JP4347434B2 - アキシアルにフッ素置換基を有する1,3−ジオキサン誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式Iで表わされるアキシアルにフッ素置換基を有する1,3−ジオキサン誘導体に関する。
本発明はまた、一般式Iで表わされる1,3−ジオキサン誘導体の液晶成分としての使用、一般式Iで表わされる少なくとも1種の1,3−ジオキサン誘導体を含有する液晶媒体、およびこのような液晶媒体を含有する液晶表示素子および電気光学表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
1−または4−フルオロシクロヘキサン−1,4−ジイル単位を含有する化合物は、例えばGB2,248,059AおよびEP0,107,759B1に記載されているが、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル単位をさらに含有する化合物はここには開示されていない。
5−フルオロ−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル単位を含有する化合物は、例えば下記の刊行物に記載されているが、これらに記載されている化合物は5−フルオロ−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル単位の2の位置に2個のメチル基を有する化合物である:
【0003】
J.Dubois、C.Foures、S.Bory、S.Falcon、M.GaudryおよびA.MarquetによるTetrahedron(1991)、47(6)、1001〜1012;
EP381,531A2;
T.Ishihara、M.Kuroboshi、K.YamaguchiおよびY.OkadaによるJ.Org.Chem.(1990)、55(10)、3107〜3114;
T.Yamazaki、T.YamamotoおよびT.KitazumeによるJ.Org.Chem.(1989)、54(1)、83〜91。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は液晶媒体の成分として、特にTFTおよびSTNディスプレイ用の液晶媒体の成分として適する新規で安定な液晶化合物またはメソゲン化合物を見出すことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明により下記式Iで表わされるアキシアルにフッ素置換基を有する1,3−ジオキサン誘導体が液晶媒体の成分として格別に適することが見出された:
R1−(A1−Z1)m−W−(Z2−A2)n−R2 I
式中、
Wは、
【化10】
【0006】
【化11】
であり、
n1、n2およびn3はそれぞれ相互に独立して、0または1であり、
【0007】
基
【化12】
でなければならず、そしてこれらの基のもう1つは、同時に
【化13】
でなければならず、
【0008】
【化14】
であり、
n4、n5およびn6はそれぞれ相互に独立して、0または1であり、
【0009】
基
【化15】
でなければならず、
【0010】
R1およびR2はそれぞれ相互に独立して、炭素原子1〜12個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は未置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はまた相互に独立して、ヘテロ原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−により置き換えられていてもよく、
R2はまた、F、ClまたはCNであることができ、
【0011】
A1およびA2はそれぞれ相互に独立して、
a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はまた、−O−および(または)−S−により置き換えられていてもよく、
b)1,4−シクロヘキセニレン基、
c)1,4−フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、
d)1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ピペリジン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルからなる群からの基、
【0012】
であり、上記基a)、b)およびc)はCNまたはFにより置換されていてもよく、
Z1、Z2、Z3およびZ4はそれぞれ相互に独立して、−CO−O−、−O−CO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、そして
mおよびnはそれぞれ相互に独立して、0、1、2または3であり、
n1+n2+n3+m+n=2、3または4であり、そして
n4+n5+n6+m+n=1、2、3または4である。
【0013】
式Iで表わされる化合物は液晶媒体の成分として、特にねじれセルの原理、ゲスト−ホスト効果、整列相の変形の効果(DAP)またはECB(電気的に制御された複屈折)あるいは動的散乱の効果に基くディスプレイ用の液晶媒体の成分として使用することができる。この目的に従来使用されていた物質はいずれも、或る種の欠点、例えば熱、光または電場の作用に対する不適当な安定性、あるいは好ましくない弾性および(または)誘電物性を有する。
式Iで表わされる化合物は液晶媒体の成分として格別に適することがここに見出された。これらの化合物を使用して、安定な液晶媒体、特にTFTまたはSTNディスプレイに適する安定な液晶媒体を得ることができる。これらの新規化合物は、熱に対する高い安定性の点で際立っており、かつまた保持率にかかわり有利な数値を有する。式Iで表わされる化合物は特に、大きい負の誘電異方性値△εを有し、従って整列相の変形の効果に基くディスプレイ用に特に適している。式Iで表わされる化合物はさらにまた、非常に小さい光学異方性値△nおよび好ましい相挙動および良好な粘弾性物性を有する点で際立っている。
【0014】
さらにまた、式Iで表わされる化合物を提供することによって、各種用途の観点から、液晶混合物の調製に適する液晶物質の範囲が非常に一般的に相当に拡大される。
式Iで表わされる化合物は広い用途範囲を有する。置換基を選択することによって、これらの化合物は液晶媒体を主として構成する基材として使用することができる;しかしながら、式Iで表わされる化合物はまた、別の種類の化合物からの液晶基材に添加して、例えばこの種の誘電体の誘電異方性および(または)光学異方性を変えることができ、および(または)そのしきい値電圧および(または)その粘度を最適にすることができる。
式の意味には、式Iで表わされる化合物に結合した化学要素を有する同位体化合物の全部が包含される。
【0015】
式Iで表わされる化合物は純粋な状態で無色であり、そして電気光学用途に対して好ましく位置する温度範囲で液晶中間相を形成する。これらの化合物は化学物質、熱および光に対して安定である。
従って、本発明は式Iで表わされる化合物およびこれらの化合物を液晶媒体の成分として使用することに関する。本発明はまた、式Iで表わされる少なくとも1種の化合物を含有する液晶媒体、およびまたこの種の媒体を含有する液晶表示素子、特に電気光学表示素子に関する。
本明細書の全体をとおして、R1、R2、Z1、Z2、A1、A2、W、m、n、
【化16】
別段の記載がないかぎり、上記定義のとおりである。
【0016】
簡潔にするために、以下の記載において、Cycaは1,4−シクロヘキシレン基を表わし、Cheは1,4−シクロヘキセニレン基を表わし、Dioは1,3−ジオキサン−2,5− ジイル基を表わし、Ditはジチアン−2,5−ジイル基を表わし、Pheaは1,4−フェニレン基を表わし、Pydはピリジン−2,5−ジイル基を表わし、Pyraはピリミジン−2,5−ジイル基を表わし、そしてBcoはビシクロ[2.2.2]オクチレン基を表わすものとする。ここでCycaおよび(または)Pheaは未置換であるか、あるいは置換基として1個または2個以上のFまたはCNを有することができる。
【0017】
本発明による式Iで表わされる化合物は、メソゲン基R1−(A1−Z1−)m−および−(Z2−A2)n−R2 中に環を含有していない下記の付属式I1で表わされる化合物:
R1−W−R2 I1
メソゲン基R1−(A1−Z1−)m−および−(Z2−A2)n−R2中に1個の環を含有する下記の付属式I2〜I5で表わされる化合物:
【化17】
【0018】
メソゲン基R1−(A1−Z1−)m−および−(Z2−A2)n−R2中に2個の環を含有する下記の付属式I6〜I17で表わされる化合物:
【化18】
【0019】
およびメソゲン基R1−(A1−Z1−)m−および−(Z2−A2)n−R2中に3個の環を含有する下記の付属式I18〜I49で表わされる化合物:
【化19】
を包含する。
【0020】
これらの中で、付属式I1、I2、I3、I4、I5、I6、I7、I10、I14およびI16で表わされる化合物は、特に好適な化合物として挙げられる。
付属式I2で表わされる好適化合物には、下記付属式I2aおよびI2bで表わされる化合物が包含される:
【0021】
【化20】
付属式I3で表わされる好適化合物には、下記付属式I3a〜I3cで表わされる化合物が包含される:
【化21】
【0022】
付属式I4で表わされる好適化合物には、下記付属式I4aおよびI4bで表わされる化合物が包含される:
【化22】
付属式I5で表わされる好適化合物には、下記付属式I5a〜I5cで表わされる化合物が包含される:
【化23】
【0023】
付属式I6で表わされる好適化合物には、下記付属式I6a〜I6gで表わされる化合物が包含される:
【化24】
これらの中で、付属式I6a、I6b、I6cおよびI6eで表わされる化合物は、特に好適である。
【0024】
付属式I7で表わされる好適化合物には、下記付属式I7a〜I7hで表わされる化合物が包含される:
【化25】
【0025】
これらの中で、付属式I7a、I7b、I7cおよびI7eで表わされる化合物は、特に好適である。
付属式I10で表わされる好適化合物には、下記付属式I10a〜I10gで表わされる化合物が包含される:
【化26】
これらの中で、付属式I10a、I10b、I10cおよびI10fで表わされる化合物は、特に好適である。
【0026】
付属式I14で表わされる好適化合物には、下記付属式I14a〜I14gで表わされる化合物が包含される:
【化27】
これらの中で、付属式I14a、I14b、I14cおよびI14eで表わされる化合物は、特に好適である。
【0027】
付属式I16で表わされる好適化合物には、下記付属式I16a〜I16hで表わされる化合物が包含される:
【化28】
これらの中で、付属式I16a、I16b、I16cおよびI16eで表わされる化合物は、特に好適である。
【0028】
上記および後記の式で表わされる化合物において、R1およびR2は好ましくは、炭素原子1〜12個を有する未置換の直鎖状アルキル、アルケニル、オキサアルキルまたはオキサアルケニル基である;R1およびR2は特に好ましくは、炭素原子1〜7個を有する未置換の直鎖状アルキル基あるいは炭素原子2〜10個を有する未置換の直鎖状アルケニル基である。アルケニル基は好ましくは、1E−アルケニル、3E−アルケニルまたは4−アルケニルであり、特に好ましくは1E−または3E−アルケニルである。R2は二番目に好ましいものとして、F、Cl、OCF3、OCHF2、CF3、CHF2、OCHFCF3、OCHFCHF2、OCH2CF3、OC2F5、OC3F7、OCF=CHF、OCF2CHFCF3、特にF、OCF3、OCHF2、OCHFCF3またはOCHFCHF2である。
【0029】
A1およびA2は好ましくは、相互に独立して、Phea、Cyca、Che、PydまたPyra、特に好ましくはPhea、CycaまたはCheであり、さらに特に好ましくは、PheaまたはCycaである。
A1およびA2は好ましくは、相互に独立して下記の基である:
【化29】
ここで、各環はまた、逆転した形態であることができる。
【0030】
環A1が1個以上存在する場合、これらの環は同一または相違する意味を有することができる。環A2にも、そしてまた連結器Z1およびZ2にも同じことが当てはまる。
Z1、Z2、Z3およびZ4は好ましくは、相互に独立して、CH2CH2または単結合であり、特に好ましくは単結合である。
mおよびnは好ましくは、相互に独立して、0、1または2であり、特に好ましくは、0または1である。
n1+n2+n3+m+nの合計は好ましくは2または3であり、特に好ましくは2である。
n4+n5+n6+m+nの合計は好ましくは1、2または3であり、特に好ましくは2または3であり、さらに特に好ましくは2である。
下記式1〜17は構造単位Wの特に好適な意味を表わす:
【0031】
【化30】
【0032】
【化31】
【0033】
L1、L2およびL3はそれぞれ相互に独立して、HまたはFである。基L1*、L2*およびL3*の1つはFであり、そして他の基L1*、L2*およびL3*はそれぞれ相互に独立して、HまたはFである。基L1*、L2*およびL3*のうちの2個のみが式中に存在する場合、すなわちL1*とL2*またはL1*とL3*およびL2*とL3*のみが存在する場合、これらの2個の基のうちの一方はFであり、他方はHまたはFである。
これらの構造単位Wの中で、式1〜10で表わされる構造単位は特に好ましい。
式Iで表わされる化合物の全部において、構造単位Wに存在するフッ素原子は、フルオロシクロヘキサンまたは5−フルオロ−1,3−ジオキサン単位においてアキシアル位置に存在する。他の置換基は相互にトランス配置で存在する。この関係は、本発明による下記の好適化合物を引用して例示することができる:
【0034】
【化32】
【0035】
各式中、基L1*およびL2*の一方はFであり、そしてこれらの基の他方はHまたはFであり、そしてyは1または2であり、そしてR1およびR2は請求項1に定義されているとおりである。
R1およびR2がアルキル基および(または)アルコキシ基である場合、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、直鎖状であって、炭素原子2個、3個、4個、5個、6個または7個を有し、従って好ましくは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシまたはヘプトキシであり、さらにまたメチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、メトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシまたはウンデコキシであることができる。
【0036】
オキサアルキルは好ましくは、直鎖状の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニルあるいは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルである。
【0037】
R1およびR2がアルケニル基である場合、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。好ましくは、この基は直鎖状であって、炭素原子2〜10個を有する。従って、この基は特に、ビニル、プロプ−1−または−2−エニル(prop−1−or−2−enyl)、ブト−1−、−2−または−3−エニル、ペント−1−、−2−、−3−または−4−エニル、ヘキシ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−エニル、ヘプト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−エニル、オクト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−または−7−エニル、ノン−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−エニル、あるいはデク−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−または−9−エニルである。
【0038】
R1およびR2がアルケニル基であって、この基中に存在する1個のCH2基が−O−により置き換えられている場合、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、直鎖状であって、炭素原子2〜10個を有する。従って、この基は特に、ビニルオキシ、プロプ−1−または−2−エニルオキシ、ブト−1−、−2−または−3−エニルオキシ、ペント−1−、−2−、−3−または−4−エニルオキシ、ヘキシ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−エニルオキシ、ヘプト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−エニルオキシ、オクト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−または−7−エニルオキシ、ノン−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−エニルオキシあるいはデク−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−または−9−エニルオキシキシあるいは2−オキサブト−3−エニル(ビニルオキシメチル)、2−オキサペント−3−または−4−エニルあるいは3−オキサペント−4−エニル、
【0039】
2−オキサヘキシ−3−、−4−または−5−エニル、3−オキサヘキシ−4−または−5−エニルあるいは4−オキサヘキシ−5−エニル、2−オキサヘプト−3−、−4−、−5−または−6−エニル、3−オキサヘプト−4−、−5−または−6−エニル、4−オキサヘプト−5−または−6−エニルあるいは5−オキサヘプト−6−エニル、2−オキサオクト−3−、−4−、−5−、−6−または−7−エニル、3−オキサオクト−4−、−5−、−6−または−7−エニル、4−オキサオクト−5−、−6−または−7−エニル、5−オキサオクト−6−または−7−エニルあるいは6−オキサオクト−7−エニル、2−オキサノン−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−エニル、3−オキサノン−4−、−5−、−6−、−7−または−8−エニル、4−オキサノン−5−、−6−、−7−または−8−エニル、5−オキサノン−6−、−7−または−8−エニル、6−オキサノン−7−または−8−エニルあるいは7−オキサノン−8−エニル
【0040】
あるいは2−オキサデク−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−または−9−エニル、3−オキサデク−4−、−5−、−6−、−7−、−8−または−9−エニル、4−オキサデク−5−、−6−、−7−、−8−または−9−エニル、5−オキサデク−6−、−7−、−8−または−9−エニル、6−オキサデク−7−、−8−または−9−エニル、7−オキサデク−8−または−9−エニルあるいは8−オキサデク−9−エニル、2−オキサウンデク−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−、−9−または−10−エニル、3−オキサウンデク−4−、−5−、−6−、−7−、−8−、−9−または−10−エニル、4−オキサウンデク−5−、−6−、−7−、−8−、−9−または−10−エニル、5−オキサウンデク−6−、−7−、−8−、−9−または−10−エニル、6−オキサウンデク−7−、−8−、−9−または−10−エニル、7−オキサウンデク−8−、−9−または−10−エニル、8−オキサウンデク−9−または−10−エニルあるいは9−オキサウンデク−10−エニルである。
【0041】
R1およびR2がアルキル基であって、この基中に存在する1個のCH2 基が−O−により置き換えられており、かつまた1個のCH2基が−CO−により置き換えられている場合、これらの基は好ましくは隣接している。従って、これらはアシルオキシ基−CO−O−またはオキシカルボニル基−O−CO−を含有する。これらの基は好ましくは、直鎖状であつて、炭素原子2〜6個を有する。従って、これらの基は特に、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセトキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセトキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセトキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピル、4−(メトキシカルボニル)ブチルである。
【0042】
R1およびR2がアルキル基またはアルケニル基であって、1個のCNまたはCF3により置換されている場合、この基は好ましくは、直鎖状であり、CNまたはCF3による置換は、ω−位置にある。
R1およびR2がアルキル基またはアルケニル基であって、少なくとも1個のハロゲンにより置換されている場合、この基は好ましくは、直鎖状であり、そしてハロゲンは好ましくは、FまたはClである。多置換されている場合、ハロゲンは好ましくは、Fである。生成する基はまた、過フッ素化されている基が包含される。1個の置換基を有する場合、このフッ素または塩素置換基はいずれか所望の位置に存在することができるが、好ましくはω−位置に存在する。
分枝鎖状側鎖基R1およびR2を有する式Iで表わされる化合物は、これらが慣用の液晶基材中で良好な溶解性を有することから、場合により重要であるが、特にこれらが光学活性である場合には、カイラルドーピング剤として重要である。この種のスメクティック化合物は、強誘電性材料の成分として適している。
【0043】
SA相を有する式Iで表わされる化合物は、例えば熱によりアドレスされるディスプレイに適している。
この種の分枝鎖状基は一般に、1個よりも多くない側鎖を有する。好適な分枝鎖状基R1およびR2は、イソプロピル、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、イソブチル(=2−メチルプロピル)、2−メチルブチル、イソペンチル(=3−メチルブチル)、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシおよび1−メチルヘプトキシである。
【0044】
式Iは、これらの化合物のラセミ体および光学的鏡像異性体およびまたその混合物を包含する。
式Iおよびその付属式で表わされる化合物の中で、その分子中に存在する基の少なくとも一つが前記の好適な意味の一つを有する化合物は好ましい化合物として挙げられる。
本発明における式Iで表わされる化合物の若干の非常に特に好適な小さいグループは下記付属式Ia1〜Ih6で表わされる:
【0045】
【化33】
【0046】
【化34】
【0047】
【化35】
【0048】
【化36】
【0049】
L1、L2、L3、La、Lb、LcおよびLdはそれぞれ相互に独立して、HまたはFである。基L1*、L2*およびL3*のうちの1つはFであり、そして他の基L1*、L2*およびL3*はそれぞれ相互に独立して、HまたはFである。基L1*、L2*およびL3*のうちの2つのみが式中に存在する場合、すなわちL1*とL2*またはL1*とL3*またはL2*とL3*が存在する場合、これらの2つの基のうちの一方はFであり、そして他方はHまたはFである。
式Ia1〜Ih6で表わされる化合物の中で、式Ia1〜Ia3、Ib1〜Ib6、Id1およびId2で表わされる化合物は好ましいものとして挙げられる。式Ia1〜Ia3、Ib1〜Ib6、Id1およびId2において、R1およびR2がそれぞれ相互に独立して、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、好ましくは炭素原子1〜7個を有する直鎖状の未置換アルキル基、あるいは炭素原子2〜12個を有するアルケニル基、好ましくは炭素原子2〜10個を有する直鎖状の未置換アルケニル基である化合物は特に好適である。これらのアルケニル基の中で、1E−アルケニル基および3E−アルケニル基は特に好ましいものとして挙げられる。
【0050】
式Iで表わされる化合物は、刊行物(例えばHouben-WeylによるMethoden der Organishen Chemie、Georg-Thieme出版社、Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているようなそれ自体公知の方法により、当該反応に適する公知の反応条件の下に製造することができる。
本明細書には詳細に記載されていないが、それ自体は公知である変法をここで使用することもできる。
出発物質は公知であるか、または公知方法によって製造することができる。所望により、これらの化合物はまた、これらを反応混合物から単離せずに、その代わりにこれらを式Iで表わされる化合物に直ちに変換することによって、その場で生成させることもできる。
本発明による化合物は、例えば下記の反応経路に従い製造することができる:
【0051】
【化37】
経路1
この経路に記載されている反応において、R1−(A1−Z1−)m−は好ましくは、アルキル、アリール、4−アルコキシシクロヘキシルまたは4−アリールシクロヘキシルである。
【0052】
【化38】
経路2
【0053】
【化39】
経路3
【0054】
【化40】
経路4
この経路に記載されている反応において、(Z2−A2)n−R2は好ましくは、アルキル、アルケニルまたはアリールである。
【0055】
【化41】
経路5
【0056】
【化42】
経路6
【0057】
【化43】
経路7
基L1*およびL2*の一方はFであり、そして他方はHまたはFである。
【0058】
【化44】
経路8
基L1*およびL2*の一方はFであり、そして他方はHまたはFである。
【0059】
【化45】
経路9
基L1*およびL2*の一方はFであり、そして他方はHまたはFである。
【0060】
【化46】
経路10
【0061】
【化47】
経路11
基L1*およびL2*の一方はFであり、そして他方はHまたはFである。
【0062】
【化48】
経路12
をNaH/THFおよびセレクトフルオル(Selectfluor)/DMFと反応させることによって、化合物OHC−CHF−(CH2OCH2C6H5)2を製造することもできる。
【0063】
【化49】
経路13
【0064】
基L1*、L2*およびL3*の一つはFであり、そして他の基L1*、L2*およびL3*はそれぞれ相互に独立して、HまたはFである。
好ましい式Iで表わされる化合物は下記のとおりにして製造される:
【0065】
【化50】
経路14
【0066】
【化51】
経路15
【0067】
【化52】
経路16
【0068】
本発明による液晶媒体は好ましくは、本発明による1種または2種以上の化合物以外に、追加の構成成分として、2〜40種、特に4〜30種の成分を含有する。これらの媒体は非常に特に好ましくは、本発明による1種または2種以上の化合物以外に、7〜25種の成分を含有する。これらの追加の構成成分は好ましくは、ネマティックまたはネマティック相形成性(モノトロピックまたはアイソトロピック)物質、特にアゾキシベンゼン化合物、ベンジリデンアニリン化合物、ビフェニル化合物、ターフェニル化合物、フェニルまたはシクロヘキシルベンゾエート化合物、シクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、シクロヘキシル安息香酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル化合物、安息香酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、シクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル化合物、
【0069】
フェニルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルビフェニル化合物、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルシクロヘキシルシクロヘキサン化合物、1,4−ビス−シクロヘキシルベンゼン化合物、4,4´−ビス−シクロヘキシルビフェニル化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−ピリミジン化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−ピリジン化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−ジオキサン化合物、フェニル−またはシクロヘキシル−1,3−ジチアン化合物、1,2−ジフェニルエタン化合物、1,2−ジシクロヘキシルエタン化合物、1−フェニル−2−シクロヘキシルエタン化合物、1−シクロヘキシル−2−(4−フェニルシクロヘキシル)エタン化合物、1−シクロヘキシル−2−ビフェニリルエタン化合物、1−フェニル−2−シクロヘキシルフェニルエタン化合物、ハロゲン化されていてもよいスチルベン化合物、ベンジルフェニルエーテル化合物、トラン化合物および置換ケイ皮酸化合物からなる群からの物質から選択される。これらの化合物中に存在する1,4−フェニレン基はまたフッ素化されていてもよい。
【0070】
本発明による媒体の追加の成分として適する最も重要な化合物は、下記式1、2、3、4および5で表わすことができる特徴を有する:
R´−A−E−R´´ 1
R´−A−COO−E−R´´ 2
R´−A−OOC−E−R´´ 3
R´−A−CH2CH2−E−R´´ 4
R´−A−C≡C−E−R´´ 5
【0071】
式1、2、3、4および5において、AおよびEは同一または異なっていてもよく、それぞれ相互に独立して、−Phe−、−Cyc−、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−Pyr−、−Dio−、−G−Phe−および−G−Cyc−から形成される群からの二価の基およびそれらの鏡像基であり、これらの基において、Pheは未置換の、またはフッ素置換されている1,4−フェニレンであり、Cycはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、Dioは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、そしてGは2−(トランス−1,4−シクロヘキシル)エチル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルである。
【0072】
基AおよびEのうちの一方は、好ましくはCyc、PheまたはPyrである。Eは好ましくは、Cyc、PheまたはPhe−Cycである。本発明による媒体は好ましくは、式1、2、3、4および5において、AおよびEがCyc、PheおよびPyrからなる群から選ばれる化合物から選択される1種または2種以上の成分、および同時に、式1、2、3、4および5において、基AおよびEのうちの一方がCyc、PheおよびPyrからなる群から選ばれ、他方の基が−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−G−Phe−および−G−Cyc−からなる群から選ばれる化合物から選択される1種または2種以上の成分、およびまた任意に、式1、2、3、4および5において、基AおよびEが−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−G−Phe−および−G−Cyc−からなる群から選ばれる化合物から選択される1種または2種以上の成分を含有する。
【0073】
式1、2、3、4および5で表わされる化合物の狭い付属群において、R´およびR´´はそれぞれ相互に独立して、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシまたはアルカノイルオキシである。この狭い付属群を以下でグループAと称し、これらの化合物を付属式1a、2a、3a、4aおよび5aで識別する。これらの化合物の大部分において、R´およびR´´は相互に相違しており、これらの基の一方は通常、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキルである。
【0074】
式1、2、3、4および5で表わされる化合物のもう一つの狭い付属群はグループBとして知られており、これらの化合物において、R´´は、−F、−Cl、−NCSまたは−(O)iH3-(k+1)FkCl1である(ここで、iは0または1であり、そしてk+lは1、2または3である);R´´がこの意味を有する化合物を付属式1b、2b、3b、4bおよび5bで識別する。付属式1b、2b、3b、4bおよび5bで表わされる化合物の中で、R´´が、−F、−Cl、−NCS、−CF3、−OCHF2または−OCF3である化合物は特に好ましい化合物として挙げられる。
【0075】
付属式1b、2b、3b、4bおよび5bで表わされる化合物において、R´は付属式1a〜5aで表わされる化合物について定義されているとおりであり、好ましくはアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキルである。
【0076】
式1、2、3、4および5で表わされる化合物のさらにもう一つの狭い付属群において、R´´は、−CNである;この付属群は下記のグループCとして知られており、この付属群の化合物を対応して、付属式1c、2c、3c、4cおよび5cで表わす。この付属式1c、2c、3c、4cおよび5cで表わされる化合物において、R´は付属式1a〜5aで表わされる化合物について定義されているとおりであり、好ましくはアルキル、アルコキシまたはアルケニルである。グループA、BおよびCの好適化合物に加えて、提案されている他の種々の置換基を有する式1、2、3、4および5で表わされる別の化合物も慣用である。これらの物質の全部は刊行物から公知の方法もしくはその類似方法により得ることができる。
【0077】
本発明による媒体は好ましくは、本発明による式Iで表わされる化合物に加えて、グループAおよび(または)グループBおよび(または)グループCから選択される1種または2種以上の化合物を含有する。本発明による媒体中に存在するこれらのグループからの化合物の重量割合は好ましくは、下記のとおりである:
グループA:0〜90%、好ましくは10〜90%、特に30〜90%、
グループB:0〜80%、好ましくは10〜80%、特に10〜65%、
グループC:0〜80%、好ましくは5〜80%、特に5〜50%。
本発明による特定の媒体中に存在するグループAおよび(または)グループBおよび(または)グループCの成分の重量割合の合計は好ましくは、5%〜90%、特に0%〜90%である。
【0078】
本発明による媒体は好ましくは、本発明による化合物を1〜40%、特に好ましくは5〜30%の割合で含有する。さらに好ましい媒体は、本発明による化合物を40%よりも多い割合で、特に45〜90%の割合で含有する。この媒体は好ましくは、3種、4種または5種の本発明による化合物を含有する。
本発明による媒体は、それ自体慣用の方法により製造することができる。一般に、諸成分を、有利には高められた温度で、相互に溶解する。液晶媒体は適当な添加剤を用いることによって、これらの媒体を従来開示されている全ての型式の液晶表示素子で使用することができるような方法で本発明に従い変性することができる。この種の添加剤は当業者に公知であり、刊行物に詳細に記載されている(H.Kelker/R.HatzによるHandbook of Liquid Crystals,Verlag Chemie,Weinheim,1980)。例えば、着色ゲスト−ホスト系を製造するために多色性染料を添加することができ、誘電異方性、粘度および(または)ネマティック相の配向を変える物質を添加することができる。
【0079】
本特許出願および下記の例において、液晶化合物の構造はいずれも略語で示されており、化学式への変換は以下の表AおよびBに従い行うことができる。基CnH2n+1および基CmH2m+1は全部が、それぞれn個またはm個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である。表B中のコードは自明である。表Aにおいて、基本構造に関する略語のみが示されている。それぞれの場合に、この基本構造に関する略語の後に、−印により分離して、置換基R1、R2、L1およびL2に関するコードが示されている。
【0080】
【表1】
【0081】
表A:
【化53】
【0082】
【化54】
【0083】
【化55】
表B:
【0084】
【化56】
【0085】
【化57】
【0086】
【発明の実施の形態】
下記の例は、本発明を説明しようとするものであって、制限を示すものではない。本明細書全体にわたり、パーセントデータは重量パーセントである。温度は全部が摂氏度で示されている。b.p.は沸点を表わし、m.p.=融点であり、cl.p.=透明点である。さらにまた、C=結晶状態、N=ネマティック相、S=スメクティック相そしてI=アイソトロピック相である。これらの記号間の数値は摂氏度による転移温度である。△nは光学異方性を表わし(589nm、20℃)、そして粘度(mm2/秒)は20℃で測定した。
「慣用の仕上げ処理」は、必要に応じて、水を添加し、この混合物をジクロロメタン、ジエチルエーテル、n−ペンタンまたはトルエンにより抽出し、この有機相を分離採取し、乾燥させ、次いで蒸発させ、この生成物を減圧蒸留により、あるいは結晶化および(または)クロマトグラフイにより精製することを意味する。
【0087】
下記の略語を使用する:
NaH 水素化ナトリウム
TsOH p−トルエンスルホン酸(これはまた、pTsOHの略語で表わされる)
BnBr ベンジルブロマイド
Pd/C 活性炭上のパラジウム
CH3CN アセトニトリル
Et2O ジエチルエーテル
tBu tert−ブチル
ClSi(CH3)3 クロロトリメチルシラン
THF テトラヒドロフラン
【0088】
LiAlH4 水素化リチウムアルミニウム
NEt3 トリエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
Me3SiOTf トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(これはまた、TMSOTfの略語で表わされる)
セレクトフルオル(Selectfluor)
N−フルオロ−N−クロロメチルトリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボレート)
Ph3PCHOCH3 メトキシメチレントリフェニルホスファン
【0089】
例1
工程1:
【化58】
【0090】
NaH 150mmolとTHF 300mlとの混合物を、不活性気体雰囲気下に0℃に冷却させ、次いでTHF 100ml中のジエチルプロピルマロネート(1)110mmolの溶液を滴下して添加する。この混合物を5時間撹拌した後に(0℃で2時間、室温で1時間、次いで40℃で2時間)、0℃〜5℃においてアセトニトリル200ml中のセレクトフルオル129mmolの懸濁液を添加し、次いでさらに12時間撹拌を継続する。この混合物を次いで、慣用の仕上げ処理に付す。クロマトグラフイおよび減圧蒸留により化合物2が得られる。
【0091】
工程2:
【化59】
【0092】
THF 20ml中の化合物2 64mmolの溶液を、不活性気体雰囲気下に−30℃において、LiAlH4 105mmol、トルエン25mlおよびTHF 90mlの混合物に滴下して添加する。この混合物を30℃でさらに20分間、次いで20℃で1.5時間撹拌し、次いで水12ml中の炭酸ナトリウムデカハイドレート101mmolの溶液を用いて加水分解する。この混合物を次いで、慣用の仕上げ処理に付す。クロマトグラフイにより化合物3が得られる。
【0093】
工程3:
【化60】
【0094】
クロロトリメチルシラン80mmolを、不活性気体雰囲気下に温度が30℃以上に上昇しないような速度で、化合物3 29mmol、トリエチルアミン160mmolおよびN,N−ジメチルホルムアミド50mlの混合物に滴下して添加する。この混合物を室温でさらに2時間撹拌し、n−ペンタン100mlを添加し、次いでこの混合物をさらに5分間撹拌し、次いで慣用の仕上げ処理に付す。減圧蒸留し、化合物4を得る。
【0095】
工程4:
【化61】
【0096】
CH2Cl2 20ml中のトランス−4−n−プロピルシクロヘキサンアルデヒド25mmolを、不活性気体雰囲気下に−70℃において、化合物4 20mmol、CH2Cl2 80mlおよびトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート3mmolの混合物に滴下して添加する。この混合物を−70℃で2時間撹拌した後に、ピリジン30mmolを滴下して添加し、この混合物を室温までゆっくり温め、飽和NaHCO3溶液100mlを添加し、この混合物をさらに0.25時間撹拌し、次いで慣用の仕上げ処理に付す。クロマトグラフイおよびヘキサンからの再結晶により化合物5を得る;C 112 I;△ε=−4.3;△n=+0.036。
【0097】
上記例1と同様にして、式I:
R1−(A1−Z1)m−W−(Z2−A2)n−R2 I
で表わされる化合物が製造される:
例2〜97
【0098】
【化62】
【0099】
【化63】
【0100】
【化64】
【0101】
【化65】
【0102】
【化66】
【0103】
【化67】
【0104】
【化68】
【0105】
【化69】
Claims (5)
- 下記式:
R1は、炭素原子1〜12個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は未置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はまた相互に独立して、ヘテロ原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−により置き換えられていてもよく、
R2は、炭素原子1〜12個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は未置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はまた相互に独立して、ヘテロ原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−により置き換えられていてもよく、あるいはF、ClまたはCNである、
で表わされる1,3−ジオキサン誘導体。 - 請求項1に記載の1,3−ジオキサン誘導体の液晶媒体の成分としての使用。
- 少なくとも2種の液晶成分を含有する液晶媒体であって、少なくとも1種の請求項1に記載の1,3−ジオキサン誘導体を含有することを特徴とする液晶媒体。
- 請求項3に記載の液晶媒体を含有することを特徴とする液晶表示素子。
- 請求項3に記載の液晶媒体を誘電体として含有することを特徴とする電気光学表示素子。
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