JP4346797B2 - フリーアクセスフロア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎床面上に碁盤目状に配設された支持脚の上に床パネルを載置して構築されるフリーアクセスフロアに関し、特に、外部からの電磁波の影響を受けて誤動作すると困るような機器(例えば、コンピュータ等の電子機器)を設備するための部屋など、外部の電磁波と遮断された部屋を構築するのに適したフリーアクセスフロアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
短波に属する電磁波は、スチールやアルミニウムに対して反射ないしは吸収される特性があり、スチール製またはアルミニウム製の床パネルを使用したフリーアクセスフロアであれば、電磁波をシールドすることが可能である。しかし、敷設された床パネル同士の間には少なくとも約0.5mm程の隙間があるので、この隙間から電磁波がリークしてしまう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来の不具合に鑑みてなされたものであり、敷設された床パネル同士の間に多少の隙間があっても、その隙間から電磁波がリークする惧れがないフリーアクセスフロアを提供せんとするものである。
尚、本発明では、リークを防止する対象の電磁波として、短波に属する電磁波を想定している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成する本発明のフリーアクセスフロアは、基礎床面上に碁盤目状に配設された支持脚と、その支持脚の支持キャップ部間にわたって載置するように架設される床パネルとで構築されるフリーアクセスフロアであって、前記支持脚の支持キャップ部間に導電性を有するストリンガーを架設すると共に、前記床パネルの外周側壁面には導電性を有する材料でもって当該床パネルの一辺とほぼ同じ長さに形成された導通板を四周にわたって設け、該導通板をその長手方向全長にわたって上記ストリンガーに弾性的に接触させてなる事を特徴としたものである。
この際、床パネルの辺縁部分だけでなく床パネルのコーナー部分における電磁波のリークも防ぐことが出来るように、平面視略十字形状に形成された前記支持脚の支持キャップ部に、断面略門形に形成された前記ストリンガーの端部を被せて連結すると共に、前記支持脚の支持キャップ部の中央部に導電性を有する導通キャップを前記ストリンガーの端部と同一面となるように被せて設け、前記床パネルの外周側壁面に設けた導通板を前記ストリンガーと上記導通キャップとにわたり弾性的に接触させるようにすることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な好適実施例を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明は図示実施例のものに限定されるものではなく、いろいろなバリエーションが考えられる。
【0006】
本発明に係るフリーアクセスフロアは、基本的には従来と同様に、基礎床面上に碁盤目状に配設される支持脚1と、隣接する支持脚1上間にわたって架設状に載置される床パネル2と、隣接する支持脚1間にわたって架設されるストリンガー3とで構築される。
【0007】
支持脚1は、基礎床面上に設置プレート(図示せず)を介して鉛直状に立設される支柱12と、その支柱12の先端部に高さ調節ねじ13でもって高さ調節可能に取付けられる支持キャップ部11とで構成され、基礎床面上に碁盤目状に所定の間隔でもって規則的に配設される。
そして、基礎床面上に碁盤目状に配設されたこれら支持脚1間にわたって、詳しくは隣り合う支持脚1の支持キャップ部11間にわたって、床パネル2が取外し自在に載置状に架設されると共に、ストリンガー3が分離可能に連結架設される。
【0008】
床パネル2は、アルミニウム合金を用いたダイカスト鋳造やスチール板を用いたプレス成形等により、所定大きさの正方形状に形成され、その外周(四周)には隣り合う他の床パネル1と水平に同一面状に突き合わされる支承部21が水平方向に延設され、表面(上面)にはパネル本体と同寸法に形成されたカーペットタイルやリノリウムタイルなどの表面材22が一体的に貼着される。
そして、各床パネル2の四隅コーナー部分が支持脚1の支持キャップ部11で支承され、外周(四周)に張り出した支承部21がストリンガー3の上面部分31で支承される。
【0009】
ちなみに図示実施例では、床パネル2そのもの(パネル本体)はスチール板を用いたプレス成形により形成され、外周(四周)に水平方向に張り出した支承部21におけるストリンガー3との当たりを良くするために、支承部21の外縁にその裏側から表側にわたって塩化ビニル製の回り縁23を表面材22と面一となるように設けてある。
【0010】
また、床パネル2の外周側壁面24、すなわち床パネル2の外周(四周)に水平方向に張り出した支承部21とほぼ直角に交わるように形成された外周側壁面24には、導電性を有する材料で薄い板状に形成された導通板4を設け、その導通板4をストリンガー3の側面部分32に長手方向に沿って弾性的に面接触させるようにする。
【0011】
導通板4は、ステンレス材や銅材等の導電性を有し且つ好ましくは適当な弾性を有する金属材料を用いて、床パネル2の一辺、正確には床パネル2の外周側壁面24の長さとほぼ同じ長さを有する薄い板形状に形成すると共に、ストリンガー3の側面部分32と弾性的に面接触しやすいように、その断面形状において上部を長手方向に沿って断面略くの字形状に屈曲形成してなり、1枚の床パネル2に対して4つある外周側壁面24にそれぞれその長手方向に沿ってタッピングネジ5等で一体的に取付ける。
尚、この導通板4は、導電性が有ればステンレス材や銅材等の金属材に限定されるものではなく、例えば、導電性を有する金属材を練り込んでなるゴム材やプラスチックス材などを帯板形状に形成したものを用いても良い。
【0012】
ストリンガー3は、剛性を有する金属材等を用いて断面略門型に形成され、基礎床面上に碁盤目状に配設された隣り合う支持脚1の支持キャップ部11間にわたって分離可能に連結架設される。
【0013】
一方、支持脚1の支持キャップ部11は、図3に詳しく示した通り、床パネル2のコーナー部分を載承するための載承プレート11’と一体的に平面視略十字形状に形成され、断面略門形に形成されたストリンガー3の端部を被せて連結すると共に、中央部には導電性を有する薄い金属板を用いて平面視略十字形状に形成された導通キャップ6をストリンガー3の端部と同一面となるように被せて設け、床パネル2の外周側壁面24に設けた導通板4をストリンガー3と導通キャップ6とにわたり弾性的に面接触させるようにする。
【0014】
而して、基礎床面上に碁盤目状に配設された隣り合う支持脚1の支持キャップ部11間にわたって予めストリンガー3を架設しておき、隣り合う支持脚1の支持キャップ部11上にわたって床パネル2を載置架設する。すると、床パネル2のコーナー部分が支持脚1の支持キャップ部11で支承されると共に、床パネル2の支承部21がストリンガー3の上面部分31で支承されて、フリーアクセスフロアが敷設構築される。
一方、床パネル2が敷設されると、床パネル2の外周側壁面24に設けた導通板4が、その長手方向全長にわたってストリンガー3の側面部分32に弾性的に面接触すると共に、床パネル2のコーナー部分においてはストリンガー3と導通キャップ6とにわたって弾性的に面接触するようになる。この様にして、床パネル2の四周は、外周側壁面24に一体的に取付けた導電性を有する導通板4を介してストリンガー3及び導通キャップ6と全周にわたって面接触し、床パネル2の側面部分32とストリンガー3及び導通キャップ6との間が導通板4で塞がれ、その結果、隣り合う床パネル2同士の隙間から電磁波がリークするのが防止される。
【0015】
尚、導通板4を、床パネル2の側面部分32ではなくてストリンガー3側に取付けることも考えられるが、相手側(この場合、床パネル2の側面部分32)と弾性的に接触できるようにするために一部を長手方向に沿って断面略くの字形状に屈曲形成すると屈曲した部分がストリンガー3から浮き上がった状態となり、その部分で敷設作業中に作業者が指等を怪我しやすくなるので好ましくない。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係るフリーアクセスフロアは斯様に、基礎床面上に碁盤目状に配設された支持脚間に導電性を有するストリンガーを架設し、床パネルの外周側壁面には導電性を有する導通板を設け、その導通板を上記ストリンガーに長手方向全長にわたって接触させてなるので、敷設された床パネル同士の間に多少の隙間があっても、その隙間から電磁波がリークする惧れがなくなる。
【0017】
しかも、本発明の請求項2記載のフリーアクセスフロアによれば、平面視略十字形状に形成された支持脚の支持キャップ部に、断面略門形に形成されたストリンガーの端部を被せて連結すると共に、支持脚の支持キャップ部の中央部に導電性を有する導通キャップをストリンガーの端部と同一面となるように被せ、床パネルの外周側壁面に設けた導通板を上記ストリンガーと導通キャップとにわたり弾性的に面接触させるようにしたので、床パネルの辺縁部分だけでなく床パネルのコーナー部分における電磁波のリークも防ぐことが出来るようになる。
ちなみに実測データによると、本発明に係るフリーアクセスフロアによれば、通常の床パネルを敷設してなる従来のフリーアクセスフロアとを比較して、10MHzの電磁波を10dBカットすることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施の一例を示す一部切欠して示す平面図。
【図2】 図1の(X)−(X)線に沿う拡大断面図。
【図3】 要部を示す一部切欠斜視図。
【符号の説明】
1:支持脚 11:支持キャップ部
2:床パネル 21:支承部
22:表面材 23:回り縁
24:外周側壁面 3:ストリンガー
31:上面部分 32:側面部分
4:導通板 5:タッピングネジ
6:導通キャップ

Claims (1)

  1. 基礎床面上に碁盤目状に配設された支持脚に床パネルを載置して構築されるフリーアクセスフロアであって、
    前記支持脚間に導電性を有するストリンガーを架設し、前記床パネルの外周側壁面には導電性を有する導通板を設け、該導通板を上記ストリンガーに長手方向に沿って接触させ、
    平面視略十字形状に形成された前記支持脚の支持キャップ部に、断面略門形に形成された前記ストリンガーの端部を被せて連結すると共に、前記支持脚の支持キャップ部の中央部に導電性を有する導通キャップを前記ストリンガーの端部と同一面となるように被せて設け、前記床パネルの外周側壁面に設けた導通板を前記ストリンガーと上記導通キャップとにわたり弾性的に接触させてなることを特徴とするフリーアクセスフロア。
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