JP4100006B2 - 偏光変換素子及び投射型液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型液晶表示装置に用いられる偏光変換素子に関するものである。また本発明は、この偏光変換素子を用いた投射型液晶表示装置にも関係している。
【0002】
【従来の技術】
投射型液晶表示装置は、液晶プロジェクタとも呼ばれ、パーソナルコンピュータやテレビなどの画面を拡大してスクリーンに写し出すことができる装置として広く使用されている。そして、かかる投射型液晶表示装置には、透明基板に直線偏光板や位相差板が積層されている偏光変換素子などの光学素子が多く用いられている。
【0003】
投射型液晶表示装置には、単板式でカラーフィルターからの分光光を直接拡大する形式のもの、三原色に分光した後それぞれの光に対応する透過型液晶セルを通過させる形式のもの、三原色に分光した後それぞれの光に対応する反射型液晶セルで反射させる形式のものなどがある。ここでは、現在主流を占めている三原色対応の透過型液晶セルを用いる投射型液晶表示装置について、図1を参照しながらその構成の概略を説明する。
【0004】
このような投射型液晶表示装置は通常、光源系10、反射・分光系20及び拡大投射系40を有している。光源系10は、白色光源11、UV・IRカットフィルター12及び集光レンズ13を有しており、この例では、白色光源11からの白色光Lを集光レンズ13で集光し、さらにUV・IRカットフィルター12で紫外線及び赤外線をカットして、反射・分光系20へ送るようになっている。白色光源11には通常、メタルハライドランプや高圧水銀ランプなどの高輝度ランプが用いられる。なお、図示は省略するが、光源系10には偏光ビームスプリッター(PBS)を配置し、自然光をほぼ偏光光にして反射・分光系20へ送る形式が一般的である。
【0005】
反射・分光系20は、4種のダイクロイックミラー21,22,23,24、二つの全反射ミラー25,26、それぞれ赤色光R、緑色光G及び青色光Bに対応する液晶セル27R、27G及び27B、入射側偏光変換素子28R、28G及び28B、出射側偏光変換素子29R、29G及び29B、並びに集光レンズ30R、30G及び30Bを有している。
【0006】
そして、第一のダイクロイックミラー21は、光源系10からの白色光Lを受けて、赤色光R及び緑色光Gのみを透過するものであり、ここを透過した赤色光R及び緑色光Gは、第二のダイクロイックミラー22へと送られる。第一のダイクロイックミラー21で反射した青色光Bは、第一の全反射ミラー25へと送られ、ここで反射した後、青用の集光レンズ30B、入射側偏光変換素子28B、液晶セル27B及び出射側偏光変換素子29Bを通って、第三のダイクロイックミラー23へと送られる。
【0007】
第二のダイクロイックミラー22は、赤色光Rのみを透過するものであり、第一のダイクロイックミラー21を透過した赤色光Rと緑色光Gのうち、第二のダイクロイックミラー22を透過した赤色光Rは、赤用の集光レンズ30R、入射側偏光変換素子28R、液晶セル27R及び出射側偏光変換素子29Rを通過して、第二の全反射ミラー26へと送られる。また、第二のダイクロイックミラー22で反射した緑色光Gは、緑用の集光レンズ30G、入射側偏光変換素子28G、液晶セル27G及び出射側偏光変換素子29Gを通って、第三のダイクロイックミラー23へと送られる。
【0008】
第三のダイクロイックミラー23は青色光Bのみを透過するものであり、第一の全反射ミラー25から反射してきた青色光Bは、第三のダイクロイックミラー23をそのまま透過し、また第二のダイクロイックミラー22から反射してきた緑色光Gは、第三のダイクロイックミラー23で反射し、それぞれ第四のダイクロイックミラー24へと送られる。第四のダイクロイックミラー24は、緑色光G及び青色光Bのみを透過するものであり、第三のダイクロイックミラー23からの緑色光G及び青色光Bはここをそのまま透過し、第二の全反射ミラー26からの赤色光Rはここで反射して、それぞれ拡大投射系40へと送られる。
【0009】
なお、ここでは、最初に青色光Bを分光し、次に赤色光Rと緑色光Gを分光する形式を示したが、ダイクロイックミラーの組合せにより、分光の順番は任意に変更できる。
【0010】
拡大投射系40は、投射レンズ41を有しており、ここでそれぞれの光に対応する画像が拡大されて、スクリーン42へ拡大像を投影することになる。なお、各色に対応する液晶セル27R,27G,27Bの入射側偏光変換素子28R,28G,28B、及び出射側偏光変換素子29R,29G,29Bは、液晶セル27R,27G,27Bに貼合して用いられることもあるが、通常は、液晶セル27R,27G,27Bと間隔を置いて配置されており、この間隔は冷却用の通風路となる。また、入射側偏光変換素子28R,28G,28Bは、集光レンズ30R,30G,30Bに貼合されていることもあり、それとは間隔を置いて配置されることもある。偏光変換素子28R,28G,28B,29R,29G,29Bを液晶セル27R,27G,27Bや集光レンズ30R,30G,30Bから離間して配置する場合は、直線偏光板をガラスなどの補強材に貼合した形で用いられる。
【0011】
このような投射型液晶表示装置においては、各液晶セル27R,27G,27Bは、それぞれ2枚の偏光変換素子、すなわち入射側偏光変換素子28R,28G,28B及び出射側偏光変換素子29R,29G,29Bの間に配置されている。これらの偏光変換素子28,29には、上述のとおり、直線偏光板をガラスなどの補強材に貼合したものが用いられている。
【0012】
ここで直線偏光板は、特定振動方向の偏光光のみを透過し、それと直交する方向の偏光光を遮断するものであり、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向した偏光フィルムがこれに該当するが、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムだけでは機械的特性や耐久性に劣るため、その両面にトリアセチルセルロースのようなセルロース樹脂からなるフィルムを保護のために貼合したものが用いられている。また、直線偏光板に位相差板を積層し、これを偏光変換素子28,29として用いることもあるが、この場合も、上記偏光フィルムの両面にセルロース樹脂からなる保護フィルムを貼合して直線偏光板とし、そこに位相差板を積層したものが用いられる。そして偏光変換素子28,29は、画像をスクリーンに拡大して投射するのに必要な光量の光が透過するため、発熱が大きい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
投射型液晶表示装置においては、小さい面積の液晶セルにより形成された画像を拡大して投射するために、前述したメタルハライドランプや高圧水銀ランプの如き高輝度の光源が用いられている。そのため、偏光変換素子の偏光板に入射する光量も非常に強く、また、直線偏光板に吸収されて熱に変換される光もかなり多いため、使用中の偏光変換素子は高温となる。高温状態では、偏光板の熱収縮のため、投射画像に色ムラが発生しやすい。
【0014】
かかる偏光変換素子の高温化を防ぐため、通常、空冷ファンなどによって冷却される場合が多い。しかし、空冷ファンの振動音の制約から充分な空冷ができていないことがある。また、最近の投射型液晶表示装置には、より小さく、より明るくすることが求められ、偏光変換素子に入射する単位面積あたりの光量がますます多くなっている。それに伴って、偏光変換素子の温度上昇も増長され、偏光変換素子の光及び熱による劣化が顕著になってきた。また、偏光板の発熱によりそれ自体が熱収縮し、それが原因で投射画像に色ムラが発生するという問題も顕著になってきている。
【0015】
そこで本発明者は、光及び熱に対して優れた耐久性を示す偏光変換素子を開発すべく鋭意研究を行った結果、一方の面に反射防止処理が施されている透明基板を採用し、それのもう一方の面に特定の偏光層を配置することで、表示品位の低下が少ない投射型液晶表示装置を与える偏光変換素子が得られることを見出し、本発明に至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、透明ガラス基板の一方の面に反射防止層が形成され、他方の面にはラビング処理が施され、そのラビング処理面に平板状色素からなる偏光層が20〜
1,500nm の厚さで形成されている投射型液晶表示装置用偏光変換素子を提供するものである。この平板状色素からなる偏光層は、一対の透明ガラス基板で挟まれるように構成することもできる。また本発明によれば、この偏光変換素子が光路中に配置された投射型液晶表示装置も提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、透明ガラス基板の一方の面に反射防止層を設け、他方の面にはラビング処理を施し、そのラビング処理面に平板状色素からなる偏光層を20〜1,500nm の厚さで設けて、偏光変換素子とする。この平板状色素からなる偏光層の上記透明基板に接する面と反対側の面に別の透明ガラス基板を配置し、この偏光層が一対の透明ガラス基板で挟まれるようにすることもできる。
【0018】
本発明に係る偏光変換素子の具体例を図2に断面模式図で示す。図2(A)では、透明基板51の片面に反射防止層54が形成され、他方の面に平板状色素からなる偏光層57が形成されて、偏光変換素子50を構成している。図2(B)では、同(A)に示した例の偏光層57側に別の透明基板52を配置して、平板状色素からなる偏光層57が一対の透明基板51,52で挟まれた構造になっている。図2(B)に示す例において、第二の透明基板52の空気との界面にも、反射防止層55を設けるのが好ましい。
【0019】
透明基板51は無機ガラスで構成することができ、例えば、ガラス平板の一方の面又は両面にダイクロイックコート層を有し、特定波長範囲の光のみを透過し、他の波長範囲の光は透過しないトリミングフィルターなどであってもよい。無機ガラスの材質は、例えば、ソーダガラス、珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、クラウンガラス、チタンケイ酸ガラス、石英ガラスなどのほか、熱伝導率の高いサファイアガラスや水晶ガラスなどでありうる。特に、熱伝導率の高いサファイアガラスは好適なものの一つである。ガラスで構成される透明基板51の厚みは、0.3〜2mm 程度が好ましい。その厚みが0.3mm より薄いと、割れやすくて取り扱いにくくなる。透明基板51の面積は、目的とする投射型液晶表示装置のサイズによって適宜選択される
【0020】
お、図2(B)に示すような、偏光層57の透明基板51と反対側にも第二の透明基板52を設ける場合、この第二の透明基板52についても上と同様の説明があてはまる。この場合、2枚の透明基板51,52の材質は、同じであっても異なっていてもよいが、両方ともガラスで構成される
【0021】
透明基板51の一方の面には、反射防止層54を設ける。この反射防止層54は、透明基板51上に直接形成してもよいし、反射防止層を有する透明フィルムを透明基板51上に積層し、最外層が反射防止層54となるようにしてもよい。後者の場合、反射防止層が設けられた透明フィルムは、位相差値の小さい、例えば、面内位相差値が50nm以下のフィルムであってもよいし、位相差特性を有する位相差フィルムであってもよい。
【0022】
位相差フィルムを用いる場合は、通常の投射型液晶表示装置に用いられるのと同様なものでよく、例えば、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロース樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ノルボルネンのような環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などからなるものが挙げられる。これらの位相差フィルムは、それぞれの樹脂フィルムを一軸方向に延伸することにより作製することができる。位相差フィルムは、1枚であってもよいし、2枚以上が積層されていてもよい。2枚以上の位相差フィルムが積層されたものとしては、例えば、レターデーションが等しい位相差フィルムを互いの遅相軸が所定の角度で交わるように積層することで、広い波長範囲にわたってほぼ等しいレターデーションが得られるようにした、いわゆる広帯域位相差フィルムが挙げられる。
【0023】
位相差フィルムは通常、それを積層した偏光変換素子50が配置される光路の光に対して1/2波長のレターデーションを示すものであるのが有利である。具体的には、赤色の光路に用いる偏光変換素子の位相差フィルムについては、レターデーションが290〜320nm、とりわけ300〜310nmであり、赤色の光に対して1/2波長板として機能するものが好ましい。緑色の光路に用いる偏光変換素子の位相差フィルムについては、レターデーションが260〜290nm、とりわけ270〜280nmであり、緑色の光に対して1/2波長板として機能するものが好ましい。また、青色の光路に用いる偏光変換素子の位相差フィルムについては、レターデーションが210〜240nm、とりわけ220〜230nmであり、青色の光に対して1/2波長板として機能するものが好ましい。さらに、富士写真フィルム(株)製の“ワイドビュー”フィルムや、日本石油化学(株)製の“日石LCフィルム”のような、基材樹脂フィルムに液晶性物質が塗布配向されているフィルムを、位相補償板として積層してもよい。
【0024】
反射防止層54は、空気層との界面における反射光を低減する層であり、その反射光に起因する迷光の発生を防止する。図2(B)のように、偏光層57を2枚の透明基板51,52で挟み、第二の透明基板52の空気との界面に反射防止層55を設ける場合、当該第二の透明基板52上の反射防止層55についても同様である。反射防止層54,55を有する面の反射率は、2%以下であるのが好ましく、さらには1%以下であるのがより好ましい。
【0025】
反射防止層としては、通常使用されているもの、例えば、金属、金属酸化物及び金属フッ化物から選ばれる単層又は多層のものが挙げられる。金属としては、例えば、銀などが挙げられ、金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、金属フッ化物としては、例えば、弗化マグネシウムなどが挙げられる。この反射防止層は、単層であってもよいし、2層、3層、4層又はそれ以上の層からなる多層であってもよい。反射防止層の厚みや、それが多層である場合の各層の厚みは、その層数、各層に用いる物質の屈折率などにより、適宜選択される。
【0026】
片面に反射防止層54が設けられた透明基板51のもう一方の面には、偏光層57が設けられる。本発明においては、この偏光層57を平板状色素で構成し、かつその厚みを20〜1,500nm とする。このために用いる色素としては、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、ポルフィリン系、ナフタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、アクリジン系、ペリレン系、ピラゾロン系、アクリドン系、ピランスロン系、イソビオラントロン系などの平板状色素を挙げることができる。より具体的には、特表平 8-511109 号公報(=WO 94/28073 =US 5,739,296)や国際特許出願公開 WO 96/16015号公報(=US 6,049,428)に記載される平板状ないし楕円盤状の色素が挙げられる。典型的な平板状ないしは楕円盤状色素の例を挙げると、以下の構造式で示されるものがある。
【0027】
Figure 0004100006
【0028】
ここで、Rは、例えば、水素、ハロゲン、水酸基、アルコキシ、無置換の若しくは塩素若しくはスルホン酸基で置換されたフェニルアミノ、又はアントラキノン−1−イルアミノであることができ;R′は、例えば、水素、ニトロ、カルボン酸基又はスルホン酸基であることができ;R″は、例えば、
【0029】
Figure 0004100006
【0030】
であることができ、ここにXは、O、CH2、NH、CONH、NHCONH 又はCH=CHであり、Zは、水素、メチル、メトキシ、カルボン酸基又はスルホン酸基であり;
Yは、例えば、水素又はスルホン酸基であることができ;式の両端に現れる波線は、その間の構造単位が繰り返すことを意味し;ここでいうスルホン酸基及びカルボン酸基は、遊離酸のほか、塩の形になっていてもよい。
【0031】
これらの色素が親水性の基を有しない場合には、そこに、親水性の置換基、例えばスルホン酸基が少なくとも1個導入された構造にしたものが用いられる。このように親水性の基が導入された平板状色素を、水中に分散又は溶解させて用いる。これらは、リオトロピック液晶相、すなわち、溶液中の濃度によって液晶状態と完全溶液状態の間を転移する液晶相を示す両親媒性物質となる。前記の特表平 8-511109 号公報や国際特許出願公開 WO 96/16015号公報には、親水性の基であるスルホン酸基が導入された形で多くの色素が開示されている。
【0032】
また、この色素含有水溶液は、上記平板状色素の他に界面活性剤を含有するのが好ましく、適当な界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、“ Triton X-100
(ロームアンドハース社から販売されている非イオン界面活性剤)などが挙げられる。このような平板状色素を含有し、偏光層とするのに好適な水溶液は、米国のオプティバ
Optiva )社から入手することができる。
【0033】
このような平板状色素で偏光層57を形成するには、かかる平板状色素を含有する水溶液を、透明基板51の上に塗布すればよい。平板状色素を含有する水溶液の塗布は、通常一般の方法で行うことができ、例えば、マイヤーバーコート、グラビアコート、ダイコート、ディップコート、スプレーコートなどの各種塗装法、またスクリーン印刷法やインクジェット方式などの印刷技術が採用できる。特に、せん断応力のかかる塗布方法が好ましい。
【0034】
透明基板51に偏光層57を形成するにあたり、透明基板51の上記平板状色素含有水溶液を塗布する面にラビング処理を施しておく。ここでいうラビング処理とは、表面を擦る処理であり、この処理を施すことによって、基板表面になんらかの配向性が働き、その後に塗付される平板状色素を含有する水溶液中の色素の配向が概ね一定方向になるものと推定される。
【0035】
ラビング処理には、例えば、基板表面をベルベットやビロードの布で擦りつけるなどの方法が採用できる。ラビングに用いる布の種類としては、例えば、レーヨン、キュプラ、ナイロン、綿、フェルトなどを挙げることができる。これらの布をロールに巻きつけ、回転させながら擦ってもよいし、また、布は固定し、基板を動かして擦ってもよい。ラビング処理は、基板表面の一定方向に対して施される。またラビング処理は、少なくとも1回擦ることが必要であり、数回擦ってもよく、さらには一定方向に往復して擦ってよい。
【0036】
長尺のフィルムにラビング処理を施す場合には、布に基板フィルムを押し付けながらラビング処理する方法が好ましい。この際、ロールに布を巻きつけている場合のロールの回転方向は、基板フィルムの走行方向と正方向でも逆方向でもよく、また、ロールは固定でもよいが、ロールの回転と基板フィルムの走行が正方向となるようにするほうが、均一な処理が行われやすいので好ましい。
【0037】
こうしてラビング処理が施された基板には、そのラビング処理面に平板状色素を含有する水溶液を塗布して偏光層が形成される。平板状色素を含有する水溶液を透明基板51に塗布した後は、溶媒の水を蒸発させることで偏光層57を形成することができる。溶媒の蒸発は、通常の乾燥方法によって行うことができ、例えば、加熱乾燥、常温乾燥、凍結乾燥、遠赤外乾燥などが用いられる。こうして得られる偏光層57は、20〜1,500nm の薄いものとすることができる。この厚みは、好ましくは50nm以上、また好ましくは
1,000nm 以下であり、平板状色素の種類と得られる偏光板の透過率によって、適宜選択される。
【0038】
本発明の偏光変換素子は、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)に好適に用いることができる。例えば、投射型液晶表示装置において、白色光源からの白色光の光路中や、白色光を分光した後の赤色光、緑色光、青色光である各原色光の光路中に挿入して用いることができる。
【0039】
具体的には、図1に示したような投射型液晶表示装置であれば、各三原色に対応する液晶セル27R,27G,27Bの入射側偏光変換素子28R,28G,28B、及び出射側偏光変換素子29R,29G,29Bの少なくとも一つとして用いることができる。偏光変換素子が、図2(A)に示すような、最表面に偏光層57を有する場合、その偏光層57が液晶セル27R,27G,27Bの面に向くように配置される。
【0040】
三原色分光系の投射型液晶表示装置に本発明の偏光変換素子を適用した場合の具体的構成は、白色光源11と、その光源11からの白色光Lを赤色光R、緑色光G及び青色光Bの三原色の光に分光するためのダイクロイックコート層を有する光学部品(通常、ダイクロイックミラーと呼ばれる)21,22,23,24と、液晶セル27R,27G,27Bと、光路中に配置された本発明の偏光変換素子とを有するものとなる。
【0041】
【実施例】
以下、具体的な例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの例によって限定されるものではない。
【0042】
実施例1
片面に反射防止層が形成されている厚み約1.1mm のガラス板の反射防止層が形成されていない面に、ベルベットの布を3往復擦りつけてラビング処理を行った。そのラビング処理面に、平板構造の色素を含有する水溶液(オプティバ社から入手した“LCP N013”)を、番手 No.5のマイヤーバーを用いて塗工速度50mm/sec で塗布した後、室温(20℃)で30分間放置し、乾燥させて、偏光変換素子とした。乾燥後の偏光層の厚みは、約500nmであった。
【0043】
得られた偏光変換素子に高圧水銀ランプからの光を照射した。偏光変換素子は光を吸収して温度が上がるため、空冷しながら表面温度を120℃に保つようにした。こうして
46時間照射を続けたところ、光による退色はほとんど認められなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明の偏光変換素子は、耐光性が改善されており、この偏光変換素子を用いた投射型液晶表示装置は、長期間にわたって使用した場合であっても、投射画像の表示品位を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 投射型液晶表示装置の構成例を示す図である。
【図2】 本発明に係る偏光変換素子の構成例を示す断面模式図であって、(A)は透明基板の片面に反射防止層を、他面に平板状色素からなる偏光層を配置した例を示し、(B)は平板状色素からなる偏光層を一対の透明基板で挟んだ例を示す。
【符号の説明】
10……光源系、
11……白色光源、
12……UV・IRカットフィルター、
13……集光レンズ、
20……反射・分光系、
21,22,23,24……ダイクロイックミラー、
25,26……全反射ミラー、
27R,27G,27B……透過型液晶セル、
28R,28G,28B……入射側偏光変換素子、
29R,29G,29B……出射側偏光変換素子、
30R,30G,30B……集光レンズ、
40……拡大投射系、
41……投射レンズ、
42……スクリーン、
L……白色光(光源光)、
R……赤色光、
G……緑色光、
B……青色光、
50……偏光変換素子、
51,52……透明基板、
54,55……反射防止層、
57……偏光層。

Claims (4)

  1. 透明ガラス基板の一方の面に反射防止層が形成され、他方の面にはラビング処理が施され、そのラビング処理面に平板状色素からなる偏光層が20〜1,500nm の厚さで形成されていることを特徴とする投射型液晶表示装置用偏光変換素子。
  2. 透明ガラス基板がサファイアガラスである請求項1記載の偏光変換素子。
  3. 平板状色素からなる偏光層が一対の透明ガラス基板で挟まれている請求項1又は2に記載の偏光変換素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光変換素子が光路中に配置されていることを特徴とする投射型液晶表示装置。
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