JP4345369B2 - 電子写真感光体用クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置において、転写後の前記電子写真感光体の表面の残留トナーを除去する(クリーニングする)電子写真感光体用クリーニング装置及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真法では、電子写真感光体表面を帯電、露光して作成した静電潜像に着色トナーを現像して可視像を作成し、トナー像を転写紙等に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成している。転写工程を終えた電子写真感光体(以下、適宜、電子写真感光体と称する。)表面には、未転写のトナー及び帯電プロセスによって生成した付着物(以下、放電生成物と称する。)などが残留するため、これらの残留物を次の画像形成プロセスに先立って除去するクリーニングプロセスが必要になる。
【0003】
かかるクリーニングプロセスにおいては、感光層表面をクリーニングブレードやクリーニングブラシを用い、それらの一端の感光体表面に当接・摺擦させて表面に付着したトナーや放電生成物を除去するような構成がよく知られている。
このように感光体表面は、クリーニングブレード等の摺擦による機械的ストレスや、帯電器による化学的ストレスを受けるため、近年最も広く用いられている有機感光体においては表面層の磨耗と傷が課題であった。この課題に対し、アモルファスシリコン等の無機感光体や感光体表面に高強度の保護層を用いた感光体を用いることで、磨耗量を少なくすることが行われている。しかしながら、磨耗を少なくすると、一度傷が形成されると低磨耗ゆえに傷が消失せず、傷部に付着したトナー成分や放電生成物を完全に除去することが困難になり、高湿度下の環境では放電生成物等による画像流れが発生するといった問題が起きている。
【0004】
よって、磨耗を精密に制御しつつ付着物を完全に除去することが検討されてきた。例えば、機械的耐久性を目的として電荷輸送能を有する構造単位をシロキサン樹脂中に組み込んだ感光体と、残留トナーや付着物の除去を目的とし、ブラシデニール/繊維密度を規定したブラシローラーとクリーニングブレードの組み合わせが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、これだけでは感光体表面のトナーや付着物の除去には不完全で、蓄積した付着物により画像品質が低下する問題が発生している。
また、シロキサン樹脂層を有する感光体とクリーニングブレードとの組み合わせは、クリーニングブレードが受けるダメージが大きく、エッジの欠けやメクレが発生してしまいクリーニング性の維持が困難である。
【0005】
また、2つのブラシローラーに正負のバイアスを印加し、感光体表面から正負の帯電トナー取り除くクリーニング装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この構成では、感光体上のトナーをきれいに取り除くことはできず、また、シロキサン樹脂層を有する感光体と組み合わせた場合では、表面研磨と表面傷の両立はできない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−51576号公報
【特許文献2】
特開平4−330482号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、感光体表面への傷の発生を防止すると共に、異物固着を防止し、長期に渡って安定なクリーニング性を維持できるクリーニング装置、及び該クリーニング装置を備える画像形成装置を提供することである。また、特に、表面層にシロキサン樹脂層を有する感光体と、球形状トナーと、を用いた画像形成装置においても、上記の効果が得られるクリーニング装置、及び該クリーニング装置を備える画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述各問題に鑑みて本発明者は鋭意検討した結果、本発明の如き結論に達した。
即ち本発明は、
<1> 電子写真感光体表面に当接配置された第1のブラシローラと、該第1のブラシローラに当接配置された第1の回収部材と、前記第1のブラシローラに対し前記電子写真感光体の回転方向下流側に当接配置されると共に、当該電子写真感光体表面に固形潤滑剤を供給する機能を有する第2のブラシローラと、該第2のブラシローラに当接配置された第2の回収部材と、を有する電子写真感光体用クリーニング装置であって、
前記第1のブラシローラを構成するブラシ繊維1本当たりの先端力F1が下記関係式(1)を満たし、かつ、前記第2のブラシローラを構成するブラシ繊維1本当たりの先端力F2が下記関係式(2)を満たすことを特徴とする電子写真感光体用クリーニング装置である。
関係式(1) 5.0×10-5 ≦ F1 ≦ 1.5×10-3
関係式(2) 4.0×10-5 ≦ F2 ≦ 5.0×10-4
【0009】
<2> 前記固形潤滑剤が、脂肪酸金属塩であることを特徴とする<1>に記載の電子写真感光体用クリーニング装置である。
【0010】
<3> 前記第1のブラシローラ及び前記第2のブラシローラには正極若しくは負極の電圧が印加され、かつ、前記第1の回収部材には前記第1のブラシローラより高い電圧が印加され、第2の回収部材には前記第2のブラシローラより高い電圧が印加されることを特徴とする<1>又は<2>記載の電子写真感光体用クリーニング装置である。
【0011】
<4> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、トナーにより前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、転写後の前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置にあって、
前記クリーニング手段が<1>〜<3>のいずれかに記載の電子写真感光体用クリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
<5> 前記電子写真感光体が、電荷輸送性を有すると共に架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含む表面層を備え、かつ、前記トナーが、体積平均粒径3〜10μmの範囲で、形状係数(SF)が100〜140の範囲の球形状トナーであることを特徴とする<4>に記載の画像形成装置である。
【0013】
<6> 前記シロキサン系樹脂が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする<5>に記載の画像形成装置である。
一般式(I) G−D−F
(一般式(I)中、Gは無機ガラス質ネットワークサブグループを表し、Dは可とう性有機サブユニットを表し、Fは電荷輸送性サブユニットを表す。)
【0014】
<7> 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする<6>に記載の画像形成装置である。
【0015】
【化2】
【0016】
(一般式(II)中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、かつAr1〜Ar5のうち1〜4個は−D−Gで表される結合基と結合可能な結合手を有する。Dは可とう性サブユニット、Gは−Si(R1)(3−b)Qaで示される加水分解性基を有する置換ケイ素基から誘導され、R1は水素、アルキル基、置換或いは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表す基、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表す。)
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置及び画像形成装置を詳細に説明する。
【0018】
<電子写真感光体用クリーニング装置>
本発明の電子写真感光体用クリーニング装置は、電子写真感光体表面に当接配置された第1のブラシローラと、該第1のブラシローラに当接配置された第1の回収部材と、前記第1のブラシローラに対し前記電子写真感光体の回転方向下流側に当接配置されると共に、当該電子写真感光体表面に固形潤滑剤を供給する機能を有する第2のブラシローラと、該第2のブラシローラに当接配置された第2の回収部材と、を有する電子写真感光体用クリーニング装置であって、
前記第1のブラシローラを構成するブラシ繊維1本当たりの先端力F1が下記関係式(1)を満たし、かつ、前記第2のブラシローラを構成するブラシ繊維1本当たりの先端力F2が下記関係式(2)を満たすことを特徴とする。
関係式(1) 5.0×10-5 ≦ F1 ≦ 1.5×10-3
関係式(2) 4.0×10-5 ≦ F2 ≦ 5.0×10-4
なお、以下、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置は、単にクリーニング装置と称する場合があり、電子写真感光体も単に感光体と称する場合がある。
【0019】
また、本発明において、関係式(1)は、
9.0×10-5 ≦ F1 ≦ 1.2×10-3
の範囲であることがより好ましく、
1.0×10-4 ≦ F1 ≦ 9.0×10-4
の範囲であることが更に好ましい。
一方、関係式(2)は、
7.0×10-5 ≦ F2 ≦ 3.0×10-4
の範囲であることがより好ましく、
9.0×10-5 ≦ F2 ≦ 1.0×10-4
の範囲であることが更に好ましい。
【0020】
なお、本発明において、第1のブラシローラを構成するブラシ繊維全体に対して60%以上のブラシ繊維の先端力F1が上記の範囲内であることが好ましく、80%以上のブラシ繊維の先端力F1が上記の範囲内であることがより好ましく、最も好ましくは、全てブラシ繊維の先端力F1が上記の範囲内であることである。
同様に、第2のブラシローラを構成するブラシ繊維全体に対して60%以上のブラシ繊維の先端力F2が上記の範囲内であることが好ましく、80%以上のブラシ繊維の先端力F2が上記の範囲内であることがより好ましく、最も好ましくは、全てブラシ繊維の先端力F2が上記の範囲内であることである。
【0021】
次に、先端力F1及び先端力F2について説明する。
本発明において、先端力F1及び先端力F2は、いずれも、下記式(3)から算出される。
式(3) 先端力F=BPI×E×0.25×φ4×PH-3
(式(3)中、BPIはブラシ繊維の感光体への干渉量(mm)を表し、Eはブラシ繊維のヤング率(gf/mm2)を表し、φはブラシ繊維径(mm)を表し、PHはブラシ繊維長さ(mm)を表す。)
ここで、先端力F(先端力F1及び先端力F2のどちらにおいても)の単位は、(gf)となり、1gf=9.8mNである。
【0022】
なお、式(3)において、BPIで表されるブラシ繊維の感光体への干渉量(mm)は、第1のブラシローラや第2のブラシローラのブラシ繊維の先端が感光体に対して、どの程度、食い込んでいるかを示したものであり、これは、感光体とブラシローラとの距離寸法により、算出されるものである。
【0023】
本発明においては、上記のブラシ繊維の感光体への干渉量、ブラシ繊維のヤング率、ブラシ繊維径、ブラシ繊維長さ、及び、ブラシ繊維を構成する材料等を、適宜、調整・選択することで、先端力F1及び先端力F2を上記の範囲内に制御することができる。
【0024】
より具体的には、先端力F1及び先端力F2を上記の範囲内に制御するために、例えば、ブラシ繊維の感光体への干渉量、ブラシ繊維のヤング率、ブラシ繊維径、及びブラシ繊維長さ、を適宜以下のように調整することが好ましい。
・ブラシ繊維の感光体への干渉量の好ましい範囲:0.3〜2mm
・ブラシ繊維のヤング率の好ましい範囲:150kgf/mm2(1470N/mm2)〜400kgf/mm2(3920N/mm2)
・ブラシ繊維径の好ましい範囲:15〜45μmφ
・ブラシ繊維長さの好ましい範囲:1〜10mm
【0025】
本発明において、先端力F1が上記の範囲である第1のブラシローラを用いることにより、かかる第1のブラシローラにより、感光体表面における転写残トナー、再転写トナーがクリーニング領域に突入した際に、その大部分をクリーニングすることが可能である。また、トナーのクリーニングを行うと同時に、感光体表面に付着している放電生成物等の付着物を掻き取ることも可能であり、結果的に、高温高湿環境における画質劣化を防止できる。
また、先端力F2が上記の範囲であり、かつ、感光体表面へ潤滑剤を塗布する機能を有する第2のブラシローラを用いることにより、第1のブラシローラより先端力の小さいことから、感光体表面へダメージを与えることなく、均一に潤滑剤を塗布することができる。これにより、感光体表面に潤滑性を付与し、感光体表面の傷やトナー成分固着等の表面欠陥を防止することができる。同時に、第1のブラシローラにより回収できなかったトナーの回収も可能である。
【0026】
また、第1のブラシローラを構成するブラシ繊維1本当たりの先端力F1が5.0×10-5(gf)未満の場合、転写残トナーや、再転写トナーがクリーニング領域に突入する際に、第1ブラシローラーにおけるトナークリーニング能力が不足し、クリーニング不良が発生し、画質欠陥が生じてしまう。また、先端力F1が1.5×10-3(gf)より大きい場合には、トナークリーニング能力は高くなるが、感光体表面へ与えるダメージが大きくなり、感光体表面への傷の発生や、トナー固着等の表面故障が発生し、画像欠陥が生じてしまう。
一方、第2のブラシローラを構成するブラシ繊維1本当たりの先端力F2が3.0×10-5(gf)未満の場合、感光体表面へ均一に潤滑剤を塗布することができず、感光体表面への傷の発生や、トナー固着等の表面故障が発生する。また、先端力F2が5.0×10-4(gf)より大きい場合には、感光体表面への潤滑剤供給が過剰となり、白抜け等の画質欠陥を生じさせてしまう。
【0027】
ここで、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置において、第2のブラシローラにより電子写真感光体表面へと供給される固形潤滑剤としては、脂肪酸金属塩であることが好ましく、具体的には、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、中でも、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
このように、固形潤滑剤としての脂肪酸金属塩を感光体表面へ均一に塗布し、感光体表面へ潤滑性を付与することにより、放電生成物等の付着物を掻き取りやすく、かつ、付着しにくくすることが可能となり、また、ブラシローラが感光体表面へ与えるダメージを軽減し、傷等を防止することができる。
【0028】
また、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置において、第1のブラシローラ及び第2のブラシローラには、正極若しくは負極の電圧が印加され、かつ、前記第1の回収部材には前記第1のブラシローラより高い電圧が印加され、第2の回収部材には前記第2のブラシローラより高い電圧が印加されることが好ましい。
【0029】
電子写真感光体30表面に残留するトナー等は、転写工程における転写電界の影響でその極性にバラツキを生じており、現像器内のトナーに対して正極から逆極に反転した物まで混在する。そのため、上述の如く、第1のブラシローラ及び第2のブラシローラに正極若しくは負極の電圧を印加することで、電子写真感光体30表面に残留する正極の転写残トナー及び逆極に反転した転写残トナーを効率的にクリーニングすることができる。
【0030】
また、電子写真感光体30表面に残留するトナー等は、転写工程における転写部材の転写電界の影響でその極性にバラツキを生じているが、その大半は現像器内のトナーに対して正極のままで存在する。そこで、第1のブラシローラと第2のブラシローラとの間で、印加する電圧の極性を異なるものにすることで、一方のブラシローラで転写残トナーの大半を占める正極トナーを静電的に吸着させ、他方のブラシローラで逆極性に反転したトナーを静電的に吸着させることができるため、結果的に、転写残トナーの極性に関らず、より効率的なクリーニングが可能となる。
特に、電子写真感光体30の回転方向に対して、上流側に接触配置されている第1のブラシローラに印加する電圧を、現像器内のトナーの極性に対して逆極性とし、下流側に接触が位置されている第2のブラシローラに印加する電圧を、現像器内のトナーの極性に対して正極性とすると、効率よくトナーを吸着できるため好ましい。
【0031】
また、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置において、第1の回収部材には第1のブラシローラより高い電圧が印加され、第2の回収部材には第2のブラシローラより高い電圧が印加されることが好ましい。このように、ブラシローラと該ブラシローラに当接配置される回収部材との間に電位差を設けることによって、電子写真感光体表面から掻き取られ、ブラシローラに付着したトナーや他の付着物を、静電的に効率よく回収部材へと吸着移動させることができる。
なお、第1のブラシローラと第1の回収部材との電位差、第2のブラシローラと第2の回収部材との電位差、の絶対値は、100V以上であることが好ましく、より好ましくは200V以上である。
ここで、回収部材へ印加される電圧がブラシローラよりも低い場合には、ブラシローラから回収部材へのトナーや他の付着物の吸着移動が行われず、ブラシローラに付着しているトナーや他の付着物が感光体表面へが擦りつけられてしまい、トナー固着や表面傷等が発生し、画像欠陥を生じさせてしまう場合がある。
【0032】
次に、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置の構成を、図1に基づいて説明する。
本発明の電子写真感光体用クリーニング装置100は、電子写真感光体30表面に当接配置された第1のブラシローラ10と、第1のブラシローラ10に当接配置された第1の回収部材(第1の回収部材)12と、第1のブラシローラ10に対し電子写真感光体30の回転方向下流側に当接配置されると共に、電子写真感光体30表面に固形潤滑剤を供給する機能を有する第2のブラシローラ20と、第2のブラシローラ20に当接配置された第2の回収ローラ(第2の回収部材)22と、を有する。また、図1に示されるように、第1のブラシローラ10、第1の回収ローラ12、第2のブラシローラ20、及び第2の回収ローラ22には、ぞれぞれ、外部電源10A、12A、20A、及び22Aに接続しており、所定の電圧が印加されるようになっている。
【0033】
第1のブラシローラ10は、回転するシャフト外周上に無数のブラシ繊維を配した形状を有する。ブラシローラ10は電子写真感光体30に対し、ブラシ繊維の先端が、所定の量、食い込む位置に接触配置される。また、ブラシローラ10は電子写真感光体30の回転方向と逆方向(矢印方向)にブラシローラ10の周面が回転移動する。この際、ブラシローラ10のブラシ繊維が電子写真感光体30と摺接することにより、電子写真感光体30表面から転写残トナー、再転写トナー、放電生成物等の付着物などを剥離し、第1の回収ローラ12へと運ぶ働きを担っている。
第1のブラシローラ10におけるブラシ繊維の材料としては、ナイロン、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル等の樹脂繊維を挙げることができ、導電性粉末やイオン導電剤を配合して導電性を付与したり、繊維一本一本の内部或いは外部に導電層が形成されたもの等を用いることができ、その抵抗値としては繊維単体で102〜109Ωのものが好ましい。
【0034】
第1の回収ローラ12は、その外周部が第1のブラシローラ10外周面に僅かに食い込む位置に接触配置され、第1のブラシローラ10に付着したトナーや他の付着物を担持・回収する機能を有する。
第1の回収ローラ12は、第1のブラシローラ10の回転方向に対して正回転又は逆回転する。
【0035】
また、具体的には、第1の回収ローラ12は、金属シャフトの外周に抵抗層を設けた構成からなる。抵抗層を構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、EVA、メタクリル樹脂等の汎用熱可塑性樹脂;エポキシ、フェノール、ユリア・メラミン、ポリウレタン、シリコーン等の熱硬化樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック類;ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイドといった液晶ポリマー;テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素樹脂を挙げることができるが、特にこれらに限定されない。
【0036】
また、抵抗層は半導電性の電気抵抗発現のため、上記各種バインダー材料に、導電物質を混入することで電気抵抗が102〜109Ωに調整されることが好ましい。また、抵抗層の厚みとしては、上記バインダー樹脂の材料と、抵抗値制御のために混入する導電物質とにより任意調整されるが、具体的には0.5〜5mmであることが好ましい。
【0037】
また、図1に示されるように、第1の回収ローラ12は、該第1の回収ローラ12に当接配置されたブレード14により、その表面に担持したトナーや他の付着物が回収される構成となっている。
ブレード14は、クリーニングブレード又はスクレーパ等から適宜選択され、高耐久性及び低コストの観点より、ステンレス或いはリン青銅の金属薄板から形成されることが好ましい。なお、ブレード14の厚さは0.02〜2mm程度であるものが好適に用いられる。
【0038】
第2のブラシローラ20は、第1のブラシローラ10と同様に、回転するシャフト外周上に無数のブラシ繊維を配した形状を有する。また、第2のブラシローラ20は、第1のブラシローラ10に対し電子写真感光体30の回転方向下流側に当接配置されると共に、電子写真感光体30表面に固形潤滑剤を供給する機能を有する。
電子写真感光体30表面に固形潤滑剤を供給する方法としては、例えば、固形潤滑剤を第2のブラシローラ20に押し当て、ブラシ繊維に固形潤滑剤を保持させ、該ブラシ繊維を感光体に接触させることで、電子写真感光体30表面に固形潤滑剤を供給する方法がある。
【0039】
第2のブラシローラ20により電子写真感光体30表面へと供給される固形潤滑剤としては、脂肪酸金属塩であることが好ましく、具体的には、ステアリン酸亜鉛、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
【0040】
第2の回収ローラ22は、第1の回収ローラ12と同様に、その外周部が第2のブラシローラ20外周面に僅かに食い込む位置に接触配置され、第2のブラシローラ20に付着したトナーや他の付着物を担持・回収する機能を有し、その構成等も第1の回収ローラ12と同様である。
また、第2の回収ローラ22に対しても、ブレード24が当接配置され、第2の回収ローラ22表面に担持したトナーや他の付着物が回収される構成となる。なお、ブレード24も、上記のブレード14と同様の機能を有し、その構成も同様である。
【0041】
なお、図1に示される本発明のクリーニング装置は、第1及び第2の回収部材として、どちらも回収ローラを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2のブラシローラの表面に付着したトナーや他の付着物を担持・回収する機能を有していれば、どのような構成であってもよい。
【0042】
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、トナーにより前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、転写後の前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置にあって、
前記クリーニング手段が上述した本発明の電子写真感光体用クリーニング装置であることを特徴とする。
以下、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置を備える画像形成装置(本発明の画像形成装置)の一例を図2に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、図に示す主要部のみを説明し、その他はその説明を省略する。
【0043】
図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、矢印B方向に回転する感光体(電子写真感光体)30と、その周囲に配される、感光体30表面を所定の電位に帯電させる帯電部材(帯電手段)40、帯電された感光体30表面を画像信号に基づくレーザー光線52よって露光して静電潜像を形成する露光装置(露光手段)50、帯電されたトナー(現像剤)を供給して前記静電潜像を現像する現像器(現像手段)60、現像されたトナー像を記録紙(転写材)P上に転写する転写部材(転写手段)70、及び、転写後の感光体30表面に残留するトナーを除去する電子写真感光体用クリーニング装置100が順に配設されている。ここで、図2に示す画像形成装置には、電子写真感光体用クリーニング装置100として、前述の本発明の電子写真感光体用クリーニング装置が用いられており、該電子写真感光体用クリーニング装置の各構成要素は、図1と同一の符号が付されている。
【0044】
まず、感光体30はその表面を帯電部材40によって−600V〜−800V程度の電位に帯電される。感光体30は、導電性の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗であるが、露光装置50からレーザー光線52が照射されると、レーザー光線52が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体30の表面に、図示しない制御部から送られてくる画像データに従って、露光装置50を介してレーザー光線52を出力する。レーザー光線52は、感光体30の表面の感光層に照射され、それにより、印字パターンの静電潜像が感光体30の表面に形成される。
【0045】
このようにして感光体30表面に形成された静電潜像は、感光体30の矢印B方向への回転により所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体30上の静電潜像が、現像器60によって可視像(トナー像)化される。
【0046】
感光体30の表面が現像器60を通過することにより、感光体30表面の除電された潜像部にのみトナーが静電的に付着し、潜像がトナーによって現像される。感光体30は、引続き矢印B方向に回転し、感光体30表面に現像されたトナー像が所定の転写位置へ搬送される。
【0047】
感光体30表面のトナー像が転写位置へ搬送されると、転写部材70に所定の転写バイアスが印加され、感光体30から転写部材70に向う静電気力がトナー像に作用し、感光体30表面のトナー像が記録紙P上へ転写される。また、感光体30表面の残留トナーは、電子写真感光体用クリーニング装置100により除去される。
【0048】
図2に示す画像形成装置は、電子写真感光体用クリーニング装置100として本発明の電子写真感光体用クリーニング装置を用いているため、転写部材の転写電界の影響で正極から逆極に反転した物まで混在する電子写真感光体30表面に残留するトナーや、他の付着物を効率的にクリーニングすることが可能である。また、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置により、電子写真感光体30表面に固形潤滑剤が供給されることで、電子写真感光体30表面に傷が発生することを防止でき、更に、トナー成分の固着が抑制されることから表面欠陥を防止することができる。
【0049】
本発明の画像形成装置おいて、電子写真感光体が、電荷輸送性を有すると共に架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含む表面層を備え、かつ、トナーが、体積平均粒径3〜10μmの範囲で、形状係数SFが100〜140の範囲の球形状トナーであることが好ましい。
ここで、電荷輸送性を有すると共に架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含む表面層について説明する。かかるシロキサン系樹脂としては、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(I) G−D−F
(一般式(I)中、Gは無機ガラス質ネットワークサブグループを表し、Dは可とう性有機サブユニットを表し、Fは電荷輸送性サブユニットを表す。)
【0050】
一般式(I)におけるFは、光キャリア輸送特性を有する構造として、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合や、及びキノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等が挙げられる。
【0051】
一般式(I)におけるGは、反応性を有するSi基であることが好ましく、Gの部分同士で互いに架橋反応を起こして3次元的なSi−O−Si結合、すなわち無機ガラス質ネットワークを形成する。
【0052】
一般式(I)におけるDは、電荷輸送性を付与するための前記Fを、3次元的な無機ガラス質ネットワークに直接的に結合させるためのものである。また、堅さの反面、脆さも有する無機ガラス質ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜としての強度を向上させるという働きもある。
具体的には、nを1〜15の整数とした場合の−CnH2n−、CnH(2n-2)−、−CnH(2n-4)−で表される2価の炭化水素基、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C6H4−、−N=CH−、−(C6H4)−(C6H4)−、及び、これらの組み合わせや置換基を導入したもの等が使用できる。
【0053】
一般式(I)で表される化合物は、例えば、特開平3−191358号公報に記載のゾルーゲル法により得ることができる。
また、前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
【0054】
【化3】
【0055】
(一般式(II)中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、かつAr1〜Ar5のうち1〜4個は−D−Gで表される結合基と結合可能な結合手を有する。Dは可とう性サブユニット、Gは−Si(R1)(3−b)Qaで示される加水分解性基を有する置換ケイ素基から誘導され、R1は水素、アルキル基、置換或いは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表す基、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表す。)
【0056】
一般式(II)で表される化合物は、特に優れた正孔輸送性と機械特性を示す。一般式(II)におけるAr1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、具体的には、以下に示す構造が挙げられる。
【0057】
【化4】
【0058】
上記構造中のArは、下記から選択される。
【0059】
【化5】
【0060】
(ここで、R6は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、又は未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基から選択される。R7〜R11は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、又は未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲンから選択される。m及びsは0又は1を表わし、Xは一般式(1)の定義で既に示した−D−Gで表される置換基を示す。)
【0061】
また、上記構造中のZ’は、下記から選択される。
【0062】
【化6】
【0063】
(ここで、R12及びR13は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基及びハロゲン原子のいずれかを示す。q及びrは1〜10の整数、t,t’は1〜3の整数を示す。)
【0064】
上記構造中のWは、下記の基から選択される。
【0065】
【化7】
【0066】
(ここで、s’は0〜3の整数を示す。)
【0067】
一般式(II)におけるAr5の具体的構造としては、k=0の時は上記Ar1〜Ar4のいずれかでm=1の構造が、k=1の時の時は上記Ar1〜Ar4のいずれかでm=0の構造が挙げられる。
【0068】
上記一般式(II)で表される化合物における電荷輸送性サブユニット(一般式(I)におけるF)の具体例については、特開2003−66637号公報の[表1]〜[表55]に記載されているものを挙げることができる。
【0069】
また、電荷輸送性を有すると共に架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含む表面層において、シロキサン系樹脂の含有量は、表面層の全固形分中、20〜80質量%の範囲であることが好ましく、30〜70質量%の範囲であることがより好ましい。
【0070】
また、このような表面層を有する電子写真感光体との併用に好適であるトナーは、体積平均粒径3〜10μmの範囲で、形状係数(SF)が100〜140の範囲の球形状トナーであることが好ましい。ここで、球形状トナーとは、高転写効率を達成し得る、完全な真球及び真球に近い形状を有するトナーを意味する。なお、「球形状」が意味する定量性については後述する。また、前記球形状トナーは、通常は重合法或いは溶解法等の湿式法により製造されるものであるが、ほぼ球形状のトナーが得られるのであれば、その製造方法は特に限定されず、例えば、機械粉砕法等の他の製法により製造されるものであってもよい。
【0071】
本発明に用いられる球形状トナーの、「球形状」の程度は下記式(4)で表される形状係数(SF)によって定量的に表現され、この値が、100である場合は真球を意味し、100に近いほど、その形状が真球に近いことを意味する。本発明において、この形状係数(SF)は、100〜140の範囲であることが好ましく、105〜135の範囲がより好ましい。
式(4) SF=(2πL2/4A)×100
〔式(4)において、Lは、球形状トナー粒子投影像の最大長さ(μm)を表し、Aは、該球形状トナー粒子投影像の面積(μm2)を表す。〕
【0072】
形状係数(SF)が、140を超える場合は、球形状トナーの像担持体表面に対する接触面積が大きくなるために、この球形状トナーの像担持体表面に対する付着力が大きくなり、転写効率が低下する場合がある。従って、このような場合には、画像を形成するために利用されることなく廃棄されるトナーが増加し、経済的にも、環境上も好ましくない。
【0073】
なお、形状係数(SF)は、上記の画像解析装置(株式会社ネクサス製:NEXUS)を用いて、重合法等により得られた球形状トナー粒子100個の各々について、その投影像の最大長さL(μm)及び該球形状トナー粒子投影像の面積A(μm2)を計測し、これらの値を上記式(4)に代入して得られた個々の値を平均して求めたものである。
【0074】
また、本発明に用いられる球形状トナーの体積平均粒径は、3μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、4μm〜8μmの範囲内であることがより好ましい。
体積平均粒径が3μm未満の場合では、球形状トナーが現像器から飛散しやすくなるため画像形成装置内の汚染等を発生させたり、また、二成分現像剤では前記トナーがキャリアへ付着しやすくなるためトナーの帯電性を低下させてしまう場合がある。一方、体積平均粒径が10μmを超えた場合では、画質の低下を招きやすくなる等の不具合が発生する。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【0076】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0077】
各々の実施例及び比較例においては、図1に示される本発明の電子写真感光体用クリーニング装置を下記に示すようにそれぞれ変化させて、複写機(富士ゼロックス社製「DCC500」改造機)に装着し、帯電、露光、現像、定着を行い、900万枚の画像形成テストに供した。
なお、富士ゼロックス社製「DCC500」の電子写真感光体は、電荷輸送性を有すると共に、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含む表面層を有する。
また、使用したトナーは、溶解法により作製された、体積平均粒径が5〜7μm、形状係数(SF)=130の球形状トナーであり、負極帯電性の2成分現像剤として使用した。
【0078】
[実施例1]
実施例1における電子写真感光体用クリーニング装置の構成は、以下に示す通りである。
【0079】
(第1のブラシローラ10)
第1のブラシローラ10は、材質: 導電性ポリアミド、電気抵抗:103Ω、繊維密度:100,000本/inch2(1inch=2.54cm)、繊維1本当たりの先端力F1:5.0×10-5(gf)であるブラシ繊維を有していた。また、第1のブラシローラ10は、電子写真感光体の回転方向に対して逆回転に周速60mm/sの速度で回転させた。該ブラシローラへの印加バイアスは+200Vとした。
なお、第1のブラシローラ10は、全てのブラシ繊維の先端力F1が5.0×10-5(gf)であった。
【0080】
(第2のブラシローラ20)
第2のブラシローラ20は、材質: 導電性ポリアミド、電気抵抗:104Ω、繊維密度:80,000本/inch2、繊維1本当たりの先端力F1:4.0×10-5(gf)であるブラシ繊維を有していた。また、第2のブラシローラ20は、電子写真感光体の回転方向に対して逆回転に周速62mm/sの速度で回転させた。該ブラシローラへの印加バイアスは−400Vとした。
なお、第2のブラシローラ20は、全てのブラシ繊維の先端力F2が4.0×10-5(gf)であった。
【0081】
(第1の回収ローラ12)
第1の回収ローラ12は、表面層として、厚さ2mm導電性カーボンを分散したフェノール樹脂層を有し、電気抵抗:103Ωであった。
また、第1の回収ローラ12の周速は75mm/s、また、第1の回収ローラ12への印加バイアスは+400V、第1のブラシローラ10への食い込み量は1.5mmとした。
また、第1の回収ローラ12には、材質:ステンレス、厚み80μmのスクレーパー(ブレード14)が、第1の回収ローラ12へ接触配置されていた。
【0082】
(第2の回収ローラ22)
第2の回収ローラ22は、表面層として、厚さ4mm導電性カーボンを分散したフェノール樹脂層を有し、電気抵抗:103Ωであった。
また、第2の回収ローラ22の周速は105mm/s、また、第2の回収ローラ22への印加バイアスは−800V、第2のブラシローラ20への食い込み量は1.7mmとした。
また、第2の回収ローラ22には、材質:ステンレス、厚み80μmのスクレーパー(ブレード24)が、第2の回収ローラ22へ接触配置されていた。
【0083】
上記構成による画像形成テストの結果を、表1に示す。
なお、表中の○、×は、トナーのクリーニング不良、感光体表面の傷、異物による表面欠陥等により、目標のプリント枚数(900万枚)に未達の状態で画質において致命的不良が発生した場合×であり、目標のプリント枚数に達しても画質において致命的不良がなく、良好な画像であった場合○とし、また、目標プリント枚数に未達の状態で軽微な画像不良が発生した場合△としている。この、画質不良の×と△の違いとしては、画質上筋、濃度むら等はっきりと判別できるものを×、ある環境下においてのみ画質欠陥が生じる場合、たとえば高温高湿環境に限り画像流れが生じる際には△としている。
なお、表1中、実施例1は、(実1)と表記されている。
【0084】
【表1】
【0085】
[実施例2〜9、比較例1〜40]
実施例1における、第1のブラシローラ10のブラシ繊維1本当たりの先端力F1と、第2のブラシローラ20のブラシ繊維1本当たりの先端力F2と、を表1のように代えた電子写真感光体用クリーニング装置を用いた以外は、実施例1と同様にして、画像形成テストに供した。結果を表1に併記する。
なお、表1中、実施例2〜9は、(実2)〜(実9)と表記され、比較例1〜40は、(比1)〜(比40)と表記されている。
【0086】
なお、実施例2〜9、及び比較例1〜40において使用した先端力F1が、それぞれ、3.0×10-6(gf)、3.0×10-5(gf)、6.0×10-4(gf)、1.5×10-3(gf)、3.0×10-3(gf)、8.0×10-3(gf)を示す第1のブラシローラ10は、以下に示すブラシ繊維を有していた。また、同様に、先端力F2が、それぞれ、3.0×10-6(gf)、2.0×10-5(gf)、1.0×10-4(gf)、5.0×10-4(gf)、7.0×10-4(gf)、2.0×10-3(gf)を示す第2のブラシローラ20も、以下に示すブラシ繊維を有していた。
ここで、第1のブラシローラ10、第2のブラシローラ20は共に、全てのブラシ繊維の先端力F1、先端力F2がそれぞれの値を有していた。
【0087】
(先端力F1が、3.0×10-6(gf)の第1のブラシローラ10)
材質:導電性ポリアミド、電気抵抗:104Ω、繊維密度:100,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0088】
(先端力F1が、3.0×10-5(gf)の第1のブラシローラ10)
材質:導電性アクリル、電気抵抗:105Ω、繊維密度:80,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0089】
(先端力F1が、6.0×10-4(gf)の第1のブラシローラ10)
材質:導電性ポリアミド、電気抵抗:104Ω、繊維密度:120,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0090】
(先端力F1が、1.5×10-3(gf)の第1のブラシローラ10)
材質:導電性ポリエステル、電気抵抗:103Ω、繊維密度:120,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0091】
(先端力F1が、3.0×10-3(gf)の第1のブラシローラ10)
材質:導電性ポリアミド、電気抵抗:104Ω、繊維密度:100,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0092】
(先端力F1が、8.0×10-3(gf)の第1のブラシローラ10)
材質:導電性ポリアミド、電気抵抗:105Ω、繊維密度:80,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0093】
(先端力F2が、3.0×10-6(gf)の第2のブラシローラ20)
材質:導電性ポリアミド、電気抵抗:103Ω、繊維密度:100,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0094】
(先端力F2が、2.0×10-5(gf)の第2のブラシローラ20)
材質:導電性ポリアミド、電気抵抗:104Ω、繊維密度:120,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0095】
(先端力F2が、1.0×10-4(gf)の第2のブラシローラ20)
材質:導電性ポリアミド、電気抵抗:105Ω、繊維密度:100,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0096】
(先端力F2が、5.0×10-4(gf)の第2のブラシローラ20)
材質:導電性ポリアミド、電気抵抗:104Ω、繊維密度:100,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0097】
(先端力F2が、7.0×10-4(gf)の第2のブラシローラ20)
材質:導電性アクリル、電気抵抗:103Ω、繊維密度:80,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0098】
(先端力F2が、2.0×10-3(gf)の第2のブラシローラ20)
材質: 導電性ポリエステル、電気抵抗:104Ω、繊維密度:80,000本/inch2であるブラシ繊維を有していた。
【0099】
表1に明らかなように、第1のブラシローラ10のブラシ繊維1本当たりの先端力F1が3.0×10-5(gf)以下であると、画質欠陥が生じてしまっていた。これは、感光体表面の転写残トナーや、再転写トナーがクリーニング領域に突入する際に、第1ブラシローラーにおけるトナークリーニング能力不足により、クリーニング不良が発生したためと思われる。また、先端力F1が3.0×10-3(gf)以上の場合も画像欠陥が生じた。これは、先端力F1を上げることで、トナークリーニング能力は高くなるが、感光体表面へ与えるダメージが大きくなり、感光体表面の傷や、トナー固着等の表面故障が発生してしまったためと思われる。
一方、第2のブラシローラ20のブラシ繊維1本当たりの先端力F2が2.0×10-5(gf)以下の場合、画質欠陥が生じてしまっていた。これは、第2のブラシローラ20が、感光体表面へ均一に潤滑剤を塗布することができず、感光体表面の傷やトナー固着等の表面故障が発生してしまったためと思われる。また、先端力F2が7.0×10-4(gf)以上の場合も画像欠陥が生じた。これは、第2のブラシローラ20が感光体表面へと強く摺接するため、潤滑剤供給が過剰となり、白抜け等を生じさせてしまうためと思われる。
【0100】
[実施例10]
実施例1において、富士ゼロックス社製「DCC500」の電子写真感光体にシロキサン系樹脂を含む表面層を設けていないものを用いた以外は、実施例1と同様の構成の本発明の電子写真感光体用クリーニング装置を、複写機(富士ゼロックス社製「DCC500」改造機)に装着して、画像形成テストに供した。
その結果、目標のプリント枚数900万枚に達していても、画質における致命的不良が発生せず、実用上問題のない画像が得られた。
ここで、900万枚プリント後の感光体表面を観察したところ、本発明の電子写真感光体用クリーニング装置の第1のブラシローラ10及び第2のブラシローラ20による傷が発生していたことが確認された。これにより、これ以降のプリントにおいて、画質劣化の恐れが推測された。
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、感光体表面への傷の発生を防止すると共に、異物固着を防止し、長期に渡って安定なクリーニング性を維持できるクリーニング装置、及び該クリーニング装置を備える画像形成装置を提供することができる。また、特に、表面層にシロキサン樹脂層を有する感光体と、球形状トナーと、を用いた画像形成装置においても、上記の効果が得られるクリーニング装置、及び該クリーニング装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体用クリーニング装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】 本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 第1のブラシローラ
12 第1の回収ロール(第1の回収部材)
14 ブレード
20 第2のブラシローラ
22 第2の回収ロール(第2の回収部材)
24 ブレード
30 電子写真感光体(感光体)
40 帯電部材(帯電手段)
50 露光装置(露光手段)
52 レーザー光線
60 現像器(現像手段)
70 転写部材(転写手段)
100 電子写真感光体用クリーニング装置
200 画像形成装置
P 記録紙(転写材)
Claims (7)
- 電子写真感光体表面に当接配置された第1のブラシローラと、該第1のブラシローラに当接配置された第1の回収部材と、前記第1のブラシローラに対し前記電子写真感光体の回転方向下流側に当接配置されると共に、当該電子写真感光体表面に固形潤滑剤を供給する機能を有する第2のブラシローラと、該第2のブラシローラに当接配置された第2の回収部材と、を有する電子写真感光体用クリーニング装置であって、
前記第1のブラシローラを構成するブラシ繊維1本当たりの先端力F1が下記関係式(1)を満たし、かつ、前記第2のブラシローラを構成するブラシ繊維1本当たりの先端力F2が下記関係式(2)を満たすことを特徴とする電子写真感光体用クリーニング装置。
関係式(1) 5.0×10-5 ≦ F1 ≦ 1.5×10-3
関係式(2) 4.0×10-5 ≦ F2 ≦ 5.0×10-4 - 前記固形潤滑剤が、脂肪酸金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体用クリーニング装置。
- 前記第1のブラシローラ及び前記第2のブラシローラには正極若しくは負極の電圧が印加され、かつ、前記第1の回収部材には前記第1のブラシローラより高い電圧が印加され、第2の回収部材には前記第2のブラシローラより高い電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体用クリーニング装置。
- 電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、トナーにより前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、転写後の前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置にあって、
前記クリーニング手段が請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体用クリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記電子写真感光体が、電荷輸送性を有すると共に架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含む表面層を備え、かつ、前記トナーが、体積平均粒径3〜10μmの範囲で、形状係数(SF)が100〜140の範囲の球形状トナーであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記シロキサン系樹脂が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
一般式(I) G−D−F
(一般式(I)中、Gは無機ガラス質ネットワークサブグループを表し、Dは可とう性有機サブユニットを表し、Fは電荷輸送性サブユニットを表す。)
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