JP4345677B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガスと当該排気ガス中に添加した燃料とから生成された改質ガスを吸気経路に供給し得る内燃機関に関する。
従来、排気ガス中に燃料を添加し、これを改質器に担持された改質用触媒で改質反応させて改質ガスを生成する。そして、この改質ガスを吸気経路に供給して混合気と共に燃焼室で燃焼させる内燃機関が知られている。例えば、この種の内燃機関は、下記の特許文献1,2に開示されている。
特開平6−264732号公報 特開平6−2615号公報
ところで、改質器に担持された改質用触媒は、その床温が所定の活性温度(例えば600℃)以上になることにより、改質反応が促進されて改質ガスを生成することができる。
しかしながら、機関始動直後等の機関冷間時においては、改質用触媒が活性温度まで暖められておらず、改質反応が鈍くなるので、十分な改質ガスを生成することができない。また、暖機運転終了後の通常運転時においても、改質用触媒の床温が低下して十分な改質ガスの生成を行えない場合もある。
これが為、そのような改質用触媒の床温が活性温度に達していない状況下においては、燃焼室に改質ガスを導入することができないので、その導入による燃料消費率の向上効果を得ることができない。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、改質用触媒の床温を早期又は即座に少なくとも所定の活性温度まで上昇させ得る内燃機関を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、夫々の気筒から排出された排気ガスを外部に排気する排気経路と、この排気経路を流れる排気ガスの内の少なくとも一部を分流させる排気ガス分流経路と、この排気ガス分流経路内に燃料を供給し得る燃料供給装置と、その排気ガス分流経路の排気ガスと当該排気ガス中に前記燃料供給装置から供給された燃料とを流入させて改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した前記改質ガスを吸気経路に導入する改質ガス導入経路と、その改質器に担持された改質用触媒の床温が前記改質ガスの生成が可能な活性温度域から所定の活性温度境界域まで低下したときに、前記各気筒をリーン燃焼させると共に前記燃料供給装置から燃料を噴射させる制御装置とを備えている。そして、この請求項1記載の発明では、その所定の活性温度境界域について、前記改質ガスを生成可能な温度領域ではあるが、前記制御装置による制御を実行しなければ機関回転数及び負荷に応じた排気ガスの温度低下によって前記床温が不活性温度域まで低下してしまう温度領域であり、且つ、前記制御装置による制御の実行によって前記床温を前記不活性温度域の上限との境界にある所定の活性温度よりも低下させずに前記活性温度域まで上昇させることが可能な温度領域であり、前記所定の活性温度を前記温度領域の下限とし、前記制御装置による制御の不実行によって前記不活性温度域まで低下してしまう前記床温の上限値を前記温度領域の上限としている。
この請求項1記載の発明によれば、改質器に担持された改質用触媒の床温が活性温度に達していないときに、酸素雰囲気のリーンの排気ガスと燃料とが改質器内で酸化反応(燃焼)を起こし、改質用触媒の床温を上昇させることができる。また、この請求項1記載の発明によれば、その床温が活性温度域から外れて活性温度境界域にまで低下した際に、同様の酸化反応によって、その床温を機関運転状態に応じて効率良く活性温度域へと回復させることができる。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の内燃機関において、前記制御装置に、改質用触媒の床温が所定の活性温度以上になったときに各気筒をストイキ燃焼させる機能を設けている。
この請求項2記載の内燃機関によれば、改質用触媒の床温が所定の活性温度以上になった後は、ストイキ燃焼下で効率良く改質ガスを生成することができる。即ち、リーン燃焼のままではリーンの排気ガスと燃料とが改質器内で酸化反応(燃焼)を起こすので、これを酸素雰囲気とならないストイキ燃焼に切り替えることによって、燃料供給装置から供給した全ての燃料を改質反応させることができる。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の内燃機関において、前記改質器に流入する前の前記排気ガス,当該排気ガスと前記燃料との混合気又は前記改質用触媒を加熱可能な加熱手段を設け、前記制御装置に、前記各気筒のリーン燃焼制御と略同時期に前記加熱手段を作動させる機能を設けている。
この請求項3記載の内燃機関によれば、リーンの排気ガスと燃料との酸化反応によって改質用触媒の床温を上昇させるだけでなく、加熱手段を作動させることによって加熱された排気ガス又は混合気で改質用触媒の床温を上昇させることができ、また、改質用触媒の床温を直接上昇させることもできる。これが為、この内燃機関においては、改質用触媒の床温をより早く上昇させることができる。
また、上記目的を達成する為、請求項4記載の発明では、上記請求項1,2又は3に記載の内燃機関において、前記制御装置に、前記排気ガス分流経路内の残存酸素量を算出し、この算出した残存酸素量に基づいて部分酸化反応に最適な空燃比となる前記燃料供給装置からの燃料の噴射量を算出する機能を設けている。
この請求項4記載の内燃機関によれば、排気ガス分流経路の排気ガスと燃料との混合気が改質器内で部分酸化反応を起こすので、改質用触媒の床温を更に早く上昇させることができる。
本発明に係る内燃機関は、改質用触媒の床温を早期又は即座に所定の活性温度まで上昇させることができるので、燃料消費率が向上する。また、改質用触媒の床温が活性温度に達するまでは各気筒をリーン燃焼させるので、HC等の未燃ガスを効果的に低減させることができ、エミッション性能が向上する。
以下に、本発明に係る内燃機関の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る内燃機関の実施例1について説明する。
最初に、本実施例1における内燃機関の構成について図1を用いて詳述する。
本実施例1の内燃機関は、内燃機関本体1と、この内燃機関本体1における第1から第4の気筒1a〜1dに空気を導入する吸気経路2と、その第1から第4の気筒1a〜1dから排出された排気ガスを外部に排出する排気経路3と、燃焼制御を行う電子制御装置(以下「ECU」という。)4とを備えている。
先ず、上記吸気経路2は、外部から空気を導入する吸気通路2Aと、この吸気通路2Aの空気を第1から第4の気筒1a〜1dに分流させる吸気マニホルド2Bとを備えている。
その吸気通路2Aには、吸入空気量を計測するエアフロメータ5と、第1から第4の気筒1a〜1dへの空気の流入量を調節するスロットルバルブ6と、このスロットルバルブ6を動作させるスロットルバルブアクチュエータ6aとが設けられている。ここで、そのエアフロメータ5の計測信号はECU4に出力され、このECU4にて吸入空気量やこれに基づき負荷が算出される。更に、そのスロットルバルブアクチュエータ6aは、ECU4により動作制御される。
また、上記吸気マニホルド2Bにおける夫々の分流通路は、内燃機関本体1に形成された第1から第4の気筒1a〜1dへの各吸気ポート(図示略)と連通しており、その夫々の吸気ポートには、燃料ポンプ7で圧送された燃料タンク8の燃料を噴射する第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dが設けられている。ここで、これら第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dは、ECU4により夫々の燃料の噴射量が制御される。尚、図1においては、図示の便宜上、吸気マニホルド2Bの夫々の分流通路に第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dを配備している。
続いて、上記排気経路3は、第1から第4の気筒1a〜1dから排出された排気ガスを最終的に一つの流路に集合させる所謂4−1タイプの排気マニホルド3Aと、その集合した排気ガスを外部へと排出する排気通路3Bとを備えている。
ここで、本実施例1にあっては上記排気通路3BにA/Fセンサ10が設けられており、このA/Fセンサ10の出力信号がECU4による第1から第4の気筒1a〜1dの空燃比制御に用いられる。
更に、上記排気通路3Bには、触媒装置11と、改質用触媒(例えばロジウム系のもの)を担持した改質器12とが設けられている。本実施例1にあっては、改質器12が図1に示す如く排気通路3Bにおける触媒装置11の上流側に配置されている。
ここで、本実施例1の改質器12は、排気ガスを排気マニホルド3A側から流入させて下流の触媒装置11側に排出させる筒体12aと、この筒体12a内に配備され、内部に改質用触媒が担持された改質室12bとを備えたものであって、この改質室12b内で排気ガスと燃料とから改質ガスを生成するものである。これが為、その改質室12bの中には排気ガスと燃料を導く必要がある。
そこで、先ず、本実施例1にあっては、排気通路3Bを流れる排気ガスの一部を分流させて改質室12bへと導く排気ガス分流通路(排気ガス分流経路)13を設ける。本実施例1の排気ガス分流通路13としては、改質器12の上流側に位置する排気通路3Bと改質室12bの入口側とを連通させて、排気通路3Bを流れる排気ガスの一部を分流させるものを例示する。
また、本実施例1にあっては、その排気ガス分流通路13内に燃料を供給する図1に示す燃料供給装置14を設ける。これにより、排気ガス分流通路13の中に燃料タンク8からの燃料が供給され、その中を流れる排気ガスと共に燃料が改質室12bへと導かれる。ここで、その燃料供給装置14は、ECU4により燃料の噴射量が制御される。
ところで、改質室12bに担持された改質用触媒は、所定の活性温度(例えば600℃)よりも低温になると改質反応が鈍くなり、所望量の改質ガス(水素ガス)を生成することができない。
そこで、本実施例1の改質室12bは、相互に連通する複数の部屋で構成し、その夫々に改質用触媒を担持すると共に夫々の部屋を筒体12a内で所定の間隔を設けて配置することにより、その部屋同士の外壁面の間に排気通路3Bからの排気ガスが流れる排気通路12cを形成している。
即ち、本実施例1の改質器12は、高温の排気ガスの熱を利用して(換言すれば高温の排気ガスの熱と熱交換させて)改質用触媒の昇温を図り、これにより改質反応の活性化を図る構造となっている。
また、本実施例1にあっては、その改質器12にて生成された改質ガスを第1から第4の気筒1a〜1dに導入する改質ガス導入経路を設けている。本実施例1の改質ガス導入経路としては、改質室12bの出口側と吸気通路2Aにおけるスロットルバルブ6の下流側との間を連通させる改質ガス導入通路15が設けられている。
この改質ガス導入通路15には、吸気通路2Aへの改質ガスの導入量を調節する流量調整弁16と、この流量調整弁16を動作させる弁アクチュエータ16aとが設けられている。この弁アクチュエータ16aは、ECU4により動作制御される。
ここで、改質器12から排出された改質ガスや改質反応が行われなかった排気ガスは高温状態にあり、これらがそのまま吸気通路2Aへ導入されると、外部から吸入した空気が温められて第1から第4の気筒1a〜1dへの充填効率が悪化する。
そこで、図1に示す如く改質ガス導入通路15に冷却装置17を設け、これにより、改質器12から排出された改質ガスや排気ガスを冷却させる。例えば、その冷却装置17は、ECU4によりON/OFF制御されるのみならず、その温度がECU4により適宜可変され得るものであってもよい。
以上示した如く構成された内燃機関は、前述したが如くECU4により燃焼制御される。
ところで、本実施例1の改質器12の改質用触媒は、上述したが如く所定の活性温度(例えば600℃)に達することで改質反応が行われるものである。これが為、機関始動直後等の機関冷間時においては、排気ガスの温度が低いので改質用触媒の床温が活性温度に達せず、十分な改質反応が行われない。また、暖機運転終了後の通常運転時においても、改質用触媒の床温が低下する場合もある。
ここで、改質器12の改質室12bに酸素と燃料の混合気が供給されると、この混合気は改質用触媒において酸化反応(燃焼)し、改質室12b内の温度が急激に上昇する。
そこで、本実施例1のECU4は、改質用触媒が所定の活性温度に達していなければ、第1から第4の気筒1a〜1dをリーン燃焼させるように内燃機関本体1の燃焼制御を行い、空気過剰率λ>1となる酸素雰囲気のリーンの排気ガスを改質室12bに供給させる。
一方、改質用触媒が所定の活性温度になっている状態で酸素雰囲気のリーンの排気ガスが改質室12bに供給されると、排気ガス分流通路13に噴射された燃料供給装置14からの燃料の全部又は一部が酸化反応(燃焼)に利用されるので、所望量の改質ガスを生成する為にはより多くの燃料を噴射しなければならない。
これが為、本実施例1のECU4は、改質用触媒が所定の活性温度に達していれば、第1から第4の気筒1a〜1dをストイキ燃焼させるように内燃機関本体1の燃焼制御を行い、空気過剰率λ=1となるストイキの排気ガスを改質室12bに供給させる。
本実施例1にあっては、ECU4がかかる燃焼制御を行う為に、改質用触媒の床温を検出する床温センサ18を改質器12に設けている。
以下、この内燃機関の動作を図2のフローチャートを用いて説明する。
先ず、本実施例1のECU4は、燃料の改質開始条件を満たしているか否かを判定する(ステップST1)。ここでは、改質用触媒の床温が所定の活性温度に達している状態を燃料の改質開始条件とし、このECU4は、床温センサ18の検出信号から得た改質用触媒の床温の情報から燃料の改質開始条件の判定を行う。
このECU4は、燃料の改質開始条件を満たしていれば、即ち、改質用触媒の床温が所定の活性温度に達していれば、内燃機関本体1をストイキ運転させ(ステップST2)、改質器12で改質ガスを生成させる(ステップST3)。
かかる場合、本実施例1のECU4は、A/Fセンサ10の出力信号から求めた排気通路3Bを流れる排気ガスの空気過剰率λに基づいて、スロットルバルブアクチュエータ6a,第1から第4の燃料噴射装置9a〜9d及び弁アクチュエータ16aを制御して、第1から第4の気筒1a〜1dへ流入させる混合気を理論空燃比に設定する。
ここで、ストイキ燃焼を行っている場合の第1から第4の気筒1a〜1dへの改質ガスの導入量は、改質ガスや排気ガスが導入された際のEGR限界によって決められる。これが為、ECU4は、そのEGR限界を考慮した量の改質ガスが第1から第4の気筒1a〜1dに導入されるよう弁アクチュエータ16aを制御して、流量調整弁16の弁開度を調節する。
これにより、第1から第4の気筒1a〜1dにおいてストイキ燃焼が行われ、排気通路3Bに空気過剰率λ=1となるストイキの排気ガスが排出される。
ここで、その排気通路3Bには排気ガス分流通路13が設けられているので、その排気通路3Bを流れるストイキの排気ガスは、その一部が排気ガス分流通路13に流入する。
そこで、上記ステップST3において、本実施例1のECU4は、燃料供給装置14を制御して排気ガス分流通路13に燃料を噴射させ、ストイキの排気ガスと共に燃料を改質器12の改質室12bへと流入させる。
一方、排気通路3Bにおける残りの排気ガスは、改質器12に流入して排気通路12cを流れ、触媒装置11側へと排出される。
これが為、その排気通路12cを流れる排気ガスにより改質室12bの改質用触媒が少なくとも活性温度を維持し、その改質室12bに流入したストイキの排気ガスと燃料の混合気に吸熱反応が起こって改質ガスが生成される。
例えば、その排気ガスが「7.6CO2+6.8H2O+40.8N2」で、そのガソリン燃料が「C7.613.6」である場合の吸熱反応は、
1.56(7.6CO2+6.8H2O+40.8N2)+3(C7.613.6)+984.8kcal→31H2+34.7CO+63.6N2
で表される。
即ち、かかる場合の吸熱反応によれば、3モルの上記ガソリン燃料から31モルの水素ガスと34.7モルの一酸化炭素ガスが生成される。
その改質器12で生成された改質ガスは、残存した排気ガスと共に改質ガス導入通路15から吸気通路2Aに導入され、外部からの吸入空気及び第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dの噴霧燃料からなる混合気と共に第1から第4の気筒1a〜1dに流入して燃焼する。
本実施例1の内燃機関にあっては、このように改質用触媒が所定の活性温度に達していれば改質ガスが生成され、この改質ガスと排気ガスとを第1から第4の気筒1a〜1dに導入して燃焼させることにより種々の効果を奏することができる。
即ち、排気ガスの第1から第4の気筒1a〜1dへの導入によって、ポンプ損失や冷却損失が低減され、更には比熱比が増大するので、トルクの向上や燃料消費率の低減が可能になる。
その一方で、排気ガスの導入は、燃焼温度や燃焼速度の低下による燃焼変動を増大させ、また、第1及び第4の気筒1a,1dと第2及び第3の気筒1b,1cとの間でトルク変動を生じさせる可能性がある。しかしながら、本実施例1にあっては排気ガスと共に改質ガス(特に水素ガス)をも導入している為、燃焼時の発熱量が増加し、急速燃焼が可能になるので、ノッキングの改善やリーン限界の拡大を図ることができる。そして、これにより燃料消費率が改善されると共に、トルク変動を低下させることができる。
更に、この本実施例1の内燃機関によれば、排気ガス分流通路13の排気ガスを酸素雰囲気とならないストイキ燃焼ガスにするよう第1から第4の気筒1a〜1dをストイキ燃焼させているので、このストイキの排気ガスに添加した燃料を全て改質ガスの生成に使用することができる。そして、これが為、この内燃機関は、改質ガスを生成する為に余分な燃料を排気ガス分流通路13へと供給せずとも済むので、燃料消費率の低減を図ることができる。
続いて、上記ステップST1にて燃料の改質開始条件を満たしていなければ、即ち、改質用触媒の床温が所定の活性温度に達していなければ、このECU4は、A/F(空燃比)がリーンか否かを判定する(ステップST4)。ここで、本実施例1にあってはA/Fセンサ10が排気通路3Bに設けられているので、そのA/Fセンサ10の出力信号を用いてリーンか否かの判定を行う。かかる場合、理論空燃比(A/F≒14.7)よりも空燃比が希薄(空気過剰率λ>1)であればリーンと判定しても良く、また、所定の空燃比(例えばA/F≧20)であるときにリーンと判定するように設定しても良い。
このステップST4にてリーンでないとの判定がなされた場合、ECU4は、第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dの燃料噴射量を減量させる(ステップST5)。例えば、ここでは、予め設定されている所定量の燃料を減量させる。そして、このECU4は、上記ステップST4に戻り、再びA/F(空燃比)がリーンか否かを判定する。ここで、再びリーンでないとの判定がなされた場合には、リーンとの判定が為されるまで上記ステップST5の減量動作と上記ステップST4の判定動作を繰り返す。
そのステップST4にてリーンとの判定がなされた場合、ECU4は、燃料供給装置14から排気ガス分流通路13に燃料を噴射する(ステップST6)。例えば、ここでは、予め設定されている所定量の燃料を噴射させる。
これにより、その燃料は、排気ガス分流通路13に分流したリーンの排気ガスと共に改質器12の改質室12bへと流入する。そして、その燃料とリーンの排気ガスの混合気が改質用触媒において酸化反応(燃焼)し、改質室12b内の温度を上昇させる。その酸化反応の後、改質室12b内の排気ガス等は、改質ガス導入通路15や吸気通路2A等を経て第1から第4の気筒1a〜1dに流入する。
そして、ECU4は、上述したステップST1に戻って再び燃料の改質開始条件を満たしているか否かを判定し、改質開始条件を満たしていれば、上記ステップST2,ST3の如く第1から第4の気筒1a〜1dをストイキ燃焼に切り換えて改質ガスを生成させる。一方、改質開始条件を満たしていなければ、改質開始条件を満たすまで上記ステップST4〜ST6の処理を繰り返す。
このように、本実施例1の内燃機関によれば、改質用触媒が活性温度に達していない場合に、早期又は即座に改質用触媒の床温を上昇させることができ、早期又は即座に改質ガスの生成を行うことが可能になる。特に、機関冷間時であっても改質ガスを生成することができるので、機関始動直後からの燃料消費率の向上を図ることができる。
また、改質用触媒の床温が活性温度に達するまでは第1から第4の気筒1a〜1dをリーン燃焼させるので、これによる燃料消費率の低減と共にHC等の未燃ガスを効果的に低減させることができ、エミッション性能をも向上させることができる。特に、そのエミッション性能の向上効果は、機関冷間時において顕著に現れる。
次に、本発明に係る内燃機関の実施例2について説明する。
前述した実施例1の内燃機関は、ステップST5においては予め設定された一定量の燃料を減量させている。しかしながら、これでは一回の減量でA/Fをリーンにすることができない場合があり、かかる場合には、改質用触媒の床温を活性温度に上昇させるまでに無用な時間を要してしまうことになる。
また、その実施例1の内燃機関は、ステップST6においては予め設定された一定量の燃料を噴射させている。しかしながら、これでは改質用触媒の床温が活性温度に達するまでにステップST4〜ST6の処理が必要以上に繰り返される場合があり、かかる場合には、その活性温度に至るまでに無用な時間を要してしまうことになる。
そこで、本実施例2にあっては、排気通路3Bを流れる排気ガスの空気過剰率λに基づいて酸素不足量を算出し、この酸素不足量基づいてA/Fが一度でリーンとなる為の第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dにおける燃料噴射量の減少量を算出する機能をECU4に設ける。
更に、本実施例2にあっては、排気通路3Bを流れる排気ガスの空気過剰率λに基づいて酸素過剰量を算出し、この過剰な酸素を全て酸化反応(燃焼)させ得る燃料供給装置14から燃料供給量を算出する機能をECU4に設ける。
以下、この内燃機関の動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、本実施例2のECU4は、実施例1と同様に燃料の改質開始条件を満たしているか否かを判定する(ステップST11)。
ここで、その燃料の改質開始条件を満たしていれば、このECU4は、実施例1と同様に、内燃機関本体1をストイキ運転させ(ステップST12)、改質器12で改質ガスを生成させる(ステップST13)。
また、その燃料の改質開始条件を満たしていなければ、このECU4は、実施例1と同様にA/F(空燃比)がリーンか否かを判定する(ステップST14)。
このステップST14にてリーンでないとの判定がなされた場合、ECU4は、A/Fセンサ10の出力信号から得た空気過剰率λに基づいて理論空燃比に対する酸素不足量を算出する(ステップST15)。
そして、このECU4は、その酸素不足量に基づいてA/Fが一度でリーンとなる為の第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dにおける燃料噴射量の減少量を算出し、この減少量分だけ第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dの燃料噴射量を減量させる(ステップST16)。しかる後、このECU4は、上記ステップST4に戻り、念の為、再びA/F(空燃比)がリーンか否かを判定する。
また、上記ステップST14にてリーンとの判定がなされた場合、ECU4は、A/Fセンサ10の出力信号から得た空気過剰率λに基づいて理論空燃比に対する酸素過剰量を算出する(ステップST17)。
そして、このECU4は、その酸素過剰量に基づいて、この過剰な酸素を全て酸化反応(燃焼)させ得る量の燃料供給量を算出し、この燃料供給量を燃料供給装置14から噴射させる(ステップST18)。
これにより、その燃料は、排気ガス分流通路13に分流したリーンの排気ガスと共に改質器12の改質室12bへと流入し、その燃料とリーンの排気ガス中の全酸素成分が改質用触媒において酸化反応(燃焼)して改質室12b内の温度を上昇させる。
そして、ECU4は、上述したステップST11に戻って再び燃料の改質開始条件を満たしているか否かを判定し、改質開始条件を満たしていれば、上記ステップST12,ST13の如く第1から第4の気筒1a〜1dをストイキ燃焼に切り換えて改質ガスを生成させる。一方、改質開始条件を満たしていなければ、改質開始条件を満たすまで上記ステップST14〜ST18の処理を繰り返す。
このように、本実施例2の内燃機関によれば、改質用触媒が活性温度に達していない場合に、実施例1と比して、より早期又は即座に改質用触媒の床温を上昇させることができ、より早期又は即座に改質ガスの生成を行うことができる。これが為、実施例1以上の燃料消費率の向上が可能になる。
また、本実施例2においても実施例1と同様のエミッション性能の向上を図ることができる。
次に、本発明に係る内燃機関の実施例3について説明する。
本実施例3の内燃機関は、前述した実施例1の内燃機関に改質器12の改質用触媒の昇温を図り得る図4に示すヒータ等の加熱手段19を設け、この加熱手段19をECU4により適宜作動させることで改質用触媒の更なる早期活性化を図ったものである。
本実施例3にあっては、その加熱手段19を排気ガス分流通路13における改質室12bの入口近傍に配設する。
例えば、この加熱手段19が改質室12bに担持されている入口近傍の改質用触媒と接するように配置されていれば、加熱手段19の作動に伴って改質室12bの入口近傍における改質用触媒が直接加熱される。かかる場合、更に、改質室12bへと流入する前の排気ガス分流通路13の排気ガス又は当該排気ガスと燃料供給装置14から噴射された燃料との混合気が加熱され、この温度上昇した排気ガス又は混合気によっても改質用触媒の加熱が行われる。
また、この加熱手段19が改質室12bの入口近傍における改質用触媒との間に間隙を有するものであれば、加熱手段19の作動に伴って改質室12bへと流入する前の排気ガス分流通路13の排気ガス又は上述した混合気が加熱され、この温度上昇した排気ガス又は混合気によって改質用触媒が加熱される。
以下、この本実施例3の内燃機関の動作を図5から図7のフローチャートを用いて説明する。尚、ここでは、上述した改質室12bの入口近傍の改質用触媒と接するよう配置された加熱手段19について例示する。
先ず、本実施例3のECU4は、実施例1と同様に燃料の改質開始条件を満たしているか否かを判定する(ステップST21)。ここでも、改質用触媒の床温が所定の活性温度に達している状態を燃料の改質開始条件とし、このECU4は、床温センサ18の検出信号から得た改質用触媒の床温の情報から燃料の改質開始条件の判定を行う。
ここで、このECU4は、燃料の改質開始条件を満たしていれば、ヒータOFFフラグを立てる(ステップST22)。尚、このステップST22においては、加熱手段19が既に作動していれば、その加熱手段19の加熱動作が停止する。しかる後、このECU4は、実施例1と同様に内燃機関本体1をストイキ運転させ(ステップST23)、改質器12で改質ガスを生成させる(ステップST24)。
一方、このECU4は、上記ステップST21にて燃料の改質開始条件を満たしていないとの判定結果であれば、ヒータONフラグを立てて加熱手段19を作動させる(ステップST25)。
これにより、その加熱手段19は、改質器12における改質室12bの入口近傍の改質用触媒を加熱し、かかる部位の床温を上昇させる。また、その際、排気ガス分流通路13の排気ガスが加熱手段19で加熱されて改質室12bへと流入するので、その加熱された排気ガスによっても改質用触媒の床温が上昇していく。これが為、改質室12bに担持されている改質用触媒の床温,特に、改質室12bの入口近傍における改質用触媒の床温が上昇する。
ここで、その加熱手段19は、作動させた際に、少なくとも改質室12bの入口近傍における改質用触媒の床温が活性温度に達するだけの熱量を発生させるものであることが好ましく、本実施例3にあってはその入口近傍における改質用触媒の床温が活性温度にまで達する。
本実施例3のECU4は、上記の如き加熱手段19の作動と略同時期にA/F(空燃比)がリーンか否か判定し(ステップST26)、リーンでないとの判定結果の場合、実施例1と同様に、第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dの燃料噴射量を減量させて(ステップST27)、リーンとの判定が為されるまでステップST26,ST27の動作を繰り返す。
そして、本実施例3のECU4は、上記ステップST26にてリーンとの判定がなされると、実施例1と同様に燃料供給装置14から排気ガス分流通路13へと燃料を噴射する(ステップST28)。
これにより、その燃料が排気ガス分流通路13を流れるリーンの排気ガスと混合されて改質器12の改質室12bへと流入する。その際、その燃料とリーンの排気ガスの混合気は、加熱手段19で活性化されている改質室12bの入口近傍の改質用触媒において酸化反応(燃焼)が促進される。これが為、改質器12においては、改質室12b内の温度が上昇し、改質室12bに担持されている改質用触媒の全体の床温が実施例1よりも早く上昇していく。その改質室12b内の排気ガス等は、酸化反応の後、改質ガス導入通路15や吸気通路2A等を経て第1から第4の気筒1a〜1dに流入する。
しかる後、本実施例3のECU4は、上述したステップST21に戻って再び燃料の改質開始条件を満たしているか否かを判定し、改質開始条件を満たしていれば、上記ステップST22にて加熱手段19を停止させ、ステップST23,ST24の如く第1から第4の気筒1a〜1dをストイキ燃焼に切り換えて改質ガスを生成させる。一方、改質開始条件を満たしていなければ、改質開始条件を満たすまで加熱手段19を作動させたまま上記ステップST26,ST28の処理を繰り返す。
このように、本実施例3の内燃機関によれば、加熱手段19による改質用触媒の床温の上昇と上述したリーンの排気ガス及び燃料の混合気の酸化反応による改質用触媒の床温の上昇とを併用するので、その改質用触媒が活性温度に達していない場合に、実施例1よりも早期又は即座に改質用触媒全体の床温を活性温度まで上昇させることができ、より早い段階で改質ガスを生成することができる。
特に、機関冷間時であっても改質ガスをより早い段階で生成することができるので、その改質ガスの第1から第4の気筒1a〜1dへの導入に伴って吸気が暖機され、その第1から第4の気筒1a〜1dにおける混合気の形成が良好になり燃焼が安定する。これが為、機関始動直後における燃料消費率を向上させることができる。
また、改質用触媒の床温が活性温度に達するまでは第1から第4の気筒1a〜1dをリーン燃焼させるので、これによる燃料消費率の低減と共にHC等の未燃ガスを効果的に低減させることができ、エミッション性能をも向上させることができる。特に、そのエミッション性能の向上効果は、機関冷間時において顕著に現れる。
ここで、上述したステップST28においては、以下の如く燃料供給装置14からの燃料噴射量を求めて排気ガス分流通路13へと供給してもよい。
先ず、ECU4は、図6のフローチャートに示す如く、A/Fセンサ10の出力信号から得た排気通路3Bを流れるリーンの排気ガスの空気過剰率λに基づいて、そのリーンの排気ガスの酸素過剰量(理論空燃比に対する酸素過剰量)を算出する(ステップST28A)。尚、その排気通路3Bを流れるリーンの排気ガスの酸素過剰量は、排気ガス分流通路13を流れるリーンの排気ガスの酸素過剰量,換言すれば、その排気ガス分流通路13の残存酸素量と同値である。
しかる後、このECU4は、算出した酸素過剰量に基づいて、改質室12bに流入する混合気が部分酸化反応に最適なA/F(≒6)となるような燃料の噴射量を算出し(ステップST28B)、その噴射量の燃料を燃料供給装置14から噴射させる(ステップST28C)。
これにより、その燃料と排気ガス分流通路13を流れるリーンの排気ガスとの混合気は、加熱手段19で活性化されている改質室12bの入口近傍の改質用触媒に到達して部分酸化反応を行う。ここで、その部分酸化反応は発熱反応であって発熱量が大きいので、部分酸化反応に伴い発生した熱によって、改質室12bに担持されている改質用触媒の全体の床温を効率良く活性温度まで上昇させることができる。
これが為、その改質用触媒全体が効率良く活性化するので、更に早い段階で改質ガスを生成することができ、効果的に燃料消費率の向上やエミッション性能の向上等を図ることができる。
尚、このような部分酸化反応は前述した実施例1において行ってもよく、その場合には、図2に示すステップST6で部分酸化反応に最適なA/F(≒6)となる燃料の噴射量を算出して燃料供給装置14から噴射させる。
ところで、機関始動時,特に機関冷間始動時においては、一般に、改質用触媒の床温が活性温度に達していない場合が多く、改質用触媒の早期活性化を図るのであれば、少しでも早く加熱手段19を作動させることが好ましい。
一方、機関始動時であっても一旦停止した直後の再始動時であれば、改質用触媒の床温は、多くの場合には活性温度に達している。
そこで、機関始動時においては、以下の如く制御するようにECU4を構成することが好ましい。その制御動作について図7のフローチャートに基づき説明する。
先ず、ECU4は、機関始動時か否かについての判定を行う(ステップST31)。例えば、ECU4の機関制御モードが始動時モードであり且つスタータON信号が入力された場合又はその何れかの場合に機関始動時であるとの判定を行う。
ここで、このECU4は、機関始動時ではないとの判定結果であれば、上述した図5の場合と同様に、ヒータOFFフラグを立てて(ステップST32)、内燃機関本体1をストイキ運転させ(ステップST33)、改質器12で改質ガスを生成させる(ステップST34)。
一方、このECU4は、機関始動時との判定結果であれば、ヒータONフラグを立てて加熱手段19を作動させ(ステップST35)、燃料の改質開始条件を満たしているか否かの判定を行う(ステップST36)。
ここで、このECU4は、燃料の改質開始条件を満たしていれば、上記ステップST32にて加熱手段19を停止させ、上記ステップST33〜ST34のストイキ運転下での改質ガスの生成を行う。
また、このECU4は、上記ステップST36にて燃料の改質開始条件を満たしていなければ、次にA/F(空燃比)がリーンか否か判定する(ステップST37)。そして、リーンでないとの判定結果の場合、上述した図5の場合と同様に、第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dの燃料噴射量を減量させて(ステップST38)、リーンとの判定が為されるまでステップST37,ST38の動作を繰り返し、そのステップST37にてリーンとの判定がなされた際に燃料供給装置14から排気ガス分流通路13へと燃料を噴射する(ステップST39)。
このように、機関始動時においては、先ず加熱手段19を作動させるので、改質用触媒が活性温度に達していなければ更に早く改質用触媒の床温を上昇させて活性化させることができる。
これが為、機関始動時,特に機関冷間始動時において、改質用触媒を最も効率良く活性させることができ、これによる改質ガスの早期生成に伴って更に効果的に燃料消費率の向上やエミッション性能の向上等を図ることができる。
尚、上述したステップST39においても、前述した図6のフローチャートの場合と同様に部分酸化反応し得る燃料供給装置14からの燃料噴射量を求めて排気ガス分流通路13へと供給してもよい。
ここで、本実施例3においては加熱手段19が排気ガス分流通路13における改質室12bの入口近傍に配設されている場合を例示したが、その加熱手段19の配設位置は、必ずしもかかる位置に限定するものではない。例えば、加熱手段19は、改質器12の一部又は全体に覆設したものであってもよく、また、改質用触媒の一部又は全体を直接加熱するものであってもよい。
また、上述したステップST27又はステップST38に替えて前述した実施例2の図3に示すステップST15,ST16の工程を設け、素早くリーン燃焼へと切り替えるよう構成してもよい。更に、上述したステップST28又はステップST39に替えて実施例2の図3に示すステップST17,ST18の工程を設けてもよい。
次に、本発明に係る内燃機関の実施例4について説明する。
本実施例4にあっては、前述した実施例1の内燃機関において、例えば軽負荷運転が長時間続いた等の理由により改質用触媒の床温が活性温度域から外れてしまった場合を考慮した制御について説明する。
ここでは、ストイキ運転させて改質ガスを生成し得る改質用触媒の温度領域を「活性温度域」といい、改質ガスを生成し得ない改質用触媒の温度領域を「不活性温度域」という。また、改質ガスの生成は可能であるが、それ以上床温が低下すると不活性温度域になってしまう改質用触媒の温度領域を「活性温度境界域」という。
例えば、改質用触媒の活性温度の限界が600℃であるとすると、図8に示す如く、改質用触媒の床温tが600℃より低ければ(t<600℃)不活性温度域となる。
一方、その改質用触媒の床温tが600℃以上であれば活性温度境界域又は活性温度域となるが、その活性温度境界域は、改質用触媒の床温tが活性温度域から活性温度境界域へと低下した際に後述する制御を実行することによって、その床温tが不活性温度域へと低下することなく且つ活性温度域へと回復可能な幅に設定する必要がある。
ここで、機関運転中における改質用触媒の床温tの温度低下は排気ガスの温度低下に起因するものであり、その排気ガスの温度低下は、内燃機関本体1の機関回転数や負荷に依存する。これが為、機関運転中における改質用触媒の床温tは内燃機関本体1の機関回転数と負荷に応じた固有の値として求めることが可能であり、その固有の値を参照することで、現在の機関回転数と負荷で運転を継続した際に、今以上に床温tが低下してしまうのか、現在の床温tを維持することができるのか、それとも活性温度域まで回復させることができるのかについて把握することができる。
そこで、本実施例4における上述した活性温度境界域の幅は、下限を改質用触媒の活性温度(ここでは600℃)に設定する一方、上限を内燃機関本体1の機関回転数と負荷に応じた所定の値として予め実験やシミュレーションを行い設定し、その対応関係をマップデータとして用意しておく。例えば、その上限としては、現在の機関回転数と負荷での運転を継続させると更に床温tが低下してしまう値を設定する。
以下、この本実施例4の内燃機関の動作を図9のフローチャートを用いて説明する。
先ず、本実施例4のECU4は、床温センサ18から改質用触媒の床温tを検出すると共にECU4の主記憶装置から機関回転数と負荷の情報を読み込んで、その床温tが活性温度境界域以下であるか否か判定する(ステップST41)。
ここで、このECU4は、改質用触媒の床温tが活性温度境界域以下でなければ(即ち、活性温度域であれば)、実施例1と同様に内燃機関本体1をストイキ運転させ(ステップST42)、改質器12で改質ガスを生成させる(ステップST43)。
一方、このECU4は、上記ステップST41にて改質用触媒の床温tが活性温度境界域以下である(即ち、活性温度境界域又は不活性温度域である)との判定結果であれば、次に、内燃機関本体1が減速中であるか否か判定する(ステップST44)。
内燃機関本体1の減速,即ち、機関回転数の低下は、例えば、運転者がアクセルペダルから足を離す(換言すれば、スロットルバルブを閉じる)ことにより起こる場合もあれば、運転者がアクセルペダルを少し戻す(換言すれば、スロットルバルブを絞る)ことにより起こる場合もあるが、本実施例4にあっては前者の場合をいう。
これが為、例えば、本実施例4のECU4は、アクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブの開度等をセンサから検出して、内燃機関本体1が減速中であるか否かの判定を行う。
ECU4は、上記ステップST44にて減速中でないと判定した場合、実施例1と同様に、A/F(空燃比)がリーンか否か判定し(ステップST45)、リーンでないとの判定結果であれば、第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dの燃料噴射量を減量させて(ステップST46)、リーンとの判定が為されるまでステップST45,ST46の動作を繰り返す。
そして、そのECU4は、上記ステップST45にてリーンとの判定がなされると、実施例1と同様に燃料供給装置14から排気ガス分流通路13へと燃料を噴射する(ステップST47)。
これにより、その燃料と排気ガス分流通路13のリーンの排気ガスとの混合気が実施例1と同様に酸化反応(燃焼)して改質室12b内の温度を上昇させる。
これが為、例えば軽負荷運転が長時間続いた等の理由により改質用触媒の床温tが活性温度域から活性温度境界域にまで低下してしまった場合には、その改質室12b内の温度上昇に伴って改質用触媒の床温tを活性温度域へと回復させることができる。また、機関冷間始動時等の改質用触媒の床温tが不活性温度域にある場合には、その改質室12b内の温度上昇に伴って改質用触媒の床温tを活性温度域へと到達させることができる。
一方、ECU4は、上記ステップST44にて減速中と判定した場合、ステップST47で燃料供給装置14から排気ガス分流通路13に燃料を噴射する。
ここで、本実施例4にあっては、上記ステップST44で減速中と判定された場合には第1から第4の燃料噴射装置9a〜9dから燃料が噴射されていないので、排気ガス分流通路13には空気が流れる。これが為、かかる場合においては、排気ガス分流通路13に燃料を噴射することのみによって、その燃料と排気ガス分流通路13の空気との混合気が改質室12b内で酸化反応(燃焼)するので、改質室12b内の温度を上昇させることができる。
これにより、改質用触媒の床温tが活性温度境界域にまで低下しても、その改質室12b内の温度上昇に伴って改質用触媒の床温tを活性温度域へと回復させることができ、また、そもそも改質用触媒の床温tが不活性温度域にある場合であっても、その改質室12b内の温度上昇に伴って改質用触媒の床温tを活性温度域へと到達させることができる。
このように、本実施例4によれば、不活性温度域にあれば改質用触媒の床温tを早期に活性温度域へと上昇させることができ、更に、活性温度域から外れた際には改質用触媒の床温tを内燃機関本体1の運転状態(減速中か否か)に応じて効率良く活性温度域へと回復させることができる。
これが為、改質用触媒の床温tを一旦活性温度域へと上昇させた後は床温tが活性温度境界域を下回ることがなくなるので、上述した活性温度境界域になってしまった場合を除いて改質ガスを内燃機関本体1が停止するまで継続的に生成することができ、燃料消費率やエミッション性能等の更なる向上を図ることができる。
尚、上述したステップST46に替えて前述した実施例2の図3に示すステップST15,ST16の工程を設け、素早くリーン燃焼へと切り替えるよう構成してもよい。また、上述したステップST47においても、前述した図6のフローチャートの場合と同様に部分酸化反応し得る燃料供給装置14からの燃料噴射量を求めて排気ガス分流通路13へと供給してもよい。
更に、本実施例4においては、実施例3の加熱手段19も設けることによって更なる改質ガスの早期生成を図ってもよい。
ここで、上述した各実施例1〜4においては4つの気筒を具備する内燃機関本体1を例示したが、必ずしもこれに限定するものではない。
また、その各実施例1〜4にあっては改質器12を排気通路3Bにおける触媒装置11の上流側に配置しているが、その改質器12は触媒装置11の下流側に配置してもよい。但し、排気通路3Bの排気ガスによる改質用触媒の昇温を効率的に行う為には、その排気ガスがより高温である触媒装置11の上流側に配置することが好ましい。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、改質用触媒の床温を早期又は即座に所定の活性温度まで上昇させる技術に適している。
本発明に係る内燃機関の実施例1の構成を示す図である。 実施例1の内燃機関の動作を説明するフローチャートである。 実施例2の内燃機関の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る内燃機関の実施例3の構成を示す図である。 実施例3の内燃機関の動作の一例を説明するフローチャートである。 改質器にて部分酸化反応させる場合の動作を説明するフローチャートである。 実施例3の内燃機関の他の動作例を説明するフローチャートである。 実施例4の内燃機関における改質用触媒の活性温度境界域について説明する図である。 実施例4の内燃機関の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関本体
1a 第1気筒
1b 第2気筒
1c 第3気筒
1d 第4気筒
2 吸気経路
2A 吸気通路
2B 吸気マニホルド
3 排気経路
3A 排気マニホルド
3B 排気通路
4 ECU(制御装置)
6 スロットルバルブ
6a スロットルバルブアクチュエータ
9a 第1燃料噴射装置
9b 第2燃料噴射装置
9c 第3燃料噴射装置
9d 第4燃料噴射装置
11 触媒装置
12 改質器
12a 筒体
12b 改質室
12c 排気通路
13 排気ガス分流通路(排気ガス分流経路)
14 燃料供給装置
15 改質ガス導入通路(改質ガス導入経路)
16 流量調整弁
16a 弁アクチュエータ
17 冷却装置
18 床温センサ
19 加熱手段

Claims (4)

  1. 夫々の気筒から排出された排気ガスを外部に排気する排気経路と、
    この排気経路を流れる排気ガスの内の少なくとも一部を分流させる排気ガス分流経路と、
    この排気ガス分流経路内に燃料を供給し得る燃料供給装置と、
    前記排気ガス分流経路の排気ガスと当該排気ガス中に前記燃料供給装置から供給された燃料とを流入させて改質ガスを生成する改質器と、
    この改質器で生成した前記改質ガスを吸気経路に導入する改質ガス導入経路と、
    前記改質器に担持された改質用触媒の床温が前記改質ガスの生成が可能な活性温度域から所定の活性温度境界域まで低下したときに、前記各気筒をリーン燃焼させると共に前記燃料供給装置から燃料を噴射させる制御装置と、
    を備え、
    前記所定の活性温度境界域は、前記改質ガスを生成可能な温度領域ではあるが、前記制御装置による制御を実行しなければ機関回転数及び負荷に応じた排気ガスの温度低下によって前記床温が不活性温度域まで低下してしまう温度領域であり、且つ、前記制御装置による制御の実行によって前記床温を前記不活性温度域の上限との境界にある所定の活性温度よりも低下させずに前記活性温度域まで上昇させることが可能な温度領域であり、前記所定の活性温度を前記温度領域の下限とし、前記制御装置による制御の不実行によって前記不活性温度域まで低下してしまう前記床温の上限値を前記温度領域の上限とすることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記制御装置に、前記改質用触媒の床温が前記所定の活性温度以上になったときに前記各気筒をストイキ燃焼させる機能を設けたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記改質器に流入する前の前記排気ガス,当該排気ガスと前記燃料との混合気又は前記改質用触媒を加熱可能な加熱手段を設け、
    前記制御装置に、前記各気筒のリーン燃焼制御と略同時期に前記加熱手段を作動させる機能を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記制御装置に、前記排気ガス分流経路内の残存酸素量を算出し、該算出した残存酸素量に基づいて部分酸化反応に最適な空燃比となる前記燃料供給装置からの燃料の噴射量を算出する機能を設けたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の内燃機関。
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