JPH0415034B2

JPH0415034B2 -

Info

Publication number: JPH0415034B2
Application number: JP63182851A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Hashimoto; Hideo Morita; Nobuo Arai; Yukino Sekidera
Original assignee: Somar Corp
Current assignee: Somar Corp
Priority date: 1988-07-22
Filing date: 1988-07-22
Publication date: 1992-03-16
Also published as: JPH0235983A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明は、使用時に水と接する部位に半透膜を
有する徐放性水処理装置に関する。徐放性水処理装置は、給水施設の保守管理等の
目的に使用されるものであつて、例えば、ビル空
調冷却用のクーリングタワーに適用して薬剤を長
期にわたり徐々に放出させて、施設材質の腐食を
防ぎ、また、スケール、スライム、藻などによる
障害を防ぐために使用されるものである。〔従来技術と問題点〕従来、徐放性水処理装置としては、フレキシブ
ルチユーブを装着した容器に徐放性処理剤が封入
されたもの（特開昭61−37983号公報）、また、柔
軟性のあるプラスチツク製の袋に固型水処理剤が
収納されたパツク（特開昭61−227885号公報）な
どが知られている。しかし、前記の容器や袋に収納された装置は、
これをクーリングタワー等に適用した場合、徐放
性水処理剤を長期にわたり徐々に放出させるとい
う本来の目的を必ずしも十分に達成するものでは
なかつた。また、実際に商品化されている例として、中小
の開放循環式向流型クーリングタワー用の、スラ
イム、スケール、腐食障害を長期にわたつて防ぐ
ための次ぎのような複合型水処理剤がある。これ
らは、各種薬剤は難溶性の基材で固め錠剤型をし
たものを、薬剤の溶出口を設けたプラスチツク製
容器に収めたもの、多孔質の基材に薬剤を含ませ
浮遊型としたもの、液体の水処理剤を容器に詰め
て水中に沈め、容器の膜を通して薬剤を放出させ
るものなど様々な形式のものが市販されている。
これらの市販の水処理剤のほとんどは、薬剤放出
初期には十分な量が放出されるが、長期にわたつ
て放出されるため、放出速度が一定でなく次第に
量が少なくなつていく。また、クーリングタワー
内の水温、散水量、薬剤の設置場所によつても、
薬剤の放出速度が影響を受け易く、薬剤の保持期
間が異なつてくる。このため薬剤の有無を定期点
検して、薬剤を交換する必要がある。これらの市
販品では薬剤徐放化のための基材が残つたり、ま
た、内部の状態を観察できないものなど、ほとん
どのものは薬剤交換時期が分かりにくい。〔発明の目的及び構成〕本発明は、薬剤の放出速度を制御し、長期にわ
たつて安定に薬剤を放出させ、かつ、薬剤の交換
時期が目視で確認できる薬剤放出効率の優れた徐
放性水処理装置を提供しようとするものである。本発明は下記の請求項１記載のとおりである。 (1) 剤収納室を備えた容器において、水と接する
部位に、半透膜を張つた開口部と剤放出口とを
有し、徐放性水処理剤を収納した徐放性水処理
装置。本発明の好適な実施態様は下記のとおりであ
る。イ有孔キヤツプを半透膜を外側に、設けた請求
項１の装置。ロ使用時における剤放出口を装置下方に設け、
弁を有する使用投入時空気抜き口を上方に設け
た請求項１の装置。ハ発泡スチロール製の浮きを装置の側面に付設
した請求項１の装置。ニ耐水性材料製のひもを付着した請求項１の装
置。ホ剤収納室を複数固有する前記請求項１の装
置。本発明装置は、徐放性水処理剤を収納した徐放
性水処理装置であつて、該装置において、使用時
に水と接する部位、通常は装置の外側の部分に半
透膜を有するものである。本発明装置は、材質に制限はないが、使用時内
部の状況を目視する便宜から透明のものがよく、
また、剤を収納する空間を有するものであれば、
びん形状、円筒状、正方形状、直方形状等いずれ
でもよく、外形に制限がない。通常は、透明の硬
質又は軟質プラスチツク製で図面に示すごときび
ん形状のものがよい。半透膜は、その固有の性質により、使用時に外
部の水を取込む機能を営むものであつて、公知の
半透膜はいずれも使用可能である。実用上はセル
ロース系のものがよい。膜厚には、特に制限がな
く、目的の機能を達成するもので、必要な機械的
強度、耐久性を具備した厚さのものが選ばれる。収納する徐放性水処理剤は、徐放性水処理の目
的に使用される剤ならば種類を問わないが、下記
のものが好適である。本発明において徐放性水処理剤は、水処理薬
剤、徐放性物質及び徐放調整剤を含有し、該徐放
性物質がポリオキシアルキレン重合体であり、該
徐放調整剤が高級脂肪族酸、高級アルコール、高
級脂肪族酸エステル、油脂及びワツクスの群から
選ばれた１種又は２種以上である徐放性水処理剤
である。ここに徐放性物質は、分子量2000〜20000のポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合
体が好適であり、徐放調整剤を0.3〜10重量％含
有するものが好適である。この水処理薬剤は、例えば、殺菌剤（メチレン
ビスチオシアネートなど）、防錆剤（モリブデン
酸塩、亜硝酸塩、亜鉛酸塩、ベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾールなど）、スケール分散剤
（ホスホン酸や、ポリアクリル酸、ポリアミド、
ポリマレイン酸、これらの共重合体など）、防藻
剤（チアゾリン系化合物、トリアジン系化合物、
ウレア系化合物、第４級アンモニウム塩化合物な
ど）を１種又は２種以上含有することができる。徐放性物質のポリオキシアルキレン重合体は、
製造時における溶融粘度の適正の点から、好まし
くは、分子量2000〜30000のポリオキシアルキレ
ン重合体であり、とりわけ、分子量2000〜20000
のポリオキシエチレン（POE）・ポリオキシプロ
ピレン（POP）共重合体〔共重合比POE／POP
＝（60〜95）／（40〜５）重量％〕が好適である。徐放調整剤は、難溶性のもので、高級脂肪族
酸、高級アルコール、高級脂肪族酸エステル、油
脂及びワツクスの群から選ばれた１種又は２種以
上である。ここに、高級脂肪族酸としては、ラウリン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸などを、高級アルコ
ールとしては、ステアリルアルコール、コレステ
ロールなどを、高級脂肪族酸エステルとしては、
ラウリン酸グリセリド、パルミチン酸グリセリ
ド、ステアリン酸グリセリド、これらの混酸グリ
セリド、ポリエチレングリコールモノステアレー
トなどを挙げることができる。また、油脂としては、ヤシ油などの植物性油
脂、羊脂などの動物性油脂や、これら天然油脂の
硬化油（硬化ヒマシ油など）を例示することがで
きる。さらに、ワツクスとしては、植物性、動物
性、鉱物性のものを広く指し、キヤンデリラワツ
クス、カルナウバワツクス、ライスワツクスや、
ミツロウ、水添ラノリンや、モンタンワツクス、
パラフインワツクス、ポリエチレンワツクス、合
成ロウエステルなどを例示することができる。徐放性水処理剤には以上の必須成分のほかに、
所望により他の任意成分、例えば消泡剤や着色剤
を含有させることができる。徐放性水処理剤における成分の含有量は、適宜
決定することができる。上記の徐放性水処理剤は、通常以下のようにし
て製造される。徐放性物質中に水処理薬剤（粉末
状、顆粒状、小片状）及び徐放調整剤、その他の
任意成分を混合し分散させ、これを熱溶融混合し
て容器に流し込み、冷却、固化させる。このようにして得られた固化徐放性水処理剤
は、使用に際し水に接すると膨潤し、薬剤が水中
に徐放される。本発明装置を図面によつて説明する。第１図は、本発明装置における容器例の側面概
念図、第２図は、本発明装置における他の容器例
の側面概念図を、それぞれ示す。本発明装置の具体例は、第１図に示すとおりの
びん形状の外形及び内部構造を有する軟質透明プ
ラスチツク製の容器において、剤収納室（以下、
単に収納室という。）１に固形の徐放性水処理剤
が収納されているものである。容器の内部には板
が設けられて、収納室１が形成されるとともに、
この板は使用時に剤溶出制御板２として機能す
る。本発明装置には、図面に示すように、浮き（発
泡ポリスチレン製など）７が容器の側面に１個又
は２個遺以上設されている。このため、使用時に
図面上方の開口は、使用投入時空気抜き口４とし
て機能し、剤放出時には弁４−１によつて閉じら
れている。また、図面下方の開口は、剤放出口
（使用投入時水浸入口）３として機能する。容器の一端（びん頭部）にはセルロース製の半
透膜５が設けられ、これを保護するために通水で
きる有孔キヤツプ６がかぶせられている。容器の収納室は、第２図に示すように、板によ
つて２分して第２収納室８を形成させてもよく、
この第２収納室に固形の易溶性（速効性）防藻剤
等を収納し、該剤は、剤放出性能を有するポリエ
チレングリコール製の被膜９で全部又は一部を被
覆することができる。本発明装置にも、使用終了時に撤収する便宜等
のため、ひもを付着させておくのがよい。〔発明の効果〕本発明の徐放性水処理装置は、後記するよう
に、水処理剤を長期にわたり安定的に徐々に放出
させ、最終的に剤を消失させることができる剤放
出効率の優れた装置であつて、特にクーリングタ
ワーに適用されて十分満足のいく効果を挙げるこ
とができる。〔実施例及び比較例〕実施例において部、％とあるは、それぞれ重量
部、重量％である。実施例１（徐放性水処理剤の製造）徐放性物質としてポリオキシエチレン−ポリオ
キシプロピレン（共重合比80：20％）共重合体
〔プルロニツクＦ−108（旭電化製）〕45部、ポリオ
キシアルキレンＨ−4518（第一工業製薬製）12部、
ノニルフエニルエソキシレート６部、徐放調整剤
として混酸グリセリド２部、シリコン消泡剤５
部、ウレア系防藻剤10部、スケール分散剤として
ホスホン酸10部、ベンゾトリアゾール系防錆剤10
部、微量の青色着色剤を120℃で溶融混合し、こ
れを透明容器に流し込み、急冷して固めた。（装置の作製）上記で得た固形の徐放性水処理剤を円筒状に成
形して、表面積490平方ミリ、厚さ25ミクロンの
セルロース製半透膜を有するポリプロピレン製の
びんに25ｇ詰めた。このびんに直径１ミリの空気
抜き口、直径1.5ミリの剤放出口をあけ、びんの
側面に発泡スチロールの浮きを取付けた。（装置の使用）上記で作製した装置を33〜35℃で、流速7.5
／minで水を循環させている、30水槽中に浮
かべ、溶解した徐放性材料の濃度を経時的に測定
した。

【表】実施例２徐放性材料として、ポリオキシエチレン−ポリ
オキシプロピレン共重合体（旭電化製）徐放性調
整剤として、グリセリド系ワツクス２部を120℃
で溶融させ、シリコン消泡剤５部、スケール分散
剤として有機ホスホン酸12部、ウレア系防藻12
部、ベンゾトリアゾール系防錆剤10部、微量の青
色系着色剤を混合、分散、溶融し、これを透明容
器に流し込み、急冷して固めた。前記実施例１と同様にして装置を作製し、同様
にして使用した結果は次のとおりであつた。

【表】実施例３前記実施例１におけると同じ剤を製造し、これ
を使用して、下記のようにして作製した装置に収
納した。容器に剤溶出制御板を設け、剤放出口として直
径２mmの穴を使用時水面に対して垂直にあけた。
使用投入時空気抜き口として穴をあけ、さらに、
厚さ50ミクロンのポリエステルフイルムで、その
上部に弁を設けた。内部に水を取入れるために、
厚さ25ミクロン、直径45mmのセルロース製半透膜
を設けた。この半透膜を保護するために直径２mm
の穴を９個もつキヤツプで覆つた。これを水に浮
上させるために発泡スチロール製の浮きを容器の
両端に取付けた。これに耐久性のひもをつけた。このようにして作製した装置をクーリングタワ
ー内の水面に吊る下げた。使用結果は、実施例１
と同様に良好であつた。実施例４第２図のように第２収納室を設け、この中に下
記のようにして得た易溶性（速効性）殺藻剤等含
有剤を収納した。易溶性アミノスルホン系殺藻剤70部、ウレア系
防藻剤20部、シリコン系削泡剤10部を混合分散
し、その表面をポリエチレングリコールで被覆し
て固めた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明装置における容器例（びん形
状）の側面概念図、第２図は、本発明装置におけ
る他の容器例（びん形状）の側面概念図を示す。符号の意味、１：収納室、２：剤溶出制御
板、３：剤放出口（使用投入時水浸入口）、４：
使用投入時空気抜き口、４−１：弁、５：半透
膜、６：有孔キヤツプ、７：浮き、８：第２収納
室、９：被膜。

Claims

【特許請求の範囲】

１剤収納室を備えた容器において、水と接する
部位に、半透膜を張つた開口部と剤放出口とを有
し、徐放性水処理剤を収納した徐放性水処理装
置。