JP2008151903A - 偏光部材、偏光板および投射型液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二色性染料又はヨウ素を樹脂製偏光子基材に吸着配向した偏光子及び保護フィルターを含む偏光フィルム層、並びに、開孔部を有する金属層が積層してなる偏光部材。中でも、金属層が、金属細線を縞状に略平行に配置した金属格子であり、該金属格子の開孔部の横幅(t、金属細線が配置されている平行線の垂直方向の幅)が30nm〜200nmであり、金属格子の金属細線の横幅(金属細線が配置されている平行線の垂直方向の幅)が0.2t〜0.5tである偏光部材が好適である。
【選択図】図19
Description
投射型とは、光源からの光をRGBの三原色に分離した後、それぞれの光はそれぞれの光路において、液晶パネル、偏光板などを通過し、最終的に投射レンズにより拡大され、スクリーン上にて結像させて画像を表示する方式である。投射型液晶表示装置は、観察者の方からスクリーンに投射されるフロントプロジェクターが主に業務用として用いられ、観察者に対してスクリーンの裏側から投射されるリアプロジェクターが主に家庭用とて用いられている。
投射型液晶表示装置は近年、画面の高輝度化が進み、それに伴って強力な光を放出する高圧水銀ランプが光源として用いられるようになってきた。このため、光路に配置された偏光板がその強力な光と熱に対して長時間、使用することのできる特性、すなわち、耐光性が要求されるようになり、偏光板の耐光性は投射型液晶表示装置の寿命を決定するほどの重要な要素となってきた。なお、偏光板は、光に偏光特性を与える偏光フィルム及び透明基板とから構成されており、該偏光フィルムは、通常、偏光子及び保護フィルムから構成されている。
最近、新しい偏光板として、偏光フィルムに放熱効果の高い透明基板を接合した偏光板が、該偏光フィルムから発生する熱を該透明基板から放熱させて、該偏光フィルムを低温化させ、偏光板の耐光性を向上させることが報告されており、例えば、透明基板に放熱効果の高いサファイアガラスを用いる偏光板や(特許文献1)、透明基板に放熱効果の高いYAG基板を用いる偏光板が提案されている(特許文献2)。
本発明の偏光部材に含まれる偏光フィルムは、二色性染料又はヨウ素を樹脂製偏光子基材に吸着配向した偏光子及び保護膜を含む。偏光子は、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂製偏光子基材に、二色性染料又はヨウ素を吸着配向されたものである。
ここで、ポリビニルアルコール系の樹脂には、ポリ酢酸ビニルの部分又は完全ケン化物であるポリビニルアルコール;ケン化EVA樹脂などの酢酸ビニルと他の共重合可能な単量体(例えば、エチレンやプロピレンのようなオレフィン類、クロトン酸やアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、ビニルエーテル類等)との共重合体のケン化物;ポリビニルアルコールをアルデヒドで変性したポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等が包含される。偏光子基材としては、ポリビニルアルコール系の樹脂のフィルム、特にポリビニルアルコール自体のフィルムが、染料の吸着性及び配向性の観点から好適に用いられる。
二色性染料としては、「液晶表示装置用二色性色素の開発」(栢根ら、住友化学、2002−II、23〜30頁)に記載されている化合物が挙げられる。
(式中、Meは銅原子、ニッケル原子、亜鉛原子および鉄原子から選ばれる金属原子を示す。A1は置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいナフチル基を示す。B1は置換されていてもよいナフチル基を示す。R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、カルボキシル基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルホンアルキルアミド基、アミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。)
で示される二色性染料、
(式中、A3およびB3はそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいナフチル基を示し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、カルボキシル基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルホンアルキルアミド基、アミノ基、ハロゲン原子またはニトロ基を示し、mは0または1を示す。)
で示される二色性染料、
Q1−N=N−Q2−X−Q3−N=N−Q4 (III)
〔式中、Q1およびQ4はそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいナフチル基を示し、Xは化学式(III−1)
または化学式(III−2)
で示される2価の残基を示す。Q2およびQ3はそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニレン基をしめす。〕
で示される二色性染料、
〔式中、Meは銅原子、ニッケル原子、亜鉛原子および鉄原子から選ばれる金属原子を示し、Q5およびQ6はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいナフチル基を示し、Meと結合している酸素原子と−N=N−で示されるアゾ基とは、ベンゼン環上の炭素が互いに隣接位置にある炭素に結合している。Yは化学式(IV−1)
または、化学式(IV−2)
で示される2価の残基を示す。R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基またはスルホキシ基を示す。〕
で示される二色性染料、並びに
かかる二色性染料はそれぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
このようにして調製した染浴に偏光子基材を浸漬し染色を行う。染色温度は、好ましくは40〜80℃である。染料の配向は、染色の前の偏光フィルム基材または染色された偏光子基材を延伸することによって行われる。延伸する方法としては、例えば、湿式法または乾式法等で延伸する方法等が挙げられる。
偏光子の光線透過率、偏光度及び耐光性を向上させる目的で、ホウ酸処理等の後処理が施してもよい。ホウ酸処理は、用いる偏光子基材の種類や用いる染料の種類によって異なるが、通常、1〜15重量%、好ましくは5〜10重量%範囲の濃度に調製されたホウ酸水溶液を用いて、30〜80℃、好ましくは50〜80℃の温度範囲で偏光フィルム基材を浸漬させる。更に必要に応じて、カチオン系高分子化合物を含む水溶液でフィックス処理を併せて行ってもよい。
偏光子で発生した熱が透明基板または金属層に伝導されやすいため、耐光性向上の観点からは偏光子の片面のみに保護フィルムが貼合された形態が好ましい。
保護フィルムの厚さとしては、通常、10〜90μm、とりわけ好ましくは、10〜45μmである。90μm以下であると偏光フィルムの厚さを薄くできることから好ましく、また、10μm以上であると、偏光フィルムの強度が確保できるため好ましい。
金属層の金属部分は、連続しており、開孔部で囲まれた金属部分は存在しない。このことにより、金属層の金属部分の熱は速やかに金属層の面内全体に伝わり、低温の光照射領域外へ放熱することができる。
開孔率は、通常、5%〜95%、好ましくは、10〜90%である。開孔率が上記範囲内であると、光の透過量を向上させることができることから好ましい。ここで、開孔率とは、金属層の両面の開孔部の面積の合計を、金属層の両面の合計で除した値を表す。
中でも、熱伝導率、可視光における光吸収といった物性の観点からアルミニウム及び銀が好適である。
以下、金属網について説明する。
金属網における金属細線の線径は、通常、1μm〜10mm、好ましくは、10μm〜1mm程度であり、金属細線が構成する開孔部の間隔は、通常、10μm〜1mmである。線径が上記範囲内であると、光の透過量が向上する傾向があることから好ましい。
中でも金属網の種類としては、網の平坦性が高く、半導体微粒子の塗布がし易いエキスパンドメタルが好ましい。
菱形網目のエキスパンドメタルは図6に例示したように、メッシュの短目方向中心間距離(SW)及びメッシュの長目方向中心間距離(LW)が、通常、10μm〜30mm程度、好ましくは、100μm〜10mm程度である。SW、LWが上記範囲内であると、光電変換効率が向上する傾向があることから好ましい。
板厚(T)としては、通常、1μm〜10mm程度、好ましくは、10μm〜1mm程度である。板厚(T)が上記範囲内であると、光電変換効率が向上する傾向があることから好ましい。
本発明の金属面とは、金属の連続面を意味し、透明基板などに蒸着された金属膜、金属板、金属箔などを含む。
開孔部を有する金属面の製造方法としては、例えば、研削加工、プレス加工、電鋳加工、レーザー加工などにより金属板に穿孔する方法、半導体加工技術を用いる方法などが挙げられる。
金属面上に非開孔部(金属部分)の形状を有するレジストを形成させる方法としては、例えば、フォトレジスト内にホログラフィ干渉リソグラフィを使用する方法、電子ビームリソグラフィを使用する方法、紫外線リソグラフィを使用する方法、X線リソグラフィを使用する方法、これらの方法の組合せなどが挙げられる。
開孔部を形成する方法としては、例えば、反応性ガスエッチング、イオンビームエッチングなどのドライエッチングを使用する方法、あるいはフォトエッチングを使用する方法などが挙げられる。
エッチングをさらに進め、金属面の断面が図7に示すように、金属面への入射光側の表面(図7の上方)に平坦な領域がなくなるようにすると、傾斜面で直進光が傾斜した側壁で反射され、開孔部に集光され、透過光量を増加させることができる。
また、図8および図9のようにエッチングを両面から進行させることにより、金属面の断面中心として対称性を有する側壁の開孔部であると、金属面への入射光が平行光であると、金属面からの出射光は平行光となる。
側壁の傾斜角は、金属層平面に対する垂線と為す角度(図9の両矢印で示される角度)が、0°よりも多く、45°未満の範囲であることが好ましい。側壁が上記の範囲にあるとき、開孔部に集光される光量が増加する傾向があることから好ましい。
ここで周期とは、図1、図3、図4及び図5の→で示される長さのように、金属部分と開孔部の繰り返しの最小単位の長さを意味する。
上記周期であると、透過光量が増大し、かつ、所望の偏光しか透過しないことから好ましい。
金属細線が縞状に略平行に配置された金属格子の製造方法としては、例えば、金属細線を縞状に略平行に配置する方法、例えば、研削加工、プレス加工、電鋳加工、レーザー加工などにより金属面に穿孔して開孔部を縞状に略平行に配置する方法、例えば、前記のように半導体加工技術を用いて金属面に開孔部を縞状に略平行に配置する方法、ナノインプリント法などが挙げられる。
中でも、開孔部の横幅(t、金属細線が配置されている平行線の垂直方向[横手方向]の幅)が30nm〜200nmであり、金属細線の横幅(金属細線が配置されている平行線の垂直方向[横手方向]の幅)が0.2t〜0.5tであると、人間が視認できる最も長い波長(約780nm)まで、高い偏光分離能を有することから好ましい。
本発明に用いられる偏光フィルム層、中でも、青色の光を吸収する二色性染料を含有する偏光フィルム層は、少なくとも410nm〜550nmにおいて高い偏光分離能を示す一方、550nm〜610nmにおいては、例えば、99〜50%程度へと波長が長くなるほど偏光分離能が低下するが、開孔部の横幅(t)が10nm〜200nmであり、金属細線の横幅が0.2t〜0.5tである金属細線が縞状に略平行に配置された金属格子は、例えば、90〜99%程度へと波長が長くなるほど偏光分離能が向上し、結果として、本発明の偏光部材は人間が視認できる波長のいずれにおいても、二色性染料を含有する偏光フィルム層のみの偏光部材よりも高い偏光分離能を実現する傾向があることから好ましい。
式(1)において、Tp 及びTc はそれぞれ、(2)式、(3)式によって定義される。
Tp(λ)=[kp(λ)× kp(λ)+kc(λ)×kc(λ)]/2 (2)
Tc(λ)=kp(λ)×kc(λ) (3)
ここで、kp(λ )は透過する偏光面を有する直線偏光を入射した際の透過率を表し、kc(λ)は透過しない偏光面を有する直線偏光を入射した際の透過率を表す。
半導体加工技術を用いる方法を用いる場合、金属膜を透明基板上に接着あるいは蒸着により貼合し、開孔部の形状が描かれたレジストパターンを転写して、金属層及び透明基板を積層することが好ましい。
開孔部が透明な誘電体材料で充填されることにより、偏光フィルム層と平面で接着する傾向があることから好ましい。
また、金属層の金属表面を焼成、酸化剤による化学処理、電気化学的方法等により酸化させて、金属酸化物薄膜を表面に形成させる方法が挙げられる。
SiOx、Al2O3等の透明金属酸化物をスパッタリング等で金属層の金属表面をコートしてもよい。
本発明の金属層には、金属層によって反射あるいは散乱された光を透過させるために集光層が積層されていてもよい。集光層としては、図10のように、金属層表面に具備されるマイクロレンズなどが挙げられる。
ここで、「直接、積層する」とは、偏光フィルム層及び金属層が何も介することなく貼合しているか、偏光フィルム層及び金属層が接着剤層を介して貼合しており、後述する透明基板や他のフィルムなどが偏光フィルム層と金属層との間に存在しないことを意味する。
本発明の偏光部材を図示すると、図10〜図12及び図19などが挙げられる。尚、各図において、各層の間には、接着剤層、反射防止処理層については省略されている。
図19は、本発明の最も基本的な偏光部材であり、偏光フィルム層(11)および金属層(12)が順次、積層した偏光部材である。
図10では、集光層(14)、金属層(12)、偏光フィルム層(11)および金属層(12)、集光層(14)が順次、積層した偏光部材である。
図11は、側壁が傾斜した構造の金属面(12a)を有する金属層(12)、偏光フィルム層(11)及び側壁が傾斜した構造の金属面(12a)を有する金属層(12)が順次、積層した偏光部材である。
図12は、図11の側壁が傾斜した構造の金属面(12a)の表面に反射増加膜(15)を具備する偏光部材である。
透明基板の材質としては、無機透明材料であり、具体的には、珪酸塩ガラス、ホウ珪酸塩ガラス、チタン珪酸塩ガラス、溶融石英(石英ガラス)、水晶、サファイア、YAG結晶、蛍石などが例示できる。珪酸塩ガラスは、光学材料用の白板ガラス、あるいは青板ガラスの名称で市販されている。
偏光板に耐光性を向上させるためには、透明基板の少なくとも1方の透明基板の材質が、水晶又はサファイアであることが好ましく、とりわけ、サファイアが好ましい。また、他方の透明基板の材質が、水晶又はサファイアであってもよいが、価格の観点から、珪酸塩ガラス又はホウ珪酸塩ガラスであることが好ましい。
図13では、上から透明基板(13)、偏光フィルム層(11)及び金属層(12)が積層している偏光板であり、図14は図13の金属層(12)の下に、さらに透明基板(13)が積層している偏光板である。
図15には、偏光フィルム層(11)の両面に金属層(12)が、積層されてなり、それぞれの金属層にはさらに透明基板(13)が積層されてなる偏光板が示されている。
偏光フィルム(11)が複数ある場合には、図16の構成の偏光板などが例示される。
その詳細を図17に示すリアプロジェクターの光学系を例に説明する。本発明の偏光板は図17の142,143として例示されている。
高圧水銀ランプ111を光源とする光線束は、まずは第1のレンズアレイ112、第2のレンズアレイ113、偏光変換素子114、重畳レンズ115により反光線束断面での輝度の均一化と偏光化が行われる。
具体的には光源111から出射された光線束は、微小なレンズ112aがマトリクス状に配置された第1のレンズアレイ112によって多数の微小な光線束に分割される。第2のレンズアレイ113及び重畳レンズ115は、分割された光線束のそれぞれが、照明対象である3つのLCDパネル140R,140G,140Bの全体を照射するように備えられており、このため、各LCDパネル入射側表面は全体がほぼ均一な照度となる。
輝度の均一化と偏光化された光は反射ミラー122を経由してRGBの3原色に分離するためのダイクロイックミラー121,123,132により順次、レッドチャンネル、グリーンチャンネル、ブルーチャンネルに分離され、それぞれLCDパネル140R,140G,140Bに入射する。
RGBそれぞれの光路に液晶パネルを挟んで、入射側と出射側に配置される2枚の偏光板について説明する。各光路に配置される偏光板(入射側)142及び偏光板(出射側)143は、その吸収軸を直行とした構成で配置され、各光路に配置される各LCDパネル140R,140G,140Bで画像信号により各画素ごとに制御された偏光状態を光量に変換する機能を果たしている。
本発明の偏光板は、ブルーチャンネル、グリーンチャンネル、レッドチャンネルの全ての光路で共通した構成であり、どの光路においても耐久性の優れた偏光板として有効であるが、中でもブルーチャンネル、グリーンチャンネルでは特に有効である。
LCDパネル140R,140G,140Bの画像データに応じて、画素毎に異なる透過率で入射光を透過させることによって作成された光学像は、クロスダイクロイックプリズム150により合成され、投写レンズ170によって、スクリーン180に拡大投写される。
(実施例1)
ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製VF−PX、以下、PVAという)を一軸延伸し、青色を吸収する染料で染色し、乾燥させて、厚さ28μm、440nmにおける偏光度が99.9%、透過率が44.0%であるプロジェクターブルーチャンネル用の偏光子を得た。この偏光子の両面にカルボキシル基変性ポリビニルアルコール樹脂(製品名:KL318)に水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(製品名:スミレーズレジン650)を有効成分とする接着剤で保護フィルムとして80μmの厚みを有するアセチルセルロース系フィルム(コニカ社製KC8UY、以下、8UYTACという)を貼合し、偏光フィルムを作製した。
金属層は、厚さ0.1mmのアルミニウム板に、フォトエッチングによって図1に示すように0.32mm×0.32mmの略正方形上の開孔部を、周期(p)0.4mm、金属部分の横幅が0.08mmで配列させたものを用いる。
得られた偏光フィルムの一方の面に、粘着剤を介して0.5mmのサファイアガラス(京セラ社製)を貼合する。
もう一方の8UYTACの面には、接着剤で上記金属層を貼合する。なお、用いたサファイアガラスおよび青板ガラスの両方の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施した。
このように得られる偏光板を図18に記載の耐光性評価装置のブルーチャンネル用の光路に投入し、劣化による光漏れが発生するまでの時間を調べると、長時間、光洩れが生じない。
この時用いた耐光性評価装置はフィリップス社製の130Wの高圧水銀ランプを光源とし、偏光ビームスプリッタアレイやレンチキュラーレンズなど、リアプロジェクションTVの光学系と同様の光学系を有し偏光板への照射光量としては、1cm2当たり3.0Wである。
ここで光漏れとは、耐光性評価装置に投入後に起きる偏光板の劣化現象であり、吸収軸方向の透過率が上昇する現象である。評価対象の偏光板と正常な偏光板とをクロスニコルに配置した場合、本来透過率が低いはずのものが、そうではなく光が漏れて透過してくるためこのように表現している。
透明基板上に金属細線が縞状に略平行に配置された金属格子の金属層を調製する。金属層の金属細線は、アルミニウムであり、開孔部の横幅(t)=150nm、アルミニウム線幅が0.25×t=37.5nm、金属層厚150nmであり、かかる金属細線が図3のように縞状に略平行に配置されている。
該金属層が与える偏光分離能の計算結果と、実施例1に記載された偏光フィルムが与える偏光分離能の実測値とを表1に示した。
表からも明らかなように、該積層部と偏光フィルムを図14のように積層して得られる本発明の偏光板は410nm〜610nmの間で、高い偏光分離能を与える。
尚、該偏光板は初期評価および長期評価で高い耐光性を示す。
(12) :金属層
(12a):金属層の金属部分
(12b):金属層の開孔部
(13) :透明基板
(14) :集光層
(15) :反射増加膜
(20) :高圧水銀ランプ
(21) :UV/IRカットフィルター
(22) :フライアイレンズ
(23) :偏光ビームスプリッタアレイ
(24) :ダイクロイックミラー
(25) :レンズ
(26) :サンプルホルダ−
(27) :白色光
(28) :赤色、緑色光
(29) :青色光
Claims (11)
- 二色性染料又はヨウ素を樹脂製偏光子基材に吸着配向した偏光子及び保護フィルターを含む偏光フィルム層、並びに、開孔部を有する金属層が積層してなる偏光部材。
- 該金属層が、金属細線が交差に織られた金属網、または開孔部を有する金属面である請求項1に記載の偏光部材。
- 開孔部を有する金属面の金属部分の幅が1μm〜10mmであり、開孔部の間隔が10μm〜30mmである請求項2に記載の偏光部材。
- 開孔部を有する金属面における金属部分と開孔部との周期(p)が、10nm〜500nmであり、金属部分の幅が0.1p〜0.9pである請求項2に記載の偏光部材。
- 開孔部を有する金属面が、金属細線が縞状に略平行に配置された金属格子である請求項2〜4のいずれかに記載の偏光部材。
- 金属格子の開孔部の横幅(t、金属細線が配置されている平行線の垂直方向の幅)が30nm〜200nmであり、金属格子の金属細線の横幅(金属細線が配置されている平行線の垂直方向の幅)が0.2t〜0.5tである請求項5に記載の偏光部材。
- 縞状に略平行に配置された金属細線の平行方向(長手方向)が、偏光フィルム層の吸収軸と略一致している請求項5又は6に記載の偏光部材。
- 金属網における金属細線の線径1μm〜10mmであり、金属細線が構成する開孔部の間隔が10μm〜1mmである請求項2に記載の偏光部材。
- 金属層が集光層を有する請求項1〜8に記載の偏光部材。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の偏光部材及び透明基板を含む偏光板。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の偏光部材の金属層が入射光側に配置されてなる投射型液晶表示装置。
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