JP4348849B2 - テープカセット、テープカセット製造装置、テープドライブ装置 - Google Patents

テープカセット、テープカセット製造装置、テープドライブ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4348849B2
JP4348849B2 JP2000265994A JP2000265994A JP4348849B2 JP 4348849 B2 JP4348849 B2 JP 4348849B2 JP 2000265994 A JP2000265994 A JP 2000265994A JP 2000265994 A JP2000265994 A JP 2000265994A JP 4348849 B2 JP4348849 B2 JP 4348849B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tape cassette
tape
data
memory
initialization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000265994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002074893A (ja
Inventor
佳久 高山
丈一 台場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000265994A priority Critical patent/JP4348849B2/ja
Publication of JP2002074893A publication Critical patent/JP2002074893A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4348849B2 publication Critical patent/JP4348849B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば情報が記憶可能なメモリを有するテープカセットと、このテープカセットを製造する製造装置、及びこのテープカセットに対応して記録又は再生が可能とされるテープドライブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルデータを磁気テープに記録/再生することのできるドライブ装置として、いわゆるテープストリーマドライブが知られている。このようなテープストリーマドライブは、メディアであるテープカセットのテープ長にもよるが、例えば数十〜数百ギガバイト程度の膨大な記録容量を有することが可能であり、このため、コンピュータ本体のハードディスク等のメディアに記録されたデータをバックアップするなどの用途に広く利用されている。また、データサイズの大きい画像データ等の保存に利用する場合にも好適とされている。
【0003】
ところで、上述のようなテープストリーマドライブとテープカセットよりなるデータストレージシステムにおいて、テープカセットの磁気テープに対する記録/再生動作を適切に行うためには、例えばテープストリーマドライブが記録/再生動作等の管理に利用する管理情報等として、磁気テープ上における各種位置情報や磁気テープについての使用履歴等に関連する情報が必要となる。
【0004】
そこで、例えばこのような管理情報の領域を、磁気テープ上の先頭位置や、磁気テープに対して形成した各パーティションごとの先頭位置に設けるようにすることが行われている。
そして、テープストリーマドライブ側においては、磁気テープに対するデータの記録又は再生動作を実行する前に、上記管理情報の領域にアクセスして必要な管理情報を読み込み、この管理情報に基づいて以降の記録/再生動作が適正に行われるように各種処理動作を実行するようにされる。
また、データの記録又は再生動作が終了された後は、この記録/再生動作に伴って変更が必要となった管理情報の内容を書き換えるために、再度、管理情報の領域にアクセスして情報内容の書き換えを行って、次の記録/再生動作に備えるようにされる。この後に、テープストリーマドライブにより、テープカセットのアンローディング及びイジェクト等が行われることになる。
【0005】
ところが、上述のようにして管理情報に基づいた記録/再生動作が行われる場合、テープストリーマドライブは記録/再生時の何れの場合においても、動作の開始時に磁気テープの先頭又はパーティションの先頭の管理情報の領域にアクセスすると共に、終了時においてもこの管理情報の領域にアクセスして情報の書き込み/読み出しを行う必要が生じる。つまり、データの記録/再生が終了したとされる磁気テープ上の途中の位置では、ローディング、及びアンローディングすることができない。
テープストリーマドライブの場合、アクセスのためには物理的に磁気テープを送る必要があるため、記録/再生の終了時に磁気テープの先頭又はパーティションの先頭の管理情報の領域にアクセスするのには相当の時間を要することになる。特に磁気テープ上において物理的に管理情報の領域からかなり離れた位置においてデータの記録/再生が終了したような場合には、それだけ磁気テープを送るべき量が多くなり余計に時間もかかることになる。
このように、テープカセットをメディアとするデータストレージシステムでは、1回の記録/再生動作が完結するまでに要する時間、即ち、磁気テープがローディングされてから、最後にアンローディングされるまでに行われるアクセス動作に比較的多くの時間を要することになる。このような一連のアクセス動作に要する時間はできるだけ短縮されることが好ましい。
【0006】
そこで、テープカセット筐体内に例えば不揮発性メモリ(以下、単に「メモリ」と略す)を設け、そのメモリに管理情報を記憶させるようにする技術が開発され、また知られてきている。
このようなテープカセットに対応するテープストリーマドライブでは、メモリに対する書込/読出のためのインターフェースを備えることで、メモリに対して磁気テープに対するデータ記録再生に関する管理情報の読出や書込を行うことを可能としている。
これによって、ローディング/アンローディングの際に磁気テープを例えばテープトップまで巻き戻す必要はない。即ちテープ上の途中位置でも、ローディング、及びアンローディングを可能とすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したメモリ付きのテープカセットの製造時にあっては、例えばこのメモリ付きのテープカセットを組み立てた後において、メモリの内容を初期状態とする初期化を行う工程がある。
【0008】
このような初期化の工程にあっては、初期化データを書き込むための書き込み装置と、初期化データを書き込む対象であるメモリとの間における、各種の要因の累積等によって、初期化データ書き込みの環境が悪化する場合がある。
その要因の1例としては、メモリが物理的な端子接触によってデータの通信を行ういわゆる接触式のものであれば、経年の使用によって書き込み装置側の端子の接点の汚れ等によって接触不良を起こすことなどが考えられる。
また、メモリには、無線通信によってテープストリーマドライブ側と情報の送受信を行う非接触型のものも知られているが、このような非接触型のメモリを備えるテープカセットであれば、書き込み装置側の無線通信用の回路部などの不調などを挙げることができる。
【0009】
上記したような環境のもとでは、実際には、1回目の初期化データの書き込みの際にその書き込み結果がNGになったとしても、2回目、3回目程度のリトライを行うことで、OKの書き込み結果が得られることがほとんどである。
このようにしてメモリへの書き込みが一旦成功してしまえばメモリとしては良品として扱われるのであるが、これは、即ち、その原因が特定されているにせよしないにせよ、現実には何らかの原因でもって何度かのリトライを行った末に書き込みが成功した品が出荷品に混在していることになる。
【0010】
これは、即ち、例えば或る製造ロットにおいて、初期化データ書き込み不良の原因の多くがメモリ側にあったような場合でも、初期化データのリトライを行うことで良品として扱われるメモリが少なからず出荷されることを意味する。
そして、このような場合には、例えば出荷後においてユーザの手に渡った後にテープカセット内のメモリに関して何らかの不具合が生じる可能性も無くはない。
【0011】
上記したような事態を想定してこれに備えるとすれば、メーカ側としては、これまでに出荷したテープカセットのメモリのうちで、例えば或る不具合の傾向を有するものを容易に特定できるようにすることが、品質管理及び品質保証の観点からいえば当然、好ましいことになる。
また、上記のような不具合の生じる可能性があって、かつ、その可能性が高いとされるようなテープカセットがユーザの手に渡ったときには、サポートとして、このようなテープカセットについては使用してもらわないようにする何らかの措置を講ずることも必要となってくる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記した課題を考慮して、先ず、記録媒体としてのテープカセットについて次のように構成する。
つまり、磁気テープと当該テープカセットについての所要の管理を可能とするための管理情報を記憶するメモリとが収納されたテープカセットにおいて、メモリにおいて、製造時に当該メモリの内容を初期化した回数を示す初期化回数情報を記憶するための記憶領域が設定されるように構成することとした。
【0013】
上記構成によれば、テープカセットに対して管理情報記憶のために備えられるメモリに、その管理情報の1つとして、製造時における初期化データの書き込みを行った初期化回数を示す初期化回数情報が記憶されることになる。
この初期化回数情報は、初期化データの書き込み時において、何らかの不具合が生じていたことと、また、その不具合の程度を示し得る情報である。従って、メモリから初期化回数情報を読み出して参照することで、そのテープカセットについての不具合の傾向を知ることができる。換言すれば、出荷されたテープカセットのうちから、或る傾向の不具合を有するものを特定することが可能になる。
【0014】
また、テープカセット製造装置として次のように構成する。
つまり、磁気テープと当該テープカセットについての所要の管理を可能とするための管理情報を記憶するメモリとが収納されたテープカセットを製造するテープカセット製造装置において、メモリの記憶内容を初期状態とする初期化を行うときに、当該メモリにおける所定の記憶領域に対して、当該メモリに対して行った初期化の回数を示す初期化回数情報を記憶させるように構成される初期化手段を備えることとした。
【0015】
上記構成によっては、テープカセットに対して管理情報記憶のために備えられるメモリに、その管理情報の1つとして、製造時における初期化データの書き込みを行った初期化回数を示す初期化回数情報を記憶させることが可能となる。
上記もしたように、初期化回数情報はそのテープカセットについての不具合に関する情報を得ることができるものであり、例えば出荷後においても、不具合が生じる可能性のあるテープであることが特定可能とされる。そして、本発明のテープカセット製造装置によっては、このようなテープカセットを製造することができるものである。
【0016】
また、テープドライブ装置としては、次のように構成する。
つまり、磁気テープと当該テープカセットについての所要の管理を可能とするための管理情報を記憶するメモリとが収納されたテープカセットに対応するテープドライブ装置において、テープカセットに、当該テープカセットについての所要の管理を可能とするための管理情報を記憶するメモリが備えられている場合に、そのメモリに対して管理情報の読み出しを行なうことができるメモリドライブ手段と、メモリから読み出した管理情報に含まれる、製造時において当該メモリの記憶内容を初期状態とする初期化が行われた回数を示す初期化回数情報に基づいて、テープカセットについての記録又は再生についての禁止/許可を判定する判定手段とを備えて構成することとした。
【0017】
上記構成によっては、テープカセットのメモリから読み出した初期化回数情報に基づいて、装填されたテープカセットについての記録又は再生についての禁止/許可を判定することが可能とされている。
つまり、初期化回数情報により何らかの不具合が生じる可能性が高いと推定されるテープカセットについては、ユーザに使用させないという措置を施すことが可能となるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本出願人によっては、不揮発性メモリが設けられたメモリ付きテープカセット及び、このメモリ付きテープカセットに対応してデジタルデータの記録/再生が可能とされるテープドライブ装置(テープストリーマドライブ)についての発明がこれまでに各種提案されている。本発明の実施の形態としては、このようなテープカセットとテープストリーマドライブを例に挙げ、更にテープカセット製造装置としては、本実施の形態として挙げるテープカセットのメモリに対して初期化データを書き込むための初期化システムとする。
なお、本実施の形態としてのテープカセットに備えられる不揮発性メモリについては、MIC(Memory In Cassette)ともいうことにする。
説明は以下の順序で行う。
1.テープカセットの構成
2.リモートメモリチップの構成
3.テープストリーマドライブの構成
4.磁気テープ上のデータ構成
5.MICのデータ構造
6.製造時の初期化処理
7.テープストリーマドライブによるテープカセット管理例
【0019】
1.テープカセットの構成
先ず、本例のテープストリーマドライブに対応するテープカセットについて図3及び図4を参照して説明する。
図3(a)は、リモートメモリチップが配されたテープカセットの内部構造を概念的に示すものである。この図に示すテープカセット1の内部にはリール2A及び2Bが設けられ、このリール2A及び2B間にテープ幅8mmの磁気テープ3が巻装される。
そして、このテープカセット1には不揮発性メモリ及びその制御回路系等を内蔵したリモートメモリチップ4が設けられている。またこのリモートメモリチップ4は後述するテープストリーマドライブにおけるリモートメモリインターフェース30と無線通信によりデータ伝送を行うことができるものとされ、このためのアンテナ5が設けられている。
詳しくは後述するが、リモートメモリチップ4には、テープカセットごとの製造情報やシリアル番号情報、テープの厚さや長さ、材質、各パーティションごとの記録データの使用履歴等に関連する情報、ユーザ情報等が記憶される。
なお、本明細書では上記リモートメモリチップ4に格納される各種情報は、主として磁気テープ3に対する記録/再生の各種管理のために用いられることから、これらを一括して『管理情報』とも言うことにする。
【0020】
このようにテープカセット筐体内に不揮発性メモリを設け、その不揮発性メモリに管理情報を記憶させ、またこのテープカセットに対応するテープストリーマドライブでは、不揮発性メモリに対する書込/読出のためのインターフェースを備えるようにし、不揮発性メモリに対して磁気テープに対するデータ記録再生に関する管理情報の読出や書込を行うことで、磁気テープ3に対する記録再生動作を効率的に行うことができる。
例えばローディング/アンローディングの際に磁気テープを例えばテープトップまで巻き戻す必要はなく、即ち途中の位置でも、ローディング、及びアンローディング可能とすることができる。またデータの編集なども不揮発性メモリ上での管理情報の書換で実行できる。さらにテープ上でより多数のパーティションを設定し、かつ適切に管理することも容易となる。
【0021】
また図3(b)は、接触型メモリ104(不揮発性メモリ)が内蔵されたテープカセット1を示している。
この場合、接触型メモリ104のモジュールからは5個の端子105A、105B、105C、105D、105Eが導出され、それぞれ電源端子、データ入力端子、クロック入力端子、アース端子、予備端子等として構成されている。
この接触型メモリ104内のデータとしては、上記リモートメモリチップ4と同様の管理情報が記憶される。
【0022】
前述もしたように、本明細書では、テープカセットに備えられる不揮発性メモリついては、MICともいうこととしているが、上記説明から分かるように、本実施の形態のMICとしては、リモートメモリチップ4と接触型メモリ104とが存在することになる。従い、以降においてリモートメモリチップ4と接触型メモリ104とについて特に区別する必要のない場合には、単に「MIC」と記述する。
【0023】
図4は、図3(a)又は(b)のテープカセット1の外観例を示すものとされ、筺体全体は上側ケース6a、下側ケース6b、及びガードパネル8からなり、通常の8ミリVTRに用いられるテープカセットの構成と基本的には同様となっている。
【0024】
このテープカセット1の側面のラベル面9の近傍には、端子部106が設けられている。
これは図3(b)の接触型メモリ104を内蔵したタイプのテープカセットにおいて電極端子が配される部位とされるもので、端子ピン106A、106B、106C、106D、106Eが設けられている。そしてこれら端子ピンが、上記図3(b)に示した各端子105A、105B、105C、105D、105Eとそれぞれ接続されている。すなわち、接触型メモリ104を有するテープカセット1は、テープストリーマドライブとの間で、上記端子ピン106A、106B、106C、106D、106Eを介して物理的に接触してデータ信号等の相互伝送が行われるものとされる。
【0025】
一方、図3(a)のように非接触のリモートメモリチップ4を内蔵するタイプでは、当然ながら端子ピンは不要となる。しかしながら外観形状としては図4のようになり、つまり装置に対するテープカセット形状の互換性を保つためにダミーの端子部106が設けられている。
なお図示しないがラベル状に形成された非接触型のリモートメモリチップも知られている。これは、リモートメモリチップが形成されているラベルをテープカセット1び筐体の所要の位置に貼り付けられたものとされる。これにより、テープカセット1がテープストリーマドライブ10に装填された場合に、リモートメモリチップと、テープストリーマドライブにおけるメモリ通信部位とが通信を行うことができる。
【0026】
2.リモートメモリチップの構成
リモートメモリチップ4の内部構成を図5に示す。
例えばリモートメモリチップ4は半導体ICとして図5に示すようにパワー回路4a、RF処理部4b、コントローラ4c、EEP−ROM4dを有するものとされる。そして例えばこのようなリモートメモリチップ4がテープカセット1の内部に固定されたプリント基板上にマウントとされ、プリント基板上の銅箔部分でアンテナ5を形成する。
【0027】
このリモートメモリチップ4は非接触にて外部から電力供給を受ける構成とされる。後述するテープストリーマドライブ10との間の通信は、例えば13MHz帯の搬送波を用いるが、テープストリーマドライブ10からの電波をアンテナ5で受信することで、パワー回路4aが13MHz帯の搬送波を直流電力に変換する。そしてその直流電力を動作電源としてRF処理部4b、コントローラ4c、EEP−ROM4dに供給する。
【0028】
RF処理部4bは受信された情報の復調及び送信する情報の変調を行う。
コントローラ4cはRF処理部4bからの受信信号のデコード、及びデコードされた情報(コマンド)に応じた処理、例えばEEP−ROM4dに対する書込・読出処理などを実行制御する。
即ちリモートメモリチップ4はテープストリーマドライブ10やライブラリ装置50からの電波が受信されることでパワーオン状態となり、コントローラ4cが搬送波に重畳されたコマンドによって指示された処理を実行して不揮発性メモリであるEEP−ROM4dのデータを管理する。
【0029】
3.テープストリーマドライブの構成
次に図1により、図3(a)に示したリモートメモリチップ4を搭載したテープカセット1に対応するテープストリーマドライブ10の構成について説明する。このテープストリーマドライブ10は、上記テープカセット1の磁気テープ3に対して、ヘリカルスキャン方式により記録/再生を行うようにされている。
この図において回転ドラム11には、例えば2つの記録ヘッド12A、12B及び3つの再生ヘッド13A、13B、13Cが設けられる。
記録ヘッド12A、12Bは互いにアジマス角の異なる2つのギャップが究めて近接して配置される構造となっている。再生ヘッド13A、13B、13Bもそれぞれ所定のアジマス角とされる。
【0030】
回転ドラム11はドラムモータ14Aにより回転されると共に、テープカセット1から引き出された磁気テープ3が巻き付けられる。また、磁気テープ3は、キャプスタンモータ14B及び図示しないピンチローラにより送られる。また磁気テープ3は上述したようにリール2A,2Bに巻装されているが、リール2A,2Bはそれぞれリールモータ14C、14Dによりそれぞれ順方向及び逆方向に回転される。
ローディングモータ14Eは、図示しないローディング機構を駆動し、磁気テープ3の回転ドラム11へのローディング/アンローディングを実行する。
イジェクトモータ28はテープカセット1の装填機構を駆動するモータであり、挿入されたテープカセット1の着座およびテープカセット1の排出動作を実行させる。
【0031】
ドラムモータ14A、キャプスタンモータ14B、リールモータ14C、14D、ローディングモータ14E、イジェクトモータ28はそれぞれメカドライバ17からの電力印加により回転駆動される。メカドライバ17はサーボコントローラ16からの制御に基づいて各モータを駆動する。サーボコントローラ16は各モータの回転速度制御を行って通常の記録再生時の走行や高速再生時のテープ走行、早送り、巻き戻し時のテープ走行などを実行させる。
なおEEP−ROM18にはサーボコントローラ16が各モータのサーボ制御に用いる定数等が格納されている。
【0032】
サーボコントローラ16が各モータのサーボ制御を実行するために、ドラムモータ14A、キャプスタンモータ14B、Tリールモータ14C、Sリールモータ14DにはそれぞれFG(周波数発生器)が設けられており、各モータの回転情報が検出できるようにしている。即ちドラムモータ14Aの回転に同期した周波数パルスを発生させるドラムFG29A、キャプスタンモータ14Bの回転に同期した周波数パルスを発生させるキャプスタンFG29B、Tリールモータ14Cの回転に同期した周波数パルスを発生させるTリールFG29C、Sリールモータ14Dの回転に同期した周波数パルスを発生させるSリールFG29Dが形成され、これらの出力(FGパルス)がサーボコントローラ16に供給される。
【0033】
サーボコントローラ16はこれらのFGパルスに基づいて各モータの回転速度を判別することで、各モータの回転動作について目的とする回転速度との誤差を検出し、その誤差分に相当する印加電力制御をメカドライバ17に対して行うことで、閉ループによる回転速度制御を実現することができる。従って、記録/再生時の通常走行や、高速サーチ、早送り、巻き戻しなどの各種動作時に、サーボコントローラ16はそれぞれの動作に応じた目標回転速度により各モータが回転されるように制御を行うことができる。
また、サーボコントローラ16はインターフェースコントローラ/ECCフォーマター22(以下、IF/ECCコントローラという)を介してシステム全体の制御処理を実行するシステムコントローラ15と双方向に接続されている。
【0034】
このテープストリーマドライブ10においては、データの入出力にSCSIインターフェイス20が用いられている。例えばデータ記録時にはホストコンピュータ40から、固定長のレコード(record)という伝送データ単位によりSCSIインターフェイス20を介して逐次データが入力され、SCSIバッファコントローラ26を介して圧縮/伸長回路21に供給される。SCSIバッファコントローラ26はSCSIインターフェース20のデータ転送を制御するようにされている。SCSIバッファメモリ27はSCSIインターフェース20の転送速度を得るために、SCSIバッファコントローラ26に対応して備えられるバッファ手段とされる。またSCSIバッファコントローラ26は、後述するリモートメモリインターフェース30に対して所要のコマンドデータを供給するとともに、リモートメモリインターフェース30に対する動作クロックの生成も行う。
なお、このようなテープストリーマドライブシステムにおいては、可変長のデータの集合単位によってホストコンピュータ40よりデータが伝送されるモードも存在する。
【0035】
圧縮/伸長回路21では、入力されたデータについて必要があれば、所定方式によって圧縮処理を施すようにされる。圧縮方式の一例として、例えばLZ符号による圧縮方式を採用するのであれば、この方式では過去に処理した文字列に対して専用のコードが割り与えられて辞書の形で格納される。そして、以降に入力される文字列と辞書の内容とが比較されて、入力データの文字列が辞書のコードと一致すればこの文字列データを辞書のコードに置き換えるようにしていく。辞書と一致しなかった入力文字列のデータは逐次新たなコードが与えられて辞書に登録されていく。このようにして入力文字列のデータを辞書に登録し、文字列データを辞書のコードに置き換えていくことによりデータ圧縮が行われるようにされる。
【0036】
圧縮/伸長回路21の出力は、IF/ECCコントローラ22に供給されるが、IF/ECCコントローラ22においてはその制御動作によって圧縮/伸長回路21の出力をバッファメモリ23に一旦蓄積する。このバッファメモリ23に蓄積されたデータはIF/ECCコントローラ22の制御によって、最終的にグループ(Group)という磁気テープの40トラック分に相当する固定長の単位としてデータを扱うようにされ、このデータに対してECCフォーマット処理が行われる。
【0037】
ECCフォーマット処理としては、記録データについて誤り訂正コードを付加すると共に、磁気記録に適合するようにデータについて変調処理を行ってRF処理部19に供給する。
RF処理部19では供給された記録データに対して増幅、記録イコライジング等の処理を施して記録信号を生成し、記録ヘッド12A、12Bに供給する。これにより記録ヘッド12A、12Bから磁気テープ3に対するデータの記録が行われることになる。
【0038】
また、データ再生動作について簡単に説明すると、磁気テープ3の記録データが再生ヘッド13A、13BによりRF再生信号として読み出され、その再生出力はRF処理部19で再生イコライジング、再生クロック生成、2値化、デコード(例えばビタビ復号)などが行われる。
このようにして読み出された信号はIF/ECCコントローラ22に供給されて、まず誤り訂正処理等が施される。そしてバッファメモリ23に一時蓄積され、所定の時点で読み出されて圧縮/伸長回路21に供給される。
圧縮/伸長回路21では、システムコントローラ15の判断に基づいて、記録時に圧縮/伸長回路21により圧縮が施されたデータであればここでデータ伸長処理を行い、非圧縮データであればデータ伸長処理を行わずにそのままパスして出力される。
圧縮/伸長回路21の出力データはSCSIバッファコントローラ26、SCSIインターフェイス20を介して再生データとしてホストコンピュータ40に出力される。
【0039】
また、この図にはテープカセット1内のリモートメモリチップ4が示されている。このリモートメモリチップ4に対しては、テープカセット1本体がテープストリーマドライブに装填されることで、リモートメモリインターフェース30を介して非接触状態でシステムコントローラ15とデータの入出力が可能な状態となる。
【0040】
このリモートメモリインターフェース30の構成を図2に示す。
データインターフェース31は、システムコントローラ15との間のデータのやりとりを行う。後述するように、リモートメモリチップ4に対するデータ転送は、機器側からのコマンドとそれに対応するリモートメモリチップ4からのアクナレッジという形態で行われるが、システムコントローラ15がリモートメモリチップ4にコマンドを発行する際には、データインターフェース31がSCSIバッファコントローラ26からコマンドデータ及びクロックを受け取る。そしてデータインターフェース31はクロックに基づいてコマンドデータをRFインターフェース32に供給する。またデータインターフェース31はRFインターフェース32に対して搬送波周波数CR(13MHz)を供給する。
【0041】
RFインターフェース32には図2に示すようにコマンド(送信データ)WSを振幅変調(100KHz)して搬送波周波数CRに重畳するとともに、その変調信号を増幅してアンテナ33に印加するRF変調/増幅回路32aが形成されている。
このRF変調/増幅回路32aにより、コマンドデータがアンテナ33からテープカセット1内のアンテナ5に対して無線送信される。テープカセット1側では、図5で説明した構成により、コマンドデータをアンテナ5で受信することでパワーオン状態となり、コマンドで指示された内容に応じてコントローラ4cが動作を行う。例えば書込コマンドとともに送信されてきたデータをEEP−ROM4dに書き込む。
【0042】
また、このようにリモートメモリインターフェース30からコマンドが発せられた際には、リモートメモリチップ4はそれに対応したアクナレッジを発することになる。即ちリモートメモリチップ4のコントローラ4cはアクナレッジとしてのデータをRF処理部4bで変調・増幅させ、アンテナ5から送信出力する。
このようなアクナレッジが送信されてアンテナ33で受信された場合は、その受信信号はRFインターフェース32の整流回路32bで整流された後、コンパレータ32cでデータとして復調される。そしてデータインターフェース31からシステムコントローラ15に供給される。例えばシステムコントローラ15からリモートメモリチップ4に対して読出コマンドを発した場合は、リモートメモリチップ4はそれに応じたアクナレッジとしてのコードとともにEEP−ROM4dから読み出したデータを送信してくる。するとそのアクナレッジコード及び読み出したデータが、リモートメモリインターフェース30で受信復調され、システムコントローラ15に供給される。
【0043】
以上のようにテープストリーマドライブ10は、リモートメモリインターフェース30を有することで、テープカセット1内のリモートメモリチップ4に対してアクセスできることになる。
なお、このような非接触でのデータ交換は、データを13MHz帯の搬送波に100KHzの振幅変調で重畳するが、元のデータはパケット化されたデータとなる。
即ちコマンドやアクナレッジとしてのデータに対してヘッダやパリティ、その他必要な情報を付加してパケット化を行い、そのパケットをコード変換してから変調することで、安定したRF信号として送受信できるようにしている。
なお、このような非接触インターフェースを実現する技術は本出願人が先に出願し特許登録された技術として紹介されている(特許第2550931号)。
【0044】
図1に示すS−RAM24,フラッシュROM25は、システムコントローラ15が各種処理に用いるデータが記憶される。
例えばフラッシュROM25には制御に用いる定数等が記憶される。またS−RAM24はワークメモリとして用いられたり、MIC(リモートメモリチップ4、接触型メモリ104)から読み出されたデータ、MICに書き込むデータ、テープカセット単位で設定されるモードデータ、各種フラグデータなどの記憶や演算処理などに用いるメモリとされる。
また、例えばフラッシュROM25にはファームウエアとして、例えばデータの書き込み/読み込みのリトライ回数、RF処理部19における書き込み電流値、イコライザ特性などといった各種情報が記憶されている。テープストリーマドライブ10では、テープカセットが装填された場合に、このファームウエアに基づいた制御を実行することも可能とされている。
【0045】
なお、S−RAM24,フラッシュROM25は、システムコントローラ15を構成するマイクロコンピュータの内部メモリとして構成してもよく、またバッファメモリ23の領域の一部をワークメモリとして用いる構成としてもよい。
【0046】
図1に示すように、テープストリーマドライブ10とホストコンピュータ40間は上記のようにSCSIインターフェース20を用いて情報の相互伝送が行われるが、システムコントローラ15に対してはホストコンピュータ40がSCSIコマンドを用いて各種の通信を行うことになる。
なお、例えばUSB(Universal Serial Bus)やIEEE1394インターフェイスなどをはじめ、SCSI以外のデータインターフェイスが採用されても構わない。
【0047】
なお、図3(b)に示した接触型メモリ104を搭載したテープカセットに対応した構成としては、テープカセット1内の接触型メモリ104に対してデータの書込/読出を行うために、コネクタ部45が設けられる。このコネクタ部45は図4に示した端子部106に適合した形状とされ、端子部106に接続されることで接触型メモリ104の5個の端子105A、105B、105C、105D、105Eとシステムコントローラ15(システムコントローラのメモリ接続用のポート)とを電気的に接続するものである。
これによってシステムコントローラ15は、装填されたテープカセット1の接触型メモリ104に対して、コネクタ部45、端子部106を介してアクセスすることができるようにされる。
また、コネクタ部45と端子部106の接続状態が良好ではない場合は、例えばローデングモータ14Eによってローディング機構を駆動することによって、テープカセット1の着座状態を若干変移させ、物理的に接点を取りなおすことが行われる。
【0048】
4.磁気テープ上のデータ構成
次に、上述してきたテープストリーマドライブ10により記録再生が行われるテープカセット1の、磁気テープ3上のデータフォーマットについて概略的に説明する。
【0049】
図6は、磁気テープ3に記録されるデータの構造を示している。図6(a)には1本の磁気テープ3が模式的に示されている。本例においては、図6(a)のように1本の磁気テープ3を、パーティション(Partition)単位で分割して利用することができるものとされ、本例のシステムの場合には最大256のパーティション数を設定して管理することが可能とされている。また、この図に示す各パーティションは、それぞれパーティション#0、#1、#2、#3・・・として記されているように、パーティションナンバが与えられて管理されるようになっている。
【0050】
従って、本例においてはパーティションごとにそれぞれ独立してデータの記録/再生等を行うことが可能とされるが、例えば図6(b)に示す1パーティション内におけるデータの記録単位は、図6(c)に示すグループ(Group)といわれる固定長の単位に分割することができ、このグループごとの単位によって磁気テープ3に対する記録が行われる。
この場合、1グループは20フレーム(Frame)のデータ量に対応し、図6(d)に示すように、1フレームは、2トラック(Track)により形成される。この場合、1フレームを形成する2トラックは、互いに隣り合うプラスアジマスとマイナスアジマスのトラックとされる。従って、1グループは40トラックにより形成されることになる。
【0051】
また、図6(d)に示した1トラック分のデータの構造は、図7(a)及び図7(b)に示される。図7(a)にはブロック(Block)単位のデータ構造が示されている。1ブロックは1バイトのSYNCデータエリアA1に続いてサーチ等に用いる6バイトのIDエリアA2、IDデータのための2バイトからなるエラー訂正用のパリティエリアA3、64バイトのデータエリアA4より形成される。
【0052】
そして、図7(b)に示す1トラック分のデータは全471ブロックにより形成され、1トラックは図のように、両端に4ブロック分のマージンエリアA11、A19が設けられ、これらマージンエリアA11の後ろとマージンA19の前にはトラッキング制御用のATFエリアA12、A18が設けられる。さらに、AFTエリアA12の後ろとATFエリアA18の前にはパリティーエリアA13、A17が備えられる。これらのパリティーエリアA13、A17としては32ブロック分の領域が設けられる。
【0053】
また、1トラックの中間に対してATFエリアA15が設けられ、これらATFエリアA13、A15、A18としては5ブロック分の領域が設けられる。そして、パリティーエリアA13とATFエリアA15の間と、ATFエリアA15とパリティーエリアA17との間にそれぞれ192ブロック分のデータエリアA14、A16が設けられる。従って、1トラック内における全データエリア(A14及びA16)は、全471ブロックのうち、192×2=384ブロックを占めることになる。
そして上記トラックは、磁気テープ3上に対して図7(c)に示すようにして物理的に記録され、前述のように40トラック(=20フレーム)で1グループとされることになる。
【0054】
図6、図7で説明した磁気テープ3には、図8に示すエリア構造によりデータ記録が行われることになる。
なお、ここではパーティションが#0〜#N−1までとしてN個形成されている例をあげている。
【0055】
図8(a)に示すように、磁気テープの最初の部分には物理的にリーダーテープが先頭に位置しており、次にテープカセットのローディング/アンローディングを行う領域となるデバイスエリアが設けられている。このデバイスエリアの先頭が物理的テープの先頭位置PBOT(Phisycal Bigining of Tape)とされる。
上記デバイスエリアに続いては、パーティション#0に関してのリファレンスエリア及びテープの使用履歴情報等が格納されるシステムエリア(以下、リファレンスエリアを含めてシステムエリアという)が設けられて、以降にデータエリアが設けられる。システムエリアの先頭が論理的テープの開始位置LBOT(Logical Bigining of Tape) とされる。
【0056】
このシステムエリアには、図8(c)に拡大して示すように、リファレンスエリア、ポジショントレランスバンドNO.1、システムプリアンブル、システムログ、システムポストアンブル、ポジショントレランスバンドNO.2、ベンダーグループプリアンブルが形成される。
【0057】
このようなシステムエリアに続くデータエリアにおいては、図8(b)に拡大して示すように、最初にデータを作成して供給するベンダーに関する情報が示されるベンダーグループが設けられ、続いて図6(c)に示したグループが、ここではグループ1〜グループ(n)として示すように複数連続して形成されていくことになる。そして最後のグループ(n)の後にアンブルフレームが配される。
【0058】
このようなデータエリアに続いて図8(a)のように、パーティションのデータ領域の終了を示すEOD(End of Data)の領域が設けられる。
パーティションが1つしか形成されない場合は、そのパーティション#0のEODの最後が、論理的テープの終了位置LEOT(Logical End of Tape)とされるが、この場合はN個のパーティションが形成されている例であるため、パーティション#0のEODに続いてオプショナルデバイスエリアが形成される。
上記した先頭位置PBOTからのデバイスエリアは、パーティション#0に対応するロード/アンロードを行うエリアとなるが、パーティション#0の最後のオプショナルデバイスエリアは、パーティション#1に対応するロード/アンロードを行うエリアとなる。
【0059】
パーティション#1としては、パーティション#0と同様にエリアが構成され、またその最後には次のパーティション#2に対応するロード/アンロードを行うエリアとなるオプショナルデバイスエリアが形成される。
以降、パーティション#(N−1)までが同様に形成される。
なお、最後のパーティション#(N−1)では、オプショナルデバイスエリアは不要であるため形成されず、パーティション#(N−1)のEODの最後が、論理的テープの終了位置LEOT(Logical End of Tape)とされる。
PEOT(Phisycal End of Tape) は、物理的テープの終了位置、又はパーティションの物理的終了位置を示すことになる。
【0060】
5.MICのデータ構造
次に、テープカセット1に備えられるMIC(リモートメモリチップ4,接触型メモリ104)のデータ構造について説明する。
図9は、MICに記憶されるデータの構造の一例を摸式的に示す図である。このMICの記憶領域としては図示されているようにフィールドFL1〜FL4が設定されている。
これらフィールドFL1〜FL4において、テープカセットの製造時の各種情報、初期化時のテープ情報やパーティションごとの情報などが書き込まれる。
【0061】
フィールドFL1はマニファクチャーインフォーメーション(Manufacture Information)とされ、主にテープカセットの製造時の各種情報が記憶されるマニュファクチャパートとされている。
フィールドFL2はメモリマネージメントインフォーメーション(Memory Management Information)とされ、主に初期化時の情報等が記憶されるドライブイニシャライズパートとされている。
フィールドFL3はボリュームタグ(Volume Tag)とされ、テープカセット全体の基本的な管理情報が記憶される。
【0062】
フィールドFL4は、メモリーフリープールの領域とされ、管理情報の追加記憶が可能な領域とされる。このメモリーフリープールには記録再生動作の経過や必要に応じて各種情報が記憶される。なお、メモリーフリープールに記憶される1単位のデータ群を「セル」ということとする。
まず、磁気テープ3に形成されるパーティションに応じて、各パーティションに対応する管理情報となるパーティションインフォメーションセル#0、#1・・・がメモリーフリープールの先頭側から順次書き込まれる。つまり磁気テープ3上に形成されたパーティションと同数のセルとしてパーティションインフォメーションセルが形成される。
【0063】
またメモリーフリープールの後端側からは、高速サーチ用のマップ情報としてのスーパーハイスピードサーチマップセル(Super High Speed Search Map Cell)が書き込まれる。
また続いて後端側からユーザーボリュームノートセルや、ユーザーパーティションノートセルが書き込まれる。ユーザーボリュームノートセルはテープカセット全体に関してユーザーが入力したコメント等の情報であり、ユーザーパーティションノートセルは各パーティションに関してユーザーが入力したコメント等の情報である。従って、これらはユーザーが書込を指示した際に記憶されるものであり、これらの情報が必ずしも全て記述されるものではない。
またこれらの情報が記憶されていない中間の領域は、メモリーフリープールとして後の書込のために残される。
【0064】
なお、フォーマット上は、マニファクチャインフォーメーション(フィールドFL1)、メモリマネージメントインフォーメーション(フィールドFL2)、及びボリュームタグ(フィールドFL3)がMICヘッダといわれる領域として扱われる。このMICヘッダに格納される情報は、原則として、磁気テープ3の初期化に伴ってはクリアされないものとされ、残るフィールドFL4としてのメモリーフリープールの領域の情報は、磁気テープ3の初期化に伴ってクリアされるべき情報とされている。
【0065】
フィールドFL1のマニファクチャインフォーメーションは、例えば図10に示すような構造とされる。なお各データのサイズ(バイト数)を右側に示している。
マニュファクチャインフォーメーションには、まず先頭1バイトにマニュファクチャパート・チェックサム(manufacture part checksum)として、このマニュファクチャインフォーメーションのデータに対するチェックサムの情報が格納される。このマニュファクチャパート・チェックサムの情報はカセット製造時に与えられる。
【0066】
そしてマニュファクチャパートを構成する実データとしてMICタイプ(mic type)からライトプロテクテッドデータバイトカウント(Write Protected data byte count)までが記述される。なおリザーブ(reserved)とは、将来的なデータ記憶のための予備とされている領域を示している。これは以降の説明でも同様である。
【0067】
MICタイプ(mic type)は、当該テープカセットに実際に備えられるMICのタイプを示すデータである。
MICマニュファクチャ・デート(mic manufacture date)は、当該MICの製造年月日(及び時間)が示される。
MICマニュファクチャ・ラインネーム(mic manufacture line name)はMICを製造したライン名の情報が示される。
MICマニュファクチャ・プラントネーム(mic manufacture plant name)はMICを製造した工場名の情報が示される。
MICマニュファクチュアラ・ネーム(mic manufacturer name)は、MICの製造社名の情報が示される。
MICネーム(mic name)はMICのベンダー名の情報が示される。
【0068】
またカセットマニュファクチャデート(cassette manufacture date)、カセットマニュファクチャ・ラインネーム(cassette manufacture line name)、カセットマニュファクチャ・プラントネーム(cassette manufacture plant name)、カセットマニュファクチュアラ・ネーム(cassette manufacturer name)、カセットネーム(cassette name)は、それぞれ上記したMICに関する情報と同様のカセット自体の情報が記述される。
【0069】
OEMカスタマーネーム(oem customer name)としては、OEM(Original Equipment Manufactures)の相手先の会社名の情報が格納される。
【0070】
マニュファクチャ・イニシャライズカウント(Manufacture Initialize Count)としての1バイトの領域には、当該MICを初期化した回数が示される。但し、このマニュファクチャ・イニシャライズカウントでいうところの「初期化」とは、製造工程時においてMICの内容を初期状態とするための初期化データを書き込むことをいうものとされる。
後述もするように、初期化の工程にあっては、MIC初期化システム200側若しくはMIC側の不具合によって、初期化の結果がNGとなる場合があり、このような場合には再度初期化を行うというためのリトライが繰り返される。
マニュファクチャ・イニシャライズカウントには、上記リトライが行われれば、このリトライ回数を含む初期化回数が示されるものである。
なお、ここでは以降の説明の便宜上、マニュファクチャ・イニシャライズカウントについては、フィールドFL11として示している。
【0071】
フィジカルテープキャラクタリステックID(physical tape characteristic ID)としては、例えば、テープの材質、テープ厚、テープ長等の、物理的な磁気テープの特性の情報が示される。
マキシマムクロックフリケンシー(maximum clock frequency)としては、当該MICが対応する最大クロック周波数を示す情報が格納される。
マキシマムライトサイクル(maximum write cycle)では、例えばMICの特性としてテープストリーマドライブ10との1回の通信によって何バイトのデータを転送することができるかという情報が示される。この情報はMICとして使用する不揮発性メモリの物理的な特性に依存するものとされる。
MICキャパシティ(mic capacity)としては、当該MICの記憶容量情報が示される。
【0072】
ライトプロテクト・スタートアドレス(write protect start address)は、MICの所要の一部の領域を書き込み禁止とするために用いられ、書き込み禁止領域の開始アドレスを示す。
ライトプロテクトバイトカウント(write protect byte count)は書き込み禁止領域のバイト数が示される。つまり、上記ライトプロテクト・トップアドレスで指定されたアドレスから、このライトプロテクトカウントの領域により示されるバイト数により占められる領域が書き込み禁止領域として設定されることになる。
【0073】
なお、ここでは、フィールドFL2のメモリマネージメントインフォーメーション(Memory Management Information)、フィールドFL3のボリュームタグ(Volume Tag)、及びフィールドFL4のメモリーフリープールの領域内についての各データ構造については、その説明を省略する。
【0074】
6.製造時の初期化処理
MICを備える本実施の形態のテープカセット1は図9及び図10に示したデータ構造を有している。そして、製造時においては、このMICに対して初期内容のデータを書き込む初期化が行われる。そこで先ず、MICの初期化を含む製造工程全体の流れを図11に示す。
工程▲1▼ 先ずは、図3及び図4に示したテープカセット1を構成するのに必要な部品により組み立てを行う。
工程▲2▼ 続いては、後述するMIC初期化システム200を利用して、組み立てが行われたテープカセット1のMICに対して、初期化を行う。
工程▲3▼ 初期化が終了したら、MICに対して適正に初期化が行われたかどうかについてのチェックを行う。これは、上記工程▲2▼と同様に、MIC初期化システムを利用して行う。
ここで、後述もするように、工程▲3▼によって初期化についてNGであるというチェック結果が得られた場合には、例えば規定の最大リトライ回数の範囲内でOKの結果が出るまで、工程▲2▼に戻っての初期化が繰り返される。
工程▲4▼ 上記工程▲3▼により、初期化についてのチェック結果についてOKが得られると、良品であるとして扱い、例えば工場より出荷される。
【0075】
また、ここで、MICに対する初期化を行うための装置である、MIC初期化システム200の構成例について説明する。
このMIC初期化システム200は、コンピュータ装置300とMICドライバ400より成る。
【0076】
先ず、コンピュータ装置300から説明する。このコンピュータ装置300において、CPU301は、例えばROM302に保持されているプログラムに従って各種の処理を実行する。
また、RAM303にはCPU301が各種処理を実行するのに必要なデータやプログラム等が適宜保持される。
【0077】
入出力インターフェイス304は、キーボード305とマウス306が接続されており、これらから供給された操作信号をCPU301に出力するようにされている。また、入出力インターフェイス304には、記憶媒体としてハードディスクを備えたハードディスクドライブ(HDD)308が接続されている。CPU301は、入出力インターフェイス304を介して、HDD308のハードディスクに対してデータやプログラム等の記録又は読み出しを行うことができるようにされている。また、特に本実施の形態においては、MICに書き込むべき初期化データ308aと、後述するようにして、書き込みのチェック処理を伴うMICの初期化処理を実行するためのアプリケーションソフトウェアである、初期化プログラム308bがHDD308に格納される。
この場合、入出力インタフェース304には、さらに、画像表示のためのディスプレイモニタ307が接続されている。
【0078】
メディアドライバ309は、例えば現状であれば、CD−ROMやDVDなどをはじめとして、特定種別のメディアに対応するドライバとされ、対応するメディアに対してのデータの読み出し/書き込みを実行する。
【0079】
通信インターフェイス310は、通信網4を介して通信を行うためのインターフェイスであり、例えば、通信網4が電話回線を利用したものであれば、ハードウェアとしてはモデムなどが備えられ、また、ネットワークなどを介したもので有ればEthernetなどのインターフェイスとなる。
例えば本実施の形態であれば、この通信網4を介して、製造工場内に備えられるコンピュータと接続して、製造管理などに必要な各種の情報の授受を行えるようにすることが考えられる。
【0080】
データインターフェイス311は、例えばSCSI、USB、IEEE1394などに代表される、外部周辺機器との通信のためのインターフェイスとされる。そして、この場合には、このデータインターフェイス311を介して、MICドライバ400と接続される。
【0081】
内部バス312は、例えば、PCI(Peripheral Component Interconnect)又はローカルバス等により構成され、内部における各機能回路部間を相互に接続している。
【0082】
MICドライバ400は、MICに対するデータの書き込み及び読み出しを行うことのできるドライバとされ、この場合にはコンピュータ装置300と接続されていることで、コンピュータ装置300から転送されてくるデータをMICに対して書き込み、また、MICから読み出したデータをコンピュータ装置300に対して転送することができる。
【0083】
この場合のMICドライバ400は、例えば実際には、テープカセット1を装填可能な所定の構造を有しており、また、内部の回路としては、データインターフェイス401、コントローラ402、コネクタ部403、及びリモートインターフェイス403を備えているものとされる。
データインターフェイス401は、コンピュータ装置300側のデータインターフェイス311とデータバスを介して接続され、データインターフェイス311から転送されてきたデータを、MICドライバ400により処理可能な形式に変換してコントローラ402に転送する。また、コントローラ402の指示に応じて、MICドライバ400にて処理可能な形式のデータをデータバスを介して転送可能な形式に変換して、コンピュータ装置300側のデータインターフェイス311に転送する。
【0084】
コントローラ402は、データインターフェイス401を介してのデータ通信と、装填されているテープカセット1のMICに対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。
【0085】
コネクタ部403は図3(b)に示した接触型メモリ104に対応して設けられるもので、接触型メモリ104としてのMICを備えるテープカセット1が装填された際に、接触型メモリ104の端子105A〜105Eと物理的に接続される。これにより、コントローラ402と接触型メモリ104とが通信可能となる。
【0086】
リモートインターフェイス404は、図3(a)に示した非接触型のリモートメモリチップ4に対応して設けられ、リモートメモリチップ4を備えたテープカセット1が備えられた場合に、そのリモートメモリチップ4と無線による通信を行うことが可能とされている。
従って、この場合のMICドライバ400としては、接触型MICと非接触型MICの両者を対象としてデータの書き込み及び読み出しを実行可能な回路構成を採る。
【0087】
そして、コントローラ402の動作として、先ず、MICに対するデータの書き込みを行う場合は、データインターフェイス401を介してコンピュータ装置300から転送されてきた書き込みデータを取得する。そして、対象となるMICが接触型メモリ104であれば、コネクタ部403を介して接触型メモリ104と通信を行ってデータの書き込みを実行する。また、対象となるMICが非接触型のリモートメモリチップ4であれば、リモートインターフェイス404をコントロールしてリモートメモリチップ4と通信を行うことで、データの書き込みを実行する。
また、MICに対するデータの読み出しは、データ読み出しの対象であるMICが接触型メモリ104であれば、コネクタ部403を介して接触型メモリ104と通信を行ってデータを読み出して取得する。また、MICがリモートメモリチップ4である場合には、リモートインターフェイス404を介して通信行うことでデータを読み出して取得する。そして、このようにして取得したデータを、データインターフェイス401を介して転送出力させる。これにより、コンピュータ装置300側ではデータインターフェイス311を介して転送されてきたMICからの読み出しデータを取得することができる。
【0088】
なお、この図に示すMIC初期化システムとしての装置構成は一例であり、例えば、コンピュータ装置とMICドライバとが一体化されたような、初期化のために特化された構成の装置とするなど、ほかにも考えられるものである。
【0089】
6.製造時の初期化処理
続いて、先に図11に示した工程▲2▼→▲3▼として示される、MICの初期化工程について説明する。この初期化工程は、上記図12に示したMIC初期化システム200により行うものとされる。そこで、ここでは、コンピュータ装置300による初期化処理の動作により、MICの初期化工程を説明していくこととする。そして、図13がこの初期化処理を示すフローチャートとなる。なお、この図に示す処理は、CPU301が初期化プログラム308bに従って実行するものである。
【0090】
例えば作業者は、組み立てが完了したテープカセット1をMICドライバ400に装填し、キーボード305、マウス306等に対する操作によってMICへの書き込みを実行させる。
これにより、CPU301は、図13に示す処理に移行する。
ここでは、先ずステップS101において、初期化回数を示す変数iについてi=1と設定して、ステップS102に進む。
【0091】
ステップS102においては、現在MICドライバ400に装填されているテープカセット1のMICに対する初期化を実行する。
ここで、ハードディスクドライブ308には、初期化データ308aが記憶されているが、初期化プログラム308bの起動時には、初期化データ308aをハードディスクドライブ308から読み出してRAM303に対して保持させているものとされる。そして、ステップS102においては、このRAM303に保持されている初期化データ308aを読み出してデータインターフェイス311からデータバスを介して外部に転送する。
これにより、MICドライバ400では、前述したようなコントローラ403の動作によって、装填されているテープカセット1のMICに対して初期化データの書き込みを行うことになる。つまりMICとしては初期化が行われたことになる。
また、本実施の形態の特徴として、このステップS102としての初期化処理時には、図10のフィールドFL1のマニファクチャーインフォーメーション内のマニュファクチャ・イニシャライズカウント(フィールドFL11)について、現在の変数iの数値を書き込むものとされる。つまり、RAM303に格納される初期化データ308bのマニュファクチャ・イニシャライズカウントに対して、現在の変数iの値を格納するようにして書き換えを行った上で、この初期化データを書き込みデータとして転送出力するようにされるものである。この処理によって、そのMICに対して行われた初期化回数が、マニュファクチャ・イニシャライズカウント(フィールドFL11)により示されることになる。
【0092】
上記ステップS102の処理によってMICに対する初期化、つまり初期化データの書き込みが終了したとされると、CPU301はステップS103に進む。
ステップS103においては、続くデータチェック処理のために、上記ステップS102により書き込みを行った初期化データをMICから読み込むための処理を実行する。
このためには、CPU301が、MICドライバ400のコントローラ402に対して、MICからのデータ読み出しを要求する。これに応じて、コントローラ402では、MICと通信を行うことで、先ずMIC内においてコントローラ4cの制御によってEEP−ROM4dから初期化データの読み出しを実行させ、この読み出した初期化データを、取得するようにされる。そして、この取得した初期化データを、データインターフェイス401及びデータバスを介してコンピュータ装置300に転送する。
CPU301では、転送されてきた初期化データを例えばRAM303に対して記憶させる。
【0093】
そして、次のステップS104において、MICから読み出してRAM303に対して記憶させた初期化データについてのチェックを行う。例えばエラーレートに基づくチェックであってもよいし、正規の初期化データとの内容の一致度をチェックするものであってもよい。
そして、次のステップS104においては、このチェック結果としてOKとされているか否かについて判別を行う。例えばMICの品質も良好で、また、無線通信回路や接点などが不良でなければ、チェックした初期化データは、例えばエラーレートが所定以下であったり、また、本来の正常な初期化データとの一致度が高いとして、OKの結果が得られることになる。これに対して、MICの品質不良若しくは無線通信回路や接点などの不良等、何らかの要因によって書き込み(又は読み出し)動作に障害が生じており、初期化データの品質が劣化しているのであれば、NGの結果が得られることになる。
【0094】
ここでNGの結果が得られた場合には、ステップS106に進んで変数iについてi=i+1とインクリメントしたうえで、ステップS102の処理に戻るようにされる。つまり、初期化のリトライが行われる。そしてこの際には、ステップS106によって変数iがインクリメントされていることで、この後実行されるステップS102によっては、MICのマニュファクチャ・イニシャライズカウント(フィールドFL11)に対して、そのリトライの回数に応じてこれまで行われた初期化の回数が格納されることになる。
これに対してOKの結果が得られた場合には、正常に初期化データが記憶されたことになるため、現在装填されているテープカセットのMICに対する初期化の処理を終了する。そして、このようにして初期化が終了したテープカセット1のMICとしては良品として扱われることになる。
【0095】
なお、この図には示していないが、リトライの回数については上限が設けられてもよいものである。そして、予め決められた上限を越えたとされる場合には、これに対応する措置を執るようにされる。例としては、生産ラインにて、例えばランプの点灯などによって警告を行い、オペレータとしての作業者に処置を委ねるようにすることが考えられる。また、自動的に不良品のMICであるとして確定して、そのテープカセットを生産ラインから除外するということも考えられる。
【0096】
7.テープストリーマドライブによるテープカセット管理例
上述のようにして製造されたテープカセット1のMICには、その製造時において初期化を行った初期化回数が、MICのデータ構造内におけるマニュファクチャ・イニシャライズカウント(フィールドFL11)により示されていることになる。
ここで、マニュファクチャ・イニシャライズカウント(フィールドFL11)の数値が2以上であるとされる場合は、少なくとも一度は何らかの要因によってMICへのデータ書き込みに障害が生じたことを示し、また、この数値が大きいほど、その障害の程度も大きいことを示している。
【0097】
この場合の障害を招いた要因としては、大きくは2つに分けることができる。1つは、MIC側の何らかの不良に因るものであり、もう1つは、MIC初期化システム200側における何らかの不良に因るものである。
【0098】
また、現実には、例えば或る生産ロットにより製造されたテープカセット1にあっても、初期化が1回で成功したものの中に、数回のリトライによって初期化が成功して最終的には良品として扱われたものが少なからず存在しているものである。
【0099】
従って、例えばデータ書き込み障害の要因が主としてMIC側にあるものの、最終的には初期化が成功した良品として出荷されたような場合、ユーザの手に渡った後において、何らかの不具合が生じる可能性は全くないといえない。
このような時に、メーカ側が対応をとってサポートを行うためには、例えばどの製造ロットで、どのような状況で製造されたテープカセットであるのかを特定することが必要になってくる。
ここでMIC内のマニファクチャーインフォーメーション(フィールドFL1)の領域には、図10により説明したように、MICについての製造年月日、製造ライン、製造工場等を示す情報が格納されており、これらに対応する情報を、例えばユーザにレポートしてもらうなどしてメーカ側で収集すれば、例えば不具合の生じているテープカセットについての特定を或る程度は行うことができる。しかし、上記もしているように、製造ロット内でも、初期化が1回で成功したような良質品のなかに、数回の初期化が行われたような不具合が生じやすいとされるものも混在している状態にある。従って、上記したような情報のみによっては、これらの多くの中から、どのテープカセットが不良であったのかを特定することが難しいことになる。また、これに対応する適切なサポートをすることも困難となる。
【0100】
そこで、本実施の形態のようにして、MICに対してマニュファクチャ・イニシャライズカウントとして初期化回数を格納しておけば、これを参照することで、不良として扱うべきテープカセットを特定することが容易に可能となるものである。
つまり、サポート側では、例えば障害の報告を収集した内容を検討することで、或る特定の製造ロットにおいて、検討結果により得られた回数以上の初期化を行ったものが不良なテープカセットであるとして特定することなどができることになる。
そして、その対策としては、例えば次のようなことが考えられる。
サポート側では、例えば具体的には、或る特定の製造ロットにおいて5回以上初期化を行ったものが不良品として扱うべきであると判定したとする。
そこで、上記したテープカセットがテープストリーマドライブ10によっては使用できないようにするためのファームウェアのアップデータを作成し、これを配布するようにする。
【0101】
ユーザはこのアップデータを入手し、例えばホストコンピュータ40に保存する。そして、このアップデータにより、テープストリーマドライブ10のファームウェアをアップデートするようにされる。
このようにしてファームウェアがアップデートされたテープストリーマドライブ10では、このアップデートされたプログラムに基づき、装填されたテープカセットが、使用禁止であるものに該当すると判断した場合には、これを記録再生に使用せずに、イジェクトさせるように動作する。
【0102】
図14のフローチャートは、このための処理動作を示している。この図に示す処理は、上記アップデートされたファームウェアのプログラムに基づいてテープストリーマドライブ10のシステムコントローラ15が実行する。
この図に示す処理においては、先ず、ステップS201によりテープカセット1が装填されるのを待機している。そして、テープカセット1が装填されたことが判別されると、ステップS202に進む。ステップS202では、装填されたテープカセット1のMICに記憶されているデータの読み込みを行う。読み込みを行ったMICのデータは、例えばSRAM24に対して書き込んで保持させておくようにされる。
【0103】
そして続くステップS203においては、上記ステップS202にて読み込んでSRAM24に保持させてあるMICのデータのうちから、フィールドFL11のマニュファクチャ・イニシャライズカウントの値を参照する。そして、この値が、例えばこの場合には5以上を示しているか否かについて判別する。
つまり、このステップS203においては、今回のサポート対象となるテープカセット(MIC)であるか否かを判別するものである。また、換言すれば、そのテープカセットについて使用が許可されるものであるか、若しくは禁止されるものであるのかを判定しているものである。
従って、ここでは、初期化回数であるマニュファクチャ・イニシャライズカウントのみをその判別要素としているのであるが、実際には、これに加えて、マニファクチャーインフォーメーション内にあるとされる、MICマニュファクチャ・デート(当該MICの製造年月日(及び時間))、MICマニュファクチャラインネーム(MICを製造したライン名)、MICマニュファクチャ・プラントネーム(MICを製造した工場名)、MICマニュファクチュアラ・ネーム(MICの製造社名)、MICネーム(MICのベンダー名)などの情報により、テープカセット1の特定にあたって、限定を加えていくようにされて構わないものである。
【0104】
そして、上記ステップS203にて否定結果が得られた場合には、現在装填されているテープカセット1のMICは不良品には該当しないとみなされ、メインのルーチンに戻るようにされる。以降は、例えばユーザの操作に応じたホストコンピュータ40からのコマンド等に応じて、記録再生等に関する動作を実行していくことが可能とされる。
【0105】
これに対してステップS203にて肯定結果が得られた場合には、現在装填されているテープカセット1のMICは不良品に該当することになる。そこでこの場合には、ステップS204に進み、この現在装填されているテープカセット1をイジェクトして、テープストリーマドライブ10から排出させるための制御をメカドライバに対して行う。
このようにすれば、テープストリーマドライブ10によっては、不良品であるとして通信障害が発生する可能性が高いとされるMICを有しているテープカセットを選別し、これについては、使用させないようにすることが可能となるものである。
【0106】
なお、ここでは図示していないが、例えば上記ステップS203の処理により不良品に該当するとしてその使用を禁止すべきテープカセット1であることが判別された場合には、この旨をホストコンピュータ40に通知することが実際のシステム動作上は好ましい。そして、この通知を受信したホストコンピュータ40では、例えばディスプレイモニタ307に対して所定の表示形態によって、このテープカセット1はMICが不良であり障害の発生する可能性が高いので使用を禁止したことをユーザに通知するようにされる。
【0107】
また、上記処理動作では、使用禁止として判定されたテープカセット1については、イジェクトさせるという動作が行われるようにしているが、本発明としては、ユーザによってこのテープカセット1が使用されないようにされればよく、必ずしも、イジェクトをさせる必要もないものとされる。例えばイジェクトは行わずに装填された状態とさせておいても、使用禁止のテープカセット1であることをホストコンピュータ40に通知し、ホストコンピュータ40側でこのテープカセット1については、MICの読み出し、また記録再生などの使用がテープストリーマドライブ10によって行われないようにコントロールするという構成にすることも考えられるものである。
【0108】
また、上記処理動作であれば、テープカセットの使用の可否についての判定を行ってイジェクトさせるまでの動作を、テープストリーマドライブ10のみで完結して実行することが可能であるため、例えばホストコンピュータ40との通信などの処理負担がなくなるという点で有利である。但し、ホストコンピュータ40側でマニュファクチャ・イニシャライズカウントの値を取得して、テープカセットの使用の可否についての判定を行い、使用禁止の判定結果が得られれば、テープカセット1をイジェクトするようにテープストリーマドライブ10をコントロールするという構成も考えられるものである。この場合には、ホストコンピュータ40にインストールされている、テープストリーマドライブ10をコントロールするためのアプリケーションソフトウェアについて、アップデートすればよい。
【0109】
また、この初期化回数の情報は、製造側でも利用することができる。
例えば、テープカセット1の製造ラインにおいては、いわゆる抜き取り検査が行われる。つまり、例えば或る製造個数ごとに、1つのテープカセット1を抜き取って、これについての品質チェックを行うものである。そして、この抜き取り検査によって収集した初期化回数(マニュファクチャ・イニシャライズカウント)を参照することで、製造されるMICの品質の良否の傾向を調査し、この調査結果に基づいて生産ラインの改善を図ることができる。例えば具体的には、製造されるMICの傾向として初期化回数が増加してきており、これが、例えばMIC初期化システム200のMICドライバ400における接点や無線通信回路の経年使用による不良に因るものと判定されたのであれば、これを交換するようにされる。また、障害の要因が初期化プログラム308bをはじめとするコンピュータ装置300におけるプログラム等のバグに起因するものとされる場合には、プログラムデータのアップデートを行うようにしてその改善を図るものである。
【0110】
また、直接的にMIC内のマニュファクチャ・イニシャライズカウントを利用するものではないが、例えば製造ラインにおいて、初期化を行ったテープカセットのMICごとに、その初期化回数の情報を保持しておくようにされる。そして、その初期回数の情報に基づいて、上記したようにして生産ラインの改善を図ることができるものである。
【0111】
また、本発明が対応するテープカセットとしては、データストレージ用に限定されるものではなく、例えばMICに相当するメモリを備えたテープカセットであれば適用が可能であり、これに応じて、本発明としてのテープカセット製造装置及びテープドライブ装置の構成も変更されるべきものである。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、テープカセットに備えられて管理情報を記憶するメモリに対して、製造時の初期化回数を示す初期化回数情報を格納するようにしている。この初期化回数は、即ち、製造時の初期化工程における何らかの障害、不具合の程度に対応しているものである。従って、この初期化回数情報を参照することで、初期化工程時に比較的重度の障害、不具合のあったとされるテープカセットのメモリを特定することが容易に可能となるものである。つまり、初期化回数情報を例えば製造ラインの改善やユーザサポート等の際に有効に利用することで、テープカセットの品質管理をより良質なものとすることができる。
【0113】
そして、本発明のテープカセット製造装置においては、テープカセットのメモリに対して初期化を行った回数を、そのメモリに対して格納するようにされる。これによって、上記した本発明としての、初期化回数情報がメモリに記憶されたテープカセットを製造することが可能になるものである。また、テープカセット製造装置が初期回数を格納するということは、テープカセット製造装置自体が、テープカセットの初期化回数を保持しているといえるため、このテープカセット製造装置が保持しているとされる初期化回数情報を利用して、例えば製造ラインの改善等を行うことができるという利点も有している。
【0114】
また、本発明のテープドライブ装置としては、テープカセットのメモリに格納される初期化回数情報を当該メモリの不良の程度として扱い、この初期化回数情報に基づいて、テープカセットについての使用の禁止/許可についての判定が行えるようにされる。これにより、例えばメモリに何らかの障害が起こる可能性が高いとして扱われるテープカセットについては、使用を禁止することができるために、ユーザが不要なトラブルに見舞われるような不都合を避けることなどができ、それだけ使いやすさなどが向上されるものである。
また、使用禁止であると判定されたテープカセットについてはイジェクトしてテープドライブ装置から排出させるように構成するようにもされる。このようにしてイジェクトされれば、例えばユーザが誤って使用することはなくなり、不要なトラブルは回避されることになる。また、この構成では、使用の許可/禁止について判定を行ってイジェクトするまでの処理を、ホストコンピュータなどのコントロールに依らず、テープドライブ装置のみで完結して行うことが可能となる。これは、例えばホストコンピュータとの通信などのための処理が必要ないことから、例えばホストコンピュータと接続されていない状態でも動作可能であるし、また、ホストコンピュータとの通信のための処理負担も軽減されるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのテープストリーマドライブ(テープドライブ装置)の構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態のテープストリーマドライブに配されるリモートメモリインターフェースのブロック図である。
【図3】実施の形態のテープカセットの内部構造を概略的に示す説明図である。
【図4】実施の形態のテープカセットの外観を示す斜視図である。
【図5】実施の形態のテープカセットに設けられるリモートメモリチップのブロック図である。
【図6】磁気テープに記録されるデータ構造の説明図である。
【図7】1トラックのデータ構造を示す模式図である。
【図8】磁気テープ上のエリア構成の説明図である。
【図9】実施の形態のMICのデータ構造の説明図である。
【図10】実施の形態のMICのマニファクチャーパートの説明図である。
【図11】実施の形態のテープカセットの製造工程を示す説明図である。
【図12】実施の形態としてのMIC初期化システムの構成例を示す説明図である。
【図13】実施の形態としてのMIC初期化のためのコンピュータ装置の処理動作を示すブロック図である。
【図14】実施の形態のテープストリーマドライブ10による、不良のテープカセットを排除するための処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 テープカセット、3 磁気テープ、4 MIC、10 テープストリーマドライブ、11 回転ドラム、12A,12B 記録ヘッド、13A,13B,13C 14A ドラムモータ、14B キャプスタンモータ、14C Tリールモータ、14D Sリールモータ、14E ローディングモータ、再生ヘッド、15 システムコントローラ、16 サーボコントローラ、17 メカドライバ、19 RF処理部、20 SCSIインターフェイス、21 圧縮/伸長回路、22 IFコントローラ/ECCフォーマター、23 バッファメモリ、30 リモートメモリインターフェース、33 アンテナ、45 コネクタ部、40 ホストコンピュータ、301 CPU、308a 初期化データ、308b初期化プログラム、400 MICドライバ、401 データインターフェイス、402 コントローラ、403 コネクタ部、404 リモートI/F

Claims (4)

  1. 磁気テープと、当該テープカセットについての所要の管理を可能とするための管理情報を記憶するメモリとが収納されたテープカセットにおいて、
    上記メモリにおいて、製造時に当該メモリの内容を初期化した回数を示す初期化回数情報を記憶するための記憶領域が設定されていることを特徴とするテープカセット。
  2. 磁気テープと、当該テープカセットについての所要の管理を可能とするための管理情報を記憶するメモリとが収納されたテープカセットを製造するテープカセット製造装置において、
    上記メモリの記憶内容を初期状態とする初期化を行うときに、当該メモリにおける所定の記憶領域に対して、当該メモリに対して行った初期化の回数を示す初期化回数情報を記憶させるように構成される初期化手段、
    を備えていることを特徴とするテープカセット製造装置。
  3. 磁気テープと、当該テープカセットについての所要の管理を可能とするための管理情報を記憶するメモリとが収納されたテープカセットに対応するテープドライブ装置において、
    上記テープカセットに、当該テープカセットについての所要の管理を可能とするための管理情報を記憶するメモリが備えられている場合に、そのメモリに対して管理情報の読み出しを行なうことができるメモリドライブ手段と、
    上記メモリから読み出した管理情報に含まれる、製造時において当該メモリの記憶内容を初期状態とする初期化が行われた回数を示す初期化回数情報に基づいて、上記テープカセットについての記録又は再生についての禁止/許可を判定する判定手段と、
    を備えていることを特徴とするテープドライブ装置。
  4. 上記判定手段により、装填されているテープカセットについて記録又は再生について禁止であるとの判定結果が得られた場合には、この装填されているテープカセットを当該テープドライブ装置から排出させるように制御を行う排出制御手段、
    を備えていることを特徴とする請求項3に記載のテープドライブ装置。
JP2000265994A 2000-08-30 2000-08-30 テープカセット、テープカセット製造装置、テープドライブ装置 Expired - Fee Related JP4348849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000265994A JP4348849B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 テープカセット、テープカセット製造装置、テープドライブ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000265994A JP4348849B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 テープカセット、テープカセット製造装置、テープドライブ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002074893A JP2002074893A (ja) 2002-03-15
JP4348849B2 true JP4348849B2 (ja) 2009-10-21

Family

ID=18753168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000265994A Expired - Fee Related JP4348849B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 テープカセット、テープカセット製造装置、テープドライブ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4348849B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7269687B2 (en) 2004-08-20 2007-09-11 Quantum Corporation Bounding defective regions of a tape storage medium
US7530515B2 (en) * 2005-02-15 2009-05-12 Imation Corp. Data storage tape cartridge and system having a radio frequency write medium

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002074893A (ja) 2002-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6674596B1 (en) Memory in cassette has use restriction recorded in read-only memory
JP2000082277A (ja) 記録媒体対応装置
JP2000057662A (ja) 記録媒体制御方法、記録媒体対応装置
US6535344B1 (en) Tape drive unit and recording medium
JP4099886B2 (ja) 記録媒体及びテープドライブ装置
US6667846B2 (en) Information storage device having tape cassette with noncontact memory and antenna
US7103741B2 (en) Tape drive apparatus and recording and/or reproducing method
JP4158258B2 (ja) テープドライブ装置、記録媒体
US6643086B1 (en) Tape driving apparatus
JP3841050B2 (ja) テープドライブ装置、記録再生方法
JP2000182322A (ja) テープドライブ装置、記録媒体
JP4348849B2 (ja) テープカセット、テープカセット製造装置、テープドライブ装置
US6762898B2 (en) Magnetic recording and playback apparatus and magnetic recording and playback method
US6621650B1 (en) Recording medium and tape driving apparatus
JP3894315B2 (ja) テープドライブ装置、記録再生方法
JP2000173244A (ja) 記録媒体及びテープドライブ装置
JP4513186B2 (ja) 情報記録再生装置
JP4547779B2 (ja) 情報記録再生装置及びその制御方法
JP4513187B2 (ja) テープカセットの識別方法
JP4766085B2 (ja) テープドライブ装置、記録媒体、及び記録再生方法
JP2000173237A (ja) 記録媒体、記録媒体対応装置
JP2002074902A (ja) テープドライブ装置、情報処理システム
JP2006059495A (ja) テープ再生装置
JP2000100151A (ja) テープドライブ装置
JP2000113653A (ja) テープドライブ装置、記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090630

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090713

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees