JP2008276103A - 中間転写装置、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で全ての像担持体の表面に潤滑剤を塗布して表面摩擦係数を下げることができ、クリーニング性を向上させる。
【解決手段】画像作像ユニットa,b,c,dに配置された感光体ドラム1a,1b,1c,1eと、二次転写部材18a,18b,18c,18dの間に配置され、感光体ドラム1a,1b,1c,1e及び二次転写部材18a,18b,18c,18dに接触して、感光体ドラム1a,1b,1c,1eからのトナーを転写して画像を形成する中間転写体eを備えた中間転写装置において、中間転写体eに塗布した粉体状潤滑剤を粉体のまま画像作像ユニットの像担持体に転写する潤滑剤塗布装置fを備え、像担持体上で潤滑剤を薄膜化する
【選択図】図3
【解決手段】画像作像ユニットa,b,c,dに配置された感光体ドラム1a,1b,1c,1eと、二次転写部材18a,18b,18c,18dの間に配置され、感光体ドラム1a,1b,1c,1e及び二次転写部材18a,18b,18c,18dに接触して、感光体ドラム1a,1b,1c,1eからのトナーを転写して画像を形成する中間転写体eを備えた中間転写装置において、中間転写体eに塗布した粉体状潤滑剤を粉体のまま画像作像ユニットの像担持体に転写する潤滑剤塗布装置fを備え、像担持体上で潤滑剤を薄膜化する
【選択図】図3
Description
本発明は、中間転写装置、画像形成装置に係り、特に画像作像ユニットに配置された像担持体及び前記像担持体に対向して配置された二次転写部材の間に配置され、前記像担持体及び前記二次転写部材に接触して、前記像担持体からのトナーを転写して画像を形成する中間転写体を備えた中間転写装置及びこの中間転写装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成は、光導電現象を利用して像担持体上に静電的な電荷の像(静電潜像)を形成し、この静電潜像に着色した帯電微粒子(トナー)を静電力で付着させて可視像とするプロセスを有する。
前記電子写真方式を採用した画像形成装置では、その主要部品である像担持体や中間転写ベルトに、各種ワックスやフッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)や高級脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛等)を潤滑剤として塗布する技術が採用される。この技術は電子写真のクリーニングプロセス、すなわち、像担持体や中間転写ベルトに残留したトナーや不純物をクリーニングブラシやクリーニングブレードで掻き取るというプロセスで起こる不具合を解消するために用いられるものである。
潤滑剤塗布によって、まず、像担持体表面からのトナーのクリーニング性の向上が図られる。潤滑剤を像担持体の表面に塗布することにより、その表面の摩擦係数が減少し、その表面に付着した付着物を表面から容易に除去することができるようになる。具体的には、紙等の最終的な記録媒体に転写しきれず像担持体や中間転写ベルト上に残留してしまったトナーを容易に除去することができるようになる。
近年、重合法により調整された球形状トナーが用いられ始めているが、これらの球形状トナーは粒径分布が揃っており、且つ、小粒径化も効率良く行えることから、画質を向上させることができる一方で、像担持体表面のクリーニングが難しくなるという問題点もある。そのような技術的背景からも、潤滑剤を用いることによるクリーニング性向上は、今後、更に重要な技術となると考えられている。
又、潤滑剤塗布によって、像担持体表面の放電による酸化劣化の防止が図られる。像担持体に静電的な電荷の像(静電潜像)を形成するためには帯電手段によって像担持体表面を一様に帯電させる必要がある。帯電手段としては、近年では帯電ローラ部材に高電圧を印加して像担持体に直接放電させて帯電させるものがある。しかしながら、像担持体に対して直接放電するため、像担持体表面が劣化するという問題が発生している。特に帯電ローラ部材を像担持体に接触させない、いわゆる非接触帯電ローラ方式においてはローラ部材に交流電圧を印加する必要があり、像担持体表面が劣化しやすいことが分かっている。劣化した像担持体表面は主にクリーニング部材であるクリーニングブラシやクリーニングブレードとの機械的摺擦により、摩耗しやすくなることが明らかになっている。
したがって、像担持体表面に潤滑剤を塗布する技術は放電による像担持体へのダメージを低減させるためにも重要な技術である。
一般的に、潤滑剤は微量ずつ粉体の形態で像担持体表面に供給されるが、その具体的な方法としては、ブラシなどの塗布手段によりブロック上に固形成形された潤滑剤を削り取って粉体とし、ブラシに保持した粉体状の潤滑剤を像担持体に接触させて塗布する。
特許文献1には、感光体と当接するクリーニングブレードを有する感光体のクリーニング装置に関し、トナーの小粒子径化と重合トナー化に対するクリーニングを、装置の簡略化及び小型化に対応する潤滑剤塗布機構により実現する画像形成装置を提供するために、潤滑剤塗布手段はクリーニング手段の下流側で、且つ該クリーニング手段と均し手段との間に配設され、該均し手段は、該潤滑剤塗布手段に隣接した下流側で、且つ帯電手段の上流側に配設され、該均し手段に揺動可能な板状ブラシを採用することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
又、特許文献2には、感光体の表面状態を検出する表面状態センサの出力を、潤滑剤非塗布時出力と、潤滑剤塗布時の出力との比である相対値として読み取り、潤滑剤供給体の補給時期検出に用いる。又、感光体上のカブリのない状態で、感光体の表面状態を検査して、カブリによる検出誤差をなくする技術が記載されている。
又、特許文献3には、少なくとも電子写真感光体(感光体)と、感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行い、静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置と、現像像を転写する装置と、感光体の転写残トナーをクリーニングするクリーニング装置を具備する画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置において、感光体が、導電性基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成した感光層を有し、電荷発生層に含まれる電荷発生物質の少なくとも一つが下記一般式(I)で表されるジスアゾ顔料であり、且つ感光体が、感光体に当接する部材とトナーの両方から同種の滑剤の供給を受けることを特徴とするフルカラー電子写真装置が記載されている。
特開2004−354695号公報
特開2006−30743号公報
特開2006−18202号公報
ところで、カラー画像形成装置など複数の作像ユニットを有する場合、作像ユニット個別に固形成形された潤滑剤を配置すると、画像形成装置を小型化することが困難である。更に、複数の固形潤滑剤及び塗布するための機構が必要となりコストが高くなってしまう。
特許文献1に記載の技術では、全ての感光体に潤滑剤塗布手段を装備しているため、画像装置の小型化に限界がある。又、中間転写体上に潤滑剤塗布手段を装備しているが、感光体に潤滑剤を塗布(転写)させる手段がないので、感光体に潤滑剤が塗布されない。
又、特許文献2及び特許文献3の技術では、全ての感光体にトナー及び潤滑剤塗布手段から潤滑剤を塗布する構成のため、画像装置の小型化に限界があるという問題がある。
そこで、本発明は簡単な構成で全ての像担持体の表面に潤滑剤を塗布して表面摩擦係数を下げることができ、クリーニング性を向上することができる中間転写装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、画像作像ユニットに配置された像担持体及び前記像担持体に対向して配置された二次転写部材の間に配置され、前記像担持体及び前記二次転写部材に接触して、前記像担持体からのトナーを転写して画像を形成する中間転写体を備えた中間転写装置において、中間転写体に塗布した粉体状潤滑剤を粉体のまま画像作像ユニットの像担持体に転写する潤滑剤塗布装置を備え、像担持体上で潤滑剤を薄膜化することを特徴とする中間転写装置である。
請求項2の発明は、請求項1記載の中間転写装置において、前記潤滑剤塗布装置は、前記中間転写体の残留トナーを除去するクリーニング部材と、固形潤滑剤と、前記固形潤滑剤を粉体状潤滑剤として前記中間転写体に塗布する塗布部材と、中間転写体に塗布した粉体状潤滑剤の極性を制御する極性付与部材と、を備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の中間転写装置において、画像作像ユニットが複数配置され、前記複数の画像作像ユニットと前記に自転車部材とは前記中間転写体に個別に離接可能に配置され、前記潤滑剤塗布装置は、前記画像作像ユニットの像担持体に対して、個別に中間転写体から粉体状潤滑剤を転写させることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の中間転写装置において、前記塗布部材は前記中間転写体に離接可能に配置されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の中間転写装置において、全ての画像作像ユニット及び全ての二次転写部材を前記中間転写体から離間させ、中間転写体自体に粉体状潤滑剤を塗布して中間転写体にクリーニング部材により膜状潤滑剤にすることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか記載の中間転写装置において、前記中間転写体と前記滑剤塗布部材とは同じ方向に回転することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか記載の中間転写装置において、前記潤滑剤塗布装置は、中間転写装置の非作像時に動作することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか記載の中間転写装置において、固形状潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか記載の中間転写装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、中間転写体に塗布した粉体状潤滑剤を粉体のまま画像作像ユニットの像担持体に転写する潤滑剤塗布装置を備え、像担持体上で潤滑剤を薄膜化するようにしたので、簡単な構成で全ての像担持体の表面に潤滑剤を塗布して表面摩擦係数を下げることができ、クリーニング性を向上することができるという効果がある。
以下本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
以下、本発明の特徴であるカラー画像形成装置について詳細に説明する。図1はカラー画像形成装置の構成を示した概略断面図である。このカラー画像形成装置は、4台の画像作像ユニットa,b,c,dと中間転写体eと潤滑剤塗布装置fとを有している。画像作像ユニットa,b,c,dには、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー色のトナーが充填され、フルカラーの画像を形成する。なお、画像作像ユニットa,b,c,dのトナー色の順番は特にこれに限られない。
前記画像作像ユニットa,b,c,dにより作像された各色のトナーは、図1中矢印B方向に回転する中間転写体e上に重ねて転写され、複数色のトナーで形成された画像パターンを形成する。このとき、中間転写体eは、各画像作像ユニットの像担持体である感光体ドラム1a,1b,1c,1eと二次転写部材18a,18b,18c,18dとの間に挟まれている。又、中間転写体eには転写装置19が配置され、転写装置19に転写バイアスを印加することにより、図1中矢印C方向に移動する紙などの転写材Pに中間転写体e上のトナー像が転写される。
前記転写装置19は、弾性ローラ部材等の転写部材を用いることができ、中間転写体eの表面に所定の押圧力で接触させ、その転写部材と中間転写体eとの間で転写ニップを形成する。この転写ニップで転写材Pを挟み込んだ状態で、転写バイアス電源からトナーとは逆極性の転写バイアスを転写部材に印加することによって形成される転写電界により、中間転写体e表面上のトナー像を転写材P上へ転写する。このようにしてトナー像が転写された転写材Pは、図示していない定着装置へ搬送され、ここでトナー像が定着された後、画像装置機外へ排出される。
図2は画像作像ユニットの構成を示す概略断面図である。画像作像ユニットa,b,c,dは、図中矢印A方向に回転する像担持体としての感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1は、アルミニウム基体の外周面に有機感光体からなる感光層を形成したものであり、ドラム表層がポリカーボネート製のものを使用することができる。感光体ドラム1の周囲には、帯電手段としての帯電装置2と、現像手段としての現像装置3、クリーニング手段としてのクリーニングブレード部材4が配置されている。
前記現像装置3は、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像を行うものである。この現像装置3は、現像剤担持体としての現像ローラ5と現像ローラ5にトナーを供給するトナー供給ローラ6を備えている。更に現像装置の上部にはトナー充填部及び廃トナー回収保持スペース部7を備えている。
予めトナー充填部に充填したトナーが自重によって現像装置3下部に補給され、補給されたトナーが回転するトナー供給ローラ6に供給され、トナー供給ローラ6によってトナーが現像ローラ5に供給され保持される。
現像ローラ5は、表面にトナーを担持しながら回転することによって、トナーを感光体ドラム1と対向する現像領域へ搬送する。現像ローラ5には、現像バイアス電源から現像バイアスが印加される。これにより、現像領域において、現像ローラ5表面の電位と感光体ドラム1表面の静電潜像部分における電位との間に電位差が生じ、この電位差によって形成される現像電界の作用を受けて、トナーが静電潜像へ付着する。これにより、感光体ドラム1上の静電潜像がトナー像になる。
本実施例では、キャリアを用いないトナーのみからなる一成分現像剤を用いて説明している。特に1成分現像剤に限られることはなく、キャリアとトナーを混合させた2成分現像剤を用いた現像装置を使用することができる。
前記帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を一様に帯電するものであり、帯電装置2は、帯電部材を感光体ドラム1の表面に接触させ、又は感光体ドラム1の表面と微小な空隙を空けて配置し、これに帯電バイアスを印加することによって感光体ドラム1表面を所望の極性及び所望の電位に一様帯電する。この帯電部材としては、弾性体からなる帯電ローラを用いることができる。
前記クリーニング装置は、転写されずに感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーを感光体ドラム1の表面から除去するものである。クリーニング装置としては、感光体ドラム1表面上の転写残トナーを掻き取って除去するためのクリーニングブレード部材4を用いている。クリーニングブレード部材4はポリウレタンのブレード部材を金属支持体に貼り付けたものを用い、感光体ドラム1との当接方法は感光体ドラム1の回転方向Aに対してカウンタ方向に接触させる。クリーニングブレード部材4に関しては感光体ドラム1からのトナー除去のみならず、記録材として紙を使用したときの紙粉、帯電装置2によって感光体ドラム1を放電により生成する放電生成物、トナーに添加されている添加剤などの不純物を感光体ドラム1から除去する機能も有している。
感光体ドラム1から除去したトナーは、トナー搬送部材8により画像作像ユニットの端部に搬送され、廃トナー回収保持スペース部7に搬送される。このとき除去したトナーは、1成分現像剤を用いた場合は再び現像するトナーとして使用しないが、2成分現像剤を用いた場合は再び現像トナーとして使用することができる。
トナーに関しては、本実施例では画質向上のために、円形度が0.98以上の球形トナーを使用している。ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150(ml)中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5(ml)加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5(g)程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1(万個/μl)となるようにしたものを前記分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。
球形トナーとしては、従来から広く用いられている粉砕法により形状が歪な異形のトナー(粉砕トナー)を加熱処理等して球形化したものや、重合法により製造されたトナーなどを用いることができ、その製造方法に限定されない。
このような球形トナーにおいては、粉砕トナーを感光体ドラム1表面から除去するために用いられていた従来のクリーニングブレードあるいはクリーニングブラシでは、その球形トナーを感光体ドラム1表面から十分に除去しきれない。
したがって、本発明は感光体ドラム1からのトナー剥離性(除去性)を向上させるために中間転写体eを介して潤滑剤塗布装置fにより、画像作像ユニットa,b,c,dのそれぞれの感光体ドラム1に潤滑剤を塗布し、クリーニング性を向上させる構成となっている。
図3は潤滑剤塗布装置の構成を示す概略断面図である。潤滑剤塗布装置fは、図3中矢印E方向に回転するローラ形状の塗布部材であるブラシ部材9と、固形潤滑剤10と、固形潤滑剤10をローラ形状のブラシ部材9に押圧する押圧部材11を備えている。更に、潤滑剤塗布装置fは、ブラシ部材9により中間転写体eに塗布された粉体状の潤滑剤の極性を制御するための極性付与部材12と、中間転写体e表面の残留トナー及び不純物を除去するためのクリーニング部材であるブレード部材14を有している。極性付与部材12には電源13が接続されている。中間転写体eは駆動ローラ15が図中矢印D方向に回転することにより、図中矢印B方向に移動する。又、ブラシ部材9は中間転写体eと離接可能なように構成されている。
図4は中間転写体とブラシ部材の接触部の拡大断面図である。ブラシ部材9は固形潤滑剤10と接触するように設置され、ブラシ部材9が矢印E方向に回転することにより固形潤滑剤10をブラシ毛の先端部のエッジ部で削り取る。このとき、粉体となった潤滑剤はブラシ部材9を構成するブラシ繊維毛表面に付着して保持され、中間転写体eに塗布される。
本実施例では、ブラシ部材9は矢印E、中間転写体eは矢印B方向に回転する。つまり、ブラシ部材9と中間転写体eの回転方向は同じ方向に回転し、カウンタ方向で接触するようになっている。二つの部材を同じ回転方向にする効果について説明する。ブラシ部材9は中間転写体eに対して、一定の間隔(食い込み量)で接触させる構成とすることで、ブラシ部材9と中間転写体eにはニップが形成される。このニップ部ではブラシ部材9のブラシ毛はブラシ部材9の回転方向Eとは異なる方向に倒れる。ニップ部で倒れたブラシ毛はブラシ部材9が回転していることから、やがてニップ部出口側で開放されることになり、ブラシ毛は元の状態に戻ろうとする。このときブラシ毛は復元力により激しくブラシ回転方向に移動する。(反発力で移動することになる。)この反発力によりブラシ部材9に保持していた粉状の潤滑剤がブラシ部材9から離れ、飛翔して中間転写体eに塗布される。
中間転写体eとブラシ部材9の回転方向が同じ場合は、ブラシニップ部出口側で中間転写体eに飛翔して塗布された粉体状潤滑剤が再びブラシ部材9と中間転写体eのニップ部に進入するため、ブラシ部材9による均し効果が発揮され、中間転写体e表面での粉体状潤滑剤の塗布ムラが発生しにくくなる。したがって、中間転写体eとブラシ部材9の回転方向を同じ方向とすることで潤滑剤の塗布ムラを改善することができる。
ローラ形状のブラシ部材9としては、ポリアミド系合成繊維(ナイロン(登録商標))、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリエステル、塩ビ等の樹脂繊維から構成されており、必要に応じては前述の樹脂繊維にカーボン等の導電付与剤を混ぜた導電繊維を使用してもよい。
ローラ形状のブラシ部材9は、金属からなる芯金に長さ0.2〜20(mm)好ましくは0.5〜10(mm)の範囲のブラシ毛が基布上に植毛されたブラシをスパイラル上に巻き付けて構成されている。ブラシ毛の長さが20(mm)以上では、中間転写体eの稼動時間とともに固形潤滑剤10及びブラシ部材9との繰り返し摺擦により、ブラシ体の逆方向の傾斜角が減少して倒毛し、固形潤滑剤10の掻き取り性、中間転写体eへの潤滑剤塗布性が低下する。ブラシの毛の長さが、0.2(mm)以下では、固形潤滑剤10に対する物理的な力が不足する。したがって、ブラシの毛の長さは、0.2〜20(mm)、好ましくは0.5〜10(mm)の範囲にすることが好ましい。
中間転写体eに均一に塗布された粉体状潤滑剤16は、極性付与部材12を通過するときにプラスあるいはマイナスの電荷を保持するように電源13から電圧が印加される。極性が揃えられた粉体状潤滑剤17は図中矢印B方向に運ばれ、やがて各画像作像ユニットa,b,c,dの転写部に搬送される。
次に、極性が揃えられた粉体状潤滑剤が転写部材により感光体ドラムに転写され、クリーニング装置であるブレード部材により薄膜化される一連の動作について説明する。図5は粉体状潤滑剤が薄膜化される一連の動作を示した拡大断面図である。
本実施例では、感光体ドラム1を帯電装置2によりマイナスに帯電し、更に、マイナスに帯電させたトナーを用いて現像装置3により感光体ドラム1に現像するため、二次転写部材18にはプラスの電圧あるいは電流を印加することにより、感光体ドラム1上のトナーを中間転写体eに転写させる。したがって、図4に示すように、中間転写体e上に均一に塗布された粉体状潤滑剤16が極性付与部材12を通過するときに、電源13から極性付与部材12にプラスの電圧を印加することにより、極性付与部材12通過後の粉体状潤滑剤17はプラス極性の電荷を保持するようになる。したがって、二次転写部材18にはプラスの電圧あるいは電流を印加するので、粉体状潤滑剤17は電界の作用により感光体ドラム1に転写されることになる。
図6は感光体ドラムとクリーニング部材との接触状態を示す拡大断面図である。クリーニング部材は感光体ドラム1上の残留トナー、不純物を除去するものであるが、本発明では粉体状潤滑剤17を薄膜化する機能を兼ねている。クリーニング部材は上述したように、短冊形状の弾性体であるゴム部材を用いる。ゴム部材を用いることにより、感光体ドラム1にある量だけ食い込ませて(押し込んで)接触させることができ、クリーニング部材と感光体ドラム1はニップを形成することができる。粉体状潤滑剤17はトナーと同じようにクリーニング部材のニップ部に滞留し、クリーニング部材からの圧力によって感光体ドラム1表面に薄膜潤滑剤20となって通過する。
潤滑剤塗布装置fにより塗布する粉体状の潤滑剤は微粉であればあるほどクリーニング部材により感光体ドラム1表面上に分子膜レベルで薄膜化できる。潤滑剤の皮膜化が進行することで潤滑剤はその潤滑性を十分に発揮できるようになる。逆に潤滑剤が粗い粉状態でクリーニング部材のニップ部に進入してくると感光体ドラム1上に膜化する量以上の余った潤滑剤が残留してしまい、やがてニップ部を粉状体ですり抜けて感光体ドラム1に付着し、帯電手段の汚染の原因となってしまう。更には、感光体ドラム1表面の潤滑膜ムラが発生し、現像、転写、クリーニングに対して悪影響が発生する。
本例では、上述したように感光体ドラム1は図6中矢印A方向に回転し、クリーニング部材であるゴム部材は回転方向Aに対してカウンタで接触するように配置している。カウンタで接触させたほうがクリーニング部材とのニップ部で均一に圧力が加わり、潤滑剤を感光体ドラム1に効果的に薄膜状態となって付着させることができる。
図7は潤滑剤塗布装置により一つの画像作像ユニットの感光体ドラムに潤滑剤を塗布している状態を示す概略断面図である。
本例では、潤滑剤の画像作像ユニットa,b,c,d内の感光体ドラム1a,1b,1c,1eへの塗布は非作像時に個別に行う。図7に示した例では、画像作像ユニットaの感光体ドラム1aに潤滑剤の塗布を行うため、画像作像ユニットb,c,dの感光体ドラム1b,1c,1e及び転写装置19は中間転写体eと非接触の状態とする。
このような状態で画像作像ユニットaの感光体ドラム1aと中間転写体eと潤滑剤を中間転写体eに塗布するブラシ部材9のみが所定の方向に回転することで、中間転写体eを介して感光体ドラム1aに潤滑剤を供給し、感光体ドラム1aに薄膜潤滑剤を形成する。
図8は潤滑剤塗布装置より他の画像作像ユニットに潤滑剤を塗布している状態を示す概略断面図である。この例でも、画像作像ユニットbの感光体ドラム1bに潤滑剤の塗布を行うため、画像作像ユニットa,c,dの感光体ドラム1a,1c,1e及び転写装置19は中間転写体eと非接触の状態とする。
同様の動作が他の画像作像ユニットc、dについても行われ、画像作像ユニットの感光体ドラム1a,1b,1c,1eの全てに潤滑剤が塗布される。
ここで、ブラシ部材9は中間転写体eと離接可能な構成となっており、通常の作像動作時はブラシ部材9と中間転写体eは非接触の状態で、固形潤滑剤10を中間転写体eに塗布しないようになっている。これは、固形潤滑剤10を塗布するブラシ部材9が常に中間転写体eに接触していると作像動作時に複数ある画像作像ユニットのうち、潤滑剤塗布装置fに一番近い感光体ドラム1(本実施例では画像作像ユニットaの感光体ドラム1a)にのみ潤滑剤が過剰に塗布されてしまうためである。したがって、個々の感光体ドラム1に潤滑剤を塗布するときのみ、中間転写体eとブラシ部材9を接触させるものとしている。
図9は潤滑剤塗布装置により中間転写体に潤滑剤を塗布する状態を示した概略断面図である。この処理では、全ての画像作像ユニットa,b,c,dの感光体ドラム1a,1b,1c,1e及び転写装置19が中間転写体eと離間された状態とされ、中間転写体eだけが図中矢印B方向に回転することにより、ブラシ部材9で中間転写体e表面に潤滑剤が塗布され、ブレード部材14により薄膜化される。このとき、極性付与部材12には電圧を印加させず、画像作像ユニットa,b,c,dの感光体ドラム1に粉体状潤滑剤が飛翔しないようになっている。なお、この動作も非作像時に行う。
以上説明したように本実施例に係る画像形成装置によれば、中間転写体eの表面摩擦係数を下げることにより、転写材Pへの転写効率を向上させることができる。又、本実施例では、全ての画像作像ユニットa,b,c,d及び中間転写体eへの潤滑剤の塗布を1台の潤滑剤塗布装置で行うことができ構造を単純で小型のものとすることができ、コストの低減を図ることができる。
本実施例で用いている固形潤滑剤10としては、ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑油添加剤を溶解したもので、十分な潤滑性があるものを用いる。ここで、ステアリン酸亜鉛は膜状になるとラメラ結晶構造を形成し、ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、剪断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすくなる。
感光体ドラムに付着したステアリン酸亜鉛膜は、上述した作用により少量であっても剪断力を受けて低摩擦係数化を果たすことができ、感光体ドラム表面を覆うことができる。この低摩擦係数の実現によって、クリーニング装置としてのクリーニングブレード部材4がそのクリーニング性能を発揮することができる。同様に中間転写体eのブレード部材14もクリーニング性能を発揮することができる。
上記例では、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を使用した場合を説明したが、潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛の他に、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチュウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸基を持つものを使用することができる。又、潤滑剤としては、同じ脂肪酸基であるオレイン酸亜鉛、オレイン酸バリウム、オレイン酸鉛、以下、ステアリン酸と同様や、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸バリウム、パルチミン酸鉛を使用することができる。
1 感光体ドラム
1a,1b,1c,1e 感光体ドラム
2 帯電装置
3 現像装置
4 クリーニングブレード部材
5 現像ローラ
6 トナー供給ローラ
7 廃トナー回収保持スペース部
8 トナー搬送部材
9 ブラシ部材
10 固形潤滑剤
11 押圧部材
12 極性付与部材
13 電源
14 ブレード部材
15 駆動ローラ
16 粉体状潤滑剤
17 粉体状潤滑剤
18 二次転写部材
18a,18b,18c,18d 二次転写部材
19 転写装置
20 薄膜潤滑剤
P 転写材
a,b,c,d 画像作像ユニット
e 中間転写体
f 潤滑剤塗布装置
1a,1b,1c,1e 感光体ドラム
2 帯電装置
3 現像装置
4 クリーニングブレード部材
5 現像ローラ
6 トナー供給ローラ
7 廃トナー回収保持スペース部
8 トナー搬送部材
9 ブラシ部材
10 固形潤滑剤
11 押圧部材
12 極性付与部材
13 電源
14 ブレード部材
15 駆動ローラ
16 粉体状潤滑剤
17 粉体状潤滑剤
18 二次転写部材
18a,18b,18c,18d 二次転写部材
19 転写装置
20 薄膜潤滑剤
P 転写材
a,b,c,d 画像作像ユニット
e 中間転写体
f 潤滑剤塗布装置
Claims (9)
- 画像作像ユニットに配置された像担持体及び前記像担持体に対向して配置された二次転写部材の間に配置され、前記像担持体及び前記二次転写部材に接触して、前記像担持体からのトナーを転写して画像を形成する中間転写体を備えた中間転写装置において、
中間転写体に塗布した粉体状潤滑剤を粉体のまま画像作像ユニットの像担持体に転写する潤滑剤塗布装置を備え、像担持体上で潤滑剤を薄膜化することを特徴とする中間転写装置。 - 前記潤滑剤塗布装置は、前記中間転写体の残留トナーを除去するクリーニング部材と、固形潤滑剤と、前記固形潤滑剤を粉体状潤滑剤として前記中間転写体に塗布する塗布部材と、中間転写体に塗布した粉体状潤滑剤の極性を制御する極性付与部材と、を備えることを特徴とする請求項1記載の中間転写装置。
- 画像作像ユニットが複数配置され、前記複数の画像作像ユニットと前記に自転車部材とは前記中間転写体に個別に離接可能に配置され、
前記潤滑剤塗布装置は、前記画像作像ユニットの像担持体に対して、個別に中間転写体から粉体状潤滑剤を転写させることを特徴とする請求項1又は2記載の中間転写装置。 - 前記塗布部材は前記中間転写体に離接可能に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の中間転写装置。
- 全ての画像作像ユニット及び全ての二次転写部材を前記中間転写体から離間させ、中間転写体自体に粉体状潤滑剤を塗布して中間転写体にクリーニング部材により
膜状潤滑剤にすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の中間転写装置。 - 前記中間転写体と前記滑剤塗布部材とは同じ方向に回転することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の中間転写装置。
- 前記潤滑剤塗布装置は、中間転写装置の非作像時に動作することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の中間転写装置。
- 固形状潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の中間転写装置。
- 請求項1乃至8のいずれか記載の中間転写装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007122291A JP2008276103A (ja) | 2007-05-07 | 2007-05-07 | 中間転写装置、画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007122291A JP2008276103A (ja) | 2007-05-07 | 2007-05-07 | 中間転写装置、画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008276103A true JP2008276103A (ja) | 2008-11-13 |
Family
ID=40054106
Family Applications (1)
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JP2007122291A Pending JP2008276103A (ja) | 2007-05-07 | 2007-05-07 | 中間転写装置、画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008276103A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011064762A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Ricoh Co Ltd | 転写装置及びその転写装置を備えた画像形成装置 |
JP2012118432A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 滑剤供給装置、画像形成装置 |
US9158214B2 (en) | 2011-06-23 | 2015-10-13 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, intermediate transfer member, process cartridge, and electrophotographic apparatus |
-
2007
- 2007-05-07 JP JP2007122291A patent/JP2008276103A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011064762A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Ricoh Co Ltd | 転写装置及びその転写装置を備えた画像形成装置 |
US8811867B2 (en) | 2009-09-15 | 2014-08-19 | Ricoh Company, Limited | Transfer device and image forming apparatus using same |
JP2012118432A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 滑剤供給装置、画像形成装置 |
US9158214B2 (en) | 2011-06-23 | 2015-10-13 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, intermediate transfer member, process cartridge, and electrophotographic apparatus |
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