JP6555291B2 - 固形薬剤収容体及び水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶性固形薬剤を収容した固形薬剤収容体に関し、具体的には、被処理水との接触によって水溶性固形薬剤を除々に溶解させながら、その有効成分を持続的に被処理水中に放出する機能を有する固形薬剤収容体、及びその固形薬剤収容体を用いて水処理を行う水処理方法に関する。
被処理水に対し、水溶性固形薬剤を除々に溶解させながら、その有効成分を持続的に放出するための技術として、水溶性固形薬剤を内部に充填する固形薬剤溶解装置を内筒体と外筒体から構成し、内筒体を回転させることにより、内筒体と外筒体のそれぞれに形成した連通孔の重なり程度を変化させて、内筒体の内部に流入する被処理水の量を調整し、水溶性固形薬剤の溶解速度を調整する技術が開示されている(特許文献1)。
実用新案登録第3173540号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、水溶性固形薬剤の溶解速度を調整するために、被処理水の流量や流速等の変動に応じて、その都度、人手により内筒体を回転させて、内筒体の内部に流入する被処理水の量を調整する必要があり、操作が煩わしいものであった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、水溶性固形薬剤の有効成分を長期間に亘って持続的に放出することができ、しかも、水溶性固形薬剤の溶解速度の調整を簡便に行うことができる固形薬剤収容体を提供することを目的とするものである。
本発明の固形薬剤収容体は、収納容器の内部に、水溶性固形薬剤を、水溶性フィルムを介して垂直方向に積層することで、水溶性固形薬剤の溶解速度の調整を簡便に行うことができ、水溶性固形薬剤の有効成分を長期間に亘って持続的に放出することができるものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1]収納容器の内部に、水溶性固形薬剤を充填した固形薬剤収容体であって、該収納容器は、複数の水溶性固形薬剤を収容可能な収容空間と、該収容空間に被処理水を流入させる流入口と、該収容空間から被処理水を流出させる流出口を有し、該収容空間に、水溶性固形薬剤の一部若しくは全部を、水溶性フィルムを介して垂直方向に積層し、該水溶性フィルムの少なくとも一部を、該流入口及び該流出口よりも上方に配置した、固形薬剤収容体。
[2]前記水溶性フィルムが、前記水溶性固形薬剤を包む包材である、上記[1]に記載の固形薬剤収容体。
[3]前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する原料を製膜してなる、上記[1]又は[2]に記載の固形薬剤収容体。
[4]前記水溶性フィルムは、23℃の水中での溶解時間が、8秒以上、99秒以下である、上記[1]〜[3]の何れかに記載の固形薬剤収容体。
[5]複数の水溶性固形薬剤を収容可能な収容空間と、該収容空間に被処理水を流入させる流入口と、該収容空間から被処理水を流出させる流出口を有し、該収容空間に水溶性固形薬剤を充填した固形薬剤収容体を用いて水処理を行う水処理方法であって、該複数の水溶性固形薬剤の、一部若しくは全部を、水溶性フィルムを介して垂直方向に積層し、かつ、該水溶性フィルムの少なくとも一部を、該流入口及び該流出口よりも上方に配置して水処理を行うことを特徴とする、水処理方法。
[6]前記流入口及び前記流出口よりも下方に配置された水溶性固形薬剤の溶解時に、該流入口及び該流出口よりも上方に配置された水溶性フィルムが部分的に溶解し、該部分的に溶解した水溶性フィルムの残存部が、該残存部上に配置された水溶性固形薬剤と被処理水との接触を妨げる、上記[5]に記載の水処理方法。
[7]前記残存部が、前記収容空間の水平断面を閉塞する、上記[6]に記載の水処理方法。
本発明の固形薬剤収容体によれば、収納容器に収納した複数の水溶性固形薬剤のうち、収納容器の流入口と流出口の間に形成される被処理水の流路に晒されない薬剤、即ち、前記の流路で被処理水に晒されて溶解しつつある薬剤の上方で水溶性フィルムの上に配置された薬剤は、その直下の薬剤が溶解しつつある最中でも、その水溶性フィルムの存在によって濡れが低減され、水溶性フィルムの存在以外は同じ条件で使用した場合と比べて、水溶性固形薬剤の含水率を低減し、薬剤の有効成分の残存率を高めることができる。
このため、本発明によれば、水溶性固形薬剤の有効成分を長期間に亘って持続的に放出することができ、しかも、水溶性固形薬剤の溶解速度の調整を簡便に行うことができる。
固形薬剤収容体の一の実施形態に係る収納容器の概略を示す斜視図である。 図1に示した固形薬剤収容体の垂直断面図である。 固形薬剤収容体の使用方法の第一の実施形態を説明するための固形薬剤収容体の垂直断面図である。 固形薬剤収容体の使用方法の概略説明図である。 固形薬剤収容体の使用方法の第二の実施形態を説明するための固形薬剤収容体の垂直断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の固形薬剤収容体は、収納容器の内部に、水溶性固形薬剤を充填した固形薬剤収容体であって、該収納容器は、複数の水溶性固形薬剤を収容可能な収容空間と、該収容空間に被処理水を流入させる流入口と、該収容空間から被処理水を流出させる流出口を有し、該収容空間に、水溶性固形薬剤の一部若しくは全部を、水溶性フィルムを介して垂直方向に積層し、該水溶性フィルムの少なくとも一部を、該流入口及び該流出口よりも上方に配置したものである。
水溶性固形薬剤をこのような構成の固形薬剤収容体に収容して使用することにより、水溶性固形薬剤の有効成分を長期間に亘って持続的に放出することができ、しかも、水溶性固形薬剤の溶解速度の調整を簡便に行うことができる。
本実施形態では、冷却塔の冷却水の水処理に用いる水溶性固形薬剤を充填した固形薬剤収容体について説明する。
[収納容器]
収納容器は、容器下部に、被処理水を容器内に流入させる流入口と、容器内に流入した被処理水を容器外に流出させる流出口を有する。例えば、収容容器は、筒状部と、筒状部の両端を封止する上面部及び下面部と、該筒状部及び/又は該下面部に設けられた流入口と、該筒状部及び/又は該下面部に設けられた流出口とを有するものである。なお、流入口は流出口を兼ねてもよい。
例えば、図1に示すように、略円筒状の容器本体11を有する収納容器10を用いることができる。図2に示すように、該容器本体11の内部には、区画壁12を備え、容器本体11の内部は、下端が開口した円筒状の区画壁12によって、水溶性固形薬剤S1を収容する収容空間13と、水溶性固形薬剤を収容しない非収容空間14とに区画されている。
(容器本体11)
容器本体11は、上部部材11aと下部部材11bとが嵌合するように構成されている。容器本体は、収容空間内に水溶性固形薬剤の収容や追加補充をしやすいようにする観点から、分割可能であり、かつ、容易に一体化しやすい構造であることが好ましい。
容器本体の形状や大きさは、特に限定されるものではなく、水溶性固形薬剤を収容することができ、冷却塔の大きさや容器の持ち運び、取り扱いやすさ等の観点から、適宜定めることができる。例えば、断面が円形状や楕円状、多角形状の筒状体や、外表面全体が丸みを帯びた形状等としてもよい。また、片手で持ち上げることができる程度の大きさであれば、取り扱いやすいため好ましい。
上部部材11aの天部、下部部材11bの側周部の底部近傍、及び下部部材11bの底部には、該容器本体11の外部と非収容空間14との間を冷却水が流通可能な容器連通路15a,15b及び15cがそれぞれ設けられている。容器連通路15a,15b及び15cは、冷却水が流通可能であれば、その形状や大きさ、配置、数は特に限定されるものではなく、冷却水の所望の流通量に応じて、適宜定めることができる。形状としては、例えば、丸孔状、角孔状、スリット状、網目状等にすることができる。容器連通路15aは、非収容空間14の上方に配置されており、この容器連通路15aによって、非収容空間14は収納容器10の外部と連通している。
(区画壁12)
区画壁12は、円筒状体であり、上部部材11aの天部内壁から垂設されている。上部部材11aと下部部材11bとが嵌合してなる容器本体11において、円筒状体の区画壁12の内側が収容空間13、外側が非収容空間14となる。
区画壁12は、収容空間13に、錠剤である水溶性固形薬剤S1を収容や追加補充しやすくする観点から、水溶性固形薬剤S1の外周形状に合わせて、ゆとり(遊び)を持たせて収容できるように、その形状や大きさ、配置等が決められている。
区画壁12は、下部部材11bの底面には接しないように配置されている。円筒状体の区画壁12の下端と、これと対向する下部部材11bの底面との隙間が、収容空間13と非収容空間14との間を冷却水が流通可能な区画壁連通路16となる。
本実施形態では、この区画壁連通路16が「流入口」及び「流出口」として機能し、容器連通路15b及び15cが「流出口」として機能する。
なお、区画壁連通路16は、冷却水が流通可能であれば、その形状や大きさ、配置、数は特に限定されるものではなく、冷却水の所望の流通量に応じて、適宜定めることができる。形状としては、例えば、丸孔状、角孔状、スリット状、網目状等にすることができる。また、区画壁が筒状体の場合において、該筒状体の下端と、これと対向する容器本体の底面とが接しており、該筒状体と該容器本体の底面との間の少なくとも一部に隙間を有するような態様で区画壁連通路が形成されていてもよい。
ただし、非収容空間に流入した冷却水の水位が低い場合であっても、収容空間と非収容空間との間の冷却水の流通をより確実にする観点から、区画壁連通路は、少なくとも1つが、容器本体の底面まで延在していることが好ましい。
本実施形態の収納容器10は、半透明のポリプロピレン製である。
容器内部の水溶性固形薬剤の状態を容器外側から簡便に目視観察できるようにする観点から、容器本体及び区画壁は、透明性を有することが好ましい。また、冷却塔内で使用するため、取り扱いやすさや耐水性等の観点から、プラスチック製であることが好ましい。
[水溶性固形薬剤]
水溶性固形薬剤は特に限定されないが、例えば、冷却塔の冷却水の水処理剤として用いることができる固形薬剤の他に、下水の水処理剤などが例示される。
冷却塔の冷却水の水処理剤として用いることができる水溶性固形薬剤は、特に限定されないが、ハロゲン系酸化剤、有機系剤、などが例示される。なお、ハロゲン系酸化剤と有機系剤とを併用する場合であって、当該有機系殺菌剤がハロゲン系酸化剤と反応性を有する場合は、両薬剤が早期に反応してしまうことを防止する観点から、ハロゲン系酸化剤を有効成分とする固形薬剤(A)と有機系酸化剤を有効成分とする固形薬剤(B)とを、別々の収納容器に収容することが好ましい。
(固形薬剤(A))
ハロゲン系酸化剤を有効成分とする固形薬剤(A)は、水処理剤において殺菌消毒やスライム抑制の作用を奏する。ハロゲン系酸化剤としては、ハロゲン化ヒダントイン系化合物、イソシアヌル酸系化合物などが例示される。
ハロゲン化ヒダントイン系化合物は、固体の有機ハロゲン系酸化剤であり、水と接触すると、強力な酸化力を有する活性ハロゲンを放出する。
また、水に対する溶解性等の観点から、活性ハロゲンを長期間にわたって持続的に放出させる上で好適である。徐放性錠剤として市販されているハロゲン系酸化剤としては、ハロゲン化ヒダントイン系化合物以外にも、次亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸等を有効成分とするものがあるが、これらのうち、ハロゲン化ヒダントイン系化合物を有効成分とするものが、比較的溶出速度が小さいことを見出した。このことから、ハロゲン化ヒダントイン系化合物が、有機系殺菌剤を含む固形薬剤との併用による優れた薬剤効果を持続させる観点から最も好適であると言える。しかも、ハロゲン化ヒダントイン系化合物は、水と接触した際に生じる臭気も比較的少ないため、取り扱い時の安全性の観点からも好ましい。
ハロゲン化ヒダントイン系化合物としては、具体的には、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(以下、BCDMHと略称する。)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジエチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジエチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5−メチル−5−エチルヒダントイン等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、水と接触した場合の溶出速度の固形薬剤(B)とのバランスや入手容易性等の観点から、BCDMH、及び1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインが好ましい。
上記のようなハロゲン系酸化剤の形態は、錠剤であることが好ましい。錠剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。通常は、賦形剤や結合剤等の添加剤を用いて、加圧成形することにより作製される。賦形剤や結合剤の種類や添加量を調整することにより、被処理水中への錠剤の溶出速度を調節することができる。
錠剤としては、市販品を用いることもできる。
固形薬剤は、ハロゲン系酸化剤が適度な溶出速度となるようにする観点から、ハロゲン系酸化剤の含有量は、有効ハロゲン成分をすべて有効塩素とみなした場合、有効塩素(Cl2)換算で10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは40〜70質量%である。
レジオネラ属菌に対する殺菌作用の観点から、固形薬剤(A)による被処理水中の有効ハロゲン(Cl2換算)濃度は、0.1mg/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5mg/L、さらに好ましくは0.1〜2mg/Lである。
(固形薬剤(B))
前記ハロゲン系酸化剤との反応性を有する有機系殺菌剤を含む固形薬剤(B)を固形薬剤(A)と併用することにより、殺菌作用の相乗効果が得られる。
有機系殺菌剤は、前記ハロゲン系酸化剤との反応性を有するものである。ハロゲン系酸化剤との反応により、塩素ガス等の有毒なハロゲン系物質を生じるため、ハロゲン系酸化剤と混合して一剤化することは困難である。このため、有機系殺菌剤を製剤化するには、ハロゲン系酸化剤とは、別個の薬剤とする必要がある。したがって、本実施の形態では、固形薬剤(B)は、固形薬剤(A)とは別に製剤化されたものを用いる。
前記有機系殺菌剤における有効成分としては、ハロゲン系酸化剤との併用による殺菌性能の観点から、イソチアゾリン系化合物を含むことが好ましい。
イソチアゾリン系化合物としては、具体的には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、Cl−MITと略称する。)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−t−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、水に対する溶解性、殺菌性能及び入手容易性の観点から、Cl−MITが好ましい。特に、レジオネラ属菌に対する殺菌作用の観点から、有効成分としてBCDMHを含むハロゲン系酸化剤の固形薬剤(A)と、有効成分としてCl−MITを含む有機系殺菌剤を含む固形薬剤(B)との組み合わせが好ましい。
有効成分である有機系殺菌剤の固形薬剤(B)の溶出量は、優れた殺菌作用を得る観点から、例えば、有効成分がCl−MITであり、固形薬剤(A)のハロゲン系酸化剤の有効成分がBCDMHである場合、被処理水中のBCDMHの有効ハロゲン(Cl2換算)濃度(単位:mg/L)に対して、被処理水中のCl−MITの濃度(単位:mg/L)が0.00001〜100倍であることが好ましく、より好ましくは0.01〜30倍、さらに好ましくは0.1〜1倍である。なお、被処理水中のCl−MITの濃度は、0.0001〜5mg/Lであることが好ましく、より好ましくは0.001〜3mg/L、さらに好ましくは0.001〜2mg/Lである。
固形薬剤(B)は、前記有機系殺菌剤以外にも、水処理剤において防食やスケール防止等の観点から使用される他の公知の化合物を含んでいてもよい。例えば、トリアゾール系化合物、ホスホン酸系化合物、スルファミン酸系化合物、アメトリン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、ブロノポール、2,2-ジブロモ-2-ニトロエタノール、ジンクピリチオン、チアベンダゾール、アクリル酸系やマレイン酸系の低分子量ポリマーによる凝集剤等が挙げられる。これらは、1種でも2種以上であってもよい。ただし、これらの化合物の添加量は、固形薬剤(A)及び(B)による殺菌作用を妨げない範囲とする。
固形薬剤(B)の形態も、固形薬剤(A)の形態と同様に、特に限定されるものではないが、使用量の調整のしやすさや取り扱い容易性等の観点から、ペレット状やタブレット状等の錠剤又は顆粒状であることが好ましく、容器内への収容の際の作業性等の観点から、錠剤であることがより好ましい。錠剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。通常は、賦形剤や結合剤等の添加剤を用いて、加圧成形することにより作製される。賦形剤や結合剤の種類や添加量を調整することにより、被処理水中への錠剤の溶出速度を調節することができる。これらの添加剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、シリカ、酸化マグネシウム等が用いられる。
上記のような有機系殺菌剤を有効成分とする固形薬剤(B)としては、市販品を用いることもできる。
固形薬剤(B)は、有機系殺菌剤が適度な溶出速度となるようにする観点から、有機系殺菌剤の含有量が1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜35質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。
水溶性固形薬剤の形態は、特に限定されるものではないが、使用量の調整のしやすさや取り扱い容易性等の観点から、ペレット状やタブレット状等の錠剤又は顆粒状であることが好ましく、収納容器内への収容の際の作業性等の観点から、錠剤であることがより好ましい。錠剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。通常は、賦形剤や結合剤等の添加剤を用いて、加圧成形することにより作製される。賦形剤や結合剤の種類や添加量を調整することにより、被処理水中への錠剤の溶出速度を調節することができる。
[水溶性フィルム]
水溶性フィルムとして、ポリビニルアルコール(以下PVA)、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、プルラン、セルロース誘導体等の合成樹脂や天然物由来のものが例示される。これらの中から、水溶性固形薬剤の種類に応じて、適宜最適なものを用いることができる。
例えば、水溶性固形薬剤が水処理剤である場合、PVA系フィルムを用いることが好ましい。
PVA系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」という)を含有する原料を製膜してなるものである。
PVA系樹脂としては、ビニルエステル系化合物を重合して得られたビニルエステル系重合体をケン化して得られる樹脂を用いることができる。本実施形態では、PVA系樹脂を1種のみならず、2種以上併用して用いることもできる。
ビニルエステル系化合物としては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の一種又は2種以上が用いられる。
本発明に用いる水溶性フィルムは、23℃水中での完全溶解時間(厚さ50μmのフィルムが95%以上溶けるまでの時間)が8秒以上、99秒以下であることが好ましく、12秒以上、99秒以下であることがより好ましく、57秒以上、99秒以下であることが更に好ましい。
完全溶解時間を上記範囲とすることにより、水溶性固形薬剤の有効成分を長期間に亘って持続的に放出することができる。
ここで、23℃水中での完全溶解時間とは、後記の実施例に[フィルムの水溶性評価]として記載した方法に従って、フィルムが完全に溶解するまでの時間を測定した値である。フィルムの厚さが50μmとは異なるものを使用する場合には、下記式(1)によりフィルムの厚さ50μmに換算した値である。
換算溶解時間(秒)=[50/フィルムの厚み(μm)]2×サンプル溶解時間(秒)
・・・・式(1)
本発明に用いる水溶性フィルムは、23℃水中での崩壊時間(厚さ50μmのフィルムが破れるまでの時間)が40秒以下であるのが好ましく、30秒以下であることがさらに好ましい。
崩壊時間を上記範囲とすることにより、水溶性固形薬剤の有効成分を長期間に亘って持続的に放出することができる。
ここで、23℃水中での崩壊時間とは、後記の実施例に[フィルムの水溶性評価]として記載した方法に従って、フィルムが破れるまで時間を測定した値であり、フィルムの厚さが50μmとは異なるものを使用する場合には、下記式(2)によりフィルムの厚さ50μmに換算した値である。
換算崩壊時間(秒)=[50/フィルムの厚み(μm)]2×サンプル崩壊時間(秒)
・・・・式(2)
[水処理方法]
上記の固形薬剤収容体を用いて、冷却塔内の冷却水の水処理を行う実施態様について説明する。以下の実施態様では、収納容器の区画壁連通路16が「流入口」として機能し、区画壁連通路16及び容器連通路15b及び15cが「流出口」として機能する。
<第1の実施態様>
図3及び図4に基づいて、第1の実施態様を説明する。第1の図3中の矢印は、冷却水の流れ方向を示している。
図4(a)に示すように、水溶性フィルム17で包装した水溶性固形薬剤S1〜S3を収容空間13内に収容する。第1の実施態様では、水溶性固形薬剤S1〜S3を収容空間13内に収容した収納容器10を、落下する冷却水が収納容器10の天部外壁に当たるように、冷却塔内に配置する。
向流型(丸型)冷却塔において、消音マットが配置されている場合は、その上に載置することが好ましい。また、散水板の上等でもよい。また、吊紐や架台等の支持部材を用いて、冷却塔内に配置することもできる。
また、直交流型(角型)冷却塔においても、冷却塔内、例えば、冷却塔側周部のルーバー近傍に収納容器10の載置部を設けて、該載置部に収納容器10を配置してもよい。このような態様においては、該冷却塔の充填材から収納容器10の天部に冷却水を誘導するように、例えば、樋等を設けることが好ましい。
冷却水は容器連通路15aを通って非収容空間14内に流入し、非収容空間14内から区画壁流通路16を通って収容空間13内に流入する。収容空間13内の最下部に位置する水溶性固形薬剤S1は、流入してきた冷却水と接触して、まず、水溶性固形薬剤S1を包装していた水溶性フィルム17を溶出し、次いで水溶性固形薬剤S1が溶出する。この水溶性固形薬剤S1が溶出した冷却水(溶出液)が、容器連通路15b及び15cを通って収納容器10外へ流出する。このような冷却水の流れにより、水溶性固形薬剤を用いて、冷却塔内の冷却水の水処理を行う。
なお、非収容空間の大きさや冷却水の流入速度と流出速度によって、非収容空間内に滞留する冷却水の量は変動するが、滞留量が多いほど、水溶性固形薬剤の溶出速度を抑制することができる。
水溶性固形薬剤S1が溶出する際、水溶性固形薬剤S1の直上に配置された水溶性固形薬剤S2を包装していた水溶性フィルム17も下部から溶出し始め、その過程で図4(b)に示すように、収容空間13内の水平断面に亘って膜を張ったような状態、即ち、水溶性固形薬剤S2と収容空間13との間隙を水溶性フィルム17で塞いだ状態を形成する。この状態では、収容空間に流入した冷却水が蒸発して発生した水蒸気は、膜の下方に留まるため、膜の上方にある水溶性固形薬剤S3が水蒸気で濡れる現象を抑制することができる。
また、水溶性固形薬剤が濡れる要因として、水溶性固形薬剤自身の毛細管現象も考えられるが、本実施形態では、水溶性固形薬剤S1とS2の間に残存する水溶性フィルム17や、水溶性固形薬剤S2とS3の間にある水溶性フィルム17が、水溶性固形薬剤の毛細管現象による冷却水の吸い上げを妨げるため、水溶性固形薬剤の毛細管現象による濡れを抑制することができる。
水溶性固形薬剤の濡れを抑制することで、水溶性固形薬剤の含水率を低減し、水溶性固形薬剤の有効成分の残存率を高めることができる。
<第2の実施態様>
図5及び図4に基づいて、本発明の一実施形態に係る固形薬剤収容体を用いて冷却塔内の冷却水の水処理を行う場合の本発明の水処理方法の第2の実施態様について説明する。図5中の矢印は、冷却水の流れ方向を示している。
図4(a)に示すように、水溶性フィルム17で包装した水溶性固形薬剤S1〜S3を収容空間13内に収容する。第2の実施態様では、水溶性固形薬剤S1〜S3を収容空間13内に収容した収納容器10を、冷却塔内の冷却水ピット内の冷却水の水面上に、該収納容器10の少なくとも天部外壁が水面上に露出するように浮かす。冷却水ピットは、散水される冷却水が貯水される上部ピットでも、下部ピットでもよい。
本実施態様においては、容器が水面上に浮くような材質や形態である必要がある。容器のみで浮くことが困難である場合は、「浮き」の役割を果たす枠体を併用した容器セットを使用することにより、容器を浮かすことができる。
容器が広範囲に浮遊することを防止するために、該容器を係留したり、浮遊域を固定する柵等を設けたりしてもよい。
冷却水が容器連通路15b及び15cを通って非収容空間14内に流入し、非収容空間14内から区画壁流通路16を通って収容空間13内に流入する。収容空間13内の水溶性固形薬剤S1は、流入してきた冷却水と接触して溶出する。この水溶性固形薬剤S1が溶出した冷却水(溶出液)が、容器連通路15b及び15cを通って収納容器10外へ流出する。このような冷却水の流れにより、水溶性固形薬剤を用いて、冷却塔内の冷却水の水処理を行う。
本実施態様においては、容器連通路15aは、通気口としての役割を果たす。ただし、収納容器10の天部外壁に、落下する冷却水が当たる場合には、容器連通路15aからも、冷却水が非収容空間14内に流入することがある。
本実施形態でも、上記の<第1の実施態様>と同様に、水溶性固形薬剤S3の濡れを抑制することがで、水溶性固形薬剤の含水率を低減し、水溶性固形薬剤の有効成分の残存率を高めることができる。
<その他の実施態様>
上記実施態様では、水溶性固形薬剤が一錠ずつ水溶性フィルム17で包装されていたが、複数錠をまとめて水溶性フィルムで包装してもよい。
また、収容空間13内に、水溶性固形薬剤と水溶性フィルムとを下から交互に配置して、水溶性固形薬剤と水溶性フィルムの積層構造にしてもよい。この場合、水溶性固形薬剤からなる層は、1層でも2層以上でもよく、また、水溶性フィルムからなる層も、1層でも2層以上でもよい。また、水溶性固形薬剤からなる層は、1錠の水溶性固形薬剤から構成されていてもよく、2錠以上の水溶性固形薬剤から構成されていてもよい。
また、容器内に粒状の水溶性固形薬剤を敷き詰め、その上に水溶性フィルムを被せ、さらにその上に粒状の水溶性固形薬剤を敷き詰めてもよく、当該水溶性固形薬剤と水溶性フィルムとからなる組を、複数組にわたって積層してもよい。
何れの実施態様でも、水溶性フィルムは、収容空間13の水平断面よりも大きいサイズで用いる事が好ましい。これにより、水溶性フィルムの周縁が収容空間13の内周面に接して、水溶性フィルムの周縁と収容空間13の内周面との隙間から水分が上方に浸入することを抑制する機能を奏することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
[フィルムの水溶性評価]
以下の条件で、市販の各種水溶性フィルムの溶解時間を測定した。
<装置>
・1Lビーカー
・35mm判のスライドマウント(富士フィルムイメージングシステムズ株式会社製)窓の大きさは横35mm×24mm
・マグネチックスターラー
・撹拌子(長さ40mm×φ8mm)
<試料>
・水溶性フィルムとして市販されている各種フィルム(PVAフィルム、水溶紙、オブラート)
<試験条件>
・水温:23℃
・撹拌子の回転数:500rpm
・水に接するフィルムサイズ:35mm×24mm
・スライドマウントとビーカー内壁の隙間:1mm
・スライドマウントの窓上端:ビーカーの700mLライン
<手順>
1.フィルムを45mm×45mmのサイズに切りぬき、スライドマウントに挟み込んで固定する。
2.1Lビーカーに23℃の純水800mLを用意する。
3.撹拌子を入れスターラーに設置し、500rpmで撹拌する。
4.フィルムをはさんだスライドマウントをクリップで固定し、ビーカー内に流れの方向に対して直角になるように入れる。
5.フィルムが破れるまでの時間と、枠内のフィルムの大部分(95%)が溶けるまでの時間を測定し、前者を「崩壊時間」、後者を「完全溶解時間」とする。

上記表1において、「乾燥XRV」とは、XRVを60℃恒温槽で1日(24時間)乾燥させたものを意味する。
本発明で用いる水溶性フィルムは、水溶性固形薬剤の種類や用途に応じて、適宜最適なものを選択することができるが、上記の方法において8秒以上かつ99秒以下で完全溶解するフィルムであることが好ましい。
でんぷん系の水溶性フィルムは、30分経過後も完全に溶解しないため、本発明に用いた場合、水溶性固形薬剤の表面に付着して溶解を促進することが想定され、好ましくない。
[水溶性固形薬剤の含水率及び有効成分の残存率に関する評価試験]
<固形薬剤収容体>
図5の固形薬剤収容体に、下記の試料を収容した。
なお、水溶性固形薬剤としては、次のものを使用した。
水溶性固形薬剤:全リン酸を7質量%含有し、Cl-MITを7質量%含有する水溶性固形薬剤
<試料>
比較例1 水溶性固形薬剤4錠(フィルム無し)
実施例1 水溶性固形薬剤4錠(クラレ製ポバールフィルム「VF-HP220」(厚さ40μm)で1錠ずつ包装)
実施例2 水溶性固形薬剤4錠(積水化学製PVAフィルム「ADVASOL XRV(表1の「XRV」)」(厚さ50μm)で1錠ずつ包装)
<手順>
1.試料を円筒形収納容器内に収納した。
2.試料を収納した収納容器をシャワーリングしている丸型冷却塔内に設置した。
3.一週間後に試料をとりだし、溶け残りから成分の残存率を調べた。
<含水率の測定方法>
水溶性固形薬剤の含水率は、次の手順で測定した。
冷却塔から取り出した試料を40℃恒温槽に入れ、質量変化がなくなるまで乾燥させた。乾燥前後の減量から含水率を算出した。
<全リン酸の残存率の測定方法>
水溶性固形薬剤における全リン酸の残存率は、次の手順で測定した。
乾燥した固形薬剤を1g/Lになるように純水に溶解させ、加熱分解後、モリブデン青吸光光度法により、レシオビーム分光光度計U-5100 (株式会社日立ハイテクサイエンス)を用いて測定した。
<Cl-MITの測定方法>
水溶性固形薬剤におけるCl-MITの残存率は、次の手順で測定した。
乾燥した固形薬剤を1g/Lになるように純水に溶解させ、高速液体クロマトグラフィーAgilent1260 (Agilent Technologies Japan, Ltd.)を用いて測定した。
<結果・考察>
1週間後に残留した錠剤全体の含水率の結果を以下に示す。
比較例1:66.2%
実施例1:45.4%
実施例2:34.1%
このように、水溶性フィルムを使用することで、水溶性固形薬剤の含水率が大幅に低下することが確認された。特に一番上の水溶性固形薬剤を見ると、比較例1においては相当の濡れが確認されたが、実施例2においては含水率が5.45%となり、濡れを低下できている。これは水溶性フィルムが、水溶性固形薬剤と収容空間との間隙を塞いだ状態となり、水蒸気の影響を低減できているためと考えられる。実施例1と実施例2の比較から、実施例2のフィルムの方が、水溶性固形薬剤と収容空間との間隙を塞ぐ作用に適していることが確認された。
1週間後の水溶性固形薬剤4錠全体における全リン酸の残存率を以下に示す。
比較例1:0.5%
実施例1:23.3%
実施例2:52.1%
1週間後の水溶性固形薬剤4錠全体におけるCl-MITの残存率を以下に示す。
比較例1:28.4%
実施例1:49.8%
実施例2:66.1%
このようにフィルムを使うことで成分の残存性が大幅に改善した。これは濡れが進まないことにより成分が溶け出すのを防ぐことができていることに起因するものと考えられる。
[水蒸気に起因する「濡れ」の確認試験]
図5の固形薬剤収容体を構成する収納容器を用い、水が直接当たっていない容器内部天井で水蒸気の侵入による濡れが起こることを以下の方法で確認した。
<手順>
1.クラレ製ポバールフィルム「VF-HP220」(厚さ40μm)を円筒形収納容器の天井面に、接着剤(信越化学工業株式会社製、一液型RTVゴム KE-347)を用いて接着した。
2. 水溶性固形薬剤は入れずに、丸型冷却塔に2日間設置した。
<結果・考察>
2日経過時点で水溶性フィルムは完全になくなっており、水蒸気によって水溶性フィルムが濡れ、さらに溶け落ちることを確認した。
この結果から、湿度100%のような状態だと、水が直接当たらずとも水蒸気に(湿気)によって濡れが起こることが確認された。
[フィルムの濡れと成分の溶出の関係の確認試験]
<固形薬剤収容体>
図5の固形薬剤収容体に、下記の試料を収容した。
なお、水溶性固形薬剤としては、次のものを使用した。
水溶性固形薬剤:ベンゾトリアゾールを7質量%含有する水溶性固形薬剤
<試料>
実施例1 水溶性固形薬剤4錠(クラレ製ポバールフィルム「VF-HP220」(厚さ40 μm)で1錠ずつ包装)
実施例2 水溶性固形薬剤4錠(積水化学製PVAフィルム「ADVASOL XRV(表1の「XRV」)」(厚さ50 μm)で1錠ずつ包装)
<手順>
1.試料を円筒形収納容器内に収納した。
2.試料を収納した収納容器をシャワーリングしている丸型冷却塔内に設置した。
3.一週間後に試料をとりだし、一番上(下から4錠目)の水溶性固形薬剤の含水率及びベンゾトリアゾールの残存率を調べた。
<含水率の測定方法>
水溶性固形薬剤の含水率は、次の手順で測定した。
冷却塔から取り出した試料を40℃恒温槽に入れ、質量変化がなくなるまで乾燥させた。乾燥前後の減量から含水率を算出した。
<ベンゾトリアゾールの残存率の測定方法>
水溶性固形薬剤におけるベンゾトリアゾールの残存率は、次の手順で測定した。
乾燥した固形薬剤を1g/Lになるように純水に溶解させ、高速液体クロマトグラフィーAgilent1260 (Agilent Technologies Japan, Ltd.)を用いて測定した。
<結果・考察>
1週間後の一番上(下から4錠目)の水溶性固形薬剤の含水率及びベンゾトリアゾールの残存率の結果を以下に示す。
実施例1:含水率(24.7%)、ベンゾトリアゾールの残存率(80.0%)
実施例2:含水率(5.4%)、ベンゾトリアゾールの残存率(100%)
このように、24.7%の含水率では成分が抜けてしまうが、含水率5.4%では成分の抜けが起こらないことが確認できた。
10 収納容器
11 容器本体
12 区隔壁
13 収容空間
14 非収容空間
15a,15b,15c 容器連通路
16 区画壁連通路
17 水溶性フィルム
S1,S2,S3 水溶性固形薬剤

Claims (6)

  1. 複数の水溶性固形薬剤を収容可能な収容空間と、該収容空間に冷却水を流入させる流入口と、該収容空間から冷却水を流出させる流出口を有する収納容器の内部に、水溶性固形薬剤を充填した固形薬剤収容体であって、
    該収納容器は、上部部材と下部部材とを嵌合してなる容器本体と、
    該容器本体の内部を該収容空間と該収容空間に隣接する非収容空間とに区画する区画壁と、
    該収容空間と該非収容空間を連通して該収容空間と該非収容空間との間を冷却水が流通可能とし、該流入口及び該流出口として機能する区画壁連通路と、
    該収納容器の内と外を連通して該容器本体の外部と該非収容空間との間を冷却水が流通可能とする容器連通路を含み、
    該収容空間に、該水溶性固形薬剤の一部若しくは全部を、水溶性フィルムを介して垂直方向に積層し、該水溶性フィルムの少なくとも一部を、該流入口及び該流出口よりも上方に配置した、固形薬剤収容体。
  2. 前記水溶性フィルムが、前記水溶性固形薬剤を包む包材である、請求項1に記載の固形薬剤収容体。
  3. 前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する原料を製膜してなる、請求項1又は2に記載の固形薬剤収容体。
  4. 前記水溶性フィルムは、23℃の水中での溶解時間が、8秒以上、99秒以下である、請求項1〜3の何れかに記載の固形薬剤収容体。
  5. 前記区画壁の下端とこれと対向する前記下部部材の底面との隙間が、前記区画壁連通路である、請求項1〜4の何れかに記載の固形薬剤収容体。
  6. 複数の水溶性固形薬剤を収容可能な収容空間と、該収容空間に冷却水を流入させる流入口と、該収容空間から冷却水を流出させる流出口を有する収納容器の内部に、水溶性固形薬剤を充填した固形薬剤収容体であって、
    該収納容器は、上部部材と下部部材とを嵌合してなる容器本体と、
    該容器本体の内部を該収容空間と該収容空間に隣接する非収容空間とに区画する区画壁と、
    該収容空間と該非収容空間を連通して該収容空間と該非収容空間との間を冷却水が流通可能とし、該流入口及び該流出口として機能する区画壁連通路と、
    該収納容器の内と外を連通して該容器本体の外部と該非収容空間との間を冷却水が流通可能とする容器連通路を含み、
    該収容空間に、該水溶性固形薬剤の一部若しくは全部を、水溶性フィルムを介して垂直方向に積層し、該水溶性フィルムの少なくとも一部を、該流入口及び該流出口よりも上方に配置した、固形薬剤収容体を用いて水処理を行う水処理方法であって、
    該区画壁連通路から流入した冷却水が、該収容空間の最下部に位置する水溶性固形薬剤S1と接触して、該水溶性固形薬剤S1を包装する水溶性フィルムを溶出し、次いで該水溶性固形薬剤S1を溶出し、
    該水溶性固形薬剤S1の溶出とともに、該溶性固形薬剤S1の直上に配置された水溶性固形薬剤S2を包装する水溶性フィルムの一部が溶出し、該一部が溶出した水溶性フィルムが、該水溶性固形薬剤S2と該収容空間との間隙を塞いだ状態となる工程を経る、水処理方法。
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