JPH0613089B2 - 冷却塔の冷却水への固形薬剤添加装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は空調設備、冷房設備に用いられる冷却塔の冷
却水への固形薬剤添加装置に関する。

〈従来の技術〉 特公昭５６−２１４５１号（特開昭５４−１０６０７５
号）公報で、固形薬剤を収容して水に浮く浮力を有し、
且つ通水性の対向した通水面を有する容器からなる冷却
塔の冷却水への固形薬剤添加装置が公知である。

この容器は上面と下面が通水面で、冷却塔のピットの水
面に浮遊させ、ピットに雨の様に散布される冷却水を上
面から受入れ、器内の固形薬剤と接触させて下面から排
水し、これにより器内の固形薬剤が溶けて消失するまで
の長期間、循環する冷却水中の薬品濃度を適正範囲に保
ってスケールや腐食の防止、スライムの発生防止を図
る。

〈発明が解決しようとする問題点〉 冷却塔には丸形と角形とがあり、丸形の場合はピットが
深く、冷却水は雨の様に降るので上記従来装置が支障な
く使用できるが、近時は運転動力費が小さく、降雨音が
無くて静かな角形冷却塔が丸形よりも多く採用される様
になりつゝある。この角形冷却塔は充填材上に浅い散布
皿を支持し、この散布皿内に揚水した水を充填材に下向
流で通水して冷却し、冷却水をドレン受け皿に受けて排
水するので散布皿やドレン受け皿には前記容器を浮遊さ
せるだけの水量が無いため従来装置で固形薬剤を添加す
ることは不可能である。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで本発明は冷却塔が丸形であっても、角形であって
も固形薬剤を添加できる様にしたのであって、容器に、
対向した通水面と直交する自立面を設けたことを特徴と
する。

〈作用〉 丸形の冷却塔の場合は通水面の一方を上、他方の下にし
てピットの水面上に浮遊させ、従来装置と同様に使用す
る。又、角形の冷却塔の場合は自立面を下にして散布皿
の底上に自立させ、流れる水を一方の通水面から器内に
入れて固形薬剤と接触させ、他方の通水面から流出させ
る。

〈実施例〉 図示の実施例において、ＡとＢは開口部を対向して閉じ
ることにより容器を構成する二つのプラスチックで成形
した殻を示し、該容器の大きさは例えば長さＬが約30c
m、幅Ｗが約５cm、高さＨが約８cmである（第１図）。

殻の一方Ａの内部には、前後を残して開放部から上に突
出する長方形の包囲壁１と、包囲壁内を前後方向の複
数、こゝでは８つの個室２…に仕切る仕切壁３を設ける
と共に、殻の底面には各個室２に付いて直径約３mm程度
の通水孔４を２列に４〜５個宛開設してある。

又、他方の殻Ｂの内部には、上記各個室２の中に一列に
並べた錠剤Ｃの列を抑える抑止突条５を前後方向に複数
条、こゝでは８条設けてあり、殻の底面には上記各抑止
突条５の両側に沿って直径約３mm程度の通水孔６を４〜
５個宛開設してある。

上記、殻Ａは底が平らで一様な深さを有するが、殻Ｂの
底は前後に容器の幅Ｗのほゞ1/2程度、切れ立って上が
った平底部７，７を備えている。そして、殻Ａは包囲壁
１の前後に底から起立した係止爪８，８を備え、殻Ｂは
上記平底部７，７を形成するために切れ立った段壁７′
の上部に上記係止爪８と係合する突起９を備え、殻Ａと
Ｂの開口縁に形成された凹凸の嵌合部ａ，ｂを嵌め合わ
せて開口部を対向すると前記係止爪８と突起９が係合
し、殻ＡとＢは閉じた状態に保持され、殻Ａの各個室２
に一列に並べた錠剤Ｃの列を抑止突条５が抑える。

又、殻Ｂの前後の平底部７，７と、段壁７′，７′には
孔10と11が開口する。この孔10と11の役目は後述する。

容器には、本発明に則り通水孔４と、通水孔６を有する
対向した通水面4A,6Bに対して直交する自立面12を設け
る。この自立面12は、この実施例では前述の殻ＡとＢの
底面と直交した面12aと12bで構成する。

そして、この自立面12には、前後２個所に同方向に向い
た高低差を有する差し込み継手13,14と、幅方向の突条1
5と凹条16が容器の自立を阻害しない様に設けてある。

これにより丸形冷却塔の場合は通水孔４か６を有するど
ちらかの通水面を下にして容器を水面に浮かべ、雨の様
に降る冷却水を他方の通水面の通水孔から器内に受入
れ、個室２内の固形薬剤Ｃに接触させ、溶出した薬剤成
分とともに、ピット内に排水し、冷却水中の薬剤濃度を
適正範囲に保つ。

ピットの容量に応じ容器を複数浮かべる場合は複数の容
器を個々に浮かべてもよいが、２つの容器の自立面の向
きを前後逆にし、第４図に示す様に一方の容器の差し込
み継手13,14を他方の容器の差し込み継手14,13に差し込
んで自立面で対向状に連接して浮かべることもできる。
勿論、この場合、両容器の突条15と凹状16は相互に係合
する。更に、自立面で対向状に連接した対の容器の２組
を平底部同志で重ね、各平底部にある孔10,10に、プラ
スチック製のリベット形ジョイント17、例えば第６図に
示す様に鍔18の両面から錨形などの弾性変形可能な脚1
9,19が突出した、その各脚を対向した平底部の孔10,10
に差し込んで前後方向に第７図の如く連結し、この様に
して浮かばせることができる。

この様に浮かばせて使用する場合、紐20などで繋留し、
薬剤が全部溶解した時期に交換するため紐で手元に引き
寄せて水面から取り除くとよい（第８図）。このため容
器を構成する前述の殻Ａの前後には殻Ｂの各平底部７に
ある孔10に先端が当接する筒部21を起立して設け、孔10
と筒部21の中空部で一連の貫通孔を形成し、紐20を通す
ことができる様にしてある。そして、筒部21の中空部の
先端には前述のジョイントの脚19の爪19′が引っ掛かる
縮径部21′を設けてある。

又、角形冷却塔の場合は散布皿の底に自立面12で立て
る。これにより皿内を流れる冷却水は通水孔４又は６か
ら器内に入り、同様に内部の固形薬剤を徐々に溶解し、
薬剤成分を伴って他方の孔から流出し、冷却水中の薬品
濃度を適正範囲に保つ。

この場合も、前述した平底部７にある孔10を利用してジ
ョイント17で複数個を前後方向に連結したり、１つの容
器の平底部にある孔10と、もう１つの容器の段壁７′に
ある孔11をジョイントで留め直角状に連結することもで
きる。

このように直角に連結すると自立させた場合、倒れるこ
とがなく好ましい。

尚、この実施例では対向した通水面4Aと6Bは通水孔４と
６によって通水性を持たせたが、通水性をもたせるため
にはスリットでもよいし、窓の如き開口を設けて網材で
塞いでもよい。

又、個室２に収容する薬剤は錠剤であることに限らず、
塊状或いは粒状でもよい。更に、自立面12と反対の面も
自立面にしてもよい。

〈発明の効果〉 本発明では容器に、対向した通水面に対して直交する自
立面を設けたので水面に浮かべて丸形冷却塔で使用する
以外に、自立面で皿の底に立てゝ角形冷却塔でも使用で
きる両用の固形薬剤添加容器が提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は自立状
態の斜視図、第２図は第１図の縦断面図第３図は分解状
態の斜視図、第４図は二つの容器を自立面同点で連接し
た状態の平面図、第５図は容器を前後方向に連結した状
態の部分断面図、第６図は連結に使用したリベット型ジ
ョイントの斜視図、第７図は連結状態の斜視図、第８図
は丸形冷却塔での使用状態の斜視図、第９図は角形冷却
塔での使用状態の斜視図、第10図は自立状態に三つの容
器を連結した斜視図で； 図中、４と６は通水孔、4Aと6Bは対向した通水面、12は
自立面、Ｃは固形薬剤を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭49−146236（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−64328（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭56−21451（ＪＰ，Ｂ１) 実公 昭55−55198（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固形薬剤を収容し、且つ通水性の対向した
   通水面を有する容器からなる冷却塔の冷却水への固形薬
   剤添加装置において、 上記容器に、対向した通水面と直交する自立面を設ける
   と共に、容器が互いに連結可能になっていることを特徴
   とする冷却塔の冷却水への固形薬剤添加装置。