JP4341873B2 - カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター - Google Patents

カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板および位相差板およびYAG基板製偏光ビームスプリッタおよびそれらを配したカラー液晶プロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶投射型ディスプレー、即ちカラー液晶プロジェクタの場合、その液晶画像形成部に偏光板を使用する為に光が大幅に吸収されること、および1〜6インチの小面積の画像を数10〜数100インチ程度まで拡大すること等により、明るさの低減は避けられず、その為光源としては高い輝度のものが使用される。一方、プロジェクタの一層の明るさの向上要望も根強く、その結果として自ずと、使用する光源強度は益々強くなってきている。
【0003】
ところで、一般にカラー液晶プロジェクタの液晶画像形成部には、偏光板として、偏光性能の良好なニュートラルグレーの沃素系偏光板が使用されていた。しかし、沃素系偏光板は沃素が偏光子であるが故に耐光性、耐湿熱性が十分でないという問題がある。この問題を解決するため、染料系の二色性色素を偏光子とした偏光板が使用されるようになってきた。このような偏光板は、通常非晶質のガラスを支持体として使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近のカラー液晶プロジェクタの小型化、軽量化の要請により、使用する光源強度は益々強くなり、耐久性と映像の均一性を兼ね備えた偏光板および位相差板および偏光ビームスプリッターおよびカラー液晶プロジェクタが望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記問題を解決するため種々検討した結果、ガラスより熱伝導度が高いYAG基板を偏光板および位相差板および偏光ビームスプリッタに使用することにより、下記の効果が期待出来る。▲1▼基板の表面温度を低下させ、寿命を伸ばすことが出来る。▲2▼基板面内の温度を均一にさせるので、カラー液晶プロジェクタに配し、スクリーンに投射した映像の均一性を向上させることが出来る。これらのことを見い出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(1)偏光板の支持体として、YAG基板を使用したカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板、
(2)偏光板に位相差板を付加した請求項1のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板、
(3)位相差板の支持体として、YAG基板を使用したカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き位相差板、
(4)基材として、YAG基板を用いたカラー液晶プロジェクタ用YAG基板製偏光ビームスプリッター、
(5)(1)または(2)または(3)のYAG基板付き偏光板および位相差板を液晶パネルの入射側または出射側に配したカラー液晶プロジェクタ、
(6)(1)または(2)または(3)のYAG基板付き偏光板および位相差板を液晶パネルの入射側および出射側に使用したカラー液晶プロジェク、
(7)(4)のYAG基板製偏光ビームスプリッターを配したカラー液晶プロジェクタ、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板および位相差板は、▲1▼偏光板および位相差板の支持体として、YAG基板を使用したこと、または▲2▼位相差板を付加した偏光板にも支持体として、YAG基板を使用したことを特徴とし、また、YAG基板製偏光ビームスプリッターは、硝材として、YAG基板を使用したことを特徴とする。
【0007】
YAG(イットリウムアルミニウムガーネットの略)基板は、酸化イットリウム(Y2O3)と酸化アルミニウム(Al2O3)との複酸化物で、無色透明の立方晶系結晶で、ざくろ石構造をとる。この複酸化物は、独自のセラミック成形手法で開発された透光性YAG(Y3Al5O12)セラミックスである。この透光性YAGセラミックスは、均一で微細な結晶粒子で構成されており、個々の結晶界面には高温で軟化するアモルファス相が全く存在しない。本発明で使用するYAG基板は、この透光性YAGセラミックスを板状にしたものである。このYAG基板の大きさは所望の大きさで良く、例えば一辺または径が5〜300mm、好ましくは10〜200mm程度であり、その形状は長方形、正方形、円形等、特に制限はないが、通常は長方形が好ましい。YAG基板の厚みは通常0.1〜5mm、好ましくは0.3〜2mm程度がよい。
【0008】
本発明で使用する偏光板は、沃素系でも染料系でもよいが、より高い耐久性を考慮すると染料系が好ましい。このような偏光板は、沃素や二色性染料で高分子フィルムを染色し、ついでその高分子フィルムを一軸延伸することにより、また必要に応じこの延伸フィルムを二枚の支持フィルムで狭持することにより、製造することができる。高分子フィルムを一軸延伸した後、沃素や二色性染料で染色することによっても、染色と一軸延伸を同時に行っても良い。高分子フィルムの一軸延伸としては、例えば湿式法、乾式法などがあげられる。延伸は4〜5倍程度が普通である。
【0009】
高分子フィルムとしては、例えばPVA(ポリビニルアルコール)系膜、このPVA系膜をエチレン、プロピレンのようなオレフィンや、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸などで変性したもの、EVA(エチレン/ビニルアセテート)樹脂、ケン化EVA樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂等の偏光膜基材が挙げられるが、PVA系膜が、染料の吸着性や配向性の点から、好ましい。PVA系膜としては、例えばPVA膜、ポリビニルブチラール膜等があげられるが、PVA膜が好ましい。偏光膜の膜厚は通常10〜50μ、好ましくは25〜35μ程度が好ましい。
【0010】
偏光膜のみで偏光機能は有するが、強烈な光線照射、高温または高温高湿の過酷な環境条件に対して十分高い耐久性を付与する為に、好ましくは紫外線吸収剤を含有するトリアセチルセルロース等の支持フィルムを両面より積層接着して偏光板とするのが好ましい。支持フィルムとしては、例えばTAC(トリアセチルセルロース)等のセルロースアセテート系フィルムやアクリル系フィルム、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン系共重合体のようなフッ素系フィルム、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂もしくはポリアミド系樹脂からなるフィルム処理したものがあげられるが、TACフィルムが好ましい。この支持フィルムの膜厚は、通常30〜250μ、好ましくは50〜190μ程度がよい。
【0011】
本発明で使用する位相差板には、1/2波長板、1/4波長板、液晶フィルム等があげられる。1/2波長板、1/4波長板にはポラテクノ社製のNR(ポリビニルアルコール系)やHPC(ポリカーボネート系)やWBR(広帯域用)などがある。また、液晶フィルムには富士写真フィルム社製のWVAや日石化学社製のNHなどがある。
【0012】
本発明で使用する偏光板および位相差板の表面には透明な保護膜を設けても良い。保護膜としては、例えばアクリル系やポリシロキサン系のハードコート膜やウレタン系の膜等があげられる。また、この保護膜の上にAR(反射防止)層を設けても良い。AR層として、例えば二酸化珪素、酸化チタン等の物質を蒸着またはスパッタリング処理によって形成することができ、また、フッ素系物質を薄く塗布することにより形成することができる。
【0013】
この偏光板および位相差板の大きさは所望の大きさで良く、例えば一辺または径が5〜300mm、好ましくは20〜200mm程度であり、その形状は長方形、正方形、円形等、特に制限はないが、通常は長方形が好ましい。その厚さは0.1〜1mm、好ましくは0.1〜0.3mm程度がよい。
【0014】
本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板および位相差板における一つの態様は、偏光板および位相差板に、上記のYAG基板を支持体として、貼付したものである。このようにすることにより、透過する偏光の偏光状態を維持することができ、映像コントラストをよりはっきりさせることができる。また、単板光透過率をより向上させるために、YAG基板面または偏光板面および位相差板面の一方もしくは双方の面にAR層を設けることが好ましい。
【0015】
また、上記のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板に位相差板を付加させても良い。このようにすることににより、映像の明るさがより向上し、色相がより鮮明となり、コントラストも向上する。また、カラー液晶プロジェクタの3原色光集光部における集光漏れによる3原色のクロストークを防止することができる。
【0016】
本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板を製造するには、例えばまず偏光板の偏光透過軸、1/2波長板および1/4波長板の遅相軸または進相軸、液晶フィルムの配向方向を正確に測定し、1つの辺を基準として所望の軸角度と大きさで、短形に切り、YAG基板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面に偏光板を貼付すれば良い。また、偏光板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面にYAG基板を貼付しても良い。ここで使用する接着(粘着)剤は、例えばアクリル酸エステル系のものが好ましい。なお、位相差板を付加させる場合は、例えば偏光板と位相差板を両者の軸が所望の角度となるように、貼付した後、位相差板面に接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面にYAG基板を貼付しても良い。また、位相差板側をガラス成形品に貼付する方が通常であるが、偏光板側をYAG基板に貼付しても良い。また、偏光板と位相差板をYAG基板の双方の面に貼付しても良い。
【0017】
本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き位相差板を製造するには、例えばまず1/2波長板および1/4波長板の遅相軸または進相軸、液晶フィルムの配向方向を正確に測定し、1つの辺を基準として所望の軸角度と大きさで、短形に切り、YAG基板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面に位相差板を貼付すれば良い。また、位相差板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面にYAG基板を貼付しても良い。ここで使用する接着(粘着)剤は、例えばアクリル酸エステル系のものが好ましい。なお、1/2波長板および1/4波長板を貼付する場合は、入射偏光軸角度によって、遅相軸または進相軸を所望の軸角度に合わせる。また、液晶フィルムを使用する場合は、使用する液晶表示パネルの液晶の配向方向に応じて、配向方向を合わせる。
【0018】
本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板製偏光ビームスプリッタにおける一つの態様は、基材として上記透光性YAGセラミックスを板状にしたものから切り出したYAG基板の片面に偏光分離膜を蒸着マルチコート加工し、所望の枚数を接着し、正確に45度方向に切り出したものを使用し、1/2波長板を等ピッチで貼付したものである。このようにすることにより、貼付した1/2波長板の耐久性が向上し、硝材の接合部の黄変や剥離を防止することができる。また、単板光透過率をより向上させるために、YAG基板面または1/2波長板ピッチ面の一方もしくは双方の面にAR(反射防止)層を設けることが好ましい。
【0019】
本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板製偏光ビームスプリッタを製造するには、例えばまず1/2波長板の遅相軸または進相軸を正確に測定し、1つの辺を基準として所望の軸角度と大きさで、短形に切り、基材として準備した等ピッチで整列したYAG基板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面に位相差板を貼付すれば良い。また、位相差板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面にYAG基板を貼付しても良い。ここで使用する接着(粘着)剤は、例えばアクリル酸エステル系のものが好ましい。
【0020】
この1/2波長板の大きさは所望の大きさで良く、例えば一辺が1〜300mm、好ましくは3〜150mm程度であり、その形状は長方形、正方形等、特に制限はないが、通常は長方形が好ましい。その厚さは0.1〜1mm、好ましくは0.1〜0.3mm程度がよい。
【0021】
また、ここで使用する基材を製造するには、透光性YAGセラミックスを板状にしたものから、厚みが均一になるように、正確に切り出し、表面研磨したYAG基板を所望の枚数、用意する。この厚みは所望の厚みでよく、例えば一つのピッチが1〜50mm、好ましくは2〜20mm程度がよい。このYAG基板の片面に蒸着マルチコート加工により偏光分離膜を形成させて、所望の枚数を重ね合わせて、接着する。ここで使用する接着(粘着)剤としては、例えば紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤のいずれも使用できる。この接着したものを、正確に45度方向に切り出し、厚みが均一になるように、表面研磨する。この厚みは所望の厚みでよく、例えば一つのピッチが1〜50mm、好ましくは3〜20mm程度がよい。このYAG基板を所望の大きさに切り出して、本発明で使用する硝材を得ることができる。この大きさは所望の大きさで良く、例えば一辺が10〜300mm、好ましくは30〜150mm程度であり、その形状は長方形、正方形等、特に制限はないが、通常は長方形が好ましい。
【0022】
本発明のカラー液晶プロジェクタは例えば上記のYAG基板付き偏光板または位相差板YAG基板製偏光ビームスプリッターを有する。通常は液晶表示パネルの出射側に、YAG基板付き偏光板を、偏光板面を光源側にして、配置される。液晶表示パネルの入射側は通常のガラス付き偏光板を使用してもよく、また本発明のYAG基板付き偏光板を使用してもよい。また、YAG基板製偏光ビームスプリッタは、通常は光源と入射側偏光板の間に、配置される。
【0023】
液晶表示パネルの液晶セルは、例えば液晶の配向方向によって、入射偏光軸角度が0度または90度のものと45度または135度のものが一般に使用されている。この軸角度に応じて、使用する液晶フィルムの配向方向を合わせ、入射側及び出射側偏光板の内側に配し、使用される。また、液晶セルとしては、例えば電極及びTFTが形成された透明基板と対向電極が形成された透明基板との間にTN液晶を封入して製造されるツイストネマチック(TN)型のアクティブマトリクス駆動方式のものがあげられる。
【0024】
本発明のカラー液晶プロジェクタは、光源の直後に紫外線カットフィルタ、マルチインテグレーターレンズの順に設け、その後に上記のYAG基板製偏光ビームスプリッターを配置させたものである。上記マルチレンズによって、偏光ビームスプリッターのピッチの一つおきに、光は焦点を結ばれ、この部分の光束密度は極めて高く、それにより温度も高温になる。ここで本発明のYAG基板製偏光ビームスプリッターを配置することにより、以下のような効果が期待できる。硝材がYAG基板である為に、熱伝導度が高く、周囲へ熱を分散させ、高温部の温度を下げ、偏光ビームスプリッターの1/2波長板、接合部に対する負荷を減らすことができ、耐久性が向上させることができる。なお、偏光ビームスプリッターは、自然光を互いに直交する偏光に分離する機能を有する光学部品のことである。また、出射側偏光板の負荷の方が、入射側偏光板の負荷より大きくなるので、出射側偏光板にも本発明のYAG基板付き偏光板を配置した方が好ましい。この場合、入射側偏光板は従来のガラス付き偏光板を使用してもよく、また本発明のYAG基板付き偏光板を使用してもよい。また、ガラス板の外面には反射防止用の多層膜(反射防止膜)が形成されている。
【0025】
光入射側偏光板は強度の光にさらされる。このため、その温度が高くなる。通常の液晶表示素子のように、液晶セルと光入射側偏光板が密着していると、光入射側偏光板の熱が液晶セルに伝達し、液晶セル内の液晶がNI点を越えて、表示ができなくなってしまう。これを避けるため、液晶セルと光入射側偏光板とを離間して配置し、冷却ファン等により空気やガスを循環させて、液晶セルの過熱を防止する(水冷方式でもよい)。
【0026】
本発明のカラー液晶プロジェクタの1例をあげると、メタルハライドランプ等の光源から放射された光は、紫外線カットフィルタや偏光ビームスプリッターを通過し、ついで2つのダイクロイックミラーでR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色の光に分けられ、それぞれ上記偏光板を通過して液晶表示パネルに照射される。液晶表示パネルを通過した3原色の光は、出射側の偏光板を通過しダイクロイックプリズムにより集光された後、投射レンズにより拡大されてスクリーンに投影される。
【0027】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例においてフィルムカット時の角度表示は、フィルムに存在する粘着剤層を裏側にして長辺を手前にセットして、反時計回りに測定した角度である。
【0028】
実施例1
透光性YAGセラミックスを板状にしたものから切り出した片面をAR加工処理された長方形状のYAG基板(縦30mm、横36mm、厚さ0.7mm)を用意した。また、片面に粘着剤層を有し、他面にAR加工処理を施した染料系偏光板(ポラテクノ社製)を、偏光透過軸の角度が90度となるように、その原反からYAG基板と同じ大きさに正確に切り出した。この偏光板の偏光透過軸を偏光顕微鏡で確認したところ、0.5度以内の誤差で縦方向であった。この偏光板の粘着剤面にYAG基板を、YAG基板の短辺と染料系偏光板の短辺を正確にあわせて、かつそのAR加工処理面を外側にして、貼付し、本発明のYAG基板付き偏光板を得た。
【0029】
実施例2
片面に粘着剤層を有するポリビニルアルコール系1/2波長板(ポラテクノ社製、青用;位相差値225nm、緑用;位相差値275nm、赤用;位相差値305nm)を、その原反から、縦30mm、横36mmの大きさで、遅相軸角度が45度となるように長方形状に正確に切り出した。この1/2波長板の遅相軸を偏光顕微鏡で確認したところ、0.5度以内の誤差で45度の方向であった。次に、この1/2波長板の上に実施例1記載の片面粘着剤層を有し、他面にAR加工処理を施した染料系偏光板(ポラテクノ社製)のカットしたフィルムを各辺が一致するように粘着剤面に正確に貼付した。この1/2波長板付き偏光板を実施例1記載のYAG基板の各辺と染料系偏光板の各辺を正確にあわせて、YAG基板のAR加工処理面を外側にして、貼付し、青用、緑用、赤用という3枚の本発明のYAG基板付き偏光板を得た。
【0030】
実施例3
YAG基板製偏光ビームスプリッターの例を図1に示す。透光性YAGセラミックスを板状にしたものから、厚みが2.8mm(=2√2:一つのピッチが4.0mmとなる)になるように、正確に切り出し、表面研磨したYAG基板を所望の枚数、用意した。このYAG基板の片面に蒸着マルチコート加工により偏光分離膜を形成させて、17枚を重ね合わせて、紫外線硬化型接着剤により、接着した(接合部(1))。この接着したものを、正確に45度方向に切り出し、厚みが4mmになるように、表面研磨し、縦68.8mm、横66.8mmのサイズに切り出した。また、片面に粘着層を有するポリカーボネート系1/2波長板WBR−90PC(ポラテクノ社製)をその原反から、縦68.8mm、横4.0mmの大きさに正確に切り出した。この1/2波長板の粘着剤面に上記YAG基板硝材の八つの貼付部(2)と1/2波長板を正確にあわせて、貼付し、その双方の面にAR加工処理を施し、本発明のYAG基板製偏光ビームスプリッターを得た。
【0031】
実施例4
実施例1の方法で得られたYAG基板付き偏光板を使用した液晶プロジェクタの例を図2に示す。この例では、通常のガラス板に1/2波長板付き偏光板を貼付したガラス板付き偏光板を入射側偏光板として、偏光板面を液晶側に配置し、YAG基板付き偏光板は液晶セルの出射側に配置している。光源(メタルハライドランプ)1から出射された可視光線は紫外線カットフィルタ(赤外線カット機能も有している)2を通過し、偏光ビームスプリッタ4により偏光された後、第一の分解用ダイクロイックミラー5で赤(R)が分離され、ついで第二の分解用ダイクロイックミラー5で緑(G)と青(B)に分解されて3原色を得る。R、G、Bそれぞれの光線は入射側偏光板7B、7R、7Gに入射され、一定方向の偏光の光線のみが液晶セル8に入射する。液晶セル8を通過した偏光は本発明のYAG基板付き偏光板を配置した出射側偏光板9B、9R、9Gに入射する。出射側偏光板9B、9Rを通過したB、Rそれぞれの光線は直接合成用ダイクロイックミラー付きクロスプリズム11へ入射し、また9Gを通過したGの光線は1/2波長板10を通過して合成用ダイクロイックミラー付きクロスプリズム11へ入射する。その後、クロスプリズム11を通過して合成された偏光は、投射レンズ12を介してスクリーン13に投影される。
【0032】
実施例5
実施例4において、実施例2記載のYAG基板付き偏光板を入射側偏光板とし、偏光板面を液晶側にして、配置した以外は実施例4と同様にして、本発明の液晶プロジェクタを得る。
【0033】
実施例6
実施例4において、実施例3記載のYAG基板製偏光ビームスプリッターを図2の4の部分に配置した以外は実施例4と同様にして、本発明の液晶プロジェクタを得る。
【0034】
実験例1
偏光ビームスプリッターのない単板プロジェクタに、実施例1のYAG基板付き偏光板を入射側に配し、更に、偏光透過軸の角度が0度となるようにした以外は実施例1と同様にして作ったYAG基板付き偏光板出射側に配して、投射映像を観察した。その結果、投射映像は明るく、コントラストも良好で、かつ鮮明であった。また、耐久性試験を行ったところ、800時間後でも投射画面に変化はなく、画像の色ムラもなく、良好な投射映像であった。
【0035】
実験例2
実施例4記載のYAG基板付き偏光板を使用した液晶プロジェクタの出射側偏光板を通常のガラス板付き偏光板に配置したもの(入・出射側偏光板ともに通常のガラス板付き偏光板を配置した液晶プロジェクタ)と、実施例5記載の入・出射側偏光板ともにYAG基板付き偏光板を配置した液晶プロジェクタを用意した。この2台のプロジェクタを同時に運転を行い、入射側偏光板7B、7Gと出射側偏光板9B、9Gの中央部分の表面温度を測定した結果を下記に示す。
Figure 0004341873
上記の通り、本発明のYAG基板付き偏光板を使用することにより、偏光板の中央部分の表面温度を低下させることができ、耐久性が良好で、高コントラストで均一性の優れた画像を長時間安定的に表示できる液晶プロジェクタを得られた。
【0036】
実験例3
実施例4記載のYAG基板付き偏光板を使用した液晶プロジェクタ(通常のガラスを硝材とした偏光ビームスプリッタを配置した液晶プロジェクタ)と、実施例6記載のYAG基板製偏光ビームスプリッタを配置した液晶プロジェクタを用意した。この2台のプロジェクタを40℃環境下で同時に5000時間連続運転を行い、偏光ビームスプリッター4の変化を確認したところ、通常のガラス製偏光ビームスプリッターは1/2波長板に焼けが発生し、接合部も黄変したのに対し、YAG基板製偏光ビームスプリッターは変化はなかった。この結果の通り、本発明のYAG基板製偏光ビームスプリッターを使用することにより、偏光ビームスプリッターの1/2波長板の焼けや接合部の黄変や剥離も防止でき、耐久性が良好で、高コントラストで均一性の優れた画像を長時間安定的に表示できる液晶プロジェクタを得られた。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、明るさと耐久性のいずれも良好で、高コントラストで均一性の優れた画像を長時間安定的に表示できる液晶プロジェクタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3にかかるYAG基板付き偏光ビームスプリッターの構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例4にかかる液晶プロジェクタの構造を示す図である。
【符号の説明】
(1):接合部
(2):貼付部1:光源(メタルハライドランプ)
2:UV/IRカットフィルタ
3:インテグレーターレンズ
4:偏光ビームスプリッタ
5:色分解用ダイクロイックミラー
6:ミラー
7R:赤用入射側偏光板
7G:緑用入射側偏光板
7B:青用入射側偏光板
8:TFT液晶セル
9R:赤用出射側偏光板
9G:緑用出射側偏光板
9B:青用出射側偏光板
10:1/2波長板
11:色合成用ダイクロイックミラー付きクロスプリズム
12:投射レンズ
13:スクリーン

Claims (7)

  1. 偏光板の支持体として、YAG基板を使用したカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板。
  2. 偏光板に位相差板を付加した請求項1のカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板。
  3. 位相差板の支持体として、YAG基板を使用したカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き位相差板。
  4. 基材として、YAG基板を用いたカラー液晶プロジェクタ用YAG基板製偏光ビームスプリッター。
  5. 請求項1または請求項2または請求項3のYAG基板付き偏光板および位相差板を液晶パネルの入射側または出射側に配したカラー液晶プロジェクタ。
  6. 請求項1または請求項2または請求項3のYAG基板付き偏光板および位相差板を液晶パネルの入射側および出射側に使用したカラー液晶プロジェクタ。
  7. 請求項4のYAG基板製偏光ビームスプリッターを配したカラー液晶プロジェクタ。
JP2000244745A 2000-08-11 2000-08-11 カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター Expired - Fee Related JP4341873B2 (ja)

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