JP2002055231A - カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター - Google Patents

カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター

Info

Publication number
JP2002055231A
JP2002055231A JP2000244745A JP2000244745A JP2002055231A JP 2002055231 A JP2002055231 A JP 2002055231A JP 2000244745 A JP2000244745 A JP 2000244745A JP 2000244745 A JP2000244745 A JP 2000244745A JP 2002055231 A JP2002055231 A JP 2002055231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
yag
substrate
plate
polarizing plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000244745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4341873B2 (ja
Inventor
Makoto Nozaki
信 野崎
Tadashi Matsuo
正 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PORA TECHNO KK
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
PORA TECHNO KK
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PORA TECHNO KK, Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical PORA TECHNO KK
Priority to JP2000244745A priority Critical patent/JP4341873B2/ja
Publication of JP2002055231A publication Critical patent/JP2002055231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4341873B2 publication Critical patent/JP4341873B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】明るさと耐久性のいずれもが良好なカラー液晶
プロジェクタを得るための偏光板および位相差板および
偏光ビームスプリッタの提供。 【解決手段】支持体としてYAG基板を使用したカラー
液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板および位相差
板およびカラー液晶用YAG基板製偏光ビームスプリッ
ター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶プロジ
ェクタ用YAG基板付き偏光板および位相差板およびY
AG基板製偏光ビームスプリッタおよびそれらを配した
カラー液晶プロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶投射型ディスプレー、即ちカ
ラー液晶プロジェクタの場合、その液晶画像形成部に偏
光板を使用する為に光が大幅に吸収されること、および
1〜6インチの小面積の画像を数10〜数100インチ
程度まで拡大すること等により、明るさの低減は避けら
れず、その為光源としては高い輝度のものが使用され
る。一方、プロジェクタの一層の明るさの向上要望も根
強く、その結果として自ずと、使用する光源強度は益々
強くなってきている。
【0003】ところで、一般にカラー液晶プロジェクタ
の液晶画像形成部には、偏光板として、偏光性能の良好
なニュートラルグレーの沃素系偏光板が使用されてい
た。しかし、沃素系偏光板は沃素が偏光子であるが故に
耐光性、耐湿熱性が十分でないという問題がある。この
問題を解決するため、染料系の二色性色素を偏光子とし
た偏光板が使用されるようになってきた。このような偏
光板は、通常非晶質のガラスを支持体として使用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近のカラー
液晶プロジェクタの小型化、軽量化の要請により、使用
する光源強度は益々強くなり、耐久性と映像の均一性を
兼ね備えた偏光板および位相差板および偏光ビームスプ
リッターおよびカラー液晶プロジェクタが望まれてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題を
解決するため種々検討した結果、ガラスより熱伝導度が
高いYAG基板を偏光板および位相差板および偏光ビー
ムスプリッタに使用することにより、下記の効果が期待
出来る。基板の表面温度を低下させ、寿命を伸ばすこ
とが出来る。基板面内の温度を均一にさせるので、カ
ラー液晶プロジェクタに配し、スクリーンに投射した映
像の均一性を向上させることが出来る。これらのことを
見い出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、(1)
偏光板の支持体として、YAG基板を使用したカラー液
晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板、(2)偏光板
に位相差板を付加した請求項1のカラー液晶プロジェク
タ用YAG基板付き偏光板、(3)位相差板の支持体と
して、YAG基板を使用したカラー液晶プロジェクタ用
YAG基板付き位相差板、(4)基材として、YAG基
板を用いたカラー液晶プロジェクタ用YAG基板製偏光
ビームスプリッター、(5)(1)または(2)または
(3)のYAG基板付き偏光板および位相差板を液晶パ
ネルの入射側または出射側に配したカラー液晶プロジェ
クタ、(6)(1)または(2)または(3)のYAG
基板付き偏光板および位相差板を液晶パネルの入射側お
よび出射側に使用したカラー液晶プロジェク、(7)
(4)のYAG基板製偏光ビームスプリッターを配した
カラー液晶プロジェクタ、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のカラー液晶プロジェクタ
用YAG基板付き偏光板および位相差板は、偏光板お
よび位相差板の支持体として、YAG基板を使用したこ
と、または位相差板を付加した偏光板にも支持体とし
て、YAG基板を使用したことを特徴とし、また、YA
G基板製偏光ビームスプリッターは、硝材として、YA
G基板を使用したことを特徴とする。
【0007】YAG(イットリウムアルミニウムガーネ
ットの略)基板は、酸化イットリウム(Y2O3)と酸
化アルミニウム(Al2O3)との複酸化物で、無色透
明の立方晶系結晶で、ざくろ石構造をとる。この複酸化
物は、独自のセラミック成形手法で開発された透光性Y
AG(Y3Al5O12)セラミックスである。この透
光性YAGセラミックスは、均一で微細な結晶粒子で構
成されており、個々の結晶界面には高温で軟化するアモ
ルファス相が全く存在しない。本発明で使用するYAG
基板は、この透光性YAGセラミックスを板状にしたも
のである。このYAG基板の大きさは所望の大きさで良
く、例えば一辺または径が5〜300mm、好ましくは
10〜200mm程度であり、その形状は長方形、正方
形、円形等、特に制限はないが、通常は長方形が好まし
い。YAG基板の厚みは通常0.1〜5mm、好ましく
は0.3〜2mm程度がよい。
【0008】本発明で使用する偏光板は、沃素系でも染
料系でもよいが、より高い耐久性を考慮すると染料系が
好ましい。このような偏光板は、沃素や二色性染料で高
分子フィルムを染色し、ついでその高分子フィルムを一
軸延伸することにより、また必要に応じこの延伸フィル
ムを二枚の支持フィルムで狭持することにより、製造す
ることができる。高分子フィルムを一軸延伸した後、沃
素や二色性染料で染色することによっても、染色と一軸
延伸を同時に行っても良い。高分子フィルムの一軸延伸
としては、例えば湿式法、乾式法などがあげられる。延
伸は4〜5倍程度が普通である。
【0009】高分子フィルムとしては、例えばPVA
(ポリビニルアルコール)系膜、このPVA系膜をエチ
レン、プロピレンのようなオレフィンや、クロトン酸、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のような不飽和
カルボン酸などで変性したもの、EVA(エチレン/ビ
ニルアセテート)樹脂、ケン化EVA樹脂、ナイロン樹
脂、ポリエステル樹脂等の偏光膜基材が挙げられるが、
PVA系膜が、染料の吸着性や配向性の点から、好まし
い。PVA系膜としては、例えばPVA膜、ポリビニル
ブチラール膜等があげられるが、PVA膜が好ましい。
偏光膜の膜厚は通常10〜50μ、好ましくは25〜3
5μ程度が好ましい。
【0010】偏光膜のみで偏光機能は有するが、強烈な
光線照射、高温または高温高湿の過酷な環境条件に対し
て十分高い耐久性を付与する為に、好ましくは紫外線吸
収剤を含有するトリアセチルセルロース等の支持フィル
ムを両面より積層接着して偏光板とするのが好ましい。
支持フィルムとしては、例えばTAC(トリアセチルセ
ルロース)等のセルロースアセテート系フィルムやアク
リル系フィルム、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレ
ン系共重合体のようなフッ素系フィルム、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂もし
くはポリアミド系樹脂からなるフィルム処理したものが
あげられるが、TACフィルムが好ましい。この支持フ
ィルムの膜厚は、通常30〜250μ、好ましくは50
〜190μ程度がよい。
【0011】本発明で使用する位相差板には、1/2波
長板、1/4波長板、液晶フィルム等があげられる。1
/2波長板、1/4波長板にはポラテクノ社製のNR
(ポリビニルアルコール系)やHPC(ポリカーボネー
ト系)やWBR(広帯域用)などがある。また、液晶フ
ィルムには富士写真フィルム社製のWVAや日石化学社
製のNHなどがある。
【0012】本発明で使用する偏光板および位相差板の
表面には透明な保護膜を設けても良い。保護膜として
は、例えばアクリル系やポリシロキサン系のハードコー
ト膜やウレタン系の膜等があげられる。また、この保護
膜の上にAR(反射防止)層を設けても良い。AR層と
して、例えば二酸化珪素、酸化チタン等の物質を蒸着ま
たはスパッタリング処理によって形成することができ、
また、フッ素系物質を薄く塗布することにより形成する
ことができる。
【0013】この偏光板および位相差板の大きさは所望
の大きさで良く、例えば一辺または径が5〜300m
m、好ましくは20〜200mm程度であり、その形状
は長方形、正方形、円形等、特に制限はないが、通常は
長方形が好ましい。その厚さは0.1〜1mm、好まし
くは0.1〜0.3mm程度がよい。
【0014】本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG
基板付き偏光板および位相差板における一つの態様は、
偏光板および位相差板に、上記のYAG基板を支持体と
して、貼付したものである。このようにすることによ
り、透過する偏光の偏光状態を維持することができ、映
像コントラストをよりはっきりさせることができる。ま
た、単板光透過率をより向上させるために、YAG基板
面または偏光板面および位相差板面の一方もしくは双方
の面にAR層を設けることが好ましい。
【0015】また、上記のカラー液晶プロジェクタ用Y
AG基板付き偏光板に位相差板を付加させても良い。こ
のようにすることににより、映像の明るさがより向上
し、色相がより鮮明となり、コントラストも向上する。
また、カラー液晶プロジェクタの3原色光集光部におけ
る集光漏れによる3原色のクロストークを防止すること
ができる。
【0016】本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG
基板付き偏光板を製造するには、例えばまず偏光板の偏
光透過軸、1/2波長板および1/4波長板の遅相軸ま
たは進相軸、液晶フィルムの配向方向を正確に測定し、
1つの辺を基準として所望の軸角度と大きさで、短形に
切り、YAG基板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、つ
いでこの塗布面に偏光板を貼付すれば良い。また、偏光
板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面
にYAG基板を貼付しても良い。ここで使用する接着
(粘着)剤は、例えばアクリル酸エステル系のものが好
ましい。なお、位相差板を付加させる場合は、例えば偏
光板と位相差板を両者の軸が所望の角度となるように、
貼付した後、位相差板面に接着(粘着)剤を塗布し、つ
いでこの塗布面にYAG基板を貼付しても良い。また、
位相差板側をガラス成形品に貼付する方が通常である
が、偏光板側をYAG基板に貼付しても良い。また、偏
光板と位相差板をYAG基板の双方の面に貼付しても良
い。
【0017】本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG
基板付き位相差板を製造するには、例えばまず1/2波
長板および1/4波長板の遅相軸または進相軸、液晶フ
ィルムの配向方向を正確に測定し、1つの辺を基準とし
て所望の軸角度と大きさで、短形に切り、YAG基板に
透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面に位
相差板を貼付すれば良い。また、位相差板に透明な接着
(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面にYAG基板を
貼付しても良い。ここで使用する接着(粘着)剤は、例
えばアクリル酸エステル系のものが好ましい。なお、1
/2波長板および1/4波長板を貼付する場合は、入射
偏光軸角度によって、遅相軸または進相軸を所望の軸角
度に合わせる。また、液晶フィルムを使用する場合は、
使用する液晶表示パネルの液晶の配向方向に応じて、配
向方向を合わせる。
【0018】本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG
基板製偏光ビームスプリッタにおける一つの態様は、基
材として上記透光性YAGセラミックスを板状にしたも
のから切り出したYAG基板の片面に偏光分離膜を蒸着
マルチコート加工し、所望の枚数を接着し、正確に45
度方向に切り出したものを使用し、1/2波長板を等ピ
ッチで貼付したものである。このようにすることによ
り、貼付した1/2波長板の耐久性が向上し、硝材の接
合部の黄変や剥離を防止することができる。また、単板
光透過率をより向上させるために、YAG基板面または
1/2波長板ピッチ面の一方もしくは双方の面にAR
(反射防止)層を設けることが好ましい。
【0019】本発明のカラー液晶プロジェクタ用YAG
基板製偏光ビームスプリッタを製造するには、例えばま
ず1/2波長板の遅相軸または進相軸を正確に測定し、
1つの辺を基準として所望の軸角度と大きさで、短形に
切り、基材として準備した等ピッチで整列したYAG基
板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面
に位相差板を貼付すれば良い。また、位相差板に透明な
接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面にYAG基
板を貼付しても良い。ここで使用する接着(粘着)剤
は、例えばアクリル酸エステル系のものが好ましい。
【0020】この1/2波長板の大きさは所望の大きさ
で良く、例えば一辺が1〜300mm、好ましくは3〜
150mm程度であり、その形状は長方形、正方形等、
特に制限はないが、通常は長方形が好ましい。その厚さ
は0.1〜1mm、好ましくは0.1〜0.3mm程度
がよい。
【0021】また、ここで使用する基材を製造するに
は、透光性YAGセラミックスを板状にしたものから、
厚みが均一になるように、正確に切り出し、表面研磨し
たYAG基板を所望の枚数、用意する。この厚みは所望
の厚みでよく、例えば一つのピッチが1〜50mm、好
ましくは2〜20mm程度がよい。このYAG基板の片
面に蒸着マルチコート加工により偏光分離膜を形成させ
て、所望の枚数を重ね合わせて、接着する。ここで使用
する接着(粘着)剤としては、例えば紫外線硬化型接着
剤や熱硬化型接着剤のいずれも使用できる。この接着し
たものを、正確に45度方向に切り出し、厚みが均一に
なるように、表面研磨する。この厚みは所望の厚みでよ
く、例えば一つのピッチが1〜50mm、好ましくは3
〜20mm程度がよい。このYAG基板を所望の大きさ
に切り出して、本発明で使用する硝材を得ることができ
る。この大きさは所望の大きさで良く、例えば一辺が1
0〜300mm、好ましくは30〜150mm程度であ
り、その形状は長方形、正方形等、特に制限はないが、
通常は長方形が好ましい。
【0022】本発明のカラー液晶プロジェクタは例えば
上記のYAG基板付き偏光板または位相差板YAG基板
製偏光ビームスプリッターを有する。通常は液晶表示パ
ネルの出射側に、YAG基板付き偏光板を、偏光板面を
光源側にして、配置される。液晶表示パネルの入射側は
通常のガラス付き偏光板を使用してもよく、また本発明
のYAG基板付き偏光板を使用してもよい。また、YA
G基板製偏光ビームスプリッタは、通常は光源と入射側
偏光板の間に、配置される。
【0023】液晶表示パネルの液晶セルは、例えば液晶
の配向方向によって、入射偏光軸角度が0度または90
度のものと45度または135度のものが一般に使用さ
れている。この軸角度に応じて、使用する液晶フィルム
の配向方向を合わせ、入射側及び出射側偏光板の内側に
配し、使用される。また、液晶セルとしては、例えば電
極及びTFTが形成された透明基板と対向電極が形成さ
れた透明基板との間にTN液晶を封入して製造されるツ
イストネマチック(TN)型のアクティブマトリクス駆
動方式のものがあげられる。
【0024】本発明のカラー液晶プロジェクタは、光源
の直後に紫外線カットフィルタ、マルチインテグレータ
ーレンズの順に設け、その後に上記のYAG基板製偏光
ビームスプリッターを配置させたものである。上記マル
チレンズによって、偏光ビームスプリッターのピッチの
一つおきに、光は焦点を結ばれ、この部分の光束密度は
極めて高く、それにより温度も高温になる。ここで本発
明のYAG基板製偏光ビームスプリッターを配置するこ
とにより、以下のような効果が期待できる。硝材がYA
G基板である為に、熱伝導度が高く、周囲へ熱を分散さ
せ、高温部の温度を下げ、偏光ビームスプリッターの1
/2波長板、接合部に対する負荷を減らすことができ、
耐久性が向上させることができる。なお、偏光ビームス
プリッターは、自然光を互いに直交する偏光に分離する
機能を有する光学部品のことである。また、出射側偏光
板の負荷の方が、入射側偏光板の負荷より大きくなるの
で、出射側偏光板にも本発明のYAG基板付き偏光板を
配置した方が好ましい。この場合、入射側偏光板は従来
のガラス付き偏光板を使用してもよく、また本発明のY
AG基板付き偏光板を使用してもよい。また、ガラス板
の外面には反射防止用の多層膜(反射防止膜)が形成さ
れている。
【0025】光入射側偏光板は強度の光にさらされる。
このため、その温度が高くなる。通常の液晶表示素子の
ように、液晶セルと光入射側偏光板が密着していると、
光入射側偏光板の熱が液晶セルに伝達し、液晶セル内の
液晶がNI点を越えて、表示ができなくなってしまう。
これを避けるため、液晶セルと光入射側偏光板とを離間
して配置し、冷却ファン等により空気やガスを循環させ
て、液晶セルの過熱を防止する(水冷方式でもよい)。
【0026】本発明のカラー液晶プロジェクタの1例を
あげると、メタルハライドランプ等の光源から放射され
た光は、紫外線カットフィルタや偏光ビームスプリッタ
ーを通過し、ついで2つのダイクロイックミラーでR
(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色の光に分け
られ、それぞれ上記偏光板を通過して液晶表示パネルに
照射される。液晶表示パネルを通過した3原色の光は、
出射側の偏光板を通過しダイクロイックプリズムにより
集光された後、投射レンズにより拡大されてスクリーン
に投影される。
【0027】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、本実施例においてフィルムカット時の角度表
示は、フィルムに存在する粘着剤層を裏側にして長辺を
手前にセットして、反時計回りに測定した角度である。
【0028】実施例1 透光性YAGセラミックスを板状にしたものから切り出
した片面をAR加工処理された長方形状のYAG基板
(縦30mm、横36mm、厚さ0.7mm)を用意し
た。また、片面に粘着剤層を有し、他面にAR加工処理
を施した染料系偏光板(ポラテクノ社製)を、偏光透過
軸の角度が90度となるように、その原反からYAG基
板と同じ大きさに正確に切り出した。この偏光板の偏光
透過軸を偏光顕微鏡で確認したところ、0.5度以内の
誤差で縦方向であった。この偏光板の粘着剤面にYAG
基板を、YAG基板の短辺と染料系偏光板の短辺を正確
にあわせて、かつそのAR加工処理面を外側にして、貼
付し、本発明のYAG基板付き偏光板を得た。
【0029】実施例2 片面に粘着剤層を有するポリビニルアルコール系1/2
波長板(ポラテクノ社製、青用;位相差値225nm、
緑用;位相差値275nm、赤用;位相差値305n
m)を、その原反から、縦30mm、横36mmの大き
さで、遅相軸角度が45度となるように長方形状に正確
に切り出した。この1/2波長板の遅相軸を偏光顕微鏡
で確認したところ、0.5度以内の誤差で45度の方向
であった。次に、この1/2波長板の上に実施例1記載
の片面粘着剤層を有し、他面にAR加工処理を施した染
料系偏光板(ポラテクノ社製)のカットしたフィルムを
各辺が一致するように粘着剤面に正確に貼付した。この
1/2波長板付き偏光板を実施例1記載のYAG基板の
各辺と染料系偏光板の各辺を正確にあわせて、YAG基
板のAR加工処理面を外側にして、貼付し、青用、緑
用、赤用という3枚の本発明のYAG基板付き偏光板を
得た。
【0030】実施例3 YAG基板製偏光ビームスプリッターの例を図1に示
す。透光性YAGセラミックスを板状にしたものから、
厚みが2.8mm(=2√2:一つのピッチが4.0m
mとなる)になるように、正確に切り出し、表面研磨し
たYAG基板を所望の枚数、用意した。このYAG基板
の片面に蒸着マルチコート加工により偏光分離膜を形成
させて、17枚を重ね合わせて、紫外線硬化型接着剤に
より、接着した(接合部(1))。この接着したもの
を、正確に45度方向に切り出し、厚みが4mmになる
ように、表面研磨し、縦68.8mm、横66.8mm
のサイズに切り出した。また、片面に粘着層を有するポ
リカーボネート系1/2波長板WBR−90PC(ポラ
テクノ社製)をその原反から、縦68.8mm、横4.
0mmの大きさに正確に切り出した。この1/2波長板
の粘着剤面に上記YAG基板硝材の八つの貼付部(2)
と1/2波長板を正確にあわせて、貼付し、その双方の
面にAR加工処理を施し、本発明のYAG基板製偏光ビ
ームスプリッターを得た。
【0031】実施例4 実施例1の方法で得られたYAG基板付き偏光板を使用
した液晶プロジェクタの例を図2に示す。この例では、
通常のガラス板に1/2波長板付き偏光板を貼付したガ
ラス板付き偏光板を入射側偏光板として、偏光板面を液
晶側に配置し、YAG基板付き偏光板は液晶セルの出射
側に配置している。光源(メタルハライドランプ)1か
ら出射された可視光線は紫外線カットフィルタ(赤外線
カット機能も有している)2を通過し、偏光ビームスプ
リッタ4により偏光された後、第一の分解用ダイクロイ
ックミラー5で赤(R)が分離され、ついで第二の分解
用ダイクロイックミラー5で緑(G)と青(B)に分解
されて3原色を得る。R、G、Bそれぞれの光線は入射
側偏光板7B、7R、7Gに入射され、一定方向の偏光
の光線のみが液晶セル8に入射する。液晶セル8を通過
した偏光は本発明のYAG基板付き偏光板を配置した出
射側偏光板9B、9R、9Gに入射する。出射側偏光板
9B、9Rを通過したB、Rそれぞれの光線は直接合成
用ダイクロイックミラー付きクロスプリズム11へ入射
し、また9Gを通過したGの光線は1/2波長板10を
通過して合成用ダイクロイックミラー付きクロスプリズ
ム11へ入射する。その後、クロスプリズム11を通過
して合成された偏光は、投射レンズ12を介してスクリ
ーン13に投影される。
【0032】実施例5 実施例4において、実施例2記載のYAG基板付き偏光
板を入射側偏光板とし、偏光板面を液晶側にして、配置
した以外は実施例4と同様にして、本発明の液晶プロジ
ェクタを得る。
【0033】実施例6 実施例4において、実施例3記載のYAG基板製偏光ビ
ームスプリッターを図2の4の部分に配置した以外は実
施例4と同様にして、本発明の液晶プロジェクタを得
る。
【0034】実験例1 偏光ビームスプリッターのない単板プロジェクタに、実
施例1のYAG基板付き偏光板を入射側に配し、更に、
偏光透過軸の角度が0度となるようにした以外は実施例
1と同様にして作ったYAG基板付き偏光板出射側に配
して、投射映像を観察した。その結果、投射映像は明る
く、コントラストも良好で、かつ鮮明であった。また、
耐久性試験を行ったところ、800時間後でも投射画面
に変化はなく、画像の色ムラもなく、良好な投射映像で
あった。
【0035】実験例2 実施例4記載のYAG基板付き偏光板を使用した液晶プ
ロジェクタの出射側偏光板を通常のガラス板付き偏光板
に配置したもの(入・出射側偏光板ともに通常のガラス
板付き偏光板を配置した液晶プロジェクタ)と、実施例
5記載の入・出射側偏光板ともにYAG基板付き偏光板
を配置した液晶プロジェクタを用意した。この2台のプ
ロジェクタを同時に運転を行い、入射側偏光板7B、7
Gと出射側偏光板9B、9Gの中央部分の表面温度を測
定した結果を下記に示す。 入射側偏光板 出射側偏光板 7B 7G 9B 9G YAG基板付き偏光板 50℃ 43℃ 56℃ 61℃ 通常のガラス付き偏光板 60℃ 49℃ 70℃ 71℃ 上記の通り、本発明のYAG基板付き偏光板を使用する
ことにより、偏光板の中央部分の表面温度を低下させる
ことができ、耐久性が良好で、高コントラストで均一性
の優れた画像を長時間安定的に表示できる液晶プロジェ
クタを得られた。
【0036】実験例3 実施例4記載のYAG基板付き偏光板を使用した液晶プ
ロジェクタ(通常のガラスを硝材とした偏光ビームスプ
リッタを配置した液晶プロジェクタ)と、実施例6記載
のYAG基板製偏光ビームスプリッタを配置した液晶プ
ロジェクタを用意した。この2台のプロジェクタを40
℃環境下で同時に5000時間連続運転を行い、偏光ビ
ームスプリッター4の変化を確認したところ、通常のガ
ラス製偏光ビームスプリッターは1/2波長板に焼けが
発生し、接合部も黄変したのに対し、YAG基板製偏光
ビームスプリッターは変化はなかった。この結果の通
り、本発明のYAG基板製偏光ビームスプリッターを使
用することにより、偏光ビームスプリッターの1/2波
長板の焼けや接合部の黄変や剥離も防止でき、耐久性が
良好で、高コントラストで均一性の優れた画像を長時間
安定的に表示できる液晶プロジェクタを得られた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、明るさと耐久性のいず
れも良好で、高コントラストで均一性の優れた画像を長
時間安定的に表示できる液晶プロジェクタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3にかかるYAG基板付き偏光
ビームスプリッターの構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例4にかかる液晶プロジェクタの
構造を示す図である。
【符号の説明】
(1):接合部 (2):貼付部1:光源(メタルハライドランプ) 2:UV/IRカットフィルタ 3:インテグレーターレンズ 4:偏光ビームスプリッタ 5:色分解用ダイクロイックミラー 6:ミラー 7R:赤用入射側偏光板 7G:緑用入射側偏光板 7B:青用入射側偏光板 8:TFT液晶セル 9R:赤用出射側偏光板 9G:緑用出射側偏光板 9B:青用出射側偏光板 10:1/2波長板 11:色合成用ダイクロイックミラー付きクロスプリズ
ム 12:投射レンズ 13:スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/00 G03B 21/00 E Fターム(参考) 2H049 BA02 BA05 BA06 BA07 BA26 BA27 BB03 BB13 BB33 BB43 BB65 BC14 BC22 2H088 EA14 EA15 HA11 HA13 HA15 HA18 HA20 HA23 HA24 HA28 MA04 MA06 2H091 FA01Z FA05X FA08X FA08Z FA10Z FA26X LA11 LA15 LA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏光板の支持体として、YAG基板を使用
    したカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板。
  2. 【請求項2】偏光板に位相差板を付加した請求項1のカ
    ラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き偏光板。
  3. 【請求項3】位相差板の支持体として、YAG基板を使
    用したカラー液晶プロジェクタ用YAG基板付き位相差
    板。
  4. 【請求項4】基材として、YAG基板を用いたカラー液
    晶プロジェクタ用YAG基板製偏光ビームスプリッタ
    ー。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2または請求項3の
    YAG基板付き偏光板および位相差板を液晶パネルの入
    射側または出射側に配したカラー液晶プロジェクタ。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項2または請求項3の
    YAG基板付き偏光板および位相差板を液晶パネルの入
    射側および出射側に使用したカラー液晶プロジェクタ。
  7. 【請求項7】請求項4のYAG基板製偏光ビームスプリ
    ッターを配したカラー液晶プロジェクタ。
JP2000244745A 2000-08-11 2000-08-11 カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター Expired - Fee Related JP4341873B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000244745A JP4341873B2 (ja) 2000-08-11 2000-08-11 カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000244745A JP4341873B2 (ja) 2000-08-11 2000-08-11 カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002055231A true JP2002055231A (ja) 2002-02-20
JP4341873B2 JP4341873B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=18735387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000244745A Expired - Fee Related JP4341873B2 (ja) 2000-08-11 2000-08-11 カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4341873B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005283969A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Nec Corp 液晶表示装置及びこれを用いた液晶プロジェクタ
JP2005331920A (ja) * 2004-04-22 2005-12-02 Seiko Epson Corp 電気光学装置及び電子機器
US7362507B2 (en) 2005-07-29 2008-04-22 3M Innovative Properties Company Polarizing beam splitter
JP2008276216A (ja) * 2004-04-22 2008-11-13 Seiko Epson Corp 電気光学装置及び電子機器
US7529029B2 (en) 2005-07-29 2009-05-05 3M Innovative Properties Company Polarizing beam splitter
JP2015138136A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 日本電気硝子株式会社 プロジェクター用蛍光ホイール及びプロジェクター用発光デバイス

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005283969A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Nec Corp 液晶表示装置及びこれを用いた液晶プロジェクタ
JP2005331920A (ja) * 2004-04-22 2005-12-02 Seiko Epson Corp 電気光学装置及び電子機器
JP2008276216A (ja) * 2004-04-22 2008-11-13 Seiko Epson Corp 電気光学装置及び電子機器
US7362507B2 (en) 2005-07-29 2008-04-22 3M Innovative Properties Company Polarizing beam splitter
US7529029B2 (en) 2005-07-29 2009-05-05 3M Innovative Properties Company Polarizing beam splitter
JP2015138136A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 日本電気硝子株式会社 プロジェクター用蛍光ホイール及びプロジェクター用発光デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP4341873B2 (ja) 2009-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7717564B2 (en) Projection system including intrinsic polarizer
JP2009009100A (ja) 偏光板
KR100627868B1 (ko) 액정 프로젝터용 지지체를 구비한 칼러 편광판 및 칼러액정 프로젝터
JP2008268842A (ja) 偏光板及びその製造方法
JP2010181581A (ja) 偏光板
JP2010117537A (ja) 偏光板及びそれを用いた投射型液晶表示装置
JP2009271478A (ja) 偏光板
JP2011033970A (ja) 偏光板およびその製造方法、ならびに投射型液晶表示装置
JP2000314809A (ja) カラー液晶プロジェクタ用サファイアガラス板付き偏光板
JP4341873B2 (ja) カラー液晶プロジェクタ用yag基板付き偏光板および位相差板およびyag基板製偏光ビームスプリッター
JP3769140B2 (ja) 偏光フィルム
WO2001063348A1 (fr) Projecteur a cristaux liquides
JPH1039138A (ja) 液晶プロジェクタ用ガラス偏光板または位相差板および液晶プロジェクタ
US20100245688A1 (en) Projector
JP2004020993A (ja) 偏光変換素子及び投射型液晶表示装置
JP2008020514A (ja) 偏光板
JPH1039139A (ja) ガラス付き偏光板または位相差板及び液晶プロジェクタ
JPH02150886A (ja) 液晶プロジェクタ装置,それに用いる偏光子及びその偏光子を用いる偏光顕微鏡
JP2003255129A (ja) 偏光変換素子及び投射型液晶表示装置
JP2009237460A (ja) 偏光膜の製造方法、偏光板の製造方法及び投射型画像表示装置
JP2005266296A (ja) 光学用複合板及びそれを用いたカラー液晶プロジェクタ並びにその放熱方法
JP2000352618A (ja) 投射型液晶表示装置用偏光変換素子
JP2008026683A (ja) 光学フィルム、偏光板、光学部材及び投射型液晶表示装置
JP2009237398A (ja) 偏光板の製造方法
JP2005266295A (ja) 光学用複合硝材及びそれを用いたカラー液晶プロジェクタ並びにその放熱方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090703

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4341873

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees