物に対して、固体TCMTB製剤を含む水性製剤をスプレーするか、又は当該製剤を含む浴中に浸漬しても良い。スプレー又は浸漬後に、種子又は植物を、一般的に、例えばドリップ乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥のような公知の方法によって乾燥させる。植物又は作物に関して、土壌灌入を用いてTCMTBを施用することもできる。対象としている微生物が植物周囲の土壌に生息しているときには、土壌灌入が特に有利である。
【0102】
本発明のもう1つの面は、上記増殖を助けることができる水性システムにおける微生物の増殖を制御する方法である。TCMTBが、水性システムにおいて少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量でTCMTBが存在するように、水性システムを、固体TCMTB製剤で処理する。この処理は、水性システムにおけるスライム形成を制御し、好ましくは防止することを含む。
【0103】
種々の水性システムとしては、例えば、油田水(oil field waters)、ラテックス、界面活性剤、分散剤、安定剤、増粘剤、接着剤、澱粉、蝋、タンパク質、乳化剤、セルロース生成物、水性乳濁液、水性洗浄剤、コーティング製剤、塗料製剤、みょうばん製剤、及び水溶液中に配合された樹脂、乳濁液又は懸濁液が挙げられるが、これらに限定されない。固体TCMTB製剤は、例えば金属工作液、冷却水(取水冷却水及び流出冷却水の双方)、及び廃水、又は水中廃棄物の処理(例えば、下水処理)を行う衛生水を含む廃水のような工業プロセスで用いられる水性システムで用いることもできる。
【0104】
上記したように、固体TCMTB製剤を用いて、工業的な再循環水システムにおける、例えば冷却水システム又は金属工作液における藻類、細菌及び菌類を制御することができる。固体TCMTB製剤は、現存の再循環水システムに加えることができる。再循環水システムを処理する時、好ましくは、当該システムは、TCMTBを加える前に完全に清浄にして、古い藻類の増殖、微生物学的スライム、及び他の付着物を除去すべきである。次に、当該システムから水を排出し、フラッシュし、水を再充填し、そしてまず最初に、当該システム中にある水1000ガロン当たり固体TCMTB製剤の100gバッグ約1 〜 2個で処理する。次に、システムの放出量(system bleed off)及び微生物学的汚損のひどさの程度にしたがって、1000ガロン当たり固体TCMTB製剤の100gバッグ約1個を加えることを、1 〜 5日ごとに行うことができる。
【0105】
井戸の掘削で用いられた流体又は泥の細菌及び菌類による劣化を抑制するために、固体TCMTB製剤を、流体1000ガロン当たりBusan 1350 の450gバッグを約4 〜 24個の濃度において、掘削流体中に混和させる。
【0106】
既に開示したように、固体TCMTB製剤を用いて、油田水、ポリマー、又はミセル洪水(micellar floods)、水処理システム、及び他の油田水システムにおける硫酸還元細菌、スライム形成細菌、及び菌類を制御することができる。典型的には、固体TCMTB製剤の投入率(dosage rate)は、処理される水1000ガロン当たり100gバッグ約1 〜 4個である。自由水ノックアウト(free water knockouts)のところにある計量ポンプによって、注入ポンプ及び注入井ヘッダーの前又は後に、連続的に又は断続的に加えるべきである。別法として、システムが著しく汚損される時、又は制御を維持するために、処理の断続法又はスラッグ法を用いることができる。前記の断続法又はスラッグ法に関しては、1週間に1 〜 4回又は制御を維持する必要があるときに、水1000ガロン当たり、固体TCMTB製剤100gバッグ約1 〜 4個を加える。
【0107】
また、固体TCMTB製剤は、貯蔵中に、原油及び精油の劣化を引き起こす細菌及び菌類の制御のための油溶性防腐剤としても用いることができる。原油及び精油としては、オレフィン系油、芳香油、パラフィン系油、及びナフチオン油(naphthionic oils)が挙げられるが、これらに限定されない。固体TCMTB製剤は、輸送コンテナから貯蔵タンクへと送られる時に、油1000ガロンにつき固体TCMTB製剤100gバッグ約1 〜 2個の割合で加えることができる。添加は、混合が行われる段階で回分式で行う。
【0108】
上で考察した他の使用に関して、本発明の固体TCMTB製剤は、これらの様々な水性システムで伝統的に用いられている殺微生物剤と同じ量及び同じ方法で用いることができる。当該製剤は、使用する前に又は貯蔵時に水性システムを保護するのみならず、多くの場合において、水性システムを乾燥させた後でも使用時に又は適当な用途で水性システムを保護する。例えば塗料製剤で用いる時、当該製剤は、缶中の塗料を保護するだけでなく、支持体に適用された後の塗膜も保護する。
【0109】
本発明の別の態様は、紙における又は製紙プロセスにおける、例えばパルプもしくはペーパースラリーにおける、及び例えば板紙のような完成紙製品における微生物の増殖を制御する方法である。紙、パルプ、又はスラリーを、紙、パルプ、又はスラリーにおいて少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量の固体TCMTB製剤と接触させる。接触工程は、製紙技術で公知の手段及び量を用いて達成される。
【0110】
本発明のこの面にしたがって、例えば、製紙機における二次成形ウェッブ(forming web)(又は湿式ラップパルプ(wet-lap pulp))を、パルプが製紙プロセスにおけるプレスから出た後に、パルプ上に、固体TCMTB製剤を含む水性分散液をスプレーすることによって、TCMTBと接触させることができる。別法として、湿式プレス又はサイズプレスで用いられる浴中に及びウェブを挟むことによって接触させたウェブ中に、固体TCMTB製剤を直接加えて、プレス時に施用される任意の他の薬剤と一緒に、TCMTBを混和させることができる。更に、パルプ/白水混合物に対して、好ましくはパルプが形成ワイヤに達する前に、固体TCMTB製剤を直接加えることによって、パルプを接触させることができる。
【0111】
紙(板紙及び他のセルロース製品又は支持体を含む)を処理する時に、固体TCMTB製剤を、ヘッドボックス、支持体形成溶液、又は白水システム中にあるパルプスラリー中に加えて、水システム自体を処理するか又は紙本体の中に混和させることができる。別法として、他の公知の殺微生物剤に関して、本発明にしたがう固体TCMTB製剤を、完成紙を被覆するために用いられるコーティングの中に混合しても良い。
【0112】
実施例
実施例1
本発明の固体TCMTB粉末製剤を、V−配合機(P−K配合機)において、以下の成分:すなわち、
成分 重量%(最終配合)
TCMTB-60 13.34
Tergitol XD 1.00
Casul 70 HF 0.15
硫酸ナトリウム無水物 64.30
Hi-Sil 233 2.00
Stepwet DF-90 1.00
Zeolox 7 10.00
MTC(メチレンビスチオシアネート) 8.20
TCMTB-60は、TCMTB及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルを含む。
【0113】
Tergitol XDは、ブタノールと反応させた、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロックコポリマーである。
Casul 70 HFは、ブタノール溶媒中カルシウムドデシルベンゼンスルホネートである。
【0114】
Hi-Sil 233は、白色の非晶質シリカ(酸化珪素)粉末である。
Stepwet DF-90は、イリノイ州ノースフールドにあるStepan companyから市販されている製品である。
【0115】
Zeolox 7は、メリーランド州Havre de GraceにあるJ. M. Huber Corporation から市販されている製品である。
固体TCMTB粉末製剤は、P−K配合機において、固体岩(solid rock)を細かく砕いて粉末にすることによって作られた。MTC粉末に対しては、硫酸ナトリウム無水物、Hi-Sil 233及びZeolox 7を含む他の固体成分を加えて、塩担体マトリックスプレブレンドを作った。それとは別に、液体TCMTBを、他の液体成分、Tergitol XD、Casul 70 HF及びStepwet DF-90と混合して、液体TCMTB混合物を作った。次に、その液体TCMTB混合物を、P−K配合機中に含まれている塩担体マトリックスプレブレンドに対して加えた。液体及び固体の成分を約50分間一緒に混合して粉末を作った。粉末の適当なコンシステンシーを確かなものにするために、粉末混合物を30秒間細かく砕き、次に30秒間静置させた。この細断プロセスを、所望の粉末生成物を得るのに必要な回数だけ繰返した。
【0116】
実施例2
V−配合機(P−K配合機)を用いて、以下に示した固体TCMTB錠剤製剤を製造した:
成分 重量%(最終配合)
TCMTB溶液 13.7
MTC 10.4
硫酸ナトリウム無水物 62.9
Hi-Sil 233(シリカ) 0.5
ステアリン酸 0.5
Stepwet DF-90 1.00
Zeolox 7 10.00
TCMTB溶液は、TCMTB-80を92%、Tergitol XDを7%、及びCasul 70 HFを1%含んでいた。
【0117】
まず最初に、実施例1で説明した手順を用いて、上記の成分及び重量%を有する固体TCMTB粉末製剤を作った。次に、この粉末を圧縮して錠剤を作った。
実施例3
固体TCMTB錠剤製剤を以下のように配合した:
成分 重量%(最終配合)
TCMTB溶液 14.5
MTC 8.2
硫酸ナトリウム無水物 64.3
Hi-Sil 233(シリカ) 2.0
Stepwet DF-90 1.0
Zeolox 7 10.00
%は、最終TCMTB製剤の重量を基準とした重量%である。
【0118】
TCMTB溶液は、TCMTB-60を92重量%、Tergitol XDを7%、及びCasul 70 HFを1%含む混合物である。上記したように、TCMTB-60は、TCMTB及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルを含む。
【0119】
まず最初に、実施例1で説明した手順を用いて、上記の成分及び重量%を有する固体TCMTB粉末製剤を作った。次に、この粉末を圧縮して錠剤を作った。
Talc(Nytal 300 含水珪酸マグネシウム)及びZeolite A(Ethyl Corporationから市販されている)は、配合において、Zeolox 7 ほど良くないことを発見した。しかしながら、これらの製品は、Hi-Sil 233の濃度が配合において増加される場合は、充分に働くことができる。Hi-Sil 233は、PPG Industries, Inc.(ペンシルヴェニア州ピッツバーグ)から市販されている製品である。
【0120】
実施例4
液体及び固体のTCMTB製剤の抗菌効率を評価するために、細菌の「カクテル」を用いて、これらのシステムタイプで普通に遭遇する混合微生物相を最適にシミュレートした。実施例3から得られた固体TCMTB錠剤製剤を、固体製剤として用いた。用いたTCMTB溶液は、TCMTBが30%配合されていて、テネシー州メンフィスにあるBuckman Laboratories, Inc.から市販されているBusan 1009であった。試験した微生物は、A.T.C.C. 寄託番号15442の緑濃菌(Pseudomonas aeruginosa)、A.T.C.C. 寄託番号6538の黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及びA.T.C.C. 寄託番号1224の大腸菌(Escherichia coli)であった。各微生物は、トリプトンイースト抽出物寒天培地(TGEA)で増殖させた。アッセイのために、当該微生物を、pH8.5において緩衝されたTEGAで継代培養を二度行った(24時間継代培養)。各微生物から、アッセイのための増殖を、無菌綿棒で塩水(9ml)試験管の中へ取出した。各細菌細胞懸濁液を、マクファーランド1密度(MacFarland 1 density)に標準化した。標準化後に、各細胞懸濁液のアリコートを別々の試験管に分配した。塩水細胞混合物をアッセイのための接種材料として用いた。合成冷却塔水20ミリリットル当たり100マイクロリットルを用いた。各殺生物剤は、無菌脱イオン化水中原液として調製し、希釈し、適当な試験用量(ppm)まで合成冷却塔に加えた。1リットル当たりに用いた合成冷却塔水の配合は、ティプトン(typtone);0.5g、デキストロース;0.5g、硫酸ナトリウム;0.093g、重炭酸ナトリウム;0.17g、塩化ナトリウム;0.26g、塩化カルシウム;0.29g、硫酸マグネシウム;0.60gであった。倍地は、トリス-HCl;1.23g、トリス-塩基;5.13gでpH8.5に緩衝した。試験アッセイを30℃で行った。生残微生物を数えるために、標準スプレッドプレート法(standard spread plate technique)を用いた。全ての生残菌をTGEA上に置き、37℃で24時間培養した。対照は殺生物剤を含んでいなかった。その結果を表1に示す。得られたデータに基づくと、TCMTB/MTCの液体製剤が、上記条件下で、固体製剤に比べて勝っている(又はその逆)ことを示す違いは観察されなかった。実験エラー及び推定される細胞凝集の故に、いくつかのばらつきが観察された。TCMTB及びMTCの固体製剤は、液体製剤と同様に有効であると考えられる。液体製剤を超える固体製剤の利点としては、作業者の安全、使用のし易さ及び単位投入が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた結果の図表である。

Claims (15)

  1. 少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するための固体TCMTB製剤であって、当該製剤が、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、弗化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、燐酸三カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、弗化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化リチウム、又はそれらの混合物から選択される水溶性塩担体マトリックス上に吸着されたTCMTBを含み、当該TCMTBが少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量で存在する前記製剤。
  2. 製剤の重量を基準として、更に:
    乳化剤を20重量%以下;及び
    凝結防止剤を30重量%以下;及び
    殺生物補助剤を50重量%以下
    の量で含む請求項1記載の固体TCMTB製剤。
  3. 更に:
    殺菌剤、殺真菌剤、消毒剤、及び酸化剤及び/又はハロゲン放出剤から成る群より選択される殺生物補助剤を、少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量で含む請求項1記載の固体TCMTB製剤。
  4. 当該固体製剤が、粉末である請求項1記載の固体TCMTB製剤。
  5. 当該固体製剤が、錠剤である請求項1記載の固体TCMTB製剤。
  6. 製剤の重量を基準として、更に:
    崩壊速度調節剤を20重量%以下;
    乳化剤を20重量%以下;
    凝結防止剤を30重量%以下;及び
    殺生物補助剤を50重量%以下
    の量で含む請求項5記載の錠剤TCMTB製剤。
  7. 当該固体製剤を、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ソジウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ(アルキル)オキサゾリン又はそれらの混合物から成る水溶性容器の中に含ませる請求項1記載の固体TCMTB製剤。
  8. 水溶性容器が、水溶性バッグである請求項7記載の固体TCMTB製剤。
  9. 水溶性バッグを、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート及びそれらの混合物から成る群より選択する請求項8記載の固体TCMTB製剤。
  10. 当該水溶性容器を、耐湿性外包みの中に含ませる請求項7記載の固体TCMTB製剤。
  11. 微生物を制御するための固体TCMTB製剤であって、当該製剤がTCMTB、メチレンビスチオシアネート(MTC)及び酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、弗化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、燐酸三カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、弗化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化リチウム、又はそれらの混合物から選択される水溶性塩担体マトリックスを含み、当該TCMTBが当該水溶性塩担体マトリックス上に吸着されていて、TCMTB及びMTCが少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な合計抗菌量で存在する前記製剤。
  12. 微生物の増殖を助けることができる水性システムにおいて少なくとも1種類の微生物の増殖を制御する方法であって、当該方法が:
    酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、弗化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、燐酸三カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、弗化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化リチウム、又はそれらの混合物から選択される水溶性塩担体マトリックス上に吸収されていて、水性システムにおいて少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量で存在しているTCMTBを含む固体TCMTB製剤
    で当該水性システムを処理する工程を含む前記方法。
  13. 水性システムを、冷却水システム、金属工作液、廃水処理システム、油田水システム、コーティング組成物及びなめし液から成る群より選択する請求項12記載の方法。
  14. 水性システムと接触していて、少なくとも1種類の微生物が増殖し易い支持体上における少なくとも1種類の微生物の増殖を制御する方法であって、当該方法が、以下の工程:すなわち、
    酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、弗化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、燐酸三カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、弗化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化リチウム、又はそれらの混合物から選択される水溶性塩担体マトリックス上に吸着されたTCMTBを含む製剤と水性システムを接触させて、支持体上において少なくとも1種類の微生物の増殖を制御するのに有効な量で液体TCMTB製剤を形成させる工程;及び
    当該支持体を液体TCMTB製剤で処理する工程
    を含む前記方法。
  15. 当該支持体が、動物の皮革、織物、木材製品、又は農産物である請求項14記載の方法。
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