JP2003084285A - 偏光変換素子及びそれを用いた投射型液晶表示装置 - Google Patents

偏光変換素子及びそれを用いた投射型液晶表示装置

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JP2003084285A
JP2003084285A JP2002151967A JP2002151967A JP2003084285A JP 2003084285 A JP2003084285 A JP 2003084285A JP 2002151967 A JP2002151967 A JP 2002151967A JP 2002151967 A JP2002151967 A JP 2002151967A JP 2003084285 A JP2003084285 A JP 2003084285A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投射型液晶表示装置のコントラストを高く
し、表示品位を一層向上させ得る偏光変換素子を提供
し、それを投射型液晶表示装置に適用する。 【解決手段】 この偏光変換素子は、基材フィルムに液
晶性化合物を塗布してなる2枚の光学補償板22,23
と、直線偏光板21と、透明なガラス板24とが積層さ
れたものであって、これらのうち2枚の光学補償板2
2,23は、直線偏光板21に対して一方の面側に位置
している。光学補償板23の空気と接する面には反射防
止層27を設けるのが好ましい。直線偏光板21の光学
補償板22と反対側の面には位相差板25を積層するこ
とができる。ガラス板の一方の面に直線偏光板を、他方
の面に2枚の光学補償板を、それぞれ積層することも可
能である。これらいずれかの偏光変換素子を液晶セルの
一方の面に配置して、投射型液晶表示装置が構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型液晶表示装
置に適した偏光変換素子に関するものであり、さらに
は、それを用いた投射型液晶表示装置にも関係してい
る。
【0002】
【従来の技術】投射型液晶表示装置は、液晶プロジェク
ターとも呼ばれ、パーソナルコンピュータやテレビなど
の画面を拡大してスクリーンに写し出すことができる装
置として、広く使用されている。
【0003】投射型液晶表示装置には、単板式でカラー
フィルターからの分光光を直接拡大する形式のもの、三
原色に分光した後それぞれの光に対応する透過型液晶セ
ルを通過させる形式のもの、三原色に分光した後それぞ
れの光に対応する反射型液晶セルで反射させる形式のも
のなどがある。ここでは、現在主流を占めている三原色
対応の透過型液晶セルを用いる投射型液晶表示装置につ
いて、図7を参照しながらその構成の概略を説明する。
【0004】このような投射型液晶表示装置は通常、光
源系、反射・分光系及び拡大投射系を有している。光源
系は、白色光源11、集光レンズ13及びUV・IRカ
ットフィルター14を有しており、白色光源11からの
白色光Lを集光レンズ13で集光し、さらにUV・IR
カットフィルター14で紫外線及び赤外線をカットし
て、第一のダイクロイックミラー1へ送るようになって
いる。白色光源11には通常、メタルハライドランプや
高圧水銀ランプなどが用いられる。
【0005】反射・分光系は、4種類のダイクロイック
ミラー1,2,3,4、二つの全反射ミラー5,6、そ
れぞれ赤色光R、緑色光G及び青色光Bに対応する液晶
セル7R、7G及び7B、入射側偏光変換素子8R、8
G及び8B、出射側偏光変換素子9R、9G及び9B、
並びに集光レンズ10R、10G及び10Bを有してい
る。
【0006】そして、第一のダイクロイックミラー1
は、緑色光G及び青色光Bのみを透過するものであり、
ここを透過した緑色光G及び青色光Bは、第二のダイク
ロイックミラー2へと送られる。第一のダイクロイック
ミラー1で反射された赤色光Rは、第一の全反射ミラー
5へと送られ、ここで反射された後、赤用の集光レンズ
10R、入射側偏光変換素子8R、液晶セル7R及び出
射側偏光変換素子9Rを通って、第三のダイクロイック
ミラー3へと送られる。一方、第二のダイクロイックミ
ラー2は、青色光Bのみを透過するものであり、第一の
ダイクロイックミラー1を透過した緑色光Gと青色光B
のうち、第二のダイクロイックミラー2を透過した青色
光Bは、青用の集光レンズ10B、入射側偏光変換素子
8B、液晶セル7B及び出射側偏光変換素子9Bを通っ
て、第二の全反射ミラー6へと送られる。また、第二の
ダイクロイックミラー2で反射された緑色光Gは、緑用
の集光レンズ10G、入射側偏光変換素子8G、液晶セ
ル7G及び出射側偏光変換素子9Gを通って、第三のダ
イクロイックミラー3へと送られる。第三のダイクロイ
ックミラー3は、赤色光Rのみを透過するものであり、
第一の全反射ミラー5から赤用の集光レンズ10R、入
射側偏光変換素子8R、液晶セル7R及び出射側偏光変
換素子9Rを通った赤色光Rは、第三のダイクロイック
ミラー3をそのまま透過し、また第二のダイクロイック
ミラー2から緑用の集光レンズ10G、入射側偏光変換
素子8G、液晶セル7G及び出射側偏光変換素子9Gを
通った緑色光Gは、第三のダイクロイックミラー3で反
射され、それぞれ第四のダイクロイックミラー4へと送
られる。第四のダイクロイックミラー4は、赤色光R及
び緑色光Gのみを透過するものであり、第三のダイクロ
イックミラー3からの赤色光R及び緑色光Gはここをそ
のまま透過し、第二の全反射ミラー6からの青色光Bは
ここで反射されて、それぞれ投射レンズ16へと送られ
る。
【0007】拡大投射系は、投射レンズ16を有してお
り、ここでそれぞれの光に対応する画像が拡大されて、
スクリーン17へ拡大像を投影することになる。なお、
各色に対応する液晶セル7R,7G,7Bの入射側偏光
変換素子8R,8G,8B及び出射側偏光変換素子9
R,9G,9Bは、液晶セル7R,7G,7Bに貼合し
て用いられることもあるが、通常は、液晶セル7R,7
G,7Bと間隔を置いて配置されており、この間隔は、
冷却用の通風路となる。また、入射側偏光変換素子8
R,8G,8Bは、集光レンズ10R,10G,10B
とも間隔が保たれている。このように、偏光変換素子8
R,8G,8B,9R,9G,9Bを液晶セル7R,7
G,7B及び集光レンズ10R,10G,10Bから離
間して配置する場合は、直線偏光板をガラスなどの補強
材に貼合した形で用いられる。
【0008】このような投射型液晶表示装置において
は、各液晶セル7R,7G,7Bは、それぞれ2枚の偏
光変換素子、すなわち入射側偏光変換素子8R,8G,
8B及び出射側偏光変換素子9R,9G,9Bの間に配
置されている。これらの偏光変換素子8,9は、画像を
スクリーンに拡大して投射するのに必要な光量の光が透
過するため、発熱が大きい。また、赤色光R、緑色光G
及び/又は青色光Bが偏光光である場合、液晶セル7
R,7G,7Bに入射するときに偏光面を回転させる必
要が生じることが多い。さらに、液晶セル7R,7G,
7Bから出射された偏光光は、再び偏光面を回転させる
場合もある。
【0009】偏光面を回転させるためには、位相差板を
用いればよく、位相差板は通常、入射側偏光変換素子8
R,8G,8Bの光源11側や、出射側偏光変換素子9
R,9G,9Bの投射レンズ16側に配置される。位相
差板としては、入手の容易さや価格などの点から、通常
は樹脂製のものが用いられる。この位相差板は、入射側
偏光変換素子8R,8G,8B又は出射側偏光変換素子
9R,9G,9Bにおいて、直線偏光板に貼り合わされ
た形で用いられる。
【0010】このような投射型液晶表示装置は、液晶セ
ルの複屈折性と光源からの光の広がり方のマッチングが
十分でなく、スクリーンに投影される映像のコントラス
トが高くないという問題を有していた。
【0011】特開 2000-137202号公報には、投射型液晶
表示装置において、画像成分における画像面内分布のコ
ントラストや明るさの偏りを、光学補償層によって緩和
させることが提案されている。また特開 2000-352615号
公報には、平均線膨張係数の絶対値が小さいガラスに偏
光板を貼り付け、それを投射型液晶表示装置の入射側又
は出射側偏光変換素子に用いることが提案され、そして
入射側偏光変換素子と出射側偏光変換素子の間であっ
て、いずれの偏光板からも離れた位置に、液晶セル以外
の光学的異方体を配置することも提案されている。これ
らの光学補償層ないし光学的異方体として、ディスコチ
ック液晶をハイブリッド配向させたものが挙げられてい
る。これらの公報に具体的に開示される構成は、液晶セ
ルの表裏両側に光学補償層又は光学的異方体をそれぞれ
1枚ずつ配置し、さらにそれぞれの外側に偏光板を1枚
ずつ配置したものである。しかしながら、このように偏
光板と光学補償層を1枚ずつ組み合わせただけでは、コ
ントラストの向上や表示品位の向上に限界があることが
わかってきた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、投射型液
晶表示装置のコントラストをより高くし、表示品位を一
層向上させ得る偏光変換素子を開発すべく、研究を行っ
てきた。その結果、基材フィルムに液晶性化合物を塗布
してなる光学補償板を2枚用い、それと直線偏光板とを
特定の順序で積層した構成とすることで、スクリーンに
投影される映像のコントラストを上げることができ、黒
表示の画面ムラがなく、表示品位に優れた投射型液晶表
示装置を与え得る偏光変換素子となることを見出し、本
発明に至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の偏光変
換素子は、基材フィルムに液晶性化合物を塗布してなる
2枚の光学補償板と、直線偏光板と、透明なガラス板と
が積層されたものであって、これらのうち2枚の光学補
償板は、直線偏光板に対して一方の面側に位置してい
る。
【0014】この偏光変換素子においては、基材フィル
ム上に液晶性化合物が塗布された光学補償板を2枚用い
ており、これら2枚の光学補償板は互いに隣り合うよう
に、すなわち、直線偏光板の一方の面側に2枚の光学補
償板が位置するように、直線偏光板/第一の光学補償板
/第二の光学補償板の順で配置される。また、2枚の光
学補償板は、それぞれの配向軸がほぼ直交するように配
置するのが好ましい。この際、2枚の光学補償板のう
ち、直線偏光板に近い第一の光学補償板は、その配向軸
が直線偏光板の吸収軸とほぼ直交するか又はほぼ平行と
なるように配置するのが好ましい。また、これら2枚の
光学補償板は、液晶性化合物が塗布された面とは反対側
の面、すなわち基材フィルム側が重なり合うように配置
するのが好ましい。
【0015】これらの直線偏光板と2枚の光学補償板
は、透明なガラス板に積層して偏光変換素子とされる。
この場合、透明なガラス板の一方の面に、直線偏光板、
2枚の光学補償板の順で積層することができるほか、透
明なガラス板の一方の面に直線偏光板を積層し、他方の
面に2枚の光学補償板を積層する構成を採用することも
できる。また、2枚の光学補償板のうち、空気と接する
面には反射防止層を設けるのが好ましい。さらに、直線
偏光板の光学補償板が位置する面と反対側の面には、位
相差板を積層することができる。
【0016】そしてこれらの偏光変換素子は、投射型液
晶表示装置に組み込まれて用いられる。したがって本発
明はまた、上記偏光変換素子が、液晶セルの一方の面に
配置されてなる投射型液晶表示装置をも提供する。この
投射型液晶表示装置は、より具体的には、白色光源と、
白色光源からの白色光を赤色光、緑色光及び青色光の三
原色の光に分光するためのダイクロイックコート層を有
する光学系と、液晶セルと、上記の偏光変換素子とを有
する。この場合の光学系は、例えば、白色光源からの白
色光を赤色光、緑色光及び青色光の三原色の光に分光す
るためのダイクロイックミラー、全反射ミラー及び集光
レンズを有している。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いる直線偏光板は、吸
収軸方向に平行な振動面を有する直線偏光光は吸収して
実質的に透過させず、吸収軸方向に直交する振動面を有
する直線偏光光は透過する性質を有するものであればよ
い。直線偏光板としては通常、偏光子フィルムの片面又
は両面に保護フィルムが積層されたものが用いられる。
偏光子フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコー
ル系樹脂フィルムに二色性染料又はヨウ素が吸着配向さ
れたものが用いられ、投射型液晶表示装置には、二色性
染料が吸着配向されたものが好ましく用いられる。偏光
子フィルムの厚みは、通常1〜50μm 程度である。保
護フィルムとしては、例えば、ジアセチルセルロースや
トリアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂から
なるフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルムに代表され
る非晶性オレフィン系樹脂フィルムのようなオレフィン
系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリエステ
ル系樹脂フィルムなどが用いられる。保護フィルムの厚
みは、通常10〜200μm 程度である。偏光子フィル
ムと保護フィルムとは、例えば、ポリビニルアルコール
系接着剤層を介して積層される。このような直線偏光板
は、従来からの投射型液晶表示装置に用いられているも
のでよい。
【0018】本発明では、かかる直線偏光板を特定の光
学補償板と組み合わせて用いる。この光学補償板は、基
材フィルム面に液晶性化合物を塗布し、配向させたもの
である。光学補償板の基材フィルムとしては、例えば、
フルオレン骨格を有する変性ポリカーボネートやビスフ
ェノールAから得られる一般のポリカーボネートのよう
なポリカーボネート系樹脂、ジアセチルセルロースやト
リアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂、ノル
ボルネン系モノマーの重合体である環状ポリオレフィン
系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂などが挙げられる。
基材フィルムの厚みは、通常10〜1,000μm程度で
ある。その上に塗布される液晶性化合物は、例えば、デ
ィスコチック液晶性化合物、高分子液晶化合物などであ
り得る。液晶性化合物を配向させる方法は通常の方法で
よく、例えば、基材フィルム表面を予め配向処理してお
き、そこに液晶性化合物を塗布し、乾燥させた後、熱処
理によって液晶性化合物を配向させる方法などが採用で
きる。このような、液晶性化合物が塗布配向された光学
補償板は、例えば、特開平 8-50206号後方に記載されて
いる。液晶性化合物が塗布配向された市販の光学補償板
としては、例えば、富士写真フィルム(株)から販売さ
れている“ワイドビュー”や、日石三菱(株)から販売
されている“日石LCフィルム”などが挙げられる。
【0019】本発明では、このような光学補償板を2枚
用いるのであるが、この際、それぞれの配向軸がほぼ直
交するように配置するのが好ましい。また、直線偏光板
と光学補償板は、前者の吸収軸と後者の配向軸がほぼ直
交するように配置するか、又はほぼ平行となるように配
置するのが好ましい。すなわち、直線偏光板/第一の光
学補償板/第二の光学補償板の順で配置されるが、直線
偏光板の吸収軸と1枚の光学補償板の配向軸がほぼ直交
し、直線偏光板の吸収軸ともう1枚の光学補償板の配向
軸がほぼ平行となるように配置するのが好ましい。より
具体的に述べると、直線偏光板の吸収軸と第一の光学補
償板の配向軸をほぼ直交させ、第一の光学補償板の配向
軸と第二の光学補償板の配向軸もほぼ直交させるか、あ
るいは、直線偏光板の吸収軸と第一の光学補償板の配向
軸をほぼ平行とし、第一の光学補償板の配向軸と第二の
光学補償板の配向軸をほぼ直交させるのが好ましい。ま
たこれら2枚の光学補償板は、液晶性化合物が塗布され
た面とは反対側の面、すなわち基材フィルム側が重なり
合うように配置するのが好ましい。
【0020】直線偏光板と2枚の光学補償板は、透明な
ガラス板に貼り合わせて偏光変換素子とされる。透明ガ
ラス板としては、青板ガラスや白板ガラスと呼ばれる通
常のシリカ系ガラス板、石英ガラスなどが使用し得る。
また、熱伝導率の高いサファイアガラスや、水晶ガラス
の使用も好適である。サファイアガラスは、アルミナ
(Al23)の単結晶体であって、例えば、EFG法
(Edge-defined Film-fedGrowth 法)により板状に形成
されたものなどが用いられる。 透明なガラス板の一方
の面、すなわち露出面には、反射防止層を有するのが好
ましい。また、ダイクロイックコート層が形成され、特
定波長範囲の光のみを透過するが、他の波長範囲の光は
透過しないトリミングフィルターなどであってもよい。
透明ガラス板の厚みは、通常0.1〜2mm程度であり、
好ましくは0.3mm以上、また好ましくは0.8mm 以下
である。透明ガラス板の面積は、目的とする投射型液晶
表示装置のサイズによって適宜選択される。代表的な例
を示せば、一辺が10〜100mmの長方形又は正方形、
直径が5〜100mmの円形や楕円形などがある。
【0021】かかる透明ガラス板に、直線偏光板及び2
枚の光学補償板が積層される。直線偏光板と光学補償板
は、透明ガラス板を挟んでその両面にそれぞれ分離して
貼り合わせてもよいし、透明ガラス板の一方の面に直線
偏光板を積層し、さらにその直線偏光板の上に光学補償
板を2枚積層してもよい。直線偏光板及び光学補償板の
面積は通常、透明ガラス板の面積とほぼ同じか、又はそ
れよりもやや小さい。面積がやや小さめの方がガラス面
に貼着しやすいこともあり、透明ガラス板の縁から0.
5〜5mm程度内側に貼れるように、小さくするのが好ま
しい。
【0022】ガラス板と直線偏光板、またガラス板と光
学補償板は、通常、接着剤層を介して積層される。接着
剤層を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系感
圧型接着剤、ウレタン系感圧型接着剤などの感圧型接着
剤が使用される。感圧型接着剤は一般に、透明で光学的
に等方性の接着剤層を与える。接着剤層の厚みは、通常
10〜60μm 程度である。なお、感圧型接着剤は、粘
着剤とも呼ばれるものである。
【0023】ガラス板への貼合に用いる接着剤として
は、25℃における緩和弾性率の減少率が−0.14〜
−0.09の範囲にある感圧型接着剤が好ましい。接着
剤は一般に粘弾性を示し、粘弾性体に歪みγ0 を瞬間的
に与えた後それを一定に保つと、応力σ(t) が時間の経
過とともに減少して一定値に近づき、これを応力緩和と
いうが、このとき、緩和する応力σ(t) はσ(t)=G(t)
・γ0 と表すことができ、G(t) は時間に依存する弾性
率で、これを緩和弾性率という。換言すれば、緩和弾性
率は、時間とともに減少する応力σ(t) と外から加えた
一定歪みγ0 の比である。そして、25℃における緩和
弾性率の減少率とは、温度25℃で測定される緩和弾性
率G(t) を縦軸に、時間t(単位:秒)を横軸にして両
対数プロットしたときの一次勾配を意味し、次式 log10[G(t)]=a・log10[t]+b (ここで、a及びbは定数である)における値aのこと
である。緩和弾性率の減少率aは、log10[t] に対する
log10[G(t)] の値から、最小二乗法により求めること
ができる。
【0024】本発明の偏光変換素子において、光学補償
板は、その外面、すなわち空気と接する面に、反射防止
層を有するのが好ましい。反射防止層は、空気層との界
面における反射光を低減する層であって、かかる反射光
に起因する迷光の発生を防止する。そこで、この面にお
ける反射率が2%以下、とりわけ1%以下となるような
反射防止層を設けるのが好ましい。反射防止層として
は、通常使用されているもの、例えば、金属、金属酸化
物及び金属フッ化物から選ばれる化合物からなる単層又
は多層のものが挙げられる。金属としては、例えば、銀
などが挙げられ、金属酸化物としては、例えば、酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、
酸化イットリウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、
また金属フッ化物としては、例えば、弗化マグネシウム
などが挙げられる。かかる反射防止層は、単層であって
もよいし、多層、例えば、2層、3層又は4層以上の層
からなるものであってもよい。反射防止層の厚みや、そ
れが多層である場合の各層の厚みは、その層数、各層に
用いる物質の屈折率などにより、適宜選択される。
【0025】このような反射防止層を光学補償板の上に
直接設けてもよいが、その場合には光学補償板の特性が
変化することがある。そこで光学補償板の上に反射防止
層を設けるには、透明基材フィルムに反射防止層が形成
された反射防止フィルムを、その反射防止層が外側とな
るように光学補償板の上に積層するのが好ましい。反射
防止層が形成される基材フィルムとしては、例えば、ポ
リカーボネートやフルオレン骨格を有する変性ポリカー
ボネートのようなポリカーボネート系樹脂、ジアセチル
セルロースやトリアセチルセルロースのようなセルロー
ス系樹脂、ノルボルネン系モノマーの重合体である環状
ポリオレフィン系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエー
テルサルホン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂など
が挙げられる。特に環状ポリオレフィン系樹脂フィルム
は、光弾性係数が小さく、フィルム基材として好まし
い。環状ポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、例え
ば、ジェイエスアール(株)製の“アートン”(ガラス
転移温度約170℃、光弾性係数約4×10-13cm2/dy
ne)、積水化学工業(株)製の“エスシーナ”(ガラス
転移温度約140℃、光弾性係数約6×10-13cm2/dy
ne)などが市販されている。反射防止層を設ける基材フ
ィルムの厚みは、通常10〜1,000μm程度である。
【0026】また、直線偏光板/ガラス板/2枚の光学
補償板の構成の場合は、直線偏光板の外面にも、上記の
ような反射防止層を設けるのが好ましい。反射防止層を
有する直線偏光板も市販されているので、これをそのま
ま、上記構成における直線偏光板として使用することも
できる。
【0027】反射防止層を有する表面における接触角度
は、80°以上、さらには100°以上であるのが好ま
しい。ここでいう接触角度は、液体として水を用いた場
合の値である。空気と接する面における接触角度が80
°未満であると、微粒子が付着しやすいので、そのよう
な表面を有する偏光変換素子を用いた投射型液晶表示装
置は、長期にわたって使用した場合に、コントラストが
低下しやすくなる傾向にある。接触角度の上限は180
°である。
【0028】反射防止層の表面がここで規定する接触角
度を満足する場合には、かかる反射防止層を有する反射
防止フィルムや直線偏光板を、そのまま本発明の偏光変
換素子に用いることができる。ただ、通常の反射防止層
は多くの場合、ここで規定する接触角度を有していない
ので、この場合には、反射防止層の上面にフッ素化合物
からなる層を設けることによって、上記の接触角度を達
成することができる。フッ素化合物からなる層は、その
化合物を含む塗布液のコーティングによって設けること
ができる。このために用いるフッ素化合物は、表面の接
触角度を80°以上にし得るものであれば特に限定され
ず、表面の汚染を防止するために通常用いられるもの、
例えば、含フッ素シラン化合物などを用いることができ
る。このような化合物は、表面に指紋などの汚れが付着
するのを防止するために、従来からコーティングなどの
分野で一般に用いられているものである。
【0029】直線偏光板と光学補償板とが積層された偏
光変換素子において、直線偏光板の片面には位相差板が
貼合されていてもよい。ここで用いる位相差板は、通常
の液晶表示装置に用いられるものと同様、樹脂からなる
ものでよく、例えば、基材フィルムが一軸方向に延伸さ
れた位相差フィルムが使用される。樹脂としては、例え
ば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネートや
フルオレン骨格を有する変性ポリカーボネートを包含す
るポリカーボネート系樹脂、ジアセチルセルロースやト
リアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂、ノル
ボルネン系モノマーの重合体である環状ポリオレフィン
系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂などが挙げられる。
位相差板の厚みは、通常10〜1,000μm程度であ
る。
【0030】位相差板は、1/2波長板であるのが好ま
しく、例えば、赤色の光に対して1/2波長板として機
能する290〜320nm程度、好ましくは300〜31
0nmのレターデーションを有するもの、緑色の光に対し
て1/2波長板として機能する260〜290nm程度、
好ましくは270〜280nmのレターデーションを有す
るもの、また青色の光に対して1/2波長板として機能
する210〜240nm程度、好ましくは220〜230
nmのレターデーションを有するものが使用し得る。市販
されている位相差板を用いることができ、本発明に用い
るのに好適な市販の位相差板として、例えば青色の光に
対しては、住友化学工業(株)から販売されている“ス
ミカライト SEF460225”(ポリカーボネート系樹脂から
なり、ガラス転移温度が約150℃、レターデーション
が約225nmのもの)などを、緑色の光に対しては、同
じく住友化学工業(株)から販売されている“スミカラ
イト SEF460275”(ポリカーボネート系樹脂からなり、
ガラス転移温度が約150℃、レターデーションが約2
75nmのもの)などを、また赤色の光に対しては、同じ
く住友化学工業(株)から販売されている“スミカライ
ト SEF460305”(ポリカーボネート系樹脂からなり、ガ
ラス転移温度が約150℃、レターデーションが約30
5nmのもの)などを、それぞれ挙げることができる。位
相差板としては、延伸フィルムをそのまま用いてもよい
し、その片面又は両面にジアセチルセルロースやトリア
セチルセルロースのようなセルロース系樹脂からなる保
護フィルムが積層された状態で用いてもよい。
【0031】位相差板の形状は通常、直線偏光板とほぼ
同じであるか、又は、透明ガラス板の形状とほぼ同じ
か、若しくはそれよりもやや小さい。また、位相差板が
外面、すなわち空気と接する面を有する場合には、その
位相差板の外面に反射防止層を設け、その面の接触角度
が80°以上であるのが好ましい。ここでいう接触角度
も、液体として水を用いた場合の値である。位相差板の
外面に設ける反射防止層は、先に述べた直線偏光板又は
光学補償板の外面に設ける反射防止層と同様のものであ
り得る。また、反射防止層を有する面がここで規定する
接触角度を満足する場合には、かかる反射防止層を有す
る位相差板を、そのまま本発明の偏光変換素子に用いる
ことができる。ただし、通常の反射防止層は多くの場
合、ここで規定する接触角度を有しないので、この場合
には、反射防止層の上面にフッ素化合物からなる層を設
けるとよい。フッ素化合物からなる層の具体例及びそれ
を設ける方法は、上の説明と同様である。
【0032】図1及び図2には、本発明に係る偏光変換
素子の例が示されている。図1に示す例は、直線偏光板
21と2枚の光学補償板22,23とを積層し、その直
線偏光板21側でガラス板24に貼合し、第二の光学補
償板23側には、反射防止層27が設けられた透明フィ
ルム26を、その反射防止層27が外側となるように貼
合して、偏光変換素子20を構成したものである。ま
た、ガラス板24の直線偏光板21への貼り合わせ面と
反対側の外面にも、反射防止層28が設けられている。
2枚の光学補償板22,23は、それぞれの配向軸が直
交するように配置される。これら2枚の光学補償板は、
液晶性化合物が塗布された面とは反対側の面、すなわち
基材フィルム側が重なり合うように配置するのが好まし
い。なお、ガラス板24が異方性を有する場合は、その
結晶軸と透過する偏光光の偏光軸を平行又は直交させる
必要があり、例えばサファイアガラスの場合は、サファ
イアガラスのC軸と、透過する偏光光の偏光軸とが、平
行又は直交するように配置される。図2に示す例は、図
1の層構成に加え、直線偏光板21とガラス板24の間
に位相差板25を配置して、偏光変換素子20を構成し
たものである。図2において、位相差板25以外の符号
は、図1と同じである。
【0033】もちろん、本発明に係る偏光変換素子の層
構成は、これらの図に示した例に限られるものではな
く、例えば先に説明したように、ガラス板の一方の面に
直線偏光板を、他方の面に光学補償板を2枚積層するこ
とも可能である。この場合も、直線偏光板のガラス板へ
の貼り合わせ面とは反対側に位相差板を配置することが
できる。そして、直線偏光板又は位相差板の空気と接す
る面には反射防止層を設けるのが好ましく、さらには光
学補償板の空気と接する面にも反射防止層を設けるのが
好ましい。
【0034】図3には、直線偏光板21と光学補償板2
2を1枚ずつ積層する場合の軸角度の関係が示されてい
る。この場合は、直線偏光板21の吸収軸(両矢印)と
光学補償板22の配向軸(片矢印)とがほぼ直交するよ
うに配置される。一方、図4〜図6には、本発明に従っ
て、直線偏光板21と2枚の光学補償板22,23を積
層する場合の軸角度の関係が示されている。いずれも、
直線偏光板21の一方の側に、2枚の光学補償板、すな
わち第一の光学補償板22と第二の光学補償板23とを
積層する場合の軸角度の関係を示すものである。図4に
示す例では、直線偏光板21の吸収軸(両矢印)が長辺
に対して約45°方向となるようにし、それと第一の光
学補償板22の配向軸(片矢印)とがほぼ直交するよう
に配置され、第二の光学補償板23は、その吸収軸(片
矢印)が第一の光学補償板22の配向軸とほぼ直交し、
したがって直線偏光板21の吸収軸とはほぼ平行となる
ように配置されている。図5及び図6に示す例では、直
線偏光板21の吸収軸(両矢印)が長辺に対してほぼ平
行となるようにし、それと第一の光学補償板22の配向
軸(片矢印)とがほぼ平行に配置され、第二の光学補償
板23は、その吸収軸(片矢印)が第一の光学補償板2
2の配向軸とほぼ直交し、したがって直線偏光板21の
吸収軸ともほぼ直交するように配置されている。なお、
図5と図6とでは、第一の光学補償板22の配向軸を表
す矢印の向きが逆になっているが、この矢印の向きは、
配向のためのラビングの方向を意味する。
【0035】本発明の偏光変換素子は、投射型液晶表示
装置に好適に用いることができる。例えば、投射型液晶
表示装置において、白色光源からの白色光の光路中や、
白色光を分光した後の赤色光、緑色光又は青色光である
各原色光の光路中に挿入して用いることができる。
【0036】具体的には、図7に示したような投射型液
晶表示装置において、各三原色に対応する液晶セル7
R,7G,7Bの入射側偏光変換素子8R,8G,8B
の少なくとも一つ、又は出射側偏光変換素子9R,9
G,9Bの少なくとも一つとして用いることができる。
この場合の液晶表示装置は、白色光源11と、この白色
光源11からの白色光Lを赤色光R、緑色光G及び青色
光Bの三原色の光に分光するためのダイクロイックコー
ト層を有する光学部品(通常ダイクロイックミラーと呼
ばれる)1,2,3と、液晶セル7R,7G,7Bと、
その液晶セル7R,7G,7Bの少なくとも一つの入射
側又は出射側に配置された本発明の偏光変換素子とを有
するものとなる。入射側偏光変換素子8R,8G,8B
のすべてに対して、あるいは、出射側偏光変換素子9
R,9G,9Bのすべてに対して、本発明の偏光変換素
子を適用することは一層有効である。この偏光変換素子
は通常、図1及び図2に示されるガラス板24が、液晶
セル7R,7G,7Bから遠い側となるように、換言す
れば、光学補償板22,23が、ガラス板24よりも液
晶セル7R,7G,7Bに近い側となるように配置され
る。
【0037】一方、単板形式でカラーフィルターからの
分光光を直接拡大する形式の投射型液晶表示装置もある
が、この場合には、白色光の光路中に本発明の偏光変換
素子が配置されることになる。
【0038】
【実施例】以下、具体的な例を示して本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定され
るものではない。なお、コントラストは、スクリーンに
白表示したときの照度L1 とスクリーンに黒表示したと
きの照度L2 とから、次式により算出した。
【0039】コントラストC=L1/L2
【0040】参考例1 京セラ(株)から販売されている対角 0.9インチのサ
ファイアガラス板の片面に、住友化学工業(株)から販
売されているポリカーボネート系位相差板“スミカライ
ト SEF460275”と、同じく住友化学工業(株)から販売
されているポリビニルアルコール/二色性染料系直線偏
光板“スミカラン SWW832A”とを、粘着剤を介してこの
順番で貼合した。さらにその直線偏光板の表面に、富士
写真フィルム(株)から販売されている光学補償板“ワ
イドビュー WV A02B”を、粘着剤を介して貼合した。こ
の光学補償板の表面にさらに、透明フィルムの片面に反
射防止層を有する厚さ80μm のフィルムを反射防止層
が外側となるように、粘着剤を介して貼り合わせ、偏光
変換素子とした。
【0041】参考例2 位相差板を、住友化学工業(株)から販売されているポ
リカーボネート系位相差板“スミカライト SEF460305”
に変更した以外は、参考例1と同様にして偏光変換素子
を作製した。
【0042】参考例3 位相差板を、住友化学工業(株)から販売されているポ
リカーボネート系位相差板“スミカライト SEF460225”
に変更し、また偏光板を、同じく住友化学工業(株)か
ら販売されているポリビニルアルコール/二色性染料系
直線偏光板“スミカラン SCX8A2A-HC-O4”に変更した以
外は、参考例1と同様にして偏光変換素子を作製した。
【0043】参考例4 投射型液晶表示装置(液晶プロジェクター)において、
緑チャンネルラインの液晶セルの前後に、実施例1で作
製した偏光変換素子をサファイアガラス板が液晶セルか
ら遠い側となるようにセットし、赤チャンネルラインの
液晶セルの前後に、実施例2で作製した偏光変換素子を
サファイアガラス板が液晶セルから遠い側となるように
セットし、さらに青チャンネルラインの液晶セルの前後
には、実施例3で作製した偏光変換素子をサファイアガ
ラス板が液晶セルから遠い側となるようにセットして使
用することができる。
【0044】実施例1 京セラ(株)から販売されている対角 0.9インチのサ
ファイアガラス板の片面に、住友化学工業(株)から販
売されているポリビニルアルコール/二色性染料系直線
偏光板“スミカラン SWW832A”と、富士写真フィルム
(株)から販売されている光学補償板“ワイドビュー W
V A02B”2枚とを、この順番で粘着剤を介して貼合し
た。なお、直線偏光板と2枚の光学補償板は、図4に示
すのと同じ軸角度で配置した。また、2枚の光学補償板
は、各々の液晶性化合物塗布面と反対側の面を向かい合
わせに貼合した。この光学補償板の空気との接触面に
は、片面に反射防止層を有する厚さ80μm の透明フィ
ルムを反射防止層が外側となるように、粘着剤を介して
貼り合わせ、偏光変換素子を作製した。
【0045】投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ
ー)において、緑チャンネルの液晶セルの光源側(入射
側)に、上で得られた偏光変換素子をサファイアガラス
板よりも光学補償板が液晶セルに近い側となるようにセ
ットし、緑色光のみをスクリーン上に投影させてコント
ラストを測定したところ、550であった。
【0046】比較例1 光学補償板を用いなかった以外は、実施例1と同様にし
て偏光変換素子を作製した。この偏光変換素子を用い
て、実施例1と同様にコントラストを測定したところ、
300であった。
【0047】実施例2 京セラ(株)から販売されている対角 0.9インチのサ
ファイアガラス板の片面に、住友化学工業(株)から販
売されているポリカーボネート系位相差板“スミカライ
ト SEF460275”と、同じく住友化学工業(株)から販売
されているポリビニルアルコール/二色性染料系直線偏
光板“スミカラン SWW832A”とを、粘着剤を介してこの
順番で貼合した。さらにその直線偏光板の表面に、富士
写真フィルム(株)から販売されている光学補償板“ワ
イドビュー WV A02B”の2枚を、図4に示すのと同じ軸
角度で配置した。2枚の光学補償板は、各々の液晶性化
合物塗布面とは反対面を向かい合わせ、粘着剤を介して
貼合した。この光学補償板の空気との接触面には、実施
例1と同じ片面に反射防止層を有する厚さ80μmの透
明フィルムを反射防止層が外側となるように、粘着剤を
介して貼り合わせ、偏光変換素子を作製した。
【0048】実施例3 位相差板を、住友化学工業(株)から販売されているポ
リカーボネート系位相差板“スミカライト SEF460305”
に変更した以外は、実施例2と同様にして偏光変換素子
を作製した。
【0049】実施例4 位相差板を、住友化学工業(株)から販売されているポ
リカーボネート系位相差板“スミカライト SEF460225”
に変更し、また偏光板を、同じく住友化学工業(株)か
ら販売されているポリビニルアルコール/二色性染料系
直線偏光板“スミカラン SCX8A2A-HC-O4”に変更した以
外は、実施例2と同様にして偏光変換素子を作製した。
【0050】実施例5 投射型液晶表示装置(液晶プロジェクター)において、
緑チャンネルラインの液晶セルの出射側(投射レンズ
側)に、実施例2で作製した偏光変換素子を、サファイ
アガラス板よりも光学補償板が液晶セルに近い側となる
ようにセットし、赤チャンネルラインの液晶セルの出射
側(投射レンズ側)に、実施例3で作製した偏光変換素
子を、サファイアガラス板よりも光学補償板が液晶セル
に近い側となるようにセットし、さらに青チャンネルラ
インの液晶セルの出射側(投射レンズ側)に、実施例4
で作製した偏光変換素子を、サファイアガラス板よりも
光学補償板が液晶セルに近い側となるようにセットした
ところ、スクリーン上のコントラストが非常に上がり、
黒表示の画面ムラも小さく、表示品位が向上した。
【0051】比較例2 光学補償板を1枚積層した以外は、実施例2、3及び4
とそれぞれ同様にして偏光変換素子を作製した。これら
の偏光変換素子を用いて、実施例5と同様に投射型液晶
表示装置(液晶プロジェクター)にセットしたところ、
スクリーン上のコントラストは上がらず、表示品位も向
上しなかった。
【0052】実施例6 光学補償板の空気との接触面に、片面に反射防止層を有
する透明フィルムを積層しなかったこと以外は、実施例
2、3及び4とそれぞれ同様にして偏光変換素子を作製
した。これらの偏光変換素子を用いて、実施例5と同様
に投射型液晶表示装置(液晶プロジェクター)にセット
したところ、スクリーン上のコントラストはやや上がっ
たが、黒表示の画面ムラが少し見受けられ、表示品位は
実施例5ほどではなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明の偏光変換素子は、光学補償板2
枚と直線偏光板とガラス板とを特定の順序で配置したも
のであって、投射型液晶表示装置に有効に用いられ、こ
の偏光変換素子を液晶セルの入射側又は出射側に配置し
た投射型液晶表示装置は、投射される画像のコントラス
トが高まり、黒表示の画面ムラがなく、表示品位が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光変換素子の一例を示す断面模
式図である。
【図2】本発明に係る偏光変換素子の別の例を示す断面
模式図である。
【図3】直線偏光板と光学補償板を1枚ずつ積層する場
合の軸角度の関係を示す配置図である。
【図4】本発明に係る偏光変換素子において、直線偏光
板と2枚の光学補償板の軸角度の関係の一例を示す配置
図である。
【図5】本発明に係る偏光変換素子において、直線偏光
板と2枚の光学補償板の軸角度の関係の別の例を示す配
置図である。
【図6】本発明に係る偏光変換素子において、直線偏光
板と2枚の光学補償板の軸角度の関係のさらに別の例を
示す配置図である。
【図7】投射型液晶表示装置の構成例を概略的に示す図
である。
【符号の説明】
1,2,3,4……ダイクロイックミラー、 5,6……全反射ミラー、 7R,7G,7B……液晶セル、 8R,8G,8B……入射側偏光変換素子、 9R,9G,9B……出射側偏光変換素子、 10R,10G,10B……集光レンズ、 L……白色光(光源光)、 R……赤色光、 G……緑色光、 B……青色光、 11……白色光源、 13……集光レンズ、 14……UV・IRカットフィルター、 16……投射レンズ、 17……スクリーン、 20……偏光変換素子、 21……直線偏光板、 22,23……光学補償板、 24……ガラス板、 25……位相差板、 26……反射防止層用の透明基材フィルム、 27……透明基材フィルムに設けられた反射防止層、 28……ガラス板側の反射防止層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA24 BA42 BB03 BB65 BC22 2H088 EA15 HA13 HA16 HA18 HA24 HA28 MA02 MA04 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA37X FA37Z FB02 FC12 FC22 FD06 FD15 LA17 LA20 2K103 AA01 AA05 AA12 AB01 BB02 BC14 CA75

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムに液晶性化合物を塗布してな
    る2枚の光学補償板と、直線偏光板と、透明なガラス板
    とが積層されてなり、これらのうち2枚の光学補償板
    は、直線偏光板に対して一方の面側に位置することを特
    徴とする、偏光変換素子。
  2. 【請求項2】2枚の光学補償板は、それぞれの配向軸が
    ほぼ直交するように配置されている請求項1記載の偏光
    変換素子。
  3. 【請求項3】2枚の光学補償板のうち、直線偏光板に近
    い第一の光学補償板は、その配向軸が直線偏光板の吸収
    軸とほぼ直交するか又はほぼ平行となるように配置され
    ている請求項2記載の偏光変換素子。
  4. 【請求項4】2枚の光学補償板は、液晶性化合物が塗布
    された面と反対側の基材フィルム面が重なり合うように
    積層されている請求項1〜3のいずれかに記載の偏光変
    換素子。
  5. 【請求項5】ガラス板の一方の面に、直線偏光板及び2
    枚の光学補償板がこの順で積層されている請求項1〜4
    のいずれかに記載の偏光変換素子。
  6. 【請求項6】ガラス板の一方の面に直線偏光板が、他方
    の面に2枚の光学補償板がそれぞれ積層されている請求
    項1〜4のいずれかに記載の偏光変換素子。
  7. 【請求項7】透明なガラス板がサファイアガラスである
    請求項1〜6のいずれかに記載の偏光変換素子。
  8. 【請求項8】光学補償板は、その空気と接する面に反射
    防止層を有する請求項1〜7のいずれかに記載の偏光変
    換素子。
  9. 【請求項9】光学補償板は、その空気と接する面に、反
    射防止層を有する透明基材フィルムがその反射防止層を
    外側にして積層されている請求項8記載の偏光変換素
    子。
  10. 【請求項10】直線偏光板の光学補償板が位置する面と
    は反対側の面に、位相差板が積層されている請求項1〜
    9のいずれかに記載の偏光変換素子。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の偏光
    変換素子が、液晶セルの一方の面に配置されてなること
    を特徴とする投射型液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004245914A (ja) * 2003-02-12 2004-09-02 Kyocera Corp 液晶プロジェクタ装置とそれに用いる透明板及び液晶表示パネル
CN100337143C (zh) * 2004-03-03 2007-09-12 株式会社日立制作所 光学单元以及使用该光学单元的投影型图像显示装置
US7995275B2 (en) 2005-08-18 2011-08-09 Ricoh Company, Ltd. Polarization conversion element, polarization conversion optical system and image projecting apparatus

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