JP4342764B2 - 液体画像形成装置 - Google Patents

液体画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4342764B2
JP4342764B2 JP2002080450A JP2002080450A JP4342764B2 JP 4342764 B2 JP4342764 B2 JP 4342764B2 JP 2002080450 A JP2002080450 A JP 2002080450A JP 2002080450 A JP2002080450 A JP 2002080450A JP 4342764 B2 JP4342764 B2 JP 4342764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
white
roller
liquid
image
thin layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002080450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003280323A (ja
Inventor
恒夫 黒鳥
英宗 大嶽
努 佐々木
美枝 吉野
正彦 板谷
努 寺岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002080450A priority Critical patent/JP4342764B2/ja
Publication of JP2003280323A publication Critical patent/JP2003280323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4342764B2 publication Critical patent/JP4342764B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ、プリンタ、複写機等の画像形成装置に係り、詳しくは、記録紙等の記録体に対してインクや液体現像剤などの有色液体によって画像を形成する液体画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、記録体に画像を形成する画像形成装置においては、その記録体の質によって画質が左右され易い。例えば、有色粒子たる粉状トナーを用いて周知の電子写真プロセスによって画像を形成するいわゆる乾式画像形成装置においては、記録体の表面平滑性が画質に大きく影響する。具体的には、記録体として上質紙、再生紙、コピー用紙などの非コート紙を用いた場合には、荒い紙繊維がむき出しになっていることから、粉状トナーの粒子を紙繊維の内部に入り込ませる。これに対し、紙表面に樹脂などによるコーティングを施したコート紙を用いる場合には、粉状トナーの粒子を紙繊維内に入り込ませることがない。よって、非コート紙に適したトナー付着量では、コート紙を使用すると定着時の加圧によって画像をつぶしてしまう。また、コート紙に適したトナー付着量では、紙繊維を局部的に露出させてざらついた画像にしてしまう。
【0003】
一方、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの単色からなる画像を重ね合わせて記録体にフルカラー画像を形成するフルカラー画像形成装置においては、白色の記録体を用いることが前提条件となる。このため、再生紙などの白色性に欠ける記録体を用いると、正確な色調再現ができなくなってしまう。
【0004】
そこで、特開平11−237800号公報において、白色粒子たる粉状白色トナーによって記録体の画像形成面に白色トナー層を形成してから、フルカラー画像を形成する画像形成方法が開示されている。この画像形成方法によれば、記録体に対して白色トナー層を形成することで、その質にかかわらず安定した表面平滑性を付与することができる。よって、記録体自体の表面平滑性の違いによる画質への影響を抑えることができる。また、白色性に欠ける記録体でも白色トナー層によって白色性を付与するので、記録体自体の白色性の不足による色調の乱れを抑えることもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像形成装置には、粉状トナーを用いる乾式画像形成装置の他に、インクや液体現像剤等の有色液体を用いる液体画像形成装置がある。液体画像形成装置では、記録体の表面平滑性に加えて、その吸液性が画質を大きく左右する。表面の紙繊維によって良好な吸液性を発揮する非コート紙と、表面のコート層によって吸液性が悪くなっているコート紙との違いにより、画質が安定しなくなるのである。例えば、有色トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤を有色液体として用いる電子写真方式の液体画像形成装置においては、非コート紙に適した現像剤付着量でコート紙を使用すると加圧定着時に液体キャリアの量が過多になってドット像を広げてしまう。その一方で、コート紙に適した現像剤付着量で非コート紙を使用すると液体キャリアの量が不足してギザギザの目立つドット像にしてしまう。また、例えば、有色液体としてインクを用いるインクジェット方式の液体画像形成装置では、非コート紙を使用すると滲みの目立つドット像にしてしまう。
【0006】
このように、液体画像形成装置では、記録体の表面平滑性に加えて、その吸液性も画質に大きく影響を及ぼしてしまう。ところが、上記特開平11−237800号公報の画像形成方法は、粉状トナーを用いる乾式画像形成方法であり、液体画像形成方法についての検討が全くなされていなかった。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、記録体自体の表面平滑性や吸液性の違いによる画質への影響を抑え、しかも、記録体自体の白色性の不足による色調の乱れを抑えることができる液体画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、白色粒子たる白色トナーを用いて記録紙にベタの白色層を形成すると、その記録紙に対してもともとの材質にかかわらず安定した表面吸液性を発揮し得るという現象を見出した。
【0009】
そこで、上記目的を達成するために、請求項1の発明は、静電潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に静電潜像を形成せしめる潜像形成手段と、有色粒子及び液体キャリアを含有する液体現像剤により、該潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上で現像された可視像を上記記録体に直接あるいは間接的に転写する転写手段とを用いて記録体に画像を形成する画像形成部を備える液体画像形成装置において、白色粒子及び液体キャリアを含有する白色液体に自らの周面を部分的に接触させながら回転することで白色液体を汲み上げる汲み上げローラと、該汲み上げローラの表面に当接して該表面上の白色液体の厚みを規制することで該表面上に白色液体の薄層を形成する規制部材と、該汲み上げローラの周面における薄層形成箇所に当接しながら回転するのに伴って該薄層形成箇所の白色液体からなる薄層が自らの周面に転移せしめられた後、自らの薄層転移面を上記転写手段に送り込まれる前の上記記録体の画像形成対象面に接触させながら回転するのに伴って該薄層転移面上の該薄層を該画像形成対象面に塗布する塗布ローラと、該塗布ローラと該画像形成対象面との接触位置で該記録体を該塗布ローラと自らとの間に挟み込む塗布対向ローラと、該接触位置で該薄層中の白色粒子を該塗布ローラ側から該塗布対向ローラ側に静電移動させる電界を形成する手段と、該接触位置に進入する前の該塗布ローラの該薄層転移面に当接しながら回転するのに伴って該薄層転移面上の薄層中の液体キャリアを自らの周面に転移させることで、該薄層の粒子濃度を高めるスイープローラと、該塗布ローラの該薄層転移面と該スイープローラとの当接部で該薄層中の白色粒子を該スイープローラ側から該塗布ローラ側に電気泳動させる電界を形成する手段とを具備し、該画像形成対象面に対して現像工程によらずに白色液体の薄層からなる白色層を形成する白色層形成手段と、上記白色層が形成された上記記録体を加熱する加熱手段と、加熱後の記録体を2つの加圧部材間に挟み込んで加圧する加圧手段を設け、
該白色層形成手段によって、記録体の画像形成対象面に対して白色液体の薄層からなる白色層を形成し、該記録体を上記加熱手段で加熱し、上記加圧手段で加圧した後、上記画像形成部によって、有色粒子及び液体キャリアを含有する液体現像剤を用いて記録体に画像を形成することを特徴とするものである
【0010】
これらの画像形成装置においては、記録体に対して白色粒子による白色層を形成することで、その材質にかかわらず安定した表面平滑性と吸液性とを発揮させる。よって、記録体自体の表面平滑性や吸液性の違いによる画質への影響を抑えることができる。しかも、白色性に欠ける記録体を用いる場合でも、それに白色層を形成して白色性を付与するので、記録体自体の白色性の不足による色調の乱れを抑えることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置である液体プリンタ(以下、単に「プリンタ」という)に適用した一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は本プリンタの主要部の概略構成図である。図において、本プリンタは、4組のプロセスユニット1Y、M、C、B、中間転写ユニット70、2次転写装置80、定着装置90、図示しない給紙部や制御部などから構成されている。
【0012】
上述した4組のプロセスユニット1Y、M、C、Bは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックという異なる色の液体現像剤を使用して、異なる単色画像を形成する他は、ほぼ同様の構成となっている。そこで、ここではプロセスユニット1Bについてのみ説明する。
【0013】
プロセスユニット1Bは、潜像担持体たる感光体ドラム10Bの周りに、帯電装置20B、現像手段としての現像ユニット40B、除電装置50B、クリーニングブレードを有する感光体クリーニング装置60B等などを備えている。なお、感光体ドラム10Bは、潜像形成手段たるレーザ書込装置30からのレーザ光LBの照射によって静電潜像を担持するが、このレーザ書込装置30は、他のプロセスユニット1Y、M、Cの潜像形成手段も兼ねている。
【0014】
現像ユニット40Bは、現像ローラ41B、液体現像剤たるブラック現像剤を溜める現像タンク42B、この内部のブラック現像剤に浸漬するように配設された汲み上げローラ43B、これによって汲み上げられたブラック現像剤からなる液槽を薄層化せしめて現像ローラ41Bに塗布する計量ローラ44Bなどから構成されている。ブラック現像剤は、絶縁性の液体キャリア中に有色粒子であるブラックトナー粒子が高濃度に分散された高粘度の液体現像剤である。他色の現像ユニットに用いられる液体現像剤も、トナー粒子の色が違うだけで同様であり、100〜1000[mPa・s]程度の高粘度を発揮するように、15〜20%程度のトナー固形分量を含有している。
【0015】
これらの液体現像剤は、特開平3−198084号公報、特開平3−200264号公報、特開平3−225356号公報、特開平3−291671号公報などに開示されているキャリア溶媒(液体キャリアという)中にトナー粒子を分散させることによって構成されたものである。この液体キャリアは、一部もしくは全てが不揮発性である。
【0016】
感光体ドラム10Bは、図中矢印方向に回転駆動しながら帯電装置20Bによって一様帯電せしめられた後、レーザ書込装置30によるレーザ光LBの走査を受けてブラック用の静電潜像を担持する。一方、現像タンク42Bの高粘性液体現像剤に浸漬されている汲み上げローラ43Bに付着したブラック現像剤は、計量ローラ44Bを介して現像ローラ41B上に例えば0.5〜20[μm]といった厚みに均一に塗布される。そして、現像ローラ41Bの回転に伴い、感光体ドラム1との接触位置である現像位置まで移動する。この現像位置では、ブラック現像剤中のブラックトナーが、感光体ドラム1上の静電潜像と、現像ローラ41bの表面電位との電位差によって生ずる現像電界の影響を受けて、液体キャリア中を静電潜像に向けて電気泳動する。一方、感光体ドラム1の非画像部と、現像ローラ41bとの間には、現像電界とは逆方向の電界が形成されており、ブラックトナーが液体キャリア中を現像ローラ41bに向けて電気泳動する。これらの結果、感光体ドラム10Bに担持されたブラック用の静電潜像がブラックトナー像に現像される。そして、感光体ドラム10Bの回転に伴って中間転写ベルト100との接触位置である中間転写位置に移動する。
【0017】
上記中間転写ユニット70は、張架ローラ71,72,73,74,75,76、これら76に張架された中間転写ベルト100、中間転写バイアスローラ77B,Y,M,C、クリーニングブレードを有するクリーニング装置79などから構成されている。中間転写ベルト100は、各張架ローラ(71〜76)によって所定の張力を発揮するように張架され、図中の反時計回りに無端移動するように駆動される。このように張架される中間転写ベルト100のおもて面は、各プロセスユニット(1Y〜B)の感光体ドラム(10Y〜B)によって押圧されている。各中間転写バイアスローラ(77Y〜B)は、それぞれ対応する色の感光体ドラム(10Y〜B)との間に中間転写ベルト100を挟み込むように、中間転写ベルト100の内側に配設されており、これらには図示しない電源から所定の中間転写バイアスが印加される。
【0018】
中間転写ベルト100と感光体ドラム10Bとが当接する中間転写位置には、中間転写バイアスが印加される中間転写バイアスローラ77Bと、感光体ドラム10Bとの電位差によって中間転写電界が形成されている。具体的には、正極性トナーが用いられる場合には、それの逆極性である負極性のバイアスが例えば−300〜−500[V]といった値で中間転写バイアスローラ77Bに印加されており、このバイアスと感光体ドラム10Bとの電位差によって形成されるのである。中間転写位置を通過した感光体ドラム10Bの表面は、除電装置50Bによって残留電荷が除去された後、クリーニング装置60Bよって未転写現像剤がクリーニング(回収除去)されて次の作像に備える。
【0019】
プロセスユニット1Y,M,Cの感光体ドラム10Y,M,Cと、中間転写ベルト100とが当接する他の中間位置でも、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像がブラックトナー像と同様にして中間転写されるが、最も早く中間転写されるのはイエロートナー像である。そして、その上に、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が順次重ね合わせて中間転写される。このような重ね合わせ転写により、中間転写ベルト100上には4色重ね合わせトナー像が形成される。
【0020】
上記2次転写ユニット80は、2次転写バイアスローラ81、これに接続された図示しない2次転写電源などから構成されている。2次転写バイアスローラ81は、中間転写ユニット70の張架ローラ73との対向位置に配設され、後述の白現像剤塗布ユニット400から搬送されてくる転写紙Pを、張架ローラ73にバックアップされる中間転写ベルト部分との間に挟み込む。
【0021】
各色トナー像の中間転写によって中間転写ベルト100上に形成された4色重ね合わせトナー像は、中間転写ベルト100の回転に伴って2次転写バイアスローラ81との対向位置である中間転写位置まで移動する。転写紙Pは、このように移動してくる4色重ね合わせトナー像と同期するように後述の白現像剤塗布ユニット400から送り出され、4色重ね合わせトナー像に密着せしめられる。中間転写位置では、上記転写紙Pに対してその裏面から2次転写バイアスローラ81から例えば−800〜−2000[V]が印加されるとともに、例えば50[N/cm]程度の圧力が付与される。これらバイアスや圧力の影響により、中間転写ベルト100上の4色重ね合わせトナー像が転写紙P上に一括2次転写され、転写紙P上にフルカラー画像が形成される。
【0022】
フルカラー画像が形成された転写紙Pは、分離装置85との接触位置で中間転写ベルト100から分離され、定着装置300に送られて画像の加熱定着処理が施される。そして、キャレンダー装置500に送られた後、装置本体から排出される。
【0023】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図示しない給紙手段から給紙される転写紙Pは、白現像剤塗布ユニット400を経由してから上述の2次転写位置に送られる。この白現像剤塗布ユニット400は、白現像剤タンク401、汲み上げローラ402、規制ブレード403、塗布ローラ404、クリーニングブレード405、塗布対向ローラ406などから構成されている。白現像剤タンク401には、白色粒子たる白色トナーと、液体キャリアとを含有する白現像剤が収容されている。白色液体たる白現像剤は、上述したイエロー現像剤、マゼンタ現像剤、シアン現像剤、ブラック現像剤と同様の方法によって調整されたものである。
【0024】
上記汲み上げローラ402は、その周面を部分的に白現像剤に浸すようにタンク内部に配設されており、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、白現像剤タンク401内の白現像剤を汲み上げる。汲み上げローラ402には規制ブレード403が当接しており、汲み上げられた白現像剤の層を薄層化せしめる。この薄層化が行われる位置よりも下流側では、塗布ローラ404が汲み上げローラ402に当接しながら、汲み上げローラ402とはカウンター方向に回転駆動せしめられている。薄層化した白現像剤の層は、両ローラに挟まれてその表層側を塗布ローラ404に転移させる。この転移により、塗布部材たる塗布ローラ404上に白色液体たる白現像剤の薄層が形成される。
【0025】
上記塗布ローラ404と上記汲み上げローラ402との当接位置よりもローラ回転方向下流側では、スイープローラ408が塗布ローラ404に当接しながら順方向に回転してスイープニップを形成している。スイープローラ408には、図示しない電源によってスイープバイアスが印加されている。この印加により、スイープニップには、白現像剤中の白トナーをスイープローラ408側から塗布ローラ404側に電気泳動させるスープ電界が形成されている。よって、スイープニップでは白色現像剤の薄層中の白トナーが塗布ローラ404側に集まる一方で、スイープローラ408側には液体キャリアが集まる。これにより、スイープローラ408はスイープニップで液体キャリアをその表面に付着させて上記薄層から奪い取る。そして、スイープニップ通過後の塗布ローラ404上の薄層は、その殆どが白トナー固形分であり、ほんの僅かの液体キャリアだけを含有するだけとなる。
【0026】
上記塗布ローラ404と上記スイープローラ408との当接位置よりもローラ回転方向下流側では、塗布対向ローラ406が塗布ローラ404に当接しながら等しい周速で順方向に回転している。図示しない給紙手段から給紙された転写紙Pは、塗布ローラ404と塗布対向ローラ406との間に挟まれながら搬送される。両ローラ間には、白トナーを塗布ローラ404側から塗布対向ローラ406側に静電的に移動させる電界が形成されている。よって、この際、転写紙Pには塗布ローラ404によってそのおもて面(画像形成面)に白現像剤の薄層が塗布される。この薄層は、上述のように、塗布に先立ってスイープニップで白トナー固形分が高められたものであるため、転写紙Pのおもて面には白色層たる白現像剤層が形成される。薄層塗布後の塗布ローラ404に残留している塗布残現像剤は、クリーニングブレード405によって塗布ローラ404から掻き落とされて、白現像剤タンク401内に戻る。おもて面に白現像剤層が形成された転写紙Pは、上述の2次転写位置に送られてその白現像剤層上に4色重ね合わせトナー像が転写せしめられた後、定着装置300に送られる。
【0027】
図2は定着装置300の概略構成図である。図において、この定着装置300は、2つの定着ローラ301、302、吸液ベルト303、ベルト駆動ローラ304、ベルト押圧ローラ305、ベルトクリーニングユニット306などから構成されている。2つの定着ローラ301、302内には、それぞれハロゲンランプなどから構成されるヒータ301a、302aが設けられており、それぞれのローラは約140[℃]まで加熱される。密着部材たる吸液ベルト303は、シリコーンゴム、ウレタン、ヒドリン、ポリイミドなどからなり、その材質の物性やあるいは多孔構造などの構造によって液体キャリアを吸収するように構成されている。また、その十点平均表面粗が2〜3[μm]の範囲に調整されており、一方の定着ローラ301、ベルト駆動ローラ304、ベルト押圧ローラ305にテンション張架されながら、ベルト駆動ローラ304の駆動力によって図中時計回りに無端移動せしめられる。図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動されるもう一方の定着ローラ302は、吸液ベルト303を介して定着ローラ301とベルト押圧ローラ305との両方に当接するように配設されている。このような配設により、吸液ベルト303が定着ローラ302に部分的に巻き付けされて定着ニップが形成される。上記白現像剤層の上にフルカラー画像が形成された転写紙Pは、この定着ニップに挟み込まれると、定着ローラ302によってそのおもて面側から加熱されながら、もう一方の定着ローラ302との対向位置である加圧位置まで搬送される。そして、更に裏面側からも加熱されながら、両定着ローラ間で加圧されて、フルカラー画像が白現像剤層中の白色トナーからなる白色ベタ像とともに定着せしめられる。
【0028】
この定着の際、従来の画像形成装置では、転写紙Pの種類の違いによる吸液性の差異に起因して、液体キャリアの量が過剰になってフルカラー画像の各ドットが広がったり、逆に液体キャリアの量が不足して各ドットがギザギザの目立つ形状になったりしていた。転写紙Pの吸液性の違いにより、画質が不安定になっていたのである。また、転写紙Pの表面平滑性の違いによっても、画質が不安定になっていた。しかし、本プリンタでは、転写紙Pの吸液性にかかわらず、転写紙P上に形成された白色現像剤層がフルカラー画像に対して安定した表面平滑性と吸液性とを発揮する。このため、転写紙Pの表面平滑性や吸液性にかかわらず、安定した質の画像が形成される。しかも、転写紙Pとして白色性に欠ける再生紙などが用いられても、白現像剤層を形成して白色性を付与するので、転写紙Pの白色性の不足による色調の乱れを抑えることもできる。
【0029】
定着装置300は十点平均表面粗さRzが2〜3[μm]に調整された吸液ベルト303を有している。前工程で白現像剤層上にフルカラー画像が2次転写された転写紙Pは、定着装置300内で画像形成面がこの吸液ベルト303に密着せしめながら加熱されて、白現像剤層とフルカラー画像との加熱定着処理が施される。十点平均表面粗さRz2〜3[μm]の密着部材たる吸液ベルト303が密着されながら加熱定着処理が施されると、トナー層には光沢が現れてくる。これは次の理由による。即ち、フルカラー画像や白現像剤層中のトナー粒子は樹脂を主成分としており、かかる表面性の密着部材に密着せしめられながら加熱されて溶解すると、同様の表面性を発揮するトナー層となる。本発明者らの試験によれば、トナー層はその表面粗さが3[μm]以下に仕上げられると、急激に光沢性を向上させるようになる。よって、十点平均表面粗さRzが3[μm]以下に調整された吸液ベルト303に密着せしめられながら加熱定着されることで、優れた光沢性が付与される。かかる光沢性の付与は、写真印画紙に光沢性を付与するフェローと呼ばれる工程に似ている。更に、本プリンタにおいては、密着部材として吸液性を発揮する吸液ベルト303を用いている。かかる構成では、白色現像剤層やフルカラー画像に対し、液体キャリアを吸収しながら加熱定着処理を施すことで、熱伝導性を向上させてトナーの軟化をより確実にする。よって、光沢性をより確実に発揮させることができる。
なお、フルカラー画像が2次転写されない白現像剤層だけの転写紙Pを定着装置300に通紙して表面平滑性、吸液性及び光沢性を付与した転写紙Pを形成した後、これに対してフルカラー画像を2次転写する構成にしてもよい。本発明者らの実験によれば、定着済みの白色現像剤層でも、良好な吸液性や平滑性を発揮させることができた。加熱定着によって光沢を帯びるようになった白色現像剤層でも、軟化したトナー間に極めて微少な間隙が形成されるためと思われる。
【0030】
かかる構成の定着装置300では、定着ローラ301、吸液ベルト303、ベルト駆動ローラ304、ベルト押圧ローラ305、クリーニングユニット306などが、転写紙Pのおもて面に液体キャリア吸収部材たる吸液ベルト303を密着せしめながら加熱定着せしめる加熱定着手段を構成している。なお、本発明者らの試験によれば、吸液ベルト303の厚みを薄くすればするほど定着ローラからの熱伝導効率を向上させて、より低い定着温度での定着と光沢性付与とを実現することが可能になるが、10〜30[μm]の範囲内に留めることで十分な耐久性を発揮させ且つ皺の発生を抑え得ることがわかった。
【0031】
加熱定着に寄与した吸液ベルト303表面に付着した液体現像剤は、ベルトクリーニングユニット306のクリーニングブレード306aによって除去される。各色の液体現像剤に用いる液体キャリアとしては、特にシリコーンオイルが望ましい。シリコーンオイルは定着工程で加熱されて、フルカラー画像から吸液ベルト303の表面側に析出すると、フルカラー画像を構成するトナー層と吸液ベルト303との間に介在して、トナー層をベルトから引き剥がす離型剤として機能するからである。このため、トナーを吸液ベルト303にオフセットさせることが殆ど無く、オフセットによる画質の低下を抑えることができる。かかるシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン(例えば、信越化学工業社製のKF−96や東レ・ダウコーニング社製SH−200)、メチルフェニルシリコーン(例えば、信越化学工業社製のKF−56や東レ・ダウコーニング社製のSH510)などが挙げられる。
【0032】
上記吸液ベルト303としては、加熱定着温度よりも高い耐熱性を発揮するものを用いている。本プリンタでは、加熱定着温度を140[℃]に設定しているので、これよりも高い耐熱性のものを用いているのである。よって、加熱定着時の加熱による変形を抑えることができる。なお、140[℃]よりも高い耐熱性のベルト素材としては、ヒドリン(耐熱温度:約160℃)、シリコーンゴム(耐熱温度:約180℃)、ポリイミド(耐熱温度:約200℃)などが挙げられる。吸液ベルト303による液体キャリア吸収性能が十分に発揮されていれば、定着温度をより下げて他の素材を使用することも可能である。例えば、ウレタンゴム(耐熱温度:約120℃)やポリプロピレン(耐熱温度:約130℃)などを用いることも可能になる。
【0033】
図3は、上記白現像剤塗布ユニット400の要部構成図である。図において、汲み上げローラ402は、図示しない軸受けを介してソレノイド407に支持されている。このソレノイド407は、図示しない制御部は、図示しない操作パネルに対するユーザーのキー操作に基づいてソレノイド407を駆動制御することで、汲み上げローラ402を塗布ローラ404に接離させる。汲み上げローラ402が塗布ローラ404から離間した状態では、塗布ローラ404が白現像剤を転写紙Pに塗布しなくなる。よって、ソレノイド407、制御部、操作パネルなどにより、転写紙Pに対して白色層たる白現像剤層を形成してから画像を形成する画像形成動作と、形成しないで画像を形成する画像形成動作とを、ユーザーからの命令に基づいて切り替える画像形成動作切替手段が構成されている。かかる構成では、表面平滑性に優れ且つ過剰な吸液性を発揮し難いが故に、白現像剤層がなくても高画質を実現し得るアート紙やコート紙を使用する場合に、白現像剤層の形成を省略して無駄な白現像剤の消費を回避することができる。
【0035】
図4は、図1に示したキャレンダー装置500を示す概略構成図である。図2に示した定着装置300を経由した転写紙Pは、このキャレンダー装置500に送り込まれる。キャレンダー装置500は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられる金属製の駆動ローラ501、これに当接して従動回転する従動ローラ502、これを駆動ローラ501に向けて付勢する付勢バネ503、付勢バネ503による付勢力を調整するための偏心カム504、これを回転させる図示しない駆動手段などによって構成されている。転写紙Pは、加圧部材たる駆動ローラ501と従動ローラ502との間に挟まれてキャレンダー処理が施されることで、そのおもて面に更なる光沢性が付与される。両方のローラがそれぞれ独自に回転駆動するのではなく、従動ローラ502が従動することで、両方のローラがそれぞれ等しい周速で転写紙Pを送り出すことになる。よって、周速の違いによって転写紙Pに皺を発生させるといった事態が回避される。加圧手段たるキャレンダー装置500による加圧力は、偏心カム504が回転して付勢バネ503の従動ローラ502に対する付勢力を変化させることで可変設定される。即ち、付勢バネ503、偏心カム504、これを回転させる駆動手段などにより、記録体たる転写紙Pへの加圧力を可変設定する可変設定手段が構成されている。この可変設定により、加圧力を変化させて転写紙Pの光沢性を調整することが可能になる。本プリンタでは、10〜20[Kg/cm]、21〜30[Kg/cm]、31〜40[Kg/cm]の3段階で調整可能である。なお、10[Kg/cm]は、980665[Pa]に相当する。また、キャレンダー装置500については、プリンタ本体に対して着脱可能に構成しており、これによるキャレンダー処理を省略した画像形成も行うことができる。
【0036】
次に、以上の構成のプリンタを用いて画像を形成した各実施例と比較例について説明する。
[実施例1]
ラウリルメタクリレート/グリシギルメタクリレート(重量比80/20)共重合体50重量部、白色顔料(日本ゼオン社製の酸化チタン)20重量部、ジメチルシリコーン(信越化学工業社製のKF−96−100cst)70重量部、レシチン0.1重量部をアトライターにて120℃で3時間分散し、室温になるまで冷却しながら4時間分散して平均粒径2.4[μm]の白色トナーを得た。この白色トナーを用い且つキャレンダー処理を実施しないで、リコー社製の転写紙(T−6000)上に1200[dpi]のフルカラー画像を形成した。そして、次に列記するパラメータを測定した。
(1)画像濃度
X−Rite
(2)光沢度
日本電色社製のPG−3D光沢度計(入射角60度)を用いて測定した。
(3)1ドットの解像性
顕微鏡による観察で評価した。具体的には、顕微鏡にて画像を拡大して目視にて1ドットが潰れた1つの塊であり、且つ解読不可能な場合を「再現せず」とした。また、同様に1ドットが潰れているものの、何とか解読可能であった場合を「やや再現」とした。また、1ドットが綺麗に形成されている場合を「再現」として評価した。
(4)定着性
転写紙Pの画像形成面に対して貼付・剥離したセロハンテープを透かして、トナー剥離の有無を確認した。
(5)白色度
JISハンター白色試験法に準じて測定した。
【0037】
なお、以下、全ての実施例や比較例においては、白トナー付着量を4〜5[μm]にし、且つ他色のトナー付着量を6〜9[μm]にするような作像条件でフルカラー画像を形成した。また、定着装置300内では、転写紙を350[mm/sec]の線速で搬送しながら、各定着ローラの表面温度を140[℃]にした状態で定着を実施した。
【0038】
[実施例2]
白色顔料として酸化チタンに代えて酸化亜鉛(堺化学社製)を用いた他は、実施例1と同様の条件で調整を行って平均粒径3.1[μm]の白色トナーを得た。そして、この白色トナーを用い且つキャレンダー処理を実施しないで、リコー社製の転写紙(T−6000)上に1200[dpi]のフルカラー画像を形成し、上記(1)〜(5)のパラメータを測定した。
【0039】
[実施例3]
実施例1のラウリルメタクリレート/グリシギルメタクリレート(重量比80/20)共重合体50をロジン変性ポリエステル樹脂に代えた。顔料については実施例1と同じ日本ゼオン社製の酸化チタンを用いた。これの20重量部と、ロジン変性ポリエステル樹脂50重量部と、ジメチルシリコーン(KF−96−100cst:信越化学工業社製)70重量部と、レシチン0.1重量部とをアトライターにて120[℃]で3時間分散した。更に、室温になるまで冷却しながら4時間分散して平均粒径2.1[μm]の白色トナーを得た。そして、この白色トナーを用い且つキャレンダー処理を実施しないで、リコー社製の転写紙(T−6000)上に1200[dpi]のフルカラー画像を形成し、上記(1)〜(5)のパラメータを測定した。
【0040】
[実施例4]
顔料を炭酸カルシウムに代えた以外は、実施例3と同様の調整を行って平均粒径2.8[μm]の白色トナーを得た。そして、この白色トナーを用い且つキャレンダー処理を実施しないで、リコー社製の転写紙(T−6000)上に1200[dpi]のフルカラー画像を形成し、上記(1)〜(5)のパラメータを測定した。
【0041】
[実施例5]
ステアリルメタクリレート/メタクリル酸(重量比50/50)50重量部、白色顔料(酸化チタン)20重量部、ジメチルシリコーン(信越化学工業社製のKF−96−50cst)70重量部をボールミルで48時間、25〜30℃の温度にて分散して平均粒径3.3[μm]の白色トナーを得た。そして、この白色トナーを用い且つキャレンダー処理を実施しないで、リコー社製の転写紙(T−6000)上に1200[dpi]のフルカラー画像を形成し、上記(1)〜(5)のパラメータを測定した。
【0042】
[実施例6]
白色顔料として酸化チタンに変えて硫酸バリウムを用いた他は、実施例5と同様の条件で調整を行って平均粒径3.7[μm]の白色トナーを得た。そして、この白色トナーを用い且つキャレンダー処理を実施しないで、リコー社製の転写紙(T−6000)上に1200[dpi]のフルカラー画像を形成し、上記(1)〜(5)のパラメータを測定した。
【0043】
[実施例7]
定着装置300における吸液ベルト303、ベルト駆動ローラ304、ベルト押圧ローラ305、クリーニングユニット306を撤去して、定着装置300を2本の定着ローラ301、302だけの構成とした。また、キャレンダー装置500を取り付けた。そして、実施例1の白色トナーを用い且つ21〜30[Kg/cm]のキャレンダー圧力を発揮させながら、リコー社製の転写紙(T−6000)上に1200[dpi]のフルカラー画像を形成し、上記(1)〜(5)のパラメータを測定した。
【0044】
[実施例8]
キャレンダー圧力を31〜40[Kg/cm]に設定した他は、実施例7と同様の条件で試験を行った。
【0045】
[実施例9]
転写紙として、王子製紙社製の苫更紙(ざら紙)という安価なものを用いた他は、実施例1と同様の条件で試験を行った。
【0046】
[実施例10]
転写紙として、大昭和製紙社製のNBS中厚口紙を用いた他は、実施例2と同様の条件で試験を行った。
【0047】
[実施例11]
転写紙として、王子製紙社製のOK特アート紙(紙の両面にクレーなどが1mあたり40gの割合で塗布されているもの)を用いた他は、実施例3と同様の条件で試験を行った。
【0048】
[比較例1]
キャレンダー処理及び転写紙に対する白現像剤の塗布を実施せず、且つ転写紙としてリコー社製のT−6000を用いてフルカラー画像を形成した。
【0049】
[比較例2]
31〜40[Kg/cm]のキャレンダー圧力を付与した他は、比較例1と同様の条件で試験を行った。
【0050】
[比較例3]
転写紙として、王子製紙社製の苫更紙を用いた他は、比較例1と同様の条件で試験を行った。
【0051】
[比較例4]
転写紙として、大昭和製紙社製のNBS中厚口紙を用いた他は、比較例1と同様の条件で試験を行った。
【0052】
[比較例5]
転写紙として、王子製紙社製のOK特アート紙を用いた他は、比較例1と同様の条件で試験を行った。
【0053】
以上の実施例及び比較例の結果を図5にまとめて示す。この図において、比較例1〜5は、何れも白現像剤の塗布による白現像剤層の形成を施していない転写紙にフルカラー画像を形成した試験である。また、比較例1及び2、比較例3、比較例4、比較例5では、転写紙としてT−6000、苫更紙、NBS中厚口紙、OK特アート紙がそれぞれ用いられているが、これらの紙の中で表面コーティングが施されているものはOK特アート紙だけである。比較例1〜4の転写紙は、どれも白現像剤層が形成されない無垢のままの状態であり、平滑性に乏しく且つ吸液性が過剰な表面にフルカラー画像が形成されているのである。このため、何れにおいてもフルカラー画像の解像性は再現されず、滲んだ画像となってしまった。また、漂白処理が施されておらず、白色性に著しく欠ける苫更紙を用いた比較例3では、その白色性の乏しさがフルカラー画像の色調に大きく影響を及ぼした。なお、比較例1と比較例2との比較から、キャレンダー圧力を高めると転写紙の光沢性を向上させることがわかる。
【0054】
一方、比較例5の転写紙は、比較例1〜4と同様に無垢のままの状態であるが、もともと表面コーティングが施されているため、表面平滑性が良く且つ過剰な吸液性を発揮し難い。このため、フルカラー画像の解像性は比較例1〜4よりは改善されている。しかしながら、理想的な解像性とは言えない。
【0055】
また一方、実施例1〜11の転写紙は、何れも白現像剤層の上にフルカラー画像が形成されおり、何れにおいてもフルカラー画像の良好な解像性が認められた。白現像剤層が有効に機能していることがわかる。しかも、実施例9、10、11は、白現像剤層が形成されている点だけが比較例4、5、6異なるだけであるが、それぞれ光沢度が飛躍的に高まっている。このことは、白現像剤層がRz3[μm]の吸液ベルトに密着せしめられながら加熱定着されることで、転写紙の光沢度を有効に高めるフィルム状のものになったことを示している。
【0056】
なお、先にキャレンダー圧力を高めると転写紙の光沢性を向上させることができる旨を述べたが、このことは実施例7と実施例8との比較からも裏付けられている。但し、キャレンダー圧力を31〜40[Kg/cm]まで高めた実施例8では、転写紙のクラーク剛度(腰の強さ)を搬送性に影響を与えるおそれがあるレベルまで低下させてしまった。よって、転写紙搬送性を加味すればキャレンダー圧力については、10〜30[Kg/cm]の範囲が良い。但し、多少のジャムが発生しても良いから、光沢性を向上させたい場合にはこの限りでない。
【0057】
また、図5に示していない他の実施例を行ったところ、白現像剤層の厚みについては5[μm]程度あれば十分であることがわかった。よって、5[μm]以下の厚みで形成することで、白現像剤の無駄な消費を抑えることができる。但し、2[μm]以下にすると、画像に若干のスジを出現させることもわかった。
【0058】
以上のように、白現像剤層を形成すれば、作像条件を大幅に変更しなくても多種にわたる転写紙に対して良好なフルカラー画像を形成することができた。なお、白色トナーに用いる白色顔料については、各実施例で使用したもの以外にも硫化亜鉛、鉛白(塩基性炭酸鉛)、炭酸マグネシウム、各種クレーなどが使用可能である。また、これまでに掲げた白色顔料については、通常の電子写真プロセスでも使用し得るトナーを形成するために適したものであれば、電子写真プロセスに用いない塗布ユニット専用の白色粒子でよければ熱可塑性樹脂など、液体キャリア中に分散可能で且つ加熱定着可能なものであればよい。
【0059】
図6は、定着装置300の変形例を示す概略構成図である。この変形例では、定着性と光沢性とをより向上させるための加圧ローラ307を、定着ローラ301とベルト押圧ローラ305との間に配設してある。かかる変形例では、定着性を向上させることで、定着温度を低下させて省エネルギー化を図ることができた。
【0060】
図7は、図6の定着装置300の更なる変形例を示す概略構成図である。この変形例では、吸液ベルト303を定着ローラ301から切り離しているため、定着ローラ301のメンテナンス性を向上させ、しかも、定着ローラ301での加熱の影響による吸液ベルト303の劣化を抑えることができる。
【0061】
これまで、液体現像剤を用いて画像を形成する電子写真方式のプリンタについて説明したが、記録紙の画像形成面に白色トナー層を形成する構成を設ければ、有色液体としてインクを用いるインクジェット方式の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。
【0062】
以上の構成の本プリンタにおいては、記録体たる転写紙Pに対して白色層たる白現像剤層を形成してからフルカラー画像を形成する画像形成動作と、白現像剤層を形成しないでフルカラー画像を形成する画像形成動作とを、ユーザーからの命令に基づいて切り替える。よって、白現像剤層がなくても高画質を実現し得るアート紙やコート紙を使用する場合に、白現像剤層の形成を省略して無駄な白現像剤の消費を回避することができる。
また、潜像担持体たる感光体ドラム、潜像形成手段たるレーザ書込装置、潜像手段たる現像ユニットなどを有する各プロセスユニットや、中間転写ユニット70と2次転写ユニット80とによって構成される転写手段などからなる画像形成部により、液体現像剤を用いた電子写真方式の画像形成を実現することができる。また、白色液体たる白現像剤にて塗布ローラ404上に薄層を形成した後、スイープローラ408によって液体キャリアを除去してその固形分濃度を高めたものを転写紙Pに塗布することで、市販の液体現像剤を用いて白色層(白現像剤層)を形成することができる。
また、白現像剤層を5[μm]以下の厚みで形成させるように白色層形成手段たる白現像剤塗布ユニット400を構成すれば、白現像剤の無駄な消費を抑えることができる。
また、転写紙のおもて面に液体キャリア吸収部材たる吸液ベルト303を密着せしめながら可視像たるフルカラー画像を加熱定着せしめる加熱定着手段を定着装置300内に設けているので、
また、十点平均表面粗さRzを3[μm]以下に調整した密着部材たる吸液ベルト303を密着せしめながら白色現像剤層を加熱定着せしめることで、フェローに似た現象を起こさせて転写紙Pの画像形成面に優れた光沢性を付与することができる。
また、密着部材として液体キャリア吸収性を発揮する吸液ベルト303を用いて白色現像剤層への熱伝達効率を高めることで、その内部の白色トナーをより確実に軟化せしめて、転写紙の画像形成面により確実に光沢性を付与することができる。また、加熱定着温度を引き下げて、吸液ベルト303の耐熱性素材の選択の幅を広げることもできる。
また、吸液ベルト303として10〜30[μm]の厚みのものを用いれば、それに十分な耐久性を発揮させ且つ皺の発生を抑えながら、定着温度の低減化を図ることができる。
また、吸液ベルト303として、加熱定着温度よりも高い耐熱性のものを用いているので、加熱定着による変形を抑えることができる。
また、実施例5と実施例7との違いからわかるように、吸液ベルト303を密着させながらフルカラー画像を加熱定着する加熱定着動作と、密着させないで加熱定着する加熱定着動作とをユーザーからの命令に基づいて切り替えさせるようにすれば、ユーザーの好みに応じてフルカラー画像の光沢性を向上させたり、させなかったりすることができる。
また、白現像剤塗布ユニット400として、白現像剤によって現像された白ベタ画像ではなく、白現像剤そのものを転写紙に塗布して白現像剤層を形成するものを用いているので、白現像剤層を形成するための専用の潜像形成手段、感光体ドラム、帯電手段、現像手段などを設けることによるコストアップを回避することができる。
また、加圧手段たるキャレンダー装置500を設けているので、キャレンダー処理によっても転写紙Pの光沢性を向上させることができる。
また、キャレンダー装置500として、金属ローラたる駆動ローラ501と、金属ローラたる従動ローラ502との間に挟み込んだ転写紙を0.980665[MPa]以上の加圧力で加圧するものを用いているので、転写紙Pの画像形成面に対してより確実に光沢性を付与することができる。
また、キャレンダー装置500の2本のローラをそれぞれ独自に回転駆動するのではなく、回転駆動する駆動ローラ501に従動ローラ502を従動させて、それぞれ等しい周速で回転する両方のローラによって転写紙Pを搬送しているので、周速の違いによって転写紙Pに皺を発生させるといった事態を回避することができる。
また、キャレンダー装置500として、キャレンダー圧力を可変設定する可変設定手段を有するものを用いているので、転写紙に付与する光沢性の度合いをユーザーの好みに応じて変化させることができる。
また、シリコーンオイルからなる液体キャリアを含有する白現像剤を用いる場合には、吸液ベルト303への画像のオフセットを殆ど発生させず、トナーの混入の極めて少ないシリコーンオイルをクリーニング手段たるクリーニングユニット306によって吸液ベルト303から回収するので、回収液をリサイクル使用することができる。
【0063】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、画像形成対象面に対して現像工程によらずに白色液体の薄層からなる白色層を形成した後、画像形成部によって、有色粒子及び液体キャリアを含有する液体現像剤を用いて記録体に画像を形成することにより、記録体自体の表面平滑性や吸液性の違いによる画質への影響を抑え、しかも、記録体自体の白色性の不足による色調の乱れを抑えることができるという優れた効果がある。
さらに、白色層が形成された記録体を加熱して、加熱後の記録体を2つの加圧部材間に挟み込んで加圧することで、記録体の表面平滑性や吸液性にかかわらず、記録体上に形成された白色現像剤層がフルカラー画像に対して安定した表面平滑性と吸液性とを発揮し、安定した質の画像が形成できるという優れた効果も奏します。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの要部の説明図。
【図2】同プリンタの定着装置を示す概略構成図。
【図3】同プリンタの白現像剤塗布ユニットの要部構成図。
【図4】同プリンタのキャレンダー装置を示す概略構成図。
【図5】各実施例及び各比較例の試験結果を示す関係図。
【図6】同定着装置の変形例を示す概略構成図。
【図7】同変形例の更なる変形例を示す概略構成図。
【符号の説明】
10B,Y,M,C 感光体ドラム
20B,Y,M,C 帯電装置
30 レーザ書込装置
40B,Y,M,C 現像ユニット
50 除電装置
60 クリーニング装置
70 中間転写ユニット
77B,Y,M,C 中間転写バイアスローラ
80 紙転写ユニット
81 2次転写バイアスローラ
90 定着装置
100 中間転写ベルト
300 定着装置
400 白現像剤塗布ユニット
500 キャレンダー装置

Claims (1)

  1. 静電潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に静電潜像を形成せしめる潜像形成手段と、有色粒子及び液体キャリアを含有する液体現像剤により、該潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上で現像された可視像を上記記録体に直接あるいは間接的に転写する転写手段とを用いて記録体に画像を形成する画像形成部を備える液体画像形成装置において、
    白色粒子及び液体キャリアを含有する白色液体に自らの周面を部分的に接触させながら回転することで白色液体を汲み上げる汲み上げローラと、該汲み上げローラの表面に当接して該表面上の白色液体の厚みを規制することで該表面上に白色液体の薄層を形成する規制部材と、該汲み上げローラの周面における薄層形成箇所に当接しながら回転するのに伴って該薄層形成箇所の白色液体からなる薄層が自らの周面に転移せしめられた後、自らの薄層転移面を上記転写手段に送り込まれる前の上記記録体の画像形成対象面に接触させながら回転するのに伴って該薄層転移面上の該薄層を該画像形成対象面に塗布する塗布ローラと、該塗布ローラと該画像形成対象面との接触位置で該記録体を該塗布ローラと自らとの間に挟み込む塗布対向ローラと、該接触位置で該薄層中の白色粒子を該塗布ローラ側から該塗布対向ローラ側に静電移動させる電界を形成する手段と、該接触位置に進入する前の該塗布ローラの該薄層転移面に当接しながら回転するのに伴って該薄層転移面上の薄層中の液体キャリアを自らの周面に転移させることで、該薄層の粒子濃度を高めるスイープローラと、該塗布ローラの該薄層転移面と該スイープローラとの当接部で該薄層中の白色粒子を該スイープローラ側から該塗布ローラ側に電気泳動させる電界を形成する手段とを具備し、該画像形成対象面に対して現像工程によらずに白色液体の薄層からなる白色層を形成する白色層形成手段と、上記白色層が形成された上記記録体を加熱する加熱手段と、加熱後の記録体を2つの加圧部材間に挟み込んで加圧する加圧手段を設け、
    該白色層形成手段によって、記録体の画像形成対象面に対して白色液体の薄層からなる白色層を形成し、該記録体を上記加熱手段で加熱し、上記加圧手段で加圧した後、上記画像形成部によって、有色粒子及び液体キャリアを含有する液体現像剤を用いて記録体に画像を形成することを特徴とする液体画像形成装置
JP2002080450A 2002-03-22 2002-03-22 液体画像形成装置 Expired - Fee Related JP4342764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002080450A JP4342764B2 (ja) 2002-03-22 2002-03-22 液体画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002080450A JP4342764B2 (ja) 2002-03-22 2002-03-22 液体画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003280323A JP2003280323A (ja) 2003-10-02
JP4342764B2 true JP4342764B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=29229487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002080450A Expired - Fee Related JP4342764B2 (ja) 2002-03-22 2002-03-22 液体画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4342764B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016080982A (ja) 2014-10-21 2016-05-16 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0758411B2 (ja) * 1986-09-22 1995-06-21 キヤノン株式会社 トナー像の定着方法
JPS6398682A (ja) * 1986-10-16 1988-04-30 Ricoh Co Ltd 記録装置における定着装置
JPH02148077A (ja) * 1988-11-30 1990-06-06 Nec Niigata Ltd 電子写真式印字装置
JPH03142485A (ja) * 1989-10-30 1991-06-18 Brother Ind Ltd 画像形成装置
JPH05323813A (ja) * 1992-05-26 1993-12-07 Sharp Corp 電子写真装置
JP3264718B2 (ja) * 1992-07-31 2002-03-11 株式会社リコー 画像形成装置
DE716633T1 (de) * 1993-09-03 1996-11-28 Rexham Graphics Inc Tintenstrahlaufzeichnungsverfahren und aufzeichnungsmaterial
JPH07114241A (ja) * 1993-10-14 1995-05-02 Ricoh Co Ltd カラー画像形成装置
JPH07160062A (ja) * 1993-12-01 1995-06-23 Tohoku Ricoh Co Ltd 液体現像装置
JPH08132649A (ja) * 1994-11-10 1996-05-28 Canon Electron Inc 記録方法および記録装置
US5666615A (en) * 1995-02-03 1997-09-09 Hewlett-Packard Company Minimal liquid carrier transfer in an image formation process
IL113302A0 (en) * 1995-04-07 1995-07-31 Indigo Nv Printing on transparent film
JP3351347B2 (ja) * 1997-12-19 2002-11-25 富士ゼロックス株式会社 画像形成方法
US6201945B1 (en) * 1998-01-08 2001-03-13 Xerox Corporation Polyimide and doped metal oxide fuser components
JP2000098778A (ja) * 1998-09-28 2000-04-07 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2000155470A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Toshiba Corp 湿式画像形成方法及び湿式画像形成装置
JP2001083834A (ja) * 1999-09-09 2001-03-30 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法および画像形成方法で使用する定着装置
JP2001154493A (ja) * 1999-11-26 2001-06-08 Nec Niigata Ltd 液体現像器
JP2001228717A (ja) * 2000-02-21 2001-08-24 Ricoh Co Ltd 湿式現像装置及び湿式画像形成装置
JP2002006636A (ja) * 2000-06-21 2002-01-11 Pfu Ltd 液体現像フルカラー電子写真装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003280323A (ja) 2003-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05210337A (ja) プリント・システム
US6032015A (en) Apparatus for printing on both sides of an image printing medium by one process
JP4217355B2 (ja) 画像形成装置
CN100495244C (zh) 图像形成装置
JP2006078883A (ja) 画像形成装置
JP3228418B2 (ja) 中間転写部材を有する結像装置
JP2004151260A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP5163674B2 (ja) シート作成方法及びシート作成装置
EP2510403B1 (en) Imaging system and method
JP4342764B2 (ja) 液体画像形成装置
US8750773B2 (en) Producing gloss-watermark pattern on fixing member
JP2003270987A (ja) ベルト定着装置
EP0848304A2 (en) Device and method for fixing and glossing toner images
US20020191988A1 (en) Method and apparatus for printing image
JP7484518B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法
JP3688504B2 (ja) 画像形成装置
JP3428213B2 (ja) 画像形成装置
JP2019132894A (ja) 画像形成装置
JP2005049566A (ja) 転写定着装置及びこれを備えた画像形成装置
JPH1115314A (ja) 画像形成装置
JPH10207256A (ja) 転写部材から基材への粉末形態をとるトナー画像の転写方法
JP2005173231A (ja) 電子写真用再転写材
KR100403604B1 (ko) 정전 및 압력 전사방식 인쇄기
JP2022024299A (ja) 画像形成装置、画像形成方法
JP2000131993A (ja) 定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090619

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090708

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees