JP4348858B2 - 緊急通報システムの端末機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緊急通報システムの端末機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図6に示すように使用者の住戸Hに設置される親機Bと、親機Bとの間で無線通信を行う端末機A’と、使用者の住戸Hから遠隔地に設置され公衆電話回線網Nを介して親機Bと接続されるセンタ装置Sとを備え、使用者の操作により端末機A’から親機Bに緊急通報要求が送信されると公衆電話回線網Nを介して親機Bからセンタ装置Sに緊急事態の発生を通報する緊急通報システムが提供されている。
【0003】
端末機A’は使用者が携帯するか、あるいは机上に設置されるものであって、動作用の電源に2次電池を利用している。このため、使用者の住戸Hには端末機A’の2次電池を充電するための充電器Cが設置される。また、親機Bは少なくとも住戸H内を通信エリアとする無線通信機能を有し、公衆電話回線網Nを介して端末機A’とセンタ装置Sとの間の通話サービスを提供するとともに、使用者の操作により端末機A’から送信された緊急通報要求を受信すると自動的にセンタ装置Sの電話番号をPB信号にて公衆電話回線網Nに送出する処理を行う(発呼処理)。
【0004】
一方、センタ装置Sは汎用のパーソナルコンピュータ等からなり、公衆電話回線網Nを介して受信した呼出信号に応答して回線の接続処理を行うとともに、親機Bが設置されている住戸Hの居住者(使用者)の氏名や住所、過去の緊急通報要求の履歴等を管理するものである。また、センタ装置Sには一般の電話機等の通話装置Tが接続されており、センサ装置Sを操作するオペレータが通話装置Tを用いて端末機A’との間で通話することができる。
【0005】
ところで、端末機A’では2次電池の残容量を監視しており、2次電池の残容量が所定の閾値を下回ると、例えば、「ピー」というような警告音や液晶表示部(図示せず)の警告表示等によって使用者に2次電池を充電するように促していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような警告音や警告表示等の充電要求警告を発生するタイミングは2次電池の残容量が所定の閾値を下回った時点であり、端末機A’の使用状況とは無関係であった。そのため、使用者が端末機A’の液晶表示部の画面を頻繁に見るか、あるいは警告音の届く範囲に居なければならず上記充電要求警告に気付き難く、知らぬ間に2次電池の残容量の減少が加速してしまうような事態が発生し易くなり、残容量の減少がさらに進行すると端末機A’による緊急通報や通話が不能になってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、2次電池の残容量が減少して通話不能となる事態の発生を極力減らすことができる緊急通報システムの端末機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、使用者の住戸に設置される親機と、親機との間で無線通信を行う端末機と、使用者の住戸から遠隔地に設置され電話回線により親機と接続されるセンタ装置とを備え、使用者の操作により端末機から親機に緊急通報要求が送信されると電話回線を介して親機からセンタ装置に緊急事態の発生を通報する緊急通報システムの端末機であって、親機との間で無線信号を送受信する送受信手段と、送受信手段を介してセンタ装置との間で通話を行う通話手段と、送受信手段を制御して親機に緊急通報要求を送信する制御手段と、2次電池を電源として各手段に動作電源を供給する電源供給手段と、外部から電源供給を受けて2次電池を充電する充電手段と、2次電池の残容量を検出する残容量検出手段と、使用者の操作に基づいて通話に関わるイベントが発生した時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば使用者に充電を促す充電要求を発生する充電要求発生手段とを具備し、充電要求発生手段は、一旦充電要求を発生してから残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を上回るまでの間、タイマ手段によりカウントする所定時間が経過する毎に充電要求を繰り返し発生するとともに通話に関わるイベントが発生する毎にタイマ手段のカウント動作をリセットすることを特徴とし、使用者が通話のために端末機を操作したときに充電要求を発生するから、使用者が充電要求に気付き易くなり、2次電池の残容量が減少して通話不能となる事態の発生を極力減らすことができる。また、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くできる。さらに、様々な要因によって繰り返し充電要求を発生させるような場合において、様々な要因が連続して発生したとしても充電要求が乱発されることがない。その結果、使用者が頻繁に充電要求を受けるような煩わしさを感じることなく、2次電池の残容量の減少を知ることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして発呼の操作が行われた時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生することを特徴とし、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くできる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして親機を介してセンタ装置との間で通話を行っている時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生することを特徴とし、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くできる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして親機を介したセンタ装置との間の通話を終了する操作が行われた時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生することを特徴とし、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明と基本構成が共通である参考例について説明する。
(参考例1)
本参考例の端末機Aは、従来例として説明した端末機A’と同様に親機Bとセンタ装置Sとともに緊急通報システムを構成する。端末機Aと親機Bは、例えばPHS(パーソナル・ハンディホン・システム)のようなディジタルコードレス電話システムの子機と基地局に相当し、親機Bがアナログ電話回線等を介して公衆電話回線網Nに接続される。そして、子機に相当する端末機Aが基地局に相当する親機Bを通して公衆電話回線網Nに接続し、遠隔地に設置されたセンタ装置Sと端末機Aとの間で公衆電話回線網Nを介して通話やデータ通信が可能となっている。なお、1台の親機Bに対応する端末機Aの台数は複数であっても良い。
【0015】
本参考例の端末機Aは使用者が携帯したり、あるいは机上に置いて使用されるものであり、図1に示すように電源回路部1、アンテナ部2、無線回路部3、無線通信制御部4、音声信号処理部5、電気音響変換部6、出力部7、入力部8、第1の記憶部9、第2の記憶部10、制御部11、2次電池12、充電回路部13、残容量検出部14、充電状態検出部15並びに静電容量検出部16を備える。
【0016】
電源回路部1は2次電池の出力電圧を所望の直流電圧に変換し、各回路に対して動作電源を供給する。アンテナ部2は無線回路部3から出力される電気信号を電波として空中に伝搬させ、また、空中に伝搬する電波を電気信号として無線回路部3に伝える。無線回路部3は音声信号や制御信号を電波として伝播可能な周波数帯に変換し、また、電波として伝播されてきた周波数帯の信号を音声信号や制御信号に変換する。無線通信側御部4は例えばTDMA/TDD方式にて無線回線部3における通信制御を行う。
【0017】
音声信号処理部5は例えはPCMやADPCMのような音声符号化/複号化処理、エコーキャンセラ処理、DTMF信号発生/検出処理を行う。電気音響変換部6はマイク及びスピーカまたはハンドセットレシーバからなる。出力部7は例えば液晶表示器を具備し、端末機A全体の動作モードの表示等を行う。入力部8は例えばキースイッチ等を具備し、端末機A全体の動作モードの切り替え、発着呼のための操作等が行われる。第1の記憶部9は例えばROMで構成され、制御部11で実行する制御プログラム等を記憶するものである。第2の記憶部10は例えばRAMで構成され、端末機Aの動作状態等を随時記憶するものである。
【0018】
制御部11はCPUで構成され、第1の記憶部9に記憶した制御プログラムを実行して端末機A全体を統制するための制御を行う。2次電池12は例えばニッケル水素電池、ニッカド電池あるいはリチウムイオン電池等からなる。充電回路部13は充電電流を制限しながら充電器Cから供給される電力で2次電池12を充電する。残容量検出部14は2次電池12の出力電圧(電池電圧)を検出し、所定の閾値に対して電池電圧が上回っているか、あるいは下回っているかを制御部11に伝える。充電状態検出部15は充電回路部13が充電器Cと接続されているか否かを検出して制御部11に伝える。静電容量検出部16は例えば静電容量センサ等により端末機Aが使用者の手に握られているか否かを検出して制御部11に伝える。
【0019】
一方、本参考例における親機Bは卓上や壁に設置されるものであり、図2に示すように電源回路部21、アンテナ部22、無線回路部23、無線通信制御部24、音声信号処理部25、電話回線インタフェース(I/F)部26、出力部27、入力部28、第1の記憶部29、第2の記憶部30、制御部31を備える。
【0020】
電源回路部21は商用電源から供給する電源電圧(AC100V)を所望の直流電圧に変換し、各部に対して動作電源を供給する。アンテナ部22は無線回路部23から出力される電気信号を電波として空中に伝搬させ、また、空中に伝搬する電波を電気信号として無線回路部23に伝える。無線回路部23は音声信号や制御信号を電波として伝播可能な周波数帯に変換し、また、電波として伝播されてきた周波数帯の信号を音声信号や制御信号に変換する。無線通信制御部24は例えばTDMA/TDD方式にて無線回線部23における通信制御を行う。
【0021】
音声信号処理部25は例えばPCMやADPCMのような音声符号化/複号化処理、エコーキャンセラ処理、DTMF信号発生/検出処理を行う。電話回線I/F部26は例えばアナログ電話回線に適合した2線−4線変換、直流ループ閉結、ダイヤルパルス信号の送信、着信検出等を行う。出力部27は例えば液晶表示器を具備し、親機B全体の動作モードの表示等を行う。入力部28は例えばキースイッチ等を具備し、親機B全体の動作モードの切り替え等が行われる。第1の記憶部29は例えばROMで構成され、制御部31で実行する制御プログラム等を記憶するものである。第2の記憶部30は例えばRAMで構成され、親機Bの動作状態等を随時記憶するものである。制御部31はCPUで構成され、第1の記憶部29に記憶した制御プログラムを実行して親機B全体を統制するための制御を行う。
【0022】
なお、センタ装置Sは在宅介護サービス等を提供する業者の施設に設置され、例えばアナログ電話回線を介して公衆電話回線網Nに接続される。一方、親機Bは上記業者と契約した住戸Hに設置され、アナログ電話回線を介して公衆電話回線網Nに接続し、センタ装置Sとの間で音声やデータのやり取りを行う。また、端末機Aは住戸Hに居住し介護対象となる高齢者(使用者)が常時携帯するか、あるいは机上に設置して使用される。
【0023】
次に、この緊急通報システムの動作を簡単に説明する。例えば、使用者が体に不調を来した場合に端末機Aの入力部8が具備する発呼スイッチ(図示せず)を使用者が押操作すると、端末機Aの制御部11が無線通信制御部4に制御信号を送り、この制御信号に応じて無線通信制御部4が無線回路部3を制御して無線信号による緊急通報要求を親機Bに送信する。親機Bではアンテナ部22で受信した無線信号を無線回路部23にて緊急通報要求の信号に変換して制御部31に送る。制御部31では緊急通報要求を受け取ると第2の記憶部30からセンタ装置Sの電話番号を読み出し、電話回線I/F部26を制御してセンタ装置Sの電話番号をダイヤルパルス信号で送信する発呼処理を行う。センタ装置Sでは親機Bからの呼出に応答してアナログ電話回線を介して公衆電話回線網Nに接続し、親機Bを通して端末機Aとの通話が可能となる。また、センタ装置Sは呼の着信時に公衆電話回線網Nから通知される発信者番号に基づいて多数の契約者の中から緊急通報のあった契約者(使用者)を特定し、その契約者に関するデータ(契約者の氏名、年齢、住所、緊急通報の履歴、病歴、緊急連絡先等のデータ)を画面に表示する。そして、センタ装置Sを操作するオペレータが上記データを参照して緊急通報を行った使用者と通話し、発生した緊急事態の内容に応じた適切な処置、例えば住戸Hの管内の消防署に救急車の派遣を要請する。なお、本参考例の端末機Aは緊急事態の発生時に限らず、例えば一人暮らしの高齢者が他人と話をしたい場合や、上記業者が提供する健康相談サービス等を利用したい場合、端末機Aの発呼スイッチを操作して親機Bを介してセンタ装置Sに電話をかけ、センサ装置Sを操作するオペレータと通話することが可能である。
【0024】
ところで、ディジタルコードレス電話システムでは端末機Aが親機Bから送信される制御信号を常時モニタする必要があるため、非充電時には2次電池12の残容量が時間経過とともに徐々に減少する。したがって、緊急事態の発生に備えるには、2次電池12の残容量不足で端末機Aが動作不能となる前に充電器Cを使って2次電池12を充電する必要があり、使用者に充電を促すために端末機Aから充電要求を発生するのである。
【0025】
次に、図3のフローチャートを参照して本参考例の端末機Aにおける充電要求発生の動作を説明する。
【0026】
制御部11は入力部8における発呼スイッチ等の操作スイッチの操作状態や音声信号処理部5における通話状態等を割り込み処理やポーリング処理により常時監視しており、使用者の操作に基づいて通話に関わるイベントが発生するまでは充電要求を発生しない。そして、上記イベントが発生した場合、すなわち入力部8の発呼スイッチが押操作されたことを検知した場合、あるいは無線通信制御部4により上記発呼処理を経て相手先との通話が確立されたことを検知した場合、あるいは入力部8が具備する通話終了スイッチ(図示せず)が押操作されたことを検知した場合、制御部11は残容量検出部14から2次電池12の残容量の検出値を取り込んで所定の閾値(例えば、定格容量を1000mAhとしたときにその半分の500mAh)と比較し、検出された残容量が上記閾値を上回っていれば充電要求を発生しない。なお、通話に関係のない操作が行われた場合にも充電要求を発生しない。
【0027】
一方、検出された残容量が上記閾値を下回っている場合、制御部11は第1の記憶部9に記憶しているメッセージデータを読み出し、音声信号処理部5を制御して出力部7から音声による充電要求(例えば、「充電してください」というようなメッセージ)を発生して使用者に充電を行うように促す。そして、充電要求の発生後、制御部11はそれぞれのイベントの処理、例えば発呼処理や通話処理を続行する。なお、人語によるメッセージの代わりにビープ音によって充電要求を行ったり、あるいは出力部7に設けたLED等の発光素子を発光することで光による充電要求を行っても良い。
【0028】
本参考例は上述のように構成したものであり、使用者が通話のために端末機Aを操作したときに充電要求を発生するから、使用者が充電要求に気付き易くなり、2次電池12の残容量が減少して通話不能となる事態の発生を極力減らすことができる。
【0029】
(参考例2)
本参考例の端末機Aは、一旦充電要求を発生してから残容量検出部14にて検出する残容量が閾値を上回るまでの間、タイマ(例えば、制御部11の内蔵タイマ)によりカウントする所定時間が経過する毎に充電要求を繰り返し発生する点に特徴がある。但し、本参考例の端末機Aの構成は参考例1と同一であるから図示並びに説明は省略する。
【0030】
次に、図4のフローチャートを参照して本参考例の端末機Aにおける充電要求発生の動作を説明する。
【0031】
通話に関わる上記何れかのイベントが発生した場合、制御部11が残容量検出部14から2次電池12の残容量の検出値を取り込んで閾値と比較し、検出された残容量が上記閾値を上回っていれば充電要求を発生せず、検出された残容量が上記閾値を下回っている場合、内蔵するタイマにより所定の繰り返し時間(例えば、30分)のカウントを開始するとともに、第1の記憶部9からメッセージデータを読み出し、音声信号処理部5を制御して出力部7から音声による充電要求を発生して使用者に充電を行うように促す。そして、充電要求の発生後、制御部11はそれぞれのイベントの処理、例えば発呼処理や通話処理を続行する。なお、タイマは発生したイベント毎に独立して繰り返し時間をカウントする。
【0032】
さらに、制御部11が何れかのタイマによる繰り返し時間のカウント終了を検知すると、残容量検出部14から2次電池12の残容量の検出値を取り込んで閾値と比較し、検出された残容量が上記閾値を上回っていれば充電要求を発生せずに全てのタイマをクリアして繰り返し時間のカウントを停止する。一方、検出された残容量が上記閾値を下回っている場合、制御部11は内蔵するタイマをリセットして再度繰り返し時間のカウントを開始するとともに、第1の記憶部9からメッセージデータを読み出し、音声信号処理部5を制御して出力部7から音声による充電要求を発生して使用者に充電を行うように促す。以降、2次電池12が充電されて何れかの繰り返し時間の経過時点で残容量が閾値を上回るまで上記処理が繰り返される。なお、人語によるメッセージの代わりにビープ音によって充電要求を行ったり、あるいは出力部7に設けたLED等の発光素子を発光することで光による充電要求を行っても良い。
【0033】
本参考例は上述のように構成したものであり、残容量が閾値を上回るまでの間、タイマによりカウントする繰り返し時間が経過する毎に充電要求を繰り返し発生するので、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くできる。
【0034】
(実施形態)
本実施形態の端末機Aは、一旦充電要求を発生してから残容量検出部14にて検出する残容量が閾値を上回るまでの間、タイマによりカウントする繰り返し時間が経過する毎に充電要求を繰り返し発生するとともに、上記イベントが発生する毎にタイマのカウント動作をリセットする点に特徴がある。但し、本実施形態の端末機Aの構成は参考例1と同一であるから図示並びに説明は省略する。
【0035】
次に、図5のフローチャートを参照して本実施形態の端末機Aにおける充電要求発生の動作を説明する。
【0036】
制御部11は発呼スイッチが押操作されたことを検知すると残容量検出部14から2次電池12の残容量の検出値を取り込んで閾値と比較し、検出された残容量が上記閾値を上回っていれば充電要求を発生せず、検出された残容量が上記閾値を下回っている場合、内蔵するタイマ(これを「第1のタイマ」と呼ぶ)により所定の繰り返し時間(例えば、30分)のカウントを開始するとともに、第1の記憶部9からメッセージデータを読み出し、音声信号処理部5を制御して出力部7から音声による充電要求を発生して使用者に充電を行うように促す。そして、充電要求の発生後、制御部11は発呼処理を続行する。
【0037】
さらに、制御部11は通話が確立されたことを検知すると残容量検出部14から2次電池12の残容量の検出値を取り込んで閾値と比較し、検出された残容量が上記閾値を上回っていれば充電要求を発生せず、検出された残容量が上記閾値を下回っている場合、内蔵するタイマ(これを「第2のタイマ」と呼ぶ)により所定の繰り返し時間(例えば、30分)のカウントを開始するとともに、第1の記憶部9からメッセージデータを読み出し、音声信号処理部5を制御して出力部7から音声による充電要求を発生して使用者に充電を行うように促す。そして、充電要求の発生後、制御部11は通話処理を続行する。
【0038】
その後、制御部11は第1のタイマによる繰り返し時間のカウント終了を検知すると、まず2次電池12の残容量をチェックし、仮に残容量検出部14で検出された残容量が上記閾値を下回っている場合、第1の記憶部9からメッセージデータを読み出し、音声信号処理部5を制御して出力部7から音声による充電要求を発生するとともに、第1のタイマによる繰り返し時間のカウントをリトリガし、さらに第2のタイマを停止する。なお、制御部11は通話終了スイッチが押操作されたことを検知した場合に内蔵するタイマ(これを「第3のタイマ」と呼ぶ)により繰り返し時間のカウントを開始し、例えば第1又は第2のタイマによる繰り返し時間のカウント終了を検知したら第2及び第3のタイマ、あるいは第3のタイマを停止する。
【0039】
本実施形態は上述のように構成したものであり、通話に関わるイベントが発生する毎にタイマ(第1〜第3のタイマ)のカウント動作をリセットするので、様々な要因によって繰り返し充電要求を発生させるような場合において、様々な要因が連続して発生したとしても充電要求が乱発されることがないから、使用者が頻繁に充電要求を受けるような煩わしさを感じることなく、2次電池12の残容量の減少を知ることができる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明は、使用者の住戸に設置される親機と、親機との間で無線通信を行う端末機と、使用者の住戸から遠隔地に設置され電話回線により親機と接続されるセンタ装置とを備え、使用者の操作により端末機から親機に緊急通報要求が送信されると電話回線を介して親機からセンタ装置に緊急事態の発生を通報する緊急通報システムの端末機であって、親機との間で無線信号を送受信する送受信手段と、送受信手段を介してセンタ装置との間で通話を行う通話手段と、送受信手段を制御して親機に緊急通報要求を送信する制御手段と、2次電池を電源として各手段に動作電源を供給する電源供給手段と、外部から電源供給を受けて2次電池を充電する充電手段と、2次電池の残容量を検出する残容量検出手段と、使用者の操作に基づいて通話に関わるイベントが発生した時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば使用者に充電を促す充電要求を発生する充電要求発生手段とを具備し、充電要求発生手段は、一旦充電要求を発生してから残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を上回るまでの間、タイマ手段によりカウントする所定時間が経過する毎に充電要求を繰り返し発生するとともに通話に関わるイベントが発生する毎にタイマ手段のカウント動作をリセットするので、使用者が通話のために端末機を操作したときに充電要求を発生するから、使用者が充電要求に気付き易くなり、2次電池の残容量が減少して通話不能となる事態の発生を極力減らすことができ、また、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くでき、さらに、様々な要因によって繰り返し充電要求を発生させるような場合において、様々な要因が連続して発生したとしても充電要求が乱発されることがないから、使用者が頻繁に充電要求を受けるような煩わしさを感じることなく、2次電池の残容量の減少を知ることができるという効果がある。
【0041】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして発呼の操作が行われた時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生するので、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くできるという効果がある。
【0042】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして親機を介してセンタ装置との間で通話を行っている時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生するので、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くできるという効果がある。
【0043】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして親機を介したセンタ装置との間の通話を終了する操作が行われた時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生するので、使用者に対して充電要求をさらに気付かせ易くできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1を示すブロック図である。
【図2】同上における親機のブロック図である。
【図3】同上の充電要求発生の動作説明図である。
【図4】本発明の参考例2の充電要求発生の動作説明図である。
【図5】本発明の実施形態の充電要求発生の動作説明図である。
【図6】緊急通報システムの概略構成図である。
【符号の説明】
7 出力部
8 入力部
10 第2の記憶部
11 制御部
12 2次電池
14 残容量検出部
Claims (4)
- 使用者の住戸に設置される親機と、親機との間で無線通信を行う端末機と、使用者の住戸から遠隔地に設置され電話回線により親機と接続されるセンタ装置とを備え、使用者の操作により端末機から親機に緊急通報要求が送信されると電話回線を介して親機からセンタ装置に緊急事態の発生を通報する緊急通報システムの端末機であって、親機との間で無線信号を送受信する送受信手段と、送受信手段を介してセンタ装置との間で通話を行う通話手段と、送受信手段を制御して親機に緊急通報要求を送信する制御手段と、2次電池を電源として各手段に動作電源を供給する電源供給手段と、外部から電源供給を受けて2次電池を充電する充電手段と、2次電池の残容量を検出する残容量検出手段と、使用者の操作に基づいて通話に関わるイベントが発生した時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば使用者に充電を促す充電要求を発生する充電要求発生手段とを具備し、充電要求発生手段は、一旦充電要求を発生してから残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を上回るまでの間、タイマ手段によりカウントする所定時間が経過する毎に充電要求を繰り返し発生するとともに通話に関わるイベントが発生する毎にタイマ手段のカウント動作をリセットすることを特徴とする緊急通報システムの端末機。
- 充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして発呼の操作が行われた時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生することを特徴とする請求項1記載の緊急通報システムの端末機。
- 充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして親機を介してセンタ装置との間で通話を行っている時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生することを特徴とする請求項1記載の緊急通報システムの端末機。
- 充電要求発生手段は、通話に関わるイベントとして親機を介したセンタ装置との間の通話を終了する操作が行われた時に残容量検出手段にて検出する残容量が所定の閾値を下回っていれば充電要求を発生することを特徴とする請求項1記載の緊急通報システムの端末機。
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