JP4345308B2 - ポリマーコンポジットおよびその製造方法 - Google Patents

ポリマーコンポジットおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブを充填材料として用いたポリマーコンポジット、およびその製造方法に関する。
本発明は、特に軽くて強靭なポリマーコンポジットが求められる宇宙船、携帯電子機器、衣料品開発などに展開が期待されるが、他にも広範なカーボンナノチューブの応用に展開可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2000−63726号公報
【特許文献2】
特開平11−34336号公報
【特許文献3】
特開2002−105329号公報
【特許文献4】
特開2002−97375号公報
【特許文献5】
特開平11−263916号公報
【非特許文献1】
ファブリケーション オン アンド キャラクタリゼーション オブ カーボンナノチューブ/ポリビニルアルコール コンポジット(Fabrication and Characterization of Carbon Nanotube/Poly(vinyl−alcohol) Composites),エム エス ピー シェイファー(M.S.P.Shaffer)ら著,「アドバンスト マテリアル(Advanced Materials)」,独国,WILEY-VCH,1999年,11巻(11号),p.937−941
【非特許文献2】
サーファクタント−アシステッド プロセッシング オブ カーボンナノチューブ/ポリマーコンポジット(Surfactant−Assisted Processing of Carbon Nanotube/Polymer Composites),エックス ゴング(X.Gong)ら著,「ケミストリー オブ マテリアル(Chemistry of Materials)」,米国,アメリカン ケミカル ソサイエティ(American Chemical Society),2000年,12巻,p.1049−1052
【0003】
繊維状のカーボンは一般的にカーボンファイバーと呼ばれているが、直径数μm以上の太さの構造材料として用いられるカーボンファイバーは、径が大きく、軸に平行で円筒状の網目構造が発達してない。触媒を利用した気相熱分解法で得られるカーボンファイバーは、チューブの中心付近に軸に平行でかつチューブ状の網目構造があるが、その周囲に乱れた構造の炭素が多く付着している場合が多い。
【0004】
これとは別に、近年発見されたカーボンナノチューブは直径1μm以下の太さのチューブ状材料であり、理想的なものとしては炭素6角網目構造の面(グラフェンシート)がチューブの軸に平行になって管を形成し、さらにこの管が多重になることもある。このカーボンナノチューブは炭素でできた6角網目の繋り方や、チューブの太さにより金属的あるいは半導体的なることが理論的に予想され、また強靭なため将来の機能材料として期待されている。
【0005】
カーボンナノチューブは、一般的にグラフェンシートが1枚の構造のものはシングルウォールナノチューブ(以下、「SWNT」と略称する。)と呼ばれ、一方、多層のグラフェンシートから構成されているものはマルチウォールナノチューブ(以下、「MWNT」と略称する)と呼ばれている。どのような構造のカーボンナノチューブが得られるかは、合成方法や条件によってある程度決定されるが、同一構造のカーボンナノチューブのみを生成することは未だにできていない。
【0006】
上記のようなカーボンナノチューブを用いた導電性ペースト(例えば、特許文献1参照)や導電性インク(例えば、特許文献2参照)など、カーボンナノチューブを分散した系の応用例は幅広く期待され、検討されているが、そこで最も大切なことはその分散安定性である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
カーボンナノチューブを分散させて用いたいと、様々な方面で要求があるが、分散させようとする系によっては、はじめから分散できない系もあり、カーボンナノチューブの応用のネックとなっている。したがって、カーボンナノチューブをできるだけ均一に分散させた分散安定性の高いカーボンナノチューブ分散液を得る技術が求められていた。
【0008】
ところで、上記のようなカーボンナノチューブをポリマー中に分散すると、その力学的強度が上がることが知られている(例えば、特許文献3、4および非特許文献1参照)。しかし、カーボンナノチューブはそのままでは溶剤への濡れ性、分散性が悪いため、力学的強度を上げるにはかなり多量のカーボンナノチューブを投入する必要がある。例えば、非特許文献1においては、40℃での貯蔵弾性率を20%上昇させるのに必要な、ポリビニルアルコールに対するカーボンナノチューブの配合割合が、40重量%にもなることが記載されている。
【0009】
また、非特許文献2には、界面活性剤を用いてカーボンナノチューブをエポキシ樹脂中に分散させたポリマーコンポジットでは、カーボンナノチューブの添加量がわずか1重量%で貯蔵弾性率が30%も向上させることができた旨開示されているが、分散剤として用いられた界面活性剤はポリマーコンポジット中に残存し、経時的にマイグレーションを起こしてポリマーコンポジットを変質させてしまう懸念がある。さらに、界面活性剤としてイオン性のものを用いた場合は、得られたポリマーコンポジットの電気特性に影響を与え、電子素子に用いることができなくなる可能性がある。また、界面活性剤でカーボンナノチューブを分散しようとした場合には1重量%以上の界面活性剤を必要とする場合が多く、カーボンナノチューブ濃度が高くなると、必要とされる界面活性剤濃度がさらに高くなることが多い。
【0010】
さらに、特許文献5では、樹脂基材との相溶性を増加させるために化学修飾カーボンナノチューブを用いているが、そのための化学修飾はシリコーン系官能基などの導入というやや煩雑な処理を伴うものである。さらに、樹脂基材といくら相溶性を高めたカーボンナノチューブであっても、それを樹脂基材に直接均一に分散させるのは難しく、機械的攪拌などに多くの分散エネルギーを要する。それでも、多くの場合、カーボンナノチューブの凝集体が偏在するポリマーコンポジットしか得ることができない。
【0011】
したがって、本発明は、界面活性剤等の不純物が混在せず、カーボンナノチューブを均一に分散させたポリマーコンポジット、および、それを比較的簡単な操作で製造することができるポリマーコンポジットの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明のポリマーコンポジットは、酸性の官能基で修飾されたカーボンナノチューブを塩基の溶剤に分散させたカーボンナノチューブ分散液に少なくともポリマーが含まれてなる混合溶液から、溶剤成分を揮発させて得られたことを特徴とする。
【0013】
本発明においてカーボンナノチューブ分散液は、まずカーボンナノチューブとして酸性の官能基で修飾されたものを用いる。そして、その反対である塩基性の溶剤を溶媒として、これに分散させると、カーボンナノチューブが有する官能基と前記塩基性の溶剤との親和性が高まり、前記カーボンナノチューブが均一に前記塩基性の溶剤中に混ざり込む。したがって、界面活性剤等を用いることなく、カーボンナノチューブを極めて均一に分散させた分散安定性の高いカーボンナノチューブ分散液を、容易に得ることができる。
【0014】
上記カーボンナノチューブ分散液としては、常温で1時間静置したとき、沈降面が上部20%以下であり、かつ、沈積面が生じない分散状態であることが好ましい。このような極めて高い分散状態のカーボンナノチューブ分散液であれば、保存が容易であるばかりか、例えばこれを用いてポリマーコンポジットを得ようとする場合等、他の用途に供する際にも高い分散安定性に由来する各種特性および効果を存分に享受することができる。
【0015】
以上の如きカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、カーボンナノチューブに酸性の官能基を導入する付加工程と、これを前記官能基と反対である塩基性の溶剤に分散させる分散工程と、からなる。
【0016】
カーボンナノチューブに酸官能基を導入することが、比較的容易に可能であることは知られている。このように官能基をカーボンナノチューブに導入した上で(付加工程)、さらに、前記官能基とは反対である塩基性溶剤に分散させることで(分散工程)、界面活性剤等の不純物を用いることなく、カーボンナノチューブを極めて均一に分散させた分散安定性の高いカーボンナノチューブ分散液を、容易に得ることができる。
上記カーボンナノチューブ分散液の製造方法によれば、分散安定性の高いカーボンナノチューブ分散液が得られるわけであるが、その高い分散安定性を確認するために、分散工程の後、さらに、常温で1時間静置した際、沈降面が上部20%以下であり、かつ、沈積面が生じない分散状態であることを確認する状態確認工程が含まれることが好ましい。
【0017】
発明のポリマーコンポジットは、上記カーボンナノチューブ分散液に少なくともポリマーが含まれてなる混合溶液から、溶成分を揮発させて得られたことを特徴とする。
【0018】
本発明のポリマーコンポジットは、界面活性剤等の不純物が混在せず、カーボンナノチューブが極めて均一に分散された状態のものであり、ポリマーの力学的強度などを向上させることができる。したがって、本発明のポリマーコンポジットは、極めて強靭でありながら軽量なものとなり、カーボンナノチューブを含む機能材料、およびその他構造材料などの、広範なカーボンナノチューブの応用を実現し得る。そのため、本発明のポリマーコンポジットの有用性は、極めて高い。
【0019】
さらに、本発明のポリマーコンポジットの製造方法は、ポリマーが第2の溶剤に溶解されてなるポリマー溶液、および、前記カーボンナノチューブ分散液とを混合させて混合溶液を調製する混合溶液調製工程と、
該混合溶液から、前記塩基性の溶剤および前記第2の溶剤を揮発させる揮発工程と、
を含むことを特徴とする。また、前記混合溶液調製工程に先立ち、第2の溶剤にポリマーを溶解して前記ポリマー溶液を調製するポリマー溶液調製工程を含んでもよい。
【0020】
ポリマー溶液にカーボンナノチューブを直接分散させようとしても、カーボンナノチューブの安定した分散状態を確保することは難しく、逆に、カーボンナノチューブ分散液にポリマーを混入しようとしても、簡単にポリマーが溶解しなかったり、カーボンナノチューブの分散安定性に影響を与えてしまったりする。しかし、カーボンナノチューブをポリマー溶液と相溶性のある溶媒に分散しておくことで、ポリマー溶液と混合した際、両者の分散・溶解状態を維持することができる。したがって、本発明のポリマーコンポジットの製造方法によれば、界面活性剤等の不純物が混在せず、カーボンナノチューブを均一に分散させたポリマーコンポジットを比較的簡単な操作で製造することができる。
【0021】
本発明のポリマーコンポジットの製造方法においては、前記塩基性の溶剤と前記ポリマー溶液とが、相溶することが好ましく、さらには前記塩基性の溶剤と前記第2の溶剤とが同一の溶剤であることが好ましい。両者が相溶することで、混合溶液調製工程における操作で前記ポリマー溶液と本発明のカーボンナノチューブ分散液との混合が適切に行われ、カーボンナノチューブの分散の均一性が極めて高いポリマーコンポジットを製造することができる。前記塩基性の溶剤と前記第2の溶剤とが同一の溶剤であることが最も両者の相溶性が高いので、この組み合わせが最も好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[カーボンナノチューブ分散液]
本発明に用いるカーボンナノチューブ分散液は、酸性の官能基で修飾されたカーボンナノチューブを、前記官能基と反対である塩基性の溶剤に分散させてなる。当該カーボンナノチューブ分散液を用いて本発明のポリマーコンポジットを得ようとする場合には、さらに、ポリマーや、必要に応じて第2の溶剤等が含まれる。以下、各構成成分に分けて説明する。
【0023】
(カーボンナノチューブ)
本発明において使用可能なカーボンナノチューブとしては、SWNTでもMWNTでもよい。一般に、SWNTの方がフレキシブルであり反応性に富むが、MWNTになるとSWNTよりはフレキシブルさが失われ、多層になればなるほど剛直になり、反応性も鈍る傾向にある。SWNTとMWNTとは、その性質を考慮して、目的に応じて使い分けることが望ましい。
【0024】
また、単層カーボンナノチューブの変種であるカーボンナノホーン(一方の端部から他方の端部まで連続的に拡径しているホーン型のもの)、カーボンナノコイル(全体としてスパイラル状をしているコイル型のもの)、カーボンナノビーズ(中心にチューブを有し、これがアモルファスカーボン等からなる球状のビーズを貫通した形状のもの)、カップスタック型ナノチューブ、カーボンナノホーンやアモルファスカーボンで外周を覆われたカーボンナノチューブ等、厳密にチューブ形状をしていないものも、本発明においてカーボンナノチューブとして用いることができる。
【0025】
さらに、カーボンナノチューブ中に金属等が内包されている金属内包ナノチューブ、フラーレンまたは金属内包フラーレンがカーボンナノチューブ中に内包されるピーポッドナノチューブ等、何らかの物質をカーボンナノチューブ中に内包したカーボンナノチューブも、本発明においてカーボンナノチューブとして用いることができる。
【0026】
以上のように、本発明においては、一般的なカーボンナノチューブのほか、その変種や、種々の修飾が為されたカーボンナノチューブ等、いずれの形態のカーボンナノチューブでも、その反応性から見て問題なく使用することができる。したがって、本発明における「カーボンナノチューブ」には、これらのものが全て、その概念に含まれる。
【0027】
これらカーボンナノチューブの合成は、従来から公知のアーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD法のいずれの方法によっても行うことができ、本発明においては制限されない。
【0028】
適用可能なカーボンナノチューブの長さや直径(太さ)は、特に限定されるものではないが、長さとしては、一般的に10nm〜1000μmの範囲のものが用いられ、100nm〜100μmの範囲のものが好ましく用いられる。
カーボンナノチューブの直径(太さ)としては、特に限定されるものではないが、一般的に1nm〜5μmの範囲のものが用いられ、カーボンナノチューブに適度なフレキシブルさが望まれる用途に対しては、3nm〜1μmの範囲のものが好ましく用いられる。
【0029】
本発明に用いるカーボンナノチューブ分散液(以下、単に「分散液」と省略する場合がある。)におけるカーボンナノチューブの含有量としては、使用目的により異なり一概には言えず、また、カーボンナノチューブの長さ・太さ、単層か多層か、有する官能基の種類・量、後に詳述する塩基性の溶剤の種類・量、等にも影響を受ける。そのため、目的に応じて適宜含有量を選択すればよい。
【0030】
具体的にカーボンナノチューブの好ましい割合としては、官能基の質量は含めないで、分散液全量に対し0.0001〜50重量%程度の範囲から選択され、0.01〜1.0重量%程度の範囲がより好ましい。
【0031】
使用しようとするカーボンナノチューブの純度が高く無い場合には、分散液の調製前に、予め精製して、純度を高めておくことが望ましい。本発明においてこの純度は、高ければ高いほど好ましいが、具体的には90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。カーボンナノチューブの精製方法に特に制限はなく、従来公知の方法をいずれも採用することができる。
【0032】
(官能基)
本発明において、カーボンナノチューブが有する官能基としては、カーボンナノチューブに化学的に付加させることができ、かつ、酸性を示すものであれば、特に制限されず、如何なる官能基であっても選択することができる。具体的には、酸性を示す官能基として、カルボキシル基、スルホン基、ホスホン基、ペルオキシカルボン酸基、カルボジチオ酸基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、カルボキシル基は、導入が比較的容易で、良好に酸性を示し、しかも安定性が高いため、特に好ましい。
【0033】
本発明において、これら官能基の導入量としては、分散安定性の向上の観点からは、多ければ多いほど好ましいが、それによりカーボンナノチューブの特性(特に電気的特性)が変化してくるため、目的によっては、あまり多く無い方が好ましい場合もある。また、SWNTやあまり多層の積層構造で無いMWNTの場合には、多くの官能基を導入しようとすると、カーボンナノチューブの構造自体が破壊されてしまう場合もある。したがって、目的や使用するカーボンナノチューブの種類に応じて、前記官能基の導入量を適宜選択すればよい。
【0034】
なお、前記官能基の導入量が少ない場合、勿論分散液の分散安定性も高くはならないが、それでも、界面活性剤等の不純物を含まずに、何も処理を施していないカーボンナノチューブを分散して得られる分散液に比べれば、確実に分散安定性の向上効果が見られる。
【0035】
現在の技術水準においては、カーボンナノチューブがどの程度化学修飾されたかを定量する方法は無いが、前記カーボンナノチューブ分散液は、導入された官能基や塩基性の溶剤の種類にもよるが、概して官能基の数に応じて分散安定性が向上するものと推定される。したがって、分散液の分散安定性を評価することで、逆算的に官能基の導入量を推定することができる。
【0036】
なお、分散液の分散安定性の評価方法については、後述の[カーボンナノチューブ分散液の製造方法]の項において説明する。また、カーボンナノチューブへの官能基の導入方法についても、同じく[カーボンナノチューブ分散液の製造方法]の項において説明する。
【0037】
塩基性の溶剤)
本発明において使用可能な塩基性の溶剤としては、塩基性を示すものであれば特に制限は無い。また、当該塩基性の溶剤としては、水溶液系のものであっても有機溶剤系のものであっても構わない。具体的な塩基性の溶剤としては、以下のものが挙げられる。
【0038】
水溶液系のものとしては、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、その他各種アルカリ水溶液等が挙げられるが特に限定されるものではない。
【0039】
有機溶剤系のものとしては、ピリジン、Nメチルピロリドン、N,Nジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホンアミドなどが挙げられるが特に限定されるものではない。
【0040】
[カーボンナノチューブ分散液の製造方法]
以上の如きカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、付加工程と分散工程とからなる。また、分散工程の後、必要に応じてさらに、状態確認工程が含まれる。以下、各工程に分けて詳細に説明する。
【0041】
(付加工程)
当該カーボンナノチューブ分散液の製造方法において、付加工程とは、カーボンナノチューブに酸性の官能基を導入する工程である。官能基の種類によって導入方法が異なり、一概には言えない。直接的に所望の官能基を付加させてもよいが、一旦、付加が容易な官能基を導入した上で、その官能基ないしその一部を置換したり、その官能基に他の官能基を付加させたり等の操作を行い、目的の官能基としても構わない。
【0042】
付加工程の操作としては、特に制限は無く、公知のあらゆる方法を用いて構わない。例えば、カーボンナノチューブを硝酸中で加熱してやることで、表面にカルボキシル基を導入することができる
その他、特表2002−503204号公報に各種方法が記載されており、目的に応じて、本発明においても利用することができる。
【0043】
前記官能基の中でも、特に好適なカルボキシル基を導入する方法について説明する。
カーボンナノチューブにカルボキシル基を導入するには、酸化作用を有する酸とともに還流すればよい。この操作は比較的容易であり、しかも反応性に富むカルボキシル基を付加することができるため、好ましい。当該操作について、簡単に説明する。
【0044】
酸化作用を有する酸としては、濃硝酸、過酸化水素水、硫酸と硝酸の混合液、王水等が挙げられる。特に濃硝酸を用いる場合には、その濃度としては、5質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。
【0045】
還流は、常法にて行えばよいが、その温度としては、使用する酸の沸点付近が好ましい。例えば、濃硝酸では120〜130℃の範囲が好ましい。また、還流の時間としては、30分〜20時間の範囲が好ましく、1時間〜8時間の範囲がより好ましい。
【0046】
還流の後の反応液には、カルボキシル基が付加したカーボンナノチューブ(カーボンナノチューブカルボン酸)が生成しており、室温まで冷却し、必要に応じて分離操作ないし洗浄を行うことで、目的のカーボンナノチューブカルボン酸が得られる。
【0047】
なお、カーボンナノチューブにメカノケミカルな力(例えば、ボールミルや乳鉢による処理が挙げられる。)を与えて、カーボンナノチューブ表面のグラフェンシートを一部破壊ないし変性させて欠陥(ラジカル)を作り、そこに各種官能基を導入する方法もあり、これと他の化学的な導入方法とを組み合わせても構わない。MWNTなど、化学的な導入方法のみでは反応しにくいものは、双方組み合わせることで、官能基の導入量を増やすことができる。
【0048】
この場合、ボールミルや乳鉢処理の応力や時間等各種条件を変えることで、ナノチューブ表面の欠陥(ラジカル生成部)を増減でき、続く酸処理などによる化学修飾の割合を制御することができる。通常反応しにくいといわれるMWNTであっても、メカノケミカル処理を事前に行っておくことで、その後の化学修飾が簡単に進む。さらには、メカノケミカル処理により、カーボンナノチューブの長さも変えることもできる。
【0049】
また、メカノケミカル処理以外でも、(メカノケミカル処理が行われる場合には、それに続く)化学反応、例えば酸処理時間を長くしたり、温度を上げたり等、ラジカルとなった部分の化学修飾を誘引しやすくすることで、得られる官能基で修飾されたカーボンナノチューブの、溶剤への分散安定性を適切に制御することができる。
【0050】
(分散工程)
当該カーボンナノチューブ分散液の製造方法において、分散工程とは、前記付加工程で得られた前記官能基で修飾されたカーボンナノチューブを、前記官能基と反対である塩基性の溶剤に分散させる工程である。
【0051】
分散に際しては、前記官能基で修飾されたカーボンナノチューブを前記塩基性の溶剤に投入した後、単にスパチュラで攪拌したり、攪拌羽式の攪拌機、マグネチックスターラーあるいは攪拌ポンプで攪拌するのみでも構わないが、より均一にカーボンナノチューブを分散させて、保存安定性を高めるには、超音波分散機やホモジナイザーなどで強力に分散させても構わない。ただし、ホモジナイザーなどのように、攪拌のせん断力の強い攪拌装置を用いる場合、含まれるカーボンナノチューブを切断してしまったり、傷付けてしまったりする虞があるので、極短い時間行う。超音波分散機においても、本発明に用いる分散液は分散性が良好であるので、極短い時間行えばよい。
【0052】
(状態確認工程・・・分散液の分散安定性の評価方法)
当該カーボンナノチューブ分散液の製造方法において、状態確認工程とは、分散工程の後、必要に応じてさらに、常温で1時間静置した際、沈降面が上部20%以下であり、かつ、沈積面が生じない分散状態であることを確認する工程である。
状態確認工程は、必須の工程ではないが、分散液の分散安定性を評価することができ、既述の如く逆算的にカーボンナノチューブへの前記官能基の導入量を推定することができるという効果がある。
【0053】
一般的に、何らかの分散液を静置しておくと、時間の経過とともに、分散された分散体が凝集して沈殿する。この過程の中で、分散液は最大3層に分かれた状態となる。この状態を図1に示す。図1は、分散液10が容器14に収容されて、所定の時間が経過した状態を示している。すなわち、分散液10は、時間の経過とともに、凝集して沈殿した分散体12が堆積した領域Aと、分散体12が分散して懸濁液となっている領域Bと、透明な上澄み液となっている領域Cと、に分かれた状態になる。このとき、領域Aと領域Bとの境界面Yは沈積面、領域Bと領域Cとの境界面Xは沈降面と称されている。なお、WLは液面、BLは容器の底面を示す。
【0054】
状態確認工程での操作、言い換えれば分散液の分散安定性の評価方法においては、容器14として直径1cmのメスシリンダー(10cc)を用い、分散体12として試験に供するカーボンナノチューブ分散液を入れて、常温(好ましくは25〜30℃)で1時間静置した際の、沈降面Xおよび沈積面Yの高さを測定する。
【0055】
このとき、良好な分散安定性を示すカーボンナノチューブ分散液とするには、沈降面が上部20%以下であり、かつ、沈積面が生じない分散状態であることが好ましい。ここで「沈降面が上部20%以下」とは、図1において、液面WLから沈降面Xまでの長さ(領域Cの体積に等しい)が、液面WLから容器の底面BLまでの長さ(分散液10の体積に等しい)に対して、20%以下であることを意味する。この数値は小さければ小さいほど、分散安定性が良好であることを示すものである。本発明に用いるカーボンナノチューブ分散液においては、この値として、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、0%であること(目視では沈降面が生じていないこと)が最も好ましい。
なお、「沈積面が生じない」とは、「沈殿物が生じない」と同義である。
【0056】
[ポリマーコンポジットおよびその製造方法]
本発明のポリマーコンポジットは、上記カーボンナノチューブ分散液に少なくともポリマーが含まれてなる混合溶液から、溶剤成分(少なくとも前記塩基性の溶剤さらに他の溶剤が含まれる場合には、当該他の溶剤も)を揮発させて得られたことを特徴とする。
【0057】
本発明において使用可能なポリマーとしては、ポリマーコンポジットを形成し得るものであれば特に限定されず、いずれのポリマーでも使用でき、水溶性ポリマーでも、非水溶性ポリマーでも構わない。ただし、溶解する対象となる塩基性の溶剤あるいは後に詳述する第2の溶剤に、溶解することが条件となる。
【0058】
水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種セルロース等が挙げられ、溶剤と反応するものでなければ特に限定されない。また、非水溶性ポリマーとしては、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリエステル系、アクリル系、ポリウレタン系等の各樹脂が挙げられ、特に限定されない。
【0059】
ポリマーの量としては、ポリマーコンポジットの成形性を考慮すると、あまり粘度が高くなり過ぎない程度の範囲で高い方が好ましい。上記カーボンナノチューブ分散液を用いることで、この濃度も格段に高めることができる。具体的には、前記塩基性の溶剤と以下に詳述する第2の溶剤との合計量(総溶剤量)に対して、0.1〜70重量%の範囲から選択され、10〜30重量%の範囲が好ましい。
【0060】
前記混合溶液を得るには、上記カーボンナノチューブ分散液に直接、ポリマーを投入して溶解させてもよい。このとき、できる限り溶解性を高めるために、分散液を加温したり、ポリマー成分を細かく砕いたりといった対応を取ることが望まれるが、それでもポリマーの溶解性は十分とは言い難い。そのため、十分に溶解しないで結局均一なポリマーコンポジットを製造することが困難となったり、溶解時にカーボンナノチューブの分散安定性に影響を与えたりする懸念もある。したがって、本発明のポリマーコンポジットを製造するには、本発明のポリマーコンポジットの製造方法によることが好ましい。
【0061】
本発明のポリマーコンポジットの製造方法は、ポリマーが第2の溶剤に溶解されてなるポリマー溶液、および、前記カーボンナノチューブ分散液を混合させて混合溶液を調製する混合溶液調製工程と、
該混合溶液から、前記塩基性の溶剤および前記第2の溶剤を揮発させる揮発工程と、
を含むことを特徴とする。また、前記混合溶液調製工程に先立ち、第2の溶剤にポリマーを溶解して前記ポリマー溶液を調製するポリマー溶液調製工程を含んでもよい。以下、各工程ごとに説明する。
【0062】
(ポリマー溶液調製工程)
ポリマー溶液調製工程とは、第2の溶剤にポリマーを溶解してポリマー溶液を調製する工程である。
使用可能な第2の溶剤としては、溶解対象となるポリマーを溶解し得るものであれば、如何なる溶剤を用いても構わない。ただし、次工程の混合溶液調製工程での安定した混合のためには、カーボンナノチューブを分散するのに用いた前記塩基性の溶剤とポリマー溶液とが相溶するものであることが好ましい。ここで「相溶する」とは、後で説明する混合溶液調製工程において、両液の混合により、溶剤同士が相分離したり、ポリマーが析出しないような状態を指す。なお、相溶状態は、塩基性の溶剤、第2の溶剤、ポリマーの組合せに加え、カーボンナノチューブ分散液とポリマー溶液の混合比率や、溶液の温度等の条件に左右されるため、これらの条件に応じて適宜第2の溶剤を選択することができる。溶剤間並びにポリマーの相溶性を両立させるためには、カーボンナノチューブを分散するのに用いた前記塩基性の溶剤と同一の溶剤を前記第2の溶剤として用いることが好ましい。
【0063】
使用可能な具体的な第2の溶剤としては、塩基性の溶剤として説明した各種溶剤を挙げることができる。また、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤や水を挙げることができる。
【0064】
当該第2の溶剤の使用量としては、前記ポリマーを溶解し得る量とすることが必然であるが、その他特に制限は無い。前記塩基性の溶剤を含めた総溶剤量として、カーボンナノチューブの分散安定性を乱さない適切な量とすればよい。
【0065】
(混合溶液調製工程)
混合溶液調製工程とは、ポリマーが第2の溶剤に溶解されてなるポリマー溶液と、前記カーボンナノチューブ分散液とを混合させて混合溶液を調製する工程である。
前記ポリマー溶液としては、上記ポリマー溶液調製工程で調製されたポリマー溶液でも、ポリマー溶液として市販されているものでも構わない。
【0066】
カーボンナノチューブ分散液は、既に高分散しているのでここでは特別な混合操作は要求されず、そのまま両者を単に混ぜ合わせればよい。通常はポリマー溶液中に攪拌下徐々にカーボンナノチューブ分散液を添加していく。このとき、適宜、スパチュラで攪拌したり、攪拌羽式の攪拌機、マグネチックスターラーあるいは攪拌ポンプで攪拌しても構わない。
得られた混合溶液は、適宜脱泡することが好ましい。該脱泡の操作は、前記混合溶液を、所定時間(2〜24時間程度)真空中に放置しておくことで実施される。
【0067】
(揮発工程)
揮発工程とは、上記混合溶液調製工程で調製された混合溶液から、前記塩基性の溶剤および前記第2の溶剤を揮発させる工程である。
上記混合溶液調製工程の操作は、勿論何らかの容器の中で行われているので、その容器内でポリマーコンポジットを製造しようとする場合を除き、調製された混合溶液を所望の位置に配する工程が必要になってくる。具体的には、上記混合溶液を、所定の位置に塗布したり、所定の容器に収容したり等の操作が挙げられる。塗布する場合の塗布方法としては、特に限定されず、従来公知のスピンコート法、浸漬塗布法、噴霧法、滴下法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法等が挙げられる。
【0068】
揮発工程での揮発の操作は、用いた前記塩基性の溶剤および前記第2の溶剤の種類によっても異なるが、通常は単に放置して自然に揮発することを待つか、あるいは、加熱して強制的に揮発させる。本発明においては、如何なる揮発方法を選択しても構わない。
【0069】
以上の各工程の操作を経ることで、本発明のポリマーコンポジットが製造される。
一般的に、樹脂に通常のフィラーを分散させるだけでも高い強靭性が得られるとされているが、マトリックス(樹脂)中に、前記カーボンナノチューブ分散液により極めて高分散されたカーボンナノチューブがそのまま配置されてなる本発明のポリマーコンポジットは、フィラーに相当するカーボンナノチューブがマトリックス中で強固な構造体を形成しており、全体として極めて高い強靭性を発揮する。そのため、従来金属、特にチタン等の軽量かつ高強度の貴金属が用いられていた構造物についても、その代用材料として好ましく適用することができる。
【0070】
<ポリマーコンポジットの粘弾性の制御>
本発明のポリマーコンポジットの製造方法によって、強靭性のポリマーコンポジットが得られることは、以上で説明したが、その強靭性は、得られるポリマーコンポジットの粘弾性を測定することで制御、確認することもできる。以下、その具体的手法について述べる。
【0071】
(カーボンナノチューブの濃度)
混合溶液調製工程において、前記混合溶液中のカーボンナノチューブ濃度を高くすることにより、ポリマーコンポジットの密度を上げ、ひいてはネット間空隙を小さくすることができる。このように、本発明のポリマーコンポジットの製造方法によれば、前記混合溶液中のカーボンナノチューブ濃度を調節することで、得られるポリマーコンポジットの構造を適切に制御することができる。
【0072】
塩基性の溶剤の塩基性度)
カーボンナノチューブ分散液の製造から混合溶液調製工程までの間、さらには揮発工程に先立つ所望の位置に配する工程の直前までの間において、塩基性の溶剤のpHなどを、すなわち塩基性度をコントロールすることで、前記官能基で修飾されたカーボンナノチューブの分散安定性を変えることができ、ポリマー中のカーボンナノチューブの分散状態を制御でき、それによって、ポリマーコンポジットの力学的強度も制御することができる。
【0073】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら制約されることはない。
試験例1>
材料:
a)MWNT(純度95%、サイエンスラボラトリー社製) …0.02g
b)濃硝酸(60質量%) …14g
c)ピリジン
【0074】
まず、表面が反応しやすいように、予めカーボンナノチューブを乳鉢で5分間磨り潰して、メカノケミカルな力を加えた。このカーボンナノチューブを濃硝酸に添加し、120℃のオイルバス中で4時間還流した。その後、上澄みが中性になるまで遠心分離とデカンテーションとを繰り返し、中性(pH=6以上)になったところで、その分散液を乾固して凝集物を得た(以上、付加工程)。なお、カルボキシル基で修飾されたカーボンナノチューブは、pHが中性になるにつれてカルボキシル基が解離し始め、分散性が向上し、液が懸濁状態になるので、本試験例においては、液が十分に懸濁状態になるまで、遠心分離とデカンテーションとが繰り返された。
【0075】
回収された凝集物の赤外吸収スペクトルを測定した結果を図2に示す。また、用いたMWNT原料自体の赤外吸収スペクトルを図3に示す。両スペクトルを比較すればわかるように、MWNT原料自体においては観測されていない、カルボン酸に特徴的な1735cm-1(図2における矢視部分)の吸収が、凝集物の方には観測された。このことから、硝酸との反応によって、カーボンナノチューブにカルボキシル基が導入されたことがわかった。すなわち、凝集物がカーボンナノチューブカルボン酸であることが確認された。
【0076】
得られたカーボンナノチューブカルボン酸の凝集物をピリジンに、0.05重量%となるように投入し、超音波分散器(出力:120W、株式会社エスエヌディ製、US−2)で1分間分散して、試験例1のカーボンナノチューブ分散液を製造した(以上、分散工程)。
【0077】
得られたカーボンナノチューブ分散液を1〜2滴スライドグラスに垂らし、カバーグラスを載せて、光学顕微鏡で観察した。その顕微鏡写真(1100倍)を、図4に示す。カーボンナノチューブが綺麗に分散して、均一な分散液となっていることがわかる。
【0078】
また、得られたカーボンナノチューブ分散液の分散安定性の評価を、既述の方法で行った。その結果、沈降面、沈積面ともに現れなかった。さらに、この試験の後、さらに1週間そのままの状態で静置しておいたが、それでも沈降面、沈積面ともに現れず、得られた本試験例のカーボンナノチューブ分散液が、並外れた分散安定性を有していることを確認した。
【0079】
試験例2>
材料:
a)MWNT(純度95%、サイエンスラボラトリー社製) …0.02g
b)濃硝酸(60質量%) …14g
c)ピリジン
【0080】
まず、試験例1と同様にカーボンナノチューブにメカノケミカルな力を加えた。このカーボンナノチューブを濃硝酸に添加し、120℃のオイルバス中で4時間還流した。その後、試験例1と同様に、上澄みが中性になったところで、その分散液を乾固して、カーボンナノチューブカルボン酸の凝集物を得た(以上、付加工程)。
【0081】
得られたカーボンナノチューブカルボン酸の凝集物を、0.1重量%となるように投入し、試験例1と同様に分散して、試験例2のカーボンナノチューブ分散液を製造した(以上、分散工程)。
得られたカーボンナノチューブ分散液について、試験例1と同様に観察した顕微鏡写真(1100倍)を、図5に示す。カーボンナノチューブが綺麗に分散して、均一な分散液となっていることがわかる。
【0082】
また、得られたカーボンナノチューブ分散液の分散安定性の評価を、既述の方法で行った。その結果、沈降面、沈積面ともに現れなかった。さらに、この試験の後、さらに1週間そのままの状態で静置しておいたが、それでも沈降面、沈積面ともに現れず、得られた本試験例のカーボンナノチューブ分散液が、並外れた分散安定性を有していることを確認した。
【0083】
<比較試験例1>
材料:
a)MWNT(純度95%、サイエンスラボラトリー社製)
b)レオドールSP−O30(花王社製、界面活性剤) …0.1g
c)N−メチルピロリドン …9.9g
【0084】
レオドールSP−O30の1質量%N−メチルピロリドン溶液を調製し、これにカーボンナノチューブを未処理のまま添加して、超音波分散器(出力:120W、株式会社エスエヌディ製、US−2)で5分間分散して、カーボンナノチューブの0.05%分散液とした。
【0085】
得られたカーボンナノチューブ分散液について、試験例1と同様に観察した顕微鏡写真(1100倍)を、図6に示す。カーボンナノチューブが凝集し、偏在した状態で分散して、不均一な分散液となっていることがわかる。
また、得られたカーボンナノチューブ分散液の分散安定性の評価を、既述の方法で行った。その結果、沈降面は上部30%であり、うっすらと沈殿物が認められたことから、沈積面の存在も確認した。
【0086】
<比較試験例2>
材料:
a)MWNT(純度95%、サイエンスラボラトリー社製)
b)レオドールSP−O30(花王社製、界面活性剤) …0.1g
c)N−メチルピロリドン …9.9g
【0087】
レオドールSP−O30の1質量%N−メチルピロリドン溶液を調製し、これにカーボンナノチューブを未処理のまま添加して、超音波分散器(出力:120W、株式会社エスエヌディ製、US−2)で5分間分散して、カーボンナノチューブの0.1%分散液とした。
【0088】
得られたカーボンナノチューブ分散液について、試験例1と同様に観察した顕微鏡写真(1100倍)を、図7に示す。カーボンナノチューブが凝集し、偏在した状態で分散して、不均一な分散液となっていることがわかる。
また、得られたカーボンナノチューブ分散液の分散安定性の評価を、既述の方法で行った。その結果、沈降面は上部30%であり、うっすらと沈殿物が認められたことから、沈積面の存在も確認した。
【0089】
<実施例
材料:
a)MWNT(純度95%、サイエンスラボラトリー社製) …0.02g
b)濃硝酸(60質量%) …14g
c)UワニスA(ポリイミド前駆体の20質量%N−メチルピロリドン溶液;宇部興産製)…0.56g
d)ピリジン
【0090】
(混合溶液調製工程)
試験例1で得られたカーボンナノチューブ分散液1gとUワニスA:0.56gとをマグネチックスターラーにより良く攪拌混合したのち、真空中で60分間脱泡して、混合溶液を調製した。
【0091】
(揮発工程)
得られた混合溶液を用いて、ガラス基板の片面にパスツールピペットで0.5ml程度滴下してキャストコートした。これを210℃で60分間加熱して溶剤を揮発させ成膜した。さらにデシケーター中で1日乾燥させた。
このようして、実施例のポリマーコンポジットを製造した。得られたポリマーコンポジットをそのまま、光学顕微鏡で観察した。その顕微鏡写真(1100倍)を、図8に示す。カーボンナノチューブがポリマー中に綺麗に分散して、均一なコンポジットとなっていることがわかる。
【0092】
<比較例
材料:
a)MWNT(純度95%、サイエンスラボラトリー社製)
b)レオドールSP−O30(花王社製、界面活性剤) …0.1g
c)UワニスA(ポリイミド前駆体の20質量%N−メチルピロリドン溶液;宇部興産製)…0.56g
d)N−メチルピロリドン
【0093】
(工程1)
比較試験例1で得られたカーボンナノチューブ分散液1gとUワニスA:0.56gとをマグネチックスターラーにより良く攪拌混合したのち、真空中で60分間脱泡して、混合溶液を調製した。
【0094】
(工程2)
得られた混合溶液を用いて、ガラス基板の片面にパスツールピペットで0.5ml程度滴下してキャストコートした。これを210℃で60分間加熱して溶剤を揮発させ成膜した。さらにデシケーター中で1日乾燥させた。
このようして、比較例のポリマーコンポジットを製造した。得られたポリマーコンポジットをそのまま、光学顕微鏡で観察した。その顕微鏡写真(1100倍)を、図9に示す。カーボンナノチューブの分散が不均一なコンポジット状態となっていることがわかる。
【0095】
<ポリマーコンポジットの貯蔵弾性率評価>
実施例および比較例のポリマーコンポジットの貯蔵弾性率を、温度を変化させて測定した。また、これらポリマーコンポジットにおいて用いられたポリマーについても、カーボンナノチューブ分散液と混合することなくそのまま同条件で硬化させて、上記と同様の測定をした(ポリマーのみと表記)。結果を図10のグラフに示す。
【0096】
図10のグラフから、カーボンナノチューブが均一に分散された試験例1のカーボンナノチューブ分散液を用いて、ポリマーコンポジットを製造した実施例では、ポリマーのみに対して、100℃(373K)での貯蔵弾性率が約50%向上し、ガラス転移点(Tg)も60℃高くなっていることがわかる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カーボンナノチューブを均一に分散させた分散安定性の高いカーボンナノチューブ分散液を製造することができ、ひいてはカーボンナノチューブのポリマー中への分散性を向上させ、ポリマーコンポジットの力学的強度を高めることでカーボンナノチューブを含む電子デバイスや機能材料、およびその他構造材料などの、広範なカーボンナノチューブの応用を実現し得るポリマーコンポジット、およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分散液の分散安定性の評価における測定方法を説明するための概略図である。
【図2】 回収された凝集物(カーボンナノチューブカルボン酸)の赤外吸収スペクトルを表すグラフである。
【図3】 原料自体のMWNTの赤外吸収スペクトルを表すグラフである。
【図4】 試験例1のカーボンナノチューブ分散液を直接光学顕微鏡で観察した顕微鏡写真(1100倍)である。
【図5】 試験例2のカーボンナノチューブ分散液を直接光学顕微鏡で観察した顕微鏡写真(1100倍)である。
【図6】 比較試験例1のカーボンナノチューブ分散液を直接光学顕微鏡で観察した顕微鏡写真(1100倍)である。
【図7】 比較試験例2のカーボンナノチューブ分散液を直接光学顕微鏡で観察した顕微鏡写真(1100倍)である。
【図8】 実施例のポリマーコンポジットを直接光学顕微鏡で観察した顕微鏡写真(1100倍)である。
【図9】 比較例のポリマーコンポジットを直接光学顕微鏡で観察した顕微鏡写真(1100倍)である。
【図10】 実施例および比較例のポリマーコンポジット、並びにポリマーのみのものについて、貯蔵弾性率を、温度を変化させて測定した結果をグラフである。
【符号の説明】
10:分散液、 12:分散体、 14:容器、 WL:液面、 BL:容器、 X:沈降面、 Y:沈積面

Claims (7)

  1. 酸性の官能基で修飾されたカーボンナノチューブを塩基性の溶剤に分散させたカーボンナノチューブ分散液に少なくともポリマーが含まれてなる混合溶液から、溶成分を揮発させて得られたことを特徴とするポリマーコンポジット。
  2. 前記カーボンナノチューブを修飾する官能基がカルボキシル基であり、前記塩基性の溶剤がピリジンであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーコンポジット。
  3. ポリマーが第2の溶剤に溶解されてなるポリマー溶液、および、酸性の官能基で修飾されたカーボンナノチューブを塩基性の溶剤に分散させたカーボンナノチューブ分散液を混合させて混合溶液を調製する混合溶液調製工程と、
    該混合溶液から、前記塩基性の溶剤および前記第2の溶剤を揮発させる揮発工程と、
    を含むことを特徴とするポリマーコンポジットの製造方法。
  4. 前記混合溶液調製工程に先立ち、第2の溶剤にポリマーを溶解して前記ポリマー溶液を調製するポリマー溶液調製工程を含むことを特徴とする請求項に記載のポリマーコンポジットの製造方法。
  5. 前記塩基性の溶剤と前記ポリマー溶液とが、相溶することを特徴とする請求項またはに記載のポリマーコンポジットの製造方法。
  6. 前記塩基性の溶剤と前記第2の溶剤とが、同一の溶剤であることを特徴とする請求項またはに記載のポリマーコンポジットの製造方法。
  7. 前記カーボンナノチューブを修飾する官能基がカルボキシル基であり、前記塩基性の溶剤がピリジンであることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のポリマーコンポジットの製造方法。
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