JP4349150B2 - ろう付け方法 - Google Patents

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Description

この発明は、薄鋼板あるいは薄鋼板によって形成された構造物の接合に用いられる重ね隅肉継手のろう付け方法、特に、入熱を増大させることなく、継手強度を大幅に向上させることが可能なろう付け方法に関するものである。
薄鋼板により形成される構造物の接合には、銀、銅など、鋼板より低融点のろう材を利用したろう付けが用いられている。
この接合方法は、レーザ溶接のような大きな入熱を必要とせず、数μmサイズの球状のろうの鋼板への拡散、および、凝固時のろうと鋼板との界面における数μm厚の凝固セルの形成により接合することが可能であるため、レーザ溶接と比べて熱変形が小さく、外観などに優れるといった利点を有している。また、ろうの成分である銀、銅と鋼板の主成分であるFeは、化学的に金属間化合物のような硬化相を形成しないことも特徴である。
これまで、ろう付け法には、主に、アークろう付けが用いられているが、近年、レーザを熱源とするろう付け方法が実用化されている。
アークろう付け法は、例えば、特開昭63−76754号公報(特許文献1)に記載されているように、アルゴンなどの不活性ガスや炭酸ガスおよびこれらの混合ガス雰囲気中で、連続的にろうのワイヤを供結しながら、ワイヤと母材との間にアークを発生させて両者を溶融させて接合する方法である。
レーザろう付け法は、例えば、特開2003−225784号公報(特許文献2)に記載されているように、レーザ照射によってろう材を溶融させ、母材は、表面のみを数μm溶融させることによってろう材と母材とを混合させ、接合する方法である。従って、レーザ溶接に比べて溶け落ち欠陥は発生せず、鋼板の熱変形が抑えられる。
しかし、上述した何れのろう付け方法も継手の強度がレーザ溶接により作成した継手と比べて低く、適用範囲が限られるのが現状の課題である。
特開昭63−76754号公報 特開2003−225784号公報
上述したように、従来のろう付け方法は、継手の強度がレーザ溶接により作成した継手と比べて低く、高強度を必要とする構造物の接合には、適用が難しいという問題があった。すなわち、供給する入熱を最小限にとどめるために、レーザ溶接法と比較して熱変形を抑えられる反面、ろうの鋼板への拡散および凝固セルの量が少なく強度が低い。また、ろうと鋼板との界面の形状が直線であるため、界面に沿った破断が生じやすいことも強度が低くなる一因である。
従って、この発明の目的は、入熱を増大させることなく、継手強度を大幅に向上させることが可能なろう付け方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために、鋭意研究した結果、以下の知見を得た。
ろう付けを行うに先立ち、ろうと鋼板との接合部の端面を研削または加工し、算術平均高さRa≧20μmの凹凸を形成すれば、ろう付けの際、以下の2つの現象が生じる結果、継手強度が高まる。
(1)溶融ろうと鋼板との接触面積が広くなるため、ろうの拡散量および界面の凝固セルの量が増える。
(2)凝固後のろうと鋼板との接合界面が凹凸の形状となるため、鋼板とろうとの間でアンカー効果が生じる。
この発明は、上述した知見に基づいてなされたものであって、その要旨は、以下の通りである。
請求項1記載の発明は、薄鋼板構造物の重ね隅肉継手の接合において、接合予定箇所である鋼板の端面を、表面性状が算術平均高さRa≧20μm、二乗平均平方根傾斜RΔq≦4かつ最大高さRy≦4000μmとなるように研削または加工し、この後、ろう付けを行うことに特徴を有するものである。
この発明によれば、薄鋼板構造物の重ね隅肉継手のろう付けにおいて、入熱を増大させることなく、継手強度を大幅に向上させることが可能となる。
以下に、この発明において、鋼板端面の研削条件の限定理由について記述する。
(算術平均高さRa≧20μm)
鋼板の端面の算術平均高さRaを20μm以上とすれば、溶融ろうと鋼板との接触面積が広くなるため、ろうの拡散量および界面の凝固セルの量が増え、しかも、凝固後のろうと鋼板との接合界面が凹凸の形状となるため、ろうと鋼板との界面でアンカー効果が生じ、この結果、継手の強度が高まる。Raが20μm未満では、これらの効果が得られない。従って、算術平均高さRaは、20μm以上、好ましくは、100μm以上に限定する。
(二乗平均平方根傾斜RΔq≦4)
二乗平均平方根傾斜RΔqは、表面の凹凸の傾斜の標準偏差である。RΔqが4を超えると、表面凹部の先端まで溶融ろうおよびレーザによる熱量を供給することが困難となるので、凝固後欠陥を生じ、継手強度が低下する。従って、RΔqは、4以下、好ましくは2以下に限定する。
(最大高さRy≦4000μm)
二乗平均平方根傾斜RΔqとの兼ね合いより、Ryが4000μmを超えると、表面凹部の先端までレーザによる熱量を供給することが困難となるので、凝固後欠陥を生じ、継手強度が低下する。従って、Ryは、4000μm以下、好ましくは2000μm以下に限定する。
なお、Ra、RΔq、Ryは、何れもJISB0601:1998に定義するところのものである。
上述したように、薄鋼板の重ね隅肉継手のろう付け法は、供給する入熱を最小限にとどめることにより、レーザ溶接法と比べて熱変形を抑えることができる反面、継手強度が低いという欠点があった。
そこで、この発明では、接合部の端面に研削または加工を行い、表面にRa≧20μmの凹凸を形成し、この後、ろう付けを行う。レーザ出力は、ろうおよび鋼板表面の凹凸が変形しない程度の低出力とし、溶融ろうを鋼板面の凹凸に流し込む。ろうと鋼板との接触面積が増えたために、ろうの拡散量および界面の凝固セルの量が増え、この結果、継手強度が向上する。また、従来は、接合部界面の形状も直線的でこれに沿った破断が生じやすいという欠点があったが、この発明によれば、凝固後のろうと鋼板との接合界面が凹凸の形状となるので、ろうと鋼板との間でアンカー効果が生じて、継手強度が大幅に向上する。
以下、この発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
幅200mm、長さ300mm、厚さ1.0mmのサイズの薄鋼板を2枚重ねて、隅肉継手のろう付けを行った。薄鋼板は、引張強度TSが442MPa、降伏強度YSが299MPaの440MPa級冷延鋼板を使用した。その組成、機械的性質を表1に示す。この鋼板の重ね隅肉継手を接合する前に、接合予定箇所である鋼板の端面5を研削し、一様にRa=3〜204μmの凹凸を形成した。上下鋼板の相互間隔Sを、0.25mmから1mmまでの間で様々に変えてろう付けを行った。
ろう付けは、以下の2つの方法で行った。
(1)銅系ワイヤを電極としたアークろう付け法。
(2)YAGレーザ照射による銅系ワイヤのろう付け法。
各々のろう付け条件は、(1)のアークろう付け法は、電流値100A、電圧20V、アーク長さ5mm、作業速度1m/minとし、(2)のYAGレーザ法は、波長1.06μm、出力2kW連続発振、作業速度1m/minとした。
Figure 0004349150
ろう材となるワイヤは、表2に示す組成で、直径0.8mmサイズのものを使用した。接合部の強度は、JISZ3136に規定された試験方法に準じた引張せん断試験で評価した。
Figure 0004349150
上記(1)、(2)のろう付け法で作製した継手鋼板より、引張せん断試験片を加工した。図1に引張せん断試験片の側面図を示し、図2に引張せん断試験片の平面図を示す。試験片1は、板厚t、長さL1、幅L4の薄鋼板2からなり、重ね合せ部3に段差(S)のあるろう付け継手4で、ろう付けビードを引張軸に直交する向きとした。試験片の各部の寸法は、薄鋼板2の長さL1が100mm、試験片全長L3が170mm、幅L4が30mm、重ね合せ部の長さL2が30mm、板厚tが1.0mmであった。
表3に試験結果を示す。継手強度が250MPa未満の場合を「×」、250MPa以上の場合を「○」とした。
Figure 0004349150
表3から以下のことが明らかとなった。
アークろう付け法を適用した比較例1は、鋼板の端面の算術平均高さRaが3μmであり、何ら研削が施されていないので、たとえRΔqおよびRyが本発明範囲内であっても、継手強度は200MPa以下と低い。このことは、比較例4から明らかなように、レーザろう付け法を適用した場合においても同様である。
鋼板の端面を研削してRa≧20μmとしても、アークろう付け法を適用した比較例2から分かるように、二乗平均平方根傾斜RΔqが4を超えると、表面凹部の先端に欠陥を生じるため、継手強度が低下する。また、アークろう付け法を適用した比較例3から明らかなように、Ra≧20μmとしても、最大高さRyが4000μmを超えると、同様に表面凹部の先端に欠陥を生じるため、継手強度が低下する。これらのことは、比較例5、6から明らかなように、レーザろう付け法を適用した場合においても同様である。
これに対して、アークろう付け法を適用した発明例1は、Ra=30〜31μm、RΔq≦4かつRy≦4000μmとなるように鋼板の端面を研削したので、Ra=3μmの比較例1と比べて、ろう、母材成分の相互の拡散、および界面の凝固時に形成される数μm厚のセルが多くなり、しかも、ろうと鋼板との界面の形状が凹凸であることからアンカー効果が生じる。この結果、継手強度が向上する。アークろう付け法を適用した発明例2は、Ra=199〜202μm、Ry≦4000μmかつRΔq≦4となるように鋼板の端面を研削したので、同様な理由により継手強度が向上するが、Raが発明例1より高いので、継手強度もさらに上がる。また、発明例1では、鋼板隙間が1mmの場合には、継手強度は低いが、発明例2のように、Ra≧199μm以上、Ry≦1062μm以下であれば、鋼板隙間が1mm程度であっても良好な継手強度が得られるので、厳密な隙間管理が不要となる。
レーザろう付け法を適用した発明例3は、Ra=30〜32μm、Ry≦4000μmかつRΔq≦4となるように鋼板の端面を研削したので、Ra=3μmの比較例4と比べて、ろう、母材成分の相互の拡散、および界面の凝固時に形成される数μm厚のセルが多くなり、しかも、ろうと鋼板との界面の形状が凹凸であることからアンカー効果が生じる。この結果、継手強度が向上する。レーザろう付け法を適用した発明例4は、Ra=200〜204μm、Ry≦4000μmかつRΔq≦4となるように鋼板の端面を研削したので、同様な理由により継手強度が向上するが、Raが発明例3より高いので、継手強度もさらに上がる。また、発明例3では、鋼板隙間が1mmの場合には、継手強度は低いが、発明例4のように、Ra≧200μm以上、Ry≦1080μm以下であれば、鋼板隙間が1mm程度であっても良好な継手強度が得られるので、厳密な隙間管理が不要となる。
引張せん断試験片の側面図である。 引張せん断試験片の平面図である。
符号の説明
1:試験片
2:鋼板
3:重ね合せ部
4:隅肉継手
5:鋼板の端面

Claims (1)

  1. 薄鋼板構造物の重ね隅肉継手の接合において、接合予定箇所である鋼板の端面を、表面性状が算術平均高さRa≧20μm、二乗平均平方根傾斜RΔq≦4かつ最大高さRy≦4000μmとなるように研削または加工し、この後、ろう付けを行うことを特徴とするろう付け方法。
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