JP4347481B2 - 玉軸受用合成樹脂製保持器およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、深溝玉軸受等の玉軸受において、複数個のボールを円周方向に等間隔に転動自在に保持する合成樹脂製の保持器、特に小型、ミニチュア軸受用の小径の冠形保持器及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
玉軸受用の保持器としては、従来から合成樹脂製の冠形保持器が広く使用されている。
【0003】
この冠形保持器は、ポリアミド(66ナイロン)、ポリアセタール等の熱可塑性合成樹脂成形品からなり、図1に示すように円形の環状体(1)の一側面にボールの外周面に対応した球面凹部(3)と、その開口面周縁から立ち上がった各1対の弾性爪(4)とで画成されたボール保持用ポケット(2)が、円周方向等配位置に複数個設けられ、この各ポケット(2)にボールを強制嵌入して転動自在に保持するようになされたものである。
【0004】
このような合成樹脂製の冠形保持器は、一般にアキシャルドロータイプの金型を用いた射出成形法によって製作されている。即ち、固定側の第1の型と可動側の第2の型との相接面間に保持器形状に対応したキャビティを設けた金型を用いて、スプル、ランナー、ゲートを通じて上記キャビティに材料樹脂を注入し、固化せしめたのち、第2の型を軸線方向に移動して金型を開き、第1の型内に残存保持せしめた成形品を、該型内に装備するエジェクターピンを作動して蹴り出すことによって製品として取出している。
【0005】
ところで、成形品の上記取出しは、従来一般に、保持器の隣接する1対の弾性爪(4)(4)間の平坦部(5)をエジェクターピン当接部として利用し、該部にエジェクターピンの先端面を押し当てることにより、弾性爪(4)の弾性変形を生じさせつつ成形品を第1の型から蹴り出し離型させることによって行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ミニチュア軸受と呼ばれるような小型の軸受用の保持器の場合、上記隣り合う弾性爪(4)(4)間の平坦部(5)の面積が極めて小さいものとなり、これに伴って該平坦部に当接せしめるエジェクターピンも細径のものを用いなければならない。例えば、保持器の外径が10〜12mm程度の小型のものである場合、エジェクターピンとしては直径0.3〜0.4mm程度の細径のものを使用しなければならない。
【0007】
このように細径のエジェクターピンを使用する場合、該ピンを装備する金型の製作上の困難性の増大に加えて、エジェクターピンの強度不足による突き出し作動時の該ピンの破損、更には成形直後の成形品に細径のピンを突き当てることによる成形品の突き破りやピンばりの発生等による成形品の品質の低下等の種々の問題を派生する。
【0008】
ましてや、近時、携帯用の磁気記憶装置のハードディスクドライブ(HDD)等にあっては、その益々の小型化に伴って、それに使用する玉軸受も特に超小型でかつ高性能のものが要求されるようになってきており、軸受内の保持器も直径3mm程度の超小型のものの提供が要請されるに至っている。ところが、このような超小型の保持器の場合、従来製法によるときは、保持器の弾性爪(4)(4)間の平坦部の一層の狭小化により、エジェクターピンに直径0.15〜0.20mm程度の極細径のものを使用する必要が生じる。しかしながら、このような極細径のエジェクターピンの使用は、もはや前記のような問題点から実用限界を超え、ひいては従来方法によってかかる超小型の保持器を安定的に生産することは困難である。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決し、小型ないし超小型の合成樹脂製保持器をも、安定的に高い生産性を維持しながら製造しうる新規な製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アキシャルドロータイプの金型を用いた射出成形法による中間成形品の成形工程と、これによって得られた中間成形品の打ち抜き加工による仕上げ工程との組合わせによって上記目的を達成するものである。
【0011】
即ち、請求項1に係る発明は、環状体(1)の一側面に、球面凹部(3)と該凹部(3)の開口周縁から軸線方向に立ち上がった各1対の爪片(4)とで画成されるボール保持用ポケット(2)が、円周方向等配位置に複数個設けられてなる玉軸受用合成樹脂製保持器の製造方法において、
上記環状体(1)の内側に、該環状体(1)の基部内周面に連続し、かつ中央部に離型用のエジェクターピン当接部(11)を有するダミー成形部(10)を一体に射出成形し、金型の開型時に前記エジェクターピン当接部(11)にエジェクターピン(30)を当接して中間成形品(A)を取出す射出成形工程と、
上記により得た中間成形品(A)の前記ダミー成形部(10)を環状体(1)の内周面位置で剪断し除去する打抜き加工工程とよりなることを特徴とする玉軸受用合成樹脂製保持器の製造方法を要旨とする。
【0012】
この製造方法によれば、保持器の隣接する1対の弾性爪(4)(4)間にエジェクターピン当接部のための十分なスペースを確保できないような小型ないし超小型の保持器にあっても、ダミー成形部(10)にエジェクターピン当接部(11)を求めて支障なく射出形成工程を遂行できる。しかもエジェクターピン(30)に太さの太いものを用いて、これを環状体(1)の各成形部分に1本づつ配置すれば良いから、細径ないし極細径のエジェクターピンを装備する場合に較べて、金型の製作も容易であり、その製作コストを削減でき、ひいては保持器の製造コストを低減できる。更に、環状体(1)の内側の中央部にエジェクターピン当接部(11)を設定して、離型時に該部をエジェクターピン(30)で押出すものとしていることにより、環状体(1)の円周方向の全体に均等に離型のための押圧力を及ぼすことができ、離型時に環状体に有害な変形を生じるおそれがなく、成形精度の高い環状体(1)を備えた成形品を得ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明は、前記ダミー成形部(10)を、金型内のスプルまたはランナに相当する成形材料の注入通路によって成形することを特徴とする。
【0014】
これにより、環状体(1)部分の形成用キャビティへの樹脂注入を円滑かつ確実に行うことができ、ダミー成形部(10)の成形のために別途ゲートを必要としないので、成形サイクルの低下を生じることなく、能率的な射出成形を遂行することができると共に、キャビティへの成形材料の充填不足(ショートショット)を生じるおそれもなく、成形精度の高い環状体部分の成形が可能となる。
【0015】
請求項3に係る発明は、図2〜5に示す第1実施例に対応するものであり、前記中間成形品(A)におけるダミー成形部(10)が、外周縁の少なくとも一部が環状体(1)の基部内周面に連続する円盤状ディスク部(12)と、その上面中央部から突出した短柱状突出部(13)とを有し、該突出部(13)の平坦頂面をエジェクターピン当接部(11)に用いて中間成形品(A)の取出しを行うことを特徴とするものである。
【0016】
この具体的方法によれば、射出成形工程における中間成形品(A)の取出しを一層円滑に行うことができるのはもとより、環状体(1)の成形用キャビティに円盤状ディスク部(12)との接続部分による環状ゲート部分を通じて成形材料を注入しうるので、成形される環状体(1)の円周方向に強度上の弱点となるウェルド部を有しないものとすることができると共に、ショートショットの発生も確実に防止できる。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項3の発明における前記円盤状ディスク(12)の下部が環状体(1)の下面より突出して形成され、この突出部により打抜きガイド部(12a)が構成され、打抜き加工工程において該ガイド部(12a)をダイス(20)のダイス孔(20a)に緊密嵌合して位置決めした状態でポンチ(21)によりダミー成形部(10)の打抜きを行うことを特徴とするものである。
【0018】
これにより、打抜き加工工程において、ガイド部(12a)により環状体(1)の径方向の正確な位置決めを行うことができるので、保持器の内周面を高精度に仕上げることができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、図6〜9に示す第2の実施例に対応するものであり、前記中間成形品(A)におけるダミー成形部(10)は、環状体(1)の内側中央部に位置して上方に突出した打抜きガイド用突出部(14)と、該突出部(14)の下端部外周面から外方に向けて放射状に延び外方端が環状体(1)の基部内周面に連続した複数個のランナー部(15)とを有し、前記打抜きガイド用突出部(14)の平坦頂面をエジェクターピン当接部(11)に用いて中間成形品(A)の取出しを行う一方、打抜き加工工程において、同ガイド用突出部(14)をポンチ(21)の先端に設けた位置決め用誘導孔(22)に緊密に嵌合して位置決めした状態で、該ポンチ(21)をダイス(20)に向けて進出させることによりダミー成形部(10)の打抜きを行うことを特徴とするものである。
【0020】
これにより、環状体(1)部分の精度の高い射出成形と、その内周面の仕上がり精度の高い打ち抜き加工とを遂行できる。
【0021】
請求項6に係る発明は、請求項3における短柱状突出部(13)の下部周面、または請求項5における打抜きガイド用突出部(14)の下部周面に、アンダーカット部(13a)(14a)を形成して、金型の開型過程で中間成形品(A)をエジェクターピン(30)を有する側の一方の型内に確実に残存保持せしめるものとしたことを特徴とするものである。
【0022】
これにより射出成形工程において中間成形品(10)のエジェクターピン(30)による取出しを一層円滑かつ確実に遂行しうる。
【0023】
更に、請求項7に係る発明は、請求項3における円板状ディスク部(12)の下面中央、または請求項5における打抜きガイド用突出部(14)の下面中央に、軸線方向に長く延びた柱状ハンドリング部(16)を一体成形することを特徴とするものである。
【0024】
これにより、射出成形後の中間成形品(10)の配向整列操作等を上記ハンドリング部(16)を利用して容易に行うことができ、打抜き加工工程の自動化をも可能にする。
【0025】
請求項8に係る発明は、上記請求項1〜7の発明によって製造された玉軸受用保持器であり、高精度の保持器の比較的廉価な提供を可能にする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の対象とする玉軸受用保持器は、ポリアミド樹脂(66ナイロン等)、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂製のものであり、図1に示すように、円形の環状体(1)の一側面に、ボールの外周面形状に対応した球面凹部(3)と、その開口周縁から軸線方向に立ち上がった各1対の弾性爪(4)(4)とで画成されるボール保持用ポケット(2)が、円周方向等配位置に複数個設けられてなるものである。
【0027】
この保持器は、射出成形工程と、それによって得られた中間成形体のダミー成形部を剪断除去するプレス打抜き加工工程との組合せによって製造される。以下、この製造方法を具体的な図示実施例に基づいて説明する。尚、本明細書において、「上下」の用語は、図1の紙面方向を基準にして用いるものとする。
【0028】
<実施例1>
第1の実施例を図2〜5に示す。
【0029】
(射出成形工程)
先ず、アキシトルドロータイプの金型を用いた射出成形法により、図2に示すような中間成形品(A)を成形する。
【0030】
中間成形品(A)は、前記環状体(1)の内側に、ダミー成形部(10)を一体成形したものとする。
【0031】
ダミー成形部(10)は、外周縁の上部が環状体(1)のポケット底部の基部内周面に連続する円盤状ディスク部(12)と、その上面中央部から突出した短柱状突出部(13)と、同ディスク部(12)の下面中央部から軸線方向に長く突出した僅かにテーパーを有する円柱状のハンドリング部(16)とを有するものとしている。そして上記短柱状突出部(13)の平坦頂面を、離型時の成形品の取出しのためのエジェクターピン当接部(11)とすると共に、同突出部(13)の基端部外周面には、複数個の小径凹部からなるアンダーカット部(13a)が設けられ、開型時に中間成形品(A)を固定側の第1の型内に確実に残存保持せしめうるものとなされている。
【0032】
また、ディスク部(13)は、その下部が環状体(1)の下面より下方に突出され、この突出部をもって後述の打抜き加工工程時のための打抜きガイド部(12a)を構成したものとしている。
【0033】
中間成形品(A)の射出成形に際し、ダミー成形部(10)は、少なくともその一部を環状体成形用キャビティの成形材料の注入通路によって成形するものとする。例えば、この実施例において、ディスク部(12)及び短柱状突出部(13)を、金型内のスプルまたはランナに相当する成形材料の注入通路によって成形するものとする。これにより、ダミー成形部の成形のために別途スプルやランナ、更にはゲートを金型に設ける必要がなく、金型構造の簡素化をはかりうると共に、上記キャビティへの成形材料の確実で円滑な注入を行うことができる。
【0034】
キャビティへの成形材料樹脂の注入充填後、これが固化した時点で、続いて可動側の型を軸線方向に移動して開型する。この際、中間成形品(A)は、アンダーカット部(13a)の存在により確実に固定側の型内に残存保持される。そこで、続いてエジェクターピン(30)を進出作動し、その先端を突出部(13)の平坦頂面によるエジェクターピン当接部(11)に押し当てることにより、弾性爪(4)(4)に弾性変形を生じさせて図3に示すような中間成形品(A)を取出すものとする。
【0035】
(打抜き加工工程)
上記により得られた中間成形品(A)のダミー成形部(10)を、図4に示すようにダイス(20)とポンチ(21)を用いたプレス打抜き加工機により、環状体(1)の内周面位置で剪断し除去する。
【0036】
この際、ダミー成形部(10)におけるディスク部(12)の下方突出部からなる打抜きガイド部(12a)をダイス(20)のダイス孔(20a)に緊密状態に嵌め込むことにより、環状体(1)の中心位置をダイス(20)の中心位置に一致させて位置決めし、この状態でポンチ(21)により、盤状ディスク部(12)を環状体(1)の内周面の位置で剪断し、ダミー成形部(10)を環状体(1)から分離して取除くものとする。ポンチ(21)には、その下面側に短柱状突出部(13)を受け入れるための充分に余裕のある受入れ孔(21a)を形成したものを用いる。
【0037】
上記の打抜き加工工程により、図5に示すように中間成形品(A)からダミー成形部(10)が分離除去された、保持器製品としての環状体(1)を得るものである。
【0038】
<実施例2>
この第2実施例は、図6〜9に示すものであり、前記第1実施例に対してダミー成形部(10)の形状を変更したものである。
【0039】
即ち、中間成形品(A)のダミー成形部(10)は、環状体(1)の内側中央部に位置して環状体(1)より上方に突出した打抜きがガイド用突出部(14)を、該突出部(14)の下端部外周面から外方に向けて放射状に延び外方端が環状体(1)の下部内周面に連続した複数個のランナ部(15)とを有するものとなされている。
【0040】
そして、上記ガイド用突出部(14)の平坦頂面をエジェクターピン当接部(11)とする一方、同突出部(14)の下部外周面が下向きのテーパー状に形成されて、該面によりアンダーカット部(14a)が構成され、また上部外周面が逆に上向きのテーパー状に形成されて、打抜き時の位置決め用誘導部(14b)が構成されたものとされている。
【0041】
従って、この実施例の場合、射出成形工程において、環状体(1)の成形用キャビティへの成形材料の注入充填は、ダミー成形部(10)におけるガイド用突出部(14)及びランナー部(15)を成形する金型内の成形材料注入通路を通じて行うものとする。また開型後の中間成形品(10)の取出しは、図7に示すようにエジェクターピン(30)の先端を上記ガイド用突出部(14)の頂面の当接部(11)に押し当てて型内から蹴り出すことにより行う。
【0042】
更にまた、打抜き加工工程においては、図8に示すように、ポンチ(21)の進出過程で、その先端面に設けられた位置決め用誘導孔(22)にダミー成形部(10)の打抜きガイド用突出部(14)を緊密に嵌合して相対的な位置決めを行ったのち、該ポンチ(21)をダイス(20)側に向けて更に進出作動させ、ランナー部(15)の外方端を環状体(1)の内周面位置で剪断することにより、ダミー成形部(10)の分離除去を行うものである。
【0043】
図9には、このようにして分離された保持器製品としてのポケットを有する環状体(1)、ダミー成形部(10)とを分離状態で示している。
【0044】
この実施例2においては、図6に示すように放射状のランナー部(15)を環状体(1)の各ポケット(2)間の基部内周面に設けることができるので、ポケット底部の肉厚の小さい保持器の場合でも適用可能である。
【0045】
【発明の効果】
請求項1〜6に係る本発明の製造方法によれば、前述したように、冠形保持器の1対の弾性爪間にエジェクターピン当接部のための必要かつ充分なスペースを確保できないような小型ないし超小型の保持器にあっても、支障なく能率的に、かつ高精度に、しかも比較的安価に製造することができる。
【0046】
また、請求項7に係る発明においては、射出成形後の中間成形品の機械的な整列操作や移送等の取扱い操作を、ハンドリング部を利用して容易に行うことができ、ひいては打抜き加工工程の完全自動化を可能にする効果がある。
【0047】
また、請求項8に係る発明は、小型ないし超小型の保持器であっても、高精度のものを安価に提供することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の対象とする合成樹脂製冠形保持器の一般的形状を示す斜視図である。
【図2】第1の実施例の射出成形工程で得られる中間成形品の斜視図である。
【図3】図2の中間成形品をその環状体部分のみを断面にして示した正面図である。
【図4】図3の中間成形品の打抜き加工工程を示す縦断面図である。
【図5】第1の実施例における打抜き加工後の環状体とダミー成形部とを分離状態で示した正面図である。
【図6】第2の実施例の射出成形工程で得られる中間成形品の斜視図である。
【図7】図6の中間成形品をその環状体部分のみを断面にして示した正面図である。
【図8】図7の中間成形品の打抜き加工工程を示す縦断面図である。
【図9】第2の実施例における打抜き加工後の環状体とダミー成形部とを分離状態で示した斜視図である。
【符号の説明】
A・・・中間成形品
1・・・環状体
2・・・ポケット
3・・・球面凹部
4・・・弾性爪
10・・・ダミー成形部
11・・・エジェクトピン当接部
12・・・盤状ディスク部
12a・・・打抜きガイド部
13・・・短柱状突出部
13a・・・アンダーカット部
14・・・打抜きガイド用突出部
14a・・・アンダーカット部
15・・・ランナー部
16・・・ハンドリング部
20・・・ダイス
21・・・ポンチ
Claims (8)
- 環状体(1)の一側面に、球面凹部(3)と該凹部(3)の開口周縁から軸線方向に立ち上がった各1対の爪片(4)とで画成されるボール保持用ポケット(2)が、円周方向等配位置に複数個設けられてなる玉軸受用合成樹脂製保持器の製造方法において、
上記環状体(1)の内側に、該環状体(1)の基部内周面に連続し、かつ中央部に離型用のエジェクターピン当接部(11)を有するダミー成形部(10)を一体に射出成形し、金型の開型時に前記エジェクターピン当接部(11)にエジェクターピン(30)を当接して中間成形品(A)を取出す射出成形工程と、
上記により得た中間成形品(A)の前記ダミー成形部(10)を環状体(1)の内周面位置で剪断し除去する打抜き加工工程とよりなることを特徴とする玉軸受用合成樹脂製保持器の製造方法。 - 前記ダミー成形部(10)を、金型内のスプルまたはランナに相当する成形材料の注入通路によって成形することを特徴とする請求項1に記載の玉軸受用合成樹脂製保持器の製造方法。
- 前記中間成形品(A)におけるダミー成形部(10)は、外周縁の少なくとも一部が環状体(1)の基部内周面に連続する円盤状ディスク部(12)と、その上面中央部から突出した短柱状突出部(13)とを有し、該突出部(13)の平坦頂面をエジェクターピン当接部(11)に用いて中間成形品(A)の取出しを行うことを特徴とする請求項1または2に記載の玉軸受用合成樹脂製保持器の製造方法。
- 前記円盤状ディスク(12)の下部が環状体(1)の下面より突出して形成され、この突出部により打抜きガイド部(12a)が構成され、打抜き加工工程において該ガイド部(12a)をダイス(20)のダイス孔(20a)に緊密嵌合して位置決めした状態でポンチ(21)によりダミー成形部(10)の打抜きを行う請求項3に記載の玉軸受用合成樹脂製保持器およびその製造方法。
- 前記中間成形品(A)におけるダミー成形部(10)は、環状体(1)の内側中央部に位置して上方に突出した打抜きガイド用突出部(14)と、該突出部(14)の下端部外周面から外方に向けて放射状に延び外方端が環状体(1)の基部内周面に連続した複数個のランナー部(15)とを有し、前記打抜きガイド用突出部(14)の平坦頂面をエジェクターピン当接部(11)に用いて中間成形品(A)の取出しを行う一方、打抜き加工工程において、同ガイド用突出部(14)をポンチ(21)の先端に設けた位置決め用誘導孔(22)に緊密に嵌合して位置決めした状態で、該ポンチ(21)をダイス(20)に向けて進出させることによりダミー成形部(10)の打抜きを行う請求項1または2に記載の玉軸受用合成樹脂製保持器およびその製造方法。
- 請求項3における短柱状突出部(13)の下部周面、または請求項5における打抜きガイド用突出部(14)の下部周面に、アンダーカット部(13a)(14a)を形成して、金型の開型過程で中間成形品(A)をエジェクターピン(30)を有する側の一方の型内に確実に残存保持せしめるものとしたことを特徴とする請求項3または5に記載の玉軸受用合成樹脂製保持器およびその製造方法。
- 請求項3における円板状ディスク部(12)の下面中央、または請求項5における打抜きガイド用突出部(14)の下面中央に、軸線方向に長く延びた柱状ハンドリング部(16)を一体成形することを特徴とする請求項3または5に記載の玉軸受用合成樹脂製保持器およびその製造方法。
- 請求項1ないし7のいずれか1に記載の製造方法によって製造された玉軸受用合成樹脂製保持器。
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