JP2003255129A - 偏光変換素子及び投射型液晶表示装置 - Google Patents

偏光変換素子及び投射型液晶表示装置

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JP2003255129A JP2002056909A JP2002056909A JP2003255129A JP 2003255129 A JP2003255129 A JP 2003255129A JP 2002056909 A JP2002056909 A JP 2002056909A JP 2002056909 A JP2002056909 A JP 2002056909A JP 2003255129 A JP2003255129 A JP 2003255129A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光及び熱に対して優れた耐久性を有する偏光
変換素子を提供し、それを用いて、表示品位の低下が少
ない投射型液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 透明基板51の一方の面に反射防止層5
4が形成され、他方の面に平板状色素からなる偏光層5
7が20〜1,500nm の厚さで形成されている偏光変
換素子50が提供される。透明基板51は、無機ガラス
であるのが好ましく、より好適なものの一つとして、例
えば、熱伝導率の高いサファイアガラスが挙げられる。
平板状色素からなる偏光層57の透明基板51と反対側
には別の透明基板52を配置し、当該偏光層57が一対
の透明基板51,52で挟まれるようにしてもよい。ま
た、この偏光変換素子50が光路中に配置された投射型
液晶表示装置も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型液晶表示装
置に好適に用いられる偏光変換素子に関するものであ
る。また本発明は、この偏光変換素子を用いた投射型液
晶表示装置にも関係している。
【0002】
【従来の技術】投射型液晶表示装置は、液晶プロジェク
タとも呼ばれ、パーソナルコンピュータやテレビなどの
画面を拡大してスクリーンに写し出すことができる装置
として広く使用されている。そして、かかる投射型液晶
表示装置には、透明基板に直線偏光板や位相差板が積層
されている偏光変換素子などの光学素子が多く用いられ
ている。
【0003】投射型液晶表示装置には、単板式でカラー
フィルターからの分光光を直接拡大する形式のもの、三
原色に分光した後それぞれの光に対応する透過型液晶セ
ルを通過させる形式のもの、三原色に分光した後それぞ
れの光に対応する反射型液晶セルで反射させる形式のも
のなどがある。ここでは、現在主流を占めている三原色
対応の透過型液晶セルを用いる投射型液晶表示装置につ
いて、図1を参照しながらその構成の概略を説明する。
【0004】このような投射型液晶表示装置は通常、光
源系10、反射・分光系20及び拡大投射系40を有し
ている。光源系10は、白色光源11、UV・IRカッ
トフィルター12及び集光レンズ13を有しており、こ
の例では、白色光源11からの白色光Lを集光レンズ1
3で集光し、さらにUV・IRカットフィルター12で
紫外線及び赤外線をカットして、反射・分光系20へ送
るようになっている。白色光源11には通常、メタルハ
ライドランプや高圧水銀ランプなどの高輝度ランプが用
いられる。なお、図示は省略するが、光源系10には偏
光ビームスプリッター(PBS)を配置し、自然光をほ
ぼ偏光光にして反射・分光系20へ送る形式が一般的で
ある。
【0005】反射・分光系20は、4種のダイクロイッ
クミラー21,22,23,24、二つの全反射ミラー
25,26、それぞれ赤色光R、緑色光G及び青色光B
に対応する液晶セル27R、27G及び27B、入射側
偏光変換素子28R、28G及び28B、出射側偏光変
換素子29R、29G及び29B、並びに集光レンズ3
0R、30G及び30Bを有している。
【0006】そして、第一のダイクロイックミラー21
は、光源系10からの白色光Lを受けて、赤色光R及び
緑色光Gのみを透過するものであり、ここを透過した赤
色光R及び緑色光Gは、第二のダイクロイックミラー2
2へと送られる。第一のダイクロイックミラー21で反
射した青色光Bは、第一の全反射ミラー25へと送ら
れ、ここで反射した後、青用の集光レンズ30B、入射
側偏光変換素子28B、液晶セル27B及び出射側偏光
変換素子29Bを通って、第三のダイクロイックミラー
23へと送られる。
【0007】第二のダイクロイックミラー22は、赤色
光Rのみを透過するものであり、第一のダイクロイック
ミラー21を透過した赤色光Rと緑色光Gのうち、第二
のダイクロイックミラー22を透過した赤色光Rは、赤
用の集光レンズ30R、入射側偏光変換素子28R、液
晶セル27R及び出射側偏光変換素子29Rを通過し
て、第二の全反射ミラー26へと送られる。また、第二
のダイクロイックミラー22で反射した緑色光Gは、緑
用の集光レンズ30G、入射側偏光変換素子28G、液
晶セル27G及び出射側偏光変換素子29Gを通って、
第三のダイクロイックミラー23へと送られる。
【0008】第三のダイクロイックミラー23は、青色
光Bのみを透過するものであり、第一の全反射ミラー2
5から反射してきた青色光Bは、第三のダイクロイック
ミラー23をそのまま透過し、また第二のダイクロイッ
クミラー22から反射してきた緑色光Gは、第三のダイ
クロイックミラー23で反射し、それぞれ第四のダイク
ロイックミラー24へと送られる。第四のダイクロイッ
クミラー24は、緑色光G及び青色光Bのみを透過する
ものであり、第三のダイクロイックミラー23からの緑
色光G及び青色光Bはここをそのまま透過し、第二の全
反射ミラー26からの赤色光Rはここで反射して、それ
ぞれ拡大投射系40へと送られる。
【0009】なお、ここでは、最初に青色光Bを分光
し、次に赤色光Rと緑色光Gを分光する形式を示した
が、ダイクロイックミラーの組合せにより、分光の順番
は任意に変更できる。
【0010】拡大投射系40は、投射レンズ41を有し
ており、ここでそれぞれの光に対応する画像が拡大され
て、スクリーン42へ拡大像を投影することになる。な
お、各色に対応する液晶セル27R,27G,27Bの
入射側偏光変換素子28R,28G,28B、及び出射
側偏光変換素子29R,29G,29Bは、液晶セル2
7R,27G,27Bに貼合して用いられることもある
が、通常は、液晶セル27R,27G,27Bと間隔を
置いて配置されており、この間隔は冷却用の通風路とな
る。また、入射側偏光変換素子28R,28G,28B
は、集光レンズ30R,30G,30Bに貼合されてい
ることもあり、それとは間隔を置いて配置されることも
ある。偏光変換素子28R,28G,28B,29R,
29G,29Bを液晶セル27R,27G,27Bや集
光レンズ30R,30G,30Bから離間して配置する
場合は、直線偏光板をガラスなどの補強材に貼合した形
で用いられる。
【0011】このような投射型液晶表示装置において
は、各液晶セル27R,27G,27Bは、それぞれ2
枚の偏光変換素子、すなわち入射側偏光変換素子28
R,28G,28B及び出射側偏光変換素子29R,2
9G,29Bの間に配置されている。これらの偏光変換
素子28,29には、上述のとおり、直線偏光板をガラ
スなどの補強材に貼合したものが用いられている。
【0012】ここで直線偏光板は、特定振動方向の偏光
光のみを透過し、それと直交する方向の偏光光を遮断す
るものであり、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに
二色性色素を吸着配向した偏光フィルムがこれに該当す
るが、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムだけでは機
械的特性や耐久性に劣るため、その両面にトリアセチル
セルロースのようなセルロース樹脂からなるフィルムを
保護のために貼合したものが用いられている。また、直
線偏光板に位相差板を積層し、これを偏光変換素子2
8,29として用いることもあるが、この場合も、上記
偏光フィルムの両面にセルロース樹脂からなる保護フィ
ルムを貼合して直線偏光板とし、そこに位相差板を積層
したものが用いられる。そして偏光変換素子28,29
は、画像をスクリーンに拡大して投射するのに必要な光
量の光が透過するため、発熱が大きい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】投射型液晶表示装置に
おいては、小さい面積の液晶セルにより形成された画像
を拡大して投射するために、前述したメタルハライドラ
ンプや高圧水銀ランプの如き高輝度の光源が用いられて
いる。そのため、偏光変換素子の偏光板に入射する光量
も非常に強く、また、直線偏光板に吸収されて熱に変換
される光もかなり多いため、使用中の偏光変換素子は高
温となる。高温状態では、偏光板の熱収縮のため、投射
画像に色ムラが発生しやすい。
【0014】かかる偏光変換素子の高温化を防ぐため、
通常、空冷ファンなどによって冷却される場合が多い。
しかし、空冷ファンの振動音の制約から充分な空冷がで
きていないことがある。また、最近の投射型液晶表示装
置には、より小さく、より明るくすることが求められ、
偏光変換素子に入射する単位面積あたりの光量がますま
す多くなっている。それに伴って、偏光変換素子の温度
上昇も増長され、偏光変換素子の光及び熱による劣化が
顕著になってきた。また、偏光板の発熱によりそれ自体
が熱収縮し、それが原因で投射画像に色ムラが発生する
という問題も顕著になってきている。
【0015】そこで本発明者は、光及び熱に対して優れ
た耐久性を示す偏光変換素子を開発すべく鋭意研究を行
った結果、一方の面に反射防止処理が施されている透明
基板を採用し、それのもう一方の面に特定の偏光層を配
置することで、表示品位の低下が少ない投射型液晶表示
装置を与える偏光変換素子が得られることを見出し、本
発明に至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、透明
基板の一方の面に反射防止層が形成され、他方の面に平
板状色素からなる偏光層が20〜1,500nm の厚さで
形成されている偏光変換素子を提供するものである。こ
の平板状色素からなる偏光層は、一対の透明基板で挟ま
れるように構成することもできる。また本発明によれ
ば、この偏光変換素子が光路中に配置された投射型液晶
表示装置も提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、透明基板の一方の面に反射防止層を設け、
他方の面に平板状色素からなる偏光層を20〜1,50
0nm の厚さで設けて、偏光変換素子とする。この平板
状色素からなる偏光層の上記透明基板に接する面と反対
側の面に別の透明基板を配置し、この偏光層が一対の透
明基板で挟まれるようにすることもできる。
【0018】本発明に係る偏光変換素子の具体例を図2
に断面模式図で示す。図2(A)では、透明基板51の
片面に反射防止層54が形成され、他方の面に平板状色
素からなる偏光層57が形成されて、偏光変換素子50
を構成している。図2(B)では、同(A)に示した例
の偏光層57側に別の透明基板52を配置して、平板状
色素からなる偏光層57が一対の透明基板51,52で
挟まれた構造になっている。図2(B)に示す例におい
て、第二の透明基板52の空気との界面にも、反射防止
層55を設けるのが好ましい。
【0019】透明基板51は無機ガラスで構成するのが
好ましく、例えば、ガラス平板の一方の面又は両面にダ
イクロイックコート層を有し、特定波長範囲の光のみを
透過し、他の波長範囲の光は透過しないトリミングフィ
ルターなどであってもよい。無機ガラスの材質は、例え
ば、ソーダガラス、珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、クラ
ウンガラス、チタンケイ酸ガラス、石英ガラスなどのほ
か、熱伝導率の高いサファイアガラスや水晶ガラスなど
でありうる。特に、熱伝導率の高いサファイアガラスは
好適なものの一つである。透明基板51をガラスで構成
する場合、その厚みは、0.3〜2mm 程度が好ましい。
その厚みが0.3mm より薄いと、割れやすくて取り扱い
にくくなる。透明基板51の面積は、目的とする投射型
液晶表示装置のサイズによって適宜選択される。
【0020】透明基板51として、アクリル系樹脂やポ
リカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂のような樹
脂製のものを用いることもできる。この場合には、ガラ
ス転移温度が高く、かつ光弾性係数の小さい樹脂、具体
的には例えば、130℃以上のガラス転移温度及び50
×10-13cm2/dyne以下の光弾性係数を有する樹脂を用
いるのが好ましい。より具体的には、変性ポリカーボネ
ート樹脂フィルム、ノルボルネンのような環状オレフィ
ンをモノマーとする環状ポリオレフィン系樹脂フィルム
などが挙げられる。変性ポリカーボネート樹脂フィルム
としては、例えば、帝人(株)製の“ピュアエースW
R”(ガラス転移温度約223℃、光弾性係数約45×
10-13cm2/dyne)などがあり、また環状ポリオレフィ
ン系樹脂フィルムとしては、例えば、ジェイエスアール
(株)製の“アートン”(ガラス転移温度約170℃、
光弾性係数約4×10-13cm2/dyne)、積水化学工業
(株)製の“エスシーナ”(ガラス転移温度約140
℃、光弾性係数約6×10-13cm2/dyne)などがある。
【0021】透明基板51を樹脂で構成する場合、その
樹脂の面内位相差は小さいほうが好ましく、例えば、5
0nm以下、好ましくは30nm以下である。また、Minnes
otaMining and Manufacturing(3M)社製の輝度向上
フィルム“DBEF”など(日本では、住友スリーエム
(株)から入手できる)を、本発明における透明基板と
することもできる。
【0022】なお、図2(B)に示すような、偏光層5
7の透明基板51と反対側にも第二の透明基板52を設
ける場合、この第二の透明基板52についても、上と同
様の説明があてはまる。この場合、2枚の透明基板5
1,52の材質は、同じであっても異なっていてもよ
い。例えば、2枚の透明基板51,52のうち、一方を
ガラスで構成し、他方を樹脂で構成するといったような
形態も可能である。
【0023】透明基板51の一方の面には、反射防止層
54を設ける。この反射防止層54は、透明基板51上
に直接形成してもよいし、反射防止層を有する透明フィ
ルムを透明基板51上に積層し、最外層が反射防止層5
4となるようにしてもよい。後者の場合、反射防止層が
設けられた透明フィルムは、位相差値の小さい、例え
ば、面内位相差値が50nm以下のフィルムであってもよ
いし、位相差特性を有する位相差フィルムであってもよ
い。
【0024】位相差フィルムを用いる場合は、通常の投
射型液晶表示装置に用いられるのと同様なものでよく、
例えば、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロー
スやジアセチルセルロースのようなセルロース樹脂、ポ
リサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエチ
レンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ノル
ボルネンのような環状オレフィンをモノマーとする環状
ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などか
らなるものが挙げられる。これらの位相差フィルムは、
それぞれの樹脂フィルムを一軸方向に延伸することによ
り作製することができる。位相差フィルムは、1枚であ
ってもよいし、2枚以上が積層されていてもよい。2枚
以上の位相差フィルムが積層されたものとしては、例え
ば、レターデーションが等しい位相差フィルムを互いの
遅相軸が所定の角度で交わるように積層することで、広
い波長範囲にわたってほぼ等しいレターデーションが得
られるようにした、いわゆる広帯域位相差フィルムが挙
げられる。
【0025】位相差フィルムは通常、それを積層した偏
光変換素子50が配置される光路の光に対して1/2波
長のレターデーションを示すものであるのが有利であ
る。具体的には、赤色の光路に用いる偏光変換素子の位
相差フィルムについては、レターデーションが290〜
320nm、とりわけ300〜310nmであり、赤色の光
に対して1/2波長板として機能するものが好ましい。
緑色の光路に用いる偏光変換素子の位相差フィルムにつ
いては、レターデーションが260〜290nm、とりわ
け270〜280nmであり、緑色の光に対して1/2波
長板として機能するものが好ましい。また、青色の光路
に用いる偏光変換素子の位相差フィルムについては、レ
ターデーションが210〜240nm、とりわけ220〜
230nmであり、青色の光に対して1/2波長板として
機能するものが好ましい。さらに、富士写真フィルム
(株)製の“ワイドビュー”フィルムや、日本石油化学
(株)製の“日石LCフィルム”のような、基材樹脂フ
ィルムに液晶性物質が塗布配向されているフィルムを、
位相補償板として積層してもよい。
【0026】反射防止層54は、空気層との界面におけ
る反射光を低減する層であり、その反射光に起因する迷
光の発生を防止する。図2(B)のように、偏光層57
を2枚の透明基板51,52で挟み、第二の透明基板5
2の空気との界面に反射防止層55を設ける場合、当該
第二の透明基板52上の反射防止層55についても同様
である。反射防止層54,55を有する面の反射率は、
2%以下であるのが好ましく、さらには1%以下である
のがより好ましい。
【0027】反射防止層としては、通常使用されている
もの、例えば、金属、金属酸化物及び金属フッ化物から
選ばれる単層又は多層のものが挙げられる。金属として
は、例えば、銀などが挙げられ、金属酸化物としては、
例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、
酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムな
どが挙げられ、金属フッ化物としては、例えば、弗化マ
グネシウムなどが挙げられる。この反射防止層は、単層
であってもよいし、2層、3層、4層又はそれ以上の層
からなる多層であってもよい。反射防止層の厚みや、そ
れが多層である場合の各層の厚みは、その層数、各層に
用いる物質の屈折率などにより、適宜選択される。
【0028】片面に反射防止層54が設けられた透明基
板51のもう一方の面には、偏光層57が設けられる。
本発明においては、この偏光層57を平板状色素で構成
し、かつその厚みを20〜1,500nm とする。このた
めに用いる色素としては、例えば、アントラキノン系、
フタロシアニン系、ポルフィリン系、ナフタロシアニン
系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インダンスレン
系、アクリジン系、ペリレン系、ピラゾロン系、アクリ
ドン系、ピランスロン系、イソビオラントロン系などの
平板状色素を挙げることができる。より具体的には、特
表平 8-511109号公報(= WO 94/28073 = US 5,739,29
6)や国際特許出願公開 WO 96/16015号公報(= US 6,04
9,428)に記載される平板状ないし楕円盤状の色素が挙
げられる。典型的な平板状ないしは楕円盤状色素の例を
挙げると、以下の構造式で示されるものがある。
【0029】
【0030】ここで、Rは、例えば、水素、ハロゲン、
水酸基、アルコキシ、無置換の若しくは塩素若しくはス
ルホン酸基で置換されたフェニルアミノ、又はアントラ
キノン−1−イルアミノであることができ;R′は、例
えば、水素、ニトロ、カルボン酸基又はスルホン酸基で
あることができ;R″は、例えば、
【0031】
【0032】であることができ、ここにXは、O、CH
2、NH、CONH、NHCONH 又は CH=CH で
あり、Zは、水素、メチル、メトキシ、カルボン酸基又
はスルホン酸基であり;Yは、例えば、水素又はスルホ
ン酸基であることができ;式の両端に現れる波線は、そ
の間の構造単位が繰り返すことを意味し;ここでいうス
ルホン酸基及びカルボン酸基は、遊離酸のほか、塩の形
になっていてもよい。
【0033】これらの色素が親水性の基を有しない場合
には、そこに、親水性の置換基、例えばスルホン酸基が
少なくとも1個導入された構造にしたものが用いられ
る。このように親水性の基が導入された平板状色素を、
水中に分散又は溶解させて用いる。これらは、リオトロ
ピック液晶相、すなわち、溶液中の濃度によって液晶状
態と完全溶液状態の間を転移する液晶相を示す両親媒性
物質となる。前記の特表平 8-511109 号公報や国際特許
出願公開 WO 96/16015号公報には、親水性の基であるス
ルホン酸基が導入された形で多くの色素が開示されてい
る。また、この色素含有水溶液は、上記平板状色素の他
に界面活性剤を含有するのが好ましく、適当な界面活性
剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、“Trit
on X-100”(ロームアンドハース社から販売されている
非イオン界面活性剤)などが挙げられる。このような平
板状色素を含有し、偏光層とするのに好適な水溶液は、
米国のオプティバ(Optiva)社から入手することができ
る。
【0034】このような平板状色素で偏光層57を形成
するには、かかる平板状色素を含有する水溶液を、透明
基板51の上に塗布すればよい。平板状色素を含有する
水溶液の塗布は、通常一般の方法で行うことができ、例
えば、マイヤーバーコート、グラビアコート、ダイコー
ト、ディップコート、スプレーコートなどの各種塗装
法、またスクリーン印刷法やインクジェット方式などの
印刷技術が採用できる。特に、せん断応力のかかる塗布
方法が好ましい。
【0035】透明基板51に偏光層57を形成するにあ
たり、透明基板51の上記平板状色素含有水溶液を塗布
する面にラビング処理を施しておくことが好ましい。こ
こでいうラビング処理とは、表面を擦る処理であり、こ
の処理を施すことによって、基板表面になんらかの配向
性が働き、その後に塗付される平板状色素を含有する水
溶液中の色素の配向が概ね一定方向になるものと推定さ
れる。
【0036】ラビング処理には、例えば、基板表面をベ
ルベットやビロードの布で擦りつけるなどの方法が採用
できる。ラビングに用いる布の種類としては、例えば、
レーヨン、キュプラ、ナイロン、綿、フェルトなどを挙
げることができる。これらの布をロールに巻きつけ、回
転させながら擦ってもよいし、また、布は固定し、基板
を動かして擦ってもよい。ラビング処理は、基板表面の
一定方向に対して施される。またラビング処理は、少な
くとも1回擦ることが必要であり、数回擦ってもよく、
さらには、一定方向に往復して擦ってよい。
【0037】長尺のフィルムにラビング処理を施す場合
には、布に基板フィルムを押し付けながらラビング処理
する方法が好ましい。この際、ロールに布を巻きつけて
いる場合のロールの回転方向は、基板フィルムの走行方
向と正方向でも逆方向でもよく、また、ロールは固定で
もよいが、ロールの回転と基板フィルムの走行が正方向
となるようにするほうが、均一な処理が行われやすいの
で好ましい。
【0038】こうしてラビング処理が施された基板に
は、そのラビング処理面に平板状色素を含有する水溶液
を塗布して偏光層が形成される。平板状色素を含有する
水溶液を透明基板51に塗布した後は、溶媒の水を蒸発
させることで偏光層57を形成することができる。溶媒
の蒸発は、通常の乾燥方法によって行うことができ、例
えば、加熱乾燥、常温乾燥、凍結乾燥、遠赤外乾燥など
が用いられる。こうして得られる偏光層57は、20〜
1,500nm の薄いものとすることができる。この厚み
は、好ましくは50nm以上、また好ましくは1,000n
m 以下であり、平板状色素の種類と得られる偏光板の透
過率によって、適宜選択される。
【0039】本発明の偏光変換素子は、投射型液晶表示
装置(液晶プロジェクタ)に好適に用いることができ
る。例えば、投射型液晶表示装置において、白色光源か
らの白色光の光路中や、白色光を分光した後の赤色光、
緑色光、青色光である各原色光の光路中に挿入して用い
ることができる。
【0040】具体的には、図1に示したような投射型液
晶表示装置であれば、各三原色に対応する液晶セル27
R,27G,27Bの入射側偏光変換素子28R,28
G,28B、及び出射側偏光変換素子29R,29G,
29Bの少なくとも一つとして用いることができる。偏
光変換素子が、図2(A)に示すような、最表面に偏光
層57を有する場合、その偏光層57が液晶セル27
R,27G,27Bの面に向くように配置される。三原
色分光系の投射型液晶表示装置に本発明の偏光変換素子
を適用した場合の具体的構成は、白色光源11と、その
光源11からの白色光Lを赤色光R、緑色光G及び青色
光Bの三原色の光に分光するためのダイクロイックコー
ト層を有する光学部品(通常、ダイクロイックミラーと
呼ばれる)21,22,23,24と、液晶セル27
R,27G,27Bと、光路中に配置された本発明の偏
光変換素子とを有するものとなる。
【0041】
【実施例】以下、具体的な例を示して本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明はこの例によって限定されるも
のではない。
【0042】実施例1 片面に反射防止層が形成されている厚み約1.1mm のガ
ラス板の反射防止層が形成されていない面に、ベルベッ
トの布を3往復擦りつけてラビング処理を行った。その
ラビング処理面に、平板構造の色素を含有する水溶液
(オプティバ社から入手した“LCP N013”)を、番手 N
o.5のマイヤーバーを用いて塗工速度50mm/sec で塗
布した後、室温(20℃)で30分間放置し、乾燥させ
て、偏光変換素子とした。乾燥後の偏光層の厚みは、約
500nmであった。
【0043】得られた偏光変換素子に高圧水銀ランプか
らの光を照射した。偏光変換素子は光を吸収して温度が
上がるため、空冷しながら表面温度を120℃に保つよ
うにした。こうして46時間照射を続けたところ、光に
よる退色はほとんど認められなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の偏光変換素子は、耐光性が改善
されており、この偏光変換素子を用いた投射型液晶表示
装置は、長期間にわたって使用した場合であっても、投
射画像の表示品位を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】投射型液晶表示装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る偏光変換素子の構成例を示す断面
模式図であって、(A)は透明基板の片面に反射防止層
を、他面に平板状色素からなる偏光層を配置した例を示
し、(B)は平板状色素からなる偏光層を一対の透明基
板で挟んだ例を示す。
【符号の説明】
10……光源系、 11……白色光源、 12……UV・IRカットフィルター、 13……集光レンズ、 20……反射・分光系、 21,22,23,24……ダイクロイックミラー、 25,26……全反射ミラー、 27R,27G,27B……透過型液晶セル、 28R,28G,28B……入射側偏光変換素子、 29R,29G,29B……出射側偏光変換素子、 30R,30G,30B……集光レンズ、 40……拡大投射系、 41……投射レンズ、 42……スクリーン、 L……白色光(光源光)、 R……赤色光、 G……緑色光、 B……青色光、 50……偏光変換素子、 51,52……透明基板、 54,55……反射防止層、 57……偏光層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA46 BB03 BB65 BC04 BC09 BC22 2H088 EA14 EA15 HA13 HA18 HA24 HA28 MA20 2H091 FA05Z FA08X FA08Z FA26X FA26Z FA37X FA37Z FA41Z FB02 FB07 FB12 FC12 FC25 LA03 LA04 MA07 2H099 AA12 BA09 BA17 CA02 2K009 AA04 AA05 AA06 AA07 BB02 BB04 BB24 CC03 CC06 CC34 CC38 CC42 DD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板の一方の面に反射防止層が形成さ
    れ、他方の面に平板状色素からなる偏光層が20〜1,
    500nm の厚さで形成されていることを特徴とする偏
    光変換素子。
  2. 【請求項2】透明基板がガラスである請求項1記載の偏
    光変換素子。
  3. 【請求項3】透明基板がサファイアガラスである請求項
    2記載の偏光変換素子。
  4. 【請求項4】平板状色素からなる偏光層が一対の透明基
    板で挟まれている請求項1〜3のいずれかに記載の偏光
    変換素子。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の偏光変換
    素子が光路中に配置されていることを特徴とする投射型
    液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005064387A1 (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Sony Corporation 液晶表示素子及び同素子を用いた液晶プロジェクタ装置
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US7623200B2 (en) 2006-08-31 2009-11-24 Seiko Epson Corporation Polarizing plate, liquid crystal device, and electronic apparatus
JP2014522511A (ja) * 2011-06-24 2014-09-04 南京▲げん▼視界光電科技有限公司 不等フォーカス、高倍率の虚像表示光学機械

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