JP4346298B2 - パーソナルケア用のリーブオン型組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、トリメチルシリル- アルキルシルセスキオキサン類、特にトリメチルシリル-n- オクチルシルセスキオキサン類(カプリリルトリメチコーン類)を含む、パーソナルケア用のリーブオン型(Leave-on; すなわち、付けたままにするタイプの)組成物に関する。
【0002】
本発明のリーブオン型組成物は向上された美観を有しそして適用後または乾燥後に皮膚上で見えにくい(例えば白色の)残渣を残す。これらは、良好な非油性の皮膚の感じ、向上された塗り性(spreadability) 及び潤滑性、撥水性及び低められた粘着性を供する。
【0003】
上記トリメチルシリル- アルキルシルセスキオキサン類は、スキンケア製品中でウォーターバリヤとして働き、肌の柔らかさと滑らかさを保ち、そしてヘアケア製品中では艶と輝きを高めるために使用される。
【0004】
該リーブオン型組成物は、様々な物理的形態、例えば粉末、懸濁液、エマルション、構造化された固形物、クリーム、軟質固形物、ローション、エアロゾルまたはポンプスプレーの形で使用することができる。
【0005】
【本発明の背景】
シリコーン化合物のレオロジー及び官能的な利点並びに有機相容性は、幅広い種々のパーソナルケア用組成物、例えばスキンクリーム、ローション、発汗抑制剤及び体臭防止剤、カラー化粧料(例えばマスカラ、口紅)、サンケア(suncare) 製品及びヘアコンディショナーなどの組成物中でのそれらの有用性に大いに貢献してきた。
【0006】
様々な特許が、シリコーン化合物、例えばジメチコノール、ポリアルキルシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエステルシロキサン類、ポリエーテルシロキサン類、ポリフルオロシロキサン類、ポリアミノシロキサン類及びこれらの組み合わせに基づく多様なタイプの調合物を開示している。特に、ジメチルシリコーン類(線状及び環状の両方)の使用は、適用中に望ましい官能的利点を供する。非揮発性のシリコーンは、適用後に、望ましい官能的特性を髪及び皮膚に与える。
【0007】
しかし、残念ながら、ジメチルシリコーン類は、化粧料調合物中に使用される多くの有機材料との相容性が限られている。更にこれらは、一般的に水との相容性もない。
【0008】
一般式Me3SiO[Si(Me3SiO)(Ph)O] x SiMe3 (式中xは1〜3である)で表されるフェニルトリメチコーン類は、多くの有機成分と優れた相容性を示す部類のシリコーンである。フェニルトリメチコーン類は、幾つかの目的、すなわち例えば、髪の艶及び輝きを高めたり、皮膚の柔らかさ及び撥水性を向上させるなどの目的で化粧料中に配合される。また、上記のフェニルトリメチコーン類は、化粧料の適用中、増強された塗り性及び潤滑性並びに低減された粘着性をも供する。
【0009】
近年、オルガノシリコーン類の結末(大気、川及び湖)について相当な研究が行われている。
【0010】
フェニル置換基は酸化されるか及び/またはケイ素からホモリティック開裂を起こし、ベンゼン及び/またはフェノールを生成する。これらは双方とも、環境汚染物と考えられている。
【0011】
【本発明の説明】
驚くべきことに、トリメチルシリル- アルキルシルセスキオキサン類が、パーソナルケア用のリーブオン型組成物を調合するのに特に好適であることが本発明者らによって見出された。驚くべきことに、上記のトリメチルシリルアルキルシルセスキオキサン類は、髪の艶と輝きを著しく高め、皮膚の柔らかさ及び撥水性を著しく高めそして優れた塗り性を示す。これらは、適用中、向上された塗り性及び潤滑性並びに低められた粘着性を供する。驚くべきことに、これらの結果は、フェニルトリメチコーン類が為すものよりもかなり良好である。
【0012】
上記トリメチルシリルアルキルシルセスキオキサン類は、エマルションを調合するのに特に有用である。有利なことには、上記トリメチルシリル- アルキルシルセスキオキサン類は、環境に優しく、そして化粧料調合物中に使用される多くの有機材料と優れた相容性を示す。
【0013】
それゆえ、本発明は、以下の式(1)
Me3SiO-[Si(R)(Me3SiO)O] x -SiMe3 (1)
[ 式中、Meはメチルであり、R は6〜18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、そしてxは1〜10の数である]
で表される少なくとも一種のトリメチルシリルアルキルシルセスキオキサンを0.1 〜60重量%の割合で含む、パーソナルケア用のリーブオン型組成物を提供する。
【0014】
式(1) 中のアルキル基Rは、好ましくは6〜14個の炭素原子を有し、特に好ましいものは、n-オクチル基−C8H17 である。式(1) 中のxは、好ましくは1〜4の数であり、特に好ましいものはxが1である化合物である。
【0015】
驚くべきことに、アルコキシシラン類、クロロシラン類、シラノール官能基並びに有機及び/または無機化合物を実質的に含まない式(1) のトリメチルシリルアルキル- シルセスキオキサンが、本発明にとって特に有用であることが判明した。
【0016】
好ましいものは、アルコキシシラン類、クロロシラン類、シラノール官能基並びに有機及び/または無機化合物を3重量%未満、より好ましくは1重量%未満の量でしか含まないトリメチルシリルアルキルシルセスキオキサンである。
【0017】
このような高純度の式(1) のトリメチルシリル- アルキルシルセスキオキサン類は、米国特許第5,932,231 号に記載の方法に従い、純粋なトリメチルクロロシランと6〜18個、好ましくは6〜14個の炭素原子を有する純粋なアルキルトリクロロシランとの混合物を、塩酸約25重量%未満の水性層が生ずるのに十分な量の蒸留水で加水分解し、そして加水分解反応混合物の温度を約90℃未満に維持して、シリコーン中間体を生成し、このシリコーン反応中間体から残留酸を洗い流し、そしてこの洗浄されたシリコーン中間体から共沸蒸留により水を除去して、乾燥されたシリコーン反応中間体を作り、そして酸触媒の存在下に、前記乾燥されたシリコーン反応中間体中のシラノール基を、少なくとも化学量論量のヘキサメチルジシロキサンでトリメチルシリル化することによって製造することができる。
【0018】
米国特許第5,932,231 号に記載される方法の全態様は、本明細書に掲載されたものとする。
【0019】
該リーブオン型組成物は、好ましくは、トリメチルシリルアルキルシルセスキオキサンを約0.1 〜60重量%、より好ましくは0.5 〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%の割合で含む。
【0020】
好ましい態様の一つでは、本発明のリーブオン型組成物は、更に別の揮発性シリコーン誘導体(特に、アルキルヘプタメチルトリシロキサン類、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、シクロメチコーン類、ジメチコーン類、好ましくはこれらの25℃で5センチポイズ以下の粘度を有するものなどのシロキサン)、及び以下の式(2)
(R1)3SiO-[Si(R2)(R3)O]x -[Si(R2)(R2)O]y -OSi(R1)3 (2)
[ 式中、R1は、(C1-C20)- アルキル基であり、R2は、(C1-C4)-アルキル基であり、R3は、(C2-C25)- アルキル基であり、そしてxは、約20〜400 の範囲の数平均値を有し、yは、約0〜約10の範囲の数平均値を有し、そしてx+yは30〜400 の範囲である]
で表される疎水的に変性されたシリコーンまたはこれの混合物を含む。
リーブオン型組成物:
上記トリメチルシリルアルキルシルセスキオキサン類は、幅の広い種々のパーソナルケア用リーブオン型組成物、例えばローション、クリーム、軟膏、ジェル、トニック、スプレー剤、エアロゾル剤、コンディショナー、ハンドローション、ボディーローション、顔面用保湿剤、固形ジェルスティック、サンスクリーン、抗ざ瘡用調合剤、局所鎮痛剤、マスカラ、メークアップ用品、発汗抑制剤及び体臭防止剤などに配合することができる。好ましくは、該リーブオン型組成物は、局所的なスキンケア用組成物、またはヘアケア用組成物である。
好ましい態様としてのエマルション
驚くべきことに、式(1) のトリメチルシリル- アルキルシルセスキオキサンが、エマルション、好ましくはオイル・イン・ウォーター型エマルション、トリプルエマルション及びマイクロエマルションのタイプのリーブオン型組成物を調合するのに特に有用であることがわかった。トリメチルシリルアルキルシルセスキオキサン類、特にカプリリルトリメチコーン類を含むエマルションが、フェニルトリメチコーン類と比較して、滑らかさ、粘着性及び柔軟化性に関してより優れた性能を発揮することが判明した。また、上記トリメチルシリルアルキル- シルセスキオキサン類は、ジメチルポリシロキサン類(ジメチコーン類)と比較して、より優れたエマルション安定性を示す(例A〜E参照)。
【0021】
上記の成果は、純粋な油相と比較した場合にカプリリルトリメチコーン類とフェニルトリメチコーン類が官能的特性が同じであるとする米国特許第5,932,231 号からの教示から見れば非常に驚くべきことである。
【0022】
好ましくは、該リーブオン型組成物は、局所的なスキンケア用組成物であるかまたはヘアケア用組成物である。
局所的スキンケア用組成物:
本発明の局所的化粧料組成物はキャリアを含むことができる。このキャリアは“化粧料学的に及び/または薬理学的に許容可能である”べきであり、これは、上記キャリアが、皮膚に局所適用するのに適しており、良好な美観的性質を有しそして他の成分との相容性があることを意味する。
【0023】
上記のキャリアは、本発明の組成物の約5〜99重量%、より好ましくは約50〜約99重量%、最も好ましくは約85〜95重量%の割合で存在することができる。このキャリアは、幅広い種々の形であることができる。例えば、次のものに限定されないが、オイル・イン・ウォーター型、ウォーター・イン・オイル型、ウォーター・イン・オイル・イン・ウォーター型、及びオイル・イン・ウォーター・イン・シリコーン型のエマルションなどを含むエマルションキャリアが有用である。これらのエマルションは、広範囲の粘度、例えば約100cps〜約200,000cpsの粘度であることができる。またこれらのエマルションは、機械的なポンプ容器を用いてかまたは慣用の噴射剤の使用の下に圧縮エアロゾル容器を用いてスプレー剤の形で適用(デリバリー)することもできる。更に、これらのキャリアは、ムースの形で適用することもできる。他の適当な局所用キャリアには、油、アルコール及びシリコーンなどの無水液状溶媒(例えば、鉱油、エタノール、イソプロパノール、ジメチコーン、シクロメチコーン、及びこれらの類似物); 水性ベースの単一相液状溶媒(例えば、ヒドロアルコール性溶媒系); 及びこれらの無水溶媒及び水性ベースの単一相溶媒の濃縮された形のもの(例えば、適当なガム、樹脂、ワックス、ポリマー、塩、及びこれらの類似物の添加によって、溶媒の粘度が、固形物または半固形物を形成するまで高められたような場合)が包含される。本発明において有用な局所適用キャリアシステムの例は、次の四つの文献に記載されている。すなわち、“Sun Products Formulary” Cosmetics & Toiletries, Vol. 105, pp.122-139 (1990 年12月);“Sun Products Formulary”, Cosmetics & Toiletries, vol.102, pp.117-136 (1987 年3月); 1990年10月2日に発行されたFigueroaらの米国特許第4,960,764 号; 及び1981年3月3日に発行されたフクダらの米国特許第4,254,105 号。なお、これらの文献の内容は全て本明細書に掲載されたものとする。
ヘアケア用組成物:
本発明のヘアケア用組成物は、髪に適用するのに適したキャリアまたはこのよなキャリアの混合物を含み得る。これらのキャリアは、好ましくは、該組成物の約0.5 〜99.5重量%、より好ましくは約1.0 〜99.5重量%、更により好ましくは約5.0 〜98.0重量%の割合で存在する。ここで使用される“髪に適用するのに適した”という表現は、上記キャリアが、髪の美観を損ねることもそれに悪影響を与えることもないか、または地肌を刺激しないことを意味する。
【0024】
本発明のヘアケア用組成物と使用するのに適したキャリアには、ヘアスプレー、ムース、トニック及びジェルの調合に使用されるものが包含される。適当なキャリアの選択は、使用される特定のトリメチルシリルアルキルシルセスキオキサンにも依存し、更にまた調合される製品が、それを適用する表面上に残したままにすることを意図したものかどうかにも依存する(例えば、ヘアスプレー、ムース、トニック、またはジェル)。
【0025】
ここで使用されるキャリアには、ヘアケア用組成物中に慣用される幅広い成分が包含され得る。これらのキャリアは、使用された追加のコポリマーを溶解するかまたは分散させるための溶媒を含み得る。水、(C1-C6)-アルコール及びこれらの混合物が好ましく、特に好ましいアルコールはメタノール、エタノール及びイソプロパノールである。これらのキャリアは、また、広い範囲の種々の追加の材料、例えばアセトン、炭化水素(例えばイソブタン、ヘキサン、デカン)、ハロゲン化された炭化水素[ 例えば、フレオン(Freons)] 、リナロオール及びエステル(例えば、酢酸エチル、フタル酸ジブチル)をも含み得る。該ヘアケア組成物がヘアスプレー、トニック、ジェルまたはムースである場合は、好ましい溶媒には水、エタノール、揮発性シリコーン誘導体及びこれらの混合物が包含される。このような混合物中に使用される溶媒は、各々互いに混和性であるかまたは不混和性であることができる。また、ムース及びエアロゾルヘアスプレーは、その材料を泡として(ムースの場合)または微細な均一なスプレーとして(エアロゾルヘアスプレーの場合)適用するための慣用の噴射剤のうち如何なるものでも利用することができる。適当な噴射剤の例には、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、プロパン、n-ブタンまたはイソブタンなどの材料が包含される。粘度が低いトニックまたはヘアスプレー製品は、乳化剤を利用することもできる。適当な乳化剤の例には、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性、またはこれらの混合物が包含される。特にその製品がヘアスプレー用組成物である場合、とりわけアルコールなどの揮発性有機溶媒を比較的少ない量で含みかつ水を比較的多量(例えば、10重量%を超える割合の水)を含むスプレー用組成物の場合には、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。このような乳化剤が使用される場合は、好ましくはこれは、該組成物の約0.01〜7.5 重量%の割合で存在する。噴射剤の割合は所望の通りに調節することができるが、一般的にはムース組成物の約3〜30重量%、エアロゾルスプレー組成物の約15〜70重量%である。
【0026】
好ましい化粧料学的に及び/薬理学的に許容可能な局所適用キャリアには、ヒドロアルコール性の系及びオイル・イン・ウォーター型のエマルションが包含される。キャリアがヒドロアルコール性の系の場合は、そのキャリアはエタノール、イソプロパノールまたはこれらの混合物を約1〜約50重量%の割合で及び水を約40〜約99重量%の割合で含み得る。より好ましいものは、エタノール、イソプロパノールまたはこれらの混合物を約5〜約60重量%の割合で及び水を約40〜約95重量%の割合で含むキャリアである。特に好ましいものは、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの混合物を約20〜約50重量%の割合で及び水を約50〜約80重量%の割合で含むキャリアである。キャリアがオイル・イン・ウォター型のエマルションである場合は、このキャリアは、これらのエマルションを調製するための通常の賦形成分(excipient incredients) の如何なるものでも含むことができる。これらの局所適用組成物を調合するために有用な追加の成分を更に以下に記載する。
【0027】
乳化剤は、該組成物の種々のキャリア成分を乳化させるために有用であり、そして本発明のコポリマーを可溶化または分散させるためには要求されない。適当な乳化剤には、過去の特許及び他の文献に開示されている幅広い種々の非イオン性、陽イオン性、陰イオン性及び双性イオン性乳化剤の全てが包含され得る。これに関しては、Allured Publishing Corporationから発行された、McCutcheon氏著のDetergent and Emulsifiers, North American Edition (1986); 1991 年4月30日に発行されたCiottiらの米国特許第5,011,681 号; 1983年12月20日に発行されたDixon らの米国特許第4,421,769 号; 及び1973年8月28日に発行された米国特許第3,755,560 号を参照されたい。なお、これらの四文献の内容は全て、本明細書に掲載されたものとする。
【0028】
適当な乳化剤の種類には、グリセリンのエステル、プロピレングリコールのエステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールの脂肪酸エステル、ソルビトールのエステル、ソルビタン無水物のエステル、カルボン酸コポリマー、グルコースのエステル及びエーテル、エトキシル化されたエーテル、エトキシル化されたアルコール、アルキルホスフェート、ポリオキシエチレン脂肪エーテルホスフェート、脂肪酸アミド、アシルラクチレート、石鹸及びこれらの混合物が包含される。
【0029】
適当な乳化剤には、次のものに制限されないが、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20) 、ポリエチレングリコール5ソヤ(soya)ステロール、ステアレス(Steareth)-20 、セテアレス(Ceteareth)-20、PPG-2 メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス-10 、ポリソルベート80、セチルホスフェート、セチルリン酸カリウム、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、グリセリルステアレート、PEG-100 ステアレート、及びこれらの混合物が包含され得る。
【0030】
本発明の組成物は、スキンケア活性成分として親油性の乳化剤を含むこともできる。適当な親油性スキンケア活性成分には、スクシニル化されたモノグリセリドなどのモノグリセリドと混合された二酸、モノステアリルシトレート、グリセリルモノステアレートジアセチルタートレートまたはこれらの混合物からなる陰イオン性食品等級乳化剤が包含される。
【0031】
好ましくは、本発明の組成物は、乳化剤を0.1 〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%、最も好ましくは1〜5重量%の割合で含む。
追加成分:
幅広い種々の追加成分を本発明のリーブオン型組成物に使用することができる。
薬理活性成分:
本発明の組成物、特に局所適用スキンケア組成物は、薬理活性成分を安全でかつ有効な量で含むことができる。本発明の組成物に使用できる薬理活性成分は、好ましくはこの組成物の0.1 〜20重量%、より好ましくは0.1 〜10重量%、最も好ましくは0.1 〜5重量%の割合で存在する。複数種の薬理活性物質の混合物も使用することができる。薬理活性物質の例には以下のものが包含されるが、これらに制限されるものではない:
本発明の組成物中で有用な薬理活性物質には抗ざ瘡活性成分が包含される。本発明で使用するのに好ましい抗ざ瘡活性成分には、角質溶解性物質、例えばサリチル酸、硫黄、乳酸、グリコール酸、ピルビン酸、尿素、レソルシノール、及びN-アセチルシステイン; レチノイド類、例えばレチン酸及びそれの誘導体(例えば、シス及びトランス型); 抗生物質及び抗菌物質、例えば過酸化ベンゾイル、オクトピロックス、エリスロマイシン、亜鉛、テトラサイクリン、トリクロサン、アゼライン酸及びそれの誘導体、フェノキシエタノール及びフェノキシプロパノール、エチルアセテート、クリンダマイシン及びメクロサイクリン; セボスタット類(sebostats) 、例えばフラビノイド類; アルファ及びベータヒドロキシ酸; 及び胆汁酸塩、例えばシムノールスルフェート及びそれの誘導体、デオキシコレート、及びコレートが包含される。ここで好ましく使用されるものは、サリチル酸である。
【0032】
本発明の組成物中で有用な薬理活性物質には鎮痛活性物質も包含される。本発明の組成物に使用するのに好適な鎮痛活性物質には、サリチル酸誘導体、例えばサリチル酸メチル、トウガラシ属の種及び誘導体、例えばカプサイシン及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)が包含される。NSAIDSは、次のカテゴリー、即ちプロピオン酸誘導体; 酢酸誘導体; フェナム酸誘導体(fenamic acid derivatives); ビフェニルカルボン酸誘導体; 及びオキシカム類から選択することができる。これらのNSAIDSは、その全てが、1991年1月15日発行のSunshineらの米国特許第4,985,459 号に十分に記載されている。なお、この米国特許の明細書の全内容は本書に掲載されたものとする。最も好ましいものは、プロピオン酸系のNSAIDS、例えば、次の物に制限されないが、アスピリン、アセタミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン及びブクロキシ酸(bucloxic acid) である。また、ヒドロコルチゾン及びこれの類似物を包含するステロイド系の抗炎症薬も有用である。
【0033】
本発明の組成物中で有用な薬理活性物質には止痒薬も包含される。本発明の組成物に使用するのに好ましい止痒活性物質には、メスジリジン及びトリメプラジンの薬理学的に許容可能な塩が包含される。本発明の組成物に有用な薬理活性物質には麻酔活性物質が包含される。本発明の組成物中に使用するのに好ましい麻酔活性物質には、次の物質、すなわちリドカリン、ブピバカイン、クロルプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン及びプラモキシンの薬理学的に許容可能な塩が包含される。本発明の組成物中で有用な薬理活性物質には、抗菌活性物質(抗バクテリア、抗真菌、抗原虫及び抗ウイルス薬)が包含される。本発明の組成物中に使用するのに好ましい抗菌活性物質には、次の物質、すなわちb-ラクタム薬、キノロン薬、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、トリクロサン、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキシジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クリンダマイシン、エタンブトール、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタミシン、カナマイシン、リネオマイシン(lineomycin)、メタサイクリン、メテナミン、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルミシン、パラモマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ミコナゾール及びアマンファジン(amanfadine)の薬理学的に許容可能な塩が包含される。本発明の組成物に使用するのに好ましい抗菌薬には、塩酸テトラサイクリン、エリスロマイシンエストレート、エリスロマイシンステアレート(塩)、硫酸アミカシン、塩酸ドキシサイクリン、硫酸カプレオマイシン、クロルヘキシジングルコネート、塩酸クロルヘキシジン、塩酸クロルテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシン、塩酸エタンブトール、塩酸メトロニダゾール、塩酸ペンタミジン、硫酸ゲンタミシン、硫酸カナマイシン、塩酸リネオマイシン、塩酸メタサイクリン、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、塩酸ミノサイクリン、硫酸ネオマイシン、硫酸ネチルミシン、硫酸パラモマイシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸ミコナゾール、塩酸アマンファジン、硫酸アマンファジン、トリクロサン、オクトピロックス、パラクロロメタキシレノール、ナイスタチン、トルナフテート及びクロトリマゾールが包含される。
【0034】
また、サンスクリーン剤、例えば2-エチルヘキシルp-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシルN,N-ジメチル-p- アミノベンゾエート、p-アミノ安息香酸、2-フェニルベンズイミダゾール-5- スルホン酸、オクトクリレン(octocrylene) 、オキシベンゾン、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、4,4'- メトキシ-t- ブチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、3-ベンジリデンカンフル、3-(4- メチルベンジリデン) カンフル、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、酸化鉄、及びこれらの混合物も有用である。
【0035】
更に他の有用なサンスクリーン剤は、1990年6月26日に発行されたSabatelli の米国特許第4,937,370 号、及び1991年3月12日に発行されたSabatelli らの米国特許第4,999,186 号に記載されるものである。なおこれらの二つの米国特許明細書の内容は全て本書に掲載されたものとする。これらに開示されるサンスクリーン活性物質は、単一の分子中に、異なる紫外線吸収スペクトルを示す二つの別個の発色団を有する。これらの発色団の一つは、UVB 放射線範囲に主に吸収を示し、そしてもう一つの発色団は、UVA 放射線範囲に強い吸収を示す。これらのサンスクリーン活性物質は、慣用のサンスクリーン剤と比較して、より高い効き目、より広いUV吸収性、より低い皮膚浸透性及びより長く持続する効き目を供する。これらのサンスクリーン剤の特に好ましい例には、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンの4-N,N-(2- エチルヘキシル) メチルアミノ安息香酸エステル、4-ヒドロキシジベンゾイルメタンとの4-N,N-(2- エチルヘキシル) メチルアミノ安息香酸エステル、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)-ベンゾフェノンの4-N,N-(2- エチルヘキシル) メチルアミノ安息香酸エステル、4-(2- ヒドロキシエトキシ) ジベンゾイルメタンの4-N,N-(2- エチルヘキシル)-メチルアミノ安息香酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが包含される。
【0036】
一般的に、上記のサンスクリーン剤は、ここで有用な組成物の約0.5 〜約20重量%の割合で存在することができる。
【0037】
また本発明においては、サンレスタニング(sunless tanning) 活性物質、例えば、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド、インドール類及びそれらの誘導体、並びにこれらの類似物も有用である。これらのサンレスタニング活性物質は、上記のサンスクリーン剤と組み合わせて使用することもできる。
【0038】
他の有用な活性物質には、皮膚漂白(またはライトニング)活性物質が包含され、これには、次のものに制限されないが、ヒドロキノン、アスコルビン酸、コウジ酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムが包含される。
【0039】
ヘアケア用組成物に特に有用な他の有用な活性物質には、抗フケ活性物質、例えば、亜鉛ピリチオン、オクトピロックス、二硫化セレニウム、硫黄、コールタール、及びこれらの類似物が包含される。
【0040】
他の有用な活性物質には発汗抑制活性物質が包含される。ここで使用するのに好適なものは、発汗抑制活性を有する如何なる化合物またはこれらの組成物もしくは混合物からなるものである。収斂性の金属塩は、ここで使用するのに好ましい発汗抑制材料であり、特にアルミニウム、ジルコニウム及び亜鉛の無機及び有機塩、並びにこれらの混合物である。特に好ましいものは、アルミニウム塩及びジルコニウム塩、例えばアルミニウムハロゲン化物、アルミニウムヒドロキシハロゲン化物、ジルコニルオキサイドハロゲン化物、ジルコニルヒドロキシハロゲン化物、及びこれらの混合物である。
【0041】
更に、静菌薬の形の体臭防止活性物質を本発明の組成物に配合することができる。適当な体臭防止性静菌薬には、2,2'- メチレンビス(3,4,6- トリクロロフェノール)、2,4,4'- トリクロロ-2'-ヒドロキシ(ジフェニルエーテル)、フェノールスルホン酸亜鉛、2,2'- チオビス(4,6- ジクロロフェノール) 、p-クロロ-m- キシレノール、ジクロロ-m- キシレノール及びこれらの類似物が包含される。最も好ましいものは、2,4,4'- トリクロロ-2'-ヒドロキシ(ジフェニルエーテル)であり、これは、一般的にはトリクロサンとして知られており、そしてチバガイギー・コーポレーションからIrgasan (イルガサン)DP-300[登録商標] の商標で入手することができる。トリクロサンが使用される場合は、これは該組成物の約0.05〜約0.9 重量%、好ましくは約0.1 〜約0.5 重量%の範囲の割合で存在することができる。他のタイプの静菌薬には、ナトリウムN-ラウロイルサルコシン、ナトリウムN-パルミトイルサルコシン、ラウロイルサルコシン、N-ミリストイルグリシン、カリウムN-ラウロイルサルコシン及びアルミニウムクロルヒドロキシラクテート[Chloracel( クロラセル) の商標でレヘイス(Reheis)・ケミカル・カンパニーから販売されている] が包含される。
コンディショナー:
ここで有用なコンディショニング剤、とりわけヘアケア用組成物に有用なコンディショニング剤には、炭化水素、シリコーン流体及び陽イオン性材料が包含される。
【0042】
上記炭化水素は、直鎖または分枝鎖であることができ、そして約10個〜約16個、好ましくは約12個〜約16個の炭素原子を含むことができる。適当な炭化水素の例は、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカン、及びこれらの混合物である。
【0043】
ここで有用なシリコーン系コンディショニング剤には、環状または線状のポリジメチルシロキサン類、フェニルシリコーン、アルキルフェニルシリコーン類、及びシリコーンコポリール類が包含され得る。線状の揮発性シリコーン類は、一般的に、25℃の温度で約5センチストローク未満の粘度を有し、他方、環状の材料は、約10センチストローク未満の粘度を有する。
【0044】
ここで有用な陽イオン性コンディショニング剤には、第四アンモニウム塩または脂肪アミンの塩が包含される。これらの追加の陽イオン性剤は、ここでは、コンディショニング効果を供する目的で使用され、そして本発明の錯化剤とは別個のものである。好ましい第四アンモニウム塩は、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライドであり、そのアルキル基は12〜22個の炭素原子を有しそして長鎖脂肪酸から誘導される。第四アンモニウム塩の代表例には、ジタロージメチルアンモニウムクロライド、ジタロージメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロライド、及びジ(水素化タロー)アンモニウムクロライドが包含される。ここで有用な他の第四アンモニウム塩は、二陽イオン性物質(dicationics) 、例えばタロープロパンジアンモニウムジクロライドである。また第四イミダゾリニウム塩も有用である。このような材料の例は、(C12-C22) アルキル基を含むイミダゾリニウム塩、例えば1-メチル-1-(ステアロイルアミド) エチル-2- ヘプタデシル-4,5- ジヒドロイミダゾリニウムクロライド、1-メチル-1-(パルミトイルアミド) エチル-2- オクタデシル-4,5- ジヒドロイミダゾリニウムクロライド及び1-メチル-1-(タローアミド)-エチル-2- タロー- イミダゾリニウムメチルスルフェートである。脂肪アミンの塩も有用である。このような化合物の例には、ステアリルアミンヒドロクロライド、ソイアミン(soyamine)ヒドロクロライド、及びステアリルアミンホルメートが包含される。
湿潤剤及び保湿剤:
本発明の組成物は、一種またはそれ以上の湿潤剤または保湿材料を含むことができる。様々なこれらの材料を使用することができ、そして各々、約0.1 〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%、最も好ましくは2〜5重量%の割合で存在することができる。これらの材料には、尿素; グアニジン; グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム塩及び第四アルキルアンモニウム塩); 乳酸及び乳酸塩(例えばアンモニウム塩及び第四アルキルアンモニウム塩); 様々な形のアロエ・ヴェラ(例えばアロエ・ヴェラジェル); ポリヒドロキシアルコール、例えばソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコール及びこれらの類似物; ポリエチレングリコール類; 糖及び澱粉; 糖及び澱粉誘導体(例えばアルコキシル化されたグルコース); ヒアルロン酸; ラクタミドモノエタノールアミン; アセタミドモノエタノールアミン; 及びこれらの混合物が包含される。好ましい湿潤剤及び保湿剤はグリセロール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、及びこれらの混合物である。
【0045】
本発明の組成物は、場合によっては、ポリマー性陽イオン性コンディショニング剤を含んでいてもよい。ポリマー性コンディショニング剤は、本発明の組成物中において、望ましい皮膚感特性を与える点で価値がある。このポリマー性スキンコンディショニング剤は、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜3重量%、特に0.01〜2重量%の割合で存在する。
【0046】
適当なポリマーは、グァーガム、陽イオン性ポリサッカライド、アクリル酸及び/またはメタクリル酸から誘導される陽イオン性ホモポリマー及びコポリマー、陽イオン性セルロース樹脂、四級化されたエチルセルロースエーテル、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドとアクリルアミド及び/またはアクリル酸からなる陽イオン性コポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの陽イオン性ホモポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリレートとアクリルアミドからなるコポリマー、アクリル酸/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミドコポリマー、アミノアルコールの四級化されたビニルピロリドンアクリレートまたは- メタクリレートコポリマー、ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリルアミドからなる四級化されたコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルイミダゾリニウムメトクロライドコポリマー及びポリアルキレン及びエトキシポリアルキレンイミン類、並びにアクリル酸、メタクリルアミジプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及びメチルアクリレートからなるターポリマー、及びこれらの混合物である。
【0047】
本発明の組成物は、約0.1 〜20重量%、好ましくは約1〜15重量%、より好ましくは約2〜約10重量%の割合で、油から誘導された非イオン性界面活性剤またはこれらの複数種のものの混合物を含むこともできる。油から誘導された非イオン性界面活性剤は、本発明の組成物中において、使用中及び使用後に皮膚感上の利点を与えるために価値がある。ここで使用するのに好適な油から誘導された非イオン性界面活性剤には、植物油または動物油から誘導された水溶性皮膚軟化剤、例えばポリエチレングリコール鎖が挿入されたトリグリセリド; エトキシル化されたモノ- もしくはジ- グリセリド; ポリエトキシル化されたラノリン類; 及びエトキシル化されたバター誘導体が包含される。この部類の適当なエトキシル化された油脂には、ポリエチレングリコール、ヤシ脂肪酸グリセリルの誘導体、カプロン酸グリセリルの誘導体、カプリル酸グリセリルの誘導体、獣脂肪酸グリセリルの誘導体、グリセリルパルメート(palmate) の誘導体、ステアリン酸グリセリルの誘導体、ラウリン酸グリセリルの誘導体、オレイン酸グリセリルの誘導体、リシノール酸グリセリルの誘導体、及びトリグリセリド、例えばパーム油、アーモンド油及びコーン油から誘導されるグリセリル脂肪エステルの誘導体、好ましくは獣脂肪酸グリセリル及びヤシ脂肪酸グリセリルの誘導体が包含される。
【0048】
油から誘導される非イオン性界面活性剤のうちで他の適当なものには、次の油、すなわちアーモンド油、ピーナッツ油、米油、小麦麦芽油、アマニ油、ホホバ油、アプリコット種油、クルミ油、パーム実油、ピスタチオ実油、ゴマ種油、ナタネ油、カーデ油、コーン油、桃種油、ケシの種油、パイン油、ひまし油、大豆油、アボガド油、紅花油、ヤシ油、ヘーゼルナッツ油、オリーブ油、グレープシード油及びヒマワリ種油のエトキシル化された誘導体が包含される。
【0049】
本発明方法において有用な組成物は、場合によっては、少なくとも一種の皮膚軟化剤も含むこともできる。適当な皮膚軟化剤の例には、次のものに制限されないが、揮発性または非揮発性のシリコーン油、高分枝度の炭化水素、並びに非極性カルボン酸及びアルコールエステル、及びこれらの混合物が包含される。本発明で有用な皮膚軟化剤は、更に、1990年4月24日に発行されたDeckner らの米国特許第4,919,934 号に記載されている。なお、この米国特許の内容は全て本明細書に掲載されたものとする。
【0050】
典型的には、上記皮膚軟化剤は、合計で、本発明において有用な組成物の約1〜50重量%、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは1〜10重量%の割合で存在することができる。
【0051】
該組成物は、水不溶性ポリアルファオレフィン油、例えば、ブテン、イソプレン、テルペン、スチレンまたはイソブテンのポリマーを追加的に含むことができる。
【0052】
発泡性組成物中に使用するのに好適な他の水不溶性スキンケアまたはヘアケア成分は、液状のポリオールカルボン酸エステルである。
【0053】
本発明で使用される好ましい液状ポリオールポリエステルは、少なくとも四つの脂肪酸基でエステル化されたある種のポリオール、例えばエリトリトール、キシリトール、ソルビトール、グルコース、スクロース、特に糖または糖アルコール、モノサッカライド、例えばキシロース、アラビノース、ジサッカライドからなる。
【0054】
加えて、本発明の組成物は、不溶性の香料または化粧料油もしくはワックスあるいはこれらの混合物を、10重量%まで、好ましくは3重量%までの量で含んでいてもよく、この際、上記の油またはワックスは、25℃の温度で製品のマトリックス中に溶けないという意味で不溶性である。
【0055】
ここで使用するのに好適な不溶性化粧料油及びワックスは、次のもの、すなわち水不溶性シリコーン、例えば非揮発性ポリアルキルまたはポリアリールシロキサンガム及び流体、揮発性環状ポリジメチルシロキサン、ポリアルコキシル化されたシリコーン、アミノ及び第四アンモニウムで変性されたシリコーン、硬質の架橋及び強化されたシリコーン並びにこれらの混合物、(C8-C30)- 脂肪酸の(C1-C24)エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル及びリシノール酸セチル、安息香酸の(C8-C30)エステル、蜜蝋、飽和または不飽和脂肪アルコール、例えばベヘニルアルコール、炭化水素、例えば鉱油、ペトロラタム、スクワラン及びスクワレン、脂肪ソルビタンエステル、ラノリン及び油様ラノリン誘導体、動物性または植物性トリグリセリド、例えばアーモンド油、ピーナッツ油、小麦麦芽油、米油、アマニ油、ホホバ油、アプリコット種油、クルミ油、パーム実油、ピスタチオ実油、ゴマ種油、ナタネ油、カーデ油、コーン油、桃種油、ケシの種油、パイン油、ひまし油、大豆油、アボカド油、紅花油、ヤシ油、ヘーゼルナッツ油、オリーブ油、グレープシード油、ヒマワリ種油、ダイマーまたはトリマー酸の(C1-C24)- エステル、例えばジイソプロピルダイマレート、ジイソステアリルマレート、ジイソステアリルダイマレート及びトリイソステアリルトリマレートから選択することができる。
【0056】
該組成物は、一種またはそれ以上の懸濁剤を含むこともできる。ここで使用するのに好適な懸濁剤には、幾つかの長鎖アシル誘導体材料またはこのような材料の混合物の如何なるものでも包含される。包含されるものは、約16個〜約22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルである。好ましいものは、エチレングリコールステアレート(モノステアレート及びジステアレートの両方)、しかし特に、モノステアレートを約7%未満の量でしか含まないジステアレートである。有用であることが判明した他の懸濁剤は、約16〜22個の炭素原子、好ましくは約16〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドである。好ましいアルカノールアミドは、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド及びステアリン酸モノエタノールアミドステアレートである。
【0057】
本発明の組成物は、不透明化剤または真珠光沢剤を含んでいてもよい。このような材料は、0.01〜5重量%、好ましくは約0.2 〜1.3 重量%の割合で含まれ得る。
【0058】
本発明の組成物に使用するのに好適な不透明化剤/真珠光沢剤には、二酸化チタンTiO2、EUPERLAN(ユパーラン)810(R) ( 登録商標) ; TEGO-PEARL(テゴ- パール) (R) ( 登録商標) ; 長鎖(C16-C22)-アシル誘導体、例えば約16〜約22個の炭素原子及び7個までのエチレンオキシ単位を有する脂肪酸のグリコールもしくはポリエチレングリコールエステル; 約16〜約22個の炭素原子、好ましくは約16〜18個の炭素原子を有する、脂肪酸のアルカノールアミド、例えばステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド及びステアリン酸モノエタノールアミド、及びアルキル(C16-C22) ジメチルオキシド、例えばステアリルジメチルアミンオキシドが包含される。
【0059】
好ましい組成物では、不透明化剤/真珠光沢剤は結晶の形で存在する。非常に好ましい組成物では、不透明化剤/真珠光沢剤は、約0.05ミクロン〜約0.45ミクロン、好ましくは約0.17ミクロン〜約0.3 ミクロンの粒度を有する粒状ポリスチレン分散体であり、このような分散体は、最適なレオロジー及びずり減粘挙動を供する上で好ましい。非常に好ましいものは、スチレンアクリレートコポリマー、及びモートン・インターナショナルから商業的に入手できるOPACFIER(オパクフィヤー)680(R) ( 登録商標) である。
【0060】
該組成物のpHは、好ましくは3〜10、より好ましくは3.5 〜9、特に4.8 〜8、最も好ましくは5〜7である。
【0061】
また、髪の艶と輝きを高める方法も本発明の主題である。この方法は、式(1) :
Me3SiO-[Si(R)(Me3SiO)O] x -SiMe3 (1)
(式中、Meはメチルであり、そしてRは6〜18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、そしてxは1〜10の数である)
で表される少なくとも一種のトリメチル- シリルアルキルシルセスキオキサンを0.1 〜60重量%の割合で含むリーブ- オン型組成物の有効量を髪に適用することを含む。
【0062】
更に別の面では、本発明は、皮膚柔軟性及び皮膚の撥水性を高める方法を提供し、この方法は、以下の式(1)
Me3SiO-[Si(R)(Me3SiO)O] x -SiMe3 (1)
(式中、Meはメチルであり、Rは6〜18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、そしてxは1〜10の数である)
で表される少なくとも一種のトリメチルシリルアルキル- シルセスキオキサンを0.1 〜60重量%の割合で含むリーブオン型組成物の有効量を皮膚に適用することを含む。
【0063】
上記の三種の方法に使用するのに特に好ましい式(1) のトリメチル- シリルアルキルシルセスキオキサンは、本明細書に既に記載したものである。
【0064】
【実施例】
以下の例は、本発明の範囲に含まれる好ましい態様を更に例示するものである。これらの例は、例示的目的のためだけに挙げたものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではなく、本発明は、その趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの変法が可能である。成分は、化学名またはCTFA名によって特定される。
例1: 無水スティック
【0065】
【表1】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 相Aを90〜95℃に加熱する。よく混合する。
2. ゆっくりとした冷却を開始する。混合しそして相Bを加える。
3. 混合しそして40℃まで冷却する。フラグランスを加える。
例2: 巻き毛防止(antifrizz)用ヘアジェル
【0066】
【表2】
Figure 0004346298
製造手順:
1.相Aの各成分を一緒にする。
2.相Bの各成分を一緒にする。
3.カプリルトリメチコーン中でジメチコーンを可溶化する。
4.相A、B及びCを混合する。
5.激しく混合しながら、Sepigel 305 を加え、そして均一で塊状物がない状態になるまで混合する。
6.相Eの各成分を2〜3分内に混合しながら加える。
例3: おむつかぶれ用クリーム
【0067】
【表3】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 相Aを50〜55℃に加熱する。
2. 相Bを80〜85℃に加熱する。
3. ゆっくりと相Aを相Bに乳化添加する。高速で混合して乳化させる。50℃に冷却する。
4. 混合しそして35℃未満まで冷却する。均一化して滑らかなクリームを得る。
5. ゆっくりと混合しながら、フラグランスを加える。3〜5分間混合する。
【0068】
例4: 保湿剤
【0069】
【表4】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 相Aを50〜55℃に加熱する。
2. 相Bを80〜85℃に加熱する。
3. 相Aをゆっくりと相Bに乳化添加する。高速で混合して乳化させる。50℃に冷却する。
4. 混合しそして35℃未満に冷却する。均一化して滑らかなクリームを得る。
5. ゆっくりと混合しながら、フラグランスを加える。3〜5分間混合する。
例5: サンスクリーンクリーム
【0070】
【表5】
Figure 0004346298
製造手順:
1. カルボマーを水中に分散させる。この分散液を75〜80℃に加熱する。グリセリン及び二ナトリウムEDTAを加える。
2. EDTAが溶解した後、混合を続けそして水酸化ナトリウム20%溶液を加える。
3. これは別に、相Cを75〜80℃に加熱する。次いで相(A+B) に加える。
4. 混合を続行しそして40〜45℃に冷却する。
5. ジメチコーンをヘキシルメチコーン中で可溶化する。次いでバッチに加える。
6. 混合を続行しそして35℃に冷却する。相Eの各成分を加える。
7. 均一になるまで混合する。
例6: ウォータープルーフサンスクリーンスプレーミスト
【0071】
【表6】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 水及びエタノールを混合する。デルマクリルをゆっくりと分散させる。透明になるまで混合する。
2. 相Bの各成分を一つずつ加え、透明になるまで混合する。
3. フラグランスを加える。透明になるまで混合する。
【0072】
例7: 発汗抑制クリーム
【0073】
【表7】
Figure 0004346298
製造手順:
1. Aを混合しそして70℃に加熱する。
2. 水を70℃に加熱しそしてAに加える。
3. シリコーン類を加える。
4. フラグランス及び顔料を加える。
例8: 発汗抑制スティック
【0074】
【表8】
Figure 0004346298
製造手順:
1. Aの各成分を約70℃で溶融する。
2. 攪拌しながら、BをAに加える。
3. 約50℃に冷却し、そしてスティック中に詰める。
例9: O/W クリーム
【0075】
【表9】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 相Aを80℃に加熱する。
2. 相Bを80℃に加熱する。
3. 相Bをゆっくりと相Aに加える。高速で混合して乳化させる。
4. 均一化して滑らかなクリームを得る。
例A〜E: カプリリルトリメチコーン類とフェニルトリメチコーン類/ジメチコーン類との比較
例A、B及びC:
例A:カプリリルトリメチコーンを含むスプレー可能な発汗抑制エマルション
【0076】
【表10】
Figure 0004346298
製造手順:
1. Aを約60℃で溶融する。
2. Bを約60℃に加熱する。
3. 攪拌しながらBを1に加える。
4. 35℃でCを1に加える。
例B: フェニルトリメチコーンを含むスプレー可能な発汗抑制エマルション
【0077】
【表11】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 約60℃でAを溶融する。
2. Bを約60℃に加熱する。
3. 攪拌しながらBを1に加える。
4. 35℃でCを1に加える。
例C: ジメチコーンを含むスプレー可能な発汗抑制エマルション
【0078】
【表12】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 約60℃でAを溶融する。
2. Bを約60℃に加熱する。
3. 攪拌しながらBを1に加える。
4. 35℃でCを1に加える。
25℃で二週間貯蔵した後、例A、B及びCの安定性を評価した。例A及びBはなお安定していたが、例Cは相の分離を示した。
【0079】
エマルションA、B及びCの官能的評価は、訓練された官能試験パネルにより行った。粘着性(皮膚上で乾燥させている間の粘着性)及び滑らかさ(乾燥状態での滑らかさ)を、1〜5の評価基準(1=悪い、5=優れている)で評価した。
例A、B及びCの皮膚に対する粘着性及び滑らかさ:
【0080】
【表13】
Figure 0004346298
上記試験の結果、カプリリルトリメチコーン類(例A)は、フェニルトリメチコーン類(例B)及びジメチコーン類(例C)よりも優れた官能的挙動を示した。更に、カプリリルトリメチコーン類(例A)は、ジメチコーン類(C)と比較して優れた相容性を示し、かつ高められた調合物安定性を示した。
例D及びE:
例D: カプリリルトリメチコーンを含むO/W クリーム
【0081】
【表14】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 相Aを80℃に加熱する。
2. 相Bを80℃に加熱する。
3. 相Bを相Aにゆっくりと乳化添加する。高速度で混合して乳化させる。均一化して滑らかなクリームを得る。
例E: フェニルトリメチコーンを含むO/W クリーム
【0082】
【表15】
Figure 0004346298
製造手順:
1. 相Aを80℃に加熱する。
2. 相Bを80℃に加熱する。
3. 相Bを相Aにゆっくりと加える。高速で混合して乳化させる。均一化して滑らかなクリームを得る。
エマルションD及びEの官能評価を、訓練された官能試験パネルにより行った。粘着性(皮膚上で乾燥させている間の粘着性)及び滑らかさ(乾燥状態での滑らかさ)を1〜5の評価基準(1=悪い、5=優れている)で評価した。
皮膚に対する例D及びEの粘着性及び滑らかさ
【0083】
【表16】
Figure 0004346298
上記試験の結果、カプリリルトリメチコーン類は、フェニルトリメチコーン類と比較してスキンクリーム中でも向上された官能評価を示した。

Claims (11)

  1. 式(1)
    Me 3 SiO-[Si(R)(Me 3 SiO)O] x -SiMe 3 (1)
    [ 式中、Meはメチルであり、Rは6〜18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、そしてxは1〜10の数である]
    で表される少なくとも一種のトリメチルシリルアルキル- シルセスキオキサンを0.1 〜60重量%の割合で含み、但し可溶化抑汗剤活性物質は含まない、パーソナルケア用リーブオン型組成物であって、オイル・イン・ウォーター型のエマルションであることを特徴とする前記組成物。
  2. 式(1) 中のRが6〜14個の炭素原子を有するアルキル基であること及び式(1) 中のxが1〜4の数であることを特徴とする、請求項1のリーブオン型組成物。
  3. 式(1) 中のRがn-オクチル基であること及び式(1) 中のxが1であることを特徴とする、請求項1または2のリーブオン型組成物。
  4. 式(1) のトリメチル- シリルアルキルシルセスキオキサンが、アルコキシシラン類、クロロシラン類、シラノール官能基並びに有機及び/または無機化合物を3重量%未満の量でしか含まないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つのリーブオン型組成物。
  5. 式(1) のトリメチル- シリルアルキルシルセスキオキサンが、アルコキシシラン類、クロロシラン類、シラノール官能基並びに有機及び/または無機化合物を1重量%未満の量でしか含まないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つのリーブオン型組成物。
  6. 式(1) のトリメチルシリルアルキル- シルセスキオキサンを0.5 〜10重量%の割合で含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つのリーブオン型組成物。
  7. 式(1) のトリメチルシリルアルキル- シルセスキオキサンを1〜5重量%の割合で含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つのリーブオン型組成物。
  8. 局所的スキンケア製品またはヘアケア製品である、請求項1〜7のいずれか一つのリーブオン型組成物。
  9. 髪の艶及び輝きを高めるための方法であって、以下の式(1) :
    Me3 SiO-[Si(R)(Me 3 SiO)O]x -SiMe 3 (1)
    [ 式中、Meはメチルであり、Rは6〜18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、そしてxは1〜10の数である]
    で表される少なくとも一種のトリメチルシリルアルキルシルセスキオキサンを0.1 〜60重量%の割合で含みかつオイル・イン・ウォーター型のエマルションの形であるリーブオン型組成物の有効量を髪に適用することを含む、上記方法。
  10. 皮膚の柔軟性を高める方法であって、以下の式(1):
    Me3 SiO-[Si(R)(Me 3 SiO)O]x -SiMe 3 (1)
    [ 式中、Meはメチルであり、Rは6〜18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、そしてxは1〜10の数である]
    で表される少なくとも一種のトリメチルシリルアルキルシルセスキオキサンを0.1 〜60重量%の割合で含みかつオイル・イン・ウォーター型のエマルションの形であるリーブオン型組成物の有効量を皮膚に適用することを含む、上記方法。
  11. 皮膚の撥水性を高める方法であって、以下の式(1):
    Me3 SiO-[Si(R)(Me 3 SiO)O]x -SiMe 3 (1)
    [ 式中、Meはメチルであり、Rは6〜18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、そしてxは1〜10の数である]
    で表される少なくとも一種のトリメチルシリルアルキル- シルセスキオキサンを0.1 〜60重量%の割合で含みかつオイル・イン・ウォーター型のエマルションの形であるリーブオン型組成物の有効量を皮膚に適用することを含む、上記方法。
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