JP6811063B2 - 抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法 - Google Patents

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本発明は、抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法に関する。
近年の自動車産業では、車体軽量化による燃費向上を目的として、車体へのアルミニウム合金等の軽金属の適用が進められている。現在、車体における鋼板同士の接合には、他の溶接方法に比べてコストや効率面で優位にある抵抗スポット溶接法が最も多く用いられており、車1台あたりの打点数は3000点から6000点に及ぶ。これは重ね合わせた2枚以上の鋼板を挟んでその上下から一対の電極で加圧しつつ、上下電極間に高電流の溶接電流を短時間通電して抵抗発熱により接合する方法である。
車体の生産工程のコストと効率の維持という観点からは、鋼板同士の場合と同様に、アルミニウム板が混在する場合の接合においても抵抗スポット溶接法を用いることが有効である。なお、以下の説明において、アルミニウム板とは、純アルミニウム板とアルミニウム合金板を総称したものを意味する。しかし、鋼とアルミニウムの異種材料接合においては、電極の加圧により軟質なアルミニウム板が大きく減厚したり、接合界面に脆弱な金属間化合物が形成したりすることで継手強度が確保できないという課題がある。
上記の課題を解決するため、以下に述べるような技術が提案されている。例えば、特許文献1には、溶接を極短時間化し、高電流を付与することで微小な溶融部分を形成し、同時に高加圧力を加えることで、溶融部分を周囲に飛散させて清浄な金属面同士の接触と原子の拡散による接合を達成させる抵抗スポット溶接方法が記載されている。
特許文献2には、鋼板とアルミニウム板の間に鉄/アルミニウムクラッド薄板を同種材同士が向かい合うようにインサートさせることで、低電流でも高強度の継手が得られる抵抗スポット溶接方法が記載されている。
特許文献3には、鋼板とアルミニウム板の両側に当て板を1枚以上添えて溶接を行うことで、当て板と被接合材料との界面が抵抗発熱し、鋼とアルミニウムが抵抗拡散接合されて高強度の継手が得られる抵抗スポット溶接方法が記載されている。
特許文献4には、鋼材とアルミニウム材をスポット溶接するにあたり、鋼板および鋼板表面酸化皮膜におけるMnおよびSiの各量を適正化することで、大きいナゲット径を得つつ散り発生を抑制することができると記載されている。
特許第3941001号 特許第3117053号 特許第3504790号 特開2005−152958号公報
しかしながら、特許文献1に記載の抵抗スポット溶接方法では、一般的な鋼板同士の抵抗スポット溶接方法と比較して大電流を付与する必要があるため、既存の自動車生産ラインで用いられている溶接トランスの電源容量では電流値が不足するという問題点がある。
また、特許文献2および3に記載の抵抗スポット溶接方法では、車体の構造上不要である当て板やクラッド薄板の使用、さらには車体の生産ラインの工程変更が必要となるため、大幅なコスト増や重量低減が十分に図れないなどの問題がある。
また、特許文献4では、鋼板および酸化皮膜中の合金元素量および分布を限定する必要があるため、要求性能を満たす鋼板の使用が制限されるなどの課題があり、特に最近の鋼板での高強度化に伴う高合金化が進んでいる状況下では発明の適用は極めて制限される。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、自動車生産ラインで一般的に用いられている溶接装置が出力可能な電流範囲で、かつ、鋼板同士の接合と同じ生産工程により、鋼板とアルミニウム板の良好な継手特性を確保することができる抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下のような特徴を有している。
[1] 鋼板とアルミニウム板を重ね合わせた板組みが抵抗スポット溶接された継手であって、
鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲のブローホールの面積率が50%以下である抵抗スポット溶接継手。
[2] アルミニウム板が、重ね合わせた板組みの最も外側に配置され、
最も外側に配置されたアルミニウム板の接合前の板厚をt0、接合後の板厚をtとしたとき、
鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲では、t/t0が0.6以上であり、
前記範囲より内側では、t/t0が0.5以上である[1]に記載の抵抗スポット溶接継手。
[3] [1]または[2]の抵抗スポット溶接継手を製造するための抵抗スポット溶接方法であって、
アルミニウム板を、重ね合わせた板組みの一方の最も外側になるように、鋼板を、重ね合わせた板組みの他方の最も外側になるように、鋼板とアルミニウム板を重ね合わせ、
先端が曲率半径40mmを超えている曲面である電極を前記一方の最も外側のアルミニウム板に接触させて、かつ、先端に凹部を有する電極を前記他方の最も外側の鋼板に接触させて、板組みを電極で挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電し溶接を行う抵抗スポット溶接方法。
[4] [3]に記載の抵抗スポット溶接方法を用いた抵抗スポット溶接継手の製造方法。
本発明によれば、自動車生産ラインで一般的に用いられている溶接装置が出力可能な電流範囲で、かつ、鋼板同士の接合と同じ生産工程により、鋼板とアルミニウム板の良好な継手特性を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接方法を示す図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示すである。 本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示すである。 本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示すである。 本発明の抵抗スポット溶接方法で用いる電極例を示す断面図および上面図である。
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接方法を示す図である。また、図2は本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示すである。本発明では、板厚t0のアルミニウム板1と、板厚tsの鋼板2とを重ね合わせた板組み3を、一対の電極(上電極4、下電極5)で挟んで加圧しつつ、上下電極4、5間に、一般的に用いられている溶接装置が出力可能な電流範囲(20kA以下)の溶接電流を短時間通電して抵抗発熱により接合して、アルミニウム板1と鋼板2との抵抗スポット溶接継手を得るようにしている。
その際に、アルミニウム板1と鋼板2の良好な継手特性(継手強度)を確保するためには、アルミニウム板1と鋼板2の接合界面(アルミニウム板1と鋼板2の合わせ面)における溶接時に発生するアルミニウム板の気孔(ブローホール)の面積率を小さくすることが重要である。ブローホールの面積率を小さくすることで、継手に応力が付与された際、接合界面に発生したき裂が伝播することを防ぐことができるため、継手強度が高い抵抗スポット溶接継手になる。
そこで、本発明では、アルミニウム板1と鋼板2の合わせ面(以下、「合わせ面」ともいう。)におけるアルミニウム板のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲(以下、「外周部」とも言う。)におけるブローホールの面積率、すなわち、合わせ面の外周部に対する該合わせ面の外周部に存在するブローホールの面積率を50%以下と規定している。アルミニウム板1のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲のブローホール面積率を50%以下と限定した理由は、一般的に、抵抗スポット溶接継手においてはナゲットの外周部が最も応力集中しやすく、このナゲットの外周部にブローホールが多く存在すると、き裂が伝播しやすくなり、継手の破壊が発生しやすいためである。なお、「ナゲット」とは、重ね抵抗溶接において溶接部に生じる溶融凝固した部分であるが、本明細書においては、凝固するとナゲットになる溶融部(すなわち凝固する前の溶融部)もナゲットと呼ぶ場合がある。
応力集中を低減させるには、鋼板2とアルミニウム板1の合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周部でブローホールの面積率を50%以下とし接合面積を確保することが重要となる。なお、要求される継手強度が高い場合は、該ブローホールの面積率を40%以下とすることが好適である。該ブローホールの面積率は、溶接継手の板厚方向の断面観察によって算出することができる。なお、溶接継手を界面(合わせ面)ではく離させ、アルミニウム板1の鋼板2に接合していた側の表面を観察して、外周部におけるブローホールの面積の合計値を外周部の面積で除すことより算出される面積率は、上記板厚方向の断面観察によって算出されるブローホールの面積率と同様の値になる。
自動車生産ラインで一般的に用いられている溶接装置が出力可能な電流範囲(例えば、20kA以下)で、かつ、鋼板同士の接合と同じ生産工程で鋼板とアルミニウム板の板組みを抵抗スポット溶接により溶接した場合であっても、本発明が規定するように、鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲におけるブローホールの面積率が50%以下とすれば、鋼板とアルミニウム板の良好な継手特性を確保することができる。
さらに、強度が高い継手を得るためには、応力が集中しやすいナゲットの外周部での応力を緩和させることが好ましい。応力集中を緩和させるためには、図2に示すように、アルミニウム板1の接合前(抵抗スポット溶接前)の板厚をt0、接合後(抵抗スポット溶接後)の板厚(すなわち溶接継手におけるアルミニウム板1の板厚)をtとしたとき、合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲において、t/t0が0.6以上であり、かつ、この範囲よりも内側では、t/t0が0.5以上とすることが効果的である。なお、ナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲におけるt/t0は、この範囲の内側のt/t0以上となる。
合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲において、一部でもt/t0が0.6未満であったり、この範囲よりも内側で一部でもt/t0が0.5未満であったりすると、接合界面が良好に接合されていたとしても、減厚したアルミニウム板1の母材部での破壊が生じやすい、すなわち、アルミニウム板1自体での破壊が生じやすくなり、良好な継手強度が得られ難い。要求される継手強度が高い場合は、合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲においてt/t0が0.7以上であることが好適である。
なお、鋼板2のナゲット7は、板組みや溶接条件に応じて図3のようにアルミニウム板1との界面に形成される場合もあるし、図4のようにアルミニウム板1と接しない位置に形成される場合もある。また、図2のように鋼板2のナゲットは形成されなくてもよい。図3および図4は、それぞれ本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示す図である。
次に、このように構成された抵抗スポット溶接継手を製造するための抵抗スポット溶接方法を、図1および図2等を用いて説明する。
まず、鋼板2とアルミニウム板1を重ね合わせて板組み3とする。そして、電極4をアルミニウム板1に接触させ、電極5を鋼板2に接触させて、板組み3を電極4、5で挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電する。通電により抵抗発熱が生じアルミニウム板1の溶接部の一部が溶融して溶融部を形成し、溶融部が凝固することによりナゲット6が形成されると共にアルミニウム板1と鋼板2とが接合され、抵抗スポット溶接継手を製造することができる。
アルミニウム板1に接触させる電極4は、先端が曲率半径40mmを超えている曲面である電極とする。アルミニウム板1と接触させる電極4の先端の曲率半径が40mm以下の場合では、電極4とアルミニウム板1が接触する面積が狭くなり、ナゲット中心に加わる応力が大きくなるため、溶接中にナゲット中心で発生したブローホールがナゲット外周へと押し出されやすくなる。その結果、ナゲットの外周部のブローホールの面積率が増大する可能性がある。そのため、アルミニウム板1と接触する電極4の先端の曲率半径は40mmを超えているものとする。電極4の先端の形式は、例えば、JIS C 9304:1999に記載されるDR形(ドームラジアス形)、R形(ラジアス形)、D形(ドーム形)である。なお、DR形の電極は先端側の曲面が2段の曲率を有するが、上記40mm超えと規定する曲率半径は、先端の曲率半径であるので、抵抗スポット溶接する板に最初に接する部分(中心側の曲面)の曲率半径である。
同様に、電極4とアルミニウム板1が接触する面積が狭いと、溶接中の温度上昇と加圧によるアルミニウム板1の減厚が生じやすくなる。継手強度確保のためには、大きなナゲット径を得る必要があるが、このような場合は、アルミニウム板1と接する電極4の先端の曲率半径を50mm以上とすることが好適である。
鋼板2に接触させる電極5は、先端に凹部を有する電極であることが好ましく、例えば、図5のように円筒状の穴(凹部)を先端に有する電極であることが好ましい。図5は、本発明の抵抗スポット溶接方法で用いる電極例を示す断面図(図5(a))および上面図(図5(b))である。図5に示すように、電極10は、鋼板2に接触させる先端の中心に円筒状の凹部11を有する。鋼板2に接触させる電極5としてこのような先端に凹部を有する電極10を用いることで、ナゲット中心に加わる圧力が小さくなるため、ナゲット中心部で生じた気孔が外側に押し出されることが抑制され、形成されるナゲットの外周部にブローホールが生じるのを防ぐ効果が得られる。電極10の凹部11の寸法に制限は無いが、連続打点により電極10が損耗した際にも有効に上記効果を得るためには、凹部11の直径(凹部が円柱状の場合は図5に示すX)は1mm以上10mm以下、凹部の深さ(凹部が円柱状の場合は図5に示すY)は2.5mm以上とするのが望ましい。電極5として先端に凹部が形成されていない電極を用いることもできる。すなわち、電極5の先端の形式としては、例えば、JIS C 9304:1999に記載されるDR形(ドームラジアス形)、R形(ラジアス形)、D形(ドーム形)等の凹部を有さないものでもよいが、該DR形(ドームラジアス形)、R形(ラジアス形)、D形(ドーム形)の電極の先端に、凹部が形成されたものが好ましい。なお、DR形の電極は先端側の曲面が2段の曲率を有するが、上記先端に凹部を形成する場合は、凹部は抵抗スポット溶接する板に最初に接する部分(中心側の曲面)内に設ける。また、鋼板2と接触する電極5の先端の曲率半径については特に制限はない。
アルミニウム板1と接する電極4にも同様の凹部が形成されていても問題は無いが、アルミニウム板1の熱膨張による板表面からの散り発生を防ぐため、電極4の凹部の直径は2mm以下とするのが望ましい。
電極4および電極5の先端径には特に制限が無いが、先端径は4mm以上12mm以下とするのが好適である。
以上、この実施形態では、アルミニウム板1と鋼板2の2枚重ねの板組み3を溶接した溶接継手を例として説明したが、本発明は、その2枚の板間にさらにもう1枚以上の鋼板あるいはアルミニウム板を挟んだ3枚重ね以上の板組みの溶接継手についても適用可能である。その場合は、鋼板と接しているアルミニウム板の全てにおいて上記の関係が成り立つことが好ましい。
また、3枚重ね以上の板組みの溶接継手において、ナゲットの外周部の応力集中を緩和させるためには、アルミニウム板が重ね合わせた板組みの最も外側になるように鋼板とアルミニウム板を重ね合わせ、最も外側のアルミニウム板の接合前の板厚をt0、接合後の板厚をtとしたとき、合わせ面におけるナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲において、t/t0が0.6以上であり、かつ、この範囲よりも内側では、t/t0が0.5以上とすればよい。
また、溶接中の電流値、通電時間および加圧力には特に制限はないが、電流値は10kA以上20kA以下、通電時間は20ms以上100ms以下、加圧力は1kN以上5kN以下とするのが好適である。また、電流値や加圧力を溶接中に2段階以上に変化させてもよい。
また、溶接中の抵抗値・電圧値といったパラメータを監視し、その変動に応じて電流値や通電時間を変化させる制御方法を用いても何ら問題ない。
また、本発明は、鋼板とアルミニウム板における表面のめっきの有無や厚さ、酸化皮膜の組成や厚さ、母材強度、板厚によらず適用することができる。
本発明の実施例を以下に示す。なおこの実施例で用いた板組みや溶接条件、電極形状は、本発明の効果を示すために適用した一例であるため、他の条件を用いてもよいのは言うまでもない。
供試材料として、鋼板2としての軟鋼板とアルミニウム板1としての5000系アルミニウム合金板とを重ね合わせて抵抗スポット溶接することにより、溶接継手を作製した。溶接機はインバータ直流式抵抗スポット溶接機を用い、アルミニウム合金板と接する電極4の先端曲率半径および溶接条件を変化させて溶接を行った。ただし、電流は、20kA以下とした。用いた軟鋼板およびアルミニウム合金板の板厚、アルミニウム合金板と接する電極4の先端曲率半径および溶接条件を表1に示す。アルミニウム合金板と接する電極4は、クロム銅製、DR形、先端径8mmの電極(凹部無し)を用いた。軟鋼板と接する電極5は、クロム銅製、DR形、先端径8mm、先端曲率半径40mmの電極を用いた。また、軟鋼板と接する電極5には、本発明例では図5に示す電極のように直径4mm、深さ5mmの円柱状の凹部を先端の中心に加え、比較例では凹部は無しとした。
軟鋼板(鋼板2)とアルミニウム合金板(アルミニウム板1)の合わせ面におけるアルミニウム合金板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲でのブローホールの面積率とアルミニウム板1の減厚率(t/t0)の異なる種々の溶接継手を作製した。軟鋼板(鋼板2)とアルミニウム合金板(アルミニウム板1)の合わせ面におけるアルミニウム合金板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲でのブローホールの面積率は、光学顕微鏡(倍率100倍)による溶接継手の断面観察から算出した。具体的には、溶接継手の板厚方向の断面であって、アルミニウム合金板に形成されたナゲットの、合わせ面における長さが最も長くなる断面を、光学顕微鏡により観察した。該断面において、外縁部(アルミニウム合金板と軟鋼板の合わせ面におけるアルミニウム合金板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲)で観察されるブローホールの長さの合計値を求め、該ブローホールの合計値を、外縁部の長さの合計値(すなわち2mm)で除すことにより求めた。また、接合後のアルミニウム板1の板厚tは、上記ブローホールの面積率を求める際に使用した断面から求めた。
溶接後は得られた溶接継手の引張せん断試験を行い、継手強度を評価した。なお引張せん断試験方法はJIS Z 3136:1999に基づく。継手強度の評価としては、引張せん断強度が2.5kN以上の場合を○、2.5kN未満の場合を×とした。その結果を表1に示す。本発明例では、全てのケースで評価は○であった。
Figure 0006811063
1 アルミニウム板
2 鋼板
3 板組み
4 上電極
5 下電極
6 アルミニウム板のナゲット
7 鋼板のナゲット
10 電極
11 凹部
X 凹部の直径
Y 凹部の深さ

Claims (3)

  1. 鋼板とアルミニウム板を重ね合わせた板組みが抵抗スポット溶接された継手であって、
    鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲のブローホールの面積率が50%以下である抵抗スポット溶接継手を製造するための抵抗スポット溶接方法であって、
    アルミニウム板を、重ね合わせた板組みの一方の最も外側になるように、鋼板を、重ね合わせた板組みの他方の最も外側になるように、鋼板とアルミニウム板を重ね合わせ、
    先端が曲率半径40mmを超えている曲面である電極を前記一方の最も外側のアルミニウム板に接触させて、かつ、先端に直径が1mm以上10mm以下で深さが5mm以上の凹部を有する電極を前記他方の最も外側の鋼板に接触させて、板組みを電極で挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電し溶接を行う抵抗スポット溶接方法。
  2. 鋼板とアルミニウム板を重ね合わせた板組みが抵抗スポット溶接された継手であって、
    鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲のブローホールの面積率が50%以下であり、
    アルミニウム板が、重ね合わせた板組みの最も外側に配置され、
    最も外側に配置されたアルミニウム板の接合前の板厚をt0、接合後の板厚をtとしたとき、
    鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲では、t/t0が0.6以上であり、
    前記範囲より内側では、t/t0が0.5以上であり、
    前記鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲におけるt/t0は、前記範囲の内側のt/t0以上である抵抗スポット溶接継手を製造するための抵抗スポット溶接方法であって、
    アルミニウム板を、重ね合わせた板組みの一方の最も外側になるように、鋼板を、重ね合わせた板組みの他方の最も外側になるように、鋼板とアルミニウム板を重ね合わせ、
    先端が曲率半径40mmを超えている曲面である電極を前記一方の最も外側のアルミニウム板に接触させて、かつ、先端に直径が1mm以上10mm以下で深さが5mm以上の凹部を有する電極を前記他方の最も外側の鋼板に接触させて、板組みを電極で挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電し溶接を行う抵抗スポット溶接方法。
  3. 請求項1または2に記載の抵抗スポット溶接方法を用いた抵抗スポット溶接継手の製造方法。
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