JP2004220000A - 光学補償板及びそれを用いた投射型液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 投射型液晶表示装置のコントラストを高くし、しかも長期間にわたって高い表示品位を実現できる光学補償板を提供し、それを投射型液晶表示装置に適用する。
【解決手段】 波長380nmにおける透過率が10%以下であり、空気と接触する面の波長550nmにおける反射率が2%以下である透明フィルム21と、基材フィルム31に液晶性化合物層32を塗布してなる光学補償フィルム30と、透明なガラス板23とが積層された光学補償板20が提供される。光学補償フィルムを2枚積層することもでき、この場合には、それぞれの配向軸がほぼ直交するように配置され、また液晶性化合物層32,42が塗布された面とは反対側の基材フィルム31,41の面が重なり合うように積層される。この光学補償板20を液晶セル7の一方の面側に、透明フィルム21が液晶セル7側となるように配置して、投射型液晶表示装置が構成される。

【選択図】 図7

Description

本発明は、投射型液晶表示装置に適した光学補償板に関するものであり、さらには、それを用いた投射型液晶表示装置にも関係している。
投射型液晶表示装置は、液晶プロジェクターとも呼ばれ、パーソナルコンピュータやテレビなどの画面を拡大してスクリーンに写し出すことができる装置として、広く使用されている。
投射型液晶表示装置には、単板式でカラーフィルターからの分光光を直接拡大する形式のもの、三原色に分光した後それぞれの光に対応する透過型液晶セルを通過させる形式のもの、三原色に分光した後それぞれの光に対応する反射型液晶セルで反射させる形式のものなどがある。ここでは、現在主流を占めている三原色対応の透過型液晶セルを用いる投射型液晶表示装置について、図6を参照しながらその構成の概略を説明する。
このような投射型液晶表示装置は通常、光源系、反射・分光系及び拡大投射系を有している。光源系は、白色光源11及びUV・IRカットフィルター13を有しており、白色光源11からの白色光Lは、UV・IRカットフィルター13で紫外線及び赤外線がカットされて、第一のダイクロイックミラー1へと送られるようになっている。白色光源11には通常、メタルハライドランプや高圧水銀ランプなどが用いられる。
反射・分光系は、4種類のダイクロイックミラー1,2,3,4、二つの全反射ミラー5,6、それぞれ赤色光R、緑色光G及び青色光Bに対応する、液晶セル7R、7G及び7B、光入射側偏光変換素子8R、8G及び8B、光出射側偏光変換素子9R、9G及び9B、並びに集光レンズ10R、10G及び10Bを有している。
そして、第一のダイクロイックミラー1は、緑色光G及び青色光Bのみを透過するものであり、ここを透過した緑色光G及び青色光Bは、第二のダイクロイックミラー2へと送られる。第一のダイクロイックミラー1で反射された赤色光Rは、第一の全反射ミラー5へと送られ、ここで反射された後、赤用の集光レンズ10R、入射側偏光変換素子8R、液晶セル7R及び出射側偏光変換素子9Rを通って、第三のダイクロイックミラー3へと送られる。第二のダイクロイックミラー2は、青色光Bのみを透過するものであり、第一のダイクロイックミラー1を透過した緑色光Gと青色光Bのうち、第二のダイクロイックミラー2を透過した青色光Bは、青用の集光レンズ10B、入射側偏光変換素子8B、液晶セル7B及び出射側偏光変換素子9Bを通って、第二の全反射ミラー6へと送られる。第二のダイクロイックミラー2で反射された緑色光Gは、緑用の集光レンズ10G、入射側偏光変換素子8G、液晶セル7G及び出射側偏光変換素子9Gを通って、第三のダイクロイックミラー3へと送られる。第三のダイクロイックミラー3は、赤色光Rのみを透過するものであり、第一の全反射ミラー5から赤用の集光レンズ10R、入射側偏光変換素子8R、液晶セル7R及び出射側偏光変換素子9Rを通った赤色光Rは、第三のダイクロイックミラー3をそのまま透過し、また第二のダイクロイックミラー2から緑用の集光レンズ10G、入射側偏光変換素子8G、液晶セル7G及び出射側偏光変換素子9Gを通った緑色光Gは、第三のダイクロイックミラー3で反射され、それぞれ第四のダイクロイックミラー4へと送られる。第四のダイクロイックミラー4は、赤色光R及び緑色光Gのみを透過するものであり、第三のダイクロイックミラー3からの赤色光R及び緑色光Gはここをそのまま透過し、第二の全反射ミラー6からの青色光Bはここで反射されて、それぞれ投射レンズ16へと送られる。
なお、ここでは、最初に赤色光Rを分光し、次に緑色光Gと青色光Bを分光する形式を示したが、ダイクロイックミラーの組合せにより、分光の順番は任意に変更できる。
拡大投射系は、投射レンズ16を有しており、ここでそれぞれの光に対応する画像が拡大されて、スクリーン17へ拡大像を投影することになる。なお、各色に対応する液晶セル7R,7G,7Bの入射側偏光変換素子8R,8G,8Bと出射側偏光変換素子9R,9G,9Bは、液晶セル7R,7G,7Bに貼合して用いられることもあるが、通常は液晶セル7R,7G,7Bと間隔を置いて配置され、この間隔は、冷却用の通風路となる。また、入射側偏光変換素子8R,8G,8Bは、集光レンズ10R,10G,10Bとも間隔が保たれている。このように、偏光変換素子8R,8G,8B,9R,9G,9Bを液晶セル7R,7G,7B及び集光レンズ10R,10G,10Bから離間して配置する場合は、直線偏光板をガラスなどの補強材に貼合した形で用いられる。
このような投射型液晶表示装置においては、各液晶セル7R,7G,7Bは、それぞれ2枚の偏光変換素子、すなわち入射側偏光変換素子8R,8G,8B及び出射側偏光変換素子9R,9G,9Bの間に配置されている。これらの偏光変換素子8,9は、画像をスクリーンに拡大して投射するのに必要な光量の光が透過するため、発熱が大きい。また、赤色光R、緑色光G及び/又は青色光Bが偏光光である場合、液晶セル7R,7G,7Bに入射するときに偏光面を回転させる必要が生じることが多い。さらに、液晶セル7R,7G,7Bから出射された偏光光は、再び偏光面を回転させる場合もある。
偏光面を回転させるためには、位相差板を用いればよく、位相差板は通常、入射側偏光変換素子8R,8G,8Bの光源11側や、出射側偏光変換素子9R,9G,9Bの投射レンズ16側に配置される。位相差板としては、入手の容易さや価格などの点から、通常は樹脂製のものが用いられる。この位相差板は、入射側偏光変換素子8R,8G,8B又は出射側偏光変換素子9R,9G,9Bにおいて、直線偏光板に貼り合わされた形で用いられる。
このような投射型液晶表示装置は、液晶セルの複屈折性の影響で、スクリーンに投影される映像のコントラストが高くないという問題を有していた。
そこで、特開 2000-137202号公報(特許文献1)には、投射型液晶表示装置において、画像成分における画像面内分布のコントラストや明るさの偏りを、光学補償層によって緩和させることが提案されている。また、特開 2000-352615号公報(特許文献2)には、平均線膨張係数の絶対値が小さいガラスに偏光板を貼り付け、それを投射型液晶表示装置の入射側又は出射側偏光変換素子に用いることが提案され、そして入射側偏光変換素子と出射側偏光変換素子の間であって、いずれの偏光板からも離れた位置に、液晶セル以外の光学的異方体を配置することも提案されている。これらの光学補償層ないし光学的異方体として、ディスコチック液晶をハイブリッド配向させたもの、例えば、特開平 8-50206号公報(特許文献3)に開示されるようなものが挙げられている。これら特許文献1及び特許文献2に具体的に開示される構成は、液晶セルの表裏両側に光学補償層又は光学的異方体をそれぞれ1枚ずつ配置し、さらにそれぞれの外側に偏光板を1枚ずつ配置したものである。一方、特開 2002-14345 号公報(特許文献4)には、液晶セルの光出射側に光学補償層を設けて、液晶層における光の入射側領域に存在する液晶分子に対する光学補償を行うことが提案され、その光学補償層を2枚又は3枚重ねることも提案されている。しかしながら、これら特許文献1、特許文献2及び特許文献4に開示される光学補償層又は光学的異方体は、紫外線に対して劣化しやすく、信頼性に劣るという問題を有していた。
特開2000−137202号公報 特開2000−352615号公報 特開平8−50206号公報 特開2002−14345号公報
本発明者は、投射型液晶表示装置のコントラストを高くし、しかも長期間にわたって高い表示品位を実現できる光学補償板を開発すべく、研究を行ってきた。その結果、特定の透過反射特性を有する透明フィルムを用い、これを、基材フィルムに液晶性化合物を塗布してなる光学補償フィルムとともに、透明なガラス板に積層した構成とすることで、コントラストが高く、高品位の画像を長期間維持できるようになることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の光学補償板は、波長380nmにおける透過率が10%以下であり、空気と接触する面の波長550nmにおける反射率が2%以下である透明フィルムと、基材フィルムに液晶性化合物を塗布してなる光学補償フィルムと、透明なガラス板とが積層されたものである。
この光学補償板は、投射型液晶表示装置に組み込まれて用いられる。したがって本発明はまた、上記の光学補償板が、液晶セルの少なくとも一方の面側に配置されてなる投射型液晶表示装置をも提供する。この投射型液晶表示装置は、より具体的には、白色光源と、白色光源からの白色光を赤色光、緑色光及び青色光の三原色の光に分光するためのダイクロイックコート層を有する光学系と、液晶セルと、偏光変換素子と、上記の光学補償板とを有する。この場合の光学系は、例えば、白色光源からの白色光を赤色光、緑色光及び青色光の三原色の光に分光するためのダイクロイックミラー、全反射ミラー及び集光レンズを有している。
本発明の光学補償板は、反射防止層を有する特定の透明フィルムと光学補償フィルムを特定の順序で配置したものであって、投射型液晶表示装置に有効に用いられる。この光学補償板を配置した投射型液晶表示装置は、投射される画像のコントラストが高くなり、かつ、長期間にわたって高い表示品位を維持する。
発明を実施するための形態
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、特定の紫外線吸収特性を有し、かつ空気と接する面の反射率が低い透明フィルムを用いる。ここで用いる透明フィルムは、樹脂製のものであって、例えば、フルオレン骨格を有する変性ポリカーボネートやビスフェノールAから得られる一般のポリカーボネートのようなポリカーボネート系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂などを挙げることができる。この透明フィルムの厚みは、通常10〜1,000μm程度であり、好ましくは10μm以上、また好ましくは200μm以下である。
そして本発明では、かかる透明フィルムとして、波長380nmにおける透過率が10%以下のものを用いる。波長380nmにおける透過率は5%以下であるのがより好ましい。このような透過率特性は、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、ニッケル錯体系などの、いわゆる紫外線吸収剤を含有させることで達成できる。紫外線吸収剤をフィルムに含有させるには、公知の通常の方法を用いればよく、例えば、フィルムを形成する樹脂ドープ液に紫外線吸収剤を添加して製膜する方法や、紫外線吸収剤を溶解した溶液を透明フィルムに塗布し、乾燥させる方法などが挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、例えば、樹脂100重量部に対して 0.01〜10重量部程度が好ましい。市販の紫外線吸収剤含有透明フィルムを用いてもよく、かかる要件を満たす市販のフィルムの例として、富士写真フィルム(株)から販売されている紫外線吸収剤入りトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(“UZ”、“TD”及び“TDY”なる品名のもので、厚みは100μm、80μm、50μm、40μmなど)や、コニカ(株)から販売されている紫外線吸収剤入りトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(“UX2M”なる品名のもので、厚みは80μm、57μm、40μm など)などがある。
またこの透明フィルムは、後述する光学補償フィルム及びガラス板と、この透明フィルムが一方の外面となるように積層されるが、この透明フィルムの空気と接する面は、波長550nmにおける反射率が2%以下となるようにする。この反射率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは 0.5%以下である。このような特性は、表面に反射防止層を設けることで達成できる。反射防止層は、空気層との界面における反射光を低減する層であって、かかる反射光に起因する迷光の発生を防止する。反射防止層としては、通常使用されているもの、例えば、金属、金属酸化物及び金属フッ化物から選ばれる化合物からなる単層又は多層のものが挙げられる。金属としては、例えば、銀などが挙げられ、金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、また金属フッ化物としては、例えば、弗化マグネシウムなどが挙げられる。この反射防止層は、単層であってもよいし、多層、例えば、2層、3層又は4層以上の層からなるものであってもよい。反射防止層の厚みや、それが多層である場合の各層の厚みは、その層数、各層に用いる物質の屈折率などによって、適宜選択される。反射防止層と透明フィルムとの密着性を上げるため、それらの間にアクリルコート層やハードコート層などを設けてもよい。
透明フィルム上の反射防止層を有する表面における接触角度は、80°以上、さらには100°以上であるのが好ましい。ここでいう接触角度は、液体として水を用いた場合の値である。空気と接する面における接触角度が80°未満であると、微粒子が付着しやすいので、そのような表面を有する光学補償板を用いた投射型液晶表示装置は、長期にわたって使用した場合に、コントラストが低下しやすくなる傾向にある。接触角度の上限は、180°である。
反射防止層の表面がここで規定する接触角度を満足する場合には、かかる反射防止層を有する透明フィルムを、そのまま本発明に用いることができ、例えば、凸版印刷(株)から販売されている“HT-ARPSMC ”などが使用できる。なお、通常の反射防止層は多くの場合、ここで規定する接触角度を有していないので、この場合には、反射防止層の上面にフッ素化合物からなる層を設けることによって、上記の接触角度を達成することができる。フッ素化合物からなる層は、その化合物を含む塗布液を表面にコーティングすることによって、設けることができる。このために用いるフッ素化合物は、表面の接触角度を80°以上にし得るものであれば特に限定されず、表面の汚染を防止するために通常用いられるもの、例えば、含フッ素シラン化合物などを用いることができる。このようなフッ素化合物は、表面に指紋などの汚れが付着するのを防止するために、従来からコーティングなどの分野で一般に用いられているものである。
本発明では、かかる特定の光線透過率と特定の表面反射率を有する透明フィルムを、特定の光学補償フィルムと組み合わせて用いる。この光学補償フィルムは、基材フィルム面に液晶性化合物を塗布し、配向させたものであって、投射型液晶表示装置に組み込んだ際に、液晶セル中の液晶分子によって生じる光学的な位相差を補償するものである。
光学補償フィルムの基材フィルムとしては、例えば、フルオレン骨格を有する変性ポリカーボネートやビスフェノールAから得られる一般のポリカーボネートのようなポリカーボネート系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂、ノルボルネン系モノマーの重合体である環状ポリオレフィン系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂などが挙げられる。この基材フィルムの厚みは、通常10〜1,000μm程度である。その上に塗布される液晶性化合物は、例えば、トリフェニレン骨格を有するディスコチック液晶化合物や高分子液晶化合物などであり得る。液晶性化合物を配向させる方法は通常の方法でよく、例えば、基材フィルム表面を予め配向処理しておき、そこに液晶性化合物を塗布し、乾燥させた後、熱処理によって液晶性化合物の配向を固定させる方法などが採用できる。このような、液晶性化合物が塗布配向された光学補償フィルムは、例えば、前記特許文献3に記載されている。液晶性化合物が塗布配向された市販の光学補償フィルムとしては、例えば、富士写真フィルム(株)から販売されている“ワイドビューフィルム”(“WVフィルム”と表現されることもあり、また、“WV A 03B”、“WV A 12B”、“WV A 038”、“WV A 128”などの品種がある)や、新日本石油(株)から販売されている“日石LCフィルム”、“日石NHフィルム”及び“日石NRフィルム”などが挙げられる。
本発明においては、上で説明した透明フィルムと光学補償フィルムとを透明なガラス板に貼り合わせて、光学補償板とされる。透明なガラス板としては、青板ガラスや白板ガラスと呼ばれる通常のシリカ系ガラス板、石英ガラスなどが使用し得る。また、熱伝導率の高いサファイアガラスや水晶ガラスを使用することも好適である。サファイアガラスは、アルミナ(Al23)の単結晶体であって、例えば、EFG法(Edge-defined Film-fed Growth法)により板状に形成されたものなどが用いられる。水晶ガラスは、SiO2 の単結晶であって、合成水晶でも天然水晶でもよい。透明なガラス板の一方の面、すなわち露出面には、反射防止層を有するのが好ましい。透明ガラス板の厚みは、通常 0.1〜2mm程度であり、好ましくは0.3mm以上、また好ましくは0.8mm以下である。透明ガラス板の面積は、目的とする投射型液晶表示装置のサイズによって適宜選択される。代表的な例を示せば、一辺が10〜100mmの長方形又は正方形、直径が5〜100mmの円形や楕円形などがある。
かかる透明ガラス板に、透明フィルム及び光学補償フィルムが積層される。この際、透明フィルムが一方の外面となるようにし、通常は、透明ガラス板/光学補償フィルム/透明フィルムの順番で積層される。透明フィルム及び光学補償フィルムの面積は通常、透明ガラス板の面積とほぼ同じか、又はそれよりもやや小さい。面積がやや小さめの方がガラス面に貼着しやすいこともあり、透明ガラス板の縁から0.5〜5mm 程度内側に貼れるように、透明フィルム及び光学補償フィルムの面積を小さくするのが好ましい。
透明フィルムと光学補償フィルム、及びガラス板と光学補償フィルムは、通常、接着剤層を介して積層される。接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系感圧型接着剤、ウレタン系感圧型接着剤などの感圧型接着剤が使用される。感圧型接着剤は一般に、透明で光学的に等方性の接着剤層を与える。なお、感圧型接着剤は、粘着剤とも呼ばれるものである。接着剤層の厚みは、通常10〜60μm 程度である。
本発明の光学補償板において、基材フィルム上に液晶性化合物が塗布された光学補償フィルム2枚を、互いに隣り合うように積層するのが、より好ましい。すなわち、ガラス板の一方の面側に2枚の光学補償フィルムが位置し、透明フィルムの反射防止層が最も外側となるように、反射防止層を有する透明フィルム/第一の光学補償フィルム/第二の光学補償フィルムの順で配置すると、コントラストの向上効果がさらに高くなる。この場合、2枚の光学補償フィルムは、それぞれの配向軸がほぼ直交するように配置することが好ましい。なお、ここでいう「ほぼ直交」とは、直交(90°)が好ましいが、±5°以内程度でずらしてもよいことを意味する。本明細書の他の部分において角度配置を表すときに使う「ほぼ」も同様の意味である。さらに2枚の光学補償フィルムのうち、透明フィルムに近い第一の光学補償フィルムは、投射型液晶表示装置に組み込んだ際にその配向軸が、隣接して配置される偏光変換素子における直線偏光板の吸収軸とほぼ直交するか、又はほぼ平行となるように配置するのが好ましい。また、これら2枚の光学補償フィルムは、液晶性化合物が塗布された面とは反対側の面、すなわち基材フィルム側が重なり合うように配置するのが好ましい。
図1及び図2には、本発明に係る光学補償板の例が断面模式図で示されている。図1に示す例は、透明フィルム21と光学補償フィルム30とを積層し、その光学補償フィルム30側でガラス板23に貼合して光学補償板20を形成している。ここで、光学補償フィルム30は、基材フィルム31に液晶性化合物層32が塗布配向されたものであり、その液晶性化合物層32側で透明フィルム21に、また基材フィルム31側でガラス板23に貼合されている。透明フィルム21の空気と接する面側には、反射防止層27が設けられている。また、ガラス板23の光学補償フィルム30への貼り合わせ面と反対側の外面にも、反射防止層28が設けられている。ガラス板23が光学的異方性を有する場合は、その結晶軸と透過する偏光光の偏光軸を平行又は直交させる必要があり、例えば、ガラス板23がサファイアガラスの場合には、サファイアガラスのC軸と、透過する偏光光の偏光軸とが、ほぼ平行になるか、又はほぼ直交するように配置される。
図2に示す例は、図1の層構成に加え、光学補償フィルム30とガラス板23の間に第二の光学補償フィルム40を配置して、光学補償板20としたものである。そこで、透明フィルム21側に配置された光学補償フィルム30を第一の光学補償フィルムとする。第二の光学補償フィルム40も、基材フィルム41に液晶性化合物層42が塗布配向されたものである。図2に示す例では、2枚の光学補償フィルム30,40は、それぞれの配向軸がほぼ直交するように配置される。これら2枚の光学補償フィルムは、液晶性化合物層32,42が塗布された面とは反対側の面、すなわち基材フィルム31,41側が重なり合うように配置されている。
図3〜図5には、図2に示す如く光学補償フィルム30,40を2枚積層する場合について、2枚の光学補償フィルム30,40の軸角度の関係が示されている。いずれも、透明フィルム21の一方の側に、2枚の光学補償フィルム、すなわち第一の光学補償フィルム30と第二の光学補償フィルム40とを、この順に積層する場合の軸角度の関係を示すものである。いずれの図においても、第一の光学補償フィルム30の配向軸と第二の光学補償フィルム40の配向軸がほぼ直交するように配置されている。すなわち、それぞれの光学補償フィルム30,40の長辺右向き方向を0°として、図3では、第一の光学補償フィルム30の配向軸を135°方向、第二の光学補償フィルム40の配向軸を225°方向としており、図4及び図5では、第一の光学補償フィルム30の配向軸を270°方向とし、第二の光学補償フィルム40の配向軸を180°方向又は0°方向としている。なお、図4と図5とでは、第二の光学補償フィルム40の配向軸を表す矢印の向きが逆になっているが、この矢印の向きは、配向のためのラビングの方向を意味する。
本発明の光学補償板は、投射型液晶表示装置に好適に用いることができる。例えば、投射型液晶表示装置において、白色光源からの白色光の光路中や、白色光を分光した後の赤色光、緑色光又は青色光である各原色光の光路中に挿入して用いることができる。
具体的には、図6に示したような投射型液晶表示装置において、各三原色に対応する液晶セル7R,7G,7Bと入射側偏光変換素子8R,8G,8Bとの間、又は出射側偏光変換素子9R,9G,9Bと液晶セル7R,7G,7Bとの間に配置して、用いることができる。入射側偏光変換素子8R,8G,8Bと液晶セル7R,7G,7Bとの間のすべてに、あるいは出射側偏光変換素子9R,9G,9Bと液晶セル7R,7G,7Bとの間のすべてに、本発明の光学補償板を配置することは一層有効である。この光学補償板は通常、図1及び図2に示されるガラス板23が、偏光変換素子8R,8G,8B又は9R,9G,9B側となるように、換言すれば、透明フィルム21が、ガラス板23よりも液晶セル7R,7G,7Bに近い側となるように配置される。
このような投射型液晶表示装置における配置の例が図7に断面模式図で示されている。図7の(A)は、図1に示す光学補償板20を液晶セル7と入射側又は出射側の偏光変換素子8又は9の間に配置した例であり、また図7の(B)は、図2に示す光学補償板20を液晶セル7と入射側又は出射側の偏光変換素子8又は9の間に配置した例である。いずれの場合も、光学補償板20を構成する透明フィルム21が液晶セル7側に、そしてガラス板23が偏光変換素子8又は9側にくるように配置されている。また、図示は省略するが、光学補償板の光学補償フィルム30又は40が貼付されている面とは反対側のガラス面に、偏光変換素子8又は9を貼り付けてもよい。さらに、光学補償板の光学補償フィルム30又は40が貼付されている面とは反対側のガラス面に、偏光板を直接貼り付けて偏光変換素子としてもよく、この場合には、部品点数が減り、コストメリットがあるだけでなく、送風しやすくなり、冷却効率も向上する。さらにまた、特に出射側の偏光変換素子については、そこに配置される偏光板を保護する目的で、透過率の高い偏光板(プレ偏光板)を、光学補償板の光学補償フィルム30又は40が貼付されている面とは反対側のガラス面に貼り付け、その外側に通常の偏光板(主偏光板)を、その透過軸が先のプレ偏光板の透過軸と平行になるように貼り付けて、偏光変換素子とすることもできる。この場合には、透過率の高い偏光板(プレ偏光板)で光がある程度吸収されるので、その後に配置される主偏光板での光の吸収を和らげることができる。このような目的で使用される透過率の高い偏光板としては、住友化学工業(株)から販売されている“STX8C2A-HC-AR ”、“STX8B2A-HC-AR ”、“STX8A2A-HC-AR-OB”などがある。
一方、単板形式でカラーフィルターからの分光光を直接拡大する形式の投射型液晶表示装置もあるが、この場合には、白色光の光路中で、カラーフィルターを含む液晶セルの前又は後に、本発明の光学補償板が配置されることになる。
次に、具体的な例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例1
紫外線吸収剤が配合され、波長380nm における透過率が2.4%であり、また、片面に反射防止処理が施され、波長550nmにおける表面反射率が 0.5%であるトリアセチルセルロースフィルムを透明フィルムとした。その反射防止処理面とは反対側の面に、基材フィルムに液晶性化合物が塗布配向された光学補償フィルムであって、富士写真フィルム(株)から販売されている“ワイドビューフィルム WV A 03B ”2枚を、それぞれ粘着剤を介して積層した。この際、2枚の光学補償フィルムは、図5に示すのと同じ軸角度で配置し、かつ、各々の液晶性化合物層が形成された面と反対側の基材フィルム面が向き合うように貼合した。さらに、京セラ(株)から販売されている対角寸法 0.9インチ(約23mm)のサファイアガラス板の片面に反射防止処理を施し、それと反対側の面に、上記の透明フィルム/第一の光学補償フィルム/第二の光学補償フィルムの積層体を、第二の光学補償フィルムの液晶性化合物層側で貼合して、図2に示す構成の光学補償板を作製した。この際、第二の光学補償フィルム40の配向軸とサファイアガラス23のC軸とが一致するように貼合した。
投射型液晶表示装置の赤(R)、緑(G)及び青(B)の各液晶パネルと、各出射側偏光変換素子の間に、上で得られた光学補償板を、そのガラス板が出射側偏光変換素子の側となるようにセットすれば、スクリーン上のコントラストが上がり、かつ、長期間にわたって高い表示品位が維持される。
比較例1
透明フィルムを使用しないこと以外は実施例1と同様にして、光学補償板を作製した。この光学補償板を実施例1と同様に投射型液晶表示装置にセットしたところ、スクリーン上のコントラストは上がったが、長期間使用すると、表示品位が下がる。
本発明に係る光学補償板の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る光学補償板の別の例を示す断面模式図である。 本発明に係る光学補償板において、透明フィルムと2枚の光学補償フィルムを積層する場合の、軸角度の関係の一例を示す配置図である。 本発明に係る光学補償板において、透明フィルムと2枚の光学補償フィルムを積層する場合の、軸角度の関係の別の例を示す配置図である。 本発明に係る光学補償板において、透明フィルムと2枚の光学補償フィルムを積層する場合の、軸角度の関係のさらに別の例を示す配置図である。 投射型液晶表示装置の構成例を概略的に示す説明図である。 本発明の光学補償板を液晶セルと組み合わせて投射型液晶表示装置とする場合の配置例を示す断面模式図である。
符号の説明
1,2,3,4……ダイクロイックミラー、
5,6……全反射ミラー、
7,7R,7G,7B……液晶セル、
8,8R,8G,8B……入射側偏光変換素子、
9,9R,9G,9B……出射側偏光変換素子、
10R,10G,10B……集光レンズ、
L……白色光(光源光)、
R……赤色光、
G……緑色光、
B……青色光、
11……白色光源、
13……UV・IRカットフィルター、
16……投射レンズ、
17……スクリーン、
20……光学補償板、
21……透明フィルム、
23……ガラス板、
27……透明フィルムに設けられた反射防止層、
28……ガラス板側の反射防止層、
30,40……光学補償フィルム、
31,41……光学補償フィルムの基材フィルム、
32,42……光学補償フィルムの液晶性化合物層。

Claims (6)

  1. 波長380nmにおける透過率が10%以下であり、空気と接触する面の波長550nmにおける反射率が2%以下である透明フィルムと、基材フィルムに液晶性化合物を塗布してなる光学補償フィルムと、透明なガラス板とが積層されてなることを特徴とする光学補償板。
  2. 基材フィルムに液晶性化合物を塗布してなる光学補償フィルムが2枚積層されている、請求項1に記載の光学補償板。
  3. 2枚の光学補償フィルムは、それぞれの配向軸がほぼ直交するように配置されている、請求項2に記載の光学補償板。
  4. 2枚の光学補償フィルムは、液晶性化合物が塗布された面と反対側の基材フィルム面が重なり合うように積層されている、請求項2又は3に記載の光学補償板。
  5. 透明なガラス板がサファイアガラスである、請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償板が、液晶セルの一方の面側に配置されてなることを特徴とする投射型液晶表示装置。
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